JP2009185855A - オイルリリーフ機構及びオイルリリーフ装置 - Google Patents

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隆文 益田
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Abstract

【課題】オイルに対する所望のリリーフ特性を簡易に確保するようにしたオイルリリーフ機構及びオイルリリーフ装置を提供する。
【解決手段】オイルリリーフ機構Mは、吐出通路に連通する連通路25及び軸状弁体70を有する。連通路25の内周面には、雌ねじ部25aが形成され、弁体70の外周面には、雄ねじ部70aが形成されている。しかして、弁体70は、雄ねじ部70aを雌ねじ部25aに螺合させて、連通路25内に螺進退可能に嵌装されている。ここで、リリーフ通路部Raが雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各頂部71aと雌ねじ部25aの各底部23dとの間に沿い形成され、リリーフ通路部Rbが雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各谷底部71bと雌ねじ部25aの各頂部25cとの間に沿い形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等のエンジンに採用するに適したオイルリリーフ機構及びオイルリリーフ装置に関する。
従来、この種のオイルリリーフ機構としては、例えば、下記特許文献1に記載のオイルリリーフ装置が提案されている。このオイルリリーフ装置において、弁体は、オイルポンプの吐出側通路と導通する弁収容室内に収容してある。そして、この弁体は、その背面側から、スプリングにより、弁収容室のドレーン孔を閉じる方向に付勢されている。
しかして、ポンプ回路から吐出側通路内へ吐出されたオイルの吐出圧がリリーフ圧以上に達すると、弁体が、当該オイルの吐出圧のもとに、スプリングに抗してドレーン孔を開く方向に作動して、吐出側通路内へ吐出オイルの一部をドレーン孔からリリーフする。
ここで、上記オイルリリーフ装置においては、導通路が、弁体の前後側において弁収容室内に形成した作動室及び背室を導通するように形成されており、この導通路には、チョークが設けられている。
これにより、弁体がドレーン孔を開いたときに、オイルが作動室から導通路及びチョークを通り背室に流入して弁体に背圧を与える。そして、この背圧は、チョークによりオイルの温度に応じて調整される。その結果、上述した弁体によるオイルのリリーフ特性を、オイルの温度を考慮した特性として得ることができる。
実用新案登録第2564216号公報
しかしながら、上記オイルリリーフ装置によれば、上述のごとく、オイルの温度を考慮したオイルのリリーフ特性を得ることができるとしても、このリリーフ特性を確保するにあたり、チョークという余分な構成部材が必要となる。しかも、当該チョークに対しては、ポンプの仕様やオイルの流路構造ごとに、これらに合致した特性が別々に要求される。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、オイルに対する所望のリリーフ特性を簡易に確保するようにしたオイルリリーフ機構及びオイルリリーフ装置を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明によれば、オイルポンプのオイルの吐出ポート部を含む吐出通路に連通されて雌ねじ部を内周面に沿い形成してなる連通路と、雄ねじ部を外周面に沿い形成して、当該雄ねじ部の上記雌ねじ部との螺合により螺進退可能に連通路に嵌装される弁体と、オイルポンプから吐出通路に吐出されたオイルの少なくとも一部をリリーフするように、上記雄ねじ部と上記雌ねじ部との間に形成されて、弁体の螺進退により通路長が可変となるリリーフ通路とを備えるオイルリリーフ機構が提供される。
これによれば、リリーフ通路を雄ねじ部と雌ねじ部との間に形成し、当該リリーフ通路の通路長を弁体の螺進退により可変にする。即ち、リリーフ通路自体をチョークとして構成し、弁体を螺進退させるだけで種々のチョーク長さを設定できるから、所望のリリーフ特性を簡易に確保できる。ここで、リリーフ通路は、雄ねじ部のねじ山の各頂部と雌ねじ部のねじ溝の各底部との間や雄ねじ部のねじ山の各底部と雌ねじ部のねじ溝の各頂部との間に形成するようにしてもよい。
また、本発明において、リリーフ通路は、上記通路長が短い程上記オイルの量を多くリリーフするような通路断面積を有するように形成してもよい。これによれば、通路長が短い程オイルの量を多くリリーフすることができる。
また、本発明において、リリーフ通路は、上記雄ねじ部の各ねじ山を、上記通路長がその減少方向端部から増大方向端部にかけて低くなるように形成することにより、上記通路長が短い程上記オイルの量を多くリリーフするような通路断面積に形成してもよく、また、リリーフ通路は、上記雌ねじ部の各ねじ底を、上記通路長がその増大方向端部から減少方向端部にかけて深くなるように形成することにより、上記通路長が短い程上記オイルの量を多くリリーフするような通路断面積に形成してもよい。これによれば、上述のように各ねじ山の高さや各ねじ溝の深さを変えるだけであるから、リリーフ通路の通路断面積を簡単に変えることができる。
また、本発明において、連通路は、リリーフ通路の上記通路長の減少方向側端部側にて、オイルポンプの吸入部を含む吸入側通路に連通するようにしてもよい。これによれば、リリーフされたオイルを、吸入側通路を通してオイルポンプに戻すこととなるから、オイルパンからオイルを全量吸入するよりも効率的で、エネルギーの損失を低減することができる。
また、本発明によれば、上述したオイルリリーフ機構と、上記オイルの温度を油温として検出する油温検出手段と、この油温検出手段の検出油温に基づいてリリーフ通路の通路長を設定する通路長設定手段と、リリーフ通路の通路長が通路長設定手段の設定通路長となるように弁体を螺進退制御する制御手段とを備えるオイルリリーフ装置が提供される。これによれば、検出油温に基づいてリリーフ通路の通路長を変えることとなるから、油温を考慮したリリーフ特性を得ることができる。
また、本発明において、上記オイルの圧力を油圧として検出する油圧検出手段を備えて、制御手段は、圧力検出手段の検出油圧がリリーフ圧となったときに、リリーフ通路の通路長が上記設定通路長となるように弁体を螺進退制御するようにしてもよい。これにより、油圧が必要以上に高くなったときだけオイルをリリーフすることができる。ここで、上記検出油温に基づいて上記リリーフ圧を設定するリリーフ圧設定手段を備えるようにすれば、リリーフ圧も温度によって変えることができるから、より一層適正なリリーフ特性を得ることができる。
また、本発明において、通路長設定手段は、上記検出油温に基づいてリリーフ通路の第1及び第2の通路長をそれぞれ設定する第1及び第2の通路長設定手段を備えており、
制御手段は、上記検出油圧が上記リリーフ圧となるまではリリーフ通路の通路長が上記第1通路長となるように弁体を螺進退制御し、上記検出油圧が上記リリーフ圧となったときにリリーフ通路の通路長が上記第2通路長となるように弁体を螺進退制御を制御するようにしてもよい。これによれば、検出油圧がリリーフ圧になるまでと、当該検出油圧がリリーフ圧になったときとで、リリーフ通路の通路長を異ならしめることができるから、より一層適正なリリーフ特性を得ることができる。
また、通路長を設定する態様の本発明のオイルリリーフ装置において、通路長設定手段は、上記検出油温が高い程長くなるようにリリーフ通路の通路長を設定してもよい。これによれば、検出油温が高くオイルの粘度が低い場合において高い油圧が要求されたとき、即ち、エンジンが高負荷かつ高回転で運転されたときでも良好に対処できる。
