JP2009192728A - 表示装置 - Google Patents

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孝司 松元
Takahiro Imanishi
隆博 今西
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Abstract

【課題】表示モジュールの発熱による筐体の熱を、冷却ファンを使用せずに排熱することができる表示装置を提供する。
【解決手段】直下型のバックライトを縦姿勢の扁平な横長直方体状の筐体8に収容する表示装置において、筐体8の背面に接触して、筐体8の熱を輸送する複数のヒートパイプ12と、ヒートパイプ12に接触する伝熱シート15を介して熱を放散する背面視台形状のヒートシンク14と、ヒートシンク14を囲う通気筒16とを備え、筐体8の背面に凹設された半円筒状の溝9ごとにヒートパイプ12が密接して設けられており、通気筒16の煙突効果による通風力の増大により筐体8を効果的に自然空冷するようにしてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、筐体の熱をヒートパイプ及びヒートシンクで排熱する表示装置に関する。
近年、液晶表示装置は大表示画面化及び薄型化等が図られており、厚さ数センチの液晶表示装置も製品化されている。透過型大画面の液晶表示装置で使用される液晶表示モジュールは、液晶パネルと、液晶パネルに光を透過させる直下型のバックライトユニットとからなっている。特にバックライトユニットには発熱するバックライトが備えられているため、薄型化に伴う単位面積当たりの発熱量の増大が生じている。このような熱は、液晶表示装置に備える冷却ファンで強制排気することにより排熱されているが、冷却ファンの動作音が発生するため、液晶表示装置の静音化に反して好ましくない。
冷却ファンを使用せず静音化の要請を満たし、バックライトユニットの発熱を放熱させるヒートパイプを備えた縦置き姿勢の液晶表示装置が提案されている(特許文献1を参照)。
特許文献1に示す例では、表示パネルに光を透過させるエッジ型バックライトユニットにプレート型放熱部を設け、放熱部に複数本のヒートパイプを斜め向きに配設して、バックライトから発生する熱をヒートパイプの熱輸送により外部へ放熱させている。
特開2007−17497号公報
しかしながら従来の特許文献1のような表示装置は、ヒートパイプにより熱を効率よく外部へ導いて排熱しているが、自然対流を十分に利用して排熱しておらず、改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、表示モジュールの発熱による筐体の熱をヒートパイプで熱輸送して、ヒートシンクで効率よく熱放散するように通気路を形成した構成を備えることにより、表示モジュールの発熱による筐体の熱を、冷却ファンを使用せずに排熱することができる表示装置を提供することにある。
本発明の表示装置は、表示モジュールを該表示モジュールの表示画面を正面にして筐体に収容した表示装置であって、前記筐体の背面に接触して設けられており、前記表示モジュールの発熱による該筐体の熱を熱輸送するヒートパイプと、該ヒートパイプに接触して設けられており、該ヒートパイプの熱を放散するヒートシンクと、該ヒートシンクを囲って通気路を形成する通気筒とを備えることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、表示モジュールを駆動した場合、表示モジュールの発熱による筐体の熱が、筐体に接触するヒートパイプに伝導する。伝導した熱によりヒートパイプ内の作動液が蒸発して気化し、ヒートパイプは気化熱として熱を取り込む。作動液の蒸気がヒートパイプの低温側へ移動して潜熱放出し、ヒートパイプは管壁から放熱し、ヒートシンクに熱伝導する。ヒートシンクは熱を放散し、ヒートパイプの温度を下げ、作動液が液体になってヒートパイプの管内壁の毛細管構造により高温側へ戻り、ヒートパイプは連続的に熱輸送する。
ヒートシンクの熱放散により通気筒内で温まった空気の柱が高くなり、煙突効果により通風力が増大して、ヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は空気の上昇流とともに効率よく熱排気して筐体を自然空冷する。
本発明の表示装置は、表示モジュールを収容した筐体の背面を背部キャビネットで覆っている表示装置であって、前記筐体の背面に接触して設けられており、前記表示モジュールの発熱による該筐体の熱を熱輸送するヒートパイプと、該ヒートパイプに接触して設けられており、該ヒートパイプの熱を放散するヒートシンクと、前記背部キャビネットの内側に固定されており、前記ヒートシンクを囲って通気路を形成する通気カバーとを備えることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、筐体の背面にヒートパイプ及びヒートシンクを配設した後、筐体の背面側を背部キャビネットで覆うだけで、通気カバーがヒートシンクの背面側を囲って通気路を形成する。
表示モジュールを駆動した場合、表示モジュールの発熱による筐体の熱が、筐体に接触するヒートパイプに伝導する。伝導した熱によりヒートパイプ内の作動液が蒸発して気化し、ヒートパイプは気化熱として熱を取り込む。
作動液の蒸気がヒートパイプの低温側へ移動して潜熱放出し、ヒートパイプは管壁から放熱し、ヒートシンクに熱伝導する。ヒートシンクは熱を放散し、ヒートパイプの温度を下げ、作動液が液体になってヒートパイプの管内壁の毛細管構造により高温側へ戻り、ヒートパイプは連続的に熱輸送する。
ヒートシンクの熱放散により通気カバー内で温まった空気の柱が高くなり、煙突効果により通風力が増大して、ヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は空気の上昇流とともに効率よく熱排気して筐体を自然空冷する。
本発明の表示装置は、前記通気筒は前記ヒートシンクと背面視略同形状をなしていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、ヒートシンクに沿った通気路を形成して通風し、ヒートシンクが通気路に熱放散する。
