JP2009193789A - X線発生装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 本発明は、着脱可能なターゲットを有しながらも、高い真空度の維持を可能としたX線発生装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 X線発生装置1は、電子銃3から出射された電子が通過する第1の電子通路18を有し、真空状態が保持された筒状部2と、筒状部2の一方端に設けられており、第1の電子通路18と連通する第2の電子通路21を有し、かつ第2の電子通路21までに至る凹部24を有するヘッド部20と、先端部にターゲット31を有し、凹部24に挿入されたターゲット支持部27と、ターゲット支持部27の外周面と凹部24との間に配置されたOリング32、33と、を備え、ターゲット支持部27は、ターゲット支持部27の先端部とOリング32との間に形成された第1の段差面29aを有し、凹部24を形成する壁面は、第1の段差面29aに対応した形状をなす第2の段差面24aを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特に、電子銃から出射された電子をターゲットに入射することによりターゲットでX線を発生させるX線発生装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、例えば、下記特許文献1に示されたX線発生装置がある。当該装置は、電子銃から放出される電子が、コイルの電磁作用によってターゲットで焦点を結び、ターゲットから発生したX線が電子の入射方向とは異なる方向で取り出される反射型X線発生装置である。また、同様の反射型X線発生装置として、図8に模式的に示すようなX線発生装置100が知られている。同図に示されるように、X線発生装置100では、電子銃(図示せず)から放出される電子は、コイル101の電磁作用によってターゲット102で焦点を結び、ターゲット102から電子の入射方向とは異なる方向でX線が取り出される。さらに、X線発生装置100は、ターゲット102が消耗した場合に交換可能となるよう、着脱可能となっているが、装置内の真空状態を保持するために、ターゲット102には、ターゲット102の周面とターゲット収容部104の壁面との間の隙間をシールするためのOリング103が設けられている。
特開昭59−8251号公報
しかしながら、X線発生装置100では、ターゲット102を着脱可能とするために、ターゲット102とターゲット収容部104の壁面との間に隙間が形成されているため、電子銃からの電子やターゲット102等に当って反射、散乱した電子がその隙間に進入してOリング103に直接的に当たりやすく、Oリング103が劣化しやすい。その結果、X線発生装置100の真空度が低下してしまう問題が生じていた。
本発明は、着脱可能なターゲットを有しながらも、高い真空度の維持を可能としたX線発生装置を提供することを目的とする。
本発明に係るX線発生装置は、電子銃から出射された電子をターゲットに入射することによりターゲットでX線を発生させるX線発生装置において、電子銃から出射された電子が通過する第1の電子通路を有し、真空状態が保持された筒状部と、筒状部の一方端に設けられており、第1の電子通路と連通する第2の電子通路を有し、かつ外面から第2の電子通路までに至る凹部を有するヘッド部と、先端部にターゲットを有し、ヘッド部の凹部に挿入されたターゲット支持部と、ターゲット支持部の外周面と凹部を形成する壁面との隙間を封止するシール部と、を備え、ターゲット支持部は、ターゲット支持部の先端部とシール部との間に形成された第1の段差面を有し、凹部を形成する壁面は、第1の段差面に対応した形状をなす第2の段差面を有することを特徴とする。
本発明に係るX線発生装置では、ターゲット支持部は、ヘッド部の凹部に挿入されるとともに、ターゲット支持部の先端部とシール部との間に形成された第1の段差面を有し、凹部を形成する壁面は、第1の段差面に対応した形状をなす第2の段差面を有する。このような構成を採用することで、電子銃から出射された電子の内でターゲットに当たらなかった電子又はターゲット等に当って反射、散乱した電子が、ターゲット支持部と凹部の壁面との隙間に進入しても、第1及び第2の段差面によりOリングへ直接当り難くなる。従って、第1及び第2の段差面に一旦衝突した電子が、衝突により運動エネルギーを損失した状態でOリングに達するため、電子によるOリングの劣化が抑制される。その結果、着脱可能なターゲットを有しながらも、X線発生装置内が高真空度に維持される。