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態としてのオイルリリーフ機構を用いたオイルリリーフ装置を搭載してなる自動車用エンジンEGの概略構成を示している。エンジンEGは、当該自動車のエンジンルーム(図示しない)内に配設されるもので、このエンジンEGは、ロアーオイルパン10と、アッパーオイルパン20と、シリンダブロック30と、このシリンダブロック30上に設けたシリンダヘッド40と、このシリンダヘッド40を上方から覆うロッカーカバー50とを備えている。なお、ロアーオイルパン10は、上記エンジンルームの底壁上に支持されており、このロアーオイルパン10は、エンジンオイル(以下、オイルという)を潤滑油として貯留する。
アッパーオイルパン20は、ロアーオイルパン10とシリンダブロック30との間に介装されているもので、このアッパーオイルパン20は、図2にて示すごとく、オイルパン本体20aと、オイルポンプ20bとを備えている。
オイルポンプ20bは、図2にて示すごとく、オイルパン本体20aの左側上部に設けられており、このオイルポンプ20bは、図1或いは図2にて示すごとく、その回転軸21にて、スプロケット61、チェーン62及びスプロケット63を介し、当該エンジンEGのクランク軸64に連結されている。これにより、当該オイルポンプ20bは、エンジンEGの回転に伴い駆動されて、ロアーオイルパン10内のオイルを、オイルストレーナ10a及びオイルパン本体20aの吸入通路23を通して吸入ポート部22aにて吸入し、吐出ポート部22bからオイルパン本体20aの吐出通路24を通して当該エンジンEGの各潤滑箇所(図示しない)に圧送する。なお、各スプロケット61及び63は、それぞれ、オイルポンプ20bの回転軸21及びエンジンEGのクランク軸64の各外端部に同軸的に支持されている。
ここで、吸入通路23は、図2にて示すごとく、上流通路部23a及び下流通路部23bを有しており、上流通路部23aは、オイルパン本体20aの下部内に鉛直状に形成されて、オイルストレーナ10aを介し、ロアーオイルパン10内に連通している。また、下流通路部23bは、オイルパン本体20aの下部内にて、上流通路部23aと直角になるように水平状に形成されており、この下流通路部23bは、その右端部にて、上流通路部23aを介しオイルストレーナ10a内に連通している。また、当該下流通路部23bは、その左端部にて、オイルポンプ20b内にその吸入ポート部22aを介し連通している。
吐出通路24は、オイルパン本体20aの上部内にて、吸入通路23の下流通路部23bに平行となるように水平状に形成されており、この吐出通路24は、その左端部にて、オイルポンプ20b内にその吐出ポート部22bを介し連通している。なお、図2において、符号65は、チェーンカバーを示す。
次に、オイルリリーフ装置の構成について説明する。このオイルリリーフ装置は、図2にて示すごとく、オイルをリリーフするためのオイルリリーフ機構Mと、このオイルリリーフ機構Mを制御する制御回路ECとを備えている。
オイルリリーフ機構Mは、図2にて示すごとく、アッパーオイルパン20のオイルパン本体20aに設けられている。このオイルリリーフ機構Mは、図2及び図3にて示すごとく、軸状弁体70を備えており、この弁体70は、オイルパン本体20aの連通路25内に設けられている。
ここで、連通路25は、図2にて示すごとく、オイルパン本体20aの右側部内にて、吐出通路24と直角となるように鉛直状に形成されており、この連通路25は、その上端部にて、吐出通路24の中間部位内に連通している。
また、戻し通路26は、下流通路部23bの直上にて、この下流通路部23bと平行となるようにオイルパン本体20a内に形成されており、この戻し通路26は、その右端部にて、連通路25の下部内に連通している。また、当該戻し通路26は、その左端部にて、オイルポンプ20c内にその吸入ポート部22cを介し連通している、なお、吸入ポート部22cは、吸入ポート部22aと共に、オイルポンプ20bの吸入側内部に連通している。
弁体70は、その外周部にて、雄ねじ部70aを設けてなるもので、当該雄ねじ部70aは、図3にて示すごとく、一連のねじ山71を、弁体70と同軸的にかつ螺旋状に形成することで構成されている。しかして、この弁体70は、雄ねじ部70aにて、連通路25の雌ねじ部25aと螺合することにより、螺進退可能に、連通路25内に嵌装されている。
ここで、雌ねじ部25aは、図3にて示すごとく、連通路25の内周面の通路方向中間部位に沿い一連のねじ溝25bを形成することで構成してある。なお、この雌ねじ部25aの内径(一連のねじ溝25bの各頂部25cの内径)及び一連のねじ溝25bの各深さ(一連のねじ溝25bの各頂部25cと各対応底部25dとの間の径方向距離)は、共に、一定となっている。
一方、雄ねじ部70aは、その一連のねじ山71の各フランク面にて、雌ねじ部25aの一連のねじ溝25bの各フランク面と螺進退可能に接触している。これにより、雄ねじ部70aと雌ねじ部25aとの間には、リリーフ通路Rが、外側リリーフ通路部Ra及び内側リリーフ通路部Rbでもって次のように形成されている。
即ち、外側リリーフ通路部Raは、雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各頂部71aとこれに対応する雌ねじ部25aの一連のねじ溝25bの各底部25dとの間に螺旋状に形成されている。また、内側リリーフ通路部Rbが、雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各底部71bとこれに対応する雌ねじ部25aの一連のねじ溝25bの各頂部25cとの間に螺旋状に形成されている(図3参照)。
本第1実施形態において、外側及び内側の各リリーフ通路部Ra、Rbの螺旋状通路長(リリーフ通路Rの通路長に相当)は、雄ねじ部70aの雌ねじ部25aに対するかかり代の軸方向長さに対応する。ここで、当該かかり代は、雄ねじ部70aのうち雌ねじ部25a内に位置する部位の軸方向長さに相当する。
また、本第1実施形態において、雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各頂部71aは、その外径において、図3にて図示下端側ねじ山の頂部71aから上端側ねじ山の頂部71aにかけて順次小さくように形成されている。また、雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各底部71bは、その外径において、図3にて図示下端側ねじ山71の底部71bから上端側ねじ山71の底部71bにかけて順次小さくなるように形成されている。
これに伴い、雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各高さが、図3にて図示下端側ねじ山71から上端側ねじ山71にかけて順次低くなるようになっている。従って、外側及び内側の各リリーフ通路部Ra、Rbは、その各螺旋状通路断面積にて、図3の図示下端部から図示上端部にかけて順次増大するようになっている。但し、本実施形態において、リリーフ通路部Ra或いはRbの螺旋状通路断面積は、当該リリーフ通路部の通路方向に対し直角となる断面をいう。そして、この断面の面積は通路断面積という。
ここで、外側及び内側の各リリーフ通路部Ra、Rbの通路断面積の和(リリーフ通路Rの通路断面積に相当)が、オイルリリーフ機構Mの開度を特定する役割を果たす。しかして、弁体70が図3にて示すごとく図示上方端(以下、螺退端という)に位置するとき、一連のねじ山71のうちの下端側ねじ山71の頂部71aは、一連のねじ溝25bの底部に接触してリリーフ通路Rの通路断面積のうち当該リリーフ通路Rの下端部における通路断面積は零であり、かつ、リリーフ通路Rの通路長(外側及び内側の各リリーフ通路部Ra、Rbの螺旋状通路長)は最長である。このことは、オイルリリーフ機構Mが全閉状態にあることを意味する。
