JP4264686B2 - 車載用音響再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車載用音響再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
音響再生装置により音楽などを再生する場合、再生される音像の理想の高さは、リスナの目の高さであるといわれている。このため、スピーカは、一般にリスナの目の高さに設置するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、車載用の音響再生装置においては、スピーカをリスナ(車両の運転者あるいは同乗者。すなわち、搭乗者)の目の高さに設置することは困難であり、図12Aに示すように、スピーカは車両の前部ドアの下方▲1▼あるいは後部ドアの下方▲2▼に設置されていることが多い。したがって、再生音は下方から聞こえてくることになり、音像はリスナの目よりも下に定位してしまう。
【0004】
このような不具合を避けるため、図12Aに示すように、口径の小さな高域再生用のスピーカを、リスナの前方▲3▼に設置する方法がある。しかし、この方法では、高域と低域とで、再生音の出力される位置が異なるので、再生音が分離して聞こえてしまう。
【0005】
また、音は高域ほど吸収されやすい性質を持つことが知られている。したがって、車室内の下方にスピーカが設置されていると、高域は座席や内装により吸収されてしまい、音響再生装置が出力している再生音と、リスナに実際に聞こえる音響とが、異なってしまう。
【0006】
さらに、以上のような状況に対応するには、車室内での伝達関数を実際に測定し、この伝達関数にしたがって再生音の補正を行うことが有効であるが、これには高性能なデジタル信号処理装置が必要になってしまう。そして、そのようなデジタル信号処理装置はかなり高価なので、民生用の音響再生装置に利用することは困難である。
【0007】
しかも、伝達関数にしたがって再生音の補正を行うと、一般に高域が強調される傾向があり、音量レベルを上げたときに、違和感を感じてしまう。
【0008】
さらに、車室は、音響空間として見たとき、かなり狭く、これが再生音に影響を与え、リスナが実際に聴取する再生音は、広がり感や奥行き感の乏しい再生音となってしまう。
【0009】
この発明は、以上のような問題点を解決しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、この発明においては、
左および右チャンネルの入力オーディオ信号の周波数特性を補正して左および右チャンネルのデジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) として出力する周波数特性補正回路と、
上記デジタルオーディオ信号XL(Z)、XR(Z)を、
YL(Z)・GLL(Z)+YR(Z)・GLR(Z)=XL(Z)・FLL(Z)+XR(Z)・FLR(Z)
YR(Z)・GLL(Z)+YL(Z)・GLR(Z)=XR(Z)・FLL(Z)+XL(Z)・FLR(Z)
ただし、
FLL(Z) :車室内のリスナの前方に位置する第1の左および右チャンネルの
スピーカから上記リスナの左耳および右耳までの頭部伝達関数
FLR(Z) :上記第1の左および右チャンネルのスピーカから、上記リスナの
右耳および左耳までの頭部伝達関数
GLL(Z) :上記リスナの前下方に位置する第2の左および右チャンネルのス
ピーカから上記リスナの左耳および右耳までの頭部伝達関数
GLR(Z) :上記第2の左および右チャンネルのスピーカから、上記リスナの
右耳および左耳までの頭部伝達関数
で示されるデジタルオーディオ信号YL(Z)、YR(Z)に変換して出力する音像位置補正回路と、
上記デジタルオーディオ信号Y L(Z) 、Y R(Z) による音響の奥行き感を補正する奥行き感補正回路と、
この奥行き感補正回路の出力信号が供給されるD/Aコンバータ回路と
を有し、
上記音像位置補正回路は、
Hp(Z)=(FLL(Z)+FLR(Z))/(GLL(Z)+GLR(Z))
Hm(Z)=(FLL(Z)−FLR(Z))/(GLL(Z)−GLR(Z))
とするとき、
上記デジタルオーディオ信号XL(Z)、XR(Z)を加算および減算する第1の加算回路および第1の減算回路と、
上記Hp(Z)、Hm(Z)の伝達特性を有し、上記第1の加算回路および上記第1の減算回路の出力信号が供給される第1および第2デジタルフィルタと、
これら第1および第2のデジタルフィルタの各出力信号を加算および減算して上記出力信号YL(Z)、YR(Z)を形成する第2の加算回路および第2の減算回路と、
上記第1の減算回路と上記第2の加算回路および上記第2の減算回路との間の信号ラインにおいて、上記第2のデジタルフィルタと直列に接続されたレベル制御回路と
を有し、
上記周波数特性補正回路は、
これに供給された上記左および右チャンネルの入力オーディオ信号に対して、
上記音像位置補正回路の信号処理によって生じる高域レベルの上昇との周波数バランスを補正するように、低域を増強する帯域増強フィルタ、
車室内の共振現象の影響が最も顕著に現れる周波数帯域のレベルを低下させる帯域減衰フィルタ、および
音量を大きくするほど高域の減衰量が大きくなるように、高域のレベルを制御する可変高域減衰フィルタ
を有して上記デジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) を出力し、
上記奥行き感補正回路は、
上記デジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) に含まれるボーカル成分のレベルをそれぞれ制限する1対の帯域減衰フィルタと、
この1対の帯域減衰フィルタの出力信号と、上記第1の減算回路の出力信号とをそれぞれ加算する1対の加算回路と、
この1対の加算回路の出力信号に対してそれぞれ高域の補正を行う1対のフィルタと、
この1対のフィルタの出力信号をそれぞれ遅延して反射音の信号を形成する1対の反射音信号形成回路と、
この1対の反射音信号形成回路から出力される上記反射音の信号を、上記デジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) にそれぞれ加算して上記D/Aコンバータ回路に供給される信号を出力する1対の加算回路と
を有し、
上記高域の補正を行う1対のフィルタのそれぞれは、
