JP2009189998A - 変性イオン交換樹脂およびビスフェノール類の製造方法 - Google Patents

変性イオン交換樹脂およびビスフェノール類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フェノール類とケトン類とを反応させるビスフェノール類の製造において、触媒活性および選択性の高い変性強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂触媒を提供すること。
【解決手段】本発明の変性イオン交換樹脂は、強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂が、下記式(1)で表される化合物Aと、該化合物A 1.0当量に対して0〜0.08当量の
下記式(2)で表される化合物Bとにより変性されている。
Figure 2009189998

[式中、Rは炭素数が3〜6のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素鎖中にジスルフィド結合が存在してもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、変性イオン交換樹脂およびビスフェノール類の製造方法に関する。より詳しくは、フェノール類とケトン類とを反応させてビスフェノール類を製造する際に用いられる変性強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂触媒および該触媒を用いたビスフェノール類の製造方法に関する。
ビスフェノールA[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン]は、通常、フェノールおよびアセトンを均一酸または固体酸触媒の存在下に反応させることにより製造されている。前記反応後の反応混合物には、ビスフェノールA以外に、未反応アセトン、未反応フェノール、反応生成水および他の反応副生物が含まれている。副生物の主な成分は、2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「o,p’−BPA」と称する。)であり、他にトリスフェノール、ポリフェノール化合物、クロマン化合物、および着色原因となる微量不純物等がある。
前記固体酸触媒としては、主にスルホン酸型陽イオン交換樹脂が用いられる。ビスフェノールAの生成反応は、本質的には酸触媒のみで進行するが、このような固体酸触媒を用いると、触媒粒子表面から触媒上の活性点へアセトンが到達する拡散過程が介在し、反応速度は均一系よりも低下する。そこで通常は、メルカプト基を含有する化合物を反応系内に共存させることにより、触媒活性および選択率を向上させる方法がとられる。
具体的には、スルホン酸型陽イオン交換樹脂を充填した固定床反応器に、原料であるフェノールおよびアセトンと共にアルキルメルカプタン等の遊離型のメルカプト基含有化合物を流通させる方法(特許文献1および特許文献2参照)、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部とメルカプト基含有化合物とを共有結合で結合させる方法、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部とメルカプト基含有化合物とをイオン結合で結合させる方法(特許文献3参照)がある。
スルホン酸型陽イオン交換樹脂を充填した固定床反応器に、原料であるフェノールおよびアセトンと共にアルキルメルカプタン等の遊離型のメルカプト基含有化合物を流通させる方法は、反応系に常に一定量のメルカプト基含有化合物を存在させることができるため、触媒劣化が小さいという利点がある。しかしながら、メルカプト基含有化合物がビスフェノールAの着色原因となる可能性があり、メルカプト基含有化合物の除去および回収を行う必要がある。
一方、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン酸基の一部にメルカプト基含有化合物を結合させる方法は、遊離型メルカプト基含有化合物を反応系に流通させる方法と比較して、メルカプト基含有化合物の損失が少ないこと、メルカプト基含有化合物を回収する必要がないことなどの利点がある。特に、特許文献2(メルカプト基含有化合物としてケイ素含有アルキルメルカプト化合物を使用)、特許文献4(メルカプト基含有化合物としてピリジルエタンチオールを使用)、特許文献5(メルカプト基含有化合物としてN,Nジ置換メルカプトアルキルアミンを使用)、特許文献6(メルカプト基含有化合物としてN,N,N−トリメチルメルカプトプロピルアンモニウムを使用)、および特許文献7(メルカプト基含有化合物として1,4−ジメルカプトアルキルピペリジンを使用)には、強酸性陽イオン交換樹脂に結合させるメルカプト基含有化合物の構造を改良することにより、アセトンの反応率を向上できることが記載されている。
