JP2009191335A - めっき液及び電子部品 - Google Patents

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JP2009191335A
JP2009191335A JP2008035092A JP2008035092A JP2009191335A JP 2009191335 A JP2009191335 A JP 2009191335A JP 2008035092 A JP2008035092 A JP 2008035092A JP 2008035092 A JP2008035092 A JP 2008035092A JP 2009191335 A JP2009191335 A JP 2009191335A
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Tetsuji Nishikawa
哲治 西川
Masahiro Sakaegawa
昌宏 榮川
Masakazu Yoshimoto
雅一 吉本
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Ishihara Chemical Co Ltd
Daiwa Fine Chemicals Co Ltd
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Ishihara Chemical Co Ltd
Daiwa Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】経時安定性が良好で、光沢範囲が広く、めっき外観が均一で、効率的に意図する皮膜組成を得ることができるシアン化物非含有の電気又は無電解めっき液及びそれを用いて形成された金属皮膜を有する電子部品を提供する。
【解決手段】
Figure 2009191335

で表される化合物と、第4周期から第6周期の第VIII、IB、IIB、IIIA、IVA、VA族から選ばれた金属の水可溶性塩の1種以上とを含有するするめっき液。特にこの金属の水可溶性塩がスズ、銀、金、白金、パラジウム又は銅の水可溶性塩であるめっき液。
【選択図】なし

Description

本件発明は、めっき液及び電子部品に関し、より詳細には、シアン化物非含有電気又は無電解めっき液及びそれを用いて形成された金属皮膜を有する電子部品に関する。
従来の銀系めっき浴、銅系めっき浴は、毒性の強いシアン浴が用いられていた。
しかし、シアン化合物はきわめて毒性が強く、取り扱いが煩雑であるため、特別な設備等、例えば、排水処理設備等を必要とし、処理コストを増大させる。また、アルカリ領域でしか使用できないために、例えば、銀合金めっきを行う場合、相手金属の種類が限定されてしまう。さらに、アルカリ領域では、電流効率が悪く、素地金属のアルカリ焼けを生じたり、プリント基板では有機レジストフィルムの剥離等が発生する。このため、その用途が限定されるという課題があった。
これに対して、銀及び銀合金めっき浴及びスズ-銅合金電気めっき浴において、チオ尿素系化合物を錯化剤として用いるめっき浴が既に提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許3012182号公報 特許3871013号公報 特許3871018号公報
しかし、このようなチオ尿素系化合物を用いても、未だ経時安定性が悪く、時間の経過とともに、めっき浴が濁り、特に、金属濃度を高くする場合に濁り易いという課題があった。また、光沢範囲が狭く、めっき外観において撹拌むらが残るという課題もある。
さらに、合金めっきにおいて、皮膜組成が浴中金属組成に近いものが得られないとともに、電流密度によって、皮膜組成が大きくばらつくという問題もある。加えて、無電解めっきにおいては、析出速度が遅く、作業効率が悪いという課題もある。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、経時安定性が良好で、光沢範囲が広く、めっき外観が均一で、効率的に意図する皮膜組成を得ることができるめっき液及び電子部品を提供することを目的とする。
本発明のめっき液は、(a)式(1)
Figure 2009191335

[式中、Q、X、Y及びZは、水素原子、C〜Cのアルキル、アリル又は
Figure 2009191335
(Aは、水素原子又はC〜Cのアルキル、
は水素原子、ヒドロキシル基又はメチル基、
は水素原子、mは0又は1、nは1〜4の整数を表す。);
但し、Q、X、Y及びZのうち少なくとも1つは
Figure 2009191335
(式中、A、R及びR、m及びnは上記と同義)である。]
で表される化合物と、
(b)第4周期から第6周期の第VIII、IB、IIB、IIIA、IVA、VA族から選ばれた金属の水可溶性塩の1種以上とを含有することを特徴とする。
このめっき液では、金属の水可溶性塩は、スズ、銀、金、白金、パラジウム又は銅の水可溶性塩であることが好ましい。
また、Q、X、Y及びZが、ともに
Figure 2009191335
(式中、A、R及びR、m及びnは上記と同義)
であることが好ましい。
さらに、ビスマス、ニッケル、亜鉛、インジウム、鉛及びアンチモンから選ばれる1種又は2種以上の金属を含有することができる。
界面活性剤、平滑剤、光沢剤、半光沢剤、緩衝剤、酸化防止剤、補助錯化剤、隠蔽錯化剤及び電導性塩から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を含有することができる。