上記反射音の信号から低域のにごりとなる低域成分を除去するハイパスフィルタと、 上記反射音が別の位置に定位する音となるように、その音質を変更する高域増強フィルタと、
この高域増強フィルタにより必要以上に高域が増強されることを抑制するローパスフィルタと
から構成され、
上記反射音の信号を形成する1対の反射音信号形成回路のそれぞれは、
複数のタップを有する遅延回路と、
上記複数のタップの出力信号がそれぞれ供給される複数の係数回路と、
これら複数の係数回路の出力信号を互いに加算する加算回路と
から構成され、
上記レベル制御回路により上記第2の加算回路および上記第2の減算回路に供給される差信号のレベルが制御され、
上記D/Aコンバータ回路から出力されるアナログオーディオ信号が、上記第2の左および右チャンネルのスピーカに供給される
ようにした車載用音響再生装置
とするものである。
したがって、リスナの前方に仮想スピーカが配置されることになり、この仮想スピーカにより音場および音像が再生される。
【0011】
【発明の実施の形態】
[車載用音響再生装置のアウトライン]
図1は、この発明による車載用の音響再生装置の一形態を示す。すなわち、デジタルオーディオデータのソースとして、例えばCDあるいはMDのプレーヤ1が設けられ、このプレーヤ1から出力されるデジタルオーディオデータが、入力セレクタ回路4に供給される。
【0012】
また、アナログオーディオ信号のソースとして、例えばFMチューナ2が設けられ、このチューナ2から出力されるアナログオーディオ信号がA/Dコンバータ回路3に供給されてデジタルオーディオデータにA/D変換され、そのデジタルオーディオデータがセレクタ回路4に供給される。
【0013】
そして、セレクタ回路4において、これに供給されたデジタルオーディオデータの1組が選択され、その選択されたデジタルオーディオデータが、デジタル補正回路5に供給される。このデジタル補正回路5の詳細については後述するが、このデジタル補正回路5は、例えばDSPにより構成され、
・スピーカにより再生された音像を理想位置に位置させる。
・再生音に、広がり感、奥行き感を与える。
・周波数特性などを補正する。
などの補正をするものである。
【0014】
そして、この補正処理されたデジタルオーディオデータが、D/Aコンバータ回路6に供給されてアナログオーディオ信号にD/A変換され、このオーディオ信号が音量調整用のアッテネータ回路7を通じ、さらに、出力アンプ8を通じて左および右チャンネルのスピーカ9L、9Rに供給される。
【0015】
この場合、スピーカ9L、9Rは、例えば図12Aの▲1▼の位置に配置される(あるいは▲1▼の位置に配置することができる)。すなわち、前部座席のリスナが対象であるとすれば、スピーカ9L、9Rは、車両の左側および右側の前部ドアの下方にそれぞれ配置される。
【0016】
また、システム制御用としてマイクロコンピュータ11が設けられ、操作キー(操作スイッチ)12を操作すると、プレーヤ1、チューナ2、セレクタ回路4あるいはアッテネータ回路7が、そのキー操作に対応してマイクロコンピュータ11により制御され、ソースや音量などが変更される。
【0017】
したがって、スピーカ9L、9Rからは、CD、MDあるいは放送などの再生音が出力される。そして、このとき、その再生音により形成される音像は、スピーカ9L、9Rが図12Aの▲1▼の位置にあっても、デジタル補正回路5の補正処理により、リスナの例えば目の高さに位置するようになる。また、狭い車室内であっても、その再生音は、広がり感や奥行き感などが豊かなものとなる。さらに、車室特有の周波数特性の影響も補正される。
【0018】
[デジタル補正回路5]
デジタル補正回路5は、上述のように各種の補正を実行するが、このため、等価的に示すと、図2に示すように、周波数特性補正回路51と、音像位置補正回路52と、奥行き感補正回路53とから構成される。
【0019】
この場合、周波数特性補正回路51は、音像位置補正回路52を設けたことによる周波数特性の変化や車室特有の周波数特性の乱れなどを補正して最終的にスピーカ9L、9Rに供給されるオーディオ信号を適切な周波数特性にするためものである。また、音像位置補正回路52は、音像の位置を補正するとともに、広がり感をも補正するものである。さらに、奥行き感補正回路53は、反射音信号により奥行き感を補正するものである。
【0020】
以下、これらの補正回路51〜53のそれぞれについて、説明する。なお、説明の都合で、補正回路52、53、51の順番に説明する。
【0021】
[音像位置補正回路52]
音像位置補正回路52は、まず、音像がリスナの目の高さに位置するように、デジタルオーディオデータを補正するものであるが、この補正は、スピーカからリスナの鼓膜までの聴覚特性も加味した伝達関数、すなわち、頭部伝達関数(HRTF)を用いることにより実現する。
【0022】
そして、この頭部伝達関数は、一般に、次のようにして測定することができる。すなわち、
(ア) スピーカと、人間の頭部の形をしたダミーヘッドとを、所定の位置関係に配置する。
(イ) そのスピーカに、テスト信号として、フーリエ変換すると周波数軸で平坦になるインパルス信号を入力する。なお、このテスト信号は、タイムストレッチドパルス信号などのインパルス関数の性質を持つ信号でもよい。
(ウ) ダミーヘッドの人工耳におけるインパルス応答を測定する。このインパルス応答が(ア)項の位置関係にあるときの頭部伝達関数である。
【0023】
したがって、図1および図2の装置において頭部伝達関数を利用する場合には、
(A) 図12Aに示すように、標準的な車両あるいは代表的な車両の前部座席に人間の頭の形をしたダミーヘッドDMを配置する。
(B) 実際のスピーカ位置、例えば▲1▼の位置にスピーカを配置し、このときの頭部伝達関数を求める。
(C) 理想の音場を実現したい位置、例えば▲3▼の位置、すなわち、ダッシュボードの上にスピーカを配置し、このときの頭部伝達関数を求める。
【0024】
そして、音像位置補正回路52は、(B)、(C)項の頭部伝達関数をもとにしてデジタルオーディオデータを補正するものであり、このデータ補正により、上述のように、前部座席のドア位置▲1▼に取りつけられているスピーカ9L、9Rによる音像が、理想の位置▲3▼にあるスピーカによる音像の位置に補正される。
【0025】
