JP2009194002A - Iii族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ及びその製造方法 Download PDF

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英之 大来
Shinichi Hoshi
真一 星
Toshiharu Marui
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Abstract

【課題】エピタキシャル成長層の表面酸化やカーボン汚染を防ぐとともに、オーミック電極の腐食を防ぐ事で、コンタクト抵抗や電流などの特性に優れた、III族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】先ず、結晶成長基板10上に、AlNバッファ層22、GaNチャネル層24及びAlGaNキャリア供給層26が積層されたエピタキシャル成長層20を形成する。次に、エピタキシャル成長層上に、第1スペーサ層62を形成する。次に、第1スペーサ層にエピタキシャル成長層の上面を露出する第1開孔部を形成する。次に、第1開孔部内にオーミック電極54を形成する。次に、第1スペーサ層及びオーミック電極上に第2スペーサ層66を形成する。次に、第1スペーサ層及び第2スペーサ層にエピタキシャル成長層の上面を露出する第2開孔部を形成する。次に、第2開孔部内にショットキー電極82を形成する。
【選択図】図5

Description

この発明は、III族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ及びその製造方法に関する。
図7及び図8を参照して、III族窒化物半導体高電子移動度トランジスタであるAlGaN/GaN高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor)の従来の製造方法について、第1の例を説明する(例えば、非特許文献1又は2参照)。
先ず、結晶成長基板110を用意する。
次に、結晶成長基板110上に、エピタキシャル成長層120を形成する。エピタキシャル成長層120は、結晶成長基板110上に順次に積層された、AlNバッファ層122、GaNチャネル層124及びAlGaNキャリア供給層126を備えて構成される。このエピタキシャル成長層120は、有機金属化学気相成長法、又は分子線エピタキシャル成長法により形成される(図7(A))。
次に、フォトリソグラフィ法により、エピタキシャル成長層120上に、素子領域112を覆い、かつ素子間領域114を露出する素子分離用のレジストパターン130を形成する(図7(B))。
次に、露出している素子間領域114に窒素やアルゴン等のイオン注入を行い、素子間領域114のAlGaNキャリア供給層126と、GaNチャネル層124の一部とを高抵抗化する。この高抵抗化された高抵抗部128により素子分離がなされる(図7(C))。
次に、リフトオフ法を用いて、オーミック電極152を形成する(図8(A))。その後、エピタキシャル成長層120及びオーミック電極152上に、スペーサ層160を形成する(図8(B))。
次に、スペーサ層160に、エピタキシャル成長層120を露出する開孔部162を形成する。その後、この開孔部162内に、リフトオフ法を用いて、ショットキー電極182を形成して、AlGaN/GaN−HEMTを得る(図8(C))。
また、図9及び図10を参照して、従来のAlGaN/GaN−HEMTの製造方法について、第2の例を説明する(例えば、非特許文献3参照)。
先ず、図7(A)を参照して説明したのと同様に、結晶成長基板110上にエピタキシャル成長層120を形成する。その後、エピタキシャル成長層120上にスペーサ層164を形成する。スペーサ層164は例えばシリコン窒化膜で形成される(図9(A))。
次に、図7(B)及び図7(C)を参照して説明したのと同様の工程により、高抵抗部129を形成して、素子分離を行う。このとき、スペーサ層164の厚みの分だけ、イオン注入条件が調整される(図9(B))。
次に、スペーサ層164にエピタキシャル成長層120を露出する第1開孔部166を形成する(図9(C))。
次に、第1開孔部166内及びその周囲のスペーサ層164上に渡って、リフトオフ法を用いて、オーミック電極154を形成する(図10(A))。
次に、スペーサ層164に、エピタキシャル成長層120を露出する第2開孔部168を形成する。その後、第2開孔部168内及びその周囲のスペーサ層164上に渡って、リフトオフ法を用いて、ショットキー電極184を形成して、AlGaN/GaN−HEMTを得る(図10(B))。
