JP2009190182A - 印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法 - Google Patents

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Hideaki Sakurai
秀明 櫻井
Mitsuru Tabuchi
充 田淵
Masakazu Akatsuka
正和 赤塚
Koji Nishiyama
浩司 西山
Kazuhisa Yamashina
和久 山品
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Abstract

【課題】印刷時における印刷物の色調又は濃度を安定化して印刷機の性能を向上することができるようにした、印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法を提供する。
【解決手段】印刷機50にそなえられるインキ供給装置であって、インキ元ローラ12と、インキ元ローラ12に対してインキを供給するインキ供給源11と、インキ元ローラ12とともに、インキ供給源11から供給されたインキのインキ搬送経路14を形成する複数のインキローラ14a〜14iと、インキ搬送経路14から発生するインキミストの付着堆積により垂れインキ26が形成されるインキ垂れ部材20と、インキ垂れ部材20に形成された垂れインキ26をインキ搬送経路14へと強制的に送還するインキ送還手段10とを有して構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷機にそなえられ、刷版に対してインキを供給する印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法に関する。
印刷機あるいは印刷機に備えられる印刷ユニットには、刷版に対してインキを供給するインキ供給装置が設置されている。
インキ供給装置は、インキ元ローラに供給したインキをインキ元ローラを含む多数のインキローラ(インキローラ群)を介して、印刷胴(版胴やブランケット胴)に搬送されるように構成されている。また、インキ供給装置は通常インキローラ群等を覆うカバー部材によりインキローラ群の大部分が覆われている。
ところで、インキ供給装置の運転時には各インキローラ間のニップ出口において、ローラで練られたインキに糸曳きが生じ、これが切れることにより細かな粒子状のインキミストが発生する。
インキミストが発生すると発生したインキミストはインキローラ群の周囲を浮遊し、カバー部材内の各部に付着することとなる。
インキミストがインキ供給装置内の部材に付着堆積すると、印刷に支障をきたす場合がある。
特に、カバー部材の内壁にインキミストが堆積して成長すると、液化したインキミストがカバー部材を伝って印刷胴や印刷用紙に滴下する等して印刷ムラや印刷汚れを招く等して印刷品質を著しく低下させ、損紙が発生する一因となっている。
このようなインキミストの処理に関する技術として、従来、カバー部材内部の左右印刷カップル間又は上下印刷カップル間の印刷巾方向の片方に送風ファンを設けて、送風ファンによる送風によって、滞留或いは上昇してくる水蒸気やミストを反対側片方に送出してインキミストの拡散を促進するようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−142582号公報
ところで、インキ供給装置には、例えば、図12に示すようにインキ供給源101がインキ元ローラ102の周面に近接してインキ元ローラ102の周面の一部を覆うように形成されたものがある。
このようなインキ供給装置100においては、インキ供給源101が、インキ元ローラ102及び図12では図示省略している複数のインキローラに近接しているため、特許文献1のごとく送風ファンを設けたとしても、インキ供給源101の下端部分101A付近にインキミストが付着することを防止することは極めて困難である。
そして、下端部分101A付近にインキミストが付着して堆積するとインキ供給源101の下端部分101Aからインキが垂れ下がって垂れインキ103が形成されることとなる。
この垂れインキ103は、インキミストの更なる付着により成長し、垂れインキ103がある程度以上成長した場合には、垂れインキ103が塊として、インキ元ローラ102またはその他のインキローラに取込まれる場合がある。
垂れインキ103のインキがインキ元ローラ102またはその他のインキローラに取り込まれると、取り込まれた部分のみ刷版に過剰なインキ量が供給されることとなり、印刷物の色調又は濃度が変動して、印刷不良として損紙を発生させてしまう。
なお、このような課題は、図12のようなインキ供給装置のみならず、種々のインキ供給装置において、インキの搬送経路の部材あるいはその近傍の部材にインキミストの付着堆積による垂れインキが形成されることにより、印刷物の色調又は濃度に影響が生じる可能性があるものについて共通する課題である。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、印刷時における印刷物の色調又は濃度を安定化して印刷機の性能を向上することができるようにした、印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の印刷機のインキ供給装置(請求項1)は、印刷機にそなえられるインキ供給装置であって、インキ元ローラと、上記インキ元ローラに対してインキを供給するインキ供給源と、上記インキ元ローラとともに、上記インキ供給源から供給されたインキのインキ搬送経路を形成する複数のインキローラと、上記インキ搬送経路から発生するインキミストの付着堆積により垂れインキが形成されるインキ垂れ部材と、上記インキ垂れ部材に形成された上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還するインキ送還手段と、を有していることを特徴としている。
なお、垂れインキは、インキ搬送経路の最上流部であるインキ元ローラに送還することが好ましい。
垂れインキをインキ元ローラに送還することにより、より多数のインキローラによって練られることにより、垂れインキを送還しても印刷物の色調の変化を最小限に抑制して安定した印刷を行うことができる。
また、上記インキ垂れ部材は、上記インキ供給源の一部をなし、上記インキ元ローラの周面の一部に沿うように近接して形成される覆い部材であって、上記インキ送還手段は、上記覆い部材の下端部分から垂下する上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと送還するように構成されていることが好ましい(請求項2)。
