JP2009185507A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、水栓取付構造に関するものであり、より詳細には水栓本体を水栓取付板部より高い位置において取り付ける水栓取付構造に関する。
従来より、水栓本体を水栓取付板部に取り付ける方法として、水栓取付板部に開設された貫通孔の大きさに合わせた直径を有し貫通孔を貫通すると共に水栓本体に螺合される略円筒形状の取付ネジ管と、水栓取付部の下部から取付ネジ管に螺合される締付ナットとを用い、この取付ネジ管と締付ナットの締め付けによって固定する所謂ロックナット方式の水栓取付構造が考えられている。
また、水栓本体の下端に垂下するように取り付けられて水栓取付板部に開設された貫通孔を挿通するボルトと、このボルトを挿通可能に構成された挿通孔を備えて前記水栓取付板部の下面に配置される馬蹄形状の座金と、この座金の挿通孔を挿通するボルトに螺合して締め付けるナットとを有し、ナットの締め付けにより水栓取付板部を狭持して水栓本体を水栓取付板部に取り付ける所謂馬蹄方式の水栓取付構造も考えられている。
前記馬蹄方式はロックナット方式に比べて取付作業を容易に行うことができるだけでなく、水栓取付板部が肉厚である場合にも前記取付ネジ管に比べて安価なボルトを長く形成するだけよいので製造コストを低く抑えることができ、かつ、水栓取付板部に開設された貫通孔の大きさや形状の違いに柔軟に対応することができるので好ましい。しかしながら、ロックナット方式に比べて横方向に加わる力に対して幾らか弱いという問題がある。
一方、近年では水栓本体の周辺デザインに合わせて水栓本体を水栓取付板より高い位置に配置する所謂トールタイプの水栓が用いられており、そのために水栓本体の下端部に略円筒形状の延長筒を連結することが考えられている。ところが、トールタイプの水栓の水栓取付構造に馬蹄方式を採用することは困難であった。すなわち、水栓をトールタイプにする場合、その高さの延長分に合わせてボルトを延長する必要があるが、前記ボルトが長くなればなるほど横方向の応力が加わったときに、ボルトが受ける応力が必然的に増大し、製品的に不安定となるという問題がある。
このため、下記特許文献1では、トールタイプの水栓の水栓取付構造としてロックナット方式を採用することを示している。すなわち、図10に示すように、締付ナット90を介して洗面器91に固設される取付ネジ管92の上端に、水栓93の水栓本体94を取り付けるに際し、取付ネジ管92の上端と水栓本体2の下端の間に、別体で形成した延長筒95を介装させて水栓本体93の高さを高く設置することが提案されている。
しかしながら、特許文献1に示すような構成では、基本的にロックナット方式の水栓取付構造であるから、施工が煩雑になるだけでなく、比較的高価な取付ネジ管92を用いて延長筒95を固定する必要があり、施工コストが引き上げられるという問題がある。加えて、取付ネジ管92の直径は水栓取付け板部に開設された貫通孔の直径に厳密に合わせて形成されたものである必要があり、汎用性に欠けるという問題もある。
一方、トールタイプの水栓においては延長筒95を安定的に水栓本体94に接合するためには延長筒95を水栓本体94に螺着することが好ましいが、螺着による接合を行う場合には接合状態における回転位置を安定して位置決めすることが難しいため、この延長筒95に直接的にボルトを連結して馬蹄方式で水栓取付板部に取り付けることは困難であった。つまり、トールタイプの水栓は馬蹄方式の水栓取付構造によって固定することは困難であった。
本発明は上述の事柄を考慮に入れてなされたものであって、その目的は、水栓本体を水栓取付板部より高い位置に安定して取り付けることができると共に、取り付けが容易である水栓取付構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、第1発明は、水栓本体の給水管に挿通される水栓取付板部の上方に水栓本体と共に配置され、水栓本体の下端部に上端部が連結される延長筒と、前記水栓取付板部の上方に配置され、前記延長筒の内周面に接する外周面を備えると共に給水管により挿通される支柱ブロックと、前記水栓取付板部の下面に配置される座金と、前記水栓取付板部及び前記座金を挿通し、前記支柱ブロックに下側から螺合連結されるボルトと、このボルトに螺合連結され前記座金の下面に当接するナットとを有することを特徴とする水栓取付構造を提供する(請求項1)。