まず、上記の(A)〜(C)項により測定して解析した頭部伝達関数HRTFが、図5にも示すように、以下のとおりであったとする。
【0026】
FLL(Z):▲3▼の位置の左チャンネルのスピーカから左耳までのHRTF
FLR(Z): 〃 右耳 〃
FRL(Z):▲3▼の位置の右チャンネルのスピーカから左耳までのHRTF
FRR(Z): 〃 右耳 〃
GLL(Z):▲1▼の位置の左チャンネルのスピーカから左耳までのHRTF
GLR(Z): 〃 右耳 〃
GRL(Z):▲1▼の位置の右チャンネルのスピーカから左耳までのHRTF
GRR(Z): 〃 右耳 〃
ただし、この場合、上記のように、▲3▼の位置とは、理想とする音場あるいは音像を実現するスピーカの位置であり、▲1▼の位置とは、実際に設置されているスピーカ9Lあるいは9Rの位置である。また、それぞれの頭部伝達関数は複素数で表される。
【0027】
さらに、
XL(Z):左チャンネルの入力オーディオ信号(補正前のオーディオ信号)
XR(Z):右 〃 ( 〃 )
YL(Z):左チャンネルの出力オーディオ信号(補正後のオーディオ信号)
YR(Z):右 〃 ( 〃 )
とする。
【0028】
そして、音像位置補正回路52におけるデータの処理量を低減するため、上記の頭部伝達関数が「左右対称」であり、すなわち、
FLL(Z)=FRR(Z) ・・・ (1)
FLR(Z)=FRL(Z) ・・・ (2)
GLL(Z)=GRR(Z) ・・・ (3)
GLR(Z)=GRL(Z) ・・・ (4)
が成立すると仮定して音像位置補正回路52を構成する。
【0029】
このため、頭部伝達関数を測定するときのダミーヘッドDMの設置場所は車室内の前部座席の中央、あるいは車室内の中央が望ましい。また、こうすることによって、座席ごとの補正差が少なくなり、どの座席においても補正効果を見込むことができる。
【0030】
そして、(1)〜(4)式の仮定のもとで、▲3▼の位置のスピーカから音が出ているように補正するには、次の(5)、(6)式を満足させればよい。すなわち、
YL(Z)・GLL(Z)+YR(Z)・GLR(Z)
=XL(Z)・FLL(Z)+XR(Z)・FLR(Z) ・・・ (5)
YR(Z)・GLL(Z)+YL(Z)・GLR(Z)
=XR(Z)・FLL(Z)+XL(Z)・FLR(Z) ・・・ (6)
ここで、Hp(Z)、Hm(Z)を、
Hp(Z)=(FLL(Z)+FLR(Z))/(GLL(Z)+GLR(Z)) ・・・ (7)
Hm(Z)=(FLL(Z)−FLR(Z))/(GLL(Z)−GLR(Z)) ・・・ (8)
のように定義すると、YL(Z)、YR(Z)は、
YL(Z)=Hp(Z)・(XL(Z)+XR(Z))/2
+Hm(Z)・(XL(Z)−XR(Z))/2 ・・・ (9)
YR(Z)=Hp(Z)・(XL(Z)+XR(Z))/2
−Hm(Z)・(XL(Z)−XR(Z))/2 ・・・ (10)
となる。
【0031】
また、ステレオの音楽信号の差成分は、広がり感・ステレオ感に強く影響していることが知られている。そして、(9)、(10)式の第2項は、ステレオ信号の差 成分である。したがって、この第2項のレベルを制御すると、空間的な広がり感を制御できることになる。
【0032】
そこで、(9)、(10)式の第2項に広がり感を制御するためのパラメータとして 、係数kを乗ずると、(9)、(10)式は、
YL(Z)=Hp(Z)・(XL(Z)+XR(Z))/2
+k・Hm(Z)・(XL(Z)−XR(Z))/2 ・・・ (11)
YR(Z)=Hp(Z)・(XL(Z)+XR(Z))/2
−k・Hm(Z)・(XL(Z)−XR(Z))/2 ・・・ (12)
となる。この(11)、(12)式においては、係数kを大きくすると、第2項の差成分が強調され、したがって、再生音場の広がり感が増強される。
【0033】
そして、(11)、(12)式によれば、音像位置補正回路52は、(7)、(8)式により示される特性のフィルタと、レベル制御回路と、加算回路および減算回路とから構成できることになる。
【0034】
したがって、音像位置補正回路52は、例えば図2に示すように構成することができる。すなわち、後述する周波数特性補正回路51からのデジタルオーディオデータが、音像位置補正回路52の入力信号XL(Z)、XR(Z)とされ、その出力信号が信号YL(Z)、YR(Z)となる。
【0035】
そして、入力信号XL(Z)、XR(Z)が加算回路521Aおよび減算回路521Bに供給されて和信号(XL(Z)+XR(Z))および差信号(XL(Z)−XR(Z))が形成され、その和信号がフィルタ回路523Aに供給される。また、その差信号がレベル制御回路522に供給されて(11)、(12)式における係数kに対応するレベル制御が行われてからフィルタ回路523Bに供給される。
【0036】
この場合、フィルタ回路523A、523Bは、例えば70次のFIR型に構成され、(7)、(8)式に示す伝達特性を有するものである。そして、これらフィルタ回路523A、523Bの出力信号が、加算回路524Aおよび減算回路524Bに所定の比率で供給されて出力信号YL(Z)、YR(Z)が形成され、これら信号YL(Z)、YR(Z)が、奥行き感補正回路53を通じてD/Aコンバータ回路6に供給される。
【0037】
したがって、スピーカ9L、9Rが前部座席のドア位置▲1▼に取りつけられていても、理想の位置▲3▼にスピーカ9L、9Rが配置されているときと同等の音像を再現することができる。
【0038】
(a) 広がり感の制御について
上述のように、音楽信号の左および右チャンネルの差成分が、再生音のステレオ感、広がり感に強く影響しているので、図2の音像位置補正回路52には、レベル制御回路522が設けられ、差成分のレベルが、係数kに対応して制御されている。したがって、この音像位置補正回路52によれば、再生音の空間的な広がり感を制御できるとともに、強調することもできる。
【0039】
ただし、一般に差成分のレベルを大きくして広がり感を強調すると、音量レベルが大きくなったように聞こえる。そこで、図2の音像位置補正回路52においては、図1にも示すように、レベル制御回路522により差成分のレベルが制御されるとき、同時に、音量調整用のアッテネータ回路7においてアナログオーディオ信号のレベルが補正され、再生音の音量が補正される。
【0040】
したがって、図1の再生装置によれば、音像の位置が目の高さに補正されるとともに、十分な広がり感を得ることもでき、あるいはさらに、広がり感を強調することもできる。
