JP2009185665A - 駆動力源制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動力源制御装置にてアクチュエータの作動性能を考慮することでハンチングなどの作動不安定を防止してアクチュエータの作動頻度が高まることを確実に防止する。
【解決手段】バッテリ電圧に基づいてスロットル開度変化速度限界を算出し、この値に基づいて減少側負荷率変化限界KLminと増加側負荷率変化限界KLmaxとを設定して要求運転状態量としての目標負荷率KLtを制限している。この制限後の目標負荷率KLtは、スロットルバルブ用モータが作動可能な変化速度限界内での変化となり、スロットルバルブ用モータの作動性能を越えた目標負荷率KLtを設定することはない。この目標負荷率KLtに対応する目標スロットル開度TAtを介して行われるエンジン制御は、スロットルバルブに不安定な作動を引き起こすことがない。したがって課題を達成できる。このことでエネルギー消費を抑制し、スロットルバルブの耐久性が高まる。
【選択図】図2
【解決手段】バッテリ電圧に基づいてスロットル開度変化速度限界を算出し、この値に基づいて減少側負荷率変化限界KLminと増加側負荷率変化限界KLmaxとを設定して要求運転状態量としての目標負荷率KLtを制限している。この制限後の目標負荷率KLtは、スロットルバルブ用モータが作動可能な変化速度限界内での変化となり、スロットルバルブ用モータの作動性能を越えた目標負荷率KLtを設定することはない。この目標負荷率KLtに対応する目標スロットル開度TAtを介して行われるエンジン制御は、スロットルバルブに不安定な作動を引き起こすことがない。したがって課題を達成できる。このことでエネルギー消費を抑制し、スロットルバルブの耐久性が高まる。
【選択図】図2
Description
本発明は、駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置に関する。
トルクディマンド方式の内燃機関制御装置は、アクセル操作量(場合により制御システムによる要求量)、内燃機関回転数及び外部負荷に基づき、内燃機関の目標トルクを算出し、この目標トルクに応じて吸入空気量や燃料噴射量を制御している(例えば特許文献1参照)。
このトルクディマンド方式の内燃機関制御装置によると、車両の制御に直接作用する物理量である出力トルクを制御の基準値とすることにより、常に一定の操縦感覚を維持できる等、運転性の向上を図ることができる。
ここで吸入空気量を制御する場合には、アクチュエータとしてのスロットルバルブに指示値に相当する信号を出力してから、実際に気筒内の吸気状態(吸気圧、筒内空気量、充填率など)が変化するまでの応答遅れが問題となる。このことは燃料噴射量を制御する場合も各種アクチュエータによる燃料量調量のための駆動により応答遅れが存在する。
このような応答遅れを補償するため、実際の状態と目標運転状態との比較に基づいて指示値を算出する場合に、フィードバック制御における比例項のゲイン(比例定数)を大きくすることがなされている(例えば特許文献2参照)。
又、このような応答遅れにおいてアクチュエータ性能上のばらつきによるハンチングを防止するために目標運転状態と実運転状態との偏差に応じた不感帯を設定して不感帯に入った場合には指令値を保持する制御が行われている(例えば特許文献3参照)。
特開2007−192082号公報(第8−10頁、図6−7)
特開平7−97949号公報(第3頁、図3)
特開2005−307824号公報(第6−7頁、図3)
上述した特許文献1,2では要求トルクなどの要求運転状態量が変化する際に、その設定値はアクチュエータの応答能力(むだ時間、応答時間など)を考慮していない。このため要求運転状態量からアクチュエータの目標状態量を算出すると、アクチュエータが目標状態量に追随できず、要求通りに出力が得られない。このことによりハンチングなどの作動不安定を生じてアクチュエータの作動頻度を高める場合がある。そしてこのようにアクチュエータの作動頻度が高まるとアクチュエータの耐久性に問題を生じる場合がある。
特許文献3では不感帯の設定により振動的な出力を解決しようとしている。しかし、やはり設定値はアクチュエータの応答能力を考慮していないので、アクチュエータが目標状態量に追随できない場合があり、不感帯以外の領域にてはハンチングなどの作動不安定を生じる。したがってアクチュエータの作動頻度を高める問題は解決していない。
フィルタ処理(一次遅れ処理、移動平均処理など)により目標状態量変化を抑制することでハンチングの防止は可能であるが、対症療法でありアクチュエータの性能を考慮したものではないので、十分に作動安定性を高めるような対策ではなかった。
本発明は、アクチュエータの作動性能を考慮することでハンチングなどの作動不安定を防止してアクチュエータの作動頻度が高まることを確実に防止することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の駆動力源制御装置は、駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置であって、アクチュエータの作動速度限界に基づいて駆動力源に対する要求運転状態量を制限する要求制限手段を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の駆動力源制御装置は、駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置であって、アクチュエータの作動速度限界に基づいて駆動力源に対する要求運転状態量を制限する要求制限手段を備えたことを特徴とする。