一方、弁体70が、図4の螺進過程を経て、図5にて図示下方端(以下、螺進端という)に位置するとき、弁体70は、雌ねじ部25aから脱出し、リリーフ通路Rの通路長は零である。このことは、オイルリリーフ機構Mは全開状態であることを意味する。なお、弁体70及び上述した雌ねじ部25aは、いわゆるリリーフ弁に相当する。従って、オイルリリーフ機構Mの開度は、リリーフ弁の弁開度に相当する。
制御回路ECは、図2にて示すごとく、2相式ステッピングモータ100、油圧センサ110(油圧検出手段に対応)、油温センサ120(油温検出手段に対応)、マイクロコンピュータ130及び駆動回路140を備えている。
ステッピングモータ100は、図3にて示すごとく、ステータ101、このステータ101内に収容されるマグネットロータ102及び回転軸103を備えている。ステータ101は、連通路25の下端開口部の直下にて弁体70と同軸的に位置するように、断面逆L字状ステイSを介しオイルパン本体20aの右側下壁部に支持されている。マグネットロータ102は、回転軸103の下側部位により、両ベアリング104、105を介し、回転自在にかつ同軸的に、ステータ101の両軸方向中央端部に支持されている。
ここで、回転軸103は、ステータ101の両軸方向中央端部の一方から連通路25の下端開口部内にリップ状シール72を介し液密的に延出し弁体70に同軸的に連結されている。換言すれば、ステッピングモータ100が、その回転軸103でもって、両ベアリング104、105を介し弁体70を同軸的に支持している。
油圧センサ110は、オイルポンプ20bの吐出ポート部22bの近傍にて吐出通路24に配設されており、この油圧センサ110は、オイルポンプ20bから吐出通路24内に吐出されるオイルの圧力を油圧(以下、油圧Pという)として検出しマイクロコンピュータ130に出力する。油温センサ120は、オイルパン本体20aの吐出通路24の一部に配設されており、この油温センサ120は、オイルポンプ20bから吐出通路24内に吐出されるオイルの温度を油温(以下、油温Tという)として検出しマイクロコンピュータ130に出力する。
マイクロコンピュータ130は、主たる構成素子として、図2にて示すごとく、CPU131、RAM132及びROM133を備えており、このマイクロコンピュータ130は、CPU131により、コンピュータプログラムを、図6にて示すフローチャートに従い実行する。この実行中において、マイクロコンピュータ130は、CPU131により、油圧センサ110及び油温センサ120からの各検出出力に基づき、リリーフ通路Rの通路長等の制御のための種々の演算処理を行う。なお、RAM132は、マイクロコンピュータ130のCPU131による種々の処理内容を一時的に記憶する。また、ROM133は、上記コンピュータプログラムをCPU131により読み出し可能に予め記憶している。
駆動回路140は、マイクロコンピュータ130による制御のもと、ステッピングモータ100をその回転角にて正転或いは逆転させるようにパルス列駆動する。
以上のように構成した本第1実施形態において、リリーフ通路Rの通路長Lは、図3にて示すごとく、オイルリリーフ機構Mの全閉状態に対応して最長となっているものとする。このような状態において、エンジンEGを作動させると、オイルポンプ20bが、クランク軸64の回転に伴い回転する。
このため、オイルポンプ20bが、オイルストレーナ10a及び吸入通路23を通し吸入ポート部22aからロアーオイルパン10内のオイルを吸入して加圧し、吐出ポート部22bから吐出通路24内に吐出する。
このように吐出されたオイルは、吐出通路24からエンジンEGの種々の潤滑箇所に圧送される。このとき、吐出通路24内にて吐出オイルにより発生する圧力は、エンジンEGの回転数の増減、換言すれば、オイルポンプ20bの回転数の増減に伴い増減する。
このような状態において、油圧センサ110は、吐出通路24内の吐出オイルの圧力を油圧Pとして検出する。また、油温センサ120は、吐出通路24内の吐出オイルの温度を油温Tとして検出する。
また、上述のようなエンジンEGの作動に伴い、マイクロコンピュータ130が作動状態になると、当該マイクロコンピュータ130は、そのCPU131により、図6のフローチャートに従い上記コンピュータプログラムの実行を開始する。
これに伴い、ステップ200における油圧P及び油温Tの読み込み処理では、マイクロコンピュータ130が、CPU131により、油圧センサ110で検出した油圧Pを、油温センサ120で検出した油温Tとともに、読み込みRAM132に記憶する。なお、以下の各ステップにおける処理内容の説明にあたっては、RAM132への記憶処理の説明は省略する。
ついで、ステップ210におけるリリーフ圧Prの設定処理では、リリーフ圧Prが、リリーフ圧設定データA(図7参照)から油温センサ110の検出油温Tに基づき設定される。ここで、リリーフ圧Prは、吐出通路24内の吐出オイルに対するリリーフ圧をいう。なお、ステップ210は、リリーフ圧設定手段に対応する。
本実施形態において、上述したリリーフ圧設定データAは、吐出通路24内の吐出オイルに対するリリーフ圧Prを当該吐出オイルの温度の変化に応じて設定するために用いられる。このリリーフ圧設定データAは、図7にて示すごとく、リリーフ圧Prと油温Tとの間の正比例関係を特定する。なお、油温Tは、オイルの適用温度範囲(例えば、−30(℃)〜+50(℃))において変化する。
ここで、リリーフ圧設定データAを上述のように特定した根拠について説明する。エンジンEG内のに損傷を招くことなく、当該エンジンEGの各潤滑箇所にオイルを圧送するためには、当該吐出オイルの圧力を適正に維持することが望ましい。
そこで、オイルの粘度が当該オイルの温度(油温T)の上昇(或いは低下)に応じて減少(或いは増大)する関係にあることを考慮すれば、オイルの温度が高いほど、当該オイルの粘度は低い。従って、吐出通路24内の吐出オイルの圧力は、増大しにくく、エンジンEGの各潤滑箇所に送るには不十分となり易い。一方、オイルの温度が低い程、当該オイルの粘度は高く、吐出通路24内の吐出オイルの圧力は増大し易い。
よって、オイルの温度の高低にかかわらず、吐出通路24内のオイルの圧力を適正にするためには、オイルの温度が高い程、吐出通路24内の吐出オイルに対するリリーフ圧を高くすることが望ましい。このため、リリーフ圧設定データAが上述のように特定してある。
上述のようなステップ210の処理後、ステップ220における第1目標通路長L1の設定処理では、リリーフ通路R(両リリーフ通路部Ra、Rb)の第1目標通路長L1が、第1目標通路長設定データB(図8参照)から油温センサ110の検出油温Tに基づき設定される。なお、ステップ220は、ステップ200と共に、第1目標通路長設定手段に対応する。
本実施形態では、上述した第1目標通路長設定データBは、吐出通路24内の吐出オイルの圧力をリリーフ圧Prに一致させるように、リリーフ通路Rの通路長(以下、通路長Lという)を上記吐出オイルの温度の変化に応じて第1目標通路長L1に設定するために用いられる。
当該第1目標通路長設定データBは、図8にて示すごとく、両特性B1、B2からなる。ここで、特性B1は、−Ta(℃)≦油温T≦0(℃)において、第1目標通路長L1と油温Tとの間で正比例関係を有することを表す。特性B1において、T=−Ta(℃)のとき、第1目標通路長L1は、リリーフ通路Rの最短通路長La=0となる。また、特性B2は、油温T>0(℃)において第1目標通路長L1=最長通路長Lbであることを表す。なお、第1目標通路長L1は、油圧P≧リリーフ圧Prの成立前におけるリリーフ通路Rの通路長を表す。なお、油温T=0(℃)という値は、これに限ることなく、0(℃)の近辺の値であってもよい。