延長筒内に支柱ブロックを挿入し、水栓本体の下端部に延長筒を延設した状態で支柱ブロックが延長筒内で回転自在とすれば、支柱ブロックと水栓本体の位置合わせを容易に行うことができる。また、ボルトにナットを締付けることにより、ボルトに張力がかかりこのボルトが螺合連結される支柱ブロックの立設状態を安定させることができ、この支柱ブロックが内周面に接する延長筒の立設状態を安定させることができる。つまり、基本的に馬蹄方式と同様に容易に取付を行い、かつ、取付状態を安定させることができる。
前記ボルトは支柱ブロックの下端部に形成された嵌入孔に螺合または溶着または接着によって垂下するように固定され、前記支柱ブロックは延長筒の下端部分において抜止め保持され、前記延長筒は水栓本体の下端に螺合連結されることが好ましい。つまり、ボルトは水栓本体の下部に配置された支柱ブロックと、この支柱ブロックを抜止め保持する延長筒とを介して、水栓本体に連結するものであることが好ましい。
この場合、ボルトとナットの締付けにより、ボルトに加わった張力が支柱ブロックおよび延長筒を介して水栓本体に作用することにより、水栓本体を水栓取付板部に強固に取り付けることができる。加えて、ボルトを短く形成すれば、ボルトとナットの締め付けによって水栓取付板部(およびナット)に近い位置において支柱ブロックを安定して固定することができ、横方向の力に抵抗可能な安定した取付けを行うことができる。
しかしながら、前記ボルトは水栓本体の下端に直接的に螺合するなどして連結されたものであってもよい。この場合、ボルトは延長筒の長さ分だけ長く形成する必要があるが、このボルトは支柱ブロックに形成された嵌入孔を貫通することにより、ボルトとナットによる締付け状態ではボルトに加わる張力によってこのボルトが貫通する嵌入孔の位置を固定して支柱ブロックの姿勢を安定させることができると共に、前記支柱ブロックによって延長筒内のボルトの横方向の位置をナットの近傍の位置において固定することができる。つまり、横方向の力に抵抗して安定した取付けを行うことができる。なお、この場合には、延長筒を水栓本体に嵌合によって取り付けることも可能であり延長筒を螺着する場合に比べて容易に施工することができる。
延長筒内に支柱ブロックを挿入し、支柱ブロックの上面および水栓本体の下面に形成された穴に芯金の両端を挿入した状態で、水栓本体の下端部に延長筒を螺合連結することができるようにしてもよい。このとき、支柱ブロックが延長筒内で回転自在とすれば、支柱ブロックと水栓本体の回転方向の位置がずれることはなく、支柱ブロックに開設された挿通穴に挿通する給水管を捻るような力が加わることもない。また、ボルトにナットを締付けることにより、ボルトに張力がかかり支柱ブロックに下方向の力を加えることができる場合、支柱ブロックの立設状態を安定させることができ、それだけ、この支柱ブロックが挿入された延長筒の立設状態を安定させることができる。
前記ボルトは支柱ブロックの下端部に形成された孔に螺合または溶着または接着によって垂下するように固定されることにより支柱ブロックに連結され、前記支柱ブロックは延長筒の下端部分において抜止め保持され、前記延長筒は水栓本体の下端に螺合連結されることが好ましい。つまり、ボルトは水栓本体の下部に配置された支柱ブロックと、この支柱ブロックを抜止め保持する延長筒とを介して、水栓本体に連結するものであることが好ましい。なお、前記ボルトを嵌合する支柱ブロックの穴は深ければ深いほどボルトとナットによる締め付けを強固に行うことができる。
