JPH09284899A - 信号処理装置 - Google Patents

信号処理装置

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JPH09284899A
JPH09284899A JP8112006A JP11200696A JPH09284899A JP H09284899 A JPH09284899 A JP H09284899A JP 8112006 A JP8112006 A JP 8112006A JP 11200696 A JP11200696 A JP 11200696A JP H09284899 A JPH09284899 A JP H09284899A
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JP
Japan
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storage means
transfer function
listener
signal processing
signal
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JP8112006A
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Inventor
Kenji Muraki
健司 村木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドホン装置において、音像を頭外の所定
の方向に定位させるとき、伝達関数を記憶するためのメ
モリサイズを削減すること。 【解決手段】 音源位置から聴取者の両耳までの伝達関
数を複数の角度について測定する。そして伝達関数の主
成分分析により得られる複数の基底関数を第1の記憶手
段101に格納する。また所望の伝達関数を実現するた
め、基底関数の重み付け係数を第2の記憶手段に登録し
ておく。聴取者が仮想音源位置に対して頭部の方向を変
えたとき、その角度が角度検出手段103により検出さ
れ、その条件における伝達関数が畳み込み手段106a
〜106f、乗算器107a〜107l、加算器108
a、108bで設定される。そして左及び右チャンネル
の音響信号が出力される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両耳ヘッドホン
(インナーイヤホン型を含む)と、頭外音像定位フィル
タを用いて、音像を頭外に定位させる信号処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ヘッドホンステレオ、ポータブル
CDプレーヤなどヘッドホンを用いて音楽を楽しむ機器
が普及してきている。これらの機器の再生音をヘッドホ
ンで聴取すると、再生音像が頭内に定位し、不自然に聞
こえるという問題があった。この問題を解決するため
に、頭外音像定位フィルタを用いる方法が提案されてい
る。この方法の一例として特公昭53−283号公報の
「ヘッドホンによる音響再現方法」がある。この方法で
は特定の音源、例えばスピーカと聴取者の耳との間の空
間伝達関数、及びヘッドホンと聴取者の耳との間の実耳
ヘッドホン伝達関数の逆伝達関数が用いられる。
【0003】ところで、聴取者が実音源からの音を聞く
場合には、頭部を回転させても実音源の位置は変化しな
いので、聴取者の感じる音像位置は相対的に変化する。
これに対して頭外音像定位フィルタを用いる方法では、
聴取者が頭部を回転させるとヘッドホンも共に回転する
ので、聴取者の感じる音像位置は相対的に変化しなくな
る。即ち聴取者が頭を回転させた場合、音像の絶対位置
が頭の回転に応じて移動してしまう。このように、頭外
音像定位フィルタを用いた音像定位は、実音源を聞く場
合と異なるという問題点があった。
【0004】この問題点を解決するための方法として、
特開昭54−19242号号公報の「ヘッドフォン再生
において頭部の回転運動により生ずる聴取現象位置の変
化防止方法」や、特開平3−296400号公報の「音
響信号再生装置」などに記載されているものがある。こ
れらの方法では、聴取者の頭部の方向変化を検出し、こ
の検出結果に基づいて空間伝達関数を変化させることに
より、実音源と同様な頭外音像定位を実現している。
【0005】以下、図面を参照して従来の頭外音像定位
を実現する信号処理装置の一例を説明する。図8は従来
の信号処理装置の全体構成を示すブロック図であり、図
9は角度検出部の構成を示し、図10は音響処理部の構
成を示す。図8に示すように信号処理装置はヘッドホン
装置810、基準信号源811、角度検出部814、音
響処理部823、音響信号供給源824を含んで構成さ
れる。
【0006】ヘッドホン装置810は、聴取者Pの頭部
Mに装着するためのヘッドバンド801を有し、聴取者
Pの左右の両耳介の近傍に一対のヘッドホンユニット8
02L、802Rを支持している。ヘッドバンド801
には支持アーム803L、803Rが摺動自在に装着さ
れており、基準信号源811から送出される位置検出用
の基準信号を感受するため、一対の信号検出器805
L、805Rが支持アーム803L、803Rの先端部
分に取り付けられている。信号検出器805L、805
Rはヘッドバンド801に摺動自在に装着されたスライ
ダ804L、804Rにより、取り付け位置が調整でき
るようになっている。
【0007】基準信号源811は超音波信号源812と
超音波スピーカ813とから構成され、超音波スピーカ
813は基準信号として超音波信号源812の出力する
超音波信号を送出する。そして、一対の信号検出器80
5L、805Rには、この基準信号を感受するため超音
波マイクロホンが設けられている。
【0008】図11(a)に示すように、超音波スピー
カ813から位置検出用の基準信号として超音波が所定
の時間ごとに所定レベルで送出される。この基準信号は
バースト波や、所定周期でレベルが変動するレベル変調
波でもよく、位相検出が可能な信号とする。図8の信号
検出器805L、805Rがこのような基準信号を受信
すると、聴取者Pの頭部方向と超音波スピーカ813と
の相対位置関係に応じて、図11(b)、(c)に示す
ような時間遅れを有する各検出信号が出力される。
【0009】聴取者Pが移動したり、頭部Mを回転させ
た場合にも、信号検出器805L、805Rは聴取者P
の陰になることなく、位置検出用の基準信号を安定かつ
正確に検出することができる。聴取者Pの頭部Mの形状
や大きさに個人差があるので、ヘッドホンユニット80
2L、802Rの空間位置に対応するように信号検出器
805L、805Rの位置を調節する必要がある。この