電気めっき又は無電解めっきに用いられるものであることが好ましい。
また、本発明の電子部品は、上述しためっき液を用いて形成された金属の皮膜を備えることを特徴とする。
本発明のめっき液によれば、錯化剤として用いるチオ尿素系化合物において、チオ尿素骨格に、水酸基又はエーテル基等を導入することによって水溶性を高めることにより、高濃度での使用が可能となる。そのため、酸素原子の配位力によって、チオ尿素の錯化力をより向上させることができるとともに、めっき液の経時安定性を向上させることができる。これによって、光沢範囲が広く、広い電流密度範囲で良好な外観を得ることができ、合金において広い電流密度範囲で共析率のばらつきが少なく、効率的に意図する皮膜組成を得ることができる。加えて、すず系めっきにおいて、リフロー後の変色を抑制することが可能となる。
本発明のめっき液は、少なくとも、上述した式(1)で表される化合物と、特定金属の水可溶性塩とを含有して構成される。
ここで、式(1)の化合物の置換基Q、X、Y、Z及びAにおけるC〜Cのアルキルとしては、メチル、エチル、プロピルが挙げられる。
式(1)では、Q、X、Y及びZのうち少なくとも1つが、好ましくは2つ又は2つ以上が、
Figure 2009191335
(式中、A、R及びR、m及びnは上記と同義、以下、この置換基を「エーテル基を有する置換基」と称することがある)
であることが適している。また、Q、X、Y及びZのうち少なくとも1つが、1以上の水酸基又はエーテル基を有しており、好ましくは、Q、X、Y及びZのうち2以上が、1以上の水酸基又はエーテル基を有していることが適している。
なかでも、S=C基に対して上下対称であることが好ましく、また、Aが水素、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
このような化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物1〜24が例示される。
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
Figure 2009191335
このような化合物は、例えば、常法又は当該分野で公知の方法によって製造することができる。具体的には、対称形の式(1)の化合物、つまり、チオ尿素系化合物は、対応するアミン化合物と二硫化炭素との反応(A)又はチオホスゲンとの反応(B)により得ることができる。また、非対称形のチオ尿素化合物は、イソチオシアナートと対応するアミン化合物との反応(C)によって得ることができる。
Figure 2009191335
(式中、R〜Rは、Q、X、Y及びZと同義である)
各化合物の量、反応条件等は、当該分野で公知の方法又はその方法に準じて、適宜調整することができる。
本発明のめっき液においては、上述した式(1)の化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この化合物は、めっき液に含まれる後述する特定の金属の濃度、めっき方法(例えば、バレルめっき、ラックめっき、高速連続めっき、ラックレスめっき等)等に応じて、その種類、組み合わせ、使用量等を適宜調整することができる。例えば、式(1)の化合物は、0.0001〜3moL/L、好ましくは0.001〜1moL/Lでめっき液に含有されていることが適している。
特定金属とは、第4周期から第6周期の第VIII、IB、IIB、IIIA、IVA、VA族から選ばれた金属の少なくとも1種を意味する。具体的には、スズ、銀、銅、ビスマス、ニッケル、亜鉛、インジウム、鉛、アンチモン、金、白金、パラジウム、鉄、コバルト、ロジウム、イリジウム、ゲルマニウム、ガリウム等が挙げられる。なかでも、スズ、銀、金、白金、パラジウム、銅、ビスマス、ニッケル、亜鉛、インジウム、鉛、アンチモンが好ましく、スズ、銀、金、白金、パラジウム、銅がより好ましい。その水可溶性塩とは、この水可溶塩1gを溶解するのに必要な水量が1000ミリリットル未満、好ましくは100ミリリットル未満、さらに好ましくは30ミリリットル未満であるものであれば、無機塩又は有機塩のいずれでもよい。言い換えると、めっき液中で、金属イオンを生成し得る塩であればよい。
また、本発明のめっき液には、上記特定金属の他、ビスマス、ニッケル、亜鉛、インジウム、鉛及びアンチモンから選ばれる1種又は2種以上の金属を含有していてもよい。これらの金属も、水可溶性塩の形態、つまり、めっき液中で、金属イオンを生成し得る塩であることが好ましい。
具体的には、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、ホスホン酸、、縮合リン酸、ホウフッ化塩、ケイフッ化塩、スルホコハク酸塩、、クエン酸塩、酒石酸塩、グルコン酸塩、シュウ酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、スルファミン酸塩、有機スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−プロパノールスルホン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸塩等)、酸化塩(例えば、錫酸ナトリウム、錫酸カリウム等)等が挙げられる。
さらに具体的には、酸化物(酸化ビスマス、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化第二銅、酸化第一銅、酸化ニッケル、酸化第一スズ、酸化第二スズ、酸化銀、酸化アンチモン等);