この場合、ボルトとナットの締付けにより、ボルトに加わった張力が支柱ブロックおよび延長筒を介して水栓本体に作用することにより、水栓本体を水栓取付板部に強固に取り付けることができる。加えて、ボルトを短く形成することができるので、ボルトとナットの締め付けによって水栓取付板部(およびナット)に近い位置において支柱ブロックを安定して固定することができ、横方向の力に抵抗可能な安定した取付けを行うことができる。
一方、請求項6の芯金は支柱ブロックと水栓本体の位置関係を固定することができる程度の強度を有する棒状の部材であり、前記芯金はその上端が螺合または溶着または接着または締まり嵌めによって水栓本体と強固に連結するように嵌合するものであってもよい。同様に、芯金の下端は締まり嵌めまたは接着またはビス止めによって支柱ブロックに強固に嵌合するものであってもよい。この場合、芯金によって水栓本体と支柱ブロックの位置を完全に固定することが可能であるから、前記ボルトは芯金と支柱ブロックとを介して水栓本体に連結することにもなり、より堅牢である。
前記延長筒は支柱ブロックの下端部が(上面に)当接する段部を備える場合(請求項3、4、5)には、この段部が支柱ブロックを抜止め保持される抜止めとなるので、ボルトとナットの締付けにより、ボルトに加わった張力が支柱ブロックを介して延長筒に確実に加わり、この延長筒を介して水栓本体を水栓取付板部にさらに強固に取り付けることができる。
この場合、前記芯金は支柱ブロックと水栓本体の回転方向の位置ずれを阻止するものであり、例えば支柱ブロックの上面および水栓本体の下面に形成された穴に両端部を隙間嵌めして嵌合するものである。すなわち、延長筒を水栓本体に螺合するときに芯金を穴に嵌入するだけで、この芯金によって回転方向の位置ずれを固定でき、延長筒を水栓本体に螺合連結するときに、支柱ブロックが回転することなく給水管などに傷を付けることがない。なお、両穴の深さは延長筒を水栓本体に螺合するとき、また、取付け板に取り付けるときの支柱ブロックの位置ずれを固定できる深さがあればよい。
第2発明は、水栓本体の給水管に挿通される水栓取付板部の上方に水栓本体と共に配置され、水栓本体の下端部に上端部が連結される延長筒と、前記延長筒内に挿入され該延長筒内に設けられた段部に下端部が当接すると共に給水管により挿通される支柱ブロックと、前記水栓取付板部の下面に配置される座金と、前記水栓取付板部及び前記座金を挿通し、前記支柱ブロックに下側から螺合連結されるボルトと、このボルトに螺合連結され前記座金の下面に当接するナットとを有することを特徴とする水栓取付構造を提供する(請求項4)。
前記構成よりなる水栓取付構造によれば、延長筒内に支柱ブロックを挿入した状態で、水栓本体の下端部に延長筒を連結することができる。このとき、円筒状の延長筒に挿入された支柱ブロックは延長筒内で回転自在とすれば、支柱ブロックと水栓本体の回転方向の位置がずれないようにすることができる。また、ボルトにナットを締付けることにより、ボルトに張力がかかり支柱ブロックに下方向の力を加えることができるので、段部を介して延長筒を立設状態に安定して固定することができる。
前記支柱ブロックの下端部にはボルトが嵌入する嵌入孔を形成し、この嵌入孔にボルトを螺合または溶着または接着するものであることが好ましい。つまり、ボルトは水栓本体の下部に配置された支柱ブロックと、この支柱ブロックを抜止め保持する延長筒とを介して、水栓本体に連結する。
前記ボルトが、支柱ブロックの下端部つまりナットに最も近い位置において、支柱ブロックに固定されることにより、ボルトとナットの締付状態における安定性が向上し、横方向の力に抵抗可能な安定した水栓の取付けを行うことができる。
前記段部は延長筒の内周面に環状に形成された溝に嵌合する割りリングである場合(請求項8)には、延長筒の内周面を切削することにより容易に溝を形成することができ、この溝に割りリングを嵌合させることにより、支柱ブロックを抜止め保持する段部を形成することができる。また、水栓本体に取り付けた延長筒の下端から支柱ブロックを挿入した状態で溝に割りリングを嵌合させて段部を形成可能であるから、水栓の取付けを容易に行うことができる。加えて、割りリングを溝から外すことにより支柱ブロックを延長筒の下端から取り外すことが可能となり、メンテナンスが容易となる。