場合ヘッドバンド801に沿ってスライダ804L、8
04Rを摺動させて、基準信号の検出に最適な位置に信
号検出器805L、805Rを微調整する。
【0010】信号検出器805L、805Rにより得ら
れる各検出信号は、図9の角度検出部814に供給され
る。角度検出部814には、信号検出器805Lの検出
信号が入力される第1のエッジ検出回路(DET)81
5、信号検出器805Rの検出信号が入力される第2の
エッジ検出回路816、超音波信号源812から位置検
出用の基準信号が直接供給される第3のエッジ検出回路
817、第1及び第2のエッジ検出回路815、816
の出力信号の時間差を検出する両耳時間差検出回路81
9、第1、第2、第3のエッジ検出回路815、81
6、817の信号に基づいて基準信号源811と聴取者
Pとの距離を算出する距離算出回路818、両耳時間差
検出回路819と距離算出回路818の出力に基づいて
聴取者Pの頭部方向を検出する回転角度算出回路820
が夫々設けられている。
【0011】図11(d)、(e)に示すように、第1
及び第2のエッジ検出回路815、816は各信号検出
器805L、805Rによる各検出信号の立ち上がりエ
ッジを検出して、この立ち上がりエッジでパルス信号を
出力する。これらの各パルス信号は、距離算出回路81
8及び両耳時間差検出回路819に出力される。また図
11(f)に示すように、第3のエッジ検出回路817
は超音波信号源812からの超音波信号の立ち上がりエ
ッジを検出し、このエッジでパルス信号を出力する。第
3のエッジ検出回路817により得られるパルス信号は
距離算出回路818に出力される。
【0012】図11で示すように第3のエッジ検出回路
817により得られるパルス信号と、第1のエッジ検出
回路815により得られるパルス信号との時間差をt1
とする。また第3のエッジ検出回路817により得られ
るパルス信号と第2のエッジ検出回路816により得ら
れるパルス信号の時間差t2とする。そしてこれら各時
間差t1とt2との差分値をt3とすると、距離算出回
路818は差分値t3と音速vとに基づき、超音波スピ
ーカ813と聴取者Pの距離を算出する。この距離は厳
密には図12に示すように聴取者Pの頭部Mの中心と超
音波スピーカ813との距離l0 を指す。なお、音速v
は予め距離算出回路818に定数として設定しておいて
も良く、また気温、湿度、気圧などの変動に伴って変更
自在にしておいてもよい。更に距離l0 の算出に際して
は、各信号検出器805L、805Rと頭部Mの中心と
の位置関係や、頭部Mの形状や大きさに基づく補正をし
てもよい。
【0013】これらの距離l0 、時間差t1、t2を示
す信号は回転角度算出回路820に与えられる。両耳時
間差検出回路819は時間差t1、t2より差分値t3
を算出し、回転角度検出回路820に出力する。
【0014】回転角度検出回路820では、時間差t
1、t2、差分値t3、距離l0 、音速v、及び頭部M
の半径rとを用いて、図12で示すような頭部方向の角
度θ0を算出する。角度θ0 は、次の(1)式で計算で
きる。
【数1】
【0015】そして、超音波スピーカ813の位置を仮
想音源821の基準位置とする。回転角度算出回路82
0により得られる聴取者Pの頭部Mの回転角度情報は、
図10の音響処理部823に出力される。
【0016】音響処理部823には図8に示す音響信号
供給源824が接続され、これより左チャンネル、右チ
ャンネルの音響信号SL、SRが夫々供給される。音響
信号供給源824は音響信号SL,SRを出力する装置
であって、例えば各種のディスク再生装置、テープ再生
装置、又は電波受信装置などとする。
【0017】さて音響処理部823は、音響信号供給源
824から供給される左チャンネル、右チャンネルの音
響信号SL、SRに対して、仮想音源821から聴取者
Pの両耳に至る伝達特性を与える回路である。図10に
示すように音響処理部823は、多数の伝達関数を記憶
したメモリ825、メモリ825から読み出される特定
の伝達関数を音響信号SL,SRに付加する第1〜第4
の信号処理回路826a、826b、826c、826
d、第1〜第4の信号処理回路826a〜826dによ
る信号処理が施された各音響信号から、左耳用の音響信
号ELと右耳用の音響信号ERとを合成する第1、第2
の信号加算器827L、827Rを備えている。
【0018】図13に示すように、聴取者Pに対向して
設置された左チャンネル用及び右チャンネル用の一対の
スピーカ装置を仮想音源SpL,SpRとする。これら
仮想音源SpL,SpRから、聴取者Pの左耳YL、右
耳YRに到達する音響出力のインパルス応答を、聴取者
Pの頭部Mの動きに応じて所定回転角度ごとに測定す
る。そして測定に用いたスピーカ装置の特性、及び測定
時の音場の特性を除いて求めた直接音のみの伝達関数を
hLL(t,θ)、hLR(t,θ)、hRL(t,
θ)、hRR(t,θ)とする。頭部回転角度θをアド
レスとして予めこれらの伝達関数がメモリ825に記憶
されているものとする。
【0019】そして、角度検出部814により得られる
頭部回転角度θを読出アドレスとして、メモリ825か
ら伝達関数hLL(t,θ)、hLR(t,θ)、hR
L(t,θ)、hRR(t,θ)の組データを読み出
す。メモリ825から読み出された各伝達関数hLL
(t,θ)、hLR(t,θ)、hRL(t,θ)、h
RR(t,θ)は、夫々第1〜第4の信号処理回路82
6a、826b、826c、826dに供給される。
【0020】即ち、第1の信号処理回路826aには、
右チャンネルの音響信号SRを再生したとき、右耳に対
する直接音のインパルス応答を示す伝達関数hRR
(t,θ)が設定される。また、第2の信号処理回路8
26bには、右チャンネルの音響信号SRを再生したと
き、左耳に対する直接音のインパルス応答を示す伝達関
数hRL(t,θ)が設定される。さらに、第3の信号
処理回路826cには、左チャンネルの音響信号SLを
再生したとき、右耳に対する直接音のインパルス応答を
示す伝達関数hLR(t,θ)が設定される。また、第
4の信号処理回路826dには、左チャンネルの音響信
号SLを再生したとき、左耳に対する直接音のインパル
ス応答を示す伝達関数hLL(t,θ)が設定される。
【0021】音響信号供給源824から出力される音響
信号SRは第1、第2の信号処理回路826a、826
bに夫々送られる。第1の信号処理回路826aは伝達
関数hRR(t,θ)のインパルス応答を与える畳み込
み処理を音響信号SRに施す。また、第2の信号処理回
路826bは伝達関数hRL(t,θ)のインパルス応
答を与える畳み込み処理を音響信号SRに施す。
【0022】同様にして音響信号供給源824から出力