本発明の表示装置は、前記通気筒は縦姿勢で該通気筒の側部に導気孔を有しており、該導気孔の周縁に該導気孔を覆い開口部を下向きにしたフードが、突設されていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、表示モジュールを駆動した場合、表示モジュールの発熱による筐体の熱が、筐体に接触するヒートパイプに伝導する。ヒートパイプは熱を取り込み管壁から放熱し、ヒートシンクに熱伝導し、ヒートシンクは熱放散してヒートパイプの温度を下げ、ヒートパイプは連続的に熱輸送する。ヒートシンクの熱放散により通気筒内で温まった空気の柱が高くなり、煙突効果により通風力が増大して、ヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は空気の上昇流とともに効率よく熱排気して筐体を自然空冷する。
煙突効果により通気筒の通風力が増大したとき、例えば背部キャビネットの吸気口から流入する空気の流入量が増大し、流入した空気の一部は周囲の熱を奪い、フードの開口部から導気孔を通り、通気路に合流して熱排気する。
本発明の表示装置は、前記通気カバーは、半割筒状をなし、該通気カバーの開いている片側で前記ヒートシンクの背面を覆っており、前記ヒートシンクと背面視略同形状をなしていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、半割筒状の通気カバーでヒートシンクの背面を覆ったとき、通気カバーがヒートシンクに沿った通気路を形成して通風し、ヒートシンクが通気路に熱放散する。
本発明の表示装置は、前記通気カバーは縦姿勢で該通気カバーの側部に導気孔を有しており、該導気孔の周縁に該導気孔を覆い開口部を下向きにしたフードが、突設されていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、表示モジュールを駆動した場合、表示モジュールの発熱による筐体の熱が、筐体に接触するヒートパイプに伝導する。ヒートパイプは熱を取り込み管壁から放熱し、ヒートシンクに熱伝導し、ヒートシンクは熱放散してヒートパイプの温度を下げ、ヒートパイプは連続的に熱輸送する。ヒートシンクの熱放散により通気カバー内で温まった空気の柱が高くなり、煙突効果により通風力が増大して、ヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は空気の上昇流とともに効率よく熱排気して筐体を自然空冷する。
煙突効果により通風力が増大したとき、例えば背部キャビネットの吸気口から流入する空気の流入量が増大し、流入した空気の一部は周囲の熱を奪い、フードの開口部から導気孔を通り、通気路に合流して熱排気する。
本発明の表示装置は、前記筐体の背面に発熱部品を備え、前記フードは前記発熱部品に向かって突設されていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、表示モジュールを駆動した場合、表示モジュール及び筐体背面に備えた発熱部品の発熱による筐体の熱が、筐体に接触するヒートパイプに伝導する。ヒートパイプは熱を取り込み管壁から放熱し、ヒートシンクに熱伝導し、ヒートシンクは熱放散してヒートパイプの温度を下げ、ヒートパイプは連続的に熱輸送する。ヒートシンクの熱放散により通気筒内又は通気カバー内で温まった空気の柱が高くなり、煙突効果により通風力が増大して、ヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は空気の上昇流とともに効率よく熱排気して筐体を自然空冷する。
煙突効果により通風力が増大したとき、例えば背部キャビネットの吸気口から流入する空気の流入量が増大し、流入した空気は筐体背面に備える発熱部品の熱を奪い、フードの開口部から導気孔を通り、通気路に合流して熱排気する。
本発明の表示装置は、前記通気路の一端部は他端部より狭く形成されていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、通気路の狭まった端部から空気が流入するとき、通気路の煙突効果によりヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は効率よく排熱する。また通気路の狭まった端部から空気が流出するとき、狭まった端部で風速が増大して流出し、通気路の煙突効果によりヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は効率よく排熱する。
本発明の表示装置は、前記通気路は一端部から他端部までの略中央部にくびれを有していることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、通気路は細く狭まったくびれで風速が増大し、通気路の煙突効果によりヒートシンクの放熱面の風速が高まり、通気路は効率よく排熱する。
本発明の表示装置は、前記筐体は扁平な直方体状をなし、前記通気路は、略鉛直方向に形成されており、前記筐体の背面の長手方向の両側縁寄りに各一個又は前記筐体の長手方向の略中央部に一個備えられていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、筐体の発熱をヒートパイプが取り込み、ヒートパイプの熱をヒートシンクが熱放散してヒートパイプ内に温度勾配が生じて熱輸送し、筐体背面の両側縁に形成された二個の通気路又は筐体背面の中央部に形成された一個の通気路は、自然対流の上昇流により温まった空気の柱がそれぞれ高くなり、煙突効果によりヒートシンクの放熱面の風速を高めて効率よくそれぞれ熱排気する。
本発明の表示装置では、筐体の背面に溝が凹設されており、溝にヒートパイプが密接して設けられていてもよい。
このような構成の本発明の表示装置では、筐体とヒートパイプとの接触面積が広くなって熱接触し、筐体の熱がヒートパイプに効果的に伝導する。ヒートパイプが溝に嵌り、表示装置の薄型化が可能になる。
本発明の表示装置では、筐体内に棒状又はU字状のバックライトを備え、溝はバックライトに対応する位置に沿って筐体の背面に凹設されていてもよい。
このような構成の本発明の表示装置では、バックライトに沿った溝に設けたヒートパイプが、発熱源のバックライトに、より接近してバックライトの熱を効果的に取り込んで熱輸送する。
本発明の表示装置は、前記ヒートシンクは、背面視台形状の基台と、該基台に立設された複数のフィンとを有し、前記基台は該基台の平行な底辺を前記筐体の背面の上縁及び下縁に略沿わせて設けられていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、通気路がヒートシンクと同形の背面視台形状である場合、通気路の狭まっている箇所で風速が増大してヒートシンクの放熱面の風速を高め、ヒートシンクの熱放散が増大して、筐体を効果的に自然空冷する。