アクチュエータはその作動状態を変化させる速度は無限大でなく作動速度には限界が存在する。この作動速度限界に基づいて要求制限手段が駆動力源に対する要求運転状態量を制限する。このことにより要求運転状態量はアクチュエータの作動速度内での変化となり、アクチュエータの作動性能を越えた要求運転状態量を設定することはない。
このように制限された要求運転状態量に基づいて行われる駆動力源に対する制御は、アクチュエータに不安定な作動を引き起こすことがない。したがってアクチュエータの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項2に記載の駆動力源制御装置は、駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置であって、アクチュエータの作動速度限界に基づいて駆動力源の運転状態変化速度限界を設定する運転状態変化速度限界設定手段と、駆動力源に対する要求運転状態量を達成するためのアクチュエータの目標状態量を、前記運転状態変化速度限界設定手段にて設定された運転状態変化速度限界に基づいて制限するアクチュエータ目標状態量制限手段とを備えたことを特徴とする。
アクチュエータはその作動状態を変化させる速度は無限大でなく作動速度には限界が存在する。この作動速度限界に基づいて運転状態変化速度限界設定手段は駆動力源の運転状態変化速度限界を設定する。このことによりアクチュエータにより実現可能な駆動力源の運転状態変化速度限界が得られる。
更にこの運転状態変化速度限界に基づいてアクチュエータ目標状態量制限手段は、駆動力源に対する要求運転状態量を達成するためのアクチュエータの目標状態量を制限する。このためアクチュエータの作動性能を越えた運転状態量を実現するような目標状態量が設定されることはない。
このように制限された目標状態量により行われるアクチュエータ駆動は、アクチュエータに不安定な作動を引き起こすことがない。したがってアクチュエータの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項3に記載の駆動力源制御装置は、駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置であって、アクチュエータの作動速度限界に基づいて駆動力源の運転状態変化速度限界を設定する運転状態変化速度限界設定手段と、駆動力源に対する要求運転状態量を、前記運転状態変化速度限界設定手段にて設定された運転状態変化速度限界に基づいて制限する要求運転状態量制限手段と、前記要求運転状態量制限手段にて制限されることで求められた制限後要求運転状態量を、アクチュエータの目標状態量に変換するアクチュエータ目標状態量生成手段とを備えたことを特徴とする。
アクチュエータはその作動状態を変化させる速度は無限大でなく作動速度には限界が存在する。この作動速度限界に基づいて運転状態変化速度限界設定手段は駆動力源の運転状態変化速度限界を設定する。このことによりアクチュエータにより実現可能な駆動力源の運転状態変化速度限界が得られる。
更にこの運転状態変化速度限界に基づいて要求運転状態量制限手段は、駆動力源に対する要求運転状態量を制限する。このためアクチュエータの作動性能を越えた要求運転状態量が設定されることが回避される。そしてこの制限後要求運転状態量をアクチュエータ目標状態量生成手段はアクチュエータの目標状態量に変換する。このためアクチュエータの作動性能を越えた運転状態量を実現するような目標状態量が設定されることはない。
このように制限された目標状態量により行われるアクチュエータ駆動は、アクチュエータに不安定な作動を引き起こすことがない。したがってアクチュエータの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項4に記載の駆動力源制御装置では、請求項1〜3のいずれか一項において、前記アクチュエータは電動アクチュエータであり、前記アクチュエータの作動速度限界は、電力源の出力電圧に応じて設定されることを特徴とする。
アクチュエータが電動アクチュエータである場合には、アクチュエータの作動性能は電力源の出力電圧に依存することから、アクチュエータの作動速度限界が電力源の出力電圧に応じて設定されるようにすることで、高精度なアクチュエータの作動速度限界が設定できる。このことにより、より確実に、駆動力源に対して行われる制御においてアクチュエータに不安定な作動を引き起こすことがないようにでき、アクチュエータの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項5に記載の駆動力源制御装置では、請求項1〜4のいずれか一項において、前記駆動力源は内燃機関であり、前記アクチュエータは吸入空気量調節装置であることを特徴とする。
駆動力源が内燃機関である場合は、アクチュエータとしては内燃機関の吸入空気量調節装置を挙げることができる。
内燃機関を吸入空気量調節装置により制御するにおいて、吸入空気量調節装置の作動性能を前述のごとく考慮することでハンチングなどの吸入空気量調節装置の作動不安定を防止して吸入空気量調節装置の作動頻度が高まることを確実に防止できる。
内燃機関を吸入空気量調節装置により制御するにおいて、吸入空気量調節装置の作動性能を前述のごとく考慮することでハンチングなどの吸入空気量調節装置の作動不安定を防止して吸入空気量調節装置の作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項6に記載の駆動力源制御装置では、請求項5において、前記吸入空気量調節装置は電動スロットルバルブであることを特徴とする。
吸入空気量調節装置としては電動スロットルバルブを挙げることができる。内燃機関を電動スロットルバルブにより制御するにおいて、電動スロットルバルブの作動性能を前述のごとく考慮することでハンチングなどの電動スロットルバルブの作動不安定を防止して電動スロットルバルブの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