また、ターゲット支持部は、その内部にターゲットに向かって延びる冷却水通路部を有すると好適である。シール部は、電子のみならず熱でも劣化されるため、このようなターゲット支持部を採用することで、冷却水通路内を流動する冷却水によってターゲット支持部が冷却され、熱によるシール部の劣化を抑制することができる。その結果、X線発生装置内が高い真空度に維持される。
さらに、冷却水通路部は、ターゲット支持部のシール部が配置されている位置付近まで延びると好適である。この場合、シール部に対する熱の影響をより低減できるので、熱によるOリングの劣化をさらに抑制することができる。その結果、X線発生装置内が高い真空度に維持される。
また、ヘッド部は、第2の電子通路と凹部との連通部にターゲット支持部の先端部と当接する位置決め部を有すると好適である。このようなヘッド部を採用することで、位置決め部により、ターゲット支持部の熱膨張による位置決め部側へのターゲットの移動が抑制される。その結果、X線の焦点位置の変位を抑制することができる。
また、シール部はターゲット支持部の外周面に沿って並設して装着されている2以上のOリングからなると好適である。そのようなシール部を採用することで、装置を高い真空度に維持することができる共に、凹部内に収容されたターゲット支持部のぐらつきを確実に防止し、X線の焦点位置の変位を抑制することができる。
本発明によれば、着脱可能なターゲットを有しながらも、高い真空度を維持することができる。
以下、図面と共に本発明によるX線発生装置の好適な一実施形態について詳細に説明する。
図1に示すように、X線発生装置1は、真空封止された密封型と異なり、フィラメント(図示せず)やターゲット31などの消耗品を交換することができるように、大気圧への開放状態と、排気による真空状態との選択を可能にする、いわゆる開放型のX線発生装置である。
このX線発生装置1は、その内部空間が動作時に真空状態になる円筒形状のステンレス製の筒状部2を有している。この筒状部2は、下側に位置しており内部に電子銃3を収容している固定部4と、上側に位置して後述するヘッド部20が固定される着脱部5とで二分割されている。着脱部5は、ヒンジ部6を介して横倒しになるように回転することで、固定部4の上端を開放させることができ、固定部4内に収容されている電子銃3に対するアクセスが可能となり、電子銃3のフィラメントの交換が可能となる。
固定部4には、使用中に筒状部2の内部空間を高真空状態に保持するための真空ポンプ7が固定されている。この真空ポンプ7を装備することにより、筒状部2内を大気圧に開放させることができるので、フィラメント及びターゲット31などの消耗品を交換することができ、その結果として、高倍率と高解像度を維持することができる。
ここで、筒状部2の基端側には、例えばエポキシ樹脂でモールド形成されたモールド電源部8が固定されている。このモールド電源部8内には、高電圧を発生させるようなトランスで構成された高電圧発生部9と、高電圧発生部9に電気的に接続されており且つ電子銃3からの電子の放出タイミングや放出量等を制御する電子放出制御部10が封入されている。また、モールド電源部8のケース11には、外部電源に接続させるための電源用端子12が固定されており、電源用端子12は、配線13、14を介して高電圧発生部9及び電子放出制御部10に接続されている。
また、ケース11には、後述するコイル部15、16への個別的な給電制御を行うためのコイル用端子17が設けられている。このように、電源用端子12とコイル用端子17とを利用することで、電子銃3を含みX線発生装置1への適切な給電が行われる。
前述した構成の固定部4の上方側に位置する着脱部5の内部には、電磁偏向レンズとして機能する筒状のコイル部15、16が設けられている。コイル部15、16の中心を通るように、筒状部2の長手方向に第1の電子通路18が延在し、その第1の電子通路18はコイル部15、16により包囲されている。
着脱部5の下端には円盤状の蓋板19が固定され、この円盤状の蓋板19の中心には、第1の電子通路18と同心をなす電子導入孔19aが形成されている。この電子導入孔19aを通して、電子銃3から出射した電子を第1の電子通路18に入射させることができる。