ハロゲン化物(塩化ビスマス、臭化ビスマス、塩化インジウム、ヨウ化インジウム、塩化鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一銅、塩化第二銅、塩化ニッケル、塩化パラジウム、塩化第一スズ、塩化第二スズ、塩化アンチモン等)
無機酸又は有機酸との塩等(硝酸ビスマス、硫酸ビスマス、硫酸インジウム、硫酸第二銅、硫酸第一スズ、硝酸銀、硫酸銀、亜硫酸銀、炭酸銀、硫酸アンチモン、ホウフッ化第一スズ、ホウフッ化銀、硫酸亜鉛、酢酸ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸パラジウム、メタンスルホン酸ビスマス、メタンスルホン酸亜鉛、メタンスルホン酸第一スズ、エタンスルホン酸第一スズ、2−プロパノールスルホン酸第一スズ、メタンスルホン酸鉛、p−フェノールスルホン酸鉛、p−フェノールスルホン酸第二銅、メタンスルホン酸銀、エタンスルホン酸銀、2−プロパノールスルホン酸銀、メタンスルホン酸ニッケル、メタンスルホン酸パラジウム、エタンスルホン酸白金、2−プロパノールスルホン酸金、スルホコハク酸銀、クエン酸銀、酒石酸銀、グルコン酸銀、シュウ酸銀、スズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム等)等が挙げられる。
本発明のめっき液は、例えば、銀、銅等の一成分系;銀−スズ、銀−ビスマス、銀−インジウム、銀−鉛、銀−銅、銀−亜鉛、銀−ニッケル、銀−パラジウム、銀−白金、銀−金、スズ−銅、スズ−金等の二成分系;銀−スズ−金、銀−スズ−パラジウム、銀−スズ−ニッケル、銀−スズ−銅、銀−銅−インジウム、スズ−銅−ビスマス等の三成分系のいずれのめっき液でもよい。
本発明のめっき液は、目的に応じて、例えば、界面活性剤、平滑剤、光沢剤、半光沢剤、緩衝剤、酸化防止剤、さらに補助錯化剤、隠蔽錯化剤、電導性塩等の添加剤を含有していてもよい。これらの添加剤は、例えば、特開2000−192279号、特開2000−80493号、上記従来技術の欄に例示したもの等に記載のもの、公知のもの等を、例えば、めっき液に含まれる各成分の濃度、めっき方法等に応じて、適切な量を調整して使用することができる。
例えば、界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系又は両性のいずれでもよく、これらの活性剤を単用又は併用してもよい。添加量は、例えば、0.01〜100g/L程度、好ましくは0.1〜50g/L程度である。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、スチレン化フェノール、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合させたものや、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン、イミダゾリンベタイン、スルホベタイン、アミノカルボン酸などが挙げられる。また、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとアルキルアミン又はジアミンとの縮合生成物の硫酸化あるいはスルホン酸化付加物を使用してもよい。
光沢剤、半光沢剤は、主にめっき皮膜の光沢性及び半光沢性を改良するためのものであり、平滑剤は、主にめっき皮膜の平滑性、緻密性、外観などを向上するためのものであるが、これらは一部重複した概念でもある。したがって、名称の如何に拘わらず、このような作用を呈するものであれば任意の化合物を使用できる。例えば、β−ナフトール、β−ナフトール−6−スルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、ゼラチン、ポリペプトン、フェナントロリン系化合物又はビピリジル等が挙げられる。これらは、例えば、0.001〜40g/L程度、好ましくは0.01〜20g/L程度でめっき液に含有することができる。
緩衝剤としては、通常、pH緩衝剤が用いられる。このような緩衝剤としては、例えば、めっき浴において通常使用される化合物であれば、いかなるものをも用いることができる。具体的には、リン酸、酢酸、ホウ酸、酒石酸等のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。本発明のめっき液では、例えば、pHを10以下に調整し得る緩衝剤を用いることが適している。
酸化防止剤としては、例えば、カテコール、ハイドロキノン、フェノールスルホン酸、ナフトールスルホン酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
補助錯化剤は、本発明の式(1)の化合物と共に添加して、浴の安定性を向上させるものであり、一方、隠蔽錯化剤は、被メッキ物などから溶出した不純物金属イオンが目的とする析出金属と同時に析出したり、浴を劣化させるのを抑制するために添加するものである。それらの具体例としては、エチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチルトリアミン五酢酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、マロン酸、グリコール酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グリシン、ピロリン酸、トリポリリン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ビスホスホン酸などが挙げられる。
