JP2009185396A - エアーフィルター用補強材 - Google Patents

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正樹 友谷
Mitsuaki Watanabe
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Abstract

【課題】低圧力損失で、目開き・通気性の均一性が良く、高剛性の水濡れに強いエアーフィルター用補強材を提供する。
【解決手段】エアレイドウェブ(A)に、水溶性樹脂(B)を含浸させてなるエアーフィルター用補強材、特に、エアレイドウェブ(A)は、ビニロン繊維が5〜90重量%、熱融着繊維が0〜50重量%、ポリエステル繊維が0〜50重量%及びパルプが0〜30重量%からなる繊維から、エアレイド法で形成されることを特徴とする、また、水溶性樹脂(B)は、アクリル系樹脂、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂又はエポキシ系樹脂から選ばれる樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が30℃以上であることを特徴とするエアーフィルター用補強材などを提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、エアーフィルター用補強材に関し、より詳細には、エアーフィルターを補強するために用いられる補強材であって、高剛性、目開き・通気性が均一で、耐水性に優れたエアーフィルター用補強材に関する。
従来から、エアーフィルター材本体として、ポリプロピレン極細繊維等の各種極細繊維が集積されてなるメルトブロー不織布などが用いられている。このメルトブロー不織布製エアーフィルター材本体は、極細繊維で構成されているため、強度や剛性が低い。
したがって、この本体を補強するために、高強度及び高剛性の補強材を、エアーフィルター材本体に貼り合せることが行われている。
高強度及び高剛性の補強材としては、ネット、編織物又は不織布等が用いられている。その中でも、不織布は、ネットや編織物に比べて、比較的細かな間隙を持っていると共に、通気性にも優れているため、プレフィルター材としても、機能し得るものである。
したがって、エアーフィルター用補強材として、スパンボンド不織布、バインダーボンド不織布、ファイバーボンド不織布等の各種の不織布が用いられ、特に、乾式不織布が主に使用されている。
ところが、乾式不織布では、製法上、目開き・通気性について、均一性を確保することができないという問題がある。一方、湿式不織布では、均一性はよいものの、水濡れに弱い問題があり、後加工等で、機能薬剤を付与する場合、加工時に破れるなどの問題がある。
また、補強材としての不織布は、難燃性を付与するために、難燃剤を含有する構成繊維よりなるものが用いられたり、あるいは、不織布に後加工で、難燃剤を添着させたものを用いることが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、補強材の薄さ、硬さ特性を維持しつつ、低圧力損失と高寿命とを達成し得るフィルター補強用不織布を提供するために、繊維直径25〜50μmの熱可塑性繊維からなる不織布であって、不織布の厚さ1mm当たりの圧力損失が風速10cm/sのもとで0.8mmAq以下であることを特徴とするものが提案されている(特許文献2参照。)。
また、近年では、難燃性に優れるエアーフィルター材用補強材を提供するために、鞘部が低融点重合体で、芯部が高融点重合体で形成されている芯鞘型複合短繊維を構成繊維とする短繊維不織布よりなるエアーフィルター材用補強材であって、該短繊維不織布中に該低融点重合体は30質量%以上含有されており、かつ、該芯鞘型複合短繊維相互間は絡合されていると共に、該低融点重合体の融着によって結合されていることを特徴とするものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記提案されたものは、性能は向上しているものの、未だ十分でなく、低圧力損失で、目開き・通気性の均一性が良く、高剛性の水濡れに強いエアーフィルター用補強材が強く要望されているのが、実状である。
特開平8−281030号公報 特開平8−276111号公報 特開2006−233358号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、低圧力損失で、目開き・通気性の均一性が良く、高剛性の水濡れに強いエアーフィルター用補強材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エアレイド不織布に注目し、エアレイド不織布は、目開き・通気性の均一性はよいものの柔らかいという欠点がある。その対策として、ビニロン繊維を主成分とする特定の混合繊維からなるエアレイド不織布に接着樹脂を付与することにより、低圧損で目開き・通気性が均一、高剛性で水濡れに強い補強材が得られることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、エアレイドウェブ(A)に、水溶性樹脂(B)を含浸させてなるエアーフィルター用補強材が提供される。