これにより、インキ元ローラに近接して設けられるために垂れインキを形成しやすい覆い部材に付着するインキを強制的にインキ搬送経路へ送還するので、印刷物の色調品質をより安定化させることができる。
また、上記インキ送還手段は、上記インキ元ローラの軸方向に所定の間隔を有して並列配置され、上記垂れインキを上記インキ搬送経路側に移送させる複数のインキ垂れ移送手段を有していることが好ましい(請求項3)。
インキ垂れ移送手段が軸方向に所定の間隔を有していても、垂れインキの粘性により間隙部分のインキも確実に送還させることができる。このため、インキ垂れ移送手段を軸方向全長に亘って連続的に配設することなく、インキ垂れ移送手段をより簡易に形成することができる。
また、上記インキ送還手段は、予め定められた所定の時間毎に、上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと送還するように構成されていることが好ましい(請求項4)。
これにより、予め定められた所定の時間毎に垂れインキの送還を繰り返し実行するという簡易な構成で、インキ垂れ部材に付着堆積するインキにより印刷物の色調あるいは濃度に大きな影響を与えない程度の垂れインキをインキ搬送経路へと強制的に送還するので、垂れインキの過度な成長を防止して印刷物の色調品質をより安定化させることができる。
また、上記インキ垂れ部材から垂下している上記垂れインキのインキ量を推定するインキ垂れ量推定手段を有し、上記インキ送還手段は、上記インキ垂れ量推定手段により推定される上記垂れインキのインキ量が予め設定された所定のインキ量に達すると、上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと送還することも好ましい(請求項5)。
これにより、インキ垂れ部材に付着堆積する垂れインキの量が、印刷物の色調あるいは濃度に大きな影響を与えない程度の状態であることを推定して、垂れインキをインキ搬送経路へと強制的に送還され、垂れインキの過度な成長を防止して印刷物の色調品質をより安定化させることができる。また、インキ垂れ部材に付着堆積する垂れインキの量を推定して、垂れインキの処置(強制的にインキ搬送経路へ送還)を行うので、垂れインキのインキ量が少ない場合にインキ送還手段が作動することを防止してインキ送還手段の不必要な作動を低減することができる。
また、上記インキ送還手段は、上記垂れインキに対して上記インキ搬送経路側に向けて空気を送り込む送風装置を有して構成されていることが好ましい(請求項6)。
垂れインキに空気を吹き付けることにより、垂れインキに接触することなく垂れインキをインキ搬送経路側に吹き飛ばすことができるので、垂れインキのみを効果的に送還できるとともに、インキ搬送経路に接触することによってインキローラ上のインキ膜厚に影響を及ぼすことを防止することができる。
また、上記インキ送還手段は、上記インキ垂れ部材の近傍に回転自在に設けられ、上記垂れインキを上記インキローラ側へと送還させる回転部材を有していることが好ましい(請求項7)。
垂れインキを回転部材によりインキ搬送経路を形成するインキローラ側に押し付けることによりインキ搬送経路側に強制的に送還させることができ、垂れインキを効果的に送還させることができる。
なお、回転部材は、回転中心がインキ元ローラと平行となるように配設されたローラでもよく、また、どの方向にも回転自在に構成されたボールベアリング等の球状の部材でもよい。
また、回転部材は、インキ垂れ部材の下方に常時設置し、所定の大きさまで成長した垂れインキと接触するように設けてもよい。そして、回転部材の回転力により付着したインキインキローラ側へ送還させるように構成してもよい。
また、回転部材がインキローラと常時接触するように構成した場合には、連続的にインキを取り込ませる事ができる。
一方、回転部材とインキローラとの間に僅かな隙間(非接触)を設けた場合には、一定量の垂れインキが回転部材に付着し、付着したインキの厚みによりインキ搬送経路を形成するインキローラと接触する事で、回転部材が回転し、垂れインキを取り込ませる事が出来る。これにより、インキローラと回転部材との接触回数を低減させて互いの摩耗等を防止することができる。
また、本発明の印刷機のインキ供給方法(請求項8)は、インキを用いて印刷を行う印刷機のインキ供給方法であって、上記印刷機を運転する際に上記印刷機のインキ元ローラにインキを供給するインキ供給ステップと、上記インキ供給ステップ実行中、上記インキ元ローラとともにインキのインキ搬送経路を形成する複数のインキローラから発生するインキミストの継続的な付着によりインキが垂下する垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還するインキ送還ステップと、を有していることを特徴としている。
また、上記インキ送還ステップでは、予め定められた所定の時間毎に上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還することが好ましい(請求項9)。
また、上記インキ供給ステップ実行中、上記垂れインキのインキ量を推定するインキ垂れ量推定ステップを有し、上記インキ送還ステップでは、上記インキ垂れ量推定ステップにより推定された上記垂れインキのインキ量が予め設定された所定のインキ量に達する毎に上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還することが好ましい(請求項10)。
また、上記インキ送還ステップでは、上記垂れインキに対して送風することにより上記垂れインキを上記インキ搬送経路側に吹きとばすことが好ましい(請求項11)。
また、上記インキ送還ステップでは、回転自在な回転部材により、上記垂れインキを上記インキ搬送経路に接触させることにより、上記垂れインキを上記インキ搬送経路に送還させることが好ましい(請求項12)。
本発明の印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法によれば、垂れインキが過度に成長して自然に多くのインキが搬送経路に取り込まれる等してインキ供給量の急激な変化をもたらす前に、予め、印刷物の色調品質に与える影響を無視できる程度の段階でインキ送還手段により強制的に垂れインキをインキローラ群側に送還することにより、インキ垂れによる印刷物の濃度変化を無視できる程度に抑制することができ、印刷物の色調品質を安定化させることができる。