電導性塩としては、メッキ浴において通常使用される化合物を用いることができ、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、スルホン酸等のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等が挙げられる。
本発明のめっき液は、例えば、銀塩、銀と合金を生成する等の特定金属の水可溶性塩、式(1)の化合物及び、任意に、界面活性剤等の添加剤を、ベースとなる酸やアルカリの液に同時に混合する一浴方式によって、調製することができる。建浴に際して、少なくとも特定金属の水可溶性塩を、式(1)の化合物に混合した水溶液と、残りの浴構成成分とを合わせる2液混合方式等によって調製してもよい。つまり、特定金属の水可溶性塩銀塩を、式(1)の化合物の共存下で、安定な状態に置いて、調製することが重要である。
本発明のめっき液は、電気めっき及び無電解めっきのいずれにも用いることができる。
例えば、このようなめっき液を用いて電気めっきを行う場合、浴温は、一般に70℃以下、好ましくは10〜40℃程度である。また、陰極電流密度は、めっき浴の種類により多少の差異はあるが、一般に0.01〜150A/dm2程度、好ましくは0.1〜50A/dm2程度である。
本発明のめっき液は、導電性部分を有するものであれば、どのような被めっき物に対しても特に制限されず使用することができる。具体的には、金属等の導電性材料、導電性材料とセラミック、鉛ガラス、プラスチック、フェライト等の絶縁性材料とが複合したもの等、種々のものが挙げられる。被めっき物は、その材質に応じた前処理を施した後、めっきに供することが好ましい。
被めっき物としては、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリア、半導体集積回路、抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子、水晶発振子、スイッチ、リード線、チップ部品、端子部品、プレス部品、バンプ、コネクター、コネクターピン、リードフレーム、各種フープ材、パッケージのリードピン、ピングリッドアレイ、ボールグリッドアレイ等の電子部品、その他、装飾品、日用品、建材、工具等が挙げられる。
以下に、本発明のめっき液及び電子部品の実施例を詳細に説明する。
<合成例1>
1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−2−チオ尿素の合成(化合物4)
温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた100ml三ツ口フラスコに3−ヒドロキシプロピルアミン12g(約0.16mol)、イオン交換水40mlを入れ、室温(15℃〜25℃)で撹拌しながら、二硫化炭素5.12g(約0.08mol)を反応液の温度が40℃を超えないように滴下した。
次に、40℃を超えない温度で2時間撹拌し、さらに100℃で8時間撹拌した。
得られた反応液から溶媒留去し、微淡黄色透明粘調液体(14.1g)を収率97.0%で得た。得られた化合物は水と自由に混合した。
<合成例2>
1,3−ビス(3−メトキシプロピル)−2−チオ尿素の合成(化合物5)
温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた100ml三ツ口フラスコに3−メトキシプロピルアミン12g(約0.13mol)、イオン交換水40mlを入れ、室温(15℃〜25℃)で撹拌しながら、二硫化炭素5.12g(0.0673mol)を反応液の温度が40℃を超えないように滴下した。
次に、40℃を超えない温度で2時間撹拌し、さらに100℃で8時間撹拌した。得られた反応液から溶媒留去し、微淡黄色透明粘調液体(14.2g)を収率98.6%で得た。得られた化合物は水と自由に混合した。
<合成例3>
1−メチル−3,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素の合成(化合物20)
温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた100ml三ツ口フラスコにジエタノールアミン20g(0.19mol)、ジオキサン40mlを入れ、室温(15℃〜25℃)で撹拌しながら、ジオキサン10mlに溶解させたメチルチオイソシアネート13.92g(0.19mol)を、反応液の温度が40℃を超えないように除々に滴下した。
次に40℃を超えない温度で2時間撹拌し、さらに80℃で5時間撹拌した。得られた反応液から溶媒留去し、微淡黄色透明粘調液体(33.5g)を収率99.0%で得た。得られた化合物は水と自由に混合した。
なお、以下に示す実施例で用いる化合物は、これら合成例と同様に又は準じた方法で製造した。
これらの化合物を用いて、以下の組成を有するめっき液を建液した。
<実施例1>
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 30g/l
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 5g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/l