安藤裕二他著「フィールドプレート付き高耐圧AlGaN/GaNヘテロ接合FETの評価」信学技報、Technical Report of IEICE, ED214(2002)p.29-34 J.W. Johnson et al.「MATERIAL, PROCESS, AND DEVICE DEVELOPMENT OF GaN-BASED HFETs ON SILICON SUBSTRATES」Electrochemical Society Proceedings (2004) p.405 大来英之他著「Si基板上に作成したAlGaN/GaN−HEMTの高周波特性」信学技報、Vol.106, No.269, ED154(2006)p.13-18
上述した製造方法の第1の例によれば、エピタキシャル成長層の上面に、絶縁保護膜となるスペーサ層を形成せずに、素子分離工程やオーミック電極形成工程を行っている。このため、エピタキシャル成長層の表面が大気曝露されることによる表面酸化や、レジスト及びレジストを除去するのに用いられる有機溶剤等による半導体表面のカーボン汚染が起こる可能性が高い。
これら表面酸化やカーボン汚染により、高ドレイン電圧印加時に電子がトラップされドレイン電流が減少する、いわゆる電流コラプスの発生が懸念される。通常、これらの表面酸化やカーボン汚染は、酸洗浄等により除去できるが、オーミック電極にアルミニウム(Al)を用いている場合は、酸によりオーミック電極が腐食してしまう。
また、上述した第2の例の製造方法によれば、エピタキシャル成長層の表面に、絶縁保護膜となるスペーサ層を形成した後に、素子分離工程やオーミック電極形成工程を行っている。このため、エピタキシャル成長層の表面における表面酸化やカーボン汚染についは防ぐことが可能となる。しかしながら、この出願に係る発明者による測定によれば、第2の例の製造方法を用いて製造されたAlGaN/GaN−HEMTでは、コンタクト抵抗の高抵抗化や、電流の減少などが見られた。
この理由として、ショットキー電極の形成時にオーミック電極が露出しているので、ショットキー電極を形成するためのリフトオフ工程等の際に微量の酸が混入して、オーミック電極が腐食されてしまうことが考えられる。
そこで、この出願に係る発明者が鋭意研究を行ったところ、絶縁保護膜であるスペーサ層を2層構造として、素子分離工程やオーミック電極形成工程を行う前に第1スペーサ層を設け、さらに、第2スペーサ層を第1スペーサ層及びオーミック電極上に形成した後、ショットキー電極を形成することにより、エピタキシャル成長層の表面における表面酸化やカーボン汚染を防ぐとともに、オーミック電極の腐食を防ぐことができることを見出した。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、エピタキシャル成長層の表面酸化やカーボン汚染を防ぐとともに、オーミック電極の腐食を防ぐことで、コンタクト抵抗や電流などの特性に優れた、III族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ及びその製造方法を提供することである。
上述した目的を達成するために、この発明の第1の要旨によれば、結晶成長基板と、エピタキシャル成長層と、第1スペーサ層と、オーミック電極と、第2スペーサ層と、ショットキー電極とを備えるIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタが提供される。
エピタキシャル成長層は、結晶成長基板上に順に積層されて形成された、AlNバッファ層、GaNチャネル層及びAlGaNキャリア供給層で構成される。第1スペーサ層は、エピタキシャル成長層上に形成されている。オーミック電極は、第1スペーサ層に設けられた開孔であって、エピタキシャル成長層の上面を露出する第1開孔部内に形成されている。第2スペーサ層は、第1スペーサ層及びオーミック電極上に形成されている。ショットキー電極は、第1スペーサ層及び第2スペーサ層に設けられた開孔であって、エピタキシャル成長層の上面を露出する第2開孔部内に形成されている。
上述したIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタの実施に当たり、好ましくは、第1スペーサ層及び第2スペーサ層が窒化シリコンで形成されているのが良い。
また、上述した目的を達成するため、この発明の第2の要旨によれば、以下の工程を備えるIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタの製造方法が提供される。