前記水栓本体に使用者の手を検出するセンサが取り付けられ、支柱ブロックと水栓取付板部の間に介在する平板部およびこの平板部から垂下して前記センサに接続された信号線を挿通させる配線保護筒を備える配線保護部材を有する場合(請求項10)には、取付時に自動水栓の信号線を座金などによって傷つけることがないように配線保護筒によって保護することができるので、施工が容易であると共に信頼性が向上する。
前述したように、本発明によれば、水栓本体の下端部に延長筒を連結して水栓の高さを調節し、貫通孔に容易かつ強固に取り付けることができる。水栓本体をボルトと座金とナットを用いて貫通孔に取り付けることにより取付けが容易である。また、取り付けられた水栓本体に延設される延長筒内には支柱ブロックが挿入され、この支柱ブロックがボルトとナットの締め付け状態において立設状態を安定して保持するので、水栓の立設状態を安定して保持することができる。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係る水栓取付構造1の構成と、この水栓取付構造1を用いた水栓の取付け方法を示す図である。図1に示すように、本発明の水栓取付構造1は水栓本体2を洗面所の水栓取付板部3より高い位置に固定することにより、洗面ボール4の形状に合わせた高さ位置に水栓本体2を取り付けるものである。
図2、図3に示すように、前記水栓取付構造1は水栓本体2の下端に螺合連結される延長筒10と、この延長筒10内に挿入される支柱ブロック11と、この支柱ブロック11の上面に形成された穴11aおよび前記水栓本体2の下面に形成された穴2aに両端部を嵌合させて水栓本体2に対する支柱ブロック11の位置関係を固定する芯金12と、支柱ブロック11の下面に螺合連結されたボルト13と、このボルト13を挿通する開口部を形成し支柱ブロック13と水栓取付部3の間に介在する配線保護部材14と、前記ボルト13を総通可能に構成された挿通孔15aを備えて前記水栓取付板部3の下面に配置される座金15と、この座金15の挿通孔15aを挿通するボルト13に螺合して締め付けるナット16とを備える。
また、17は配線保護部材14と水栓取付板部3の間に介在するパッキン、18は座金15と水栓取付板部3の間に介在するパッキンである。また、支柱ブロック11および配線帆号部材14には延長筒10の内周面に安定した接触を行うOリング19a,19bを設けてもよい。なお、このOリング19a,19bを省略して、水栓取付構造1の製造コストを削減してもよい。
前記水栓本体2には使用者の手を検出するセンサ20が取り付けられて自動水栓を構成し、給水管21に連通連結される水流路22と、前記センサ20およびこれに電気的に接続されるセンサ駆動回路23を収容する回路収容空間24とを備える。加えて、本実施形態の水栓本体2は前記水流路22の先端部の吐水口2bに外気を混入させる泡沫器25を備える。前記センサ駆動回路23は信号線26によって図外の制御回路に接続され、この制御回路はセンサ20が使用者を検知するときに給水21に設けた電磁弁を開放することにより自動的に吐水するように制御するものである。なお、本実施形態に示す水栓は単水栓の自動水栓であるが、本発明の水栓取付構造1は湯水混合栓であっても手動の水栓であっても適用可能である。
前記水栓取付板部3は例えば台所、洗面所、浴室などに設けられ、前記水栓本体2を取り付けるための貫通孔3aが形成された板状部分であり、台所のシンクの周辺、洗面ボールの周辺、浴室のバスタブなどを構成する部分である。貫通孔3aの大きさは給水管20と前記ボルト13と信号線26とを挿通することができ、前記延長筒10の外径より小さい穴である。
前記洗面ボール4は前記吐水口2bから吐水される水を受け止めるものであり、近年ではデザイン性を重視した種々の形状が考えられている。なお、水栓本体2を取り付ける位置によってはシンク、バスタブなどによって水を受けることができることはいうまでもない。