本発明の表示装置は、前記ヒートシンクは、二つの台形の底辺のうち同寸法の短辺を結合した背面視形状をなす基台と、該基台に立設された複数のフィンとを有し、前記基台は前記底辺の各長辺を前記筐体の背面の上縁及び下縁に略沿わせて設けられていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、通気路がヒートシンクと同形の背面視台形状である場合、通気路に流入した空気は、通気路がくびれて狭くなっている箇所で風速が増大してヒートシンクの放熱面の風速を高め、ヒートシンクの熱放散が増大して、筐体を効果的に自然空冷する。
本発明の表示装置では、フィンは、基台の一方の斜辺に略平行に並設するフィンと、他方の斜辺に略平行に並設するフィンとからなっていてもよい。
このような構成の本発明の表示装置では、ヒートシンクの斜めを向いているフィンにより通気路の空気流が合流して乱流となり、乱流となった空気流が、さらにフィンに衝突して衝突冷却し、フィンの熱伝達率が増大して自然空冷を促進する。
本発明の表示装置では、フィンは基台に一方の短辺の略等分割点から対応する他方の各長辺の略等分割点までに渡って立設されていてもよい。
このような構成の本発明の表示装置では、ヒートシンクの斜めを向いて折れ曲がっているフィンにより通気路の空気流が乱流となり、乱流となった空気流が、さらにフィンに衝突して衝突冷却し、フィンの熱伝達率が増大して自然空冷を促進する。
本発明の表示装置は、前記ヒートシンクは前記通気路の両端部の各開口における背面方向の高さに対応する高さのフィンを有することを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、通気路の両端部の各開口に合わせてフィンの放熱面が広くなり、放熱が大きくなる。
本発明の表示装置は、前記ヒートシンクは側面視矩形状又は台形状のフィンを有することを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、ヒートシンクの側面視矩形状又は台形状のフィンに沿った通気路を形成して通風し、ヒートシンクが通気路に熱放散し、通気路は煙突効果によりヒートシンクの放熱面の風速を高めて効率よく熱排気する。
本発明の表示装置は、前記ヒートパイプは前記筐体の背面に斜め向きに配設されており、該ヒートパイプの上部側の箇所に熱を放散するヒートシンクを設けていることを特徴とする。
このような構成の本発明の表示装置では、ヒートパイプの上部側の放熱部がヒートシンクの熱放散により温度が下がり、ヒートパイプの作動液が蒸気から液体になってヒートパイプ管内壁の毛細管構造により高温側へ戻り、ヒートパイプの熱輸送効率が上昇する。
本発明の表示装置は、狭い場所で熱輸送可能なヒートパイプにより、表示モジュールの発熱による筐体の熱を取り込んでヒートシンクで熱放散し、通気筒又は通気カバーで形成した通気路の煙突効果により通風力を増大させ、ヒートシンクの放熱面の風速を高めているので、冷却ファンを使用せずに自然空冷により筐体の熱を効率よく排熱することができるという効果を有する。
以下、図面に基づき、本発明による表示装置の好適な実施の形態を説明する。
本発明による表示装置としては液晶ディスプレイを例に挙げて説明するが、これに限るものではなく、プラズマディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ又はSED(Surface-conduction Electron-emitter Display)等であってもよく、表示モジュールを備えていればよい。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る表示装置の構成を背面側の下方から視た斜視図、図2はヒートパイプと冷陰極蛍光管との位置関係を示す模式図、図3はヒートパイプ及びヒートシンクの放熱構造を示す背面図、図4は図3のIV−IV断面図、図5は図3のV−V断面図、図6は液晶表示モジュールの筐体の背面を示す斜視図である。
実施の形態1に係る表示装置は、矩形板状の大画面を有する透過型の液晶ディスプレイであり、縦姿勢で載置され又は壁などに掛けて使用される。表示装置はフロントキャビネット2及び背部キャビネット4に保持された液晶表示モジュール6を備える。
液晶表示モジュール6は、表示画面の液晶パネルを正面にして、縦姿勢の扁平な横長直方体状の筐体8に収容されている。液晶表示モジュール6は、液晶パネルの背後から直接に光を透過させる直下型であり、棒状の冷陰極蛍光管のバックライト10を複数本備えている。バックライト10は筐体8の背面の内側で横向き略等間隔に配設されている。
表示装置は筐体8の背面に、電子部品3a、回路基板3及び液晶表示モジュール6等の発熱を放熱する放熱構造を備えている。放熱構造は、熱輸送をする複数のヒートパイプ12と、伝熱シート15を介してヒートパイプ12に密接して配設された金属製のヒートシンク14と、ヒートシンク14に外部の空気を流入させる樹脂製の通気筒16とからなっている。ヒートシンク14は伝熱シート15に圧着し、伝熱シート15は筐体8に圧着している。
なお、ヒートシンク14は伝熱シート15を介して筐体8にビスで固定するようにしてもよい。
筐体8の背面の内側に配設されたバックライト10に対応して、半円筒状の溝9が、筐体8の上縁8aと略平行に、一方の側縁近傍から他方の側縁近傍に渡って正面側に窪んで複数個形成されている。それぞれの溝9は、各バックライト10に沿って形成されている。
なお、バックライト10が棒状でなくU字状の場合、U字の中側及び外側に位置するように対応させて、溝9はバックライト10に沿わせるのが望ましいが、U字の中側だけ又は外側だけに位置するように対応させてもよい。
それぞれの溝9には、溝9と略同寸法の長さ及び直径を有するヒートパイプ12が、密接して設けられている。溝9にヒートパイプ12を設けているので、表示装置の薄型化が図られる。
ヒートパイプ12は、管の内壁に毛細管構造が形成された金属製のパイプであり、内部は真空で、少量の水又は代替フロン等の作動液が封入されている。
ヒートシンク14は、アルミニウム又は銅等でなり、背面視台形状の基台14bに複数の側面視縦長矩形板状のフィン14aが背面方向に突設されている。フィン14aは、台形状の基台14bの平行な底辺のうち長辺の下底14cから短辺の上底14dに向かって縦向きで略等間隔に横方向に列設されている。
図3に示すように、ヒートシンク14は、台形状の基台14bの底辺の上底14dを上側に、下底14cを下側にして、筐体8の下縁8bから上縁8aに渡って、筐体8背面の一方及び他方の側方寄りにそれぞれ一個配設されており、フィン14aはヒートパイプ12と直交している。二個のヒートシンク14は筐体8背面の縦方向の中心線に対して略対称形をなしている。