本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、エアレイドウェブ(A)は、ビニロン繊維が5〜90重量%、熱融着繊維が0〜50重量%、ポリエステル繊維が0〜50重量%及びパルプが0〜30重量%からなる混合繊維から、エアレイド法で形成されることを特徴とするエアーフィルター用補強材が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、水溶性樹脂(B)は、アクリル系樹脂、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンブタジエン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂又はエポキシ系樹脂から選ばれる樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が30℃以上であることを特徴とするエアーフィルター用補強材が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、水溶性樹脂(B)は、架橋成分を含有することを特徴とするエアーフィルター用補強材が提供される。
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、エアレイドウェブ(A)と水溶性樹脂(B)の重量比率(A:B)は、30:70〜80:20であることを特徴とするエアーフィルター用補強材が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、水溶性樹脂(B)には、さらに、水溶性樹脂成分100重量部に対して、非ハロゲン難燃剤を30〜150重量部含有することを特徴とするエアーフィルター用補強材が提供される。
一方、本発明の第7の発明によれば、エアーフィルター材本体に、第1〜6のいずれかの発明に係るエアーフィルター用補強材を貼り合せてなるエアーフィルター材が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、エアーフィルター材本体は、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布又は短繊維不織布から選ばれる不織布であることを特徴とするエアーフィルター材が提供される。
本発明のエアーフィルター用補強材は、上述のような構成により、低圧力損失で、目開き・通気性の均一性が良く、高剛性であって、耐水性に優れるという効果を発揮する。そのため、自動車用エアーフィルターなどに好適に用いることができる。
本発明のエアーフィルター用補強材は、エアレイドウェブ(A)に、水溶性樹脂(B)を含浸させてなるものである。
以下に項目毎に詳細に説明する。
1.エアレイドウェブ(A)
本発明に係るエアレイドウェブ(A)は、エアレイド不織布製造法によって形成される。すなわち、例えば、多孔質ネットコンベアー上に位置する単台または多数台の噴き出し部から、通常、繊維長1〜10mmの非親水性熱可塑性合成繊維を噴出し、ネットコンベアー下面に配置した空気サクション部で吸引しながらネットコンベアー上に繊維層(ウェブ)を形成する。
このとき、好ましくは、上層側(流体流入側)より下層側(流体流出側)にかけて、太い繊維の層から細い繊維の層となるように、順次積層し、この積層された繊維層を熱オーブンに搬入し、熱風で繊維間を結合し、不織布として一体化させる。繊維量、噴き出し条件、空気サクション条件、熱風条件などによって、所定の密度、厚さに仕上げることができる。熱オーブンにより、熱接着する際の温度は、用いる非親水性熱可塑性合成繊維や熱接着性短繊維の種類や、全体の目付により適宜選択されるが、通常、120〜200℃、さらに好ましくは130〜180℃である。
本発明において、エアレイドウェブ(A)の作製に用いられる繊維は、ビニロン繊維が5〜90重量%、熱融着繊維が0〜50重量%、ポリエステル繊維が0〜50重量%及びパルプが0〜30重量%からなるものが好ましい。
また、繊維長は、1〜30mmが好ましい。
上記ビニロン繊維としては、特に限定されず、通常、入手可能な、いかなるものも使用することができる。また、ビニロン繊維の繊度は、3〜100dtexであり、好ましくは4〜50dtex、さらに好ましくは10〜30dtexである。繊度が3dtex未満の場合、不織布密度が上昇して、通気抵抗が高くなり、フィルター用途としては不適となり、一方、繊度が100dtexを超えると、空隙が大きくなり、好ましくない。
エアレイドウェブ(A)の作製に用いられる繊維において、ビニロン繊維の混率は、5〜90重量%であり、好ましくは20〜85重量%である。ビニロン繊維が5重量%より少なくなると、水溶性樹脂(B)が均一に付着しないため、剛性が低くなり、一方、90重量%を超えると、エアレイドウェブ作製時均一な分散が出来ないため、当該フィルター用途には不適となり、好ましくない。