このように、スルホン酸型陽イオン交換樹脂のスルホン基の一部にメルカプト基含有化合物を結合させる触媒の調製法において、メルカプト基含有化合物の製造に関する様々な技術が検討されている。しかしながら、アミノエタンチオールやピリジンエタンチオールなどの容易に入手可能なもの以外は、その製造において反応・分離工程が多く、高純度のものを得るには操作が煩雑なものが多い。仮にメルカプト基含有化合物中に不純物としてジカチオン性の化合物が存在すると、イオン交換樹脂(Ion Exchanging Resin (IER))触媒中で物質拡散を阻害し、活性を著しく低下させる可能性がある。
特に特許文献6に記載のメルカプト基含有化合物を使用すると、該化合物で変性された触媒の活性および選択性は高いが、高純度のメルカプト基含有化合物を得るには非常に煩雑な操作を行わなければならない。前記メルカプト基含有化合物を製造する際に混入または副生すると考えられるジカチオン性の不純物としては、N,N,N−トリメチルメルカプトプロピルアンモニウムの前駆体である(N,N,N−トリメチル−3−プロピルアンモニウム)ジスルフィドが挙げられる。また、原料の塩化N−(3−クロロプロピル)−N,N−ジメチルアンモニウムを工業的に製造する際の原料であるジハロゲノプロパンから誘導されるジカチオン性化合物、1,3−ビス(トリメチルアンモニオ)プロパンも考えられる。
上記ジカチオン性の不純物をまったく除去していないメルカプト基含有化合物を使用して調製したIER触媒は、高純度のメルカプト基含有化合物を使用して調製したIER触媒よりも活性が劣ると考えられる。そのため、触媒活性を維持できるメルカプト基含有化合物中の不純物含有量の閾値がわかれば、メルカプト基含有化合物合成の負荷が低減でき、ビスフェノール類の製造におけるコストダウンにつながる。
特公昭45−10337号公報 米国特許6414200号公報 特公昭46−19953号公報 特開昭57−35533号公報 特開平08−187436号公報 特開平08−089819号公報 特開平10−211433号公報
本発明は、フェノール類とケトン類とを反応させるビスフェノール類の製造において、触媒活性および選択性の高い変性強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂触媒、ならびに該触媒を用いたビスフェノール類の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂が、下記式(1)で表される化合物Aと、該化合物A 1.0当量に対し
て0〜0.08当量の下記式(2)で表される化合物Bとにより変性された変性イオン交換樹脂を触媒として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
Figure 2009189998
Figure 2009189998
上記式(2)中、Rは炭素数が3〜6のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素鎖中にジスルフィド結合が存在してもよい。
本発明によれば、高転化率および高選択率でビスフェノール類を製造することができ、また安全上、プロセス上および経済上著しく優位にビスフェノール類を生産することができる。
以下、本発明に係る変性イオン交換樹脂および該樹脂を触媒として用いたビスフェノール類の製造方法について詳細に説明する。
[変性イオン交換樹脂]
本発明の変性イオン交換樹脂は、強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂が、特定の化合物Aおよび特定の化合物Bにより変性されたものである。
<強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂>
本発明で用いられる変性前の強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂の例としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン基を導入したタイプのものや、ナフィオンなどのパーフルオロアルキルスルホン酸系の樹脂などが挙げられる。