ヒートシンク14の背面側は、ヒートシンク14と背面視略同形の台形状の通気筒16に囲われており、煙突構造の通気路17が形成されている。通気筒16は長軸を筐体8の背面側にした横断面視半楕円状をなしており、通気筒16の上端部16a及び下端部16bは横向きの長軸をそれぞれ筐体8の上縁8a及び下縁8bに略沿わせて半楕円状に開口している。
上端部16aの開口は下端部16bの開口よりも狭くなっている。即ち、上端部16aの背面方向の開口高さh1は、下端部16bの背面方向の開口高さh2より低くなっており、通気筒16の背面部16cは正面方向に少し傾斜している。
筐体8背面に配設された2個の通気筒16の間に、発熱部品の一つである回路基板3を固定するための凸部3b、3b・・・が複数個形成されている。回路基板3には液晶パネル及びバックライト等を制御する電子部品3aが実装されている。回路基板3及び電子部品3a等は、発熱部品を構成する。
放熱構造を備えた筐体8の背面側は、正面が矩形状に開口した扁平な箱状をなす背部キャビネット4で覆われている。背部キャビネット4の下端部4aに横長矩形状の吸気口4b、4bが二個形成されており、開口部が格子状になっている。それぞれの吸気口4b、4bは通気筒16、16の下端部16b、16bにそれぞれ近接している。
背部キャビネット4の背面の上部5aに一方の側縁から他方の側縁に渡って横長矩形状の排気口5bが形成されている。排気口5bは通気筒16の上端部16a、16aに近接している。さらに背部キャビネット4の背面の下部5cに回路基板3の下縁の近傍に位置する吸気口5dが形成されている。排気口5b及び吸気口5dの開口部は格子状になっている。
なお、実施の形態1に係る背部キャビネット4の下端部4aには、二個の通気筒16、16の下端部16b、16bに対応して、二個の吸気口4b、4bが形成されているが、通気筒が筐体の背面の略中央部に一個設けられている場合には、通気筒の下端部に対応して吸気口を広くして形成するのが望ましい。また種々の通気筒に対応可能なように、背部キャビネット4の下端部4aの全面を吸気口にして、開口部を格子状にしてもよい。
次に実施の形態1に係る表示装置の作用について説明する。
実施の形態1の表示装置では、液晶パネルユニットが駆動し、バックライトユニットのバックライト10、10・・・が点灯した場合、液晶パネルユニットの電子部品及びバックライト10等の発熱による筐体8の熱が、筐体8背面の溝9、9・・・に密接して設けられたヒートパイプ12、12・・・に伝導する。伝導した熱によりヒートパイプ12内部の作動液が蒸発して気化し、気化熱として熱がヒートパイプ12に取り込まれる。作動液の蒸気がヒートパイプ12の低温側へ移動して潜熱放出してヒートパイプ12の管壁から放熱し、伝熱シート15を介してヒートシンク14、14に熱伝導して、各ヒートシンク14はフィン14a、14a・・・から熱を放散する。ヒートシンク14の熱の放散によりヒートパイプ12の温度が下がり、作動液が液体になって管内壁の毛細管構造によりヒートパイプ12の高温側へ戻り、連続的に熱輸送する。
ヒートシンク14、14のそれぞれのフィン14a、14a・・・の熱放散により、煙突構造の通気筒16、16内で温められた空気の柱が高くなることで通風力が増大し(煙突効果)、空気の上昇流が生じて、吸気口4b、4bから通気筒16、16の下端部16b、16bに空気が流入し、通気筒16、16の下端部16b、16bから上端部16a、16aへ空気が流れてそれぞれのフィン14a、14a・・・を自然空冷する。
通気筒16の上端部16aが下端部16bよりも狭くなっているため風速が増大し、フィン14aの放熱面の風速が高くなり、通気筒16の上端部16aから空気の上昇流とともに効率よく排熱する。
このように実施の形態1に係る表示装置では、集熱するヒートパイプ12による熱輸送で筐体8の熱をヒートシンク14に拡散して放熱し、煙突構造をなす通気筒16でヒートシンク14のフィン14aの放熱面の風速を高めているので、自然空冷により筐体8の熱を効率的に冷却ファンを使用せずに排熱することができる。
なお、実施の形態1では筐体8の背面に溝9を設けてヒートパイプ12を固定したが、筐体8の背面に直接に、ヒートパイプ12を圧着又はろう付け等により固定するようにしてもよい。また開口高さh1及びh2をh1<h2としたが、h1=h2としてもよい。
次にヒートシンク及び通気筒の変形例について説明する。
図7はヒートシンク及び通気筒の第1の変形例を示す背面斜視図、図8は第2の変形例を示す背面斜視図、図9は第3の変形例を示す背面斜視図、図10は第4の変形例を示す背面斜視図である。
なお、実質的に同一又は対応する部材には同一符号を用いて、重複する詳細な説明は適宜省略し、さらに同名称の部材については同材料で形成されており、以下同様とした。
第1の変形例は、実施の形態1のヒートシンク14を上下逆にして筐体8の背面に配設したものであり、第1の変形例のヒートシンク20は背面視台形状の基台20bの底辺のうち長辺の上底20dを上側に、短辺の下底20cを下側にしている。
通気筒22は、ヒートシンク20の背面側を囲って通気路23を形成しており、ヒートシンク20と背面視略同形の台形状をなしている。通気筒22は長軸を筐体8の背面側にした横断面視半楕円状をなし、通気筒22の上端部22a及び下端部22bは、横向きの長軸をそれぞれ筐体8の上縁8a及び下縁8bに略沿わせて半楕円状に開口している。上端部22aの開口は下端部22bの開口よりも広くなっている。即ち、第1の変形例の通気筒22は実施の形態1と逆の形状の煙突構造にしている。
このような第1の変形例では、通気筒22、22の狭まっている下端部22b、22bから空気が流入し、各通気筒22の各下端部22bより広い開口の上端部22a、22aから空気が流出して効率的に排熱することができる。
図8で示す第2の変形例のヒートシンク26は、基台26bが二つの背面視台形状の基台を結合した形状を有し、一方の背面視台形状の基台の底辺の短辺を下底とし、他方の背面視台形状の基台の底辺の短辺を上底として、短辺同士を縦方向の略中央部で結合させている。第2変形例ではヒートシンク26の一方の長辺26dを筐体8の上縁8aに、他方の長辺26cを筐体8の下縁8bに略沿わせて配設されており、結合している略中央部が横方向の内側にくびれた形状になっている。
ヒートシンク26のフィン26aは、筐体8に横向きに配設したヒートパイプ12と直交しており、側面視縦長矩形板状をなして略等間隔で基台26bに列設されている。
煙突構造で筒状をなす通気筒28は、ヒートシンク26と背面視略同形でヒートシンク26の背面を囲っており、一端部から他端部までの略中央部にくびれを有する通気路29が形成されている。通気筒28は長軸を筐体8の背面側にした横断面視半楕円状をなし、通気筒28の上端部28a及び下端部28bは、横向きの長軸をそれぞれ筐体8の上縁8a及び下縁8bに略沿わせて半楕円状に開口しており、同形状になっている。