また、インキ垂れ部材に付着するインキの量を低減するのではなく、インキ垂れ部材に付着するインキを積極的にインキ搬送経路に戻す(送還する)事により、インキ供給装置内部のインキミストの付着による汚れ等によるインキの洗浄作業を軽減することができる。
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は印刷機として複数の印刷ユニットにより新聞印刷を行う新聞用オフセット輪転印刷機(新聞輪転機)に本発明を適用したものである。
図1〜図6はいずれも本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法を説明するためのものであって、図1はその要部構成を模式的に示す図、図2は印刷機の概略構成を示す模式的な側面図、図3は図1のX−X矢視図を模式的に示す図、図4は図1の要部構成をより詳細に示す部分拡大図、図5(a)〜図5(c)はいずれもブロワの構造を模式的に示す図、図6は印刷手順を示すフローチャートである。
なお、図1は印刷装置の側面視状態を模式的に示すもので、このような構成は印刷幅方向に連続している。また、図3は説明を容易とするために一部の配管等を省略している。
なお、図示しないが、印刷装置の印刷幅方向の両端部には、印刷装置の側部を覆うフレーム(図示省略)が装備されている。
(新聞輪転機の概略構成)
まず、印刷機としての新聞輪転機50の概略構成について説明する。図2に示すように、新聞輪転機50は、印刷物としてのウェブWの走方向上流側から、印刷ユニットとしての複数のタワーユニットT1〜T5と、ウェブパス部4と、折加工部5とをこの順にそなえている。また、新聞輪転機50には制御装置40が付設され電気的(即ち、電気信号を送受信可能)に接続されている。制御装置40はタイマ機能、演算機能及び記憶機能を有するコンピュータ、表示装置、入力装置により構成されており、新聞輪転機50の各部を制御できるようになっている。
なお、各タワーユニットT1〜T5には、ウェブローラ(巻取紙)を装着された給紙部1と、インフィード部2と、表裏それぞれ適宜の数の印刷装置6を備えた印刷部3がこの順に設けられている。
ここでは、タワーユニットT2〜T4には、対応するインキ色のインキを供給するインキ供給装置を有する印刷装置6が表裏それぞれに各2個設置されており、タワーユニットT2〜T4では表裏両面にそれぞれ2色印刷が可能となっている。一方、両端のタワーユニットT1,T5に表裏それぞれに各4個の印刷装置6が設置されており、タワーユニットT1,T5では表裏両面にそれぞれ4色印刷が可能となっている。
なお、各タワーユニットT1〜T5の印刷部3よりも下流側には、それぞれのタワーユニットT1〜T5により印刷されたウェブWの表裏両面の色調情報をウェブWの全幅に亘って取得する色調センサとしてのラインセンサが設けられており、色調センサの検出結果は制御装置40に送信されるようになっている。
ウェブパス部4は、制御要素としてのコンペンセータローラ等によりウェブパスルートの長さを調整する機能を有しており、種々のタイプのウェブWを走行させて印刷物(ここでは、新聞)を構成することができるようになっている。
新聞輪転機50の場合、スリッタ(図示略)によりウェブWは幅方向に分割され、より複雑なウェブパスルート4が形成されている。
そして、ウェブパスルート4において所定のウェブWと所定の組み合わせで重ね合わされ丁合された後に折加工部5に進入し、折加工部5では三角板,折胴(咥え胴ともいう)及び断裁胴(いずれも図示省略)で縦折り(走行方向に沿って折り目を付けた折り)に続いて横折り(ウェブ幅方向への折り目を付けた折り)されるとともに所定長さ毎に断裁されて折帖とされた順に排紙されるようになっている。
(印刷装置の構成)
図1に示すように、各印刷装置6は、印刷されるインキ色を除いてそれぞれ同様に構成されている。また、各印刷装置6はそれぞれインキ供給装置として、インキング装置(インキ供給源)11,インキ元ローラ12,複数のインキローラ14a〜14i及びブロワ(インキ送還手段,インキ垂れ移送手段,送風装置)10,エアコンプレッサ17,配気管18を有している。
なお、図示省略しているが、インキング装置(インキ供給源)11,インキ元ローラ12,複数のインキローラ14a〜14i,ブロワ10,エアコンプレッサ17及び配気管18は、いずれもカバー部材によって形成されたボックス内に収納されている。
複数のインキローラ14a〜14iとインキ元ローラ12とは、互いに隣接しながらインキを次々に転写可能に配設されており、インキ元ローラ12及び複数のインキローラ14a〜14iによりインキ搬送経路を形成している。なお、以下、インキ元ローラ12及び複数のインキローラ14a〜14iを合わせたインキ搬送経路をインキローラ群14と称する。
そして、インキング装置11からインキ元ローラ12に供給されたインキは、複数のインキローラ14a〜14iが練りながら最下流のインキローラ14g,14h,14iにインキを搬送し、これらのインキローラ14g,14h,14iから版胴3の外周に装着された刷版(図示省略)にインキが供給される。
そして、刷版から図示しないブランケット胴(ゴム胴)を介してウェブWに印刷絵柄が転写されるように構成されている。
なお、複数のインキローラ14a〜14iのうちの一部(ここではインキローラ14d,14f)は、軸方向(印刷幅方向)に往復動しながら回転し、インキローラ14a〜14i上に形成されるインキ膜厚の印刷幅方向の急激な変化を緩和するようになっている。
インキング装置11は、ブロワ10,デジタルインキポンプ(DIP)15,配管16,及びインキレールユニット(覆い部材,インキ垂れ部材)20によって構成されている。
DIP15は、制御装置40からの信号に基づいてウェブWの幅方向(印刷幅方向)、即ち、インキ元ローラ12の回転軸方向の所定の間隔毎に複数配設された複数の配管16に対してインキを圧送するインキ圧送装置であり、各配管16毎に供給するインキの量をそれぞれ調整可能に構成されている。即ち、各配管16がインキを供給する印刷幅方向の所定幅単位(インキ供給単位幅という)毎にインキの供給量を調整可能に構成されている。
複数の配管16は、例えば、可撓性を有するホース等により構成されておりインキレールユニット20の後述するインキレール21と連通し、DIP15から圧送されたインキをインキレール21側へ搬送するようになっている。
インキレールユニット20は、インキレール21,インキ元ローラ対向面22,及びインキ均しブレード23を有している。
インキレール21は、インキレールユニット20の内部にインキを通過させうる開口として形成されている。また、図3に示すように、インキレール21は印刷幅方向に4つに分割されて配設されている。