前記延長筒10は水栓本体2の下端部とほぼ同径の筒状部材であり、その上端部の外周に雄ねじ部10aを形成し、この雄ねじ部10aによって水栓本体2の下端部の内周に形成した雌ねじ部2cに螺合連結できるように構成している。また、延長筒10の下端部には前記支柱ブロック11の外径よりも小径となる段部10bを備える。なお、本実施形態において段部10bは延長筒10に一体的に形成されたものであるが、この段部10bは延長筒10の下端部にリング状の止め輪を圧入または螺合連結して形成してもよい。
図4は前記支柱ブロック11の構成を示す図である。図4に示すように、前記支柱ブロック11は前記延長筒10の内周面に接する外周面を備える略円柱形状のブロックであり、前記芯金12を挿入する前記穴11aと、前記ボルト13を螺合連結する雌溝を形成したネジ穴11bと、前記給水管21を挿通する挿通孔11cと、前記信号線26を挿通する挿通孔11dとを形成し、外周部には前記Oリング19aを嵌入するための溝11eを形成している。また、支柱ブロック11の高さHは前記ボルトおよびナットによる締付状態において水栓取付板部に立設する支柱となることにより延長筒10の立設状態を安定して保持できる程度の高さを有し、延長筒10および支柱ブロック11の強度によって適宜選択できるが、本実施形態の場合は例えば23.5mmである。
また、前記穴11aの深さh1は前記芯金12の嵌合によって水栓本体2に対する支柱ブロック11の位置関係を固定することができる程度の深さであり、本実施形態では深さ8mmの穴11aを形成している。加えて、前記ネジ穴11bの深さh2は前記ボルト13を用いて水栓取付板部3の貫通孔3aを挟み込むために必要な強度を得るために必要な深さであり、本実施形態では深さ13.5mmのネジ穴11bを形成している。
前記芯金12は前記穴2a,11aの内径より僅かに小さい外径を有する金属からなる棒状体であり、その両端が前記穴2a,11aに嵌合する状態で回転方向の位置ずれを固定することができ、かつ、水栓本体2に横方向から加わる応力に耐えることができる強度を有するものである。本実施形態では例えばステンレス製の直径6mmの棒状体である。また、前記ボルト13は水栓取付板部3を狭持することができる長さを有する雄ねじ部材であり、その下端部にはボルト13をネジ穴11bに螺合連結するためのドライバー挿入溝13aを形成している。なお、本実施形態において芯金12の上下端部は穴2,11aに隙間嵌めする例を示しているが、締まり嵌め、接着、溶接などの手段によって固着するようにしてもよい。
図5は前記配線保護部材14の構成を示す図である。図5に示すように、配線保護部材14は支柱ブロック11と水栓取付板部3の間に介在する略円盤形状の平板部14aおよびこの平板部14aから垂下して前記センサ20に接続された信号線26を挿通させる配線保護筒14bを備える。さらに、前記平板部14aには給水管21およびボルト13を挿通することができる挿通孔14cを形成し、その外周部には前記Oリング19bを嵌入するための溝14dとを形成している。
前記座金15はちょうど馬蹄のように略C字形状の平板部15bと、この平板部15bに連結する湾曲部15cとを備え、この湾曲部15cの下端部に前記挿通孔15aを形成してある。
前記パッキン17は前記平板部14aの形状に合わせてリング状であり、前記パッキン18は前記座金の平板部15bの形状にあわせた馬蹄形状であり、前記ボルト13を挿通する挿通孔18a(図6参照)を形成している。
次に、図6を用いて、前記構成の水栓取付構造1を用いた水栓本体2の取付け方法を説明する。
すなわち、延長筒10内に支柱ブロック11を挿入し、支柱ブロック11に形成した挿通孔11cに給水管21、挿通孔11dに信号線26を挿通させ、また、前記平板部14aに形成した挿通孔14cに給水管21と前記ボルト13を挿通させると共に、配線保護筒14b内に信号線26を挿通させ、前記パッキン17を介在させた状態で給水管21、ボルト13、配線保護筒14bを水栓取付板部3の貫通孔3a内に挿入する。
