JP2009191110A - ポリエステル重合体及びその製造方法、並びに成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光物質がブリードアウトせず、十分な蛍光を発することができる新規なポリエステル重合体及びポリエステル重合体の製造方法、並びに審美性に優れる成形体の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むポリエステル重合体である。該一般式(1)で表される繰り返し単位が、重合体中0.01モル%〜30モル%である態様が好ましい。

ただし、前記一般式(1)中、Xは、ペリレン環を含む2価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表す。nは、2以上の整数を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な蛍光を発するポリエステル重合体及びポリエステル重合体の製造方法、並びに審美性に優れる成形体に関する。
ポリエステル重合体は、一般に2価のエステルと2価のアルコールのエステル交換方法、または2価のカルボン酸と2価のアルコールの重縮合によるものが一般的であり、これまでに種々の構造を有するポリエステル重合体が知られている。
しかし、芳香族環が複数縮合した構造である多環芳香環を共重合したポリエステル重合体の報告例は少ない。多環芳香環を共重合した例として、例えば特許文献1では、ナフタレンジカルボン酸とシクロヘキサンジオールとを共重合してなる、耐熱性の高いポリエステル重合体について提案している。
この提案では、部分的に多環芳香環の記述はあるものの、高耐熱性のポリエステル重合体とすると蛍光物質を導入しても蛍光を充分に発せず、フィルム乃至成形品としたときの審美性に劣るものとなる。
一方、蛍光化合物を共重合せずにポリエステル重合体と混練することで蛍光を付与することが考えられるが、一般に蛍光物質はポリエステル重合体と相溶性が悪く、ブリードアウトする懸念がある。
特開平8−176283号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、蛍光物質がブリードアウトせず、十分な蛍光を発することができる新規なポリエステル重合体及びポリエステル重合体の製造方法、並びに審美性に優れる成形体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、蛍光を有する官能基をポリエステルに共重合させることで、蛍光物質がブリードアウトせず、十分な蛍光を発することができ、かつ成形体とした場合に良好な審美性が得られることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とするポリエステル重合体である。
ただし、前記一般式(1)中、Xは、ペリレン環を含む2価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表す。nは、2以上の整数を表す。
<2> 一般式(1)で表される繰り返し単位の比率が、ポリエステル重合体中0.01モル%〜30モル%である前記<1>に記載のポリエステル重合体である。
<3> ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量が6,000以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のポリエステル重合体である。
<4> ジオール又はその誘導体、及び下記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体を、重合触媒存在下、150℃以上で有機溶媒中又は有機溶媒を使用せずに重合することを特徴とするポリエステル重合体の製造方法である。
ただし、前記一般式(2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及び炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを表す。Xは、ペリレン環を含む2価の有機基を表す。
<5> ジオールが、下記一般式(3)で表される化合物である前記<4>に記載のポリエステル重合体の製造方法である。
ただし、前記一般式(3)中、Yは総炭素数1〜10の2価の有機基を表す。
<6> 重合触媒が、ジエチル亜鉛、塩化リチウム、臭化リチウム、有機アルミニウム、有機ハロゲン化アルミニウム、及び有機チタニウムから選択される少なくとも1種である前記<4>から<5>のいずれかに記載のポリエステル重合体の製造方法である。
<7> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のポリエステル重合体を含有する樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形体である。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、蛍光物質がブリードアウトせず、十分な蛍光を発することができる新規なポリエステル重合体及びポリエステル重合体の製造方法、並びに審美性に優れる成形体を提供することができる。
(ポリエステル重合体)
本発明のポリエステル重合体は、下記一般式(1)で表されるペリレン環を含む繰り返し単位を含み、更にペリレン環を含まない繰り返し単位を含んでなり、前記ペリレン環を含む繰り返し単位と、前記ペリレン環を含まない繰り返し単位との(ランダム)共重合体である。