吸入空気量調節装置としては電動スロットルバルブを挙げることができる。内燃機関を電動スロットルバルブにより制御するにおいて、電動スロットルバルブの作動性能を前述のごとく考慮することでハンチングなどの電動スロットルバルブの作動不安定を防止して電動スロットルバルブの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項7に記載の駆動力源制御装置では、請求項3において、前記駆動力源は内燃機関であり、前記アクチュエータは電動スロットルバルブであり、前記運転状態変化速度限界設定手段は電動スロットルバルブの開度変化速度限界に基づいて内燃機関の筒内空気量変化速度限界を設定する手段であり、前記要求運転状態量制限手段は内燃機関に対して要求される要求筒内空気量を、前記運転状態変化速度限界設定手段にて設定された筒内空気量変化速度限界に基づいて制限する手段であり、前記アクチュエータ目標状態量生成手段は前記要求運転状態量制限手段にて制限されることで求められた制限後要求筒内空気量を、電動スロットルバルブの目標開度に変換する手段であることを特徴とする。
このように駆動力源は内燃機関とし、アクチュエータは電動スロットルバルブとした場合、上述のごとく運転状態変化速度限界設定手段、要求運転状態量制限手段及びアクチュエータ目標状態量生成手段を構成することにより、電動スロットルバルブの性能を越えた要求筒内空気量が設定されることが回避される。そしてこの制限後要求筒内空気量をアクチュエータ目標状態量生成手段は電動スロットルバルブの目標開度に変換するため、電動スロットルバルブの作動性能を越えた筒内空気量を実現するような目標開度が設定されることはない。
このように制限された目標開度により行われる電動スロットルバルブ駆動は、電動スロットルバルブに不安定な作動を引き起こすことがない。したがって電動スロットルバルブの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項8に記載の駆動力源制御装置では、請求項7において、前記要求筒内空気量は、要求トルクに基づいて算出されることを特徴とする。
このように要求トルクに基づいて要求筒内空気量が算出される場合も、前述したごとく電動スロットルバルブの目標開度は制限後要求筒内空気量を介して間接的に制限されて、この制限された目標開度により行われる電動スロットルバルブ駆動は、電動スロットルバルブに不安定な作動を引き起こすことがない。したがって電動スロットルバルブの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
このように要求トルクに基づいて要求筒内空気量が算出される場合も、前述したごとく電動スロットルバルブの目標開度は制限後要求筒内空気量を介して間接的に制限されて、この制限された目標開度により行われる電動スロットルバルブ駆動は、電動スロットルバルブに不安定な作動を引き起こすことがない。したがって電動スロットルバルブの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
請求項9に記載の駆動力源制御装置では、請求項8において、前記要求トルクは、内燃機関を操作するドライバーによる指示に基づいて算出されることを特徴とする。
このように要求トルクはドライバーの指示に基づいて算出しても良く、このようなトルクディマンド方式の内燃機関制御においても電動スロットルバルブに不安定な作動を引き起こすことがなく、電動スロットルバルブの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
このように要求トルクはドライバーの指示に基づいて算出しても良く、このようなトルクディマンド方式の内燃機関制御においても電動スロットルバルブに不安定な作動を引き起こすことがなく、電動スロットルバルブの作動頻度が高まることを確実に防止できる。
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された内燃機関制御装置及び車両用内燃機関の概略構成を表すブロック図である。ここでは内燃機関としてガソリンエンジン(駆動力源に相当、以下「エンジン」と略す)2に適用した例を示している。エンジン2は4気筒の内燃機関であるが、図1では1気筒のみを示している。気筒数は6気筒でも8気筒でも良い。このエンジン2は各気筒に吸気バルブ4と排気バルブ6とがそれぞれ2つ設けられた4バルブエンジンであるが、2バルブエンジンでも5バルブエンジンでも良い。
図1は、上述した発明が適用された内燃機関制御装置及び車両用内燃機関の概略構成を表すブロック図である。ここでは内燃機関としてガソリンエンジン(駆動力源に相当、以下「エンジン」と略す)2に適用した例を示している。エンジン2は4気筒の内燃機関であるが、図1では1気筒のみを示している。気筒数は6気筒でも8気筒でも良い。このエンジン2は各気筒に吸気バルブ4と排気バルブ6とがそれぞれ2つ設けられた4バルブエンジンであるが、2バルブエンジンでも5バルブエンジンでも良い。
エンジン2の出力は変速機を介して最終的に車輪に走行駆動力として伝達される。エンジン2には、吸気ポート8にて燃料を噴射する燃料噴射弁10と、吸気と共に燃焼室12内に吸入された燃料に点火する点火プラグ14とがそれぞれ設けられている。吸気ポート8に接続された吸気通路16の途中にはサージタンク18が設けられ、サージタンク18の上流側にはモータ20によって開度が調節される電子制御式の電動スロットルバルブ(以下、スロットルバルブと略す)22が設けられている。このスロットルバルブ22の開度(スロットル開度TA)により吸入空気量が調節され、その結果、エンジン2の負荷率KL(%)が調節される。すなわちスロットルバルブ22は吸入空気量調節装置に相当する。ここで負荷率KLとは、筒内空気量に対応するものであり、基準とする筒内最大空気量に対する実際の筒内空気量の割合(%)であり、吸入空気量GA(g/s)とエンジン回転数NE(rpm)とから算出される。尚、このような負荷率以外に、吸入空気量(g/s)そのものや、吸気圧センサを設けて検出した吸気圧を用いても良い。