1,3-ヒ゛ス(3-メトキシフ゜ロヒ゜ル)-2-チオ尿素 65g/l
グルコン酸ナトリウム 153g/l
ポリエチレンイミン(平均分子量2万) 5g/l
カテコール 0.5g/l
イオン交換水 残部
pH4.0(NaOHで調整)
<実施例2>
2−プロパノールスルホン酸スズ(Sn2+として) 50g/l
2−プロパノールスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/l
1,3-ヒ゛ス(3-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル)-2-チオ尿素 30g/l
ジスチレン化フェノールポリエトキシレート(EO20モル) 7g/l
イオン交換水 残部
<実施例3>
2−ヒドロキシエタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 60g/l
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸銅(Cu2+として) 1g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/l
1,3-ヒ゛ス(3-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル)-2-チオ尿素 40g/l
ジスチレン化クレゾールポリエトキシレート(EO23モル) 8g/l
イオン交換水 残部
<実施例4>
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 20g/l
2−プロパノールスルホン酸銅(Cu2+として) 0.2g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/l
1-(3-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル)-2-チオ尿素 3g/l
ビスフェノールAポリエトキシレート(EO17モル) 10g/l
イオン交換水 残部
<実施例5>
2−プロパノールスルホン酸スズ(Sn2+として) 30g/l
2−プロパノールスルホン酸銅(Cu2+として) 0.5g/l
メタンスルホン酸亜鉛(Zn2+として) 3.0g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/l
1,3-ビス(2-ヒト゛ロキシエチル)-2-チオ尿素 9g/l
α−ナフトールポリエトキシレート(EO13モル) 10g/l
イオン交換水 残部
<実施例6>
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 30g/l
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.1g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/l
1,3-ヒ゛ス〔2− (2-ヒドロキシエトキシ)エチル 〕-2-チオ尿素 100g/l
次亜燐酸ナトリウム 15g/l
ドデシルアルコールポリエトキシレート(EO18モル) 10g/l
イオン交換水 残部
<実施例7>
2−プロパノールスルホン酸銀(Sn2+として) 10g/l
2−プロパノールスルホン酸金(Cu2+として) 1g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/l
1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−2−チオ尿素 70g/l
α−ナフトールポリエトキシレート(EO13モル) 10g/l
テ゛シルシ゛アミノエチルク゛リシンナトリウム 0.5g/l
イミダゾール 0.5g/l
イオン交換水 残部
<実施例8>
エタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 20g/l
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 5g/l
2−ブタンスルホン酸 80g/l
1,3−ビス[2−{2−(2−エトキシ)エトキシ}エチル]−2−チオ尿素 250g/l
次亜燐酸 20g/l
リノレイルアミンポリエトキシレート(EO12)−ポリプロポキシレート(PO3) 12g/l
イオン交換水 残部
<実施例9>
クレゾールスルホン酸スズ(Sn2+として) 16g/l
メタンスルホン酸銅(Cu2+として) 60g/l
エタンスルホン酸 120g/l
1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素 160g/l
次亜燐酸ナトリウム 10g/l
ヘキシニルアミンポリエトキシレート(EO15) 4g/l
イオン交換水 残部
<実施例10>
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 10g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸白金(Pt4+として) 1g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/l
1,3-ヒ゛ス[2−(3-ヒト゛ロキシフ゜ロホ゜キシ)エチル]-2-チオ尿素 90g/l
クミルフェノールポリエトキシレート(EO13モル) 4g/l