このように特定した第1目標通路長設定データBを導入したのは、次の根拠に基づく。油圧P<リリーフ圧Prの状態にあっては、アッパーオイルパン20内のオイル流動系統におけるオイルの圧力は適正状態にある。このため、基本的には、吐出通路24内の吐出オイルのリリーフは不要である。
しかしながら、油温T≦0(℃)になると、オイルの粘度が高くなるため、アッパーオイルパン20内のオイル流動系統におけるオイルの圧力も、アッパーオイルパン20内のオイル流動系統に異常を発生させるような高い圧力に上昇する。このため、油温T≦0(℃)において、オイルのリリーフを円滑にするためには、油温Tが低いほど、リリーフ通路Rの通路長を減少させることが望ましい。
以上のようなことから、第1目標通路長設定データBが上述のように両特性B1、B2でもって特定されている。なお、特性B1において、−Ta(℃)は、例えば、オイルの上記適用温度範囲の下限値−30(℃)とする。
しかして、上述したステップ220の処理において、検出油温Tが0(℃)以下であれば、第1目標通路長L1は、第1目標通路長設定データBの特性B1に基づき設定される。また、T>0(℃)であれば、第1目標通路長L1は、第1目標通路長設定データBの特性B2に基づき、リリーフ通路Rの最長通路長Lbと設定される。
このように第1目標通路長設定データBに基づく第1目標通路長L1の設定がなされると、ステップ230において、第1目標通路長L1となるようにステッピングモータ100が駆動制御される。
これに伴い、T≦0(℃)であれば、リリーフ通路Rの通路長Lが、上述のように第1目標通路長設定データBの特性B1に基づき設定された第1目標通路長L1となるように、駆動回路140がステッピングモータ100を駆動する。
このため、弁体70が、雄ねじ部70aの雌ねじ部25aとの螺合のもとに、ステッピングモータ100の回転に伴い回転軸103を介し回転されつつ螺進する(図4参照)。これに伴い、リリーフ通路Rの下端部における通路断面積が、弁体70の螺進に伴い順次増大する。このとき、リリーフ通路Rの通路長が減少していく。このことは、オイルリリーフ機構Mの開度が、リリーフ通路Rの通路長の減少に伴い順次増大することを意味する。
従って、T≦0(℃)であれば、上述のように吐出通路24内に吐出されたオイルは、特性B1に基づき設定した第1目標通路長L1への制御のもとに、リリーフ通路Rを通り連通路25の下端部内にリリーフされる。
ここで、検出温度T(≦0(℃))が高い程、リリーフ通路Rの第1目標開度L1は減少するように設定される。これにより、検出温度T(≦0(℃))が高い程、リリーフ通路Rの通路長が増大するとともにその下端部における通路断面積が減少する。このことは、リリーフ通路Rを通るオイルのリリーフ量が検出温度T(≦0(℃))が高い程減少することを意味する。
逆に、検出温度T(≦0(℃))が低い程、リリーフ通路Rの第1目標開度L1は増大するように設定される。これにより、検出温度T(≦0(℃))が低い程、リリーフ通路Rの通路長が減少するとともにその下端部における通路断面積が増大する。このことは、リリーフ通路Rを通るオイルのリリーフ量が検出温度T(≦0(℃))が低い程増大することを意味する。
従って、リリーフ通路Rは、検出温度T(≦0(℃))に基づきオイルのリリーフ量を制御するいわゆるチョークとしての役割を果たす。これにより、吐出通路24内のオイルの圧力を、油温Tに応じたリリーフ圧Prに維持することができる。従って、エンジンEGの各潤滑箇所へのオイルの圧送を良好に行うことができる。
一方、検出油温T>0(℃)であれば、ステッピングモータ100は停止状態にある。このため、リリーフ通路Rの通路長は、最長に維持されるとともに、リリーフ通路Rの通路断面積は、当該リリーフ通路Rの下端部において零となる(図3参照)。このことは、T>0(℃)では、オイルリリーフ機構Mが全閉状態にあることを意味する。従って、上述のように吐出通路24内に吐出されたオイルのリリーフが禁止される。
また、上述のようにステッピングモータ100が回転しても、ステッピングモータ100の回転軸103が、当該ステッピングモータ100の両ベアリング104、105を介しステータ101により同軸的に支持されているから、回転軸103により支持される弁体70が、その螺進退にあたり、径方向に振れることがなく、従って、リリーフ通路Rの通路方向断面が回転軸103の軸周りにおいてばらつくことがない。なお、弁体70をステッピングモータ100で螺退させるので、従来技術にて述べたようなスプリングは不要となる。
上述のようなステップ230における処理の後、ステップ240において、油圧P≧リリーフ圧Prの成立の有無が判定される。現段階において、油圧P<リリーフ圧Prであれば、ステップ240における判定はNOとなり、上記コンピュータプログラムがステップ200に戻り、再び、このステップ以後の処理が繰り返される。
しかして、ステップ200〜ステップ240を通る処理の繰り返し中において、ステッピングモータ100の正転に伴い、リリーフ通路Rの通路長L=第1目標通路長L1のもとに油圧P≧リリーフ圧Prが成立すると、ステップ240においてYESと判定される。
これに伴い、ステップ250における油温Tの読み込み処理で、マイクロコンピュータ130が、CPU131により、現段階における油温センサ120の検出油温Tを読み込む。ついで、ステップ260における第2目標通路長L2の設定処理で、第2目標通路長L2が、リリーフ圧設定データC(図9参照)から、ステップ250における検出油温Tに基づき設定される。なお、ステップ260は、ステップ250と共に、第2目標通路長設定手段に対応する。両ステップ260、250は、上述した両ステップ220、200と共に、通路長設定手段に対応する。
本実施形態において、上述した第2目標通路長設定データCは、油圧P≧リリーフ圧Prの成立下において、この成立状態を維持するように、リリーフ通路Rの通路長Lを油温Tの変化に応じて第2目標通路長L2と設定するために用いられる。
当該第2目標通路長設定データCは、図9にて示すごとく、両特性C1、C2からなる。ここで、特性C1は、油温T≦−10(℃)において第2目標通路長L2=最短通路長La=0であることを表す。特性C2は、油温T>−10(℃)において第2目標通路長L2と油温Tとの正比例関係を有することを表す。なお、第2目標通路長L2は、油圧P≧リリーフ圧Prの成立下におけるリリーフ通路Rの通路長を表す。また、油温T=−10(℃)という値は、−10(℃)の近辺の値に適宜変更してもよい。
このように特定した第2目標通路長設定データCを導入したのは、次の根拠に基づく。油圧P≧リリーフ圧Prの成立状態においては、油温T≦−10(℃)ではオイルの粘度が高いため、アッパーオイルパン20内のオイル流動系統におけるオイルの圧力を適正に維持するには、リリーフ通路Rの通路長Lは、オイルリリーフ機構Mの全開状態に対応する長さにおくことが好ましい。
しかしながら、油温T>−10(℃)においては、油温T≦−10(℃)の範囲における程、オイルの粘度は高くない。このため、アッパーオイルパン20のオイル流動系統におけるオイルの圧力を適正に維持するにあたっては、油温Tが低い程、換言すれば、オイルの粘度が高い程、リリーフ通路Rの通路長Lを減少させることが望ましい。
以上のようなことから、第2目標通路長設定データBが上述のように両特性C1、C2でもって特定されている。
しかして、上述のステップ260の処理において、T≦−10(℃)であれば、第2目標通路長L2は、リリーフ圧設定データCの特性C1に基づき、リリーフ通路Rの通路長L=最短通路長La=0となる。また、T>−10(℃)であれば、第2目標通路長L2は、リリーフ圧設定データCの特性C2に基づき設定される。これによれば、油温Tが高い程、第2目標通路長L2は、増大する。
