JP2009184924A - 生物学的試薬用化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】アミロイドベータ(Aβ)産生機構の解析、Aβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析などに有用な試薬、それを用いた解析方法およびそれに用いるキットを提供することを課題とする。
【解決手段】下記式
[式中、R10は水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、A1は単結合、親和性標識基または親和性標識基、A2は単結合またはリンカー、A3は単結合または開裂可能なリンカー、A4はフィッシングタグ基、標識基または固相担体を示す]で表される生物学的試薬用化合物を使用して、Aβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の標的タンパクを検索することにより、Aβ産生機構の解析、神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析などを行うことができる。
【選択図】なし
【解決手段】下記式
[式中、R10は水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、A1は単結合、親和性標識基または親和性標識基、A2は単結合またはリンカー、A3は単結合または開裂可能なリンカー、A4はフィッシングタグ基、標識基または固相担体を示す]で表される生物学的試薬用化合物を使用して、Aβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の標的タンパクを検索することにより、Aβ産生機構の解析、神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析などを行うことができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、生物学的試薬用化合物に関する。更に詳細には、アミロイドベータタンパク(Aβタンパク)の生成機構を解明するために有用な生物学的試薬として利用できる生物学的試薬用化合物、該生物学的試薬用化合物を用いたAβタンパクの生成機構を解明する方法、および該生物学的試薬用化合物を含む、Aβタンパクの生成機構を解明するキットに関する。
アルツハイマー病は、神経細胞の変性や、脱落とともに、老人班の形成および神経原繊維変化を特徴とする疾患である。現在、アルツハイマー病の治療は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤に代表される症状改善剤による対症療法に限られていて、病気の進行を抑制する根本療法剤は開発されていない。アルツハイマー病の根本療法剤の創出には、病態の発症原因を制御する方法の開発が必要である。
アルツハイマー病やダウン症等の神経変性疾患はAβタンパクが原因となって老人班の形成や神経原繊維変化を起こすと考えられている。アミロイド前駆体タンパク(APP)の代謝産物であるAβタンパクは、神経細胞の変性・脱落、さらには痴呆症状の発現に大きくかかわると考えられている(例えば、非特許文献1、2参照)。Aβタンパクの主成分は、アミノ酸40個からなるAβ40とC末が2アミノ酸増えたAβ42である。これらのAβ40および42は、凝集性が高く(例えば、非特許文献3参照)、老人班の主要構成成分であり(例えば、非特許文献3、4、5参照)、さらに、家族性アルツハイマー病で見られるAPPおよびプレセネリン遺伝子の変異は、これらのAβ40および42を増加させることが知られている(例えば、非特許文献6、7、8参照)。したがって、Aβ40および42の産生を低下させる化合物は、アルツハイマー病の進行抑制剤または予防薬として期待されている。
Aβは、APPがベータセクレターゼにより切断され、続いてガンマセクレターゼにより切り出されることにより産生する。このことより、Aβ産生低下を目的として、ガンマセクレターゼおよびベータセクレターゼの阻害剤の創出が試みられている。既に知られているこれらのセクレターゼ阻害剤の多くは、例えばL−685,458(例えば、非特許文献9参照)、LY−411575(例えば、非特許文献10、11、12参照)等、ペプチドまたはペプチドミメティックである。
本発明者らは、Aβ40や42の産生を抑制する新規な低分子化合物としてシンナミド化合物を既に提案している(特許文献1参照)。このシンアミド化合物は、APPからAβ40や42の産生を強力に抑制する化合物であり、アルツハイマー病に代表されるAβに起因する疾患の治療剤または予防剤として期待されている。
アルツハイマー病やダウン症等の神経変性疾患はAβタンパクが原因となって老人班の形成や神経原繊維変化を起こすと考えられている。アミロイド前駆体タンパク(APP)の代謝産物であるAβタンパクは、神経細胞の変性・脱落、さらには痴呆症状の発現に大きくかかわると考えられている(例えば、非特許文献1、2参照)。Aβタンパクの主成分は、アミノ酸40個からなるAβ40とC末が2アミノ酸増えたAβ42である。これらのAβ40および42は、凝集性が高く(例えば、非特許文献3参照)、老人班の主要構成成分であり(例えば、非特許文献3、4、5参照)、さらに、家族性アルツハイマー病で見られるAPPおよびプレセネリン遺伝子の変異は、これらのAβ40および42を増加させることが知られている(例えば、非特許文献6、7、8参照)。したがって、Aβ40および42の産生を低下させる化合物は、アルツハイマー病の進行抑制剤または予防薬として期待されている。
Aβは、APPがベータセクレターゼにより切断され、続いてガンマセクレターゼにより切り出されることにより産生する。このことより、Aβ産生低下を目的として、ガンマセクレターゼおよびベータセクレターゼの阻害剤の創出が試みられている。既に知られているこれらのセクレターゼ阻害剤の多くは、例えばL−685,458(例えば、非特許文献9参照)、LY−411575(例えば、非特許文献10、11、12参照)等、ペプチドまたはペプチドミメティックである。
本発明者らは、Aβ40や42の産生を抑制する新規な低分子化合物としてシンナミド化合物を既に提案している(特許文献1参照)。このシンアミド化合物は、APPからAβ40や42の産生を強力に抑制する化合物であり、アルツハイマー病に代表されるAβに起因する疾患の治療剤または予防剤として期待されている。
他方、最近においては、生化学的手法あるいは分子生物学的手法の代わりに低分子化合物を生体成分であるタンパク質機能の解明に用いるケミカルジェネティクス(chemical genetics)的手法が、生物学的研究に重要な役割りを占めると考えられている。ケミカルジェネティクス的手法では、生体機能システムの実行因子であるタンパク質に結合してその機能を阻害あるいは促進する低分子化合物を用いるため、タンパク質の多様な機能を広く評価できると考えられている。
このようなケミカルジェネティクス的手法の試みの一つとして、Aβタンパクの生成を阻害する薬理活性化合物を構成成分とする生物学的試薬を用いて、標的タンパク質を解明することが提案されている(特許文献2参照)。また、セクレターゼ阻害剤として知られる上記したL−685,458(非特許文献9参照)と、光親和性標識基およびビオチンとからなる生物学的試薬を用いて、L−685,458の標的タンパク質を検索したことが報告されている(非特許文献13参照)。
しかしながら、Aβ40や42の産生を抑制する上記したシンナミド化合物(特許文献1)について、生物学的試薬を用いてその標的タンパク質を検索することは未だなされていない。
このようなケミカルジェネティクス的手法の試みの一つとして、Aβタンパクの生成を阻害する薬理活性化合物を構成成分とする生物学的試薬を用いて、標的タンパク質を解明することが提案されている(特許文献2参照)。また、セクレターゼ阻害剤として知られる上記したL−685,458(非特許文献9参照)と、光親和性標識基およびビオチンとからなる生物学的試薬を用いて、L−685,458の標的タンパク質を検索したことが報告されている(非特許文献13参照)。
しかしながら、Aβ40や42の産生を抑制する上記したシンナミド化合物(特許文献1)について、生物学的試薬を用いてその標的タンパク質を検索することは未だなされていない。
Klein WL,外7名,Alzheimer’s disease−affected brain:Presence of oligomeric Aβ ligands (ADDLs)suggests a molecular basis for reversible memory loss,Proceding National Academy of Science USA 2003,Sep 2;100(18),p.10417−10422.