着脱部5の上端には、銅からなる多面体ブロックであるヘッド部20が配置されている。図2及び図3に示すように、後述する第1の電子通路18及び第2の電子通路21の軸線C1、並びにヘッド部20への挿入時にターゲット支持部27が延びる方向の軸線C2に対して垂直な断面から見て、ヘッド部20は、底面をなす第1面20aと、第1面20aとの内角が鋭角αをなして交差する第2面20bと、第1面20aに対向すると共に第1面20aに平行に延在する第3面20cと、第2面20bと鋭角βをなして第3面20cの端部から延在する第4面20dと、第4面20dに交差し且つ第1面20aと直交して第1面20aの端部から第4面20dの端部まで延在する第5面20eとを有する。
更にヘッド部20は、互いに対向し且つ平行な第6面20f及び第7面20g(図5参照)を有し、第6面20f及び第7面20gは、第1面20a〜第5面20eに対して直交して延在している。また、図1に示されているように、第2面20bと第1面20aとの内角(鋭角)αは、第2面20bを含む平面と着脱部5の先端側とが交わらないような角度となっている。
第1面20aは長方形であり、ヘッド部20には、第1の電子通路18の軸線C1と同軸に延びて第1の電子通路18と連通する第2の電子通路21が、第1面20aの表面から内部に向かって延在している。
第2面20bは長方形であり、ヘッド部20にはターゲット31から発生したX線を外部に取り出すための円柱状の出射通路22が、第2面20bの表面から内部に向かって延びている。この出射通路22は、第2の電子通路21に連結されている。また、出射通路22の第2面20b側の端部には、出射通路22の直径より大きい直径を有するリング状の溝を有し、溝とほぼ同径の円板状のX線出射窓23が装置内部を真空に保つように装着されている。X線出射窓23は、Be材により形成されており、ターゲット支持部27には接触しない。
第4面20dは長方形であり、ヘッド部20は第4面20dから第2の電子通路21までに至る、段差を持った円柱状の凹部24を有している。凹部24を形成する壁面には、後述するターゲット支持部27の第1の段差面29aの形状に対応する平面を有する第2の段差面24aが形成されている。凹部24の先端は第2の電子通路21と出射通路22とが交差する位置にまで到達している。
第4面20dに位置する凹部24には、ターゲット支持部27が着脱自在に挿入されている。ターゲット支持部27は、銅により形成され、断面正方形状の本体部28と、本体部28の下端面(一方の端面)から軸線C2に沿って延在すると共に、本体部28の下端面の一辺の長さよりも小さい直径を有する断面円形の円柱状の第1挿入部29と、第1挿入部29の先端から、軸線C2に沿って第1挿入部29と同軸に延在しており、その直径が第1挿入部29の直径より小さい断面円形の円柱状の第2挿入部30とを有している。
このように、第1挿入部29の直径と第2挿入部30の直径とが異なり、第1挿入部29と第2挿入部30との境界部分、つまり第1挿入部29の先端には軸線C2に対して垂直な平面を有する第1の段差面29aが形成される。第2挿入部30の先端部、すなわちターゲット支持部27の先端部にはタングステンからなる円板状のターゲット31が埋設されており、ターゲット31は第2の電子通路21の軸線C1に対し所定の角度θをなしている。
第1挿入部29の外周面上には、軸線C2に沿って並設され、軸線C2を軸とした2つの環状の溝部29b、29cが形成されており、それぞれの溝部29b、29cには、凹部24を形成する壁面と第1挿入部29の外周面との隙間を封止するためのゴム又は樹脂製のОリング32、33が装着されている。また、本体部28は、軸線C2に沿って上端面(他方の端面)28aから第1挿入部29の溝部29bの位置を越えて延びている円柱状の空洞部34を有している。
本体部28の上端面28aには、軸線C1を軸に形成された環状の溝部35が設けられている。溝部35は、上端面28a上で空洞部34を囲むように設けられ、その溝部35には、本体部28の上端面28aと後述する第1蓋部37との隙間を封止するためのОリング36が装着されている。
本体部28の上端面28a上には、ステンレス鋼(SUS)からなる第1蓋部37が当接されている。第1蓋部37の下面(一方の面)37bからパイプ部38が突出し、パイプ部38は、空洞部34の内径より小さい外径を有すると共に空洞部34の深さより短い長さを有する。パイプ部38は、空洞部34に挿入されており、これにより、空洞部34とパイプ部38との間には円筒状の間隙からなる冷却水排出路(冷却水通路部)34bが形成されている。
更に、第1蓋部37には、下面37bからパイプ部38と連通する穴部39を有している。なお、パイプ部38は、本体部28の材質の熱伝導率より小さい熱伝導率を有する材質で作られている。
