JP4807353B2 - 駆動力源制御装置 - Google Patents
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Description
請求項1に記載の駆動力源制御装置は、駆動力源の目標運転状態と駆動力源の実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて駆動力源の運転を制御するアクチュエータに対する指示値を算出する駆動力源制御装置であって、前記目標運転状態の時間変化における所定範囲内の勾配変動は、該勾配変動が無いものとした前記目標運転状態を用いて前記比較を実行して前記指示値を算出することを特徴とする。
請求項2に記載の駆動力源制御装置は、駆動力源の目標運転状態を算出する目標運転状態算出手段と、駆動力源の実運転状態あるいは推定運転状態を算出する駆動力源運転状態算出手段と、前記目標運転状態算出手段にて算出される目標運転状態と前記駆動力源運転状態算出手段にて算出される実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて駆動力源の運転を制御するアクチュエータに対する指示値を算出するアクチュエータ指示値算出手段とを備えた駆動力源制御装置であって、前記アクチュエータ指示値算出手段は、前記目標運転状態算出手段にて算出される目標運転状態の時間変化が所定範囲内の勾配変動である場合には、該勾配変動が無いとして目標運転状態を算出し、該目標運転状態と前記駆動力源運転状態算出手段にて算出される実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて前記指示値を算出することを特徴とする。
請求項3に記載の駆動力源制御装置では、請求項2において、前記目標運転状態算出手段は、前記目標運転状態を一定周期で算出していると共に、前記アクチュエータ指示値算出手段は、前記指示値の算出に前々回用いられた目標運転状態と前回用いられた目標運転状態との間の変化を前回変化とし、前回用いられた目標運転状態と前記目標運転状態算出手段にて今回算出された目標運転状態との間の変化を今回変化として、前回変化と今回変化との差を算出して、該差が所定範囲内の場合には今回変化を前回変化に一致させて前回用いられた目標運転状態から今回の目標運転状態を算出し、該今回の目標運転状態と前記駆動力源運転状態算出手段にて算出される実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて前記指示値を算出することを特徴とする。
請求項4に記載の駆動力源制御装置では、請求項2又は3において、前記目標運転状態算出手段による目標運転状態の算出頻度と前記アクチュエータ指示値算出手段による指示値の算出頻度とは同一に設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載の駆動力源制御装置では、請求項2〜4のいずれかにおいて、前記アクチュエータ指示値算出手段は、前記指示値を、駆動力源の実運転状態あるいは推定運転状態に対する応答遅れを補償できる値に算出していることを特徴とする。
請求項6に記載の駆動力源制御装置では、請求項5において、前記アクチュエータ指示値算出手段は、駆動力源の前記目標運転状態と前記実運転状態あるいは前記推定運転状態との差に基づく比例制御のゲインを大きくすることにより前記応答遅れを補償する前記指示値を算出していることを特徴とする。
このように内燃機関に適用することで目標運転状態にわずかな変動が生じても、吸気量、燃料噴射量あるいは燃料噴射時期等の指示値に反映させないようにできる。したがって制御上の応答遅れを補償しつつ、スロットルバルブや燃料噴射機構におけるアクチュエータの駆動方向の正逆が繰り返されるのが防止され、アクチュエータの耐久性を低下させるような駆動振動を防止することができる。
図1は、上述した発明が適用された内燃機関制御装置及び車両用内燃機関の概略構成を表すブロック図である。ここでは内燃機関としてガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2に適用した例を示している。エンジン2は4気筒の内燃機関であるが、図1では1気筒のみを縦断面にて示している。気筒数は6気筒でも8気筒でも良い。このエンジン2は各気筒に吸気バルブ4と排気バルブ6とがそれぞれ2つ設けられた4バルブエンジンであるが、2バルブエンジンでも5バルブエンジンでも良い。