Nitsch RM,外16名,Antibodies against β−amyloid slow cognitive decline in Alzheimer’s disease,Neuron,2003,May 22;38,p.547−554.
Jarrett JT,外2名,The carboxy terminus of the β amyloid protein is critical for the seeding of amyloid formation:Implications for the pathogenesis of Alzheimers’disease,Biochemistry,1993,32(18),p.4693−4697.
Glenner GG,外1名,Alzheimer’s disease:initial report of the purification and characterization of a novel cerebrovascular amyloid protein,Biochemical and biophysical research communications,1984,May 16,120(3),p.885−890.
Masters CL,外5名,Amyloid plaque core protein in Alzheimer disease and Down syndrome,Proceding National Academy of Science USA,1985,Jun,82(12),p.4245−4249.
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Scheuner D,外20名,Secreted amyloid β−protein similar to that in the senile plaques of Alzheimer‘s disease is increased in vivo by the presenilin 1 and 2 and APP mutations linked to familial Alzheimer’s disease,Nature Medicine,1996,Aug,2(8),p.864−870.
Forman MS,外4名,Differential effects of the swedish mutant amyloid precursor protein on β−amyloid accumulation and secretion in neurons and nonneuronal cells,The Journal of Biological Chemistry,1997,Dec 19,272(51),p.32247−32253.
Shearman MS,外9名,L−685,458,an Aspartyl Protease Transition State Mimic,Is a Potent Inhibitor of Amyloid β−Protein Precursor γ−Secretase Activity,Biochemistry,2000,Aug 1,39(30),p.8698−8704.
Shearman MS,外6名,Catalytic Site−Directed γ−Secretase Complex Inhibitors Do Not Discriminate Pharmacologically betweeen Notch S3 and β−APP Clevages,Biochemistry,2003,Jun 24,42(24),p.7580−7586.
Lanz TA,外3名,Studies of Aβ pharmacodynamics in the brain,cerebrospinal fluid,and plasma in young (plaque−free)Tg2576 mice using the γ−secretase inhibitor N2−[(2S)−2−(3,5−difluorophenyl)−2−hydroxyethanoyl]−N1−[(7S)−5−methyl−6−oxo−6,7−dihydro−5H−dibenzo[b,d]azepin−7−yl]−L−alaninamide (LY−411575),The journal of pharmacology and experimental therapeutics,2004,Apr,309(1),p.49−55.
Wong GT,外12名,Chronic treatment with the γ−secretase inhibitor LY−411,575 inhibits β−amyloid peptide production and alters lymphopoiesis and intestinal cell differentiation,The journal of biological chemistry,2004,Mar 26,279(13),p.12876−12882.
Li YM,外17名、Photoactivated γ−secretase inhibitorsdirected to the active site covalently label presenilin 1,Nature,2000,Jun 8,405(6787),p.689−694
国際公開第WO2005/115990号パンフレット
国際公開第WO00/019210号パンフレット
本発明の課題は、Aβ40や42の産生を抑制する上記したシンナミド化合物を構成成分とする生物学的試薬用化合物を提供することにある。更に本発明の課題は、この生物学的試薬用化合物をケミカルプローブとして用いて、シンナミド化合物の標的タンパクを検索してAβタンパクの産生機構を解析する方法を提供することにある。更に本発明の課題は、Aβタンパクの産生機構を解析するためのキットを提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決することを目的として鋭意検討を行い、シンナミド化合物を構成成分とする生物学的試薬用化合物を構築し、この生物学的試薬用化合物を用いることにより、Aβタンパクの産生機構を解析できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の1)から14)の生物学的試薬用化合物またはその塩に関する。
1)式(I)
[式中、
Ar1は、下記置換基群A1から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいイミダゾリル基を示す;
Ar2は、下記置換基群A2から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基を示し;
X1は、−C≡C−または
(ここにおいて、R2およびR3は、下記置換基群A3から選択される置換基を示し、
は単結合または二重結合を示す)を示す;
R1は、下記置換基群A4から選択される基を示し;
X2は、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基で置換されてもよい、C1−6アルキレン基(該C1−6アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、水酸基で置換されていてもよく、また、C1−6アルキレン基上の同一炭素原子に1または2置換することができ、2つの該C1−6アルキル基は結合する炭素原子と共に環状基(該環状基の環上メチレン基が1の酸素原子で置換されてもよい)を形成することができる)を形成してもよい)、C1−6アルコキシ基、アミノ基(該アミノ基は、C1−6アルキル基で置換されてもよい)および置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)を示し;
X3は、単結合、置換基群A5から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−O−または−S−を示し;
Ar3は、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員環芳香族炭化水素基または置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員環芳香族複素環基を示し;
あるいは、
R1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、下記置換基群A4から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、式(II)
[式中、R4は置換基群A3から選択される置換基を示し;
は単結合または二重結合を示し;Z1は単結合、−CO−、−(CH2)n−(ここにおいて、nは、1ないし3の整数を示す)または−CR5R6(ここにおいて、R5およびR6は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)を示し;Z2は、単結合、−O−、−NRCO−、−CONR−、−CSNR−、−NRCS−(ここにおいて、Rは、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−S−を示し;Z3は、単結合、下記置換基群A4から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−(CH2)m−(ここにおいて、mは、1ないし3の整数を示す)、−CR7R8−(ここにおいて、R7およびR8は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−O−を示し;X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される基を形成してもよい;
A1は、単結合、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基を示す;
A2は、単結合またはリンカーを示す;
A3は、単結合または開裂可能なリンカーを示す;
A4は、水素原子、フィッシングタグ基、検出可能なマーカー、固相担体または固相担体と結合させる基を示す;
置換基群A1:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基およびC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルキルカルボニル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、タンパク質標識基、タンパク質標識基を含む基、および固相担体と結合させる基;
置換基群A2:ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC3−8シクロアルキル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C3−8シクロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A3:ハロゲン原子、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ホルミル基、ハロゲン原子、水酸基、保護基を有する水酸基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルカルボニル基、アミノ基(該アミノ基は、1ないし5のハロゲン原子を適宜有するC1−6アルキル基で置換されてもよい)、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基および−X−A(ここにおいて、Xは、イミノ基、−O−または−S−を示し、Aは、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、6ないし14員芳香族炭化水素環基または5ないし14員芳香族複素環基を示す)からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C1−6アルコキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A4:水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C1−6アルコキシイミノ基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルキル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいアミノ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、−X−A(ここにおいて、XおよびAは、前記の意味を有する)、−CO−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)、=CH−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A5:ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基。]