一方、前記水栓本体2の下端部に設けた給水口2dに給水管21を螺合連結して給水管21と水流路22を連通連結させ、前記穴2a、11aに芯金12の上下端部をそれぞれ嵌合させた状態で、延長筒10の上端に形成した雄ねじ部10aを矢印Aに示すように回転させて水栓本体2の下端部に設けた雌ねじ部2cに螺合連結する。このとき、支柱ブロック11は延長筒10に対して回転自在に挿入されるものであるから。支柱ブロック11と延長筒10の回転方向の位置を固定した状態で、延長筒10のみを矢印Aの方向に回転させて、これを水栓本体2に強固に連結することができる。
次いで、貫通孔3aの下面に突出するボルト13を挿通させるようにパッキン18および座金15を配置し、挿通孔15aから下方に突出するボルト13にナット16を締め付ける。このとき、ボルト13とナット16の締め付けによって、座金15と支柱ブロック11が互いに引き寄せられることにより、延長筒10の下端部に設けた段部10b、配線保護部材14、パッキン17,18を挟んだ状態で水栓取付板部3を狭持することができる。つまり、支柱ブロック11はボルト13とナット16の締め付けによって立設状態を強固に保つことができると同時に、延長筒10の段部10bを挟んでいるので、延長筒10を下方に引き下げる力を加えることができる。
なお、前記座金15は略C字状の馬蹄形状であるから、この座金15は給水管21および配線保護筒を挿通させる必要はなく、それだけ、施工が容易である。また、ボルト13の長さを長くすれば水栓取付板部3の肉厚の違いに十分に対応することができる。加えて、座金15に湾曲部15cを形成しているので座金15は立体的な形状となり、締め付け応力に耐えることができる。さらに、水栓取付板部3に形成される貫通孔3aの大きさは給水管21とボルト13と配線保護部材14bとを挿入可能であり、かつ、前記延長筒10の水平断面積より小さい面積を有するものである。
また、前記信号線26は配線保護筒14b内を挿通するので、座金15が信号線26に当たってこれを傷つけることがなく、水栓本体2の信頼性を高く保つことができると共に取付け作業を容易に行うことができる。
ボルト13にナット16を締め付けることによりボルト13に張力をかけて、支柱ブロック11と座金15の間を締付けて、段部10bと平板部14aとパッキン18を挟んだ状態でこれらに下向きの力を加え、水栓取付板部3を狭持することができる。このとき、支柱ブロック11はその下端部にボルトを固定するものであるから、支柱ブロック11はボルト13とナット16による締付けによってナット16に近い位置Pにおいて立設状態となるように強固に固定することができる。同時に延長筒10の下端に設けた段部10bが支柱ブロック11によって下方に押し付けられると共に、延長筒10の内周面に支柱ブロック11の外周面が接するので支柱ブロック11に支えられて延長筒10を立設状態に固定することができ、延長筒10に螺合連結される水栓本体2の立設状態を安定させることができる。
加えて、支柱ブロック11の高さHがボルト13およびナット16による締付状態において水栓取付板部3に立設する支柱となることにより延長筒10の立設状態を安定して保持できる程度であるから、水栓本体2に横方向に加わる応力に抵抗して立設状態を保つことができる。なお、支柱ブロック11の高さHは高くなればなるほど延長筒10の立設状態を安定して保持することができる。また、芯金12の両端部が水栓本体2と支柱ブロック11の穴に嵌合されることにより、水栓本体2と支柱ブロック11の回転方向の位置関係が固定されているので、水栓本体2に加わる応力に対してさらに強力に抵抗することができる。
図7は前記水栓取付構造1の変形例を示す図である。図7に示すように、芯金12の上端に水栓本体2の下端に形成された雌ねじ穴2eに螺合連結される雄ねじ部12aを形成し、芯金12の下端部には前記穴11aに挿入された状態で穴11aの底面を貫通して設けたビスBを取り付ける雌ねじ部12bを形成する。このように構成することにより、芯金12の上下端部を水栓本体2および支柱ブロック11に固定することができ、堅牢性がさらに向上する。