市販品としては、例えば、レバチットK1221(ランクセス(株)製)、ダウエックス(ザダウケミカルカンパニー製)、アンバーライト(ローム・アンド・ハース・ジャパン(株)製)、ダイヤイオン(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
<化合物A>
上記化合物Aは下記式(1)で表される化合物である。
Figure 2009189998
上記化合物Aは、公知の製造方法、例えば特開平8−89819号公報に記載の方法により得ることができる。
<化合物B>
上記化合物Bは下記式(2)で表される化合物である。
Figure 2009189998
式(2)中、Rは炭素数が3〜6のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素鎖中にジスルフィド結合が存在してもよい。Rとしては、たとえば、−CH2−CH2−CH2
S−S−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−などが挙げられるが、これら以外でも構わない。
変性前の強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂を、上記化合物Aと、該化合物A 1.0
当量に対して0.08当量以下、好ましくは0.01〜0.06当量、より好ましくは0.03〜0.05当量の化合物Bとで変性することにより、変性イオン交換樹脂の触媒活性の低下を抑制することができる。
変性の方法は特には限定されない。簡便な方法として、例えば、化合物Aおよび化合物Bを、水や有機溶媒等の溶媒に溶かして液相中で変性前の強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂と接触させる方法などが挙げられる。従来公知の方法としては、特公昭46−19953号公報等に示されているような方法が挙げられる。
本発明の変性イオン交換樹脂の化合物Aおよび化合物Bによる変性率は、変性前の強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂中の全スルホン酸基の10〜40%であることが好ましく、10〜30%であることがより好ましい。これにより、酸量の減少による著しい活性低下を引き起こすことなく、変性の効果を最大限に発現させることができる。
イオン交換樹脂の酸量測定法は特に限定されず、一般的な酸性イオン交換樹脂の交換容量測定法により求めることができる。本発明では、乾燥樹脂0.2gを10%NaCl水溶液200ml中で1時間攪拌し、そのろ液の全量を0.05規定NaOH水溶液で滴定し、その滴定曲線から求めている。
[ビスフェノール類の製造方法]
本発明のビスフェノール類の製造方法は、フェノール類とケトン類とを、上述した本発明の変性イオン交換樹脂の存在下で反応させる。特に、ビスフェノールAの製造方法では、フェノールとアセトンとを上述した本発明のイオン交換樹脂の存在下で反応させる。
上記フェノール類としては、たとえば、フェノール、クレゾール、キシレノール、2,3,6−トリメチルフェノールおよびクロロフェノールなどが挙げられる。また、上記ケトン類としては、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびアセトフェノンなどが挙げられる。
ビスフェノールAの製造において原料として用いられるフェノールとしては、通常入手できる工業用フェノールが使用可能である。工業用フェノールには、クメン法またはトルエン酸化法等で製造されたものがあり、いずれの方法で製造されたものでもよい。一般的に、純度98%以上のフェノールが市販されている。このような工業用フェノールをそのままビスフェノールAの合成反応に使用してもよいが、好ましくは、反応を実施する前に、フェノールを予め強酸性型陽イオン交換樹脂と連続式または回分式で、処理温度50〜120℃、接触時間5分〜10時間で接触処理し、フェノール中に含まれる微量不純物で
あるカルボニル化合物を重質化させたものを使用する。さらに好ましくは、工業用フェノールを前記のように強酸性型陽イオン交換樹脂と接触処理した後、常圧〜10mmHgの減圧下、温度70〜200℃で蒸留処理を行ったものを使用する。
ビスフェノールAの製造において原料として用いられるアセトンは、特に制限されず、通常入手できる市販の工業用アセトンでよい。一般的には純度99%以上のものが入手可能である。