第2の変形例では、筐体8の縦方向の中心線に対して略対称な位置に、同形状のヒートシンク26及び通気筒28が各一個設けられている。
このような第2の変形例では、通気筒28、28の下端部28b、28bから流入した空気は、通気筒28の略中央部がくびれて狭い通気路29になっているため、くびれている箇所で風速が増大し、ヒートシンク26、26のそれぞれのフィン26a、26aの放熱面の風速が高まり、効率よく放熱することができる。
図9に示す第3の変形例では、第2の変形例と略相似形のヒートシンク30及び通気筒32が、筐体8背面の略中央部に一個設けられている。即ち、第3の変形例はヒートシンク30の基台30bの一方の長辺30dを筐体8の上縁8aの略全域に、他方の長辺30cを筐体8の下縁8bの略全域に渡って配設されており、ヒートシンク30は縦方向の略中央部が横方向の内側にくびれた形状になっている。
煙突構造で筒状をなす通気筒32は、ヒートシンク30と背面視略同形でヒートシンク30の背面を囲っており、一端部から他端部までの略中央部にくびれを有する通気路33が形成されている。
このような第3の変形例では、通気筒32の略中央部がくびれて狭い通気路33になっているため、くびれている箇所で風速が増大し、ヒートシンク30のそれぞれのフィン30aの放熱面の風速が高まり、効率よく放熱することができる。
第1の変形例から第3の変形例では上端部22a、28a、32a及び下端部22b、28b、32bの開口を同形状にしたが、図10に示す第4の変形例では、半楕円状をなす上端部34aの長軸を、半楕円状をなす下端部34bの長軸よりも短くして開口させたものであり、長軸の長さを逆にしてもよい。第4の変形例のヒートシンク35、ヒートシンク35の基台35bに列設されるフィン35a及び通気筒34の構成については第3の変形例と同様であるので詳細な説明は省略する。
なお、第4の変形例で示すように、第1の変形例から第3の変形例においても、上端部22a、28a、32aの開口が、下端部22b、28b、32bの開口よりも狭くなっていてもよく、またその逆であってもよい。
また第2の変形例から第4の変形例では、通気筒28、32、34の略中央部が横方向の内側にくびれた形状になっているが、くびれの位置は略中央部でなくてもよく、上端部側又は下端部側寄りであってもよい。
実施の形態1、第1の変形例から第4の変形例では、ヒートシンク14、20、26、30、35のそれぞれのフィン14a、20a、26a、30a、35aは、筐体8の下縁8bから上縁8aに向かってフィン同士を略等間隔に、即ち略平行に列設したが、次に示す第5の変形例から第7の変形例では、ヒートシンクを囲うそれぞれの通気筒16、28、32の側壁に略沿うようにフィンを列設し、乱流促進構造にしている。
図11は第5の変形例を示す背面図、図12は第6の変形例を示す背面図、図13は第7の変形例を示す背面図である。
第5の変形例の通気筒16は実施の形態1と同様であり、第6の変形例の通気筒28は第2の変形例と同様であり、第7の変形例の通気筒32は第3の変形例と同様である。
第5の変形例のヒートシンク40は実施の形態1と同形の背面視台形状の基台14bであり、基台14bの一方の斜辺に略平行な複数の縦長矩形板状のフィン40aと、他方の斜辺に略平行な複数の縦長矩形板状のフィン40aとが、それぞれ同数に列設されている。
このような第5の変形例では、通気筒16、16の下端部16b、16bから流入した空気が、狭まっている上端部16a、16aに向かって風速が増大し、ヒートシンク40の斜め上方を向いているフィン40a、40a・・・に沿って流れてきた空気が合流して乱流となり、乱流となった自然対流の上昇流が、さらにフィン40aに衝突して衝突冷却し、フィン40aの熱伝達率が増大し、自然空冷を促進し、効率よく排熱することができる。
図12に示す第6の変形例のヒートシンク42は、第2の変形例と同形の基台26bであり、二つの背面視台形の底辺の短辺側を縦方向の略中央部で結合した形態を有する。第6の変形例では、結合した底辺の短辺側を略等分割にし、一方の背面視台形の底辺の上底である長辺26dと、他方の背面視台形の底辺の下底である長辺26cとを各略等分割にして、短辺側の略等分割点から各長辺側の略等分割点までに渡って複数の側面視縦長矩形板状のフィン42aが列設されている。即ち、複数のフィン42aは、通気筒28の下端部28bから通気筒28の略中央部のくびれに向かって斜め内向きに列設され、通気筒28の略中央部から上端部28aに向かって斜め外向きに向かって列設されている。
第6の変形例のヒートシンク42は、第2の変形例と同様に、一方の背面視台形の長辺26dは筐体8背面の上縁8aに沿い、他方の背面視台形の長辺26cは筐体8背面の下縁8bに沿うように配設されている。
第6の変形例では、第2の変形例と同様に、筐体8の縦方向の中心線に対して略対称な位置に、同形状のヒートシンク42及び通気筒28が各一個設けられている。
このような第6変形例では、通気筒28、28の下端部28b、28bから流入した空気は、通気筒28の略中央部がくびれて狭い通気路になっているため、くびれている箇所で風速が増大し、ヒートシンク42、42のそれぞれのフィン42a、42aの放熱面の風速が高まり、効率的に放熱する。さらにヒートシンク42、42の斜め上方を向いて折れ曲がっているフィン42a、42a・・・に沿って流れてきた空気が合流して乱流となり、乱流となった自然対流の上昇流が、さらにフィン42aに衝突して衝突冷却し、フィン42aの熱伝達率が増大し、自然空冷を促進し、効率よく排熱することができる。
図13に示す第7の変形例は、第3の変形例のヒートシンク30の基台30b及び通気筒32と同様であり、筐体8背面の略中央部に一個設けられている。第7の変形例のヒートシンク44は第6の変形例のヒートシンク42と略相似形であり、作用効果も第6の変形例と同様であるので詳細な説明を省略する。
なお、図13中、符号44aはフィンを示す。
以上説明したヒートシンク14、20、26、30、35、40、42、44のそれぞれのフィン14a、20a、26a、30a、35aの形状は、側面視縦長矩形板状であったが、次の第8の変形例で示すように側面視縦長台形板状にして、通気筒16、22、28、32、34のそれぞれ上端部16a、22a、28a、32a、34a側及び下端部16b、22b、28b、32b、34b側に、平行な底辺を直立させて、つまり底辺の一方側を高く、他方側を低くして列設してもよい。
図14は第8の変形例を示す背面斜視図、図15は第8の変形例の通気筒の下端部を示す正面図である。