水栓本体2に対する芯金12の取付け部分は溶接や接着剤を用いたものであっても締まり嵌めするものであってもよい。また、支柱ブロック11に対する芯金12の取付け部分は締まり嵌めや接着剤を用いたものであってもよい。
図8は本発明の第2実施形態にかかる水栓取付構造30の構成を示す図である。図8に示す水栓取付構造30が図1〜図7に示す水栓取付構造1と異なる点は、前記ボルト13の代わりに上端部に前記水栓本体2の下端部に設けた雌ねじ孔2eに螺合連結される雄ねじ部31aを備え下端部に前記ナット16に螺合連結される雄ねじ部31bを形成するボルト31を備える点と、支柱ブロック11にボルト31の外周部に接する挿通孔11fを備える点と、延長筒10の上端部に水栓本体2の下端部に設けた凹部に嵌合させる小径部10cを形成している点である。
前記構成の水栓取付構造30によれば、ボルト31の上端の雄ねじ31bを水栓本体2に直接螺合連結するので、ボルト31とナット16の締付けによって水栓本体2と座金15との間で、延長筒10と平板部14とパッキン17を挟んで水栓取付板部3に押し付けられることにより、水栓本体2を水栓取付板部3に取り付けることができる。また、ボルト31はその中間部分において支柱ブロック11の挿通孔11f内に接するように嵌合するので、ボルト31とナット16の締付状態においてボルト31に加わるテンションが大きくなればなるほど支柱ブロック11を立設状態に安定して保持することができ、また、延長筒10内のボルト31の位置を固定することができる。
つまり、延長筒10の立設状態は支柱ブロック11によって安定するので、所謂馬蹄方式によってトールタイプの水栓を取り付けることができる。なお、前記延長筒10と水栓本体2の接合部にはセレーションを形成して水栓本体2と延長筒10の回転方向の位置ずれを抑えるようにしてもよい。その他にも、図1〜図7に示す第1実施形態と同様の変形を行うことも可能である。
図9は本発明の第3実施形態にかかる水栓取付構造40の構成を示す図である。図9に示す水栓取付構造40が図1〜図8に示す水栓取付構造1,30と異なる点は、延長筒10の下端部分の内周面を切削して形成された環状に形成された溝10dと、この溝10dに嵌合する割りリングからなる止め輪41とを備える点である。前記溝10dは止め輪41を嵌合させた状態で下方向への移動を阻止するものである。また、止め輪41は支柱ブロック11の下端部に当接することにより支柱ブロック11を延長筒10に抜止め保持するものである。
第3実施形態の水栓取付構造40によれば、水栓本体2に給水管21を接続し、水栓本体2に延長筒10を螺合連結した後に、延長筒10の下端部から支柱ブロック11を挿入し、前記溝10dに割りリング41を嵌合することにより、支柱ブロック11の抜止めを行うことが可能となり、それだけ水栓の取付けが容易となる。加えて、溝10dに嵌合された割りリング41を取り外すことにより、延長筒10の下端から支柱ブロック11を引き抜くことが可能となり、メンテナンスを容易とすることも可能である。
1,30,40 水栓取付構造
2 水栓本体
3 水栓取付板部
3a 貫通孔
10 延長筒
10b 段部
11 支柱ブロック
11a 穴
11b,11f 嵌入孔
11c,11d 挿通孔
12 芯金
13,31 ボルト
14 配線保護部材
14a 平板部
14b 配線保護筒
15 座金
15a 挿通孔
16 ナット
10d 溝
41 割りリング
H 高さ
2 水栓本体
3 水栓取付板部
3a 貫通孔
10 延長筒
10b 段部
11 支柱ブロック
11a 穴
11b,11f 嵌入孔
11c,11d 挿通孔
12 芯金
13,31 ボルト
14 配線保護部材
14a 平板部
14b 配線保護筒
15 座金
15a 挿通孔
16 ナット
10d 溝
41 割りリング
H 高さ
Claims (10)
- 水栓本体の給水管に挿通される水栓取付板部の上方に水栓本体と共に配置され、水栓本体の下端部に上端部が連結される延長筒と、
前記水栓取付板部の上方に配置され、前記延長筒の内周面に接する外周面を備えると共に給水管により挿通される支柱ブロックと、
前記水栓取付板部の下面に配置される座金と、