スロットル開度TA(deg)はスロットル開度センサ24により検出され、エンジン2の吸入空気量GA(g/s)は吸気通路16に設けられた吸入空気量センサ26により検出され、吸気温THAは吸気通路16に設けられた吸気温センサ28により検出される。これらの検出値は、それぞれ、内燃機関制御装置(駆動力源制御装置に相当)としての電子制御ユニット(以下、ECUと称する)30に読み込まれる。
排気ポート32には排気通路34が接続され、この排気通路34に配置された空燃比センサ36により排気成分に基づいて混合気の空燃比A/Fが検出される。この排気通路34には更に三元触媒やNOx吸蔵還元触媒等の排気浄化触媒が配置されている。
燃料噴射弁10にはデリバリパイプを介して高圧燃料ポンプ側から高圧燃料を供給され、燃料噴射弁10からはECU30により計算された噴射時期にて燃料が吸気ポート8内に噴射される。
ECU30はCPU、ROM、RAMなどを備えたデジタルコンピュータを中心として構成されているエンジン制御回路であり、上述したスロットル開度センサ24、吸入空気量センサ26、吸気温センサ28、空燃比センサ36以外にも各種センサ類より信号を入力している。すなわちアクセルペダル40の踏み込み量(アクセル開度ACCP:%)を検出するアクセル開度センサ42、クランクシャフト回転からエンジン回転数NE(rpm)を検出するエンジン回転数センサ44より信号を入力している。更に吸気カムシャフト回転から吸気カムのカム角GIを決定するカム角センサ46、排気カムシャフト回転から排気カムのカム角GEを決定するカム角センサ48より信号を入力している。更に冷却水温センサ50よりエンジン冷却水温THW(℃)信号を、バッテリ電圧センサ52より電力源としてのバッテリから出力電圧としてのバッテリ電圧Vb(V)信号を入力している。尚、本実施の形態のエンジン2はバルブタイミング可変機構46a,48aにより吸気バルブ4及び排気バルブ6のバルブタイミングVVT調節が可能とされている。
ECU30は、上述した各センサ類からの検出内容に基づいて、スロットル開度TA、燃料噴射弁10からの燃料噴射量、燃料噴射時期、点火プラグ14による点火時期等を制御する。
次にECU30により実行される制御の内、アクセル開度ACCP等に基づいて目標トルクTEを実現するためのスロットル開度制御処理について説明する。本処理のフローチャートを図2に示す。本処理は周期的(例えば8msec毎)に割り込みにより実行される。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
スロットル開度制御処理(図2)が開始されると、まず式1によりドライバー要求トルクTEd(N・m)が算出される(S102)。
[式1] TEd ← MAPted(ACCP,NE)
ここでマップMAPtedは、ドライバーが操作するアクセルペダル40の踏み込み量であるアクセル開度ACCPと、エンジン回転数センサ44にて検出されているエンジン回転数NEとに基づいてドライバー要求トルクTEdを設定するためのマップである。このマップMAPtedは、エンジン2の出力設計性能に対応して設定されている。
[式1] TEd ← MAPted(ACCP,NE)
ここでマップMAPtedは、ドライバーが操作するアクセルペダル40の踏み込み量であるアクセル開度ACCPと、エンジン回転数センサ44にて検出されているエンジン回転数NEとに基づいてドライバー要求トルクTEdを設定するためのマップである。このマップMAPtedは、エンジン2の出力設計性能に対応して設定されている。
前記式1にてドライバーの要求に応じたドライバー要求トルクTEdが設定されると、次にこのドライバー要求トルクTEdと他のシステムによる各種要求トルクとの中から実現するべき要求トルクを、エンジン2の運転状態に基づいて選択して、目標基本トルクTEaとして設定する(S104)。他のシステムとしては、変速制御、クルーズ制御、トラクション制御、車両走行安定制御などである。これらの他のシステムにて設定される要求トルクが優先される運転状態であればドライバー要求トルクTEdの代わりに他のシステムのいずれかの要求トルクが選択されるが、これ以外ではアクセルペダル40にて指示されるドライバー要求トルクTEdが目標基本トルクTEaとして設定される。
次に式2に示すごとく、目標トルクTEが算出される(S106)。
[式2] TE ← TEa + 損失トルク + 消費トルク
ここで損失トルクはエンジン2のフリクションによるものであり、エンジン回転数NEとエンジン冷却水温THWとに基づいてマップから求められるトルク加算値である。消費トルクは、エアコン、パワーステアリング等の付加的な装置によるトルク加算値である。
[式2] TE ← TEa + 損失トルク + 消費トルク
ここで損失トルクはエンジン2のフリクションによるものであり、エンジン回転数NEとエンジン冷却水温THWとに基づいてマップから求められるトルク加算値である。消費トルクは、エアコン、パワーステアリング等の付加的な装置によるトルク加算値である。
次にこの目標トルクTEに各種補正が加えられる(S108)。例えば出力トルクに影響する点火時期等による補正が加えられる。
そして式3に示すごとく目標トルクTEをエンジン2から出力させるための一時目標負荷率KLxが算出される(S110)。
そして式3に示すごとく目標トルクTEをエンジン2から出力させるための一時目標負荷率KLxが算出される(S110)。