先ず、結晶成長基板上に、AlN、GaN及びAlGaNを順次に成長させて、AlNバッファ層、GaNチャネル層及びAlGaNキャリア供給層が積層されたエピタキシャル成長層を形成する。次に、エピタキシャル成長層上に、第1スペーサ層を形成する。次に、第1スペーサ層にエピタキシャル成長層の上面を露出する第1開孔部を形成する。次に、第1開孔部内にオーミック電極を形成する。次に、第1スペーサ層及びオーミック電極上に第2スペーサ層を形成する。次に、第1スペーサ層及び第2スペーサ層にエピタキシャル成長層の上面を露出する第2開孔部を形成する。次に、第2開孔部内にショットキー電極を形成する。
上述したIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタの製造方法の実施に当たり、好ましくは、第1スペーサ層及び第2スペーサ層を窒化シリコンで形成するのが良い。
この発明のIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ及びその製造方法によれば、素子分離工程やオーミック電極形成工程が行われる前に第1スペーサ層を設けるため、エピタキシャル成長層の表面における表面酸化やカーボン汚染を防ぐことができる。また、オーミック電極を形成した後、第2スペーサ層をオーミック電極上に形成し、その後、ショットキー電極を形成するので、オーミック電極の腐食を防ぐことができる。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、各構成要素の形状、大きさ及び配置関係については、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
図1〜5を参照して、この発明のIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタの製造方法について、AlGaN/GaN高電子移動度トランジスタ(HEMT−High Electron Mobility Transistor)の例につき説明する。図1(A)〜(C)、図2(A)〜(C)、図3(A)〜(C)、図4(A)〜(B)及び図5(A)〜(B)は、AlGaN/GaN−HEMTの製造方法を説明するための図であって、それぞれ各工程における主要部の切断端面を示している。
先ず、結晶成長基板10として、例えば、シリコンカーバイド(SiC)基板を用意して、結晶成長基板10上にエピタキシャル成長層20を形成する。エピタキシャル成長層20は、結晶成長基板10上に順次に積層された、AlNバッファ層22、GaNチャネル層24及びAlGaNキャリア供給層26を備えて構成される。AlNバッファ層22は、10〜500nm程度の厚みで形成される。GaNチャネル層24は、500〜3000nm程度の厚みで形成される。また、AlGaNキャリア供給層26は、5〜40nm程度の厚みで形成される。
このエピタキシャル成長層120は、有機金属化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、又は分子線エピタキシャル成長(Molecular Beam Epitaxy)法により形成される。続いて、エピタキシャル成長層120を酸等により洗浄することにより、表面酸化膜やカーボンを除去する(図1(A))。
次に、エピタキシャル成長層20の上面20a上に第1スペーサ層62を形成する。第1スペーサ層62は、絶縁保護膜を構成する層である。第1スペーサ層62は、例えばプラズマCVD法により、窒化シリコン、酸化シリコン又は酸窒化シリコンなどを堆積させて形成することができる。ここで、透湿性の観点から、第1スペーサ層62を、水分を透過させにくい窒化シリコンで形成するのが好適である(図1(B))。
次に、フォトリソグラフィ法により、第1スペーサ層62上に素子分離用のレジストパターン30を形成する。この素子分離用のレジストパターン30は、素子領域12の第1スペーサ層62を覆い、かつ、素子間領域14の第1スペーサ層62を露出させる(図1(C))。
次に、レジストパターン30から露出している素子間領域14に窒素やアルゴン等のイオン注入を行い、素子間領域14のAlGaNキャリア供給層26と、GaNチャネル層24の一部とを高抵抗化する。このイオンが注入されて形成された高抵抗部29により素子分離がなされる(図2(A))。その後、アセトンやジメチルホルムアルデヒドなどの薬液を用いて、レジストパターン30を除去する。
なお、素子分離を行うにあたり、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法により、素子間領域14のエピタキシャル成長層20を、隣の素子と電気的に分離できる深さまで掘り込んでも良い。
次に、第1スペーサ層62にエピタキシャル成長層20の上面20aを露出する第1開孔部64を形成する。