【0041】
[音像位置補正回路52の簡略化]
図6は、インパルス応答の測定例を示すもので、この図は、車両の前部座席の左側のドア位置▲1▼に配置したスピーカから前部座席の中央に配置したダミーヘッドDMの左耳までのインパルス応答の測定結果である。
【0042】
そして、この測定結果からも明かなように、インパルス応答には、大きなピークやディップを生じている。そして、これらのピークやディップを、このまま音像位置補正回路52に適用すると、フィルタ回路523A、523Bの次数が多くなってしまい、大規模な処理が必要になってしまう。
【0043】
そこで、以下においては、フィルタ回路523A、523Bを簡略化して音像位置補正回路52を簡略化する方法について説明する。
【0044】
(a) 周波数軸上での平均化
例えば図6の測定結果において、周波数軸上での振幅平均を取ることにより、急峻なピークやティップを削り、インパルス応答の全体の傾向を利用する。例えば、図6の測定結果であれば、その振幅を平均化することにより、図7の曲線A、Bの特性を得、この曲線A、Bの特性にしたがってフィルタ回路523A、523Bを構成する。
【0045】
(b) データの平坦化
図8および図9は、インパルス応答の別の測定例であり、図8は、車両の前部座席の左側のドア位置▲1▼に配置したスピーカから前部の左側座席に配置したダミーヘッドDMの左耳までのインパルス応答の測定結果、図9は、車両の前部座席の左側のドア位置▲1▼に配置したスピーカから前部の右側座席に配置したダミーヘッドDMの左耳までのインパルス応答の測定結果である。
【0046】
そして、これらの測定結果および図6の測定結果などからも明かなように、一般に、1kHz以下の周波数帯域では、車室内の測定個所に応じて振幅特性が大きく異なる傾向がある。これは、車室内が閉鎖空間であり、車室内の共振(定在波)の影響によるものである。したがって、このような低域成分を補正することは、聴取位置を限定することになる。また、低域成分を補正するには、フィルタの次数を十分大きくしなければならない。
【0047】
そこで、1kHz以下の周波数帯域については、補正は行わないことにする。すなわち、図7において、直線Cにより示すように、1kHz以下の振幅は、その平均レベルで応答を平坦化する。そして、この直線Cおよび曲線Bの特性にしたがってフィルタ回路523A、523Bを構成する。
【0048】
(c) 最小位相化
フィルタの次数を削減する方法として、最小位相化と呼ばれる手法がある。
【0049】
そこで、(7)、(8)式の計算を行うとき、分子および分母の計算ごとに最小位相化を行ってから除算を行い、フィルタ回路523A、523Bの次数を削滅する。
【0050】
また、(7)、(8)式の計算を行うとき、分子/分母の除算を行った結果に対して最小位相化を行うと、さらにフィルタ回路523A、523Bの次数を削減することができる。
【0051】
ただし、実験によれば、分子および分母の計算ごとに最小位相化を行ってから除算を行うほうが、分子/分母の除算を行った結果に最小位相化を行うよりも、音像の補正結果が良好であった。
【0052】
以上の(a)〜(c)項を実施することにより、フィルタ回路523A、523Bの次数を削減することができ、その結果、音像位置補正回路52を簡略化することができる。
【0053】
[奥行き感補正回路53]
一般に、部屋やホールにおける壁や天井などからの反射音をシミュレートすると、再生音に奥行き感を与えることができる。そこで、奥行き感補正回路53は、直接音の信号(もとの信号)に反射音の信号を加算することにより、奥行き感を与えるようにしたもので、例えば図3に示すように構成される。
【0054】
すなわち、音像位置補正回路52の出力信号(デジタルオーディオデータ)YL(Z)、YR(Z)が直接音に対応する信号なので、これら信号YL(Z)、YR(Z)が、加算回路531L、531Rを通じてD/Aコンバータ回路6に供給される。また、信号YL(Z)、YR(Z)が、後述する処理回路532L、532R〜537L、537Rに供給されて所定の反射音の信号が形成され、この反射音の信号が加算回路531L、531Rに供給される。
【0055】
したがって、加算回路531L、531Rにおいて、直接音の信号に反射音の信号が加算され、その出力信号がD/Aコンバータ回路6に供給されるので、直接音に反射音が付加されることになる。したがって、奥行き感の豊かな再生音を得ることができる。
【0056】
(a) ボーカルの音像のぼやけについて
上述のように、直接音に反射音を付加すれば、再生音に奥行き感を与えることができる。しかし、遅延しただけの音を反射音として直接音に付加しただけでは、奥行き感の効果が少なかったり、音楽のボーカルの音像がぼやけたりしてしまう。
【0057】
そこで、図3の補正回路53においては、反射音の信号が次のようにして形成される。すなわち、音像位置補正回路52の出力信号YL(Z)、YR(Z)が、帯域減衰フィルタ532L、532Rに供給される。このフィルタ532L、532Rは、音楽信号中のボーカル成分を制限することにより、直接音の信号に反射音の信号を加算したとき、ボーカルの音像がぼやけることを防止するためのものである。
【0058】
このため、フィルタ532L、532Rは、例えば、2次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
中心周波数:500Hz〜3kHz(800Hz)
中心周波数における減衰量:6dB〜30dB(19dB)
中心周波数におけるQ:1.0〜3.0(2.0)
とされる(かっこ内は最適値)。
【0059】
(b) 反射音信号のレベル補償について
フィルタ532L、532Rを設けると、信号の持つエネルギが減少してしまう。そこで、フィルタ532L、532Rの出力信号が、加算回路533L、532Rに供給されるとともに、音像位置補正回路52の減算回路521Bから出力される差信号(XL(Z)−XR(Z))が加算回路533L、533Rに供給され、加算回路533L、533Rからは減衰が補償された信号が取り出される。
【0060】
なお、このとき、減算回路521Bから加算回路533L、533Rに供給される差信号は、フィルタ532L、532Rから加算回路533L、533Rに供給される信号よりも、例えば6dB小さいレベルとされる。