このようにしてステップ260における第2目標通路長L2の設定が終了すると、次のステップ270において、第2目標通路長L2となるようにステッピングモータが駆動制御される。なお、ステップ270は、ステップ230、ステッピングモータ100及び駆動回路140と共に、制御手段に対応する。
ここで、T≦−10(℃)であれば、第2目標通路長L2が最短通路長La=0となるように、ステッピングモータ100が弁体71を回転させる。これに伴い、弁体71が、雌ねじ部25aから脱出するまで螺進すると、リリーフ通路Rの通路長は零となる(図5参照)。従って、吐出通路24内の吐出オイルは、リリーフ通路Rによるチョークとしての制御を受けることなく、連通路25の下端部内にリリーフされる。
また、T>−10(℃)であれば、リリーフ通路Rの通路長が、リリーフ圧設定データCの特性C2に基づき設定した第2目標通路長L2となるように、ステッピングモータ100が弁体70を正転させる。これに伴い、リリーフ通路Rの通路長が第2目標通路長L2となるまで、リリーフ通路Rの通路長が増大する一方、当該リリーフ通路Rの下端部における通路断面積が増大する。
ステップ270の処理後、ステップ280において、マイクロコンピュータ130が、油圧センサ110の検出油圧Pを読み込む。これに伴い、ステップ240における判定処理が再びなされる。ここで、ステップ280における読み込み油圧が油圧P≧リリーフ圧Prを満たしている間、ステップ240〜ステップ280を通る処理が繰り返される。
この繰り返し処理に伴い、ステッピングモータ100が、その駆動でもって、検出油温Tに応じた第2目標通路長L2を維持するように、リリーフ通路Rの通路長を制御する。従って、吐出通路24内の吐出オイルは、リリーフ通路Rの第2目標通路長L2に応じたチョークとしての役割に基づき、連通路25の下端部内にリリーフされる。このため、油圧P≧リリーフ圧Prの成立している間において、油温Tが変動しても、吐出通路24内の油圧を適正に維持し得る。
また、上述のように連通路25の下端部にリリーフされたオイルは、オイルポンプ20bにより、その内部に戻し通路26を介し吸引される。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、オイルリリーフ機構Mにおいては、弁体70が、雄ねじ部70aの雌ねじ部25aとの螺合のもとに、連通路25内に螺進退可能に嵌装されている。そして、リリーフ通路Rが、両リリーフ通路部Ra、Rbでもって、上述のごとく、雄ねじ部70aと雌ねじ部25aとの間に形成されている。このため、リリーフ通路Rは、その通路長及び通路断面積にて、弁体70の螺進退に応じて変化する。
従って、リリーフ通路Rを通りリリーフされる吐出オイルのリリーフ量は、リリーフ通路Rの通路長及び通路断面積で決まる。このように、リリーフ通路R自体がチョークとしての役割を果たすこととなるから、リリーフ通路Rの通路長や通路断面積を変えるだけで、チョークとしての所望の仕様を設定することができる。しかも、リリーフ通路Rは、連通路25の利用のもとに、この連通路25内にて弁体70との間に形成されている。
その結果、オイルポンプ20bの仕様やオイルの流路構造ごとに、別途、チョークという余分な構成部材を採用する必要もなく、オイルに対する所望のリリーフ特性を簡易に確保することができる。
ここで、雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各高さが、図3にて図示下端側ねじ山71から上端側ねじ山71にかけて順次低くなるように形成されている。このように、雄ねじ部70aの一連のねじ山71の各高さを上述のごとく変えるだけで、弁体70が螺進退した際の各リリーフ通路部Ra、Rbの下端部における通路断面積を、通路長Lの減少(或いは増大)に応じて、増大(或いは減少)するように簡単に形成することができる。その結果、チョークとしての各リリーフ通路部Ra、Rbにおけるオイルリリーフ量の変化範囲を簡単に拡大することができる。
さらに、リリーフ通路Rは上述のごとく螺旋状に形成されているから、通路長Lの変化範囲をより一層広くとることができる。その結果、チョークとしてのリリーフ通路Rによるオイルのリリーフ量の変化範囲を広くとることができる。
また、リリーフ通路Rは、上述のごとく、両リリーフ通路部Ra、Rbでもって構成されているから、両リリーフ通路部Ra、Rbの一方でもってリリーフ通路Rを構成する場合に比べて、リリーフ通路Rによるチョークとしてのオイルのリリーフ量の変化範囲をより一層広くすることができる。
また、上述のように、連通路25の下端部にリリーフされたオイルは、戻し通路26を介し、オイルポンプ20bによりその内部に吸入される。従って、リリーフ通路Rからのリリーフオイルをロアーオイルパン10に戻すことなくオイルポンプ20bの吸入オイルとして有効に活用することができ、ロアーオイルパン10のみからオイル全体を吸入するのに比べて、エネルギーの損失を低減することができる。
また、本第1実施形態では、リリーフ圧Pr、第1目標通路長L1及び第2目標通路長L2が、上述したごとく、リリーフ圧設定データA(図7参照)、第1目標通路長設定データB(図8参照)及び第2目標通路長設定データC(図9参照)を用いて設定される。
ここで、油圧センサ110の検出油圧Pがリリーフ圧Prよりも低いときには、リリーフ通路Rの通路長が第1目標通路長L1となるように、ステッピングモータ100がオイルリリーフ機構Mの弁体70を螺進させる。
これにより、検出油温Tが0(℃)よりも低いためにオイルの粘度が高くなっていても、エンジンEGの潤滑箇所に圧送すべき吐出通路24内の吐出オイルが適正な圧力を維持するように、当該吐出オイルのリリーフ量を、検出油温Tと正比例となる第1目標通路長L1に応じて、適正に制御し得る。また、検出油温Tが0(℃)よりも高いためにオイルの粘度が低下しているときには、吐出通路24内の吐出オイルが適正な圧力を維持するように、当該吐出オイルのリリーフ量を、リリーフ通路の最長通路長のもとに、適正に制御し得る。
また、検出油圧Pがリリーフ圧Pr以上のときには、リリーフ通路Rの通路長が第2目標通路長L2となるように、ステッピングモータ100が、オイルリリーフ機構Mの弁体70を螺進或いは螺退させる。
これにより、検出油温Tが−10(℃)よりも低いためにオイルの粘度がさらに高くなっていても、吐出通路24内の吐出オイルの圧力を適正に維持するように、当該吐出オイルのリリーフ量を、リリーフ通路Rの最短通路長のもとに、適正に制御し得る。
また、検出油温Tが−10(℃)以上であるためにオイルの粘度が低くなっていても、吐出通路24内の吐出オイルの圧力を適正に維持するように、当該吐出オイルのリリーフ量を、油温に応じて変化するリリーフ通路Rの第2目標通路長のもとに、適正に制御し得る。
以上のように吐出オイルのリリーフ量を制御することで、吐出オイルの圧力の上昇態様或いは低下態様を、検出油温Tに応じて変化するリリーフ圧Prの前後において、変化させることができる。その結果、吐出オイルを、その圧力において、より一層きめ細かく適正に制御しつつ、エンジンEGの潤滑箇所に圧送することができる。
ここで、例えば、エンジンEGの回転数及び検出油温Tが共に高くても、上述のような吐出オイルの量の制御でもって、エンジンEGの潤滑箇所に圧送すべきオイルの圧力を適正に確保することができる。
なお、エンジンEGの始動に伴う高速回転の際には、オイルの温度が低いために当該オイルの粘度は非常に高い。従って、エンジンEGの各潤滑箇所の圧力が非常に高くなって、上記各潤滑箇所に設けたシールが破損し易いのは勿論のこと、上記各潤滑箇所に設けたベアリングの油膜切れによる焼き付きや燃費の低下を招き易い。