上記熱融着繊維としては、繊度が1.7〜20dtexであれば、特に限定されない。通常、不織布を構成する繊維材料として用いられている、芯:ポリエステル/鞘:ポリエステル共重合の芯鞘繊維、芯:ポリエステル/鞘:ポリエチレンまたはポリプロピレン等の芯鞘繊維、芯:ポリプロピレン/鞘:ポリエチレンの芯鞘繊維が好ましい。
熱融着繊維の繊度が1.7〜20dtexであり、好ましくは4〜15dtexである。繊度が1.7dtex未満の場合、不織布密度が上昇して、通気抵抗が高くなり、フィルター用途としては不適となり、一方、繊度が20dtexを超えると、空隙が大きくなり、好ましくない。
また、エアレイドウェブ(A)の作製に用いられる繊維において、上記熱融着繊維の混率は、0〜50重量%であり、好ましくは5〜50重量%である。熱融着繊維を50重量%超えて含有すると、熱による融着部分が過大になり、水溶性樹脂(B)を加工しても、厚みが薄くならず、その結果、構造圧損が増大し、フィルター用途には不適となり、好ましくない。
上記ポリエステル繊維としては、繊度が1.7〜33dtexであれば、特に限定されず、通常、不織布を構成する繊維材料として用いられるポリエステルであればよく、例えば、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート(PET)、主たる繰り返し単位がブチレンテレフタレートであるポリブチレンテレフタレ−トや、主たる繰り返し単位がトリメチレンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレートを主体とする繊維、酸成分としてイソフタル酸等を共重合した低融点ポリエステル繊維、又はハードセグメントとソフトセグメントを有するブロック共重合ポリエステル繊維などが挙げられる。
また、エアレイドウェブ(A)の作製に用いられる繊維において、ポリエステル繊維の混率は、0〜50重量%であり、好ましくは5〜50重量%である。ポリエステル繊維の混率が50重量%を超えると、水溶性樹脂が均一に付着しないため、剛性が低くなり、当該フィルター用途には不適となり、好ましくない。
上記パルプとしては、例えば、木材パルプ、ケナフパルプ、バガスパルプ、リンターパルプ等いずれかの原料から得られたものが挙げられる。また、原料を機械的に処理した機械パルプ、化学的に処理した化学パルプ、両方を併用して得られるセミケミカルパルプ等の分類に属するものであっても良い。
また、エアレイドウェブ(A)の作製に用いられる繊維において、パルプの混率は、0〜30重量%であり、好ましくは5〜30重量%である。パルプの混率が30%を超えると、耐水性が低下し、水濡れに弱くなり、後加工等で機能薬剤を付与する場合、加工時に破れる可能性がある。
2.水溶性樹脂(B)
繊維ウェブであるエアレイドウェブ(A)は、水溶性接着剤、すなわち水溶性樹脂(B)により、硬仕上げされており、その水溶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は30℃以上が好ましい。
水溶性樹脂(B)としては、アクリル系樹脂、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンブタジエン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂又はエポキシ系樹脂から選ばれる樹脂が挙げられる。
尚、本発明では、水溶性樹脂とは、ポリビニルアルコール系樹脂などの水に溶解する樹脂成分と、アクリル系樹脂エマルジョンなどのエマルジョンタイプの樹脂成分との、両方を意味するものとする。
また、水溶性樹脂(B)は、耐水性を確保するため、自己架橋性樹脂が好ましい。
さらに、水溶性樹脂(B)には、架橋剤を添加し、耐水性を上げることが望ましい。
水溶性樹脂(B)には、必要に応じて、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルエーテルコポリマー、ポリアクリル酸エステルコポリマー、ポリウレタン、ネオプレン、スチレンブタジエンコポリマー、シリコーン樹脂、ポリアミノ酸、ポリアミノ酸ポリウレタンコポリマーなどの合成樹脂または天然高分子樹脂を混合してもよく、さらに、必要によっては、顔料、染料、架橋剤、充填剤、可塑剤、各種安定剤などを添加してもよい。
水溶性樹脂(B)は、好ましくは乾燥後の皮膜のガラス移転温度(Tg)が30℃以上である。ガラス転移温度は40℃以上であるのがより好ましい。ガラス転移温度が30℃未満であると、剛性が不十分で、成形後の加熱などによって、得られる成形体が変形するおそれがある。一方、上記の水溶性樹脂(B)のガラス転移温度(Tg)は、80℃未満である必要があり、70℃以下であるのが好ましい。ガラス転移温度(Tg)が80℃以上であると、バインダーとして用いた場合の造膜性が不足し、均一なバインダー効果が得られないことがある。