原料であるフェノールとアセトンの使用量(量比)は特に限定されないが、フェノール/アセトンのモル比で好ましくは0.1〜100、より好ましくは0.5〜50の範囲である。フェノールの量が少なすぎると、原料アセトンの高い転化率を達成することは困難である。一方、フェノールの量が多すぎると、高いアセトン転化率を達成することはできるが、反応器が過大となり、またフェノールの大量循環が必要となるため効率的にビスフェノールAを製造することが難しい。
また、EP583712号公報に記載されているように、これら原料の混合物はあらかじめ1%以下の水分を含んでいても構わない。
反応温度についても特に限定されることはないが、好ましくは0〜300℃、より好ましくは30〜200℃の範囲である。反応温度が極端に低すぎると反応速度が低下し、反応生成物の生産性が低下する。一方、反応温度が極端に高すぎると好ましくない副反応等が進行し、副成生物の増大や、原料であるフェノールおよびアセトン、さらに生成物であるビスフェノールAの安定性にも好ましくなく、反応選択率の低下をもたらし経済的でない。
反応は減圧、加圧および常圧のいずれの状態で実施することも可能である。反応効率(単位体積当たりの反応効率)の観点から余りに低い圧力で実施することは好ましくない。実施圧力範囲は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜20MPa、より好ましくは0.05〜10MPaである。
使用する触媒量は特に限定されないが、例えば、反応をバッチ方式で実施する場合には、原料となるフェノールに対して好ましくは0.001〜200重量%、より好ましくは0.1〜50重量%の範囲の量を用いることが望ましい。
本発明のビスフェノール類の製造方法は、バッチ式、セミバッチ式または連続流通式のいずれの方法においても実施することが可能である。また、液相、気相、気−液混合相のいずれの形態においても実施することが可能である。反応効率的な観点から液相反応で実施することが好ましい。触媒の充填方式としては、固定床、流動床、懸濁床、棚段固定床などの種々の方式が採用され、いずれの方式で実施してもよい。
反応時間(流通反応においては滞留時間もしくは触媒接触時間)は特に限定されることはないが、通常0.1秒〜30時間、好ましくは0.5秒〜15時間である。
反応後、反応生成物を、前記触媒等から濾過、抽出、留去等の分離方法によって分離回収することができる。目的生成物であるビスフェノールAは、回収物からの溶媒抽出、蒸留、アルカリ処理や酸処理等の逐次的な処理方法、あるいはこれらを適宜組み合わせた操作などの一般的な方法によって分離・精製することができる。また、未反応原料は、回収して、再び反応系へリサイクルして使用することもできる。
バッチ反応の場合、反応後に反応生成物を分離して回収された触媒はそのまま、またはその一部もしくは全部を再生した後、反応に再度使用することもできる。固定床または流動床流通反応方式で実施する場合には、反応に供することによって、一部またはすべての
触媒が失活もしくは活性低下した場合には反応を中断後、触媒を再生して反応に供することもできるし、また連続的もしくは断続的に一部を抜き出し、再生後、再び反応器にリサイクルして再使用することもできる。さらに新たな触媒を断続的に反応器に供給することもできる。移動床式流通反応で実施する際には、バッチ反応と同様に触媒を分離・回収し、必要であるならば再生して使用することができる。
触媒の再生は触媒性能が回復すればどのような方法でもよく、例えば水や有機溶剤で洗浄したり、また酸性溶液で洗浄後に再度変性しても構わない。さらには酸性溶液と塩基性溶液で交互に数回洗浄し、最後に酸性溶液で洗浄し、その後変性しても構わない。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、変性イオン交換樹脂の変性率は、下記式:
変性率=(イオン結合したスルホン基のモル数)/(変性前のイオン交換樹脂における全
スルホン基のモル数)×100
に基づいて算出した。
[実施例1]
(1)N,N,N−トリメチル−3−メルカプトプロピルアンモニウムクロリドの合成
特開平8−89819号公報に記載の方法に従って、(N,N,N−トリメチル−3−プロピルアンモニウム)ジスルフィド ビスアセテートの水溶液を得た。この水溶液に1,3−ジオキサン、トリフェニルホスフィン、35%塩酸、イオン交換水を加えて40℃で還元反応を行った。反応後の溶液を脱溶媒した後、再度イオン交換水を添加し、析出した固体を濾過して取り除いた。得られた液体を再度脱溶媒することにより、N,N,N−トリメチル−3−メルカプトプロピルアンモニウムクロリドを得た。