第1蓋部37の上面(他方の面)37aには、軸線C1を軸に形成された環状の溝部40が設けられている。その溝部40は、上面37a上で穴部39を囲むように設けられ、その溝部40には、第1蓋部37と後述する第2蓋部42との隙間を封止するためのОリング41が装着されている。
第1蓋部37の上面37aには、SUSからなる第2蓋部42が当接されている。第2蓋部42には、軸線C2に沿って第2蓋部42の上面(他方の面)42aと下面(一方の面)42bとの間を貫通する穴部43が設けられており、穴部43は穴部39と連通している。第2蓋部42の穴部43の内径は、第1蓋部37の穴部39の内径と同一であり、穴部43の上面42a側の壁面には、雌ねじ部が形成されている。また、その雌ねじ部には、流入口パイプ連結部44の雄ねじ部が螺合されている。流入口パイプ連結部44には冷却水をターゲット支持部27に流入させるための冷却水パイプ45が接続されており、流入口パイプ連結部44の内部には、冷却水パイプ45と連通する冷却水通路46が設けられている。
第1蓋部37と第2蓋部42とは、第2蓋部42の上面42aから挿入されたねじ46a、46bによって互いに固定されている。なお、ねじ46a、46bは、軸線C2に対して対称となる位置に配置されている。また、第1蓋部37は、第2蓋部42の上面42aから挿入されたねじ46c、46dを介して本体部28に固定されている(図5参照)。
また、本体部28には、その側面から空洞部34に達する円柱状の穴部47が設けられている。穴部47の本体部28表面側の端部の壁面には雌ねじ部が形成されており、その雌ねじ部には、L字型の流出口パイプ連結部48の雄ねじ部が螺合されている。流出口パイプ連結部48には冷却水を外部に排出するための冷却水パイプ49が接続されており、流出口パイプ連結部48の内部には、冷却水パイプ49と連通するL字型の冷却水通路50が設けられている。
冷却水パイプ45からターゲット支持部27の内部に流入された冷却水は、冷却水通路46、穴部43、39及びパイプ部38の内部34aを通って冷却水排出路34bに流入され、穴部47、L字型の冷却水通路50を通って冷却水パイプ49から排出される。
また、凹部24は、出射通路22及び第2の電子通路21まで達している。そして、第2挿入部30の先端に埋設されたターゲット31およびターゲット支持部27は、凹部24と、出射通路22と、第2の電子通路21とが合流し互いに連通する位置に形成された位置決め部51a、51b(図4参照)に当接している。詳しくは、ターゲット支持部27が凹部24に挿入された際に、位置決め部51a、51bは、ターゲット31およびターゲット支持部27の縁部に当接するとともに、その間に挟まれた空間が第2の電子通路21および出射通路22との連通部となる。
図5は、図3の矢印Bで示された方向から見たターゲット支持部27及びヘッド部20を示す。また、図6は図5のVI-VI線に沿った断面図であり、図7は図6のVII-VII線に沿った断面図である。図5、図6及び図7に示すように、ヘッド部20には、第5面20eに直交して内部に向かって互いに平行に延びる空洞の円柱状の第1冷却水通路51及び第2冷却水通路52が設けられており、第1及び第2の冷却水通路51、52の第5面20e側には、雌ねじ部が形成されている。
第1の冷却水通路51の雌ねじ部には、流入口パイプ連結部53の雄ねじが螺合されている。流入口パイプ連結部53には冷却水をヘッド部20に流入するための冷却水パイプ53aが接続されており、流入口パイプ連結部53の内部には、冷却水パイプ53aと第1の冷却水通路51とを連結する冷却水通路55が設けられている。同様に、第2の冷却水通路52の雌ねじ部には、流出口パイプ連結部25の雄ねじが螺合されている。流出口パイプ連結部25には冷却水をヘッド部20から外部に排出するため冷却水パイプ25aが接続されており、流出口パイプ連結部25の内部には、冷却水パイプ25aと第2の冷却水通路52とを連結する冷却水通路57が設けられている。
また、第1冷却水通路51と第2冷却水通路52とは、第3冷却水通路26によって連結され、第3冷却水通路26は円柱状の空洞からなると共に第6面20f及び第7面20gに対して垂直に延在する。第3冷却水通路26において第6面20f側と第7面20g側には雌ねじ部が形成されており、雌ねじ部にねじ58a及びねじ58bを螺合させることで、第3冷却水通路26の両端はそれぞれ封止されている。
第1冷却水通路51及び第2冷却水通路52の中心軸は第3冷却水通路26の中心軸と直交する。冷却水パイプ53aから流入された冷却水は第1〜第3の冷却水通路51、26、52を通して冷却水パイプ25aに排出される。なお、第1〜第3の冷却水通路51、26、52をなす円柱状の空洞の断面の直径は同一である。