される音響信号SLは第3、第4の信号処理回路826
c、826dに夫々送られる。第3の信号処理回路82
6cは伝達関数hLR(t,θ)のインパルス応答を与
える畳み込み処理を音響信号SLに施す。また、第4の
信号処理回路826dは伝達関数hLL(t,θ)のイ
ンパルス応答を与える畳み込み処理を音響信号SLに施
す。
【0023】次に、第1及び第3の信号処理回路826
a、826cの出力信号は右側用の加算器827Rに供
給されて互いに加算される。この加算器827Rの出力
信号は右側用の増幅器828Rを介して右耳用の音響信
号ERとして右側のヘッドホンユニット802Rに送ら
れて再生される。同様にして第2及び第4の信号処理回
路826b、826dの出力信号は左側用の加算器82
7Lに供給されて互いに加算される。この加算器827
Lの出力信号は左側用の増幅器828Lを介して左耳用
の音響信号ELとして左側のヘッドホンユニット802
Lに送られて再生される。
【0024】このような信号処理装置においては、回転
角度算出回路820で算出された現在の頭部角度情報を
読み出し、これをアドレスとして、メモリ825から特
定の伝達関数hLL(t,θ)、hLR(t,θ)、h
RL(t,θ)、hRR(t,θ)の組データを取り出
すようにしている。そしてこれらの伝達関数に基づいて
聴取者Pの移動、及び頭部の回転に伴う伝達関数の変化
に対応する信号処理を音響処理部823により行ってい
る。こうすれば、聴取者Pがヘッドホン装置810を装
着したとき、仮想音源が移動しない頭外定位感及び前方
定位感が得られる。即ち、聴取者Pがヘッドホン装置8
10を装着せずに、聴取者Pに対向して設置された一対
のスピーカ装置から音響信号を再生されるような臨場感
が得られる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのような従来
の構成では、多数組の伝達関数を記憶するため、メモリ
825の容量をきわめて多く確保しなければならないと
いう問題点があった。即ちメモリに例えば0.36度間隔で
伝達関数を記憶させ、伝達関数の角度間隔をこの間隔で
増加して行くと、1.5 度程度までは聴感上ほぼ同じよう
に感じる。 そして2.0 度以上にすると聴感上差が分かる
ようになる。従って記憶すべき伝達関数は1.5 度間隔に
する必要がある。
【0026】360 度の全方向に対応するためには、240
組の伝達関数を記憶しなければならない。直接音のイン
パルス応答が5ms程度で収束するとし、サンプリング
周波数をCDなどと同じ44.1kHzとすれば、インパルス
応答は220 サンプルを必要とする。インパルス応答を16
bit で量子化する場合、1つの音源から左右それぞれの
耳までの伝達関数を記憶するのに必要なメモリ量は約1
Kバイトとなり、240組の伝達関数を記憶するのに必要
なメモリの総量は240 Kバイトとなる。
【0027】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、両耳にヘッドホン装置を付け
た状態で聴取者が音像を頭外に定位させて聴取し、頭部
方向を変えたとき音源の位置を変化させないようにする
と共に、且つ伝達関数を記憶するメモリの容量を大幅に
削減することのできる信号処理装置を実現することを目
的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、音源から聴取者の両耳まで
の伝達関数を複数の角度について測定し、測定された伝
達関数の主成分分析を行ったとき、前記主成分分析によ
り得られる複数の基底関数と聴取者の頭部方向に依存し
ない平均伝達関数とを記憶する第1の記憶手段と、前記
第1の記憶手段に保持された各基底関数の重み付け係数
群を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に
保持された複数の基底関数により入力音響信号を処理
し、前記第2の記憶手段に保持された重み付け係数によ
り前記処理信号を重み付けして加算することにより、音
像位置を制御する信号処理手段と、を具備することを特
徴とするものである。
【0029】このような構成によれば、聴取者がヘッド
ホン装置を装着して音を聴くとき、入力音響信号が複数
の基底関数で処理され、夫々の基底関数の変換出力に対
して重み付け加算される。こうするとより少ない記憶手
段のデータを用いて所定の伝達関数を実現できる。こう
して聴取者の頭部角度に応じて頭外に音像が定位する。
【0030】又本願の請求項2記載の発明は、音源から
聴取者の両耳までの伝達関数を複数の角度について測定
し、測定された伝達関数の主成分分析を行ったとき、前
記主成分分析により得られる複数の基底関数と聴取者の
頭部方向に依存しない平均伝達関数とを記憶する第1の
記憶手段と、前記第1の記憶手段に保持された各基底関
数の重み付け係数群を聴取者の頭部方向に対応させて記
憶する第2の記憶手段と、聴取者の頭部方向を仮想音源
からの回転角度として検出する角度検出手段と、前記第
1の記憶手段に保持された複数の基底関数により入力音
響信号を処理し、前記角度検出手段で検出された頭部の
回転角度に基づいて前記第2の記憶手段に保持された重
み付け係数を読み出し、前記処理信号を重み付けして加
算することにより、音像位置を制御する信号処理手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0031】又本願の請求項3記載の発明は、音源から
聴取者の両耳までの伝達関数を複数の角度について測定
し、測定された伝達関数の主成分分析を行ったとき、前
記主成分分析により得られる複数の基底関数と聴取者の
頭部方向に依存しない複数の平均伝達関数とを記憶する
第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に保持された各
基底関数の重み付け係数群を聴取者の頭部方向に対応さ
せて記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段か
ら特定の平均伝達関数を選択する選択手段と、聴取者の
頭部方向を仮想音源からの回転角度として検出する角度
検出手段と、前記第1の記憶手段に保持された複数の基
底関数により入力音響信号を処理し、前記角度検出手段
で検出された頭部回転角度に基づいて前記第2の記憶手
段に保持された重み付け係数を読み出し、前記処理信号
を重み付けして加算することにより、音像位置を制御す
る信号処理手段と、を具備することを特徴とするもので
ある。
【0032】又本願の請求項4記載の発明では、前記第
1の記憶手段は、多数の聴取者に対し予め測定された伝
達関数を、人間の聴覚特性に対応する特徴パラメータベ
クトルに変換した後、クラスタリングを行って小数に集