第8の変形例では、ヒートシンク50の背面視台形状の基台50bに、複数の側面視縦長台形状のフィン50aが、平行な底辺を直立させて列設されている。フィン50aは、基台50bの平行な底辺の上底50cから下底50dまでの上底50c及び下底50dの略等分割点に渡って列設されている。ヒートシンク50は上底50cを筐体8の上縁8aに、下底50dを筐体8の下縁8bに略沿わせて配設されている。
ヒートシンク50の背面側は、ヒートシンク50と背面視略同形の台形状の通気筒52に囲われており、煙突構造の通気路53が形成されている。通気筒52は長軸を筐体8の背面側にした横断面視半楕円状をなし、通気筒52の上端部52a及び下端部52bは横向きの長軸をそれぞれ筐体8の上縁8a及び下縁8bに合わせた略相似形で半楕円状に開口している。上端部52aの開口は下端部52bの開口よりも狭くなっており、通気筒52の背面部52cは筐体8の正面方向に傾斜している。
通気筒52の傾斜する背面部52cの内壁に沿う間隙を介して、ヒートシンク50のフィン50aが、側面視縦長台形状に形成されている。フィン50aの高さは、半楕円状の上端部52a及び下端部52bに対応して半楕円状に分布している。
このような第8の変形例では、通気筒52の形状に合わせてフィン50aの放熱面を広くして、放熱を大きくすることができる。
なお、通気筒16、22、28、32、34、52は横断面視半楕円状にしているが、筒状であればよく、例えば横断面視矩形状又は台形状であってもよく、扁平であることが好ましい。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。
実施の形態1及びその変形例ではヒートパイプ12を筐体8に対して横向きに、即ち水平に配設したが、斜め向きに配設してもよい。ヒートパイプを斜めに配設した場合、上述したヒートシンク及び通気筒の構成は同様に適用することができる。
図16は実施の形態2における液晶表示モジュールの筐体の背面図である。
実施の形態2に係る表示装置は、液晶表示モジュールの筐体8背面の縦方向の中心線に対して略対称に複数のヒートパイプ62、63を斜めに配設したものであり、筐体8の背面に直接に固定している。
一方の複数のヒートパイプ62は、筐体8背面の一側縁側を低く、中央側を高くして略平行に配設されており、また他方の複数のヒートパイプ63は、筐体8背面の他側縁側を低く、中央側を高くして略平行に配設されている。
ヒートパイプ62、63のそれぞれ一端で低く位置する側は、筐体8の背面壁を介してバックライト10に対向する位置にそれぞれ対応するようにしており、ヒートパイプ62、63のそれぞれ他端の高くする側は、バックライト10に対向する位置から上方へずらしている。
ヒートパイプ62、63は一端を入熱部(熱源に接触)とし、他端を放熱部(低温部)として使用するのが熱輸送として効率的であり、図16に示すように、ヒートパイプ62、63のそれぞれ他端の放熱部を筐体8の背面の略中央部に集めるようにしている。
筐体8の背面の略中央部に集めたヒートパイプ62、63の高くしている上部側の箇所に、伝熱シート15を介して一個のヒートシンク64が、密接して配設されている。
ヒートシンク64は背面視台形状をなし、台形の底辺の短辺側を筐体8背面の上縁8aに、底辺の長辺側を筐体8背面の下縁8bに略沿わせて、筐体8背面の横方向の略中央部に配設されている。ヒートシンク64の背面側は、ヒートシンク64と背面視略同形の台形状の通気筒66に囲われており、煙突構造の通気路67が形成されている。
通気筒66は長軸を筐体8の背面側にした横断面視半楕円状をなしており、通気筒66の上端部66a及び下端部66bは横向きの長軸をそれぞれ筐体8の上縁8a及び下縁8bに略沿わせて半楕円状に開口している。
このような実施の形態2の表示装置では、液晶パネルユニットが駆動し、バックライトユニットのバックライト10が点灯した場合、液晶パネルユニットの電子部品及びバックライト10等の発熱による筐体8の熱が、筐体8背面に接触するヒートパイプ62、63に伝導する。伝導した熱によりヒートパイプ62、63内部の作動液が蒸発して気化し、気化熱として熱がヒートパイプ62、63に取り込まれる。作動液の蒸気がヒートパイプ62、63の高温側から低温側へ移動して潜熱放出してヒートパイプ62、63の管壁から放熱し、伝熱シート15を介してヒートシンク64に熱伝導して、ヒートシンク64はフィン64a、64a・・・から熱を放散する。ヒートシンク64の熱の放散によりヒートパイプ62、63の温度が下がり、作動液が液体になって管内壁の毛細管構造によりヒートパイプ62、63の高温側へ戻り、連続的に熱輸送する。
ヒートシンク64のそれぞれのフィン64a、64a・・・の熱放散により、煙突構造の通気筒66で温められた空気の柱が高くなることで通風力が増大し(煙突効果)、空気の上昇流が生じて、通気筒66の下端部66bに空気が流入し、通気筒66の上端部66aへ空気が流れてフィン64aを自然空冷する。
通気筒66の上端部66aが下端部66bよりも狭くなっているため風速が増大し、フィン64aの放熱面の風速が高くなり、通気筒66の上端部66aから空気の上昇流とともに効率よく排熱する。
筐体8背面の略中央部に集められているヒートパイプ62、63の放熱部は、通気筒66の煙突効果により効率よく熱放散して冷やされ、ヒートパイプ62、63の熱輸送効率が上昇する。
このように実施の形態2の表示装置では、ヒートパイプ62、63の熱輸送効率を上昇させて、より効果的に排熱することができる。
なお、実施の形態2ではヒートパイプ62、63の放熱部を筐体8背面の中央に集めたが、側縁寄りにそれぞれ集めるようにしてもよく、この場合、筐体8背面の各側縁寄りにヒートシンクを配設すればよい。またヒートパイプ62、63を斜めに配設したが、縦向きに配設するようにしてもよい。この場合、ヒートパイプの入熱部側を筐体8の背面壁を介してバックライト10の位置に合わせ、ヒートパイプの放熱部側を筐体8背面の上縁8aに位置させて配設するのが好ましい。上述したヒートシンク及び通気筒の構成は、ヒートパイプを縦向きに配設する場合においても全て組み合わせて適用することできる。
また実施の形態2ではヒートパイプ62、63のように二つに分離しているが、略への字形状の一つのヒートパイプとしてもよい。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。
図17は実施の形態3に係る表示装置の構成を背面側の下方から視た斜視図、図18は表示装置の放熱構造を示す筐体の背面図、図19は図18のフード周辺を示す部分拡大図である。
