JP2009220361A - 印刷機の湿し装置および印刷機 - Google Patents

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Abstract

【課題】損紙の発生を低減できる印刷機の湿し装置および印刷機を提供すること。
【解決手段】この印刷機の湿し装置50は、湿しローラ54を介してインキ揺動ローラ41および版胴30の双方に湿し水を供給するITD方式と、湿しローラ54を介して版胴30にのみ湿し水を供給するAD方式とを切り替えることができる。また、この印刷機の湿し装置では、印刷機の立ち上げ時にて、ITD方式により運転が行われる。また、その後にITD方式からAD方式に切り替えられて運転が行われる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、印刷機の湿し装置および印刷機に関し、さらに詳しくは、損紙の発生を低減できる印刷機の湿し装置および印刷機に関する。
近年の印刷機の湿し装置では、湿しローラを介してインキ揺動ローラおよび版胴の双方に湿し水を供給するITD方式と、湿しローラを介して版胴にのみ湿し水を供給するAD方式とを選択可能な構成が採用されている。かかる構成を採用する従来の湿し装置として、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開平8−207256号公報
ここで、従来の湿し装置では、印刷機の運転開始時にてITD方式あるいはAD方式のいずれか一方のみが選択されて運転が行われている。また、印刷機では、損紙を低減すべき課題がある。
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、損紙の発生を低減できる印刷機の湿し装置および印刷機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、湿しローラを介してインキ揺動ローラおよび版胴の双方に湿し水を供給するITD方式と、湿しローラを介して版胴にのみ湿し水を供給するAD方式とを切り替え得る印刷機の湿し装置であって、印刷機の立ち上げ時にてITD方式により運転が行われると共に、その後にITD方式からAD方式に切り替えられて運転が行われることを特徴とする。
この湿し装置では、印刷機の立ち上げ時にてITD方式により運転が行われることにより、湿し水がインキ揺動ローラに供給されて乳化インキの形成が促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生が低減される利点がある。また、その後にITD方式からAD方式に切り替えられて運転が行われることにより、湿し水の供給量が低減されてインキの過乳化が抑制される。これにより、印刷機の運転時におけるインキ飛びの発生が抑制される利点がある。また、印刷機の運転時にて、インキがインキ揺動ローラを経由して湿し装置に戻る事態が防止されるので、湿し水の汚れが抑制される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、印刷機の運転開始から正紙印刷の開始前まではITD方式により運転が行われると共に、正紙印刷時にてAD方式により運転が行われる。
この湿し装置では、印刷機の運転開始から正紙印刷の開始前までITD方式により運転が行われることにより、湿し水がインキ揺動ローラに供給されて乳化インキの形成が促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生が低減される利点がある。また、正紙印刷時にてAD方式により運転が行われることにより、湿し水の供給量が低減されてインキの過乳化が抑制される。これにより、印刷機の運転時におけるインキ飛びの発生などが抑制される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、紙継ぎにより連続的にウェブが供給されるときに、紙継時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われる。
この湿し装置では、紙継時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われることにより、紙継ぎとITD方式からAD方式への切り替えとが別個に行われる構成と比較して、全体としての損紙の発生量が低減される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、正紙印刷時にて版胴の洗浄が行われるときに、前記版胴の洗浄時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われる。