約したデータから生成される複数の平均伝達関数を記憶
することを特徴とするものである。
【0033】又本願の請求項5記載の発明では、前記信
号処理手段は、前記第1の記憶手段で保持された第i
(i=1〜nまでの序数)の重み付け係数群により、主
成分分析に対する第iの基底関数を夫々実現するn個の
畳み込み手段と、前記第iの畳み込み手段の出力に対し
て前記第2の記憶手段に保持された第iの右側重み付け
係数を夫々乗算するn個の右側乗算手段と、前記第iの
畳み込み手段の出力に対して前記第2の記憶手段に保持
された第iの左側重み付け係数を夫々乗算するn個の左
側乗算手段と、前記n個の右側乗算手段の出力を夫々加
算して右側変換音響信号を生成する右側加算手段と、前
記n個の左側乗算手段の出力を夫々加算して左側変換音
響信号を生成する左側加算手段と、を有することを特徴
とするものである。
【0034】このような請求項2〜4の構成によれば、
聴取者がヘッドホン装置を装着して音を聴くとき、入力
音響信号が複数の基底関数で処理される。そして角度検
出手段により聴取者の頭部の回転角度が検出されると、
その角度に対応する基底関数の重み付け係数が選択さ
れ、夫々の基底関数の変換出力に対して重み付け加算さ
れる。こうするとより少ない記憶手段のデータを用いて
所定の伝達関数を実現できる。こうして聴取者の頭部角
度に応じて頭外に音像が定位する。
【0035】特に請求項3、4の構成によれば、複数の
平均伝達関数を用意し、聴取者が自分に最も適したもの
を選択することにより、本人に最も適した頭外音像定位
を容易に得ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本発明の第1実施形態における信号処
理装置について、数式と図面を用いて説明する。図1は
第1実施形態の信号処理装置の構成を示すブロック図で
あり、1チャンネルの入力信号、即ち1つの音像を頭外
に定位させる場合を示している。
【0037】図1において本実施形態の信号処理装置
は、第1の記憶手段101、第2の記憶手段102、角
度検出手段103、信号処理手段105を含んで構成さ
れる。第1の記憶手段101は、音源位置から聴取者の
両耳までの伝達関数を測定したとき、これらの伝達関数
の主成分分析により得られる基底関数群を記憶する記憶
手段である。第2の記憶手段102は第1の記憶手段1
01で保持された各基底関数に対する重み付け係数群を
頭部方向毎に記憶する記憶手段である。角度検出手段1
03は音源位置に対する聴取者の頭部方向(頭部回転角
度)を検出する手段であり、その角度情報は第2の記憶
手段102に与えられる。
【0038】信号処理手段105は入力端子104を介
して音響信号が入力されると、第1の記憶手段101に
保持された複数の基底関数を用いて音響信号の頭外音像
定位の信号処理を行う手段である。信号処理手段105
は例えば6つの畳み込み手段106a〜106f、右チ
ャンネルの乗算器107a〜107f、左チャンネルの
乗算器107g〜107l、右チャンネルの加算器10
8a、左チャンネルの加算器108bより構成される。
【0039】入力端子104から入力された音響信号は
畳み込み手段106a〜106fに夫々与えられる。畳
み込み手段106aは第1の記憶手段101に保持され
た平均の基底関数BF−0を用いて音響信号の畳み込み
演算をする手段である。同様にして畳み込み手段106
bは第1の記憶手段101に保持された第1の基底関数
BF−1を用い、畳み込み手段106cは第2の基底関
数BF−2を用い、畳み込み手段106dは第3の基底
関数BF−3を用い、畳み込み手段106eは第4の基
底関数BF−4を用い、畳み込み手段106fは第5の
基底関数BF−5を用い、夫々畳み込み演算をする手段
である。
【0040】乗算器107aは畳み込み手段106aの
出力を第2の記憶手段102に保持された右チャンネル
における特定の重み付け係数で乗算する回路である。同
様にして乗算器107b、107c、107d、107
e、107fは夫々、畳み込み手段106b、106
c、106d、106e、106fの出力を第2の記憶
手段102に保持された各特定の重み付け係数で乗算す
る回路である。乗算器107a〜107fの各出力は加
算器108aで加算され、右チャンネルの出力端子10
9aを介して出力される。
【0041】乗算器107g、107h、107i、1
07j、107k、107lは、夫々、畳み込み手段1
06a、106b、106c、106d、106e、1
06fの出力を第2の記憶手段102に保持された左チ
ャンネルにおける各特定の重み付け係数で乗算する回路
である。乗算器107g〜107lの各出力は加算器1
08bで加算され、左チャンネルの出力端子109bを
介して出力される。
【0042】出力端子109a,109bの出力信号は
従来例と同様、増幅器を介してヘッドホン装置の左右の
ヘッドホンユニットに入力される。また、角度検出手段
103の詳細は従来例と同様であるのでここでは説明を
省略する。
【0043】このように構成された第1実施形態の信号
処理装置において、まず主成分分析による基底関数の決
定方法について説明する。主成分分析の対象となる頭部
伝達関数の測定については、クロススペクトル法、時間
伸長パルス法などで行える。これらの方法は、たとえば
文献「日高他“インパルス応答の測定法”日本音響学会
建築音響研究会資料 資料番号AA−89−14」や、
「鈴木他“時間引き伸ばしパルスの設計法に関する考
察”電子情報通信学会技術報告 資料番号EA92−8
6」に詳しく述べられている。
【0044】伝達関数を設定するには、被験者は無響室
の中央に座る。被験者を中心とする水平面の半円上に配
置された小型スピーカの1つからテスト音を放射する。
被験者の鼓膜応答はプローブマイクロホンの出力として
得られる。プローブマイクロホンの先端は鼓膜から数m
mの位置に固定される。得られたプローブマイクロホン
出力は、クロススペクトル法の場合には入力信号との比
に変換され、時間引き伸ばしパルス法の場合には逆フィ
ルタ処理される。この結果、頭部伝達関数(インパルス
応答)が得られる。この頭部伝達関数は240 方向の水平
角(1.5 度刻み)で測定される。
【0045】次に、頭部伝達関数の主成分分析について
説明する。主成分分析とは、相関のある測定値の集合を
効果的に表現しようとする統計的な手法である。主成分
分析の中心となる考え方は、互いに関係のある大量の測
定値の集合について、データが表している変動をできる
だけ保ちつつ、次元を減らすことである。主成分分析
は、フーリエ分析が波形をsinやcos成分に分解す
る方法であるように、振幅スペクトルを基底関数に分解
することを特徴とする。この基底関数は、夫々のスペク