[式3] KLx ← MAPkl(TE,NE)
ここでは目標トルクTEとエンジン回転数NEとに基づいてマップMAPklにより目標トルクTEを実現するための一時目標負荷率KLxが算出される。
ここでは目標トルクTEとエンジン回転数NEとに基づいてマップMAPklにより目標トルクTEを実現するための一時目標負荷率KLxが算出される。
次に式4に示すごとく、一時目標負荷率KLxが負荷率変化限界内にある値か否かを判定する(S112)。
[式4] KLmin ≦ KLx ≦ KLmax
ここで負荷率変化限界を表す値である増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminは、図3に示す負荷率変化限界算出処理により、スロットル開度制御処理(図2)の開始直前に設定されている値である。この負荷率変化限界算出処理(図3)はスロットル開度制御処理(図2)と同周期で実行されて、繰り返し増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminを求めて更新している。
[式4] KLmin ≦ KLx ≦ KLmax
ここで負荷率変化限界を表す値である増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminは、図3に示す負荷率変化限界算出処理により、スロットル開度制御処理(図2)の開始直前に設定されている値である。この負荷率変化限界算出処理(図3)はスロットル開度制御処理(図2)と同周期で実行されて、繰り返し増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminを求めて更新している。
ここで負荷率変化限界算出処理(図3)について説明する。本処理では、まず図4に示すスロットル開度変化速度限界マップMAPdtaによりバッテリ電圧Vbに基づいて増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxと減少側スロットル開度変化速度限界dTAminとが算出される(S152)。増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxは制御周期(ここでは8msec)間にモータ20の駆動によりスロットル開度TAを増加側に変化可能な限界値である。減少側スロットル開度変化速度限界dTAminは制御周期間にモータ20の駆動によりスロットル開度TAを減少側に変化可能な限界値である。
増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxはプラスの値であり、バッテリ電圧Vbの増加に応じて増加する。減少側スロットル開度変化速度限界dTAminはマイナスの値であり、バッテリ電圧Vbの増加に応じて減少する。すなわちバッテリ電圧Vbが高いほどモータ20によるスロットルバルブ22の駆動速度が増加側においても減少側においても高速になることを示している。尚、図4では増加側スロットル開度変化速度限界dTAmax及び減少側スロットル開度変化速度限界dTAminの単位はスロットルバルブ22の角度(deg)で示しているが、スロットルバルブ22の全開状態を100%として%(百分率)で表しても良い。
次に式5に示すごとく現在のスロットル開度TAに増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxを加えることで増加側スロットル開度変化限界TAmaxを求める(S154)。
[式5] TAmax ← TA + dTAmax
次に式6に示すごとく現在のスロットル開度TAに減少側スロットル開度変化速度限界dTAminを加えることで減少側スロットル開度変化限界TAminを求める(S156)。
次に式6に示すごとく現在のスロットル開度TAに減少側スロットル開度変化速度限界dTAminを加えることで減少側スロットル開度変化限界TAminを求める(S156)。
[式6] TAmin ← TA + dTAmin
そして前記式5にて求めた増加側スロットル開度変化限界TAmaxを用いて、エンジン2における吸気系のエアモデルから求めた、スロットル開度TAと負荷率KLとの関係を表す関数Faにより、増加側負荷率変化限界KLmaxを算出する(S158)。尚、関数Faのパラメータとしてはスロットル開度以外にエンジン回転数NE、バルブタイミングVVT(ここでは2つのカム角GI,GEに相当)、エンジン冷却水温THW、吸気温THA等が存在する。関数Faでなく、エアモデルに基づいて作成されたスロットル開度TAと負荷率KLとの関係を表すマップを用いて増加側スロットル開度変化限界TAmax及び前記他のパラメータに基づいて増加側負荷率変化限界KLmaxを求めても良い。尚、上記エアモデルは、エンジン2の吸気系をスロットルバルブ22、吸気通路16、吸気バルブ4等の要素に分けてそれぞれの要素毎にモデル化して数式で表すことによりエンジン2の吸入空気量(ここでは筒内空気量)を計算により求めるためのモデルである。
そして前記式5にて求めた増加側スロットル開度変化限界TAmaxを用いて、エンジン2における吸気系のエアモデルから求めた、スロットル開度TAと負荷率KLとの関係を表す関数Faにより、増加側負荷率変化限界KLmaxを算出する(S158)。尚、関数Faのパラメータとしてはスロットル開度以外にエンジン回転数NE、バルブタイミングVVT(ここでは2つのカム角GI,GEに相当)、エンジン冷却水温THW、吸気温THA等が存在する。関数Faでなく、エアモデルに基づいて作成されたスロットル開度TAと負荷率KLとの関係を表すマップを用いて増加側スロットル開度変化限界TAmax及び前記他のパラメータに基づいて増加側負荷率変化限界KLmaxを求めても良い。尚、上記エアモデルは、エンジン2の吸気系をスロットルバルブ22、吸気通路16、吸気バルブ4等の要素に分けてそれぞれの要素毎にモデル化して数式で表すことによりエンジン2の吸入空気量(ここでは筒内空気量)を計算により求めるためのモデルである。