【0061】
(c) 低音のにごりについて
反射音に低域成分が含まれていると、低域の音がにごり、聴感上好ましくない。そこで、加算回路533L、533Rの出力信号が、ハイパスフィルタ534L、534Rに供給され、聴感上好ましくない低域成分が除去される。なお、フィルタ534L、534Rは、例えば、2次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
カットオフ周波数:50Hz〜400Hz(200Hz)
中心周波数におけるQ:0.7071(0.7071)
とされる(かっこ内は最適値)。
【0062】
(d) 奥行き感の改善について
実験によると、反射音の音質を変更し、別の位置に定位した音を反射音として付加すると、奥行き感が効果的であった。
【0063】
そこで、フィルタ534L、534Rの出力信号が、高域増強フィルタ535L、535Rに供給され、音質が変更される。なお、フィルタ535L、535Rは、例えば、2次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
ターンオーバー周波数:800Hz〜2kHz
高域におけるブースト量:3dB〜8dB
とされる。
【0064】
(e) 高域の補正について
フィルタ535L、535Rを設けると、高域が必要以上に強調される傾向がある。そこで、フィルタ535L、535Rの出力信号が、ローパスフィルタ536L、536Rに供給され、高域が抑制される。なお、フィルタ536L、536Rは、例えば、2次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
カットオフ周波数:2kHz〜10kHz(3kHz)
中心周波数におけるQ:0.7071(0.7071)
とされる(かっこ内は最適値)。
【0065】
(f) 反射音のシミュレートについて
フィルタ536L、536Rの出力信号を遅延させることにより、目的とする反射音の信号を得ることができる。そこで、フィルタ536L、536Rの出力信号が、反射音信号形成回路537L、537Rに供給される。この形成回路537L、537Rのそれぞれは、図3の場合には、3つのタップを有する遅延回路5371と、遅延回路5371の各タップ出力の供給される係数回路5372〜5374と、これら係数回路の出力信号を加算する加算回路5375とから構成される。
【0066】
この場合、デジタルオーディオデータの1サンプル期間τが、τ=1/44.1kHzであるとすれば、形成回路537Lにおいては、例えば、
遅延回路5371の第1のタップにおける遅延時間:840τ(552τ)
〃 第2 〃 :2800τ(1840τ)
〃 第3 〃 :3500τ(2300τ)
係数回路5372の係数(利得):−18dB
係数回路5373の係数(利得):−14dB
係数回路5372の係数(利得):−14dB
とされる(かっこ内は最適値)。
また、形成回路537Rにおいては、例えば、
遅延回路5371の第1のタップにおける遅延時間:770τ(506τ)
〃 第2 〃 :2800τ(1840τ)
〃 第3 〃 :3360τ(2208τ)
係数回路5372の係数(利得):−18dB
係数回路5373の係数(利得):−14dB
係数回路5372の係数(利得):−14dB
とされる(かっこ内は最適値)。
【0067】
したがって、加算回路5375、5375からは、周波数特性が適切に補正されている反射音の信号が出力されることになる。そこで、この加算回路5375、5375から出力される反射音の信号が、上記のように加算回路531L、531Rに供給され、直接音の信号YL(Z)、YR(Z)に加算される。
【0068】
なお、この場合、加算回路531L、531Rに供給される反射音の信号は、直接音の信号YL(Z)、YR(Z)よりも、例えば6dB小さいレベルとされる。また、このとき、その反射音の信号レベルや遅延回路5371、5371における遅延時間を可変とすれば、奥行き感を変更することができる。
【0069】
[周波数特性補正回路51]
周波数特性補正回路51は、例えば図4に示すように構成され、以下に述べる各種の周波数特性の補正を行うことにより、より適切な音像あるいは再生音場を実現するものである。
【0070】
(a) 低域成分の補正について
上述した音像位置の補正を行うと、一般に高域レベルが上昇する傾向がある。そこで、図4の補正回路51においては、セレクタ4の出力信号が、帯域増強フィルタ511L、511Rに供給されて低域が増強され、出力音の周波数バランスが補正される。
【0071】
なお、フィルタ511L、511Rは、例えば、2次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
中心周波数:20Hz〜120Hz(62Hz)
中心周波数におけるブースト量:2dB〜18dB(6.0dB)
中心周波数におけるQ:1.0〜3.0(1.2)
とされる(かっこ内は最適値)。
【0072】
(b) 車室内の共振(定在波)の影響の低減について
車室内部は複雑な形状をした密閉空間である。そして、密閉空間では、スピーカから出力される音に共鳴して定在波のたつ「車室内共振現象」が起こる。
【0073】
調査したところによると、車室内共振現象の影響が最も顕著に現れる周波数は、一般に800Hz以下の周波数帯域であり、これが「こもり感」を生じさせていた 。したがって、100Hz〜800Hzの帯域の音の出力レベルを低下させれば、音楽信号の質感にあまり影響を与えずに、そのこもり感を減少させることができる。
【0074】
そこで、デジタル補正回路51においては、フィルタ511L、511Rの出力信号が、帯域減衰フィルタ512L、512Rに供給されて車室内における共振が低減される。
【0075】
なお、フィルタ512L、512Rは、例えば、2次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
中心周波数:150Hz〜600Hz(300Hz)
中心周波数における減衰量:3dB〜6dB(3dB)
中心周波数におけるQ:2.0〜4.0(3.0)
とされる(かっこ内は最適値)。
【0076】
(c) 音量調節に連動した効果の調節について
上述したような音像位置の補正を行うと、高域レベルの高くなる傾向があることはすでに述べたが、その結果、音量を大きくしたとき、高域の音が耳につくという問題を生じてしまう。