で表される生物学的試薬用化合物またはその塩。
2)式(I)において、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、下記式
[式中、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する、但し、X1は、−C≡C−または−CR2=CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は二重結合を示す]で表される部分は、アミロイドベータ(Aβ)タンパクの生成を抑制する生物学的活性を発揮する、上記1)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
3)式(II)で表される基が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R9は、置換基群A4から選択される置換基を示し、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基である、上記1)または2)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
4)式(II)で表される基が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基である、上記3)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
5)Ar2は、置換基群A2から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、フェニル基を示す、上記1)から4)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
6)下記式
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物である、上記1)から5)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
7)タンパク質標識基が、光親和性標識基である、上記1)から6)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
8)光親和性標識基が、ベンゾイル基、オキシラン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基、およびニトロ基から選ばれる、上記7)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
9)A2のリンカーが、L4−L1−L2−L3−(ここにおいて、L4は置換基を有してもよいヘテロ環、C1−20アルキレン基、C2−20アルケニレン基、およびC2−20アルキニレン基、L1およびL3はそれぞれ、単結合、−O−、−S−、C1−6アルキル基で置換されてもよい、−NH−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−C(O)−または
(ここで、R11は、C1−C6アルキル基を示す)を示し;L2は、単結合、−(CH2CH2O)p−(ここで、pは1から20の整数を示す)または−(CH2CH2NH)q−(ここで、qは1から20の整数を示す)を示し;L3は、ハロゲン原子、水酸基、あるいはヘテロ環基であってもよく、L1およびL3は、隣接する基と環を形成していてもよい)である、上記1)から8)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
10)A3の開裂可能なリンカーが、−S−S−、−O−Si−O−または−糖残基−である、上記1)から9)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
11)A4のフィッシングタグ基が、ビオチン、または3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3A,4A−ジアザ−4−ボラ−S−インダセン−3−イル)プロピオニル基である、上記1)から10)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
12)A4の検出可能なマーカーが、放射性標識基、蛍光標識基、化学発光基、重金属イオン、アジド基またはビオチン基である、上記1)から10)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
13)下記の化合物からなる群から選ばれる、上記1)から12)のいずれかの生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
1)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−((E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
2)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{2−{2−{2−{2−{3−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}−4−ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
3)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド、
4)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
5)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{3−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−3−オキソプロピルジスルファニル}エチル}アミド、
6)(3aR,6S,6aS)−6−{5−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−5−オキソペンチル}テトラヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン、
7)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{6−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
8)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
9)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
10)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
11)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
12){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エチル}ベンズアミド、
13){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−{2−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ}エチル}ベンズアミド、
14)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−((R)−メトキシ)−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
15)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [5−(3−{4−[(R)−4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)ペンチル]アミド、
16)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {1−(2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)アミド}−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド、および
17)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−{3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオニル}ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン。
14)下記の化合物からなる群から選ばれる、上記1)から12)のいずれかの生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
1)1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
2)1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
3)(E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル、
4)(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
5)(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
6)1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
7){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル、
8)1−{(S)−1−[4−(4−アミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
9){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステル、
10)3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−[4−(4−メチルアミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}ピペリジン−2−オン、
11)1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
12)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル、
13)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸、および
14)(E)−N−(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド。
1)式(I)
[式中、
Ar1は、下記置換基群A1から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいイミダゾリル基を示す;
Ar2は、下記置換基群A2から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基を示し;
X1は、−C≡C−または
(ここにおいて、R2およびR3は、下記置換基群A3から選択される置換基を示し、
は単結合または二重結合を示す)を示す;
R1は、下記置換基群A4から選択される基を示し;