次に前記式6にて求めた減少側スロットル開度変化限界TAminを用いて、前述した関数Faにより、減少側負荷率変化限界KLminを算出する(S160)。尚、スロットル開度TAと負荷率KLとの関係を表すマップを用いて減少側スロットル開度変化限界TAmin及び前記他のパラメータに基づいて減少側負荷率変化限界KLminを求めても良い。このように負荷率変化限界算出処理(図3)にて周期的に増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminが算出されて更新されている。
スロットル開度制御処理(図2)の説明に戻る。上述のごとく周期的に更新されている負荷率変化限界KLmax,KLminにて前記式4の判定がなされた結果、前記式4を満足した状態、すなわち一時目標負荷率KLxが負荷率変化限界内にある場合には(S112でYES)、目標負荷率KLtに一時目標負荷率KLxの値がそのまま設定される(S114)。
前記式4を満足しない状態、すなわち一時目標負荷率KLxが負荷率変化限界外にある場合には(S112でNO)、エンジン負荷が増加側か否かが判定される(S116)。この判定は、前回設定された目標負荷率KLtと今回の一時目標負荷率KLxとの差がプラスか否か、前回設定された目標トルクTEと今回設定された目標トルクTEとの差がプラスか否か、あるいはスロットル開度TAが増加側か否かにより判定する。
エンジン負荷が増加側である場合には(S116でYES)、目標負荷率KLtには増加側負荷率変化限界KLmaxが設定される(S118)。エンジン負荷が減少側である場合には(S116でNO)、目標負荷率KLtには減少側負荷率変化限界KLminが設定される(S120)。すなわち一時目標負荷率KLxが負荷率変化限界外にある場合にはスロットル開度TAの変化は一時目標負荷率KLxに追いつかないことから、追いつける限界である増加側負荷率変化限界KLmaxあるいは減少側負荷率変化限界KLminが設定されることになる。
ステップS114,S118,S120のいずれかにて制限後の目標負荷率KLtが設定されると、次にこの新たな目標負荷率KLtを用いて、負荷率KLとスロットル開度TAとの関係を表す関数Fbにより、目標負荷率KLtに対応するスロットル開度を算出して目標スロットル開度TAtとする(S122)。尚、関数Fbのパラメータとしては負荷率以外にエンジン回転数NE、バルブタイミングVVT(ここでは2つのカム角GI,GEに相当)、エンジン冷却水温THW、吸気温THA等が存在する。この関数Fbは、負荷率変化速度限界算出処理(図3)のステップS158,S160にて説明したエアモデルの逆モデルを表している。関数Fbでなく、負荷率KLとスロットル開度TAとの関係を表すマップを用いて目標負荷率KLt及び前記他のパラメータに基づいて目標スロットル開度TAtを求めても良い。
そしてこのように算出された目標スロットル開度TAtに基づいて制御信号がスロットルバルブ22を駆動するモータ20へ出力され(S124)、このことで実際のスロットル開度TAが目標スロットル開度TAtとなるように制御される。
以後、上述した処理(図2,3)が8msec毎に繰り返されることでモータ20によるスロットル開度TA調節がなされることになる。
図5のタイミングチャートに本実施の形態による制御の一例を示す。タイミングt0においてドライバーがアクセルペダル40を急速に踏み込むと、これに応じて目標トルクTEについてもステップ的に上昇する。目標負荷率KLtについては増加側負荷率変化限界KLmaxにより制限されて、ステップ的な上昇とはならない。このため目標負荷率KLtに基づく目標スロットル開度TAtもスロットルバルブ22のモータ20による実際のスロットル開度TAの上昇限界を越えないように上昇し、実際の負荷率KLもこれに対応した上昇となる(t0〜)。
図5のタイミングチャートに本実施の形態による制御の一例を示す。タイミングt0においてドライバーがアクセルペダル40を急速に踏み込むと、これに応じて目標トルクTEについてもステップ的に上昇する。目標負荷率KLtについては増加側負荷率変化限界KLmaxにより制限されて、ステップ的な上昇とはならない。このため目標負荷率KLtに基づく目標スロットル開度TAtもスロットルバルブ22のモータ20による実際のスロットル開度TAの上昇限界を越えないように上昇し、実際の負荷率KLもこれに対応した上昇となる(t0〜)。
タイミングt1ではドライバーがアクセルペダル40を急速に戻しているが、この場合も同様に目標負荷率KLtについては減少側負荷率変化限界KLminにより制限されて、ステップ的な下降とはならない。このため目標負荷率KLtに基づく目標スロットル開度TAtもスロットルバルブ22のモータ20による実際のスロットル開度TAの下降限界を越えないように下降し、実際の負荷率KLもこれに対応した下降となる(t1〜)。
もしモータ20によるスロットルバルブ22の作動速度限界を考慮しない場合には、破線にて示すごとく、ハンチングといった作動不安定を生じる。単にフィルタ処理のみをした場合にも状況によりこのような作動不安定を生じる。したがってスロットルバルブ22の作動頻度が高まることになる。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU30が要求制限手段、運転状態変化速度限界設定手段、要求運転状態量制限手段、アクチュエータ目標状態量制限手段及びアクチュエータ目標状態量生成手段に相当する。