しかしながら、上述のように、吐出通路24内の吐出オイルをリリーフ制御することで、上記各潤滑箇所へのオイルの圧力が適正に維持され得る。その結果、上述のようにシールの破損やベアリングの焼き付きを確実に防止することができる。
また、本実施形態では、オイルパン本体20aにおいて、上述したごとく、吸入通路23の下流通路部23b、吐出通路24及び戻し通路26が、互いに平行となるように水平状に形成されており、また、吸入通路23の上流通路部23a及び連通路25が、吐出通路24に対し直角となるように鉛直状に形成されている。このため、オイルパン本体20aにおける通路加工がより一層簡易になされ得る。
ちなみに、本第1実施形態において、上述のように制御回路ECによりオイルリリーフ機構Mを制御したところ、図10にて示すような各グラフG1〜G3が得られた。図10は、オイルポンプ20bが発生する油圧PとエンジンEGの回転数Ne(以下、エンジン回転数Neという)との関係を示すグラフである。なお、油温Tにおいて、T1>T2>T3とする。これによれば分かるように、エンジンEGが作動して当該エンジン回転数Neが上昇し始めると、オイルポンプ20bが発生する油圧Pも上昇し始める。ここで、油圧Pの立ち上がりは油温Tが低い程大きく、油圧Pは油温Tが低い上昇し易い。これは、油温Tが低いほどオイルの粘度が高いためである。油圧Pがリリーフ圧Prに達すると、オイルリリーフ機構Mが作動し、オイルポンプ20bから吐出されるオイルの一部がリリーフされる。リリーフ後の油圧Pの上昇率は、立ち上がりのときと比較して小さい傾向となる。リリーフ圧Prは、油温Tが低いほど小さな値(Pr1>Pr2>Pr1)となるように設定されるとともに(ステップ210)、リリーフ通路Rの通路長は、油温Tが低いほど小さくなる傾向となるように設定されるから(各ステップ220、260)、必要とされる油圧Pが低い低エンジン回転数であってオイルの粘度が高く油圧Pが上昇し易い低油温の場合における油圧Pの必要以上の上昇を抑制することができる。なお、本実施形態では、油温Tが0(℃)以下のときには、油圧Pがリリーフ圧Pr未満であってもオイルリリーフ機構Mを作動するから(ステップ220)、油温Tが低い場合における上述したような油圧Pの必要以上の上昇を確実に抑制することができる。一方、油圧Pがリリーフ圧Prに達して以降の油圧Pの上昇率は、リリーフ通路Rの通路長が上述したように設定されているから、油温Tが高いほど大きい傾向となる。これにより、必要とされる油圧Pが比較的高い高エンジン回転数Neであってオイルの粘度が低く高い油圧Pを確保しにくい高油温の場合であっても、油圧Pを適正に確保することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明すると、この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたコンピュータプログラムが、図6のフローチャートに代えて、図11にて示すフローチャートに従い実行するように変更されている。
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたリリーフ圧設定データAに代えて、予め定めた所定のリリーフ圧Prが採用されるとともに、図12にて示す目標通路長設定データEが、上記第1実施形態にて述べた第1目標通路長設定データB及び第2目標通路長設定データCに代えて、採用されている。
上記所定のリリーフ圧Prは、マイクロコンピュータ130のROM133に予め記憶されているもので、この所定のリリーフ圧Prは、オイルの温度及びエンジンEGの回転数の各予想変化範囲において、エンジンEGにおけるオイルの流動系統に異常を来さないような値となっている。
また、目標通路長設定データEは、上記第1実施形態にて述べた第1目標通路長設定データB及び第2目標通路長設定データCとは異なり、リリーフ通路Rの目標通路長Loと油温Tとの間の単なる正比例関係を表す。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様に、リリーフ通路Rが最長通路長にあるときに、エンジンEGの作動のもとに、マイクロコンピュータ130を作動させると、このマイクロコンピュータ130は、そのCPU131により、図11のフローチャートに従い上記コンピュータプログラムの実行を開始する。
これに伴い、ステップ300における油圧P及び油温Tの読み込み処理において、マイクロコンピュータ130が、CPU131により、油圧センサ110の検出油圧Pを、油温センサ120の検出油温Tとともに、読み込む。ついで、ステップ310におけるリリーフ圧Prの読み出し処理において、リリーフ圧Prが、ROM133から読み出される。
然る後、ステップ320における目標通路長Loの設定処理において、リリーフ通路Rの目標通路長Loが、目標通路長設定データE(図12参照)から油温センサ110の検出油温Tに基づき設定される。ここでは、油温Tが低い程、目標通路長Loが減少する。なお、ステップ320は、目標通路長設定手段に対応する。
上述のように目標通路長Loが目標通路長設定データEに基づき設定されると、ステップ330において、油圧P≧リリーフ圧Prの成立の有無が判定される。現段階において、油圧P<所定のリリーフ圧Prであれば、ステップ330における判定はNOとなり、上記コンピュータプログラムがステップ300に戻り、再び、このステップ以後の処理が繰り返される。
しかして、ステップ300〜ステップ330を通る処理の繰り返し中において、エンジンEGの回転数の増大に伴いオイルポンプ20bにて吐出通路24内に吐出したオイルの圧力(油圧P)が所定のリリーフ圧Pr以上に増大すると、ステップ330における判定がYESとなる。
すると、次のステップ340において、目標通路長Loとなるようにステッピングモータ100が駆動制御される。これに伴い、リリーフ通路Rの通路長が、リリーフ圧設定データEに基づき設定した目標通路長Loとなるように、ステッピングモータ100が弁体70を回転させる。このため、リリーフ通路部Rの通路長が上記目標通路長Loとなるまで、リリーフ通路Rの通路長が減少する一方、当該リリーフ通路Rの通路断面積が増大する。
従って、油圧P≧所定のリリーフ圧Prの成立のもとでは、吐出通路24内の吐出オイルは、リリーフ通路Rの目標通路長Loに応じたチョークとしての役割に基づき、連通路25の下端部内にリリーフされる。このため、油圧P≧所定のリリーフ圧Prの成立している間において、油温Tが変動しても、吐出通路24内の油圧を適正に維持し得る。なお、ステップ340は、ステッピングモータ100及び駆動回路140と共に、制御手段に対応する。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、目標通路長Loが、上述したごとく、目標通路長設定データE(図12参照)を用いて設定される。そして、検出油圧Pが、予め定めたリリーフ圧Pr以上となったときに、リリーフ通路Rの通路長が、油温Tの変化に応じた目標通路長Loとなるように、ステッピングモータ100がオイルリリーフ機構Mの弁体70を螺進或いは螺退させる。これにより、リリーフ通路Rによりリリーフされる吐出オイルの量を適正に制御することができる。
その結果、上述のように所定のリリーフ圧を定めておけば、検出油圧が上記所定のリリーフ圧未満のときにはオイルリリーフ機構に対する制御を何ら行うことがない。そして、検出油圧が上記所定のリリーフ圧以上となったときには、オイルを、適正な圧力にて、オイルポンプから吐出通路を介しエンジンの潤滑箇所に圧送し得るように、オイルの温度を考慮したリリーフ特性を、より一層適正に確保することができる。