【0077】
そこで、フィルタ512L、512Rの出力信号が、可変高域減衰フィルタ(シェルビングフィルタ)513L、513Rに供給される。また、フィルタ513L、513Rには、マイクロコンピュータ11から高域の減衰量の制御信号が供給される。
【0078】
なお、フィルタ513L、513Rは、例えば、1次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
ターンオーバー周波数:1kHz〜3kHz(2.5kHz)
高域における減衰量:0dB〜12dB
とされる(かっこ内は最適値)。
【0079】
そして、キー12のうちの音量調整用のキーを操作すると、マイクロコンピュータ11により、アッテネータ回路7の減衰量が制御されて再生音の音量が調整されるが、このとき、音量を大きくするほど、フィルタ513L、513Rにおける高域の減衰量が大きくなるように、フィルタ513L、513Rにおける高域の減衰量が、マイクロコンピュータ11により同時に制御される。
【0080】
したがって、大音量時には高域が抑えられ、いかなる音量においても適切な再生を行うことができるとともに、その制御も容易に行うことができる。
【0081】
(d) 高域専用スピーカが設置されている場合について
車種によっては、図12Aの位置▲3▼の付近に高域専用のスピーカが配置されている場合がある。そして、上述の音像位置の補正を行うときには、音像が位置▲3▼に補正されているので、そのような高域専用のスピーカを設けても、音像の分離することはない。
【0082】
しかし、位置▲3▼の付近に高域専用のスピーカが配置されていると、スピーカが位置▲1▼だけのときよりも、より多くの高域がリスナに届くようになるので、高域が強調された音になってしまう。
【0083】
そこで、フィルタ513L、513Rの出力信号が、高域減衰フィルタ(シェルビングフィルタ)514L、514Rに供給されて高域が減衰され、このフィルタ514L、514Rの出力信号が、周波数特性補正回路51の出力信号とされる。
【0084】
このため、フィルタ514L、514Rは、例えば、1次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
ターンオーバー周波数:3kHz〜8kHz(1kHz)
高域における減衰量:ユーザにより可変で、0dB〜12dB
とされる(かっこ内は最適値)。
【0085】
なお、(位置▲3▼付近に)高域専用のスピーカを設置していないときには、フィルタ514L、514Rの高域における減衰量を0dBに設定すればよい。
【0086】
[まとめ]
以上のようにして、図1〜図4の車載用の音響再生装置によれば、本来ならば取り付けが不可能な場所に仮想スピーカを配置し、この仮想スピーカから再生音が出力されているように知覚させることができるので、理想的な車室内音場および音像を作り出すことができる。
【0087】
したがって、音像が下方に定位してしまうことを防ぎ、音像を理想とされる目の高さで定位させることができる。また、小さな高域再生用のスピーカを上方に設置されているときに生じる不具合、すなわち、音が分離して聞こえるという不具合を解消することができ、一つのスピーカから音が出ているように知覚させることができる。
【0088】
さらに、差成分のレベルを制御することにより、音場の空間的な広がり感を補正することができる。また、音量レベルに応じて最適な補正を行うことができる。さらに、奥行き感補正回路53を設けることにより、再生音に反射音を含ませているので、奥行き感の豊かな再生音を得ることができる。
【0089】
また、音像位置補正回路52を簡略化することができ、処理能力の小さいDSPであっても、所期の目的を達成することができる。さらに、伝達関数の測定さえ行えば、任意の形状の車種においても、最適な補正を行うことができる。
【0090】
また、複数の伝達関数の平均を取ることにより、複数の車種でも効果的な補正フィルタ回路を作成することができ、したがって、車種を限定しない補正フィルタ回路として普及を図ることもできる。
【0091】
[車載用音響再生装置のアウトライン(その2)]
一般にステレオ再生用の左右のスピーカはリスナから見て左右対称の位置に配置することが理想とされ、そのスピーカにより再現される音像はリスナの前方に定位することが理想とされている。
【0092】
ところが、車載用の音響再生装置においては、図12Aにより説明したように、スピーカは、前席については前部ドアの下方▲1▼に配置され、後席については後部ドアの下方▲2▼、あるいは図12Bに示すように、リヤトレイの位置▲4▼に配置されることが多い。
【0093】
このため、例えば、前方右側の座席の搭乗者には、前方右側に配置されているスピーカから出力される再生音が最初に到達し、その後、他のスピーカから出力される再生音がそれぞれ遅れて到達することになる。したがって、その搭乗者は、位相のずれた再生音を聞くことになり、明確な定位感を得ることができなくなってしまう。
【0094】
そこで、車載用の音響再生装置の一部には、「シートポジション機能」と呼ばれ、搭乗者の着座位置(シート位置)に対応して最適な再生音場を実現するようにしたものがある。
【0095】
図10は、この発明を、シートポジション機能を有する車載用の音響再生装置に適用した場合である。すなわち、処理手段1〜9L、9Rは、デジタル補正回路5の一部を除いて図1の装置と同様に構成される。そして、デジタル補正回路5の詳細については、後述するが、このデジタル補正回路5から後部座席用の左および右チャンネルのデジタルオーディオデータが取り出される。
【0096】
このデジタルオーディオデータは、シートポジション機能にしたがって遅延時間および周波数特性が補正されているもので、このデジタルオーディオデータがD/Aコンバータ回路6Bに供給されてアナログオーディオ信号にD/A変換され、このオーディオ信号が音量調整用のアッテネータ回路7Bを通じ、さらに、出力アンプ8Bを通じて左および右チャンネルのスピーカ9LB、9RBに供給される。この場合、スピーカ9LB、9RBは、例えば図12Aの▲2▼の位置あるいは図12Bの▲4▼の位置に配置される。
【0097】
したがって、スピーカ9L、9R、9LB、9RBの再生音により形成される音像は、リスナの例えば目の高さに位置するとともに、広がり感や奥行き感などが豊かなものとなるが、このとき、これらの効果をリスナの着座位置にかかわらず得ることができる。