スロットル開度制御処理(図2)のステップS112〜S120及び負荷率変化速度限界算出処理(図3)が要求制限手段としての処理に相当する。負荷率変化速度限界算出処理(図3)が運転状態変化速度限界設定手段としての処理に、スロットル開度制御処理(図2)のステップS112〜S122がアクチュエータ目標状態量制限手段としての処理に相当する。負荷率変化速度限界算出処理(図3)が運転状態変化速度限界設定手段としての処理に、スロットル開度制御処理(図2)のステップS112〜S120が要求運転状態量制限手段としての処理に、ステップS122がアクチュエータ目標状態量生成手段に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).モータ20がスロットル開度TAを変化させる速度は無限大でなく限界が存在する。バッテリ電圧Vbに応じてモータ20の出力トルクは変化することから、バッテリ電圧Vbに基づいてスロットル開度変化速度限界マップMAPdtaから、増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxと減少側スロットル開度変化速度限界dTAminとを算出している。
(イ).モータ20がスロットル開度TAを変化させる速度は無限大でなく限界が存在する。バッテリ電圧Vbに応じてモータ20の出力トルクは変化することから、バッテリ電圧Vbに基づいてスロットル開度変化速度限界マップMAPdtaから、増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxと減少側スロットル開度変化速度限界dTAminとを算出している。
この増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxと減少側スロットル開度変化速度限界dTAminとに基づいて、筒内空気量変化速度限界としての減少側負荷率変化限界KLminと増加側負荷率変化限界KLmaxとを設定して、要求運転状態量としての目標負荷率KLtを制限している。このように制限された目標負荷率KLt(制限後要求筒内空気量:制限後要求運転状態量に相当)は、スロットルバルブ22のモータ20が作動可能な、スロットル開度TAの変化速度限界内での変化となり、スロットルバルブ22のモータ20の作動性能を越えた目標負荷率KLtを設定することはない。
このように制限された目標負荷率KLtに対応する目標スロットル開度TAtを介して行われるエンジン制御は、スロットルバルブ22に不安定な作動を引き起こすことがない。したがってスロットルバルブ22の作動頻度が高まることを確実に防止できる。このことによりモータ20によるエネルギー消費を抑制し、更にスロットルバルブ22の耐久性も高めることができる。
(ロ).本実施の形態では目標トルクTEはドライバー要求トルクTEdを含む要求トルクに基づいて設定している。このようなトルクディマンド方式のエンジン制御においてもスロットルバルブ22に不安定な作動を引き起こすことがなく、スロットルバルブ22の作動頻度が高まることを確実に防止できる。
[その他の実施の形態]
(a).上述したスロットル開度制御に加えて、燃料噴射量制御においてもエアモデルを用いて空気応答遅れの補償制御を実行する構成としても良い。
(a).上述したスロットル開度制御に加えて、燃料噴射量制御においてもエアモデルを用いて空気応答遅れの補償制御を実行する構成としても良い。
このような補償制御を実行する場合には吸気圧の前回値と今回値との差分を計算する必要があるが、上述したごとく目標負荷率KLt側の制限が実行されていることにより、この制限がなされていない場合に比較して、空気応答遅れの補償制御においては、スロットルバルブ22の作動速度限界を考慮した吸気圧の再計算が不要となる。このことから燃料噴射量制御側での演算処理の負荷を軽減させることができる。
(b).前記実施の形態では、目標負荷率KLtに変化速度制限を設定したが、目標トルクTEにスロットルバルブ22の作動上の変化速度限界を適用して、目標トルクTEの変化速度を制限しても良い。
(c).前記実施の形態では、増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminを求めて目標負荷率KLtを制限した。この代わりに、増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminを求めた後に、この増加側負荷率変化限界KLmax及び減少側負荷率変化限界KLminを、目標スロットル開度TAtに対する変化限界に換算する。そしてこの目標スロットル開度TAtに対する変化限界を用いて、一時目標負荷率KLxを変換した目標スロットル開度TAtに対して制限を加えても良い。すなわちアクチュエータの目標状態量を駆動力源に対して設定された運転状態変化速度限界に基づいて制限しても良い。
(d).前記実施の形態では増加側スロットル開度変化速度限界dTAmax及び減少側スロットル開度変化速度限界dTAminはバッテリ電圧Vbに応じた値に設定した。ただしバッテリ電圧Vbの変動が無視できる安定化された電源を用いている場合であれば、増加側スロットル開度変化速度限界dTAmax及び減少側スロットル開度変化速度限界dTAminは固定値を用いても良い。
(e).前記実施の形態においてはガソリンエンジンにおけるスロットル開度制御に本発明を適用した例を示した。これ以外に例えば燃料噴射量制御や燃料噴射時期制御においても適用できる。
例えばディーゼルエンジンにて燃料噴射量を調節して出力トルクを制御する場合の方式として、電子制御式分配型燃料噴射ポンプが用いられている。この電子制御式分配型燃料噴射ポンプにおいては、ポンププランジャに設けたスピルリングの軸方向位置をロータリソレノイド式アクチュエータなどにより調節することで燃料噴射量制御を実行している。燃料噴射時期はタイミングコントロールバルブなどによりタイマーピストン位置を調節することにより制御している。