β−ナフタレンスルホン酸 1g/l
イオン交換水 残部
<実施例11>
クエン酸銀(Ag+として) 20g/l
クエン酸 100g/l
N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸 3g/l
1,3-ヒ゛ス[3−(3-ヒト゛ロキシフ゜ロホ゜キシ)フ゜ロヒ゜ル]-2-チオ尿素 120g/l
ポリオキシエチレン(EO53)ポリオキシプロピレン(PO28)グリコールモノブチルエーテル 4g/l
イオン交換水 残部
PH=4.0(アンモニアで調整)
<実施例12>
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 20g/l
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 10g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 150g/l
1-イソフ゜ロヒ゜ル-3-[2-{2-(2-(2-ヒト゛ロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ}エチル]-2-チオ尿素 200g/l
ビスフェノールFポリエトキシレート(EO16モル) 10g/l
o−クロロベンズアルデヒド 0.1g/l
イオン交換水 残部
<実施例13>
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 20g/l
硫酸インジウム(In3+として) 20g/l
イセチオン酸(遊離酸として) 130g/l
1-メチル-3-(3-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル)-2-チオ尿素 80g/l
ポリビニルアルコール 7g/l
テトラブチルアンモニウムメタンスルホネート 2g/l
イオン交換水 残部
<実施例14>
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 20g/l
メタンスルホン酸鉛(Pb2+として) 20g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 70g/l
1,3-ヒ゛ス(3-メトキシフ゜ロヒ゜ル)-2-チオ尿素 95g/l
β-ナフトールポリエトキシレート(EO14モル) 3g/l
ポリペプトン 1g/l
イオン交換水 残部
<実施例15>
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 10g/l
メタンスルホン酸パラジウム(Pd2+として) 1g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 100g/l
1,3-ヒ゛ス[3-(3-ヒト゛ロキシフ゜ロホ゜キシ)フ゜ロヒ゜ル]-2-チオ尿素 100g/l
ポリビニルピロリドン(平均分子量8万) 5g/l
ポリビニルイミダゾール(平均分子量3千) 1g/l
エチレンジアミンテトラ酢酸二ナトリウム 1g/l
イオン交換水 残部
<実施例16>
酸化銅(Cu2+として) 50.8g/l
イセチオン酸 63g/l
ポリエチレングリコール(平均分子量8000) 10ppm
ヤーナスグリーンB 10ppm
SPS 10ppm
塩化物イオン 10ppm
1,3-ヒ゛ス[2-(2-ヒト゛ロキシフ゜ロホ゜キシ)フ゜ロヒ゜ル]-2-チオ尿素 310g/l
<実施例17>
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 15g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 50g/l
1,3-ヒ゛ス (2-ヒドロキシプロピル)-2-チオ尿素 100g/l
次亜燐酸ナトリウム 25g/l
ジブチル-β-ナフトールポリエトキシレート(EO15モル) 15g/l
イオン交換水 残部
<実施例18>
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 20g/l
酒石酸アンチモン(Sb3+として) 20g/l
2−ナフタレンスルホン酸 55g/l
酒石酸 50g/l
1,3−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−チオ尿素 120g/l
次亜燐酸ナトリウム 50g/l
ノニルフェノールポリエトキシレート(EO15)−硫酸ナトリウム 8g/l
イオン交換水 残部
<実施例19>
2−プロパノールスルホン酸スズ(Sn2+として) 35g/l
硫酸ニッケル(Ni2+として )6.5g/l
リンゴ酸 50g/l
1,3−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2−チオ尿素 120g/l
次亜燐酸アンモニウム 80g/l
デシルアルコールポリエトキシレート(EO15) 10g/l
イオン交換水 残部
<実施例20>
2−プロパノールスルホン酸スズ(Sn2+として) 20g/l
2−プロパノールスルホン酸銅(Cu2+として) 0.5g/l
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 1.5g/l
2−ヒドロキシエタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/l