以上のように、本実施形態に係るX線発生装置では、ターゲット支持部27は、ターゲット支持部27の先端部とOリング32との間に形成された第1の段差面29aを有し、凹部24を形成する壁面が、第1の段差面29aに対応した形状をなす第2の段差面24aを有している。
従って、電子銃3から出射された電子の内でターゲット31に当たらなかった電子、又はターゲット31等で反射して散乱した電子が、ターゲット支持部27と凹部24の壁面との隙間に進入しても、第1及び第2の段差面29a、24aによりOリング32、33へ直接当り難くなる。すなわち、第1及び第2の段差面29a、24aに一旦衝突した電子が、衝突により運動エネルギーを損失した状態でOリング32、33に到達する。そのため、第1及び第2の段差面29a、24aがなく直接Oリング32、33に達する従来の場合に比べて、電子によるOリング32、33の劣化が抑制される。その結果、X線発生装置1内の高い真空度の維持が実現される。
また、電子によりOリング32、33が劣化すると、Oリング32、33は細かくひび割れてしまうとともに、柔軟性がなくなり硬化する。そのため、ターゲット支持部27を着脱したりターゲット31における電子入射点(X線の焦点位置)を変更させるために回転させたりする等のターゲット支持部27の変位により、このような状態のOリング32、33に対して力が加わると、Oリング32、33の一部が破損して、小さな破片が生じる場合がある。この破片がX線発生装置1の内部を移動し、高電圧が印加される電子銃3に到ると、電子銃3で望まない放電が発生し、X線発生装置1が使用不可能になる可能性があるが、電子によるOリング32、33の劣化を抑制することで、このような放電をも抑制することができる。
X線発生装置1において、ターゲット支持部27は、ターゲット31に向かって、段差面29aの付近まで延びている冷却水排出路34bを有している。冷却水パイプ45からターゲット支持部27の内部に流入された冷却水は、この冷却水排出路34bの底面まで至り、その流動によりその周囲を冷却する。そのため、ターゲット31及びターゲット支持部27が冷却され、ターゲット31の消耗や、ターゲット支持部27の熱膨張が抑制される。また、それに伴い、X線の焦点位置が変位する事態も抑制される。
第1挿入部29の外周面には溝部29b、29cが形成されており、その溝部29b、29cにはそれぞれ、第1挿入部29の外周面と凹部24の壁面との隙間を封止するOリング32、33が装着されている。また、冷却水が通る冷却水通路を決める空洞部34は第1挿入部29の下側の溝部29bまで達している。そのため、冷却水パイプ45から流入された冷却水は、空洞部34の内部に挿入されたパイプ部38の内部34aを経て、冷却水排出路34bを通りながら、溝部29bに装着されているOリング32及び溝部29cに装着されているOリング33を冷却する。そのため、Oリング32、33の熱による劣化が抑制され、装置内が高い真空状態に保持される。
また、X線発生装置1のヘッド部20には、凹部24と、出射通路22と、及び第2の電子通路21とが合流し、連通する位置に形成された位置決め部51a、51bが設けられているため、位置決め部51a、51b側へのターゲット支持部27の膨張が制限され、位置決め部51a、51b側へのターゲット31の変位が抑制される。その結果、ターゲット31上におけるX線の焦点位置の変位を抑制することができる。また、ターゲット31における電子入射点を変更させるためにターゲット支持部27を回転させる際にも、位置決め部51a、51bに当接しながら回転させることができるため、X線発生装置1としてのX線の焦点位置の変位を抑制することができる。
また、本実施形態に係るX線発生装置1においては、第1挿入部29の外周面上に沿ってOリング32、33が並設して装着されているため、装置1を容易に高真空度に維持できると共に、凹部24内に収容されたターゲット支持部27のぐらつきを確実に防止でき、X線の焦点位置の変位を抑制することができる。
また、第1蓋部37の材質がSUSであるため、その下面37b上にパイプ状の筒状部2を容易に溶接することができる。また、第1蓋部37の下面37bに溶接されているパイプ部38の材質は、ターゲット支持部27の本体部28の材質が有する熱伝導度より低い熱伝導度を有する。そのため、冷却水パイプ45から流入された冷却水は、パイプ部38の内部34bを通る間に、ターゲット31及びOリング32、33から発生した熱を吸収して冷却水排出路34bを流れる、温度が上昇した冷却水の影響を受けずに、最も高温となる空洞部34の底面まで到達できる。そのため、ターゲット31とOリング32、33を効果的に冷却することができ、X線焦点位置の変化の抑制、及び熱によるOリング32,33の劣化防止が実現できる。
