JP2009193759A - 電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムとそれより得られる電極/セパレータ接合体。 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によれば、反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中にイソシアネート基と反応し得る反応性基とカチオン重合性官能基とをそれぞれ複数有する架橋性ポリマーを多官能イソシアネートと反応させ、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーがなることを特徴とする電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムが提供される。
【選択図】なし
Description
で表される3−オキセタニル基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
で表されるエポキシ基含有(メタ)アクリレートが用いられる。
で表される(メタ)アクリレートと一般式(IV)
で表されるビニルエステルから選ばれる少なくとも1種である。
1/10000mmシックネスゲージによる測定と多孔質フィルムの断面の10000倍走査型電子頭微鏡写真に基づいて求めた。
多孔質フィルムの単位面積S(cm2)当たりの重量W(g)、平均厚みt(cm)及び多孔質フィルムを構成する樹脂の密度d(g/cm3)から下式にて算出した。
(多孔質フィルムの通気度)
JIS P 8117に準拠して求めた。
カトーテック(株)製圧縮試験磯KES−G5を用いて突き刺し試験を行った。測定により得られた荷重変位曲線から最大荷重を読みとり、突き刺し強度とした。針は直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmのものを用いて、2cm/秒の速度で行った。
10cm四方に切り出した多孔質フィルムを折り畳んで、5cm×10cmの金属メッシュに挟み込み、5cm四方の試料とした。この試料の初期重量P0 を測定した。次いで、この試料をm−キシレン100mL (沸点139℃)中に浸漬した後、加熱し、キシレンを5時間、沸騰させた。この後、試料を取り出し、乾燥させて、このように、沸騰キシレン処理後の重量Pを測定し、これらから次式によってゲル分率Rを測定した。
(反応性ポリマーの不溶分率)
既知の量Aの反応性ポリマー層を担持させた反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Bを測定した。次に、この反応性ポリマー層担持多孔質フィルムをエチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(1/1容量比)の混合溶媒に室温で2時間浸漬した後、エチルメチルカーボネートに浸漬して、洗浄し、風乾した。この後、このように処理した反応性ポリマー層担持多孔質フィルムを秤量して、その重量Cを測定した。反応性ポリマーの不溶分率は次式にて算出した。
(電極/セパレータ接着力の測定)
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池について、充放電試験を行なう前に分解して、電極シート/セパレータ間の接着力を測定した。即ち、電池を分解して、電極シート/セパレータ接合体を取り出し、次に、この電極シート/セパレータ接合体の界面を端部から5mm剥がし、電極シートとセパレータの端部を相互に180°方向に引っ張って、その際の荷重を測定した。この荷重を電極シート/セパレータの幅にて除して、電極シート/セパレータ間の接着力とした。
(電池の高温保存試験)
実施例及び比較例で得られたそれぞれの電池を電池ホルダーに固定し、一定の面圧をかけて、160℃の恒温器中に放置した。電池の正負端子を抵抗計に接続し、抵抗計の示す抵抗が急激に低下した時間を測定して、これを短絡時間とした。試験は60分までとした。60分後に電池を恒温器から取り出し、放冷した後、電池を解体し、セパレータの面積を測定して、収縮率を測定した。但し、通常、セパレータは電極シートよりも面積が大きいので、セパレータは電極シートの周縁から外側にはみ出している。そこで、電池を解体したとき、セパレータの面積が電極シートの面積と等しい状態のときを収縮率0%とした。従って、例えば、セパレータの面積が電極シートの面積の80%まで収縮しておれば、この場合のセパレータの収縮率は20%である。
(電極シートの調製)
正極活物質であるコバルト酸リチウム(日本化学工業(株)製セルシードC−10)85重量部と導電助剤であるアセチレンブラック(電気化学工業(株)製デンカブラック)10重量部とバインダーであるフッ化ビニリデン樹脂(呉羽化学工業(株)製KFポリマーL#1120)5重量部を混合し、これを固形分濃度15重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリーとした。
(架橋性ポリマーA(ヒドロキシエチルメタクリレートモノマー成分5重量%及び3−オキセタニル基含有モノマー成分25重量%)の製造)
還流冷却管を備えた500mL容量の三つ口フラスコにメチルメタクリレート56.0g、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0g、酢酸エチル158.0g及びN,N'−アゾビスイソブチロニトリル0.18gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱した。
(架橋性ポリマーB、ヒドロキシエチルメタクリレートモノマー成分2重量%及び3−オキセタニル基含有モノマー成分25重量%)の製造)
製造例1と同様にして、メチルメタクリレート58.4g、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.6g、酢酸エチル158g及びN,N'−アゾビスイソブチロニトリル0.20gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱した。
(架橋性ポリマーC、2−ヒドロキシエチルメタクリレートモノマー成分5重量%及び3−オキセタニル基含有モノマー成分20重量%)の製造)
製造例1と同様にして、メチルメタクリレート48.0g、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート32.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.0g、酢酸エチル158g及びN,N'−アゾビスイソブチロニトリル0.16gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱した。
(架橋性ポリマーD、4−ヒドロキシブチルアクリレート成分0.84重量%及び3−オキセタニル基含有モノマー成分24重量%、エポキシ基含有モノマー成分1重量%の製造)
製造例1と同様にして、メチルメタクリレート50.4g、2−メトキシエチルアクリレート111.89g、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート20.16g、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート0.84g、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.706g、酢酸エチル158g及びN,N'−アゾビスイソブチロニトリル0.16gを投入し、窒素ガスを導入しながら、30分間攪拌混合した後、70℃に加熱した。