通常、新聞の印刷を行う場合には1つの版胴で4ページ分の印刷が行われる。そして、印刷される新聞の各ページの絵柄の配置位置は通常は同位置に設定されることが多く、ここでは、図3中、一点鎖線で示す印刷幅方向位置に新聞の各ページの印刷絵柄が配置されている。
このため、本実施形態では、インキレール21を印刷幅方向全幅に亘って設けることなく、新聞の各ページの印刷絵柄が配置される位置に対応する位置毎に分割するように所定の間隔を有して複数設けるようにしている。これにより、1つのインキレール21の開口が極端に細長くなることを避け、各インキレール21の中央部分等が撓みなどにより変形することに印刷幅方向の開口面積にバラツキが生じることを防止しうるように構成されている。
インキ元ローラ対向面22は、インキ元ローラ12の周面と同じ曲率の曲面となるように形成されており、インキレール21の部分に開口が設けられている。
インキ元ローラ対向面22は、図4に示すように、インキ元ローラ12の周面の1/4程度を覆うように、インキ元ローラ12の周面とインキ元ローラ対向面22との隙間(以下、この隙間をギャップGともいう)を有して近接しており、インキ元ローラ12の回転方向上流側におけるギャップGの隙間量D1よりもインキ元ローラ12の回転方向下流側におけるギャップGの隙間量D2の方が小さく(D1>D2)なるようになっている。
なお、ギャップGの隙間量は、インキレール21のインキ吐出側の開口から圧送されたインキが落下することなくインキ元ローラ12の周面に好適に付着しうる程度(通常、0.2〜0.3ミリメートル程度)に設定されている。
均しブレード23は、ギャップGの出口部分に取り付けられており、インキ元ローラ12の周面に供給されたインキ膜を均すためのブレードである。
なお、本実施形態ではインキレールユニット20の下端部分24に印刷装置6の運転に伴ってインキローラ群14から発生するインキミストが付着して堆積し、インキレールユニット20の下端部分24からインキが垂れ下がり、垂れインキ26が形成される。図3に示すように垂れインキ26の印刷幅方向における垂下長さは、印刷幅方向毎のインキ供給量の違い等により変動する。
垂れインキ26のインキはインキの粘性によりある程度のインキ量が垂下するまでインキレールユニット20の下端部分24から離れず、インキミストの更なる堆積により垂下するインキ量がある程度の水準(量)に達すると、インキ元ローラ12の回転により生じる空気流によりギャップGの入口側に取り込まれるか、あるいはそのまま落下することによりインキローラ群14に取り込まれることとなる。
ブロワ10は、図1に示すように、インキレールユニット20の下端部分24の下方で且つ垂れインキ26よりもインキ元ローラ12よりも遠い位置に配置されており、配気管18を介してエアコンプレッサ(圧縮空気発生装置)17から導通された圧縮空気を垂れインキ26を通ってギャップGの入口方向に向かって噴射(送風)するように配向されている。
また、図3に示すように、ブロワ10は、それぞれ所定の間隔を有して4つ並列設置されている。各ブロワ10の噴射口の印刷幅方向の配置位置はインキレール21の印刷幅方向位置と同じ位置になるように設定されている。ここでは、各ブロワ10の噴射口は、各インキレール21と同様の長さに印刷幅方向に延在している。
各ブロワ10は、印刷幅方向にほぼ均一間隔でより垂れインキ26のインキを十分に吹き飛ばすのに十分な程度の比較的強い空気流を発生させるように構成する必要がある。
各ブロワ10は、例えば図5(a)に示すように、圧縮空気の噴射方向に向いて開口する開口部を複数の仕切り壁10aにより印刷幅方向に等間隔に仕切ってより小さい噴射口10bを形成し、エアコンプレッサ17からの圧縮空気を各噴射口10bから噴射するように構成してもよい。
あるいは、最もシンプルに、ブロワ10は、図5(b)に示すように、印刷幅方向に延びる空気供給パイプ10cの一側に、圧縮空気の噴射方向に向いて等間隔に複数並んだ穴を噴射口10dとして形成して、空気供給パイプ10c内にエアコンプレッサ17からの圧縮空気を送給するように構成してもよい。
なお、ブロワ10は、複数設ける必要はなく、例えば、印刷幅の全幅あるいは大部分に亘る長さに形成された単一のブロワで構成してもよく、ブロワの噴射口を印刷幅方向に多数並べるように構成してもよい。
あるいは、図5(c)に示すように、それぞれ複数の配気管18を介してエアコンプレッサ17に連通して印刷幅方向に短いブロワ10を印刷幅の全幅あるいは大部分に亘って所定間隔で配置するように構成してもよい。
なお、ブロワ10の噴射口からの圧縮空気の噴射タイミング及び噴射風速は、制御装置40により制御されるようになっている。
本実施形態では、新聞輪転機50の運転中において制御装置40は、予め設定された所定時間t1毎に予め設定された所定の風速V1でブロワ10から圧縮空気を所定時間だけ噴射するようになっている。
なお、所定時間t1は、ブロワ10から噴射される空気流により吹き飛ばされて垂れインキ26を形成するインキの量がギャップGに取り込ませてもウェブWの印刷色調あるいは印刷濃度に与える影響が無視できる程度に小さくなるように予め実験等により求められている。
また、所定風速V1[m/s]は、ブロワ10の設置位置(即ち、ブロワ10から垂れインキ26までの距離)や使用するインキ粘度及びインキ温度に応じて、ブロワ10から噴射される空気流により垂れインキ26が十分に吹き飛ばされてインキローラ群14側に移送されるように予め実験等により求められている。
(作用効果)
本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法はこのように構成されているので、以下に示す手順で印刷が行われる。図6に示すようにステップS100では、新聞輪転機50の運転が開始され印刷装置6の各部の運転が開始される。
ステップS100において新聞輪転機50の運転が開始されると、ステップS110では、制御装置40内のタイマの値tが0(t=0)に設定されるとともに制御装置40内のタイマ機能により新聞輪転機50の運転時間の計測が開始される。
一方、ステップS100において新聞輪転機50の運転が開始されると、ステップS120では、DIP15により印刷幅方向に必要な量に応じたインキがインキレール21に圧送され、インキレール21を通過したインキがギャップGを越えてインキ元ローラ12の周面に供給される。そして、インキ元ローラ12を最上流部とするインキローラ群14を介して版胴13に巻回された刷版へとインキが供給され、図示省略のブランケット胴を経てウェブWに印刷絵柄が転写されて印刷が開始する(インキ供給ステップ)。