また、ヘッド部20において、X線出射窓23が設けられた第2面20bと第1面20aとの内角(鋭角)αは、第2面20bを含む平面と筒状部2(着脱部5)の先端側とが交わらないような角度となっているため、X線出射窓23に対して平板状の被照射物を非常に近接させることができる。
本発明は、前述した実施形態に限定されない。例えば、ターゲット31の材質は、タングステンに限定されず、その他のX線発生用材料であってもよい。また、本実施形態においては、ターゲット31とターゲット支持部27とが別体となるようになっているが、ターゲット31とターゲット支持部27とが一体になるようにしてもよい。また、本実施形態においては、第1挿入部29の直径が第2挿入部30の直径より大きいが、第1挿入部29と第2挿入部30との境界部分に段差面が形成される限り、第1挿入部29の直径が第2挿入部30の直径より小さくても良い。
また、第1の段差面29aと第2の段差面24aとが当接していても、当接していなくてもよい。第1の段差面29aと第2の段差面24aとが当接していると、電子銃3からの電子がOリング32、33に当ることがより確実に防止される。
第1及び第2の蓋部37、42は、ステンレス鋼(SUS)からなるものであるが、SUSである必要はなくアルミニウム、銅又は真鋳等であってもよい。
本実施形態に係るX線発生装置の断面図である。 本実施形態に係るX線発生装置のヘッド部及びターゲット支持部を拡大して示す分解断面図である。 図2に示したX線発生装置のヘッド部及びターゲット支持部の断面図である。 第2面を図3の矢印A方向から見た図である。 ヘッド部及びターゲット支持部を図3の矢印B方向から見た図である。 図5のVI−VI線に沿った断面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図である。 従来のX線発生装置の要部を示す断面図である。
符号の説明
1…X線発生装置、2…筒状部、3…電子銃、15,16…コイル部、18…第1の電子通路、20…ヘッド部、21…第2の電子通路、24…凹部、24a…第2の段差面、27…ターゲット支持部、28…本体部、29…第1挿入部、29a…第1の段差面、30…第2挿入部、31…ターゲット、32,33…Oリング、34…空洞部、34b…冷却水排出路、37…第1蓋部、38…円筒部、42…第2蓋部、51a,51b…位置決め部。

Claims (5)

  1. 電子銃から出射された電子をターゲットに入射することにより前記ターゲットでX線を発生させるX線発生装置において、
    電子銃から出射された電子が通過する第1の電子通路を有し、真空状態が保持された筒状部と、
    前記筒状部の一方端に設けられており、前記第1の電子通路と連通する第2の電子通路を有し、かつ外面から前記第2の電子通路までに至る凹部を有するヘッド部と、
    先端部に前記ターゲットを有し、前記ヘッド部の前記凹部に挿入されたターゲット支持部と、
    前記ターゲット支持部の外周面と前記凹部を形成する壁面との隙間を封止するシール部と、を備え、
    前記ターゲット支持部は、前記ターゲット支持部の前記先端部と前記シール部との間に形成された第1の段差面を有し、前記凹部を形成する前記壁面は、前記第1の段差面に対応した形状をなす第2の段差面を有することを特徴とするX線発生装置。
  2. 前記ターゲット支持部は、その内部に前記ターゲットに向かって延びる冷却水通路部を有することを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 前記冷却水通路部は、前記ターゲット支持部の前記シール部が配置されている位置付近まで延びることを特徴とする請求項2に記載のX線発生装置。
  4. 前記ヘッド部は、前記第2の電子通路と前記凹部との連通部に前記ターゲット支持部の前記先端部と当接する位置決め部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のX線発生装置。
  5. 前記シール部は前記ターゲット支持部の前記外周面に沿って並設して装着されている以上のOリングからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のX線発生装置。
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