なお、筐体8及びヒートパイプ12は実施の形態1と同様であるが、図18において筐体8の溝9及びヒートパイプ12の図示は省略した。
実施の形態1及び2では、電子部品3a及び回路基板3等(以下、「発熱部品」という)の熱を背部キャビネット4背面の下部5cに設けた吸気口5dから流入する空気により自然空冷させているが、実施の形態3ではそれに加えて発熱部品の発熱を、煙突効果を有する通気筒72に取り込んで排熱するようにしたものである。即ち、実施の形態3における放熱構造は実施の形態1の放熱構造と基本的に同様であるが、通気筒72の構成が異なる。
実施の形態3のヒートシンク70、70は実施の形態1と同様の構成であり、ヒートシンク70、70の背面側は、ヒートシンク70と背面視略同形の台形状の通気筒72、72で囲われており、煙突構造の通気路73、73が形成されている。通気筒72は長軸を筐体8の背面側にした横断面視半楕円状をなし、通気筒72の上端部72a及び下端部72bは長軸が横向きの半楕円状に開口している。上端部72aの開口は下端部72bの開口よりも狭くなっている。
上端部72aの背面方向の高さh1(図5を参照)は、下端部72bの背面方向の高さh2(図5を参照)より低く、通気筒72の背面部72cは正面方向に少し傾斜している(図4及び図5を参照)。
回路基板3側に位置する通気筒72、72のそれぞれの側部72dには、縦長丸状の複数の導気孔72e、72e、72eが、図18では三個形成されている。それぞれの導気孔72eの周縁には、下方からの空気流を通気筒72内へ案内する長丸頭巾状のフード74が、回路基板3に近接して形成されており、開口部のフード孔74aは長軸を通気筒72側にした半楕円状で下向きに開口している。
このような実施の形態3の表示装置では、図3及び図18に示すように、液晶パネルユニットが駆動し、バックライトユニットのバックライト10が点灯した場合、液晶パネルユニットの電子部品及びバックライト10等の発熱による筐体8の熱が、筐体8背面に接触するヒートパイプ12に伝導する。伝導した熱によりヒートパイプ12内部の作動液が蒸発して気化し、気化熱として熱がヒートパイプ12に取り込まれる。作動液の蒸気がヒートパイプ12の高温側から低温側へ移動して潜熱放出してヒートパイプ12の管壁から放熱し、伝熱シート15を介してヒートシンク70に熱伝導して、ヒートシンク70はフィン70a、70a・・・から熱を放散する。ヒートシンク70の熱の放散によりヒートパイプ12の温度が下がり、作動液が液体になって管内壁の毛細管構造によりヒートパイプ12の高温側へ戻り、連続的に熱輸送する。
ヒートシンク70のそれぞれのフィン70a、70a・・・の熱放散により、煙突構造の通気筒72内で温められた空気の柱が高くなることで通風力が増大し(煙突効果)、空気の上昇流が生じて、通気筒72の下端部72bに空気が流入し、通気筒72の上端部72aへ空気が流れてフィン70aを自然空冷する。通気筒72の通風力の増大とともに背部キャビネット4の吸気口5dから空気の流入量が増大し、流入した空気は発熱部品の熱を奪い、フード74の開口部74aから通気筒72に合流する。通気筒72の上端部72aが下端部72bよりも狭くなっているため風速が増大し、フィン70aの放熱面の風速が高くなり、通気筒72の上端部72aから空気の上昇流とともに効率よく排熱する。
このように実施の形態3の表示装置では、発熱部品の発熱を、吸気口5dから流入した空気流により熱放散させて、フード孔74aから通気筒72に取り込むことにより効果的に排熱することができる。
なお、実施の形態3では、実施の形態1の通気筒16を基にフード孔74aを通気筒72に設けたが、上述した通気筒16、22、28、32、34、52、66、72のいずれにおいても、回路基板3側の通気筒16、22、28、32、34、52、66、72の側部にフード孔74aを設けることが可能である。
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。
図20は実施の形態4に係る背部キャビネットの内側を示す斜視図である。
実施の形態1では、ヒートシンク14を囲う通気筒16を備えた筐体8の背面側が、背部キャビネット4で覆われていたが、実施の形態4では、通気筒16に代えて、樹脂製の背部キャビネット80の内側に一体成形した二個の通気カバー82、82でヒートシンク14を背面側から囲うようにしたものである。背部キャビネット80は通気カバー82、82を除き、実施の形態1の背部キャビネット4と同様の構成であり、その他の構成も実施の形態1と同様であるので、共通する詳細な説明は一部省略する。
通気カバー82は、図3に示すヒートシンク14と背面透視略同形の台形状をなし、ヒートシンク14の背面側を囲って煙突構造の通気路17を形成する。
通気カバー82、82は背部キャビネット80の縦方向の中心線に対して略対称な位置に形成されている。通気カバー82は縦長の半割楕円筒状をなしており、正面側を両側から囲うように湾曲している。通気カバー82の上端部82a及び下端部82bは、長軸を横向きにした半楕円状の枠になっており、上端部82aの方が下端部82bよりも小さい。上端部82a、82aは背部キャビネット80の排気口5bに近接し、下端部82b、82bはそれぞれ吸気口4b、4bに近接している。
このような実施の形態4では、筐体8の背面にヒートパイプ12、伝熱シート15及びヒートシンク14を配設した後、筐体8の背面側を背部キャビネット80で覆うだけで、通気カバー82が、開いている片側でヒートシンク14の背面側を囲って通気路17を形成する。
実施の形態4の表示モジュールを駆動した場合、表示モジュールの発熱による筐体8の熱が、筐体8に接触するヒートパイプ12に伝導する。伝導した熱によりヒートパイプ12内の作動液が蒸発して気化し、ヒートパイプ12は気化熱として熱を取り込む。作動液の蒸気がヒートパイプ12の低温側へ移動して潜熱放出し、ヒートパイプ12は管壁から放熱し、伝熱シート15を介してヒートシンク14に熱伝導する。ヒートシンク14は熱を放散し、ヒートパイプ12の温度を下げ、作動液が液体になってヒートパイプ12の管内壁の毛細管構造により高温側へ戻り、ヒートパイプ12は連続的に熱輸送する。
ヒートシンク14の熱放散により通気カバー82、82内で温まった空気の柱が高くなり、煙突効果により通風力が増大して、ヒートシンク14の放熱面の風速が高まり、通気路17は空気の上昇流とともに効率よく熱排気して筐体を自然空冷する。
このように実施の形態4では、背部キャビネット80で筐体8を覆うだけで、通気カバー82がヒートシンク14を囲って通気路17を形成することができる。
なお、実施の形態4では実施の形態1のヒートシンク14に適用するように半割楕円筒状の通気カバー82にしたが、上述した変形例の通気筒22、28、32、34、52と同様の形態を形成するような半割筒状の通気カバーとして構成してもよい。