この工程では、先ず、フォトリソグラフィ法により、第1スペーサ層62上に、オーミック電極形成用のレジストパターン32を形成する。レジストパターン32は、オーミック電極形成領域15の第1スペーサ層62を露出している。なお、後の工程でリフトオフ技術を用いるので、レジストパターン32をネガレジストで形成して、レジストの端部(図中、Iで示す部分)を逆テーパ状にするのが良い(図2(B))。
レジストパターン32を形成した後、このレジストパターン32をマスクとして用いて、第1スペーサ層62のエッチングを行う。
第1スペーサ層62のエッチングは、RIE法や、誘導結合プラズマRIE法(Inductive Coupled Plasma-RIE法)、あるいは、フッ酸などのエッチング液を用いたウェットエッチング法で行われる。このエッチングにより、第1スペーサ層62の、オーミック電極形成領域15の部分が除去されて、第1開孔部64が形成される。第1開孔部64は、オーミック電極形成領域15のエピタキシャル成長層20の上面20aを露出する(図2(C))。
第1スペーサ層62に第1開孔部64を形成した後、いわゆるリフトオフ法を用いてオーミック電極を形成する。
この工程では、先ず、オーミック電極形成用のレジストパターン32上と、第1開孔部64内に露出したエピタキシャル成長層20上に、チタンおよびアルミニウムを積層したオーミック電極用の金属膜50を、真空蒸着法などにより形成する(図3(A))。
続いて、アセトンやジメチルホルムアルデヒドなどの薬液を用いて、レジストパターン32を除去する。このとき、金属膜50のレジストパターン32上の部分もレジストパターン32とともに除去され、金属膜50の、第1開孔部64内に露出したエピタキシャル成長層20の上面20a上に形成された部分が残存する。その後、急速アニール炉(RTA:Rapid Thermal Anneal)等を用いて、金属膜を600℃前後で1〜数分間、加熱する。その結果、第1開口部64内に残存した金属膜の部分がオーミック電極54として得られる。このオーミック電極54は、AlGaN/GaN−HEMTの主電極領域、すなわち、ソース又はドレインとして機能する(図3(B))。
なお、この形態では、オーミック電極54は、第1開孔部64内だけでなく、第1開口部64の周囲の第1スペーサ層62上に、第1スペーサ層62に乗り上がるように形成されている。
オーミック電極54を形成したのち、第1スペーサ層62及びオーミック電極54上に第2スペーサ層66を形成する。第2スペーサ層66は、第1スペーサ層62と同様に、例えばプラズマCVD法により、窒化シリコン、酸化シリコン又は酸窒化シリコンなどを堆積させて形成することができる(図3(C))。
ここで、窒化シリコンなどの絶縁保護膜をプラズマCVD法により形成すると、例えば50nm以下の膜厚では、微小な穴が発生し、保護膜としての機能が不十分となる恐れがある。そこで、第1スペーサ層62と第2スペーサ層66は、その膜厚の総和が100nm以上になるように形成するのが良い。
次に、第1スペーサ層62及び第2スペーサ層66にエピタキシャル成長層20の上面20aを露出する第2開孔部68を形成する。
この工程では、先ず、フォトリソグラフィ法により、第2スペーサ層66上に、ショットキー電極形成用のレジストパターン34を形成する。レジストパターン34は、ショットキー電極形成領域17の第2スペーサ層66を露出している。なお、後の工程でリフトオフ技術を用いるので、レジストパターン34をネガレジストで形成して、レジストの端部(図中、IIで示す部分)を逆テーパ状にするのが良い(図4(A))。
レジストパターン34を形成した後、このレジストパターン34をマスクとして用いた、RIE法や、ICP−RIE法、あるいは、フッ酸などのエッチング液を用いたウェットエッチング法を行うことにより、第1スペーサ層62及び第2スペーサ層66の、ショットキー電極形成領域17の部分を除去して、第2開孔部68を形成する。第2開孔部68はショットキー電極形成領域17のエピタキシャル成長層20の上面20aを露出する(図4(B))。
この第2開孔部68を形成するに当たり、第1スペーサ層62のエッチング速度が、第2スペーサ層66のエッチング速度よりも大きいと、第1スペーサ層62がサイドエッチされる恐れがある(図4(B)中、IIIで示す部分)。この場合、後の工程で形成するショットキー電極と、第1スペーサ層62との間に空隙が存在し、電極の腐食等の劣化を引き起こす原因となり得る。このため、第2スペーサ層66は、第1スペーサ層62とエッチング速度が等しいか、あるいは、第1スペーサ層62よりもエッチング速度が大きい材質で形成するのが良い。第1スペーサ層62を窒化シリコンで形成したときは、第2スペーサ層66も窒化シリコンで形成するのが好適である。
第1スペーサ層62及び第2スペーサ層66に第2開孔部68を形成した後、いわゆるリフトオフ法を用いてショットキー電極を形成する。