また、水溶性樹脂(B)は、前記したように、自己架橋性でも良いが、架橋成分を添加すると、架橋密度があがり剛性が向上し、加えて耐水性が向上するので、さらに好ましい。
添加できる架橋成分としては、金属系架橋剤、エポキシ系架橋剤、ウレタン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、不飽和カルボン酸系架橋剤、グリオキザザール系架橋剤、イミダゾール系架橋剤、エチレンイミン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、又はシロキサン系架橋剤より選ばれる少なくとも1種類からなる架橋剤が挙げられる。
上記の架橋剤を加えることで、本発明に係る水溶性樹脂(B)は、接着力が高まるとともに、それを用いて製造された不織布などの製品は、折り曲げ加工したときに形状保持性をさらに高めることができる。
例えば、水溶性樹脂(B)として、(メタ)アクリル系重合体の場合、架橋成分としては、架橋性単量体がエポキシ基含有(メタ)アクリル系単量体である架橋剤が選ばれ、上記の(メタ)アクリル系重合体における、上記混合物中の架橋剤の含有率は、0.1重量%以上、5重量%以下であることが好ましい。
水溶性樹脂(B)に、上記の架橋剤を加える際の好ましい配合比は、上記の(メタ)アクリル系重合体に対して、上記架橋剤(固形分)が、0.1重量%以上となる配合比で用いるのが好ましく、0.3重量%以上であるのがより好ましい。0.1重量%未満では、架橋性が不足することがある。また、上記(メタ)アクリル系共重合体に対する上記架橋剤(固形分)の比率が5重量%以下となる配合比が好ましく、3重量%以下であるのがより好ましい。5重量%を超えて用いても、添加量の増加に見合う効果の増大は得られず、経済的でない。
また、エアレイドウェブ(A)と水溶性樹脂(B)の重量比率(A:B)は、30:70〜80:20であることが好ましく、より好ましくは40:60〜70:30である。
水溶性樹脂(B)の比率が70より多くなると、樹脂成分で皮膜ができ、通気性が著しく低下する。一方、水溶性樹脂(B)比率が20未満になると、繊維を被覆する樹脂成分が少なくなり、湿潤時の強度や剛性が確保できくなり、当該フィルター用途には不適となり、好ましくない。
さらに、水溶性樹脂(B)には、必要に応じて、水溶性樹脂成分100重量部対して、非ハロゲン難燃剤を30〜150重量部含有することが望ましい。
非ハロゲン系の難燃剤としては、リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリエチルホスフェート(TEP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、酸性リン酸エステル、含窒素リン化合物、HALSなどがあるが、非ハロゲンで実質的に難燃効果を発揮するものであれば、これらに限定されるものではない。
これらの難燃剤は、水溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは30〜150重量部、より好ましくは30〜60重量部、さらに好ましくは30〜55重量部添加される。この練り込み量が30重量部未満では、難燃性が不充分であり、一方、150重量部を超えると、難燃性能が頭打ちになるため、添加した難燃剤が無駄となり、好ましくない。
3.エアーフィルター用補強材
本発明のエアーフィルター用補強材は、エアレイドウェブ(A)に、水溶性樹脂(B)を含浸させてなるものである。
その含浸方法としては、特に限定されず、例えば、既知の方法で、不織布用の基材、即ちエアレイドウェブ(A)に含浸させることができる。
また、本発明のエアーフィルター用補強材は、低圧力損失で、目開き・通気性の均一性が良く、高剛性であって、耐水性に優れるので、例えば、空気清浄機用フィルター等に用いると、耐久性が改良されるので好ましい。
この低圧力損失で、目開き・通気性の均一性が良く、高剛性であって、耐水性に優れるというエアーフィルター用補強材を使用すると、フィルターでの空気の流れが均一になり、目詰まりが一定になり、寿命が延びる。また、剛性を高めると、使用中の風圧によるフィルターの変形が抑えられ、風量低下が抑えられる。耐水性に優れていると、後加工等で、機能薬剤を付与する場合、加工時に破れるなどの問題が生じ難い。
本発明では、エアーフィルター材本体に、上記のエアーフィルター用補強材を貼り合せて、エアーフィルター材として用いられる。
上記エアーフィルター材本体には、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布又は短繊維不織布から選ばれる少なくとも1種の不織布を使用するのが好ましい。
また、エアーフィルター本体に、本発明のエアーフィルター用補強材を貼り合せる方法は、ホットメルト接着剤、湿度硬化接着剤、超音波接着などを使用でき、接着剤の塗布方法としては、パウダー散布法、スプレー塗布法、ビート塗布法いずれの方法でもよい。好ましくは、エアーフィルター本体及びエアーフィルター用補強材に熱のかからないスプレー塗布法、ビート塗布法がよい。