X2は、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基で置換されてもよい、C1−6アルキレン基(該C1−6アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、水酸基で置換されていてもよく、また、C1−6アルキレン基上の同一炭素原子に1または2置換することができ、2つの該C1−6アルキル基は結合する炭素原子と共に環状基(該環状基の環上メチレン基が1の酸素原子で置換されてもよい)を形成することができる)を形成してもよい)、C1−6アルコキシ基、アミノ基(該アミノ基は、C1−6アルキル基で置換されてもよい)および置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)を示し;
X3は、単結合、置換基群A5から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−O−または−S−を示し;
Ar3は、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員環芳香族炭化水素基または置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員環芳香族複素環基を示し;
あるいは、
R1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、下記置換基群A4から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、式(II)
[式中、R4は置換基群A3から選択される置換基を示し;
は単結合または二重結合を示し;Z1は単結合、−CO−、−(CH2)n−(ここにおいて、nは、1ないし3の整数を示す)または−CR5R6(ここにおいて、R5およびR6は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)を示し;Z2は、単結合、−O−、−NRCO−、−CONR−、−CSNR−、−NRCS−(ここにおいて、Rは、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−S−を示し;Z3は、単結合、下記置換基群A4から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−(CH2)m−(ここにおいて、mは、1ないし3の整数を示す)、−CR7R8−(ここにおいて、R7およびR8は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−O−を示し;X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される基を形成してもよい;
A1は、単結合、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基を示す;
A2は、単結合またはリンカーを示す;
A3は、単結合または開裂可能なリンカーを示す;
A4は、水素原子、フィッシングタグ基、検出可能なマーカー、固相担体または固相担体と結合させる基を示す;
置換基群A1:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基およびC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルキルカルボニル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、タンパク質標識基、タンパク質標識基を含む基、および固相担体と結合させる基;
置換基群A2:ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC3−8シクロアルキル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C3−8シクロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A3:ハロゲン原子、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ホルミル基、ハロゲン原子、水酸基、保護基を有する水酸基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルカルボニル基、アミノ基(該アミノ基は、1ないし5のハロゲン原子を適宜有するC1−6アルキル基で置換されてもよい)、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基および−X−A(ここにおいて、Xは、イミノ基、−O−または−S−を示し、Aは、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、6ないし14員芳香族炭化水素環基または5ないし14員芳香族複素環基を示す)からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C1−6アルコキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A4:水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C1−6アルコキシイミノ基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルキル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいアミノ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、−X−A(ここにおいて、XおよびAは、前記の意味を有する)、−CO−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)、=CH−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A5:ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基。]
で表される生物学的試薬用化合物またはその塩。
2)式(I)において、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、下記式
[式中、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する、但し、X1は、−C≡C−または−CR2=CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は二重結合を示す]で表される部分は、アミロイドベータ(Aβ)タンパクの生成を抑制する生物学的活性を発揮する、上記1)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
3)式(II)で表される基が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R9は、置換基群A4から選択される置換基を示し、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基である、上記1)または2)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
4)式(II)で表される基が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基である、上記3)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
5)Ar2は、置換基群A2から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、フェニル基を示す、上記1)から4)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
6)下記式
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物である、上記1)から5)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
7)タンパク質標識基が、光親和性標識基である、上記1)から6)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
8)光親和性標識基が、ベンゾイル基、オキシラン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基、およびニトロ基から選ばれる、上記7)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
9)A2のリンカーが、L4−L1−L2−L3−(ここにおいて、L4は置換基を有してもよいヘテロ環、C1−20アルキレン基、C2−20アルケニレン基、およびC2−20アルキニレン基、L1およびL3はそれぞれ、単結合、−O−、−S−、C1−6アルキル基で置換されてもよい、−NH−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−C(O)−または
(ここで、R11は、C1−C6アルキル基を示す)を示し;L2は、単結合、−(CH2CH2O)p−(ここで、pは1から20の整数を示す)または−(CH2CH2NH)q−(ここで、qは1から20の整数を示す)を示し;L3は、ハロゲン原子、水酸基、あるいはヘテロ環基であってもよく、L1およびL3は、隣接する基と環を形成していてもよい)である、上記1)から8)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
10)A3の開裂可能なリンカーが、−S−S−、−O−Si−O−または−糖残基−である、上記1)から9)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
11)A4のフィッシングタグ基が、ビオチン、または3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3A,4A−ジアザ−4−ボラ−S−インダセン−3−イル)プロピオニル基である、上記1)から10)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
12)A4の検出可能なマーカーが、放射性標識基、蛍光標識基、化学発光基、重金属イオン、アジド基またはビオチン基である、上記1)から10)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
13)下記の化合物からなる群から選ばれる、上記1)から12)のいずれかの生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
1)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−((E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
2)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{2−{2−{2−{2−{3−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}−4−ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
3)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド、
4)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
5)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{3−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−3−オキソプロピルジスルファニル}エチル}アミド、
6)(3aR,6S,6aS)−6−{5−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−5−オキソペンチル}テトラヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン、