ただし、前記一般式(1)中、Xは、ペリレン環を含む2価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表す。nは、2以上の整数を表す。
前記一般式(1)において、Xで表されるペリレン環を含む2価の有機基としては、ペリレン環を含んでいれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ペリレン環は置換基を有していてもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、アミノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、ヘテロ環基、などが挙げられる。
前記ペリレン環を含む二価の有機基の具体例としては、以下のものが挙げられる。これらに制限されるものではない。
ただし、Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、総炭素数1〜6のアルキル基、及び総炭素数6〜12のアリール基のいずれかを表す。
ただし、Rは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、総炭素数1〜6のアルキル基、及び総炭素数6〜12のアリール基のいずれかを表す。
前記一般式(1)において、Yで表される2価の有機基としては、総炭素数が1〜10のアルキレン基が好ましく、総炭素数1〜6がより好ましい。
前記2価の有機基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、シクロヘキサンジメチレン基、シクロペンタンジメチレン基、キシリレン基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基が特に好ましい。
前記一般式(1)において、nで表される2以上の整数としては、2〜1,000が好ましく、2〜500がより好ましい。
−ペリレン環を含まない繰り返し単位−
前記ペリレン環を含まない繰り返し単位としては、2価乃至4価の繰り返し単位が好ましい。
前記2価の繰り返し単位としては、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。
ただし、前記一般式(4)中、Xはペリレン環を含まない2価の有機基を表し、Yは2価の有機残基を表す。mは2以上の整数を表す。
前記一般式(4)において、Xのペリレン環を含まない2価の有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアルキレン基、アリーレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基としては、総炭素数が1〜10であるのが好ましく、2〜6がより好ましい。
前記アルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらは更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えばアルキル基、フェニル基、アミノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、ヘテロ環基、などが挙げられる。
前記アリーレン基としては、総炭素数が6〜20であるのが好ましく、6〜10がより好ましい。
前記アリーレン基としては、例えば1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,8−ナフチレン、2,3−ナフチレン、4,4’−ビフェニレン、2,2’−ビフェニレン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらは更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えばアルキル基、フェニル基、アミノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、シアノ基、ヘテロ環基、などが挙げられる。
前記一般式(4)において、Yの2価の有機基としては、総炭素数1〜10のアルキレン鎖が好ましく、総炭素数1〜6が好ましい。
前記2価の有機基としては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロペンタンジメタノール、キシレンジオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールが特に好ましい。
前記3価の繰り返し単位における3価の有機基としては、例えばベンゼントリイル、ナフタレントリイル、アントラセントリイル、などが挙げられる。
前記4価の繰り返し単位における4価の有機基としては、総炭素数6〜30が好ましく、10〜24がより好ましい。
前記4価の有機基としては、例えばベンゼンテトライル、ナフタレンテトライル、ノルボルナンテトライル、アントラセンテトライル、フェナントレンテトライル、フェナントレンテトライル、ビフェニレンテトライル、ナフタセンテトライル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ピレンテトライル、が特に好ましい。
前記一般式(4)において、mで表される2以上の整数としては、2〜100,000が好ましく、100〜10,000がより好ましい。