続いてステップS130では、制御装置40においてタイマの値tが予め設定された所定時間t1よりも大きいか否か(t<t1?)が判定される。
ステップS130においてt<t1が成立していると判定された場合には、印刷が継続され、ステップS150に進む。
一方、ステップS130においてt<t1が成立していると判定された場合には、新聞輪転機50の運転時間が予め定められた所定の時間t1に達したと判定してステップS140に進む。
ステップS140では、制御装置40によりブロワ10から垂れインキ26に対して予め定められた所定の風速V1にて圧縮空気の噴射(送風)が行われ、垂れインキ26がギャップGの入口側へと吹き飛ばされる。吹き飛ばされたインキの大部分はインキ元ローラ12の周面に付着され再びインキローラ群14に強制的に送還(移送)されることとなる(インキ送還ステップ)。
ステップS150では、印刷終了条件が成立したか否かが判断される。ステップS150の判断は制御装置40により行われ、例えば、予め制御装置40に入力された所望の印刷部数に達した場合等、予め設定された印刷終了の条件が満たされると、ステップS160に進む。
ステップS160では、タイマ値tの値にかかわらずステップS140と同様に、制御装置40によりブロワ10から垂れインキ26に対して予め定められた所定の風速V1にて圧縮空気の噴射(送風)が行われ、垂れインキ26がギャップGの入口側へと吹き飛ばされる。その後、ステップS170として新聞輪転機50の刷了処理が行われ、印刷が終了する。
このように、本実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及びインキ供給方法によれば、印刷装置6の運転により継続的に発生するインキミストの付着により垂れインキ26に堆積されたインキの量が過量となり、垂れインキ26が落下、若しくは、インキ元ローラ12の回転により生じる空気流により、ギャップG側へと取り込まれることによって刷版に供給されるインキの量の急激に変化することを防止して、インキの量の急激に変化によりウェブWに転写される印刷絵柄の色調又は濃度の変化を抑制して損紙の発生を抑制することができる。
即ち、垂れインキ26のインキの量が、インキ搬送経路に送還しても、ウェブWに転写される印刷絵柄の色調または濃度の変化に対して無視できる程度に小さい状態において、ブロワ10からの圧縮空気の噴射により垂れインキ26をインキローラ群14側に強制的に取り込ませてインキを送還することによりウェブWの濃度変化を無視できる程度に抑制することができ、印刷物の色調品質を安定化させることができる。
また、ブロワ10が垂れインキ26がギャップGの入口部分に向かって吹き飛ぶように配向されているので、インキ搬送経路(即ち、インキローラ群14)の最も上流側の位置に垂れインキ26を強制的に送還させることができ、最も多数のインキローラ14a〜14iによって練られることにより、垂れインキ26を再びインキ搬送経路に送還しても印刷物の色調または濃度の変化を抑制して損紙の発生をより高精度に防止することができ、安定した印刷を行うことができる。
なお、ブロワ10の設置位置及び配向については特に限定するものではないが、垂れインキ26の強制的な送還による印刷幅方向のインキ膜厚の不均一をできる限り低減させるという観点から、垂れインキ26は、再びインキローラ群14を搬送される際に十分に練り込まれるように、インキローラ群14のより上流側に送還されるのが好ましい。
特に、印刷幅方向に往復動するインキローラ14d,14fよりも上流側にインキを送還させることにより、インキローラ14d,14f揺動によって印刷幅方向へのインキの練り込みが行われ印刷物の色調あるいは濃度の変動に与える影響を低減することができる。
また、インキレール21が新聞紙面のページ部分(印刷幅方向に4ページ)に相当する印刷幅方向位置に対応して所定の間隔を有して4つに分割して設置されるとともに、インキレール21の設置位置に対応して所定の間隔を有して4つのブロワ10が並列配置されているので、インキレール21及びブロワ10が過度に細長い形状となることによる中央部分の撓み等を抑制することができる。
さらに、ブロワ10内において、複数の噴射口10b,10dを形成することにより、圧縮空気の噴射面積が小さくなるため、エアコンプレッサ17の出力に対して相対的に噴射口10b,10dから噴射される空気の風速を向上させることができ、エアコンプレッサ17の消費エネルギを低減することができる。
また、複数の噴射口10b,10dに間隔が生じている場合であっても垂れインキ26にはある程度の粘性があるため、印刷幅全幅に亘って均一に送風しなくても垂れインキ26を十分にインキ元ローラ12側に移送させることができる。
垂れインキ26に空気を吹き付けることにより、垂れインキ26に接触することないので、インキローラ群14に接触する等して各インキローラ上のインキ膜厚に影響を及ぼすことなく垂れインキ26をインキ搬送経路側に強制的に移送させることができる。
また、インキ垂れ部材26に付着するインキの量を低減するのではなく、インキ垂れ部材26に付着するインキを積極的にインキ搬送経路に戻す(送還する)事により、図示省略のカバー部材により覆われたインキ供給装置の内部のインキミストの付着による汚れ等を軽減してインキ供給装置内部のインキの洗浄作業にかかる負荷を軽減することができる。
また、印刷終了時にはタイマの値と関係なく、ブロワ10により垂れインキ26を吹き飛ばして垂れインキ26を除去しておくことにより、印刷機の停止中の垂れインキ26の固着及び落下やあるいは次回の印刷運転開始時等においての垂れインキ26の落下等を防止することができる。
[第1実施形態の変形例]
続いて、本発明の第1実施形態の変形例について説明する。なお本変形例は、上述の第1実施形態とほぼ同様に構成されており、第1実施形態と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。
本変形例は、制御装置の構成のみが第1実施形態と異なっている。図7に示すように、本変形例にかかる制御装置41は、コンピュータの機能要素としてインキ供給量積算部41a,インキ垂下量推定部(インキ垂れ量推定手段)41b及びエアコンプレッサ制御部41cを有して構成されている。
また、制御装置40には新聞輪転機50から印刷速度情報Vmが入力されるようになっている。
インキ供給量積算部41aは、インキ供給単位幅毎に、DIP15に対して指令したインキ噴射量の積算値Qiを計算するように構成されている。
インキ垂下量推定部41bは、インキ供給量積算部41aにおいて得られるインキ供給単位幅毎のインキ噴射量の積算値Qiと取得した印刷速度情報Vmの平均値Vmavgとに基づいて、垂れインキ26のインキ量Qddを推定するようになっている。