7)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{6−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
8)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
9)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
10)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
11)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
12){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エチル}ベンズアミド、
13){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−{2−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ}エチル}ベンズアミド、
14)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−((R)−メトキシ)−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
15)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [5−(3−{4−[(R)−4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)ペンチル]アミド、
16)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {1−(2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)アミド}−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド、および
17)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−{3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオニル}ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン。
14)下記の化合物からなる群から選ばれる、上記1)から12)のいずれかの生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
1)1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
2)1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
3)(E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル、
4)(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
5)(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
6)1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
7){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル、
8)1−{(S)−1−[4−(4−アミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
9){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステル、
10)3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−[4−(4−メチルアミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}ピペリジン−2−オン、
11)1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
12)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル、
13)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸、および
14)(E)−N−(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド。
更に、本発明は、以下の15)から18)のAβタンパクの産成機構を解析する方法に関する。
15)Aβタンパクの産生機構を解析する方法であって、
a)Aβタンパクの産生機構に関与するタンパクを含むと考えられる細胞もしくは細胞成分と、上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩とを接触させて、
b)上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩と、Aβタンパクの産生機構に関与する標的タンパクとの複合体を形成させ、次いで
c)形成された生物学的試薬用化合物と標的タンパク質の複合体を解析し、標的タンパク質を同定する
ことを含む、Aβタンパクの産生機構を解析する方法。
16)上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有する生物学的試薬用化合物またはその塩とともに、上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩とを一緒に用いて、両者の生物学的試薬用化合物またはその塩について同様の方法を行って、両者を比較して、標的タンパク質を同定することを含む、上記15)の方法。
17)Aβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩が、式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩である、上記16)の方法。
18)式(I)で表される生物学的試薬用化合物または塩において、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、Aβタンパク産生を抑制する生物学的活性を発揮する部分の標的タンパクを検索して、Aβタンパク産生の抑制機構を解析する、上記15)から17)のいずれかの方法。
15)Aβタンパクの産生機構を解析する方法であって、
a)Aβタンパクの産生機構に関与するタンパクを含むと考えられる細胞もしくは細胞成分と、上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩とを接触させて、
b)上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩と、Aβタンパクの産生機構に関与する標的タンパクとの複合体を形成させ、次いで
c)形成された生物学的試薬用化合物と標的タンパク質の複合体を解析し、標的タンパク質を同定する
ことを含む、Aβタンパクの産生機構を解析する方法。
16)上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有する生物学的試薬用化合物またはその塩とともに、上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩とを一緒に用いて、両者の生物学的試薬用化合物またはその塩について同様の方法を行って、両者を比較して、標的タンパク質を同定することを含む、上記15)の方法。
17)Aβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩が、式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩である、上記16)の方法。
18)式(I)で表される生物学的試薬用化合物または塩において、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、Aβタンパク産生を抑制する生物学的活性を発揮する部分の標的タンパクを検索して、Aβタンパク産生の抑制機構を解析する、上記15)から17)のいずれかの方法。
更に、本発明は、以下の19)のキットに関する。
19)上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩を含む、Aβタンパクの産生機構を解析するためのキット。
19)上記1)から14)のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩を含む、Aβタンパクの産生機構を解析するためのキット。
更に、本発明は、以下の20)から22)Aβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩に関する。
20)式(I)において、X1が、−CR2−CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は単結合を示す)、生物学的試薬用化合物であってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩。
21)式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩である、上記20)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
22)下記の化合物である、上記20)または21)の生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
5)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド。
20)式(I)において、X1が、−CR2−CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は単結合を示す)、生物学的試薬用化合物であってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩。
21)式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩である、上記20)の生物学的試薬用化合物またはその塩。
22)下記の化合物である、上記20)または21)の生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
5)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド。
以下に、本明細書において用いられている各置換基または基の定義について、また、本発明の生物学的試薬用化合物、Aβタンパクの産生機構を解析する方法、Aβタンパクの産生機構を解析するためのキットについて詳細に説明する。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を示し、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子である。
「C1−6アルキル基」とは、炭素数が1ないし6個のアルキル基を示し、好ましい基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ターシャリーブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基等の直鎖または分枝状アルキル基が挙げられる。
「C1−6アルコキシ基」とは、炭素数1ないしは6個のアルキル基の、水素原子が酸素原子に置換された基を示し、好ましい基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、ターシャリーブトキシ基、n−ペントキシ基、i−ペントキシ基、sec−ペントキシ基、ターシャリーペントキシ基、n−ヘキソキシ基、i−ヘキソキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2−エチルプロポキシ基、1−メチル−2−エチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