トルを組み立てるための基本的なスペクトル形状と見な
される。
【0046】夫々のスペクトルはこれらの基底関数の重
み付け加算により近似される。従って、重み付け係数は
あるスペクトルに対するそれぞれの基底関数(基本スペ
クトル形状)の相対的寄与を決める働きをする。夫々の
振幅スペクトルに対して重み付けを全て集めたものを
“主成分”PCと呼ぶ。前述した第1の基底関数(BF
−1)とその重み付け(PC−1)は、データに表され
る共通変化量の主要部分を捕らえたものである。残りの
基底関数(BF−2,BF−3,・・・)とその重み付
け(PC−2,PC−3,・・・)は、共通変化量の要
素が減ったものであり、固有変化量が増加している。デ
ータの十分な表現をするのに必要な基底関数の個数は、
データに含まれる冗長度又は相関度に大きく関連する。
冗長度が大きければ、必要な基底関数の個数は少なくな
る。
【0047】基底関数BFと主成分PCとを、被験者の
左右の耳の頭部伝達関数の振幅データ480 個から導き出
す手順について述べる。0.2 〜15kHzの範囲の150 の周
波数成分の対数振幅を分析に用いる。主成分分析を行う
前に、被験者の両耳の測定値に対して、240 方向の平均
頭部伝達関数の対数振幅関数を計算する。この平均頭部
伝達関数は被験者に依存し、方向に依存しないもので、
夫々の耳から記録された240 個の頭部伝達関数に共有さ
れるスペクトルの特徴を含んだものである。これには例
えば約2.5 kHzの耳道共振が含まれる。これらの影響を
除去するために、夫々の頭部伝達関数から平均頭部伝達
関数を差し引く。平均頭部伝達関数の除去により、主と
して方向に依存するスペクトル効果を表す480 個の対数
振幅関数が得られる。これらの関数を、方向に依存する
成分と依存しない成分(例えば耳道共振)とのスペクト
ル効果を両方とも含む頭部伝達関数と区別するために、
“方向伝達関数”と呼ぶことにする。ここでは480 個の
方向伝達関数が主成分分析の対象となる。
【0048】主成分分析の第1ステップは、周波数共分
散行列の計算である。これらの共分散はそれぞれの周波
数のペアに対する480 個の方向伝達関数の類似性の測度
を与える。周波数のペア(i,j )に対する共分散Sは次
の(2)式で与えられる。
【数2】 ここで、nは伝達関数の総数(本実施形態の場合では48
0 )、pは周波数の総数(本実施形態の場合では150
)、Dkiはk方向の伝達関数のi番目の周波数の対数
振幅である。なおkは音源方向を示すが、左右の耳に対
応させるため、1 〜240 を左、241 〜480 を右とする。
すなわち、1が音源が正面の場合の左耳のデータとし、
241 が右耳のデータとする。そして反時計回りに1.5 度
のデータを2、242 とし、3度のデータを3 、243 ・・
・とする。
【0049】基底関数(離散的な表現をするから、より
正確には基底ベクトルである。行列演算に関する説明の
箇所では基底ベクトルと言う表現を用いる)cqは、共
分散行列のq個の固有値に対応するq個の固有ベクトル
である。与えられた方向伝達関数に対して、夫々の基底
関数の方向伝達関数に対する寄与を表す重み付けwkは
次の(3)式で与えられる。
【数3】 ここで、Cは各列が基底ベクトルである行列であり、
C’はCの逆行列である。dk はk番目の方向伝達関数
の振幅ベクトルである。(3)式を整理し直すと、方向
伝達関数の振幅ベクトルdk は基底ベクトルの荷重加算
と等しくなる。
【数4】 (4)式で示したように、それぞれの方向伝達関数は基
底ベクトルの線形結合で再構成される。ただし、頭部伝
達関数全体の再構成は、再構成された方向伝達関数に平
均伝達関数を加える必要がある。
【0050】再構成される方向伝達関数の細部がどれだ
け再現されるかは、再構成に使用する基底関数の個数に
より決まる。どれだけの基底関数を使用するかという決
定は、オリジナルデータのどれだけの変化を復元するか
に基づく。ここでは方向伝達関数の振幅スペクトルを約
90%の範囲で再構成するのに必要な基底関数の個数を選
ぶ。この基準からいえば5個の基底関数を使用すること
で目的が達成される。図2は前述した5つの基底関数の
例を示す。
【0051】以上のようにして導出した基底関数BFと
主成分PCとは、夫々図1の第1の記憶手段101、第
2の記憶手段102に格納される。また、平均頭部伝達
関数を便宜的にBF−0とし、その重み付け係数を便宜
的にPC−0と表す。これらのデータも夫々第1の記憶
手段101、第2の記憶手段102に格納される。図3
に示すように第2の記憶手段102では、アドレス#0
〜#5に正面方向(角度0度)の左耳のPC−0〜PC
−5のデータが格納され、アドレス#6〜#11に右耳
のPC−0〜PC−5のデータが格納される。同様にア
ドレス#12〜#23には、1.5 度における左右のPC
−0〜PC−5のデータが格納される。
【0052】第1の記憶手段101に記憶された基底関
数BF−0〜BF−5は、畳み込み手段106a〜10
6fに送られ、入力された音響信号と畳み込まれる。角
度検出手段103の検出結果は、1.5 度刻みに量子化さ
れる。例えば±0.75度以内の角度は0度とする。そし
て、量子化した角度を12倍した値が第2の記憶手段10
2のデータ読み出し開始アドレスとなり、12個の重み
付け係数が読み出される。読み出された重み付け係数は
乗算器107a〜107lに送られ、畳み込み手段10
6a〜106fの畳み込み結果を重み付けする。乗算器
107a〜107fの乗算結果は加算器108aで加算
され、右チャンネルの出力端子109aから出力され
る。乗算器107g〜107lの乗算結果は加算器10
8bで加算され、左チャンネルの出力端子109bから
出力される。
【0053】このように第1実施形態では、入力音響信
号を複数の基底関数BFで処理し、角度検出手段103
により聴取者Pの頭部回転角度θを検出し、基底関数B
Fで処理した信号を検出角度に対応する基底関数の重み
付け係数wkによって重み付け加算することにより、頭
外音像定位を施した音響信号が得られる。しかも、夫々
の方向ごとに多数の伝達関数のデータを持つ場合に比べ
て、本実施形態では伝達関数を記憶する記憶手段の容量
を大幅に削減できる。即ち、伝達関数の記憶容量は、従
来例では240 Kバイトであったが、本実施形態では基底
関数1.5 Kバイト(6個×0.25Kバイト)、重み付け係
数5.8 Kバイト(12個×2 バイト×240方向)、合計で
8.7 Kバイトで済む。さらに、聴取者の頭の角度が変わ
るたびに第2の記憶手段102から信号処理手段105
へ転送するデータは24バイトだけであり、従来例の1K
バイトに比べると1/40以下であり、この点でも優れた効
果がある。