この工程では、先ず、ショットキー電極形成用のレジストパターン34上と、第2開孔部68内に露出したエピタキシャル成長層20上に、ニッケル(Ni)や白金(Pt)と、金(Au)の多層構造の金属膜80を、真空蒸着法などにより形成する(図5(A))。
続いて、アセトンやジメチルホルムアルデヒドなどの薬液を用いて、レジストパターン34を除去する。このとき、レジストパターン34上の金属膜もレジストパターン34とともに除去され、第2開孔部68内に露出したエピタキシャル成長層20の上面20a上に形成された金属膜の部分が残存する。この残存した金属膜の部分がショットキー電極82となり、ショットキー電極82は、AlGaN/GaN−HEMTの制御電極、すなわち、ゲートとして機能する(図5(B))。
なお、この形態では、ショットキー電極82は、第2開孔部68内だけでなく、第2開口部68の周囲の第2スペーサ層66上に乗り上げるように形成されている。
以上説明した方法により、結晶成長基板10と、エピタキシャル成長層20と、第1スペーサ層62と、オーミック電極54と、第2スペーサ層66と、ショットキー電極82とを備えるIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ(AlGaN/GaN−HEMT)が製造される。
エピタキシャル成長層20は、結晶成長基板10上に順に積層されて形成された、AlNバッファ層22、GaNチャネル層24及びAlGaNキャリア供給層26で構成されている。第1スペーサ層62は、エピタキシャル成長層20上に形成されている。オーミック電極54は、第1スペーサ層62に設けられた開孔であって、エピタキシャル成長層20の上面を露出する第1開孔部64内に形成されている。第2スペーサ層66は、第1スペーサ層62及びオーミック電極54上に形成されている。ショットキー電極82は、第1スペーサ層62及び第2スペーサ層66に設けられた開孔であって、エピタキシャル成長層20の上面を露出する第2開孔部68内に形成されている。
図6に、上述した方法で作成したAlGaN/GaN−HEMTの断面の透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)像を示す。図6では、オーミック電極とショットキー電極部分を拡大して示している。第1スペーサ層を形成した後に形成されたオーミック電極は、第1スペーサ層に乗り上げるように蒸着されている(図中、破線で囲んだAで示す部分)。また、第2スペーサ層を形成した後に形成されたショットキー電極は、第2スペーサ層に乗り上がるように蒸着されている(図中、破線で囲んだBで示す部分)。
上述した方法によれば、エピタキシャル成長層の表面を清浄に保ちつつ、オーミック電極の腐食等による電流劣化が起こらないAlGaN/GaN−HEMTが得られる。
続いて、表1及び表2を参照して、従来の製造方法の第2の例で製造したAlGaN/GaN−HEMTと、本発明の製造方法で製造したAlGaN/GaN−HEMTの特性について説明する。
ここでは、異なる2枚の3インチSiC基板上に、同時にエピタキシャル成長させた後、一方に従来の製造方法の第2の例を適用し、他方に本発明の製造方法を適用している。
表1は、HEMTのしきい値電圧Vth(単位:V)、最大相互コンダクタンスgm−max(単位:mS/mm)、最大ドレイン電流Ids−max(単位:mA/mm)及びソース抵抗R(単位:Ω・mm)を示している。これらの値は、面内25点で測定された値の平均値である。
しきい値電圧Vthについては、同じエピタキシャル層構造のウェハを用いているため、ほぼ同じ値となっている。最大相互コンダクタンスgm−max及び最大ドレイン電流Ids−maxについては、本発明の結果は、従来の結果に比べて15%程度向上している。また、ソース抵抗Rについては、本発明の結果は、従来の結果に比べて15%程度低い値となっている。ソース抵抗Rは、オーミック電極のコンタクト抵抗と、エピタキシャル成長層の抵抗の和として測定される。ここでは、同じエピタキシャル層構造であるため、エピタキシャル成長層の抵抗値は等しいので、ソース抵抗Rの減少は、コンタクト抵抗の減少を意味する。
以上のことから、本発明の方法は、従来の方法に比べて、オーミック電極が劣化しておらず、その結果として、最大相互コンダクタンスgm−max及び最大ドレイン電流Ids−maxの向上をもたらしたと考えられる。
表2は、HEMTのしきい値電圧Vth、最大相互コンダクタンスgm−max、最大ドレイン電流Ids−max及びソース抵抗Rの標準偏差を示している。