「C1−6アルキルスルホニル基」とは、炭素数1ないしは6個のアルキル基において一つの水素原子がスルホニル基で置換された基を示し、好ましい基としては、例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基等が挙げられる。
「アミノ基(該アミノ基は、C1−6アルキル基で置換されてもよい)」とは炭素数1ないしは6個のアルキル基が置換してもよいアミノ基を示し、好ましい基としては、例えばアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジメチルアミノ基等が挙げられる。
「C2−6アルケニル基」とは、炭素数が2ないし6個のアルケニル基を示し、好ましい基としては、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテン−1−イル基、1−ブテン−2−イル基、1−ブテン−3−イル基、2−ブテン−1−イル基、2−ブテン−2−イル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルケニル基が挙げられる。
「C2−6アルキニル基」とは、炭素数が2ないし6個のアルキニル基を示し、好ましい基としては、例えばエチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基等の直鎖状または分子鎖状のアルキニル基が挙げられる。
「C3−8シクロアルキル基」とは、炭素数3ないし8の環状アルキル基を示し、当該基における好ましい基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
「C1−6アルキルチオ基」とは、炭素数1ないしは6のアルキル基において、1つの水素原子が硫黄原子に置換された基を示し、好ましい基としては、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、ターシャリーブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、i−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、1−メチルプロピルチオ基等が挙げられる。
「C1−6アルキルスルフィニル基」とは、炭素数1ないしは6のアルキル基において、1つの水素原子がスルフィニル基に置換された基を示し、好ましい基としては、例えばメチルスルフィニル基、エチルメチルスルフィニル基、n−プロピルスルフィニル基、i−プロピルスルフィニル基、n−ブチルスルフィニル基、i−ブチルスルフィニル基、ターシャリーブチルスルフィニル基、n−ペンチルスルフィニル基、i−ペンチルスルフィニル基、ネオペンチルスルフィニル基、n−ヘキシルスルフィニル基、1−メチルプロピルスルフィニル基等が挙げられる。
「C1−6アルキルカルボニル基」とは、炭素数1ないしは6個のアルキル基において一つの水素原子がカルボニル基で置換された基を示し、好ましい基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。
「C3−8シクロアルコキシ基」とは、炭素数3ないし8の環状アルキル基において、一つの水素原子が酸素原子に置換された基を示し、当該基における好ましい基としては、例えばシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基、シクロヘキソキシ基、シクロヘプチロキシ基、シクロオクチロキシ基等が挙げられる。
「C3−8シクロアルキルチオ基」とは、炭素数3ないし8の環状アルキル基において、一つの水素原子が硫黄原子に置換された基を示し、当該基における好ましい基としては、例えばシクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロヘプチルチオ基、シクロオクチルチオ基等が挙げられる。
「C1−6アルコキシイミノ基」とは、イミノ基の水素原子がC1−6アルコキシ基で置換された基を示し、好ましい基としては、例えばメトキシイミノ基、エトキシイミノ基等が挙げられる。
「C2−6アルケニルオキシ基」とは、炭素数が2ないし6個のアルケニル基において、一つの水素原子が酸素原子に置換された基を示し、好ましい基としては、例えばビニルオキシ基、アリルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、1−ブテン−1−イルオキシ基、1−ブテン−2−イルオキシ基、1−ブテン−3−イルオキシ基、2−ブテン−1−イルオキシ基、2−ブテン−2−イルオキシ基等の直鎖状または分枝鎖状のアルケニルオキシ基が挙げられる。
「C2−6アルキニルオキシ基」とは、炭素数2ないし6のアルキニル基において、一つの水素原子が酸素原子に置換された基を示し、当該基における好ましい基としては、エチニルオキシ基、1−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基、ペンチニルオキシ基、ヘキシニルオキシ基等の直鎖状または分岐状アルキニルオキシ基等が挙げられる。
「C3−8シクロアルキルスルフィニル基」とは、炭素数3ないし8の環状アルキル基において、一つの水素原子がスルフィニル基に置換された基を示し、当該基における好ましい基としては、例えばシクロプロピルスルフィニル基、シクロブチルスルフィニル基、シクロペンチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、シクロヘプチルスルフィニル基、シクロオクチルスルフィニル基等が挙げられる。
「C3−8シクロアルキルスルホニル基」とは、炭素数3ないし8の環状アルキル基において、一つの水素原子がスルホニル基に置換された基を示し、当該基における好ましい基としては、例えばシクロプロピルスルホニル基、シクロブチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、シクロヘプチルスルホニル基、シクロオクチルスルホニル基等が挙げられる。
「6ないし14員環式芳香族炭化水素環基」とは、炭素数6ないし14の単環式、二環式または三環式芳香族炭化水素環基を示し、当該基における好ましい基としては、例えばフェニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基等の単環式、二環式または三環式の6ないし14員環式芳香族炭化水素環基が挙げられる
「5ないし14員芳香族複素環基」とは、炭素数5ないし14の単環式、二環式または三環式芳香族複素環基を示し、当該基における好ましい基としては、例えば、ピロリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピラゾリニル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、プリニル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノリジニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、イミダゾトリアジニル基、ピラジノピリダジニル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、カルバゾリル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナシル基等の含窒素芳香族複素環基;チエニル基、ベンゾチエニル基等の含硫黄芳香族複素環基;フリル基、ピラニル基、シクロペンタピラニル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基等の含酸素芳香族複素環基;チアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンズチアゾリニル基、ベンズチアジアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、ピラゾロオキサゾリル基、イミダゾチアゾリル基、チエノフリル基、フロピロリル基、ピリドオキサジニル基等の如く窒素原子、硫黄原子および酸素原子からなる群から選ばれる2個以上の異種原子を含んでなる芳香族複素環基が挙げられる。
「6ないし14員非芳香族炭化水素環基」とは、6ないしは14個の環状の脂肪族炭化水素基を示し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、スピロ[3.4]オクタニル基、デカンニル基、インダニル基、1−アセナフテニル基、シクロペンタシクロオクテニル基、ベンゾシクロオクテニル基、インデニル基、テトラヒドロナフチル基、6,7,8,9−テトラヒドロー5H−ベンゾシクロヘプテニル基、1,4−ジヒドロナフタレニル基等、6ないし14個の炭素原子からなる環状の脂肪族炭化水素基を意味する。
「5ないし14員非芳香族複素環基」とは、1)環を構成する原子の数が5ないし14であり、2)環を構成する原子中に1ないし5個の、例えば窒素原子、−O−または−S−等のヘテロ原子を含有し、3)環中に、一つまたは複数個の、カルボニル基、二重結合または三重結合を含んでいてもよく、5ないし14員非芳香族複素単環基のみならず、芳香族炭化水素環基と縮合する飽和複素環基、または芳香族複素環基と縮合する飽和炭化水素環基もしくは飽和複素環基を示す。5ないし14員非芳香族複素環基として具体的には例えばアゼチジニル環、ピロリジニル環、ピペリジニル環、アゼパニル環、アゾカニル環、テトラヒドロフラニル環、テトラヒドロピラニル環、モルホリニル環、チオモルホリニル環、ピペラジニル環、チアゾリジニル環、ジオキサニル環、イミダゾリニル環、チアゾリニル環、1,2−ベンゾピラニル環、イソクロマニル環、クロマニル環、インドリニル環、イソインドリニル環、アザインダニル基、アザテトラヒドロナフチル基、アザクロマニル基、テトラヒドロベンゾフラニル基、テトラヒドロベンゾチエニル基、2,3,4,5−テトラヒドローベンゾ[b]チエニル基、3,4−ジヒドロー2H−ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル基、インダンー1−オンイル基、6,7−ジヒドロー5H−シクロペンタピラジニル基、6,7−ジヒドロー5H−[1]ピリジニル基、6,7−ジヒドロー5H−[1]ピリジニル基、5,6−ジヒドロー4H−シクロペンタ[b]チエニル基、4,5,6,7−テトラヒドローベンゾ[b]チエニル基、3,4−ジヒドロー2H−ナフタレー1−オンイル基、2,3−ジヒドローイソインドールー1−オンイル基、3,4−ジヒドロー2H−イソキノリンー1−オンイル基、3,4−ジヒドロー2H−ベンゾ[1,4]オキサピニル基等を意味する。
「ヘテロ環基」とは、5ないし14員芳香族複素環基または5ないし14員非芳香族複素環基を意味する。
「保護基を有する水酸基」における好ましい基としては、例えばメトキシメチルエーテル基、テトラヒドロピラニルエーテル基、ターシャリーブチルエーテル基、アリルエーテル基、ベンゾエート基、アセテート基、ホルメート基、クロトネート基、p−フェニルベンゾエート基、ピバロエート基、ターシャリーブチルジメチルシリル基、ターシャリーブチルジフェニルシリル基、トリチル基、ベンジル基等が挙げられる。
「タンパク質標識基」とはタンパク質のアミノ酸残基と化学的に不可逆結合する基を意味する。このようなタンパク質標識基としては、例えば、光親和性標識基、化学親和性基などが挙げられる。具体的には、例えば、光親和性標識基としては、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基、ニトロ基等が挙げられる。化学親和性基としては、例えば、ハロゲン原子で置換されたケトン基、カルバモイル基あるいはエステル基、アルキルチオ基、オキシラン基等が挙げられる。なかでも光親和性標識基が好ましく、光親和性標識基としては、特に、ベンゾフェノン基、ベンゾイル基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基、ニトロ基などが好ましい。
「タンパク質標識基を含む基」とは、上記したタンパク質標識基が、適当なリンカー(例えば、後述するA2ついてのリンカーなど)、6ないし14員環芳香族炭化水素環基、あるいは5ないし14員環芳香族複素環基を介して置換された、あるいは直接置換された、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、ベンゾイル基などが挙げられる。