【0054】(実施の形態2)次に本発明の第2実施形
態における信号処理装置について説明する。第1実施形
態では入力信号が1チャンネルの場合についてあった
が、第2実施形態では2チャンネル入力の場合を対象と
している。図4は2チャンネル入力に対応させた場合の
信号処理装置の構成を示すブロック図であり、第1実施
形態と同一部分は同一の符号を付け、詳細な説明は省略
する。図4に示すように本実施形態では、2系統の信号
処理手段105a、105bを設け、2チャンネルの入
力音響信号を独立に処理した後、夫々の信号に対する右
及び左チャンネルの出力信号を加算して全体の出力信号
とする。
【0055】第1の記憶手段101は、音源位置から聴
取者の両耳までの伝達関数を測定したとき、伝達関数の
主成分分析により得られる基底関数群を記憶する記憶手
段である。第2の記憶手段102は角度検出手段103
の出力データに基づいた基底関数の重み付け係数群を記
憶する記憶手段である。角度検出手段103は音源位置
に対する聴取者の頭部回転角度を検出する手段である。
信号処理手段105aは、左入力端子104aから音響
信号が入力されると、第1の記憶手段101に保持され
た左チャンネルの特定の基底関数により音響信号を変換
する手段である。信号処理手段105bは、右入力端子
104bから音響信号が入力されると、第1の記憶手段
101に保持された右チャンネルの特定の基底関数によ
り音響信号を変換する手段である。
【0056】加算器410aは信号処理手段105a,
105bの出力を加算して左出力端子411aから左チ
ャンネルの音響信号を出力する。同様に加算器410b
は信号処理手段105a,105bの出力を加算して右
出力端子411bから右チャンネルの音響信号を出力す
る。
【0057】このような構成により、信号処理手段10
5a、105bは角度検出手段103により頭部回転角
度が与えられると、第1の記憶手段101に保持された
複数の基底関数と、第2の記憶手段102に保持された
特定の重み付け係数の組み合わせデータを用いて、入力
音響信号の重み付け加算をする。本実施形態において、
角度検出手段103の出力から第2の記憶手段102の
重み付け係数を選択すること以外は第1実施形態と同様
の動作をするので、これらの部分については説明を省略
する。
【0058】ここで角度検出手段103の出力から第2
の記憶手段102の重み付け係数を選択する方法につい
て説明する。通常、左右2チャンネルの音響信号を2チ
ャンネルのスピーカで再生する場合には、図13に示す
ように、仮想音源SpL、SpRで示すように聴取者P
を1頂点とする三角形の他の頂点にスピーカが配置され
る。図4の角度検出手段103では聴取者Pの正面方向
に対する角度を検出するので、図13に示すスピーカ配
置を想定した場合には、音源方向を補正しなければなら
ない。
【0059】例えば、角度検出手段103の検出結果が
0度の場合、左入力信号は30度方向、右信号は-30 度
(=330 度)となる。従って第2の記憶手段102に1.
5 度間隔で重み付け係数が記憶されている場合、左チャ
ンネルの信号を処理する信号処理手段105aには、ア
ドレス240 (=12×30/1.5)から12個の重み付け係数が
転送される。また右チャンネルに信号を処理する信号処
理手段105bには、アドレス2640(=12×330/1.5 )
から12個の重み付け係数が転送される。
【0060】(実施の形態3)次に本発明の第3実施形
態における信号処理装置について説明する。不特定多数
の聴取者を想定すると、それぞれの聴取者の頭部形状や
耳介形状などが異なるため、伝達関数に個人差が生じ、
これらの差に対応する処理が必要である。本実施形態の
信号処理装置は、多数の被験者について頭部伝達関数を
測定する。そして代表的な平均伝達関数を個別に記憶
し、聴取者がヘッドホン装置を装着するとき、自分に適
した平均伝達関数を選択させるというものである。
【0061】図5はこのような趣旨の信号処理装置の構
成を示すブロック図である。図5において、信号処理装
置に第1の記憶手段101、第2の記憶手段102、角
度検出手段103、信号処理手段105を設けることは
第1実施形態と同様である。第1の記憶手段101は、
音源位置から聴取者の両耳までの伝達関数を測定し、伝
達関数の主成分分析により得られる基底関数群と複数の
平均伝達関数を記憶する手段である。選択手段510は
聴取者が第1の記憶手段101に保持されている複数の
平均伝達関数の内の1つを選択する手段である。
【0062】第2の記憶手段102は角度検出手段10
3の出力データに基づいた基底関数の重み付け係数群を
記憶する手段である。角度検出手段103は音源位置に
対する聴取者の頭部回転角度を検出する手段である。信
号処理手段105は入力端子104から音響信号が入力
されると、第1の記憶手段101に保持された複数の基
底関数と、選択手段510で選択された平均伝達関数と
により音響信号を処理し、角度検出手段103により示
される頭部回転角度における基底関数の重み付け係数に
より音響信号を重み付け加算をする手段である。信号処
理手段105の出力信号は左出力端子109a、右出力
端子109bから出力される。
【0063】このように構成された、本実施形態の信号
処理装置の動作を説明する。まず、代表的な平均伝達関
数を選択するための被験者の分類方法を説明する。ある
個人iに関して測定した方向dの伝達関数をSLdi
(t)、SRdi(t)とする。ここで、Lは左耳を示
し、Rは右耳を示す。伝達関数を次数nのFFT複素ス
ペクトルで表すと2n 点の情報が必要である。
【0064】ある個人のm個の方向の左右の伝達関数を
次数L=m*2(n+1) のベクトルとみなし、N人のベク
トルを、例えばLBG法によってk個のクラスタに分類
し、各クラスタの重心を代表伝達関数とする。LBG法
では、L次元のN個のベクトルを、まず2つのクラスタ
に分割する。この分割法は、L次元のベクトル空間上で
最大の固有値を与える固有ベクトルに直交し、且つ重心
を通る超平面によって分割する。但しこの分割に用いる
超平面は厳密である必要はなく、適当に定めてもこの後
の逐次最適化処理により救済される。新たに得られた2
つのクラスタで、夫々の重心を求め、一方の重心により
近いベクトルをそのクラスタに含まれるとする方法でク
ラスタを修正する。その修正後のクラスタの重心を改め
て求めるという逐次処理により、クラスタ分割を最適化
する。このように最適化された新たなクラスタについて
上記の手順を繰り返すことにより、k個のクラスタが得
られる。
【0065】LBG法によるクラスタ化手順は、たとえ
ば、文献「Joho Makhol,Salim Poucos and Herbertgish