1,3-ビス[2-{2-(2-(2-ヒト゛ロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ}エチル]-2-チオ尿素 30g/l
ラウリルアミンポリエトキシレート(EO13モル) 10g/l
ト゛テ゛シルヘ゛ンシ゛ルシ゛メチルアンモニウムメタンスルホネート 0.5g/l
イオン交換水 残部
<実施例21>
メタンスルホン酸スズ(Sn2+として) 40g/l
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/l
メタンスルホン酸(遊離酸として) 120g/l
1,3-ヒ゛ス[2-(2-ヒト゛ロキシエトキシ)エチル]-2-チオ尿素 12g/l
メチルナフトールポリエトキシレート(EO21モル) 2g/l
<実施例22>
硫酸第一スズ(Sn2+として) 30g/l
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.1g/l
96%硫酸(遊離酸として) 70g/l
1,3-ヒ゛ス(3-ヒト゛ロキシフ゜ロヒ゜ル)-2-チオ尿素 5g/l
オクチルフェノールポリエトキシレート(EO15モル) 5g/l
ヘキサデシルジメチルベンジルアンモニウムメタンスルホネート 1g/l
ジブチルフェノールポリエトキシレート(EO17モル) 0.5g/l
β−ナフトール−6−スルホン酸 0.2g/l
次亜リン酸 15g/l
<比較例1A>
実施例1のめっき浴で使用している1,3−ビス(3−メトキキシプロピル)−2−チオ尿素を同モルのチオ尿素で代替したものを比較例1Aとして、中性電気スズ-銀めっき浴を建浴した。
<比較例1B>
実施例2のめっき浴で使用している1,3−ビス(3−ヒドロキキシプロピル)−2−チオ尿素を同モルのチオ尿素で代替したものを比較例1Bとして、酸性電気スズ-銅めっき浴を建浴した。
<比較例1C>
前記実施例21のめっき浴で使用している1,3−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−2−チオ尿素を同モルのチオ尿素で代替したものを比較例1Cとして、酸性電気スズ-銀めっき浴を建浴した。
<比較例1D>
実施例9のめっき浴で使用している1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素を同モルのチオ尿素で代替したものを比較例1Dとして、無電解スズ-銅めっき浴を建浴した。
<比較例1E>
実施例22のめっき浴で使用している1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−2−チオ尿素を同モルのチオ尿素で代替したものを比較例1Eとして、無電解銀めっき浴を建浴した。
<比較例2>
実施例1のめっき浴で使用している1,3−ビス(3−メトキキシプロピル)−2−チオ尿素を同モルのトリメチルチオ尿素で代替したものを比較例2として、中性電気スズ-銀めっき浴を建浴した。
<比較例3>
実施例21のめっき浴で使用している1,3−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−2−チオ尿素を同モルの1,3-ビス(ヒドロキシメチル)チオ尿素で代替したものを比較例3として、酸性電気スズ-銀めっき浴を建浴した。
<比較例4>
実施例9のめっき浴で使用している1,3−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−チオ尿素を同モルの1,3−ジフェニルチオ尿素で代替したものを比較例4として、無電解スズ-銅めっき浴を建浴した。
<比較例5>
実施例22のめっき浴で使用している1,3−ビス(3−ヒドロキシプロピル)−2−チオ尿素を同モルの1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素で代替したものを比較例5として、無電解銀めっき浴を建浴した。
スズより電位が貴な金属とスズのシアン化物を含まない合金めっき浴では、浴が分解して貴な金属が析出し易いため、浴の安定性が極めて重要である。したがって、下記試験では、めっき浴の経時変化を観察して浴が実用的な安定性を保持するか否かを調べた(めっき浴の経時変化試験)。
また、めっき浴から得られる電着皮膜におけるスズ以外の金属の共析率を測定するとともに(共析率の測定試験)、電着皮膜の異常の有無(つまり、皮膜外観が実用レベルにあるか否か)の確認試験を行った(めっき皮膜の外観試験)。
<めっき浴の経時変化試験>
実施例及び比較例の各めっき浴を1Lビーカーに収容し、これらを50℃に恒温設定したウォーターバス中で1008時間に亘って加温保持し、各めっき液の劣化(分解)状態の度合を観測することによって、経時安定性を目視評価した。その結果を表1に示す。
なお、表1において、経時安定性の評価基準は下記の通りである。
○:1008時間経過時点でめっき浴が安定であって、透明度が高く、初期建浴時に比べて何ら変化がなかった。
△:168時間から504時間までの間に濁りや沈殿が発生し、めっき浴が分解した。
×:168時間までに濁りや沈殿が発生し、めっき浴が分解した。
<金属共析率の測定試験及びめっき皮膜の外観試験>
実施例及び比較例について、電流密度の条件を変えて電気めっきを行い、浴から得られた電着皮膜中の金属の共析率をICP発光分析装置(蛍光X線膜厚計でも可)を用いて測定した。また、得られた電着皮膜の外観を目視で観察して、ヤケ(コゲ)、デンドライト又は粉末状化などの異常の有無を確認し、実用的なめっき皮膜としての必要最低限のレベルを備えているか否かを評価した。