このスピルリングの軸方向変化速度ややタイマーピストンの位置変化速度における限界に基づいてディーゼルエンジンに対する要求運転状態量である目標燃料噴射量や目標燃料噴射時期を制限する。このことにより、スピルリングやタイマーピストンに不安定な作動を引き起こすことがないので、スピルリングやタイマーピストンの作動頻度が高まることを確実に防止できる。このことにより調節上のエネルギー消費を抑制し、更にスピルリングやタイマーピストンの耐久性も高めることができる。
(f).前記実施の形態は、内燃機関における例であったが、駆動力源としては、ハイブリッドエンジンを挙げることができ、これらについても前記実施の形態1と同様な制御により同様な効果を生じさせることができる。
(g).スロットル開度制御処理(図2)及び負荷率変化限界算出処理(図3)では、実際の負荷率が増加か減少かにかかわらず、増加側負荷率変化限界KLmaxと減少側負荷率変化限界KLminとを共に算出して用いていた。この代わりに、最初に現在の運転状態が負荷率増加か負荷率減少かを判定し、負荷率増加時であれば増加側負荷率変化限界KLmaxのみを計算して、一時目標負荷率KLxの判定と制限とを増加側負荷率変化限界KLmaxのみで処理しても良い。負荷率減少時であれば減少側負荷率変化限界KLminのみを計算して、一時目標負荷率KLxの判定と制限とを減少側負荷率変化限界KLminのみで処理しても良い。
2…エンジン、4…吸気バルブ、6…排気バルブ、8…吸気ポート、10…燃料噴射弁、12…燃焼室、14…点火プラグ、16…吸気通路、18…サージタンク、20…モータ、22…スロットルバルブ、24…スロットル開度センサ、26…吸入空気量センサ、28…吸気温センサ、30…ECU、32…排気ポート、34…排気通路、36…空燃比センサ、40…アクセルペダル、42…アクセル開度センサ、44…エンジン回転数センサ、46,48…カム角センサ、46a,48a…バルブタイミング可変機構、50…冷却水温センサ、52…バッテリ電圧センサ。
Claims (9)
- 駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置であって、
アクチュエータの作動速度限界に基づいて駆動力源に対する要求運転状態量を制限する要求制限手段を備えたことを特徴とする駆動力源制御装置。 - 駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置であって、
アクチュエータの作動速度限界に基づいて駆動力源の運転状態変化速度限界を設定する運転状態変化速度限界設定手段と、
駆動力源に対する要求運転状態量を達成するためのアクチュエータの目標状態量を、前記運転状態変化速度限界設定手段にて設定された運転状態変化速度限界に基づいて制限するアクチュエータ目標状態量制限手段と、
を備えたことを特徴とする駆動力源制御装置。 - 駆動力源に対する要求運転状態を達成するために駆動力源をアクチュエータにて制御する駆動力源制御装置であって、
アクチュエータの作動速度限界に基づいて駆動力源の運転状態変化速度限界を設定する運転状態変化速度限界設定手段と、
駆動力源に対する要求運転状態量を、前記運転状態変化速度限界設定手段にて設定された運転状態変化速度限界に基づいて制限する要求運転状態量制限手段と、
前記要求運転状態量制限手段にて制限されることで求められた制限後要求運転状態量を、アクチュエータの目標状態量に変換するアクチュエータ目標状態量生成手段と、
を備えたことを特徴とする駆動力源制御装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項において、前記アクチュエータは電動アクチュエータであり、前記アクチュエータの作動速度限界は、電力源の出力電圧に応じて設定されることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、前記駆動力源は内燃機関であり、前記アクチュエータは吸入空気量調節装置であることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項5において、前記吸入空気量調節装置は電動スロットルバルブであることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項3において、前記駆動力源は内燃機関であり、前記アクチュエータは電動スロットルバルブであり、前記運転状態変化速度限界設定手段は電動スロットルバルブの開度変化速度限界に基づいて内燃機関の筒内空気量変化速度限界を設定する手段であり、前記要求運転状態量制限手段は内燃機関に対して要求される要求筒内空気量を、前記運転状態変化速度限界設定手段にて設定された筒内空気量変化速度限界に基づいて制限する手段であり、前記アクチュエータ目標状態量生成手段は前記要求運転状態量制限手段にて制限されることで求められた制限後要求筒内空気量を、電動スロットルバルブの目標開度に変換する手段であることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項7において、前記要求筒内空気量は、要求トルクに基づいて算出されることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項8において、前記要求トルクは、内燃機関を操作するドライバーによる指示に基づいて算出されることを特徴とする駆動力源制御装置。
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JP2006037815A (ja) * | 2004-07-26 | 2006-02-09 | Mazda Motor Corp | エンジンの吸気制御装置 |
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