"Vector Quantization in Speech Coding " Proceedi
ng of the IEEE,Vol 73, No.11, Nov.1985」に詳細に述
べられている。
【0066】この方法は、伝達関数の物理的特性と知覚
との関係を考慮せず、機械的にベクトルの分布を距離尺
度により分類する方法であるが、結果的には知覚に十分
対応した分類が行われる性質がある。しかし、一般にベ
クトルの次元Lは8〜10程度であり、非常に次数の高
い(例えばm=4 、n=8 のときL=2048)ベクトルの
距離を多数計算し、場合によっては固有値や固有ベクト
ルの計算もするため、効率のよい方法ではない。
【0067】そこで、計算量とメモリ規模を現実的な値
に低下させるために、距離や方向の知覚に関するパラメ
ータを抽出してからクラスタリングを行う。人が音源の
方向や距離を知覚する手がかりは、方向により異なって
いると考えられている。正面に音源がある場合、左右両
耳に同一の波形が加わる。この場合、方向や距離の手が
かりはパワースペクトラムである。そこで、本実施形態
では正面方向の伝達関数をクラスタリングすることで、
代表的な伝達関数をもつ被験者を選択する。
【0068】パワースペクトラムはたとえば線形予測
(LPC)分析法によりわずかなパラメータで表すこと
ができる。知覚との対応がよいといわれるLPCケプス
トラム係数を用いると、12次程度の次数で十分である。
その計算方法は、正面の伝達関数SL0i(t)の自己
相関係数から正規方程式を解き、線形予測係数αj(j
=0,…、J)を求めた後、z領域の対数スペクトラム
の性質を用いると、ケプストラム係数cj(j=0,
…,J)を逐次に得ることができる。この方法は文献
「古井貞煕;ディジタル音声処理 東海大学出版会」に
詳しく述べられている。
【0069】一例として、N人の12次のLPCケプスト
ラムのベクトルデータを前述のLBG法により、k個の
クラスタに分類する。N=200 、k=8 としても計算量
はわずかである。ケプストラムをパラメータに用いたの
は、人の知覚がパワースペクトラムのピークに敏感であ
る性質を考慮したものであるが、そのほかのLPCパラ
メータである声道反射係数、対数面積比、又は線形予測
係数などや、FFTパワースペクトルを用いても、クラ
スタリングが可能であり、夫々効果が得られることは言
うまでもない。以上のようにして、k個の代表的な伝達
関数を持つ被験者k人を選択することができる。
【0070】次に、代表的な伝達関数を持つ被験者に対
して、第1実施形態と同様に、240方向の伝達関数を測
定する。そして、夫々の被験者の両耳の測定値に対し
て、240 方向の平均頭部伝達関数の対数振幅関数を計算
する。この平均頭部伝達関数は被験者に依存し、方向に
依存しないものである。そして平均頭部伝達関数は夫々
の耳から記録された240 個の頭部伝達関数に共有される
スペクトルの特徴、即ち個人差を含んでいる。そこで、
被験者ごとの平均頭部伝達関数をBF−0i(i=1、
2・・・k)として、第1の記憶手段101に記憶す
る。
【0071】一方、個人差の影響を除去するために、被
験者ごとの平均頭部伝達関数を夫々の被験者の頭部伝達
関数から差し引く。平均頭部伝達関数を除去することに
より、主として方向に依存するスペクトル効果を表す48
0 個の対数振幅関数が得らる。これらの関数を方向伝達
関数と呼ぶ。k人の被験者について480 の方向が必要で
あるから、合計(480 ×k)個の伝達関数が主成分分析
の対象となる。主成分分析の方法は第1実施形態と同じ
であるから、ここでは省略する。以上のようにして、第
1の記憶手段101に格納する複数の平均伝達関数と、
主成分分析により得られる基底関数とが決まる。
【0072】次に、第1の記憶手段101に格納された
複数の平均伝達関数から、聴取者が自分に適した平均伝
達関数を選択する方法について説明する。図6は選択手
段510の外観を示す図である。この選択手段510は
聴取者が操作しやすいようにヘッドホンのケーブルの途
中に設けられている。ヘッドホンケーブルには右耳用お
よび左耳用の信号線、平均伝達関数選択のための信号線
が納められている。本図において、選択手段510の本
体601には、プッシュスイッチ602と表示部603
が設けられている。
【0073】次に選択手段510の使用手順を説明す
る。図7は使用手順を示すPAD(Program analysis d
iagram)図であり、プログラム開発に用いる問題分析図
である。選択に先だって、図5の第1の記憶手段101
から初期値として第1の平均伝達関数BF−01を信号
処理手段105へダウンロードする。このときヘッドホ
ン装置のモードを再生モードとし、このモード(ステッ
プ1)でプッシュスイッチ602を2s以上押し続ける
と、選択モードになる。このステップで代表的な平均伝
達関数が表示される。そして特定の平均伝達関数を選択
する。
【0074】例えば聴取者はまず、第1の平均伝達関数
により処理された音を聴く。このとき表示部603は
“1”を表示する(ステップ2)。次に聴取者はプッシ
ュスイッチ602を操作する(ステップ3)。プッシュ
スイッチ602が1s以内の時間で押されるたびに、順
次第2の平均伝達関数BF−02、・・・第kの平均伝
達関数BF−0kを選択し、これらのデータが第1の記
憶手段101から信号処理手段105へダウンロード
し、その平均伝達関数で処理した音を提示する。このと
き、表示部603は“1”、“2”、・・・“k”を順
に表示する。
【0075】このようにして聴取者は最もうまく頭外定
位する平均伝達関数を探す。聴取者が平均伝達関数を決
めたら、その平均伝達関数により処理された音が出力さ
れる。このときプッシュスイッチ602を2s以上押し
続けると、平均伝達関数が確定し再生モードになる。そ
して表示部603は選択された平均伝達関数のインデッ
クス番号を表示する。
【0076】再生モードでプッシュスイッチ602を2
s以上押し続けると、再び選択モードになり、平均伝達
関数の選択を行う。このように聴取者は複数の平均伝達
関数候補の中から、自分に適した平均伝達関数を選択す
ることができる。以上のように本実施形態によれば、複
数の平均伝達関数を用意し、聴取者が自分に最も適した
ものを選択することにより、本人に最も適した頭外音像
定位が得られる。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、入力音響
信号を複数の基底関数で処理し、角度検出手段により聴
取者の頭部回転角度を検出し、基底関数で処理した入力
信号を、検出した角度に対応する基底関数重み付け係数
によって重み付け加算することにより、頭外に音像が定
位する信号が得られる。特に、夫々の方向ごとに伝達関