この湿し装置では、版胴の洗浄時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われることにより、版胴の洗浄とITD方式からAD方式への切り替えとが別個に行われる構成と比較して、全体としての損紙の発生量が低減される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、インキの乳化率を測定する乳化率センサを有すると共に、前記乳化率センサの出力結果に基づいてITD方式からAD方式への切り替えが行われる。
この湿し装置では、インキの乳化率に応じてITD方式からAD方式への切り替えが行われるので、インキの過乳化が効果的に抑制される。これにより、印刷機の運転時におけるインキ飛びの発生などが効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、インキの乳化率が所定の上限値以上のときにITD方式からAD方式への切り替えが行われると共に、インキの乳化率が所定の下限値以下のときにAD方式からITD方式へ切り替えが行われる。
この湿し装置では、運転時におけるインキの乳化率の変動に応じて、ITD方式あるいはAD方式が適正に選択される。これにより、インキの乳化率が適正化されて、印刷物の品質が適正に確保される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、印刷機の運転開始後かつ正紙印刷前にインキ量調整あるいは色調整が行われるときに、印刷機の運転開始時にはITD方式により運転が行われると共に、インキ量調整時あるいは色調整時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われる。
この湿し装置では、インキ量調整時あるいは色調整時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われることにより、正紙運転時にて印刷物のインキ量および色に変動が生じる事態が防止される。これにより、印刷物の品質が確保される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、湿し水が湿し元ローラおよび調量ローラを介して前記湿しローラに供給されるときに、AD方式での運転時にて、前記湿しローラの回転数を減少させ、あるいは、前記湿し元ローラと前記調量ローラとのニップ巾を増加させる。
この湿し装置では、AD方式での運転時にて、版胴への湿し水の供給量が低減されて、インキの過乳化がさらに抑制される。これにより、印刷機の運転時におけるインキ飛びの発生などがさらに抑制される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機の湿し装置は、湿し水が湿し元ローラおよび調量ローラを介して前記湿しローラに供給されるときに、ITD方式での運転時にて、前記湿しローラの回転数を増加させ、あるいは、前記湿し元ローラと前記調量ローラとのニップ巾を減少させる。
この湿し装置では、ITD方式での運転時にて、版胴への湿し水の供給量が増加されて、インキの乳化がさらに促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生がさらに低減される利点がある。
また、この発明にかかる印刷機は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の印刷機の湿し装置を有することを特徴とする。
この発明にかかる印刷機の湿し装置では、印刷機の立ち上げ時にてITD方式により運転が行われることにより、湿し水がインキ揺動ローラに供給されて乳化インキの形成が促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生が低減される利点がある。また、その後にITD方式からAD方式に切り替えられて運転が行われることにより、湿し水の供給量が低減されてインキの過乳化が抑制される。これにより、印刷機の運転時におけるインキ飛びの発生が抑制される利点がある。また、印刷機の運転時にて、インキがインキ揺動ローラを経由して湿し装置に戻る事態が防止されるので、湿し水の汚れが抑制される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる印刷機の湿し装置を示す構成図である。図2および図3は、図1に記載した湿し装置の作用を示す説明図である。図4〜図9は、図1に記載した湿し装置の具体例を示す説明図である。図10は、図1に記載した湿し装置を備える印刷機を示す構成図である。
[印刷機]