前記ポリエステル重合体中において、前記一般式(1)で表されるペリレン環を含む繰り返し単位の比率が、0.01モル%〜30モル%であることが好ましく、0.1モル%〜10モル%がより好ましい。即ち、ポリエステル重合体中における、前記一般式(1)で表されるペリレン環を含む繰り返し単位と、前記一般式(4)で表されるペリレン環を含まない繰り返し単位との比率は、得られるポリエステル重合体の成形性の面から、0.01モル%:99.99モル%〜30モル%:70モル%が好ましく、0.1モル%:99.9モル%〜10モル%:90モル%がより好ましい。
前記一般式(1)で表されるペリレン環を含む繰り返し単位の比率が、0.01モル%未満であると、充分な蛍光が発現しなくなることがあり、30モル%を超えると、成形体が脆くなるなど、力学物性が悪化することがある。
前記ポリエステル重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量(Mn)は、6,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。なお、数平均分子量の上限値に特に制限はないが、100万以下が好ましい。前記数平均分子量(Mn)が、6,000以上であると、形成されたフィルムの強度、成形性が良好である。
本発明のポリエステル重合体は、ペリレン環に由来する420nm〜480nmの長波長側の500nm〜580nmに蛍光を有し、装飾用途や偽造防止、夜間などの視認性向上などの目視用途に好適である。
(ポリエステル重合体の製造方法)
本発明のポリエステル重合体の製造方法は、ジオール又はその誘導体、及び下記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体を、重合触媒存在下、150℃以上で有機溶媒中又は有機溶媒を使用せずに重合する。
ただし、前記一般式(2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及び炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを表す。Xは、ペリレン環を含む2価の有機基を表す。
前記一般式(2)において、R及びRで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(2)におけるXのペリレン環を含む2価の有機基としては、上記一般式(1)と同じ意味を表す。
前記ジオールとしては、下記一般式(3)で表される化合物が好適である。
ただし、前記一般式(3)中、Yは総炭素数1〜10の2価の有機基を表し、上記一般式(1)と同じ意味を表す。
前記重合触媒としては、ジエチル亜鉛、塩化リチウム、臭化リチウム、有機アルミニウム、有機ハロゲン化アルミニウム、及び有機チタニウムから選択される少なくとも1種が好適である。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばアセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリエステル重合体の製造方法は、具体的には、前記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体、及び前記一般式(3)で表されるジオール又はその誘導体を1:2〜1:10のモル比で重合触媒存在下、120℃以上でジオールの沸点以下の温度で有機溶媒中乃至無溶媒で反応させ、留出する水乃至アルコールを系外へ取り出す。規定量の水乃至アルコールの留出を確認した後、減圧下で150℃〜350℃で重縮合を行うことにより製造することができる。
(成形体)
本発明の成形体は、本発明の前記ポリエステル重合体を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記「成形体」としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム、シート、各種成形品、などが挙げられる。特にフィルム、シートについては、未延伸状態でも使用できるが、1軸延伸、2軸延伸などの加工を加えて使用することもできる。
前記その他の成分としては、耐熱安定剤、酸化防止剤、有機の易滑剤、核剤、染料、顔料、分散剤、カップリング剤などが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知のヒンダードフェノール類を添加してもよい。前記ヒンダードフェノール類としては、例えば、イルガノックス1010、スミライザーBHT、スミライザーGA−80などの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
また、前記酸化防止剤を一次酸化防止剤として利用し、更に二次酸化防止剤を組み合わせて適用することもできる。前記二次酸化防止剤としては、例えば、スミライザーTPL−R、スミライザーTPM、スミライザーTP−Dなどの商品名で市販されている酸化防止剤が挙げられる。
<用途>
本発明の成形体は、蛍光物質がブリードアウトせず、十分な蛍光を発することができる新規なポリエステル重合体を含有しており、審美性に優れているので、例えば、化粧瓶や携帯外装等の装飾用途、包装用途、美術品や仏像などとして利用できる。また、視認性に優れるので、自動車や自転車、歩行者等の反射板やスイッチ等の照明部などとして利用できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1)
−ポリエステル重合体の合成及びフィルムの作製−