より詳しく説明すると、DIP15からより多くのインキが供給されるほどインキミストの発生量も多くなるため、垂れインキ26のインキ量Qddもそれに応じて多くなる。反対にDIP15から供給されるインキの供給量が少ないほどインキミストの発生量は少ないため、垂れインキ26のインキ量Qddも相対的に少なくなる。
また、印刷速度が速くなるほど、インキローラ群14の回転速度も速くなるため、同じインキ供給量であっても、インキローラ群14から発生するインキミストの量は多くなる。反対に印刷速度がある程度以下にまで遅くなると、インキローラ群14からインキミストが発生しなくなる。
このような傾向をふまえてインキ垂下量推定部41bには、インキ噴射量の積算値Qiと取得した印刷速度情報Vmから得られる前回ブロワ10を作動させてからの印刷速度の平均値Vmavgと、これに対応する垂れインキ26のインキ量Qddの値との対応関係が予め記憶されており、この対応関係に基づいて垂れインキ26のインキ量Qddを推定するように構成されている。
そして、エアコンプレッサ制御部41cは、インキ垂下量推定部41bにより得られた垂れインキ26のインキ量の推定値Qddが予め設定された所定量Qdd0よりも大きくなると(Qdd>Qdd0)エアコンプレッサ17を作動させて、各ブロワ10から圧縮空気を送風させるように構成されている。また、同時にインキ供給量積算部41aにおけるインキ噴射量の積算値Qiの値を0にリセットするようになっている。
本発明の第1実施形態の変形例にかかる印刷機のインキ供給装置は上述のように構成されているので、インキ垂下量推定手段41bにより垂れインキ26のインキ量が推定され(インキ垂れ量推定ステップ)、垂れインキ26のインキ量の推定値Qddが所定量Qdd0よりも大きくなる(Qdd>Qdd0)毎にブロワ10から噴射される圧縮空気により、垂れインキ26がインキローラ群14に移送される。
したがって、本変形例にかかるインキ供給装置によれば、印刷物の色調あるいは濃度に大きな影響を与えない程度の状態であることを推定した上で、エアコンプレッサ17を制御して垂れインキ26を処理するので、垂れインキ26の過度な成長を確実に防止できるとともに、エアコンプレッサ17の不要な作動を低減することができるという利点もある。
なお、垂れインキ26を形成するインキは、直近のインキ元ローラ12から発生したインキミストに由来するものの比率が高いものと考えられるため、印刷絵柄の画線率(紙面に対するインキ転写部分の割合)が大きい領域のみ極端に垂れインキ26のインキ量が多くなることがある。
本変形例において、インキ垂下量推定部41bをインキ供給単位幅毎の垂れインキ26のインキ量を推定するように構成し、他のインキ供給単位幅と比較して極端に垂れインキ26のインキ量の推定値が大きい印刷幅領域に対応するブロワ10のみを作動させるように構成してもよい。
例えば、印刷装置6により、印刷幅方向に4ページ分の新聞紙面が並列して印刷される場合において、例えば、特定のページのみが高画線率の絵柄である場合等、当該ページのインキの使用量が極端に大きいような場合には、特定のページに対応する位置に配設されたブロワ10のみ送風を行うようにエアコンプレッサ17を制御するように構成してもよい。
[第2実施形態]
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、インキ送還手段の構成を除いて上述の第1実施形態と同様に構成されており、第1実施形態と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。
図8,図9に示すように、本実施形態では、第1実施形態のブロワに替わってインキ送還手段として、インキ送還装置31を有している。
インキ送還装置31は、印刷幅方向に所定の間隔で全方向に回転自在に取り付けられた複数のボール部材(インキ垂れ移送手段,回転部材)32を有している。
インキ送還装置31は、インキレールユニット20の下端部分24の下方で且つ垂れインキ26よりもインキ元ローラ12から遠い位置(通常位置)に配置されており、図示しないアクチュエータにより、所定時間だけ、ボール部材32がインキ元ローラ12と接触する位置(インキ移送位置)まで移動可能に構成されている。なお、アクチュエータは制御装置40により制御されるように構成されており、第1実施形態における圧縮空気の噴射と、インキ送還装置31のインキ移動位置までの移動とが対応するようになっている。
即ち、インキ送還装置31がインキ移送位置まで移動することにより、垂れインキ26をインキ元ローラ12側に移送させることができるようになっている。
本発明の第2実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置は上述のように構成されているので、新聞輪転機50の運転中において所定時間t1毎にインキ送還装置31のボール部材32が垂れインキ26をインキ元ローラ12の周面に移送させることになる。
このように、本実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置によれば、垂れインキ26がインキミストの付着により成長し、垂れインキ26のインキの量が過量となる前に、インキ移送装置31が垂れインキ26をインキ元ローラ12に押し付けることとなるので、刷版に供給されるインキの量の急激に変化することを防止して、インキの量の急激に変化によりウェブWに転写される印刷絵柄の色調又は濃度の変化を抑制して損紙の発生を抑制することができる。
即ち、垂れインキ26のインキの量が、インキ搬送経路に送還しても、ウェブWに転写される印刷絵柄の色調または濃度の変化に対して無視できる程度に小さい状態において、インキ送還装置31により垂れインキ26をインキ元ローラ12側に強制的に取り込ませてインキを送還するので、垂れインキ26によるウェブWの濃度変化を無視できる程度に抑制することができ、印刷物の色調品質を安定化させることができる。
なお、インキ送還装置31のボール部材32が印刷幅方向に所定の間隔を有しているが、垂れインキ26の粘性により十分に隣接するボール部材32の間にあるインキをインキ元ローラ12側に移送させることができる。
また、インキ垂れ移送手段として、全方向に回転自在な球形のボール部材32を用いているのでインキ元ローラ12とボール部材32とが接触する面積を最小限にするとともに、ボール部材32の接触によるインキ元ローラ12の周面上のインキ膜に与える影響を最小限に留めることができ、より効果的に印刷物の色調品質を安定化させることができる。