「固相担体と結合させる基」とは、官能基を有する固相担体と結合させることができる基を意味する。例えば、固相担体がアミノ基を有する場合には、カルボニル基、エステル基、カルボキシルキ基、イソシナネート基などが、固相担体がカルボキシル基を有する場合は、アミノ基などが、固相担体がアルケニル基あるいはアルキニル基を有する場合は、ハロゲン原子、メタンスルホネート基やアジド基などが、固相担体がハロゲン原子を有する場合は、アミノ基、水酸基、チオール基などが挙げられる。
本明細書において、置換基群A1、置換基群A2、置換基群A3、置換基群A4および置換基群A5とは以下の基を示す。
置換基群A1は、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基およびC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基およびC1−6アルキルカルボニル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、タンパク質標識基、タンパク質標識基を含む基および固相担体と結合させる基を示す。
置換基群A2は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC3−8シクロアルキル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C3−8シクロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基およびC2−6アルキニルオキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基を示す。
置換基群A3は、ハロゲン原子、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ホルミル基、ハロゲン原子、水酸基、保護基を有する水酸基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルカルボニル基、アミノ基(該アミノ基は、1ないし5のハロゲン原子を適宜有するC1−6アルキル基で置換されてもよい)、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基および−X−A(ここにおいて、Xは、イミノ基、−O−または−S−を示し、Aは、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、6ないし14員芳香族炭化水素環基または5ないし14員芳香族複素環基を示す)からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)およびC1−6アルコキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基を示す。
置換基群A4は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C1−6アルコキシイミノ基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルキル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいアミノ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、−X−A(ここにおいて、XおよびAは、前記の意味を有する)、−CO−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)および=CH−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基を示す。
置換基群A5は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基およびC3−8シクロアルキルスルホニル基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基を示す。
次に、本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩について説明する。
式(I)において、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、下記式
[式中、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する、但し、X1は、−C≡C−または−CR2=CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は二重結合を示す]で表される部分は、アミロイドベータタンパクの生成を抑制する生物学的活性を発揮する部分であり、上記したシンナミド化合物(特許文献1)に由来するものである。本発明においては、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3に、置換基として、タンパク質標識基、タンパク質標識基を含む基または固相担体と結合させる基が置換されていてもよい。
[式中、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する、但し、X1は、−C≡C−または−CR2=CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は二重結合を示す]で表される部分は、アミロイドベータタンパクの生成を抑制する生物学的活性を発揮する部分であり、上記したシンナミド化合物(特許文献1)に由来するものである。本発明においては、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3に、置換基として、タンパク質標識基、タンパク質標識基を含む基または固相担体と結合させる基が置換されていてもよい。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩においては、Ar1は、置換基群A1から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいイミダゾリル基である。Ar1は、置換基群A1から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいイミダゾリル基が好ましく、Ar1は、水素原子、ハロゲン原子、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、1ないし3のハロゲン原子で置換されてもよい)から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいイミダゾリル基、または、タンパク質標識基として、アジド基で置換されたイミダゾリル基がより好ましく、Ar1は、水素原子、ハロゲン原子、C3−8シクロアルキル基およびC1−6アルキル基から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいイミダゾリル基が更に好ましい。
式(I)の生物学試薬用化合物またはその塩においては、Ar2は、置換基群A2から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基である。Ar2は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC3−8シクロアルキル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C2−6アルケニルオキシ基およびC2−6アルキニルオキシ基から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基、または、タンパク質標識基を有する基として、オキシラン基を有するアルコキシ基が置換したピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基がより好ましく、Ar2が、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基およびC1−6アルコキシ基から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基が更に好ましい。
また、式(I)の生物学試薬用化合物においては、Ar2は、上記した置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基のうちでも、特に、Ar2が、上記した置換基で置換されてもよい、フェニル基が好ましい。
また、式(I)の生物学試薬用化合物においては、Ar2は、上記した置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基のうちでも、特に、Ar2が、上記した置換基で置換されてもよい、フェニル基が好ましい。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、X1は、−C≡C−または−CR2=CR3−(ここにおいて、R3およびR4は、置換基群A3から選択される置換基を示す)である。X1は、−CR21=CR31−(ここにおいて、R21は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基であり、R31は、水素原子、ハロゲン原子、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基またはC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、アミノ基(該アミノ基は、1ないし5のハロゲン原子を適宜有するC1−6アルキル基で置換されてもよい)、置換基群A5から選択される1ないしは3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないしは3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基および−O−A1(ここにおいて、A1は、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基または置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基を示す)から選択される置換)がより好ましい。X1は、−CR22=CR32−(ここにおいて、R22は、水素原子またはハロゲン原子を示し、R32は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、C3−8シクロアルキル基またはフェニル基で置換されてもよい)およびフェニル基からなる群から選択される1の置換基を示す)が更に好ましい。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、R1は、置換基群A4から選択される基である。R1は、水素原子またはC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、水酸基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、アミノ基(該アミノ基は、1ないし5のハロゲン原子を適宜有するC1−6アルキル基で置換されてもよい)、置換基群A6から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A6から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基および置換基群A6から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)が好ましい。ここで置換基群A6は、
水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、1ないし5のハロゲン原子で置換されてもよい)およびC1−6アルコキシ基または6ないし14員芳香族炭化水素環基を示す。