しきい値電圧Vthについては、同じエピタキシャル層構造のウェハを用いているため、ほぼ同じ値となっている。最大相互コンダクタンスgm−max、最大ドレイン電流Ids−max及びソース抵抗Rについては、本発明の結果は、従来の結果に比べて半分以下の値となっており、ウェハ面内で従来よりも均一にHEMTが製造できたことを示している。
以上説明してきたように、この発明のIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ及びその製造方法によれば、素子分離工程やオーミック電極形成工程が行われる前に第1スペーサ層を設けるため、エピタキシャル成長層の表面における表面酸化やカーボン汚染を防ぐことができる。また、オーミック電極を形成した後、第2スペーサ層をオーミック電極上に形成し、その後、ショットキー電極を形成するので、オーミック電極の腐食を防ぐことができる。
本発明のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(1)である。 本発明のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(2)である。 本発明のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(3)である。 本発明のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(4)である。 本発明のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(5)である。 AlGaN/GaN−HEMTの断面のTEM像を示す図である。 従来のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(1)である。 従来のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(2)である。 従来のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(3)である。 従来のAlGaN/GaN−HEMTの製造工程を示す図(4)である。
符号の説明
10 結晶成長基板
20 エピタキシャル成長層
22 AlNバッファ層
24 GaNチャネル層
26 AlGaNキャリア供給層
30、32、34 レジストパターン
50 金属膜
54 オーミック電極
62 第1スペーサ層
64 第1開孔部
66 第2スペーサ層
68 第2開孔部
82 ショットキー電極

Claims (4)

  1. 結晶成長基板と、
    該結晶成長基板上に、AlNバッファ層、GaNチャネル層及びAlGaNキャリア供給層が順に積層されて形成されたエピタキシャル成長層と、
    該エピタキシャル成長層上に形成された第1スペーサ層と、
    該第1スペーサ層に設けられた開孔であって、前記エピタキシャル成長層の上面を露出する第1開孔部内に、形成されたオーミック電極と、
    前記第1スペーサ層及び前記オーミック電極上に形成された第2スペーサ層と、
    前記第1スペーサ層及び前記第2スペーサ層に設けられた開孔であって、前記エピタキシャル成長層の上面を露出する第2開孔部内に、形成されたショットキー電極と
    を備えることを特徴とするIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ。
  2. 前記第1スペーサ層及び前記第2スペーサ層が窒化シリコンで形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタ。
  3. 結晶成長基板上に、AlNバッファ層、GaNチャネル層及びAlGaNキャリア供給層が積層されたエピタキシャル成長層を形成する工程と、
    前記エピタキシャル成長層上に、第1スペーサ層を形成する工程と、
    前記第1スペーサ層に前記エピタキシャル成長層の上面を露出する第1開孔部を形成する工程と、
    前記第1開孔部内にオーミック電極を形成する工程と、
    前記第1スペーサ層及び前記オーミック電極上に第2スペーサ層を形成する工程と、
    前記第1スペーサ層及び第2スペーサ層に前記エピタキシャル成長層の上面を露出する第2開孔部を形成する工程と、
    前記第2開孔部内にショットキー電極を形成する工程と
    を備えることを特徴とするIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタの製造方法。
  4. 前記第1スペーサ層及び前記第2スペーサ層を窒化シリコンで形成する
    ことを特徴とする請求項3に記載のIII族窒化物半導体高電子移動度トランジスタの製造方法。
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