なお、インキ垂れ移送手段としては、ボール部材32の替わりに、インキ元ローラの回転軸と平行な回転軸を中心に回転自在に構成され、インキ元ローラ12に従動する円筒形のローラ(シリンダ)部材を用いても同様の効果を得ることができる。このローラ部材は印刷可能幅の全幅に亘って一体に構成してもよく、印刷幅方向に複数分割して構成してもよい。
[第3実施形態]
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。なお本実施形態は、上述の第1実施形態とほぼ同様に構成されており、第1実施形態と同様のものについては説明を省略し、同符号を用いて説明する。
図10に示すように、本実施形態では、第1実施形態のブロワに替わってインキ送還ローラ(インキ送還手段,回転部材)33を有している。
インキ送還ローラ33は、ギャップGの入口近傍に設けられ、インキ元ローラ12の回転中心に平行な線を回転中心として回転自在に支持されたローラであり、図11に示すように、インキ送還ローラ33の印刷幅方向の長さは印刷可能幅の全幅に亘るように構成されている。
なお、インキ送還ローラ33は、印刷幅方向に複数分割してそれぞれが独自に回転自在となるように構成してもよい。例えば、各インキレール21の印刷幅方向の配置位置に対応してインキ送還ローラ33を印刷幅方向に4つに分割してもよい。
また、インキ送還ローラ33はインキレールユニット20の下端部分24から所定の距離Lだけ下方に配設されており、インキ元ローラ12に対して僅かな隙間Sを有して近接している。
なお、所定の長さL及び隙間Sは、垂れインキ26のインキが過度に成長して、ギャップG側に取り込まれることが無いように予め実験などによって設定された長さである。
本発明の第3実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置は上述のように構成されているので、垂れインキ26がインキミストの付着により成長し、所定の長さLに達すると、インキ送還ローラ33の周面に付着してインキ送還ローラ33の周面上にインキ膜を形成する。
その後、インキ元ローラ12上に形成されているインキ膜と、インキ送還ローラ33の周面上に形成されているインキ膜との膜厚の合計が隙間Sに達すると(即ち、インキ元ローラ12上に形成されているインキ膜と、インキ送還ローラ33の周面上に形成されているインキ膜とが接触する)、インキ送還ローラ33がインキ元ローラ12の回転に従動して回転し、インキ送還ローラ33の周面上のインキがインキ搬送経路としてのインキ元ローラ12側に送還される。
このように、本発明の第3実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置によれば、エアコンプレッサやアクチュエータ等の動力源を備えることなく、垂れインキ26を形成するインキの量が過量となることを防止して、ウェブWに転写される印刷絵柄の色調又は濃度の変化を抑制して損紙の発生を抑制することができる。
また、インキ送還ローラ33がインキレールユニット20の下端部分から距離Lだけ下方に設置されるとともに、インキ元ローラ12と隙間Sを有しているので、垂れインキ26のインキ量が十分に少ない状態では、インキ元ローラ12とインキ送還ローラ33とが接触することなく、インキ元ローラ12に不要に接触することによってインキ元ローラ12の周面に形成されるインキ膜厚に影響を与えることを最小限に抑えることができる。
ただし、インキ元ローラ12とインキ送還ローラ33との接触による影響が無視できる場合には、インキ元ローラ12とインキ送還ローラ33とが常時接触するように構成してもよい。インキ元ローラ12とインキ送還ローラ33とが常時接触することにより、垂れインキ26やインキ送還ローラ33に直接付着するインキミストを連続的に取り込ませる事ができるので、印刷中におけるインキ供給量の変動を効果的に抑制することができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態においては、いずれも印刷機として新聞印刷を行う新聞輪転機を例に説明したが、印刷機としては、商業用のオフセット輪転印刷機や枚葉紙に印刷を行う枚葉印刷機であっても本発明を好適に適用可能である。
各実施形態及び変形例は、可能である限り適宜組み合わせて構成してもよい。例えば、第1実施形態の変形例と、第2実施形態とを組み合わせて、垂れインキのインキ量の推定値が所定量に達したときにインキ送還装置をインキ元ローラ側へ移動させるように構成してもよい。
なお、上述の実施形態では、インキレールユニットの下端部分をインキ垂れ部材として説明したが、インキミストの付着堆積によってインキが垂下して垂れインキが形成され、垂れインキの過度な成長により垂れインキがインキ搬送経路を搬送するインキの供給量ひいては印刷物の色調又は濃度に影響を与えるようなものであれば、どのような部材をインキ垂れ部材として本発明を適用してもよい。さらに、インキ垂れ部材は1つのインキ供給装置につき1つの部材に限定するものではなく複数の部材をインキ垂れ部材としてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、その要部構成を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、印刷機の概略構成を示す模式的な側面図である。 本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、図1のX−X矢視図を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、図1の要部構成をより詳細に示す部分拡大図である。 本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、(a)〜(c)はいずれもブロワの構成を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、印刷手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態の変形例にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、その要部構成を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、図8のY矢視図を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、その要部構成を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる印刷機のインキ供給装置及び方法を説明するためのものであって、図10のZ矢視図を模式的に示す図である。 印刷機にそなえられるインキ供給装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 給紙部