【0098】
[デジタル補正回路5(その2)]
デジタル補正回路5は、シートポジション機能を実現するため、例えば図11に示すように構成される。すなわち、奥行き感補正回路53から出力されるデジタルオーディオデータが、遅延回路54L、54Rを通じてD/Aコンバータ回路6に供給され、アナログオーディオ信号にD/A変換される。
【0099】
また、低域成分は音像の定位にあまり関係しないが、低域の質感を向上させるため、フィルタ511L、511Rから出力されるデジタルオーディオデータが、可変高域減衰フィルタ(シェルビングフィルタ)515LB、515RBに供給され、高域が減衰される。
【0100】
この場合、フィルタ515LB、515RBは、「シートポジション」を前席のどこか、すなわち、前席、前席右、前席左のどれかに設定したときに、後部のスピーカ9LB、9RBから出力される再生音の高域成分を抑制することにより、音像が後方に引っ張られることを防止するためのものである。
【0101】
このため、フィルタ515LB、515RBは、例えば、1次のIIR型に構成されるとともに、その特性は、
ターンオーバー周波数:3kHz
高域における減衰量:マイクロコンピュータ11により制御
とされる。
【0102】
そして、このフィルタ515LB、515RBの出力信号が、遅延回路54LB、54RBを通じてD/Aコンバータ回路6Bに供給され、アナログオーディオ信号にD/A変換される。
【0103】
なお、遅延回路54L、54R、54LB、54RBは、搭乗者の着座位置に応じてスピーカ9L、9R、9LB、9RBから出力される再生音の位相を調整するためのものである。また、遅延回路54LB、54RBは、前席に着座している搭乗者に対して、前部のスピーカ9L、9Rから出力される再生音を、後部のスピーカ9LB、9RBから出力される再生音に比べて、相対的に10m秒〜20m秒だけ早く到達させるためのものでもある。そして、これら遅延回路54L〜54RBの遅延時間はマイクロコンピュータ11により制御される。
【0104】
このような構成において、操作キー12のうちの所定のキーを操作して搭乗者の着座位置を入力すると、その操作に対応してマイクロコンピュータ11により、フィルタ515LB、515RBにおける高域の減衰量および遅延回路54L〜54RBの遅延時間が制御される。したがって、遅延回路54L〜54RBにより、スピーカ9L〜9RBから出力された再生音が搭乗者に達するときの位相を合わせることができ、この結果、音像の定位を明確にすることができる。
【0105】
また、フィルタ515LB、515RBにより、後部のスピーカ9LB、9RBから出力される再生音の高域成分が減衰するので、前部座席の搭乗者が知覚する音像の位置が後方に引っ張られることがなくなり、この点からも明確な定位を得ることができる。
【0106】
さらに、人間の聴感には、先行音効果(ハース効果)、すなわち、10m秒〜20m秒程度の時間だけ先に到達した音が強調されて知覚されるという性質があるが、遅延回路54LB、54RBにより、前方のスピーカ9L、9Rから出力される再生音が、後方のスピーカ9LB、9RBから出力される再生音に対して、相対的に10m秒〜20m秒先行するので、前方のスピーカ9L、9Rから出力される再生音が強調され、全体の音量を低下させることなく、音像を前方に定位させることができる。
【0107】
また、スピーカ9LB、9RBからは、音像の定位にあまり影響を与えない低域が出力されるので、全体の音圧レベルの低下することがなく、あるいは低域の音の厚みがなくなることもない。また、車載用のオーディオシステムにおいては、一般に後方のスピーカが前方のスピーカに比べて口径が大きいので、低域の出力についてはスピーカ9LB、9RBの性能を十分に引き出すことができる。
【0108】
さらに、先行音効果のため、前方のスピーカ9L、9Rから出力される再生音が強調されて知覚されるので、DSPの都合などによりグラフィックイコライザ処理などの信号処理を、前方のスピーカ9L、9Rに供給されるオーディオ信号の信号ラインにしか設定できない場合でも、その効果が車室内全体に有効になるように作用する。
【0109】
[その他]
上述においては、搭乗者の着座位置を操作キー12により入力するとしたが、車室内に設けた赤外線センサや座席に設けた圧力センサなどにより、搭乗者の着座位置を検出し、その検出出力にしたがってマイクロコンピュータ11によりフィルタ515LB、515RBおよび遅延回路54L〜54RBを着座位置に対応した特性に制御することもできる。
【0110】
〔この明細書で使用している略語の一覧〕
A/D :Analog to Digital
CD :Compact Disc
D/A :Digital to Analog
DSP :Digital Signal Processor
FIR :Finite Impulse Response
FM :Frequency Modulation
HRTF:Head Related Transfer Function
IIR :Infinite Impulse Response
MD :Mini Disc
Q :Quality
【0111】
【発明の効果】
この発明によれば、スピーカの取り付け位置が制限されていても、音像を理想とされる目の高さで定位させることがでる。また、豊かな広がり感や奥行き感を得ることができるとともに、その広がり感や奥行き感をリスナの好みに応じて調整することができる。
【0112】
さらに、補正フィルタ回路を簡略することができ、処理能力の少ないDSPであっても、所期の目的を達成することができる。また、伝達関数の測定さえ行えば、任意の形状の車種においても、最適な補正を行うことができる。さらに、複数の伝達関数の平均を取ることにより、複数の車種でも効果的な補正フィルタ回路を作成することができ、したがって、車種を限定しない補正フィルタ回路として普及を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一形態を示す系統図である。
【図2】この発明の一形態を示す系統図である。
【図3】この発明の一形態を示す系統図である。
【図4】この発明の一形態を示す系統図である。
【図5】この発明を説明するための平面図である。
【図6】この発明を説明するための特性図である。
【図7】この発明を説明するための特性図である。