図10に示す印刷機10は、オフセット輪転印刷機であり、給紙装置11と、インフィード装置12と、印刷装置13と、乾燥装置14と、冷却装置15と、ウェブパス装置16と、折り装置17と、排紙装置18とにより構成される。
給紙装置11は、2つの巻取体(ウェブロール)を支持するためのリールスタンドを有する。この給紙装置11は、一方の巻取体のウェブを他方の巻取体のウェブに接続することにより、後方の装置12〜18に対して連続的にウェブWを供給できる。インフィード装置12は、給紙装置11のウェブWを印刷装置13側に供給する装置である。印刷装置13は、例えば、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(yellow)および墨(Black)を出力する印刷ユニット22〜25を有し、これらの印刷ユニット22〜25がウェブWの走行方向に沿って配置されて構成される。乾燥装置14は、印刷装置13により印刷が施されたウェブW上のインキを乾燥させる装置である。冷却装置15は、乾燥装置14での乾燥により高温となったウェブを冷却する装置である。ウェブパス装置16は、乾燥されて冷却されたウェブWを搬送する装置である。折り装置17は、ウェブWを縦折りして裁断し、所定の大きさに折り畳んで折帳を形成する装置である。排紙装置18は、折り畳まれた折帳を機外へ搬出する装置である。
この印刷機10では、まず、ウェブWが給紙装置11により巻取体から引き出され、インフィード装置12を介して印刷装置13に供給される。次に、印刷装置13の各印刷ユニット22〜25により多色印刷がウェブWに施される。次に、このウェブWが乾燥装置14に送られてインキの乾燥処理が行われる。次に、ウェブWが冷却装置15に送られて冷却された後、ウェブパス装置16を経て折り装置17に搬送される。そして、このウェブWが折り装置17にて折り畳まれて折帳となり、この折帳が排紙装置18により機外へ搬出される。
[印刷機の湿し装置]
印刷機10の各印刷ユニット22〜25は、版胴30と、インキング装置40と、湿し装置50とをそれぞれ有する(図1参照)。版胴30には、版板31が装着される。インキング装置40は、インキ揺動ローラ41と、複数のインキ着ローラ42とを有する。このインキング装置40は、インキ揺動ローラ(往復ローラ)41および複数のインキ着ローラ42を介して版板31の画線部(絵柄)にインキを供給する。
湿し装置50は、湿し水槽51と、湿し元ローラ(水元ローラ)52と、調量ローラ(クロムローラ)53と、湿しローラ(水着けローラ)54とを有する。この湿し装置50は、インキの移転を防止するために、版板31の非画線部に湿し水を供給する。具体的には、湿し水槽51の湿し水が湿し元ローラ52により取り出され、調量ローラ53および湿しローラ54を介して版板31の非画線部に供給される。
また、この湿し装置50は、偏芯軸受機構(図示省略)により湿しローラ54を偏芯させて、湿しローラ54とインキ揺動ローラ41との接触状態(着脱状態)を切り替え得る(切替式湿し装置)(図1および図2参照)。なお、この実施例では、偏芯軸受機構のアクチュエータとしてエアシリンダが用いられている(図示省略)。また、湿しローラ54とインキ揺動ローラ41との着脱状態の切り替え時にて、湿しローラ54が総ねじシャフトを介してモータで駆動されることにより、切り替え時のショックが緩和されている(図示省略)。
ここで、湿し水が湿しローラ54を介してインキ揺動ローラ41および版胴30の双方に供給される方式をITD方式(乳化ダンプニング方式)と呼ぶ。このITD方式では、湿しローラ54とインキ揺動ローラ41とが接触状態にあるため、湿し水がインキ揺動ローラ41に供給されて乳化インキの形成が促進される。一方、湿し水が湿しローラ54を介して版胴30にのみに供給される方式をAD方式(フィルムダンプニング方式)と呼ぶ。このAD方式では、湿しローラ54とインキ揺動ローラ41とが非接触状態にあるため、湿し水が版胴30にのみ供給される。このため、湿し水の供給量が低減されてインキの過乳化が抑制される。
[運転時におけるITD方式とAD方式との切り替え]
この湿し装置50では、印刷機10の立ち上げ時にてITD方式により運転が行われ(図1参照)、その後にITD方式からAD方式に切り替えられて運転が行われる(図2参照)。かかる構成では、印刷機10の立ち上げ時にてITD方式により運転が行われることにより、湿し水がインキ揺動ローラ41に供給されて乳化インキの形成が促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生が低減される利点がある(図3参照)。また、その後にITD方式からAD方式に切り替えられて運転が行われることにより、湿し水の供給量が低減されてインキの過乳化が抑制される。これにより、印刷機10の運転時におけるインキ飛びの発生が抑制される利点がある。また、印刷機10の運転時にて、インキがインキ揺動ローラ41を経由して湿し装置に戻る事態が防止されるので、湿し水の汚れが抑制される利点がある。