アルコール分取器、及び還流管を付した1Lの3つ口フラスコ内に、表1に示す量のジオール、及びジカルボン酸誘導体乃至テトラカルボン酸誘導体を加え、固形分に対して40ppmのTi(OEt)を加えた後、窒素フロー下で190℃に加熱し、系外にアルコールを留出させた。規定量のアルコールの流出を確認した後、減圧下、265℃で6時間重縮合を行った。以上により、各ポリエステル重合体を合成した。
得られた各ポリエステル重合体を、250℃で20MPaの圧力でホットプレスにより製膜し、厚み120μmの透明フィルムを作製した。
次に、得られた各ポリエステル重合体及びフィルムを用いて、以下のようにして物性及び諸特性を評価した。結果を表2に示す。
<数平均分子量の測定>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC;昭和電工株式会社製、「Shodex−104」カラム:HFIP−606M、溶離液:5mMのトリフルオロ酢酸ナトリウムを溶解させたHFIP溶液、検出器:RI(示差屈折率)検出器)によるポリスチレン換算の数平均分子量測定を行った。
<IR測定>
フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR、島津製作所製)により、IRスペクトル測定を行った。
実施例2のポリエステル重合体のNMRスペクトルを図1、実施例4のポリエステル重合体のNMRスペクトルを図2、実施例6のポリエステル樹脂のNMRスペクトルを図3に示す。
<蛍光スペクトル(蛍光目視)>
蛍光分光測定装置(堀場製作所、FluoroMax4)により、450nmの励起光による蛍光スペクトルの測定を行い、下記基準で蛍光性を評価した。
450nm〜700nmに充分な蛍光波長が見られるものを◎、蛍光波長が認められるものを○、わずかであるが蛍光波長は認められるものを△、蛍光波長が認められないものを×とした。
実施例1のポリエステル重合体の蛍光スペクトルを図4、実施例2のポリエステル重合体の蛍光スペクトルを図5、実施例5のポリエステル重合体の蛍光スペクトルを図6、実施例6のポリエステル重合体の蛍光スペクトルを図7に示す。
<フィルム成形性>
ホットプレス機(HP機、小平製作所製)により、樹脂の融点+40℃で製膜した際、フィルムのワレ、ヒビが無いことを確認し、○とし、縁部に若干ワレが見られたものを△とし、全体にわたってワレ、ヒビが見られたものを×として評価した。
<耐熱性>
示唆熱熱重量同時測定装置(TG−DTA、セイコー電子工業株式会社製)により、樹脂のガラス転移領域がペリレン環を導入していないものに比して高温へシフトしていることから、下記基準により耐熱性を確認した。
○は耐熱性に優れており、△は耐熱性はあるが普通レベル、×は耐熱性に劣ることを示す。
*EG:エチレングリコール
*BG:ブチレングリコール
*HG:ヘキサメチレングリコール
*DMT:テレフタル酸ジメチル
*Per:ペリレンジカルボン酸ジブチル
*PR:ペリレンテトラカルボン酸無水物
本発明のポリエステル重合体は、蛍光物質がブリードアウトせず、十分な蛍光を発することができ、該ポリエステル重合体を用いた成形体は審美性及び視認性に優れているので、例えば、化粧瓶や携帯外装等の装飾用途、包装用途、美術品、反射板やスイッチの照明部などに用いられる。
図1は、実施例2のポリエステル重合体のIRスペクトル図である。 図2は、実施例4のポリエステル重合体のIRスペクトル図である。 図3は、実施例6のポリエステル重合体のIRスペクトル図である。 図4は、実施例1のポリエステル重合体の蛍光スペクトル図である。 図5は、実施例2のポリエステル重合体の蛍光スペクトル図である。 図6は、実施例5のポリエステル重合体の蛍光スペクトル図である。 図7は、実施例6のポリエステル重合体の蛍光スペクトル図である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とするポリエステル重合体。
    ただし、前記一般式(1)中、Xは、ペリレン環を含む2価の有機基を表し、Yは2価の有機基を表す。nは、2以上の整数を表す。
  2. 一般式(1)で表される繰り返し単位の比率が、ポリエステル重合体中0.01モル%〜30モル%である請求項1に記載のポリエステル重合体。
  3. ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量が6,000以上である請求項1から2のいずれかに記載のポリエステル重合体。
  4. ジオール又はその誘導体、及び下記一般式(2)で表されるジカルボン酸又はその誘導体を、重合触媒存在下、150℃以上で有機溶媒中又は有機溶媒を使用せずに重合することを特徴とするポリエステル重合体の製造方法。
    ただし、前記一般式(2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及び炭素数1〜5のアルキル基のいずれかを表す。Xは、ペリレン環を含む2価の有機基を表す。
  5. ジオールが、下記一般式(3)で表される化合物である請求項4に記載のポリエステル重合体の製造方法。
    ただし、前記一般式(3)中、Yは総炭素数1〜10の2価の有機基を表す。
  6. 重合触媒が、ジエチル亜鉛、塩化リチウム、臭化リチウム、有機アルミニウム、有機ハロゲン化アルミニウム、及び有機チタニウムから選択される少なくとも1種である請求項4から5のいずれかに記載のポリエステル重合体の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載のポリエステル重合体を含有することを特徴とする成形体。
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