【図8】この発明を説明するための特性図である。
【図9】この発明を説明するための特性図である。
【図10】この発明の他の形態を示す系統図である。
【図11】この発明の他の形態を示す系統図である。
【図12】車室内の音場を説明するための図である。
【符号の説明】
1…CDあるいはMDのプレーヤ、2…FMチューナ、3…A/Dコンバータ回路、4…セレクタ、5…デジタル補正回路、6…D/Aコンバータ回路、7…音量調整用のアッテネータ回路、8…出力アンプ、9Lおよび9R…スピーカ、11…マイクロコンピュータ、12…操作キー、51…周波数特性補正回路、52…音像位置補正回路、53…奥行き感補正回路

Claims (2)

  1. 左および右チャンネルの入力オーディオ信号の周波数特性を補正して左および右チャンネルのデジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) として出力する周波数特性補正回路と、
    上記デジタルオーディオ信号XL(Z)、XR(Z)を、
    YL(Z)・GLL(Z)+YR(Z)・GLR(Z)=XL(Z)・FLL(Z)+XR(Z)・FLR(Z)
    YR(Z)・GLL(Z)+YL(Z)・GLR(Z)=XR(Z)・FLL(Z)+XL(Z)・FLR(Z)
    ただし、
    FLL(Z) :車室内のリスナの前方に位置する第1の左および右チャンネルの
    スピーカから上記リスナの左耳および右耳までの頭部伝達関数
    FLR(Z) :上記第1の左および右チャンネルのスピーカから、上記リスナの
    右耳および左耳までの頭部伝達関数
    GLL(Z) :上記リスナの前下方に位置する第2の左および右チャンネルのス
    ピーカから上記リスナの左耳および右耳までの頭部伝達関数
    GLR(Z) :上記第2の左および右チャンネルのスピーカから、上記リスナの
    右耳および左耳までの頭部伝達関数
    で示されるデジタルオーディオ信号YL(Z)、YR(Z)に変換して出力する音像位置補正回路と、
    上記デジタルオーディオ信号Y L(Z) 、Y R(Z) による音響の奥行き感を補正する奥行き感補正回路と、
    この奥行き感補正回路の出力信号が供給されるD/Aコンバータ回路と
    を有し、
    上記音像位置補正回路は、
    Hp(Z)=(FLL(Z)+FLR(Z))/(GLL(Z)+GLR(Z))
    Hm(Z)=(FLL(Z)−FLR(Z))/(GLL(Z)−GLR(Z))
    とするとき、
    上記デジタルオーディオ信号XL(Z)、XR(Z)を加算および減算する第1の加算回路および第1の減算回路と、
    上記Hp(Z)、Hm(Z)の伝達特性を有し、上記第1の加算回路および上記第1の減算回路の出力信号が供給される第1および第2デジタルフィルタと、
    これら第1および第2のデジタルフィルタの各出力信号を加算および減算して上記出力信号YL(Z)、YR(Z)を形成する第2の加算回路および第2の減算回路と、
    上記第1の減算回路と上記第2の加算回路および上記第2の減算回路との間の信号ラインにおいて、上記第2のデジタルフィルタと直列に接続されたレベル制御回路と
    を有し、
    上記周波数特性補正回路は、
    これに供給された上記左および右チャンネルの入力オーディオ信号に対して、
    上記音像位置補正回路の信号処理によって生じる高域レベルの上昇との周波数バランスを補正するように、低域を増強する帯域増強フィルタ、
    車室内の共振現象の影響が最も顕著に現れる周波数帯域のレベルを低下させる帯域減衰フィルタ、および
    音量を大きくするほど高域の減衰量が大きくなるように、高域のレベルを制御する可変高域減衰フィルタ
    を有して上記デジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) を出力し、
    上記奥行き感補正回路は、
    上記デジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) に含まれるボーカル成分のレベルをそれぞれ制限する1対の帯域減衰フィルタと、
    この1対の帯域減衰フィルタの出力信号と、上記第1の減算回路の出力信号とをそれぞれ加算する1対の加算回路と、
    この1対の加算回路の出力信号に対してそれぞれ高域の補正を行う1対のフィルタと
    この1対のフィルタの出力信号をそれぞれ遅延して反射音の信号を形成する1対の反射音信号形成回路と、
    この1対の反射音信号形成回路から出力される上記反射音の信号を、上記デジタルオーディオ信号X L(Z) 、X R(Z) にそれぞれ加算して上記D/Aコンバータ回路に供給される信号を出力する1対の加算回路と
    を有し、
    上記高域の補正を行う1対のフィルタのそれぞれは、
    上記反射音の信号から低域のにごりとなる低域成分を除去するハイパスフィルタと、
    上記反射音が別の位置に定位する音となるように、その音質を変更する高域増強フィルタと、
    この高域増強フィルタにより必要以上に高域が増強されることを抑制するローパスフィルタと
    から構成され、
    上記反射音の信号を形成する1対の反射音信号形成回路のそれぞれは、
    複数のタップを有する遅延回路と、
    上記複数のタップの出力信号がそれぞれ供給される複数の係数回路と、
    これら複数の係数回路の出力信号を互いに加算する加算回路と
    から構成され、
    上記レベル制御回路により上記第2の加算回路および上記第2の減算回路に供給される差信号のレベルが制御され、
    上記D/Aコンバータ回路から出力されるアナログオーディオ信号が、上記第2の左および右チャンネルのスピーカに供給される
    ようにした車載用音響再生装置。
  2. 請求項1に記載の車載用音響再生装置において、
    アッテネータ回路を有し、
    このアッテネータ回路により、上記レベル制御回路により上記第2の加算回路および上記第2の減算回路に供給される差信号のレベルが制御されるとき、上記アナログオーディオ信号のレベルを補正する
    ようにした車載用音響再生装置。
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