[運転プロセスの具体例1]
この湿し装置50では、具体的には、以下のような運転プロセスが採用され得る(図4参照)。印刷機(M/C)10の運転時には、まず、インキ量調整および色調整が行われる。このとき、印刷機10の回転数が低回転数に設定される。次に、印刷機が高回転数まで加速されて、正紙印刷が行われる。また、正紙印刷中にブラン洗浄が行われる場合には、印刷機10の回転数が一時的に低回転数に設定される。
ここで、印刷機10の運転開始から正紙印刷の開始前まではITD方式により運転が行われ、正紙印刷時にてAD方式により運転が行われることが好ましい(図4参照)。かかる構成では、印刷機10の運転開始から正紙印刷の開始前までITD方式により運転が行われることにより、湿し水がインキ揺動ローラ41に供給されて乳化インキの形成が促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生が低減される利点がある(図3参照)。また、正紙印刷時には、印刷機の回転数が高回転数となるため、ITD方式のままでは版胴への湿し水の供給量が過剰となり易い。そこで、正紙印刷時にてAD方式により運転が行われることにより、湿し水の供給量が低減されてインキの過乳化が抑制される。これにより、印刷機10の運転時におけるインキ飛びの発生などが抑制される利点がある。
例えば、この実施例では、印刷機10が運転開始から高回転数に加速されるまで、ITD方式により運転が行われている(図3参照)。より具体的には、印刷機10の回転数が所定の回転数となるまで或いはオペレータが正紙印刷への切り替えスイッチを押すまで、ITD方式により運転が行われている。そして、その後にITD方式からAD方式への切り替えが行われている。
また、上記の構成では、AD方式での運転時にて、湿しローラ54の回転数を減少させ、あるいは、湿し元ローラ52と調量ローラ53とのニップ巾を増加させることが好ましい(図5参照)。かかる構成では、AD方式での運転時にて、版胴30への湿し水の供給量が低減されて、インキの過乳化がさらに抑制される。これにより、印刷機10の運転時におけるインキ飛びの発生などがさらに抑制される利点がある。
例えば、この実施例では、印刷機10の回転数が加速されてITD方式からAD方式に運転が切り替えられるときに、湿しローラ54の回転数が所定回転数まで減少されている(図5参照)。したがって、正紙印刷時には、湿しローラ54がITD方式とAD方式との切り替え時よりも低回転数にて運転されている。
また、上記の構成では、ITD方式での運転時にて、湿しローラ54の回転数を増加させ、あるいは、湿し元ローラ52と調量ローラ53とのニップ巾を減少させることが好ましい(図示省略)。かかる構成では、ITD方式での運転時にて、版胴30への湿し水の供給量が増加されて、インキの乳化がさらに促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生がさらに低減される利点がある。
なお、これらの変形例は、後述する運転プロセスの具体例2〜5においても同様に適用され得る。
[運転プロセスの具体例2]
また、この湿し装置50では、紙継ぎにより連続的にウェブが供給されるときに、紙継時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われても良い(図6参照)。すなわち、紙継ぎ時には、ペースティングにより印刷物の色彩が変化し易いため、損紙が発生するおそれがある。また、ITD方式からAD方式への切り替え時にも、印刷物の色彩が変化し易いため、損紙が発生するおそれがある。そこで、紙継時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われることにより、紙継ぎとITD方式からAD方式への切り替えとが別個に行われる構成と比較して、全体としての損紙の発生量が低減される利点がある。
例えば、この実施例では、印刷機10の立ち上げ時にてITD方式による運転が行われている(図6参照)。そして、正紙印刷時にて紙継ぎが行われるときに、併せてITD方式からAD方式への切り替えが行われている。これにより、全体としての損紙の発生量が低減されている。また、印刷機10の運転開始から最初の紙継時にて、ITD方式からAD方式への切り替えが行われている。初回の紙継ぎ時(印刷機10の運転開始から20分程度)までは、印刷機10が高回転数にて稼働していてもインキの過乳化が生じ難いので、ITD方式による運転が行われてもインキ飛びの発生などが生じ難いためである。