数を持つ場合に比べ、伝達関数を記憶する記憶手段の容
量を大幅に削減できる効果が得られる。さらに、聴取者
の頭の角度が変わるたびに第2の記憶手段から信号処理
処理手段へ転送するデータも大幅に削減できるという実
用上優れた効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における信号処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の信号処理手段で用いられる5つ
の基底関数の周波数特性図である。
【図3】第1実施形態の第2の記憶手段におけるデータ
配置を示すメモリマップである。
【図4】本発明の第2実施形態における信号処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3実施形態における信号処理装置の
構成を示すブロック図である。
【図6】第3実施形態における選択手段の外観図であ
る。
【図7】第3実施形態において平均伝達関数の選択手順
を示すPAD図である。
【図8】従来例の信号処理装置の全体構成を示すブロッ
ク図である。
【図9】従来例の信号処理装置における角度検出部の構
成図である。
【図10】従来例の信号処理装置における音響処理部の
構成図である。
【図11】角度検出部の動作原理を示す各信号のタイム
チャートである。
【図12】聴取者の頭部方向と仮想音源との幾何学的関
係を示す模式図である。
【図13】音源と聴取者の相対位置関係を示す見取り図
である。
【符号の説明】
101 第1の記憶手段、 102 第2の記憶手段、 103 角度検出手段、 104 音響信号の入力端子 105 信号処理手段 109a,411a 左出力端子、 109b,411b 右出力端子 106a〜106f 畳み込み手段 107a〜107l 乗算器 108a〜108b,410a,410b 加算器 510 選択手段 601 選択手段の本体 602 プッシュスイッチ 603 表示部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音源から聴取者の両耳までの伝達関数を
    複数の角度について測定し、測定された伝達関数の主成
    分分析を行ったとき、前記主成分分析により得られる複
    数の基底関数と聴取者の頭部方向に依存しない平均伝達
    関数とを記憶する第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に保持された各基底関数の重み付け
    係数群を記憶する第2の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に保持された複数の基底関数により
    入力音響信号を処理し、前記第2の記憶手段に保持され
    た重み付け係数により前記処理信号を重み付けして加算
    することにより、音像位置を制御する信号処理手段と、
    を具備することを特徴とする信号処理装置。
  2. 【請求項2】 音源から聴取者の両耳までの伝達関数を
    複数の角度について測定し、測定された伝達関数の主成
    分分析を行ったとき、前記主成分分析により得られる複
    数の基底関数と聴取者の頭部方向に依存しない平均伝達
    関数とを記憶する第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に保持された各基底関数の重み付け
    係数群を聴取者の頭部方向に対応させて記憶する第2の
    記憶手段と、 聴取者の頭部方向を仮想音源からの回転角度として検出
    する角度検出手段と、 前記第1の記憶手段に保持された複数の基底関数により
    入力音響信号を処理し、前記角度検出手段で検出された
    頭部の回転角度に基づいて前記第2の記憶手段に保持さ
    れた重み付け係数を読み出し、前記処理信号を重み付け
    して加算することにより、音像位置を制御する信号処理
    手段と、を具備することを特徴とする信号処理装置。
  3. 【請求項3】 音源から聴取者の両耳までの伝達関数を
    複数の角度について測定し、測定された伝達関数の主成
    分分析を行ったとき、前記主成分分析により得られる複
    数の基底関数と聴取者の頭部方向に依存しない複数の平
    均伝達関数とを記憶する第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に保持された各基底関数の重み付け
    係数群を聴取者の頭部方向に対応させて記憶する第2の
    記憶手段と、 前記第1の記憶手段から特定の平均伝達関数を選択する
    選択手段と、 聴取者の頭部方向を仮想音源からの回転角度として検出
    する角度検出手段と、 前記第1の記憶手段に保持された複数の基底関数により
    入力音響信号を処理し、前記角度検出手段で検出された
    頭部回転角度に基づいて前記第2の記憶手段に保持され
    た重み付け係数を読み出し、前記処理信号を重み付けし
    て加算することにより、音像位置を制御する信号処理手
    段と、を具備することを特徴とする信号処理装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の記憶手段は、 多数の聴取者に対し予め測定された伝達関数を、人間の
    聴覚特性に対応する特徴パラメータベクトルに変換した
    後、クラスタリングを行って小数に集約したデータから
    生成される複数の平均伝達関数を記憶するものであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記信号処理手段は、 前記第1の記憶手段で保持された第i(i=1〜nまで
    の序数)の重み付け係数群により、主成分分析に対する
    第iの基底関数を夫々実現するn個の畳み込み手段と、 前記第iの畳み込み手段の出力に対して前記第2の記憶
    手段に保持された第iの右側重み付け係数を夫々乗算す
    るn個の右側乗算手段と、 前記第iの畳み込み手段の出力に対して前記第2の記憶
    手段に保持された第iの左側重み付け係数を夫々乗算す
    るn個の左側乗算手段と、 前記n個の右側乗算手段の出力を夫々加算して右側変換
    音響信号を生成する右側加算手段と、 前記n個の左側乗算手段の出力を夫々加算して左側変換
    音響信号を生成する左側加算手段と、を有することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の信号処理装
    置。
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