ここで、例えば、エンジンEGの回転数及び検出油温Tが共に高くても、上述のような吐出オイルの量の制御でもって、エンジンEGの潤滑箇所に圧送すべきオイルの圧力を適正に確保することができる。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
ちなみに、本第2実施形態において、上述のように制御回路ECによりオイルリリーフ機構Mを制御したところ、図13にて示すごとく、各グラフH1〜H3が得られた。図13は、オイルポンプ20bが発生する油圧Pとエンジン回転数Neとの関係を示すグラフである。なお、油温Tにおいて、上述と同様に、T1>T2>T3とする。これによれば分かるように、エンジンEGが作動してエンジン回転数Neが上昇し始めると、オイルポンプ20bが発生する油圧Pも上昇し始める。ここで、油圧Pの立ち上がりは、油温Tが低いほど大きく、油圧Pは、油温Tが低いほど上昇し易い。これは、油温Tが低いほどオイルの粘度が高いためである。油圧Pがリリーフ圧Prに達すると、オイルリリーフ機構Mが作動し、オイルポンプ20bから吐出されるオイルの一部がリリーフされる。リリーフ後の油圧Pの上昇率は、立ち上がりのときに比較して小さい傾向となる。リリーフ通路Rの通路長は、油温Tが低いほど小さくなる傾向となるように設定されるから(ステップ320)、必要とされる油圧Pが低い低エンジン回転数であってオイルの粘度が高く油圧Pが上昇し易い低油温の場合における油圧Pの必要以上の上昇を抑制することができる。一方、油圧Pがリリーフ圧Prに達して以降の油圧Pの上昇率は、リリーフ通路Rの通路長が上述したように設定されているから、油温Tが高い程大きい傾向となる。これにより、必要とされる油圧Pが比較的高いエンジン回転数Neであってオイルの粘度が低く高い油圧Pを確保しにくい高油温の場合であっても、油圧Pを適正に確保することができる。
(第3実施形態)
図14は、本発明の第3実施形態を示している。この第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べたオイルリリーフ機構Mにおいて、連通路25が、雌ねじ部25aに代えて、雌ねじ部25eを有するとともに、軸状弁体80が、弁体70に代えて、採用されている。
雌ねじ部25eは、連通路25の内周面の通路方向中間部位に沿い一連のねじ溝25fを形成することで構成されている。ここで、一連のねじ溝25fの各底部25gは、その内径において、図14にて図示下端側ねじ溝25fの底部25gから上端側ねじ溝25fの底部25gにかけて順次小さくように形成されている。
また、雌ねじ部25eの一連のねじ溝25fの頂部25hは、その内径において、図14にて図示下端側ねじ溝25fの頂部25hから上端側ねじ溝25fの頂部25hにかけて順次小さくなるように形成されている。なお、一連のねじ溝25fの各深さも、図14にて図示下端側ねじ溝25fから上端側ねじ溝25fにかけて順次浅くなるようになっている。
また、弁体80は、上記第1実施形態にて述べたステッピングモータ100の回転軸103に同軸的に支持されており、この弁体80は雄ねじ部80aを有している。この雄ねじ部80aは、弁体80の外周面に沿い一連のねじ山81を螺旋状に形成することで構成されている。しかして、この弁体80は、雄ねじ部80aにて雌ねじ部25eと螺合することにより連通路25内に螺進退可能に嵌装されている。
ここで、雄ねじ部80aは、その一連のねじ山81の各フランク面にて、雌ねじ部25eの一連のねじ溝25fの各フランク面と螺進退可能に接触している。これに伴い、雄ねじ部80aと雌ねじ部25eとの間には、リリーフ通路Rが、外側リリーフ通路部Rc及び内側リリーフ通路部Rdでもって螺旋状に形成されている。
即ち、外側リリーフ通路部Rcは、雄ねじ部80aの一連のねじ山81の各頂部81aとこれに対応する雌ねじ部25eの一連のねじ溝25fの各底部25gとの間に螺旋状に形成されている。また、内側リリーフ通路部Rdが、雄ねじ部80aの一連のねじ山81の各底部81bとこれに対応する雌ねじ部25eの一連のねじ溝25fの各頂部25hとの間に螺旋状に形成されている。そして、外側及び内側の各リリーフ通路部Rc、Rd(リリーフ通路R)の螺旋状通路長は、雄ねじ部80aの雌ねじ部25eに対するかかり代の軸方向長さに対応する。
また、本第3実施形態では、雄ねじ部80aの一連のねじ山81の各頂部81a及び各谷底部81bの各外径は、それぞれ、一定である。このため、外側及び内側の各リリーフ通路部Rc、Rd(リリーフ通路R)は、その螺旋状通路断面積にて、図14の図示上端部から図示下端部にかけて順次増大するようになっている。
ここで、弁体80が図14にて図示上方端(以下、螺退端という)に位置するとき、一連のねじ溝25fのうちの上端側ねじ溝25fの底部25gは、一連のねじ山81の頂部81aに接触し、外側及び内側の各リリーフ通路部Rc、Rd(リリーフ通路R)の通路断面積のうち上端部における通路断面積は零であり、かつ、外側及び内側の各リリーフ通路部Rc、Rd(リリーフ通路R)の螺旋状通路長は最長である。このことは、オイルリリーフ機構Mが全閉状態にあることを意味する。
また、雄ねじ部80aが、雌ねじ部25eに沿い図14にて図示下方へ螺進するにつれて、外側及び内側の各リリーフ通路Rc、Rdの通路長は、弁体80の螺進に伴い減少する一方、外側及び内側の各リリーフ通路Rc、Rdの上端部における通路断面積は順次増大する。このことは、オイルリリーフ機構Mの開度が弁体80の螺進に伴い増大することを意味する。そして、弁体80が、下方端(以下、螺進端という)に達したとき、外側及び内側の各リリーフ通路Rc、Rdの通路長は、零となる。このことは、オイルリリーフ機構Mは全開状態となることを意味する。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第3実施形態では、上記第1実施形態に述べた弁体70が螺進すると同様に弁体80が下方へ向け螺進すると、両リリーフ通路部Ra、Rbの各通路長が減少すると同様に、両リリーフ通路部Rc、Rdの各通路長が減少する。
一方、弁体70が螺退すると同様に弁体80が上方へ向け螺退すると、両リリーフ通路部Ra、Rbの各通路長が増大すると同様に、両リリーフ通路部Rc、Rdの各通路長が増大する。
これによれば、本第3実施形態のように、両リリーフ通路部Rc、Rdを、上記第1実施形態にて述べた両リリーフ通路部Ra、Rbに代えて、オイルリリーフ機構Mに設けても、両リリーフ通路部Rc、Rdが、上述のごとく、上記第1実施形態にて述べた両リリーフ通路部Ra、Rbと同様の役割を果たす。従って、本第3実施形態のオイルリリーフ機構Mによっても、上記第1実施形態にて述べたオイルリリーフ機構Mと同様の作用効果を達成することができる。
また、本第3実施形態において、弁体80を、弁体70に代えて、上記第1実施形態にて述べた制御回路ECにより、上記第1実施形態と同様に螺進退制御すれば、本第3実施形態においても、上記第1実施形態にて述べたと同様の作用効果を達成することができる。なお、弁体80を上記第2実施形態と同様に制御回路ECにより螺進退制御しても、当該第2実施形態と同様の作用効果を達成することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)本発明の実施にあたり、リリーフ通路Rは、上記第1実施形態において、両リリーフ通路部Ra、Rbの一方で構成してもよく、また、上記第3実施形態において、両リリーフ通路部Rc、Rdの一方で構成してもよい。
(2)本発明の実施にあたり、ステッピングモータ100は2相式に限ることなく、各種のステッピングモータであってもよい。