[運転プロセスの具体例3]
また、この湿し装置50では、正紙印刷時にて版胴30の洗浄が行われるときに、この版胴30の洗浄時(ブラン洗浄時)にてITD方式からAD方式への切り替えが行われても良い(図7参照)。すなわち、版胴30の洗浄時には、損紙が発生する。また、ITD方式からAD方式への切り替え時にも、印刷物の色彩が変化し易いため、損紙が発生するおそれがある。そこで、版胴30の洗浄時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われることにより、版胴の洗浄とITD方式からAD方式への切り替えとが別個に行われる構成と比較して、全体としての損紙の発生量が低減される利点がある。また、版胴30にインキが残存している状態では、インキの過乳化が発生している可能性が高い。したがって、版胴30の洗浄後にAD方式による運転が行われることにより、版胴30への湿し水の供給量が低減されて、インキの過乳化が効果的に抑制される利点がある。
例えば、この実施例では、正紙印刷時にてオペレータの判断により版胴30の洗浄が行われている(図7参照)。具体的には、使用されたウェブWの本数などに基づいて、版胴30の洗浄時期が判断されている。版胴30の洗浄時には、印刷機10の回転数が低回転数に減速される。このときに、ITD方式からAD方式への切り替えが行われている。なお、版胴30の洗浄時には、異速洗浄プログラムが採用されており、版胴30の回転数と印刷機10の回転数(ウェブWの走行速度)とが異なるように設定されている。
[運転プロセスの具体例4]
また、この湿し装置50では、インキの乳化率を測定する乳化率センサ(図示省略)が設けられ、この乳化率センサの出力結果に基づいてITD方式からAD方式への切り替えが行われても良い(図8参照)。乳化率センサは、例えば、調量ローラ53に設置される。かかる構成では、インキの乳化率に応じてITD方式からAD方式への切り替えが行われるので、インキの過乳化が効果的に抑制される。これにより、印刷機10の運転時におけるインキ飛びの発生などが効果的に抑制される利点がある。
また、上記の構成では、インキの乳化率が所定の上限値以上のときにITD方式からAD方式への切り替えが行われ、また、インキの乳化率が所定の下限値以下のときにAD方式からITD方式へ切り替えが行われることが好ましい(図8参照)。かかる構成では、運転時におけるインキの乳化率の変動に応じて、ITD方式あるいはAD方式が適正に選択される。これにより、インキの乳化率が適正化されて、印刷物の品質が適正に確保される利点がある。
例えば、この実施例では、印刷機10の立ち上げ時にてITD方式による運転が行われている(図8参照)。そして、正紙印刷時にてインキの乳化率が所定の上限値(例えば、15%)以上となると、ITD方式からAD方式への切り替えが行われる。また、このAD方式での運転時にてインキの乳化率が所定の下限値(例えば、8%)以下となると、AD方式からITD方式への切り替えが行われる。さらに、このITD方式での運転時にてインキの乳化率が所定の上限値以上となると、ITD方式からAD方式への切り替えが再び行われる。このように、インキの乳化率の変動に応じてITD方式あるいはAD方式が選択されることにより、インキの乳化率が適正化されている。
[運転プロセスの具体例5]
また、この湿し装置50では、印刷機10の運転開始後かつ正紙印刷前にインキ量調整あるいは色調整が行われる。このとき、印刷機10の運転開始時にはITD方式により運転が行われ、また、インキ量調整時あるいは色調整時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われても良い(図9参照)。正紙運転時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われると、印刷物のインキ量および色に変動が生じるおそれがある。そこで、インキ量調整時あるいは色調整時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われることにより、正紙運転時にて印刷物のインキ量および色に変動が生じる事態が防止される。これにより、印刷物の品質が確保される利点がある。また、印刷機10の運転開始時にてITD方式により運転が行われることにより、乳化インキの形成が促進される。これにより、印刷可能な状態が早期に形成されて、損紙の発生が低減される利点がある(図3参照)。
例えば、この実施例では、まず、印刷機10が運転開始から所定の低回転数に加速されるまで、ITD方式による運転が行われている(図9参照)。次に、インキ量調整および色調整が行われるときに、ITD方式からAD方式への切り替えが行われている。そして、印刷機10の回転数が加速されて正紙印刷が開始された後も、AD方式による運転が継続して行われている。