(多孔質フィルムAの作製)
スチレン−ブタジエンブロック共重合体(JSR(株)製JSR−TR2601K、スチレン含有量30重量%)5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部とをスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。次いで、この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムBの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体2.5重量%、高密度ポリエチレン(融点135℃)29.3重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン68.2重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムCの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体5重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)28.5重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン66.5重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムDの作製)
製造例1におけると同じスチレン−ブタジエンブロック共重合体10重量%、変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)27重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン63重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムXの作製)
変性ポリオレフィン樹脂(日本ポリエチレン(株)製アドテックスDH0200、融点135℃)30.0重量%、重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70.0重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(多孔質フィルムYの作製)
高密度ポリエチレン樹脂(三井化学(株)製3000B、融点135℃)30重量%と重量平均分子量200万の超高分子量ポリエチレン70重量%からなる樹脂組成物15重量部と流動パラフィン85重量部をスラリー状に均一に混合し、160℃で小型ニーダーを用いて、60分間溶解混練した。その後、この混練物を0℃に冷却された金属板に挟み込み、急冷して、樹脂シートを得た。この樹脂シートを115℃で厚み0.4mmになるまでヒートプレスし、更に、上記厚みを維持したまま、20℃でプレス成形した。
(反応性ポリマー担持多孔質フィルムの作製)
ヘキサメチレンジイソシアネート3モル部をトリメチロールプロパン1モル部に付加させてなる3官能イソシアネートを架橋剤として前記架橋性ポリマーA〜Dの酢酸エチル溶液(10重量%濃度)にその架橋性ポリマー100重量部に対して表1に示す量を加えて、それぞれ架橋性ポリマーA〜D/架橋剤混合物の溶液を得た。
上記実施例1〜11において、架橋性ポリマーA又はD/架橋剤混合物の溶液を用いると共に、多孔質フィルムX又はYを用いた以外は同様にして、反応性ポリマーA又はD/多孔質フィルムX又はYからなる電池用セパレータをそれぞれ得た。これらの電池用セパレータにおいて、多孔質フィルムの反応性ポリマーの担持量は0.5g/m2であった。
前記実施例1〜11で得られた電池用セパレータをそれぞれ参考例1で得られた正極と負極の間に挟み、更に、温度80℃の熱プレスにて電池用セパレータを電極に圧着して、電極/セパレータ積層体を得た。この際、電池用セパレータの大きさは電極からはみ出る部分が1mmとなるようにした。
比較例1〜4で得られた電池用セパレータを用いた以外は、上記実施例12〜22と同様にして、電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータの接着力と高温保存試験の結果を表3に示す。得られた電池はいずれも、短い短絡時間を有するものであった。
電池用セパレータとして、前記多孔質フィルムA、C、X又はYを用いた以外は、前記実施例12〜22と同様にして、電池を作製した。これらの電池における電極/セパレータの接着力と高温保存試験の結果を表3に示す。得られた電池においてはいずれも、電極/セパレータは接着されておらず、また、短絡時間も短いものであった。
Claims (7)
- 反応性ポリマーを多孔質フィルム上に担持させてなる電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルムであって、上記多孔質フィルムがポリオレフィンとスチレン−ブタジエン共重合体を含む樹脂組成物の架橋体からなり、5%以上のゲル分率を有するフィルムであり、分子中にイソシアネート基と反応し得る反応性基とカチオン重合性官能基とをそれぞれ複数有する架橋性ポリマーを多官能イソシアネートと反応させ、架橋させて得られる架橋ポリマーから上記反応性ポリマーがなることを特徴とする電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
- 架橋性ポリマーが水酸基とカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種の反応性基と3−オキセタニル基とエポキシ基から選ばれる少なくとも1種のカチオン重合性官能基をそれぞれ分子中に複数有するポリマーである請求項1に記載の電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
- 架橋性ポリマーが水酸基とカルボキシル基から選ばれる少なくとも1種の反応性基を有するラジカル重合性モノマーと、3−オキセタニル基を有するラジカル重合性モノマーとエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーとから選ばれる少なくとも1種のカチオン重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと、他のラジカル重合性モノマーとのラジカル共重合体である請求項1に記載の電池用セパレータのための反応性ポリマー担持多孔質フィルム。
- 請求項1から3のいずれかに記載の反応性ポリマー担持多孔質フィルムに電極を積層して、電極/反応性ポリマー担持多孔質フィルム積層体を得、これを電池容器内に仕込んで、カチオン重合性触媒を含む電解液と接触させることによって得られる電極/セパレータ接合体。
- カチオン重合触媒がオニウム塩である請求項4に記載の電極/セパレータ接合体。
- 電解液がカチオン重合触媒を兼ねる電解質塩として、ヘキサフルオロリン酸リチウム及びテトラフルオロホウ酸リチウムから選ばれる少なくとも1種を含むものである請求項5に記載の電極/セパレータ接合体。
- 請求項4から6のいずれかに記載の電極/セパレータ接合体を有する電池。
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