(3)本発明の実施にあたり、ステッピングモータ100に限ることなく、直流モータ等の各種のモータに減速機を同軸的に支持したギヤードモータ或いはロータリーエンコーダ等の電気的回転機でもって弁体70或いは80を正逆転駆動するようにしてもよい。
(4)本発明の実施にあたり、ステイSは、上記第1実施形態とは異なり、ステッピングモータ100のステータ101を、その外周部の下端隅角部にて支持するように、断面L字状に形成するようにしてもよい。
(5)本発明の実施にあたり、リリーフ通路Rの最短通路長Laは、上記実施形態とは異なり、La>0であってもよい。
(6)図7のリリーフ圧設定データAは、リリーフ圧Prと油温Tとの正比例関係だけでなく、油温Tの上昇(或いは低下)に応じてリリーフ圧Prを増大(或いは減少)させるような関係であってもよい。
(7)図8の第1目標通路長設定データBの特性B1、図9の第2目標通路長設定データCの特性C2或いは図12の目標通路長設定データEは、目標通路長と油温Tとの正比例関係だけでなく、油温Tの上昇(或いは低下)に応じて目標通路長を増大(或いは減少)させるような関係であってもよい。
(8)本発明の実施にあたり、マイクロコンピュータ130による制御処理の終了の際には、オイルリリーフ機構Mを全閉状態に戻すように、ステッピングモータ100により弁体を螺退させるようにしてもよい。
(9)オイルパン本体20aの連通路25或いはその雌ねじ部25a(或いは25e)は、その上端部にて、上記実施形態とは異なり、オイルポンプ20bの吐出ポート部22bに直接連通するようにしてもよい。
(10)吸入通路23及び戻し通路26は、オイルポンプ20bの両吸入ポート部22a、22c(或いは吸入ポート部22a)をオイルポンプ20bの吸入部として含む吸入側通路としてもよい。また、吐出通路24は、オイルポンプ20bの吐出ポート部22bを含む概念としてもよい。
本発明に係るオイルリリーフ装置の第1実施形態を適用してなるエンジンをチェーンカバーを省略した状態で示す側面図である。 上記オイルリリーフ装置のオイルリリーフ機構及びステッピングモータを組み付けたアッパーオイルパンの断面図である。 図2のオイルリリーフ機構及びステッピングモータの拡大断面図である。 上記第1実施形態において弁体の螺進過程を説明するための断面図である。 上記第1実施形態において弁体のさらなる螺進過程を説明するための説明図である。 図2のマイクロコンピュータのCPUによる処理を示すフローチャートである。 上記第1実施形態におけるリリーフ圧と油温との関係を示すグラフである。 上記第1実施形態における第1目標通路長と油温との関係を示すグラフである。 上記第1実施形態における第2目標通路長と油温との関係を示すグラフである。 上記第1実施形態において油温をパラメータとして油圧とエンジンの回転数との間の関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態においてマイクロコンピュータによりCPUでもって処理されるフローチャートである。 上記第2実施形態においてリリーフ通路の目標通路長と油温との間の単なる正比例関係を示すグラフである。 上記第2実施形態において、油温をパラメータとしてリリーフ圧とエンジンの回転数との関係を示すグラフである。 本発明の第3実施形態の要部を示す部分破断断面図である。
符号の説明
20b…オイルポンプ、22…吐出通路、25…連通路、25a、25e…雌ねじ部、
25b、25f…ねじ溝、25c、25d、25g、71b、81b…底部、
26…戻し通路、70、80…弁体、70a、80a…雄ねじ部、71、81…ねじ山、
25h、71a、81a…頂部、100…ステッピングモータ、
130…マイクロコンピュータ、140…駆動回路、110…油温センサ、
R…リリーフ通路。

Claims (11)

  1. オイルポンプのオイルの吐出ポート部を含む吐出通路に連通されて雌ねじ部を内周面に沿い形成してなる連通路と、
    雄ねじ部を外周面に沿い形成して、当該雄ねじ部の前記雌ねじ部との螺合により螺進退可能に前記連通路に嵌装される弁体と、
    前記オイルポンプから前記吐出通路に吐出された前記オイルの少なくとも一部をリリーフするように、前記雄ねじ部と前記雌ねじ部との間に形成されて、前記弁体の螺進退により通路長が可変となるリリーフ通路とを備えるオイルリリーフ機構。
  2. 前記リリーフ通路は、前記雄ねじ部の各頂部と前記雌ねじ部の各底部との間及び/又は前記雄ねじ部の各底部と前記雌ねじ部の各頂部との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のオイルリリーフ機構。
  3. 前記リリーフ通路は、前記通路長が短い程前記オイルの量を多くリリーフするような通路断面積を有するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のオイルリリーフ機構。
  4. 前記リリーフ通路は、前記雄ねじ部の各ねじ山を、前記通路長がその減少方向端部から増大方向端部にかけて低くなるように形成することにより、前記通路長が短い程前記オイルの量を多くリリーフするような通路断面積に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のオイルリリーフ機構。
  5. 前記リリーフ通路は、前記雌ねじ部のねじ底を、前記通路長がその増大方向端部から減少方向端部にかけて深くなるように形成することにより、前記通路長が短い程前記オイルの量を多くリリーフするような通路断面積に形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のオイルリリーフ機構。
  6. 前記連通路は、前記リリーフ通路の前記通路長の減少方向側端部側にて、前記オイルポンプの吸入部を含む吸入側通路に連通していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のオイルリリーフ機構。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のオイルリリーフ機構と、
    前記オイルの温度を油温として検出する油温検出手段と、
    この油温検出手段の検出油温に基づいて前記リリーフ通路の通路長を設定する通路長設定手段と、
    前記リリーフ通路の通路長が前記通路長設定手段の設定通路長となるように前記弁体を螺進退制御する制御手段とを備えるオイルリリーフ装置。
  8. 前記オイルの圧力を油圧として検出する油圧検出手段を備えて、
    前記制御手段は、前記圧力検出手段の検出油圧がリリーフ圧となったときに、前記リリーフ通路の通路長が前記設定通路長となるように前記弁体を螺進退制御することを特徴とする請求項7に記載のオイルリリーフ装置。
  9. 前記検出油温に基づいて前記リリーフ圧を設定するリリーフ圧設定手段を備えることを特徴とする請求項8に記載のオイルリリーフ装置。
  10. 前記通路長設定手段は、前記検出油温に基づいて前記リリーフ通路の第1及び第2の通路長をそれぞれ設定する第1及び第2の通路長設定手段を備えており、
    前記制御手段は、前記検出油圧が前記リリーフ圧となるまでは前記リリーフ通路の通路長が前記第1通路長となるように前記弁体を螺進退制御し、前記検出油圧が前記リリーフ圧となったときに前記リリーフ通路の通路長が前記第2通路長となるように前記弁体を螺進退制御を制御することを特徴とする請求項8または9に記載のオイルリリーフ装置。
  11. 前記通路長設定手段は、前記検出油温が高い程長くなるように前記リリーフ通路の通路長を設定することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載のオイルリリーフ装置。
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