さらに、超音波接着法やスプレー塗布法、ビート塗布法において、湿度硬化接着剤を使用すると、成型後の加熱によって、エアーフィルター本体とエアーフィルター補強材の間が剥離することなく保持される。また、スプレー塗布法やビート塗布法は、空気の流れを邪魔する部分が少ないため、接着部分での通気遮断が小さく、さらに好ましい。
以下に本発明を実施例で説明するが、本発明は、実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例、比較例で用いた試験方法は以下の通りである。
(1)不織布の目付け重量:試料長さ方向より、100×100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重さを測定し、1m当たりに換算して求めた。
(2)不織布の通気度:フラジール型通気度試験機を用い、JIS L1096−1979の「一般織物試験方法」に準拠し、傾斜型気圧計は1.27cmに固定して通気度を計測した。
(3)厚み:厚み測定器((株)ミツトヨ製、商品名ABSOLUTE ID−C1012C)を用いて、2.94cN/cm荷重で5箇所測定し、その平均値を求めた。
(4)剛軟度:
JIS L1913 b法(ガーレ法)に準拠し、剛軟性を測定した。
各々の水溶性樹脂を不織布ウェブに含浸させ、乾燥して得られた不織布から、2.5cm×8.89cmのテストピースを切り出す。そのテストピースを、ガーレ式剛軟度試験機を用いて剛軟度を測定した。この測定値は、値が大きいほど剛性が高く、値が小さいほど剛性が低い。
(5)強力(強度):
各々の水溶性樹脂を不織布ウェブに含浸させ、乾燥して得られた不織布から、5cm×20cmのテストピースを切り出す。そのテストピースの両端を、引張試験機の治具(チャック)に、チャック間の長さが10cmになるように挟んで、引張速度300mm/分にて引張試験を行い、破断時の強度を引張強度とする。
なお、23℃、50%RHの雰囲気下で測定した値を常態引張強度、テストピースを23℃の水中に1時間浸漬した後、直ちに測定した値を耐水引張強度と示す。
(6)ガラス転移温度(Tg):
各々の水溶性樹脂、例えば、(メタ)アクリル系重合体を80℃にて24時間乾燥して得られた皮膜について、示差走査熱量計(セイコー電子工業(株)製、DSC220C)を用いて測定した。
[実施例1]
繊度が100dtex、カット長が6mmのビニロン繊維、繊度が20dtex、カット長が5mmのPP/PE熱融着繊維、及びパルプを、混率40重量%、40重量%、20重量%で混合し、エアレイド法にてウェブを作製し、150℃にて熱処理し、目付50g/mのシートを得た。
このシートに、樹脂含浸装置にて、Tg50℃のアクリル樹脂エマルジョンを含浸加工し、目付100g/mの短繊維不織布を作製した。
この作製した短繊維不織布について、エアーフィルター用補強材としての物性を評価し、その評価結果を表1に示す。
[実施例2]
ビニロン繊維100dtex×6mm、ビニロン繊維17dtex×12mm、PP/PE熱融着繊維を混率50重量%、25重量%、25重量%で混合し、エアレイド法にてウェブを作製し、150℃にて熱処理し、目付50g/mのシートを得た。
このシートに、樹脂含浸装置にて、Tg50℃のアクリル樹脂エマルジョンを含浸加工し、目付100g/mの短繊維不織布を作製した。
この作製した短繊維不織布について、エアーフィルター用補強材としての物性を評価し、その評価結果を表1に示す。
[実施例3]
ビニロン繊維100dtex×6mm、ポリエステル繊維22dtex×5mm、PP/PE熱融着繊維を混率50重量%、25重量%、25重量%で混合し、エアレイド法にてウェブを作製し、150℃にて熱処理し、50g/mのシートを得た。
このシートに、樹脂含浸装置にて、Tg50℃のアクリル樹脂エマルジョンを含浸加工し、目付80g/mの短繊維不織布を得た。
この作製した短繊維不織布について、エアーフィルター用補強材としての物性を評価し、その評価結果を表1に示す。
[実施例4]
ビニロン繊維100dtex×6mm、ポリエステル繊維22dtex×5mm、PP/PE熱融着繊維を混率50重量%、25重量%、25重量%で混合し、エアレイド法にてウェブを作製し、150℃にて熱処理し、50g/mのシートを得た。
このシートに、樹脂含浸装置にて、Tg66℃のスチレンブタジエン共重合体 ドライ100重量部に対し、オキサゾリン架橋剤を2重量部添加した接着樹脂を、含浸加工し、目付80g/mの短繊維不織布を得た
この作製した短繊維不織布について、エアーフィルター用補強材としての物性を評価し、その評価結果を表1に示す。
[比較例1]
ビニロン繊維17dtex、レーヨン繊維5.6dtexの短繊維を60重量%、40重量%で混合し、カード法にて開繊し、50g/mの繊維ウェブを得た。