以上のように、この発明にかかる印刷機の湿し装置および印刷機は、損紙の発生を低減できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる印刷機の湿し装置を示す構成図である。 図1に記載した湿し装置の作用を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置の作用を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置の具体例を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置の具体例を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置の具体例を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置の具体例を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置の具体例を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置の具体例を示す説明図である。 図1に記載した湿し装置を備える印刷機を示す構成図である。
符号の説明
10 印刷機
11 給紙装置
12 インフィード装置
13 印刷装置
14 乾燥装置
15 冷却装置
16 ウェブパス装置
17 折り装置
18 排紙装置
22 印刷ユニット
30 版胴
31 版板
40 インキング装置
41 インキ揺動ローラ
42 インキ着ローラ
50 湿し装置
51 湿し水槽
52 湿し元ローラ
53 調量ローラ
54 湿しローラ
W ウェブ

Claims (10)

  1. 湿しローラを介してインキ揺動ローラおよび版胴の双方に湿し水を供給するITD方式と、湿しローラを介して版胴にのみ湿し水を供給するAD方式とを切り替え得る印刷機の湿し装置であって、
    印刷機の立ち上げ時にてITD方式により運転が行われると共に、その後にITD方式からAD方式に切り替えられて運転が行われることを特徴とする印刷機の湿し装置。
  2. 印刷機の運転開始から正紙印刷の開始前まではITD方式により運転が行われると共に、正紙印刷時にてAD方式により運転が行われる請求項1に記載の印刷機の湿し装置。
  3. 紙継ぎにより連続的にウェブが供給されるときに、紙継時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われる請求項1に記載の印刷機の湿し装置。
  4. 正紙印刷時にて版胴の洗浄が行われるときに、前記版胴の洗浄時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われる請求項1に記載の印刷機の湿し装置。
  5. インキの乳化率を測定する乳化率センサを有すると共に、前記乳化率センサの出力結果に基づいてITD方式からAD方式への切り替えが行われる請求項1に記載の印刷機の湿し装置。
  6. インキの乳化率が所定の上限値以上のときにITD方式からAD方式への切り替えが行われると共に、インキの乳化率が所定の下限値以下のときにAD方式からITD方式へ切り替えが行われる請求項5に記載の印刷機の湿し装置。
  7. 印刷機の運転開始後かつ正紙印刷前にインキ量調整あるいは色調整が行われるときに、印刷機の運転開始時にはITD方式により運転が行われると共に、インキ量調整時あるいは色調整時にてITD方式からAD方式への切り替えが行われる請求項1に記載の印刷機の湿し装置。
  8. 湿し水が湿し元ローラおよび調量ローラを介して前記湿しローラに供給されるときに、
    AD方式での運転時にて、前記湿しローラの回転数を減少させ、あるいは、前記湿し元ローラと前記調量ローラとのニップ巾を増加させる請求項1〜7のいずれか一つに記載の印刷機の湿し装置。
  9. 湿し水が湿し元ローラおよび調量ローラを介して前記湿しローラに供給されるときに、
    ITD方式での運転時にて、前記湿しローラの回転数を増加させ、あるいは、前記湿し元ローラと前記調量ローラとのニップ巾を減少させる請求項1〜8のいずれか一つに記載の印刷機の湿し装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一つに記載の印刷機の湿し装置を有することを特徴とする印刷機。
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