2 インフィード部
3 印刷部
4 ウェブパス部
5 折加工部
6 印刷装置
10 ブロワ(インキ送還手段,インキ垂れ移送手段,送風装置)
10a 仕切り壁
10b,10d 噴射口
10c 空気供給パイプ
11 インキング装置(インキ供給源)
12 インキ元ローラ
13 版胴
14 インキローラ群(インキ搬送経路)
14a〜14i インキローラ
15 デジタルインキポンプ(DIP)
16 配管
17 エアコンプレッサ
18 配気管
20 インキレールユニット(覆い部材,インキ垂れ部材)
21 インキレール
22 インキ元ローラ対向面
23 インキ均しブレード
24 インキレールユニットの下端部分
26 垂れインキ
31 インキ送還装置(インキ送還手段)
32 ボール部材(インキ垂れ移送手段)
33 インキ送還ローラ(インキ送還手段)
40,41 制御装置
41a インキ供給量積算部
41b インキ垂下量推定部(インキ垂れ量推定手段)
41c エアコンプレッサ制御部
50 新聞輪転機(印刷機)
W ウェブ(印刷物)

Claims (12)

  1. 印刷機にそなえられるインキ供給装置であって、
    インキ元ローラと、
    上記インキ元ローラに対してインキを供給するインキ供給源と、
    上記インキ元ローラとともに、上記インキ供給源から供給されたインキのインキ搬送経路を形成する複数のインキローラと、
    上記インキ搬送経路から発生するインキミストの付着堆積により垂れインキが形成されるインキ垂れ部材と、
    上記インキ垂れ部材に形成された上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還するインキ送還手段と、を有している
    ことを特徴とする、印刷機のインキ供給装置。
  2. 上記インキ垂れ部材は、
    上記インキ供給源の一部をなし、上記インキ元ローラの周面の一部に沿うように近接して形成される覆い部材であって、
    上記インキ送還手段は、上記覆い部材の下端部分から垂下する上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと送還するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の印刷機のインキ供給装置。
  3. 上記インキ送還手段は、
    上記インキ元ローラの軸方向に所定の間隔を有して並列配置され、上記垂れインキを上記インキ搬送経路側に移送させる複数のインキ垂れ移送手段を有している
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の印刷機のインキ供給装置。
  4. 上記インキ送還手段は、予め定められた所定の時間毎に、上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと送還するように構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機のインキ供給装置。
  5. 上記インキ垂れ部材から垂下している上記垂れインキのインキ量を推定するインキ垂れ量推定手段を有し、
    上記インキ送還手段は、上記インキ垂れ量推定手段により推定される上記垂れインキのインキ量が予め設定された所定のインキ量に達すると、上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと送還する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の印刷機のインキ供給装置。
  6. 上記インキ送還手段は、上記垂れインキに対して上記インキ搬送経路側に向けて空気を送り込む送風装置を有して構成されている
    ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の印刷機のインキ供給装置。
  7. 上記インキ送還手段は、上記インキ垂れ部材の近傍に回転自在に設けられ、上記垂れインキを上記インキローラ側へと送還させる回転部材を有している
    ことを特徴とする、請求項1〜5記載の印刷機のインキ供給装置。
  8. インキを用いて印刷を行う印刷機のインキ供給方法であって、
    上記印刷機を運転する際に上記印刷機のインキ元ローラにインキを供給するインキ供給ステップと、
    上記インキ供給ステップ実行中、上記インキ元ローラとともにインキのインキ搬送経路を形成する複数のインキローラから発生するインキミストの継続的な付着によりインキが垂下する垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還するインキ送還ステップと、を有している
    ことを特徴とする、印刷機のインキ供給方法。
  9. 上記インキ送還ステップでは、予め定められた所定の時間毎に上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還する
    ことを特徴とする、請求項8記載の印刷機のインキ供給方法。
  10. 上記インキ供給ステップ実行中、上記垂れインキのインキ量を推定するインキ垂れ量推定ステップを有し、
    上記インキ送還ステップでは、
    上記インキ垂れ量推定ステップにより推定された上記垂れインキのインキ量が予め設定された所定のインキ量に達する毎に上記垂れインキを上記インキ搬送経路へと強制的に送還する
    ことを特徴とする、請求項8記載の印刷機のインキ供給方法。
  11. 上記インキ送還ステップでは、
    上記垂れインキに対して送風することにより上記垂れインキを上記インキ搬送経路側に吹きとばす
    ことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1項に記載の印刷機のインキ供給方法。
  12. 上記インキ送還ステップでは、
    回転自在な回転部材により、上記垂れインキを上記インキ搬送経路に接触させることにより、上記垂れインキを上記インキ搬送経路に送還させる
    ことを特徴とする、請求項8〜10記載の印刷機のインキ供給方法。
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