この繊維ウェブを、樹脂含浸装置にて、Tg50℃のアクリル樹脂エマルジョンを含浸加工し、70g/mの短繊維不織布を得た。
この作製した短繊維不織布について、エアーフィルター用補強材としての物性を評価し、その評価結果を表1に示す。
[比較例2]
ビニロン繊維17dtex、ポリエステル繊維6dtex、パルプを40重量%、20%、40%で混合し、Tg50℃のアクリル樹脂エマルジョンに分散させ、湿式法にて抄紙し、目付60g/mの湿式不織布を得た。
この作製した湿式不織布について、エアーフィルター用補強材としての物性を評価し、その評価結果を表1に示す。
[比較例3]
繊度が100dtex、カット長が6mmのビニロン繊維、繊度が20dtex、カット長が5mmのPP/PE熱融着繊維、及びパルプを、混率40重量%、40重量%、20重量%で混合し、エアレイド法にてウェブを作製し、150℃にて熱処理し、目付50g/mのシートを得た。
このシートについて、エアーフィルター用補強材としての物性を評価し、その評価結果を表1に示す。
[実施例5〜8及び比較例4〜6]
実施例5〜8及び比較例4〜6は、上記実施例1〜4及び比較例1〜3のエアーフィルター用補強材について、それぞれに三井化学製スパンボンド法不織布「スパンボンドPS106」を、日本エヌエスシー(株)製湿度硬化型接着剤を使用して、スプレー法にて貼り合わせ、短繊維不織布を作製した。
この作製した短繊維不織布について、幅200mm・奥行き200mm・高さ30mm・山間隔4mmのエアーフィルターを作製し、7m/min時の圧力損失を測定し、また、プリーツ性(山の膨れ状態:保型性良(○)〜悪(×)の3段階評価)を評価した。その評価結果を表2に示す。
Figure 2009185396
Figure 2009185396
表1から明らかなように、実施例1〜4では、通気度・剛性が高く、耐水性の良い補強材が得られた。一方、エアレイドウェブ(A)を用いない比較例1については、通気度が低く、また、湿式不織布を用いた比較例2については、耐水強力(含水状態における強度)が低いため、後加工による機能性付与を行う場合は、不適当であることが判る。さらに、水溶性樹脂(B)を含浸させていない比較例3については、剛軟度と引張強力が悪いことが判る。
また、表2から明らかなように、実施例5〜8では、プリーツの保型性が良く、圧力損失が低いエアーフィルター材が得られた。一方、比較例4、6については、保型性が悪くプリーツ山が膨れ、圧力損失が高くなることが判る。
本発明のエアーフィルター用補強材は、低圧力損失で、目開き・通気性が均一で良く、高剛性であって、耐水性に優れるため、クリーンルームおよびビル空調などの分野ばかりでなく、自動車室内および一般家庭などにおけるエアーフィルターなどに好適に用いることができ、また、ビル空調、自動車用ばかりでなく、その他の広い用途で使用できる。

Claims (8)

  1. エアレイドウェブ(A)に、水溶性樹脂(B)を含浸させてなるエアーフィルター用補強材。
  2. エアレイドウェブ(A)は、ビニロン繊維が5〜90重量%、熱融着繊維が0〜50重量%、ポリエステル繊維が0〜50重量%及びパルプが0〜30重量%からなる混合繊維から、エアレイド法で形成されることを特徴とする請求項1に記載のエアーフィルター用補強材。
  3. 水溶性樹脂(B)は、アクリル系樹脂、スチレンアクリル酸共重合体、スチレンマレイン酸共重合体、スチレンブタジエン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂又はエポキシ系樹脂から選ばれる樹脂であって、ガラス転移温度(Tg)が30℃以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアーフィルター用補強材。
  4. 水溶性樹脂(B)は、架橋成分を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエアーフィルター用補強材。
  5. エアレイドウェブ(A)と水溶性樹脂(B)の重量比率(A:B)は、30:70〜80:20であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエアーフィルター用補強材。
  6. 水溶性樹脂(B)には、さらに、水溶性樹脂成分100重量部に対して、非ハロゲン難燃剤を30〜150重量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエアーフィルター用補強材。
  7. エアーフィルター材本体に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエアーフィルター用補強材を貼り合せてなるエアーフィルター材。
  8. エアーフィルター材本体は、メルトブローン不織布、スパンボンド不織布又は短繊維不織布から選ばれる不織布であることを特徴とする請求項7に記載のエアーフィルター材。
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