ここでマップMAPtedはドライバーが操作するアクセルペダル40の踏み込み量であるアクセル開度ACCPと、エンジン回転数センサ44にて検出されているエンジン回転数NEとに基づいてドライバー要求トルクTEdを設定するためのマップである。このマップMAPtedは、エンジン2の出力性能設計に対応して設定されている。
[式2] TE ← TEa + 損失トルク + 消費トルク
ここで損失トルクはエンジン2のフリクションによるものであり、エンジン回転数NEとエンジン冷却水温THWとに基づいてマップから求められるトルク加算値である。消費トルクは、エアコン、パワーステアリング等の付加的な装置によるトルク加算値である。
そして式3に示すごとく目標トルクTEをエンジン2から出力させるための一時目標吸気圧Pintxが算出される(S210)。
ここでは目標トルクTEとエンジン回転数NEとに基づいて、マップMAPpintにより一時目標吸気圧Pintxが算出される。
そしてこの変動量dx(今回変化に相当)と前回の制御周期における変動量dxold(前回変化に相当)との差の絶対値(|dxold−dx|)が所定範囲A内か否かが判定される(S214)。ここで所定範囲Aとは、目標運転状態である一時目標吸気圧Pintxにおいて、1制御周期(ここでは4msed)間に生じる誤差の範囲を示している。このような誤差範囲は、一時目標吸気圧Pintxを算出するまでの計算上の誤差の蓄積や、アクセル開度ACCP、エンジン回転数NE等のセンサによる検出誤差(電源電圧変動も含む)による誤差の大きさを判定するための範囲であり、車両走行自体には問題ない程度の誤差を判定するためである。この所定範囲Aは予め実測あるいはシミュレーション計算などにより設定されている。
[式5] Pint ← Pintold + dxold
この式5の計算は、今回の制御周期時に算出された一時目標吸気圧Pintxは無視して、前々回から前回への時間変化(dxold/4msec)と同じ勾配にて、前回から今回の制御周期まで目標吸気圧Pintの変化があったものとして、新たな目標吸気圧Pintを算出するものである。
|dxold−dx|>Aである場合には(S214でNO)、今回の目標吸気圧Pintに一時目標吸気圧Pintxを設定する(S218)。
次にフィードバック制御、ここでは比例制御におけるゲインKpが式7により算出される(S108)。
このマップMAPkから求められるゲインKpは、エンジン回転数NEが大きくなるほど小さくなるように設定されている。ただしエンジン回転数NEの全領域において、ゲインKpは、後述するごとく算出されるスロットル開度指示値TAtが燃焼室12内における吸気圧の応答遅れを補償できるように、十分に大きい値が設定される。
[式8] dTA ← dP × Kp
そして式9により、前回の周期時に算出されたスロットル開度指示値TAtoldにスロットル開度指示値補正量dTAが加えられて、新たなスロットル開度指示値TAtとして設定される(S112)。
そしてスロットル開度指示値TAtoldの値に、今回算出されたスロットル開度指示値TAtが設定される(S114)。
以後、前述した処理(S102〜116)が4msec毎に繰り返されることでスロットルバルブ22のモータ20が回転駆動されることになる。
(イ).図5にて示したごとくの比較例は、一時目標吸気圧Pintxそのものを目標運転状態(ここでは目標吸気圧Pint)として、応答遅れを補償するために指示値を算出する比例ゲイン(ここではゲインKp)を大きくしている例である。前述したごとく比較例では、計算誤差や検出誤差によって目標運転状態である目標吸気圧Pintにわずかに変動が生じても、アクチュエータ(ここではモータ20を備えた電子制御式スロットルバルブ22)に駆動振動が生じることになる。このため比較例では電子制御式スロットルバルブ22の耐久性低下のおそれがある。
(a).前記実施の形態においてはガソリンエンジンにおける吸気圧制御に本発明を適用した例を示した。これ以外に例えば燃料噴射量制御や燃料噴射時期制御においても適用できる。
(c).前記実施の形態1においては目標吸気圧Pintの算出頻度とスロットル開度指示値TAtの算出頻度とは同じであったが、同じである必要はない。例えば目標吸気圧Pintの算出頻度の方が、スロットル開度指示値TAtの算出頻度よりも低くても良く、高くても良い。
Claims (9)