また実施の形態4に係る通気カバー82の側部に、実施の形態3と同様に、複数の導気孔72eを形成して、導気孔72eの周縁にフード孔74aを下向きにしたフード74が、発熱部品に向かって突設するようにしてもよい。
実施の形態1に係る表示装置の構成を背面側の下方から視た斜視図である。 ヒートパイプと冷陰極蛍光管との位置関係を示す模式図である。 ヒートパイプ及びヒートシンクの放熱構造を示す背面図である。 図3のIV−IV断面図である。 図3のV−V断面図である。 液晶表示モジュールの筐体の背面を示す斜視図である。 ヒートシンク及び通気筒の第1の変形例を示す背面斜視図である。 第2の変形例を示す背面斜視図である。 第3の変形例を示す背面斜視図である。 第4の変形例を示す背面斜視図である。 第5の変形例を示す背面図である。 第6の変形例を示す背面図である。 第7の変形例を示す背面図である。 第8の変形例を示す背面斜視図である。 第8の変形例の通気筒の下端部を示す正面図である。 実施の形態2における液晶表示モジュールの筐体の背面図である。 実施の形態3に係る表示装置の構成を背面側の下方から視た斜視図である。 表示装置の放熱構造を示す筐体の背面図である。 図18のフード周辺を示す部分拡大図である。 実施の形態4に係る背部キャビネットの内側を示す斜視図である。
符号の説明
8 筐体
8a 筐体の上縁
8b 筐体の下縁
9 溝
10 バックライト
12、62、63 ヒートパイプ
14、20、26、30、35、40、42、44、50、64、70 ヒートシンク
14a、20a、26a、30a、35a、40a フィン
14b、20b、26b、30b、35b、50b 基台
16、22、28、32、34、52、66、72 通気筒
16a、22a、28a、32a、34a、52a、66a、72a 上端部(一端部、他端部)
16b、22b、28b、32b、34b、52b、66b、72b 下端部(一端部、他端部)
17、23、29、33、53、67、73 通気路
42a、44a、50a、64a、70a フィン
72d (通気筒の)側部
72e 導気孔
74 フード
74a フード孔(開口部)
82 通気カバー

Claims (15)

  1. 表示モジュールを該表示モジュールの表示画面を正面にして筐体に収容した表示装置であって、
    前記筐体の背面に接触して設けられており、前記表示モジュールの発熱による該筐体の熱を熱輸送するヒートパイプと、
    該ヒートパイプに接触して設けられており、該ヒートパイプの熱を放散するヒートシンクと、
    該ヒートシンクを囲って通気路を形成する通気筒と
    を備えることを特徴とする表示装置。
  2. 表示モジュールを収容した筐体の背面を背部キャビネットで覆っている表示装置であって、
    前記筐体の背面に接触して設けられており、前記表示モジュールの発熱による該筐体の熱を熱輸送するヒートパイプと、
    該ヒートパイプに接触して設けられており、該ヒートパイプの熱を放散するヒートシンクと、
    前記背部キャビネットの内側に固定されており、前記ヒートシンクを囲って通気路を形成する通気カバーと
    を備えることを特徴とする表示装置。
  3. 前記通気筒は前記ヒートシンクと背面視略同形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
  4. 前記通気筒は縦姿勢で該通気筒の側部に導気孔を有しており、
    該導気孔の周縁に該導気孔を覆い開口部を下向きにしたフードが、突設されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の表示装置。
  5. 前記通気カバーは、半割筒状をなし、該通気カバーの開いている片側で前記ヒートシンクの背面を覆っており、前記ヒートシンクと背面視略同形状をなしていることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
  6. 前記通気カバーは縦姿勢で該通気カバーの側部に導気孔を有しており、
    該導気孔の周縁に該導気孔を覆い開口部を下向きにしたフードが、突設されていることを特徴とする請求項2又は5に記載の表示装置。
  7. 前記筐体の背面に発熱部品を備え、
    前記フードは前記発熱部品に向かって突設されていることを特徴とする請求項4又は6に記載の表示装置。
  8. 前記通気路の一端部は他端部より狭く形成されていることを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の表示装置。
  9. 前記通気路は一端部から他端部までの略中央部にくびれを有していることを特徴とする請求項1から8までのいずれか一つに記載の表示装置。
  10. 前記筐体は扁平な直方体状をなし、
    前記通気路は、略鉛直方向に形成されており、前記筐体の背面の長手方向の両側縁寄りに各一個又は前記筐体の長手方向の略中央部に一個備えられていることを特徴とする請求項1から9までのいずれか一つに記載の表示装置。
  11. 前記ヒートシンクは、背面視台形状の基台と、該基台に立設された複数のフィンとを有し、
    前記基台は該基台の平行な底辺を前記筐体の背面の上縁及び下縁に略沿わせて設けられていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の表示装置。
  12. 前記ヒートシンクは、二つの台形の底辺のうち同寸法の短辺を結合した背面視形状をなす基台と、該基台に立設された複数のフィンとを有し、
    前記基台は前記底辺の各長辺を前記筐体の背面の上縁及び下縁に略沿わせて設けられていることを特徴とする請求項1から10までのいずれか一つに記載の表示装置。
  13. 前記ヒートシンクは前記通気路の両端部の各開口における背面方向の高さに対応する高さのフィンを有することを特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載の表示装置。
  14. 前記ヒートシンクは側面視矩形状又は台形状のフィンを有することを特徴とする請求項1から12までのいずれか一つに記載の表示装置。
  15. 前記ヒートパイプは前記筐体の背面に斜め向きに配設されており、該ヒートパイプの上部側の箇所に熱を放散するヒートシンクを設けていることを特徴とする請求項1から14までのいずれか一つに記載の表示装置。
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