実施例及び比較例について、各無電解めっき浴を65℃に保持し、VLP(電解銅箔の一種)によりパターン形成したTAB(テープ自動ボンディング)のフィルムキャリアの試験片を10分間浸漬して、無電解めっきを施した。そして、得られた各めっき皮膜について、皮膜中の金属の組成比(%)を測定するとともに、無電解めっき皮膜については皮膜の膜厚(μm)を機器で測定した。また、その外観を目視観察して、シミ、色ムラの有無を調べた。その結果を表1に示す。
なお、表1において、外観試験の評価基準は下記の通りである。
○:皮膜外観に異状がなく、白色外観で、金属光沢を呈し実用レベルを保持していた。
△:粉末状化などが認められ、皮膜外観は実用レベルから劣った。
×:ヤケ、デンドライトなどが顕著に認められるか、茶色、褐色などのシミ、色ムラが見られ、皮膜外観はきわめて劣っていた。
また、皮膜の膜厚の評価基準は下記の通りである。
○:膜厚が0.5μm以上
×:膜厚が0.5μm以下
Figure 2009191335
表1によれば、実施例1〜22のいずれにおいても、錯化剤として、式(1)の化合物、つまり、チオ尿素骨格に水酸基又はエーテル基を導入した化合物を用いるために、水溶性を高めることにより、高濃度で使用することができた。そのため、酸素原子の配位力によって、チオ尿素の錯化力をより向上させることができ、めっき液の経時安定性を向上させ、白濁を生じることがなかった。また、光沢範囲が広く、広い電流密度範囲で良好な外観を得ることができた。さらに、合金において、広い電流密度範囲で共析率のばらつきが少なく、理想的な皮膜組成を得ることができる。また、無電解めっきでは十分な析出速度が得られた。
一方、比較例に示したように、従来から用いられている代表的な市販のチオ尿素化合物、つまり、チオ尿素及びトリメチルチオ尿素を用いた場合、双方とも、浴の安定性、めっき外観において良好な結果が得られなかった。
また、電気めっきでは、皮膜の電着組成のばらつきが大きく、金属の浴中濃度との差異も顕著であった。
無電解めっきでは、析出速度が良好ではなかった。
特に、比較例で用いた1,3−ビス(ヒドロキシメチル)チオ尿素は、本発明における式(1)の化合物に類似した構造を有しているが、炭素数が異なっており、Nに置換しているメチロール基のために、化合物としての安定性が低く、また錯形成能も劣っており、浴の安定性、めっき外観、皮膜の電着組成のばらつき、析出速度の全てにおいて満足な結果が得られなかった。
また、比較例4で用いたジフェニルチオ尿素は、水に難溶性で浴に添加すると沈殿し、めっき浴を調製することができなかった。
比較例5で用いた1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素は、浴の安定性、めっき外観において良好な結果が得られなかった。特に、電気めっきでは、皮膜の電着組成のばらつき及び金属浴中濃度との同等性において満足する結果が得られなかった。また、無電解めっきでは、析出速度が劣っていた。これらは、ジメチルアミノプロピル基の塩基性窒素がカチオン化して、金属イオンと反発し、十分な錯形成がなされないためと考えられる。
本発明は、電子部品、日用品、装飾品、建材、工具等の金属皮膜を必要とするすべての被めっき物に対して、電解めっき、無電解めっきのいずれにおいても広範囲に利用することができる。

Claims (7)

  1. (a)式(1)
    Figure 2009191335

    [式中、Q、X、Y及びZは、水素原子、C〜Cのアルキル、アリル又は
    Figure 2009191335
    (Aは、水素原子又はC〜Cのアルキル、
    は水素原子、ヒドロキシル基又はメチル基、
    は水素原子、mは0又は1、nは1〜4の整数を表す。);
    但し、Q、X、Y及びZのうち少なくとも1つは
    Figure 2009191335
    (式中、A、R及びR、m及びnは上記と同義)である。]
    で表される化合物と、
    (b)第4周期から第6周期の第VIII、IB、IIB、IIIA、IVA、VA族から選ばれた金属の水可溶性塩の1種以上とを含有することを特徴とするめっき液。
  2. 前記金属の水可溶性塩が、スズ、銀、金、白金、パラジウム又は銅の水可溶性塩である請求項1に記載のめっき液。
  3. Q、X、Y及びZが、ともに
    Figure 2009191335
    (式中、A、R及びR、m及びnは上記と同義)
    である請求項1又は2に記載のめっき液。
  4. さらに、ビスマス、ニッケル、亜鉛、インジウム、鉛及びアンチモンから選ばれる1種又は2種以上の金属を含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のめっき液。
  5. さらに、界面活性剤、平滑剤、光沢剤、半光沢剤、緩衝剤、酸化防止剤、補助錯化剤、隠蔽錯化剤及び電導性塩から選ばれる1種又は2種以上の添加剤を含有する請求項1〜4のいずれか1つに記載のめっき液。
  6. 電気めっき又は無電解めっきに用いられる請求項1〜5のいずれか1つに記載のめっき液。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つのめっき液を用いて形成された金属の皮膜を備えることを特徴とする電子部品。
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