- 駆動力源の目標運転状態と駆動力源の実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて駆動力源の運転を制御するアクチュエータに対する指示値を算出する駆動力源制御装置であって、
前記目標運転状態の時間変化における所定範囲内の勾配変動は、該勾配変動が無いものとした前記目標運転状態を用いて前記比較を実行して前記指示値を算出することを特徴とする駆動力源制御装置。 - 駆動力源の目標運転状態を算出する目標運転状態算出手段と、
駆動力源の実運転状態あるいは推定運転状態を算出する駆動力源運転状態算出手段と、
前記目標運転状態算出手段にて算出される目標運転状態と前記駆動力源運転状態算出手段にて算出される実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて駆動力源の運転を制御するアクチュエータに対する指示値を算出するアクチュエータ指示値算出手段と、
を備えた駆動力源制御装置であって、
前記アクチュエータ指示値算出手段は、前記目標運転状態算出手段にて算出される目標運転状態の時間変化が所定範囲内の勾配変動である場合には、該勾配変動が無いとして目標運転状態を算出し、該目標運転状態と前記駆動力源運転状態算出手段にて算出される実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて前記指示値を算出することを特徴とする駆動力源制御装置。 - 請求項2において、前記目標運転状態算出手段は、前記目標運転状態を一定周期で算出していると共に、
前記アクチュエータ指示値算出手段は、前記指示値の算出に前々回用いられた目標運転状態と前回用いられた目標運転状態との間の変化を前回変化とし、前回用いられた目標運転状態と前記目標運転状態算出手段にて今回算出された目標運転状態との間の変化を今回変化として、前回変化と今回変化との差を算出して、該差が所定範囲内の場合には今回変化を前回変化に一致させて前回用いられた目標運転状態から今回の目標運転状態を算出し、該今回の目標運転状態と前記駆動力源運転状態算出手段にて算出される実運転状態あるいは推定運転状態との比較に基づいて前記指示値を算出することを特徴とする駆動力源制御装置。 - 請求項2又は3において、前記目標運転状態算出手段による目標運転状態の算出頻度と前記アクチュエータ指示値算出手段による指示値の算出頻度とは同一に設定されていることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項2〜4のいずれかにおいて、前記アクチュエータ指示値算出手段は、前記指示値を、駆動力源の実運転状態あるいは推定運転状態に対する応答遅れを補償できる値に算出していることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項5において、前記アクチュエータ指示値算出手段は、駆動力源の前記目標運転状態と前記実運転状態あるいは前記推定運転状態との差に基づく比例制御のゲインを大きくすることにより前記応答遅れを補償する前記指示値を算出していることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項2〜6のいずれかにおいて、前記駆動力源は、内燃機関であることを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項7において、前記目標運転状態算出手段は内燃機関の目標吸気状態を算出し、前記駆動力源運転状態算出手段は内燃機関の実吸気状態あるいは推定吸気状態を算出し、前記アクチュエータ指示値算出手段は内燃機関の吸入空気量を制御する電子制御式スロットルバルブを前記アクチュエータとして前記目標吸気状態と前記実吸気状態あるいは前記推定吸気状態との比較に基づいて前記電子制御式スロットルバルブに対する開度指示値を算出することを特徴とする駆動力源制御装置。
- 請求項1〜8のいずれかにおいて、駆動力源による出力トルクに目標値を設定して、該目標値を達成するために駆動力源の前記目標運転状態を算出し、該目標運転状態と駆動力源の前記実運転状態あるいは前記推定運転状態との比較に基づいてアクチュエータに対する前記指示値を算出することで駆動力源の運転を制御することを特徴とする駆動力源制御装置。
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