前記水栓取付板部及び前記座金を挿通し、前記支柱ブロックに下側から螺合連結されるボルトと、
このボルトに螺合連結され前記座金の下面に当接するナットとを有することを特徴とする水栓取付構造。 - 水栓本体の給水管に挿通される水栓取付板部の上方に水栓本体と共に配置され、水栓本体の下端部に上端部が連結される延長筒と、
前記水栓取付板部の上方に配置され、前記延長筒の内周面に接する外周面を備えると共に給水管により挿通される支柱ブロックと、
前記水栓取付板部の下面に配置される座金と、
前記水栓取付板部、前記支柱ブロック及び前記座金を挿通し、前記水栓本体に下側から連結されるボルトと、
このボルトに螺合連結され前記座金の下面に当接するナットとを有することを特徴とする水栓取付構造。 - 前記延長筒は支柱ブロックの下端部が上面に当接する段部を備える請求項1または2に記載の水栓取付構造。
- 水栓本体の給水管に挿通される水栓取付板部の上方に水栓本体と共に配置され、水栓本体の下端部に上端部が連結される延長筒と、
前記延長筒内に挿入され該延長筒内に設けられた段部に下端部が当接すると共に給水管により挿通される支柱ブロックと、
前記水栓取付板部の下面に配置される座金と、
前記水栓取付板部及び前記座金を挿通し、前記支柱ブロックに下側から螺合連結されるボルトと、
このボルトに螺合連結され前記座金の下面に当接するナットとを有することを特徴とする水栓取付構造。 - 水栓本体の給水管に挿通される水栓取付板部の上方に水栓本体と共に配置され、水栓本体の下端部に上端部が連結される延長筒と、
前記延長筒内に挿入され該延長筒内に設けられた段部に下端部が当接すると共に給水管により挿通される支柱ブロックと、
前記水栓取付板部の下面に配置される座金と、
前記水栓取付板部、前記支柱ブロック及び前記座金を挿通し、前記水栓本体に下側から連結されるボルトと、
このボルトに螺合連結され前記座金の下面に当接するナットとを有することを特徴とする水栓取付構造。 - 支柱ブロックの上面および水栓本体の下面に形成された穴に両端部を嵌合させて水栓本体に対する支柱ブロックの位置関係を固定する芯金を有する請求項1または4に記載の水栓取付構造。
- 前記支柱ブロックにおいて、前記芯金の下端部が嵌合される穴の深さよりも前記ボルトが螺合連結されるねじ穴の深さを大としてある請求項6に記載の水栓取付構造。
- 前記段部は延長筒の内周面に環状に形成された溝に嵌合する割りリングである請求項3〜5の何れか一項に記載の水栓取付構造。
- 前記支柱ブロックは延長筒内に回転可能に挿入される請求項1〜8の何れか一項に記載の水栓取付構造。
- 前記水栓本体に使用者の手を検出するセンサが取り付けられ、支柱ブロックと水栓取付板部の間に介在する平板部およびこの平板部から垂下して前記センサに接続された信号線を挿通させる配線保護筒を備える配線保護部材を有する請求項1〜9の何れかに記載の水栓取付構造。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008026206A JP4644260B2 (ja) | 2008-02-06 | 2008-02-06 | 水栓取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008026206A JP4644260B2 (ja) | 2008-02-06 | 2008-02-06 | 水栓取付構造 |
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JP4644260B2 JP4644260B2 (ja) | 2011-03-02 |
Family
ID=41069014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008026206A Active JP4644260B2 (ja) | 2008-02-06 | 2008-02-06 | 水栓取付構造 |
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