(2)1,3−ビス(トリメチルアンモニウム)プロパン ビスブロミドの合成
文献[Journal of Physical Chemstry B、Vol.109、No.49、P.23629−23637(2005)]に記載の方法に従って、1,3−ビス(トリメチルアンモニウム)プロパン ビスブロミドを合成した。
(3)変性イオン交換樹脂の調製
充分に洗浄して乾燥したレバチットK1221(ランクセス(株)製)23gを、イオン交換水88mL中で激しく攪拌した。その中に、上記(1)および(2)で得られた化合物を用いて調製した、N,N,N−トリメチル−3−メルカプトプロピルアンモニウムクロリドの濃度が0.97モル/Lであり、1,3−ビス(トリメチルアンモニウム)プロパン ビスブロミドの濃度が0.049モル/L(0.05当量)である水溶液22.5mLをゆっくり滴下した。次いで、さらに5時間攪拌し続けた後、濾過とイオン交換水による洗浄とを繰り返した。その後、常圧で70℃、16時間乾燥し、次いで減圧下70℃で6時間乾燥した。得られた触媒の変性率は19.9%であった。
(4)ビスフェノールA合成反応
50mLの耐圧反応器に、上記(3)で調製した触媒を0.35g、フェノール6.63gおよびアセトン0.37gを仕込んだ後、窒素ガスで耐圧反応器内を0.5MPaゲージ圧に加圧し、75℃で2時間加熱攪拌した。次いで、室温に冷却して放圧し、反応液を取り出して液体クロマトグラフ法によって分析した。その結果、アセトン転化率が92.7%、pp’−ビスフェノールA選択率が92.7%であった。
[実施例2]
実施例1の(3)において、N,N,N−トリメチル−3−メルカプトプロピルアンモニウムクロリドの濃度が0.97モル/Lであり、1,3−ビス(トリメチルアンモニウム)プロパン ビスブロミドの濃度が0.049モル/Lである水溶液22.5mLの代わりに、N,N,N−トリメチル−3−メルカプトプロピルアンモニウムクロリドの濃度が0.97モル/Lである水溶液22.5mLを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、触媒の変性率は19.0%であった。また、ビスフェノールAの合成反応の結果、アセトン転化率が92.8%、pp’−ビスフェノールA選択率が92.8%であった。
[比較例1]
実施例1の(3)において、N,N,N−トリメチル−3−メルカプトプロピルアンモニウムクロリドの濃度が0.97モル/Lであり、1,3−ビス(トリメチルアンモニウム)プロパン ビスブロミドの濃度が0.049モル/Lである水溶液22.5mLの代わりに、N,N,N−トリメチル−3−メルカプトプロピルアンモニウムクロリドの濃度が0.97モル/Lであり、1,3−ビス(トリメチルアンモニウム)プロパン ビスブロミドの濃度が0.097モル/L(0.1当量)である水溶液22.5mLを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果、触媒の変性率は21.3%であった。また、ビスフェノールAの合成反応の結果、アセトン転化率が90.6%、pp’−ビスフェノールA選択率が92.6%であった。

Claims (4)

  1. 強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂が、下記式(1)で表される化合物Aと、該化合物A 1.0当量に対して0.08当量以下の下記式(2)で表される化合物Bとにより変
    性されていることを特徴とする変性イオン交換樹脂。
    Figure 2009189998
    Figure 2009189998
    [式(2)中、Rは炭素数が3〜6のアルキレン基を表し、該アルキレン基の炭素鎖中にジスルフィド結合が存在してもよい。]
  2. 前記化合物Aおよび前記化合物Bによる変性率が、前記強酸性スルホン酸型イオン交換樹脂中の全スルホン酸基の10〜40%であることを特徴とする請求項1に記載の変性イオン交換樹脂。
  3. フェノール類とケトン類とを、請求項1または2に記載の変性イオン交換樹脂の存在下で反応させることを特徴とするビスフェノール類の製造方法。
  4. 前記フェノール類がフェノールであり、前記ケトン類がアセトンであり、前記ビスフェノール類がビスフェノールAであることを特徴とする請求項3に記載のビスフェノール類の製造方法。
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