水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、1ないし5のハロゲン原子で置換されてもよい)およびC1−6アルコキシ基または6ないし14員芳香族炭化水素環基を示す。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、X2は、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基で置換されていてもよい、C1−6アルキレン基(該C1−6アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、水酸基で置換されていてもよく、また、C1−6アルキレン基上の同一炭素原子に1または2置換することができ、2つの該C1−6アルキル基は結合する炭素原子と共に環状基(該環状基の環上メチレン基が1の酸素原子で置換されてもよい)を形成することができる)を形成してもよい)、C1−6アルコキシ基、アミノ基(該アミノ基は、C1−6アルキル基で置換されてもよい)および置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)である。X2は、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、水酸基で置換されていてもよく、また、C1−6アルキレン基上の同一炭素原子に1または2置換することができ、2つの該C1−6アルキル基は結合する炭素原子と共に環状基(該環状基の環上メチレン基が1の酸素原子で置換されてもよい)を形成することができる)を形成してもよい)、またはタンパク質標識基として、ハロゲン原子で置換されたC1−6アルキル基が好ましく、特に、X2は、C1−6アルキレン基(該C1−6アルキレン基は、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、水酸基で置換されてもよい)で置換されてもよい)が好ましい。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、X3は、単結合、置換基群A5から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−O−または−S−を示し、単結合、−O−が好ましい。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、Ar3は、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員環芳香族炭化水素基または置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員環芳香族複素環基を示し、ここで、該芳香族炭化水素基および該芳香族複素環基は、これらの置換基とともに、または、これらの置換基に代って、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基で置換されていてもよい。Ar3は、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、チエニル基、ピリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、フリル基が好ましい。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、R1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、置換基群A4から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、式(II)
[式中、R4は置換基群A3から選択される置換基を示し;
は単結合または二重結合を示し;Z1は、単結合、−CO−、−(CH2)n−(ここにおいて、nは、1ないし3の整数を示す)または−CR5R6(ここにおいて、R5およびR6は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)を示し;Z2は、単結合、−O−、−NRCO−、−CONR−、−CSNR−、−NRCS−(ここにおいて、Rは、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−S−を示し;Z3は、単結合、下記置換基群A4から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−(CH2)m−(ここにおいて、mは、1ないし3の整数を示す)、−CR7R8−(ここにおいて、R7およびR8は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−O−を示し;X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される基を形成してもよく;
[式中、R4は置換基群A3から選択される置換基を示し;
は単結合または二重結合を示し;Z1は、単結合、−CO−、−(CH2)n−(ここにおいて、nは、1ないし3の整数を示す)または−CR5R6(ここにおいて、R5およびR6は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)を示し;Z2は、単結合、−O−、−NRCO−、−CONR−、−CSNR−、−NRCS−(ここにおいて、Rは、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−S−を示し;Z3は、単結合、下記置換基群A4から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−(CH2)m−(ここにおいて、mは、1ないし3の整数を示す)、−CR7R8−(ここにおいて、R7およびR8は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−O−を示し;X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される基を形成してもよく;
式(II)は、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R9は、置換基群A4から選択される置換基を示し、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基が好ましく、特に、式(II)が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基が好ましい。
[式中、R9は、置換基群A4から選択される置換基を示し、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基が好ましく、特に、式(II)が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基が好ましい。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される部分は、下記式
[式中、R10は、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物における
対応する構成部分が好ましい。
[式中、R10は、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物における
対応する構成部分が好ましい。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、A1は、単結合、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基を示す。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、A2は単結合またはリンカーを示す。リンカーとは、当該分野でよく知られており、一例として、通常の結合手(例えば、エステル、アミド、カルバメート、エーテル、チオエーテル、ウレア、アミン基等を有するアルキル基、アリケニル基、アルキニル基を意味する。例えば、−L4−L1−L2−L3−(ここにおいて、L4は置換基を有しても良いヘテロ環、C1−20アルキル基、C2−20アルケニル基、およびC2−20アルキニル基、L1およびL3はそれぞれ、単結合、−O−、−S−、−NH−、−OC(O)N−、−NC(O)O−、−NC(O)N−、−NC(O)−、−C(O)N−、−C(O)−または
(ここで、R11は、C1−C6アルキル基を示す)を示し;L2は、C2−20アルキレン基、C2−20アルケニルン基またはC2−20アルキニレン基、あるいは−(CH2CH2O)p−(ここで、pは1から20の整数を示す)または−(CH2CH2NH)q−(ここで、qは1から20の整数を示す)を示し;L3は単結合、ハロゲン原子、水酸基、ヘテロ環基であってもよく、L1およびL3は、隣接する基と環を形成していてもよい)で表されるリンカーが好ましく挙げられる。ここで、L3がヘテロ環基である場合のヘテロ環としては、例えば、トリアゾールなどが挙げられる。L1およびL3が、隣接する基と環を形成していてもよい場合としては、例えば、ピペラジン基などが挙げられる。
(ここで、R11は、C1−C6アルキル基を示す)を示し;L2は、C2−20アルキレン基、C2−20アルケニルン基またはC2−20アルキニレン基、あるいは−(CH2CH2O)p−(ここで、pは1から20の整数を示す)または−(CH2CH2NH)q−(ここで、qは1から20の整数を示す)を示し;L3は単結合、ハロゲン原子、水酸基、ヘテロ環基であってもよく、L1およびL3は、隣接する基と環を形成していてもよい)で表されるリンカーが好ましく挙げられる。ここで、L3がヘテロ環基である場合のヘテロ環としては、例えば、トリアゾールなどが挙げられる。L1およびL3が、隣接する基と環を形成していてもよい場合としては、例えば、ピペラジン基などが挙げられる。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、A3は単結合または開裂可能なリンカーを示す。開裂可能なリンカーとは、当該生物学的試薬用化合物が標的タンパク質と複合体を形成した後、その複合体から、フィッシングタグ基、検出可能なマーカー、あるいは固相担体を含まない部分を、化学反応、酵素反応などによって開裂することができるリンカーを意味する。リンカーを開裂させるための化学反応、酵素反応は、意図する結合の開裂に特異的であって、当該複合体上で意図しない反応が起こらないよう選択する。このような開裂可能なリンカーとしては、例えば、−S−S−、−O−Si−O−、−糖残基−などが挙げられる。ここで、−糖残基−としては、具体的には、グルコース基、ガラクトース基等の単糖、あるいは、ラクトース等の二糖などが挙げられる。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、A4はフィッシングタグ基、検出可能なマーカー、固相担体、または固相担体と結合させる基を示す。フィッシングタグ基とは、当該生物学的試薬用化合物と標的タンパク質との複合体を、複合体を形成していないタンパク質から分離するために用いる基のことを意味する。フィッシングタグ基としては、例えば、ビオチン、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基などが挙げられる。検出可能なマーカーとは、放射性標識、蛍光標識、化学発光標識、重金属イオンなどを意味する。検出可能なマーカーとしては、例えば、125I、32P、3H、14Cなどの放射性標識基;フルオレセイン、ローダミン、ダウンシル、ウンベリフェロン、7−ニトロフラザニル、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基などの蛍光標識基;ルミフェリン、ルミノールなどの化学発光基;ランタノイド金属イオン、ラジウムイオンなどの重金属イオンなどが挙げられる。固相担体とは、官能基を有するリンカーと結合させることができる固体の担体を意味する。固相担体としては、ガラスビーズ、ガラスベット、マイクロタイタープレート、アガロースビーズ、アガロースベッド、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンベッド、ナイロンビーズ、ナイロンベッドなどが挙げられる。
式(I)の生物学的試薬用化合物においては、例えば、A1が単結合で、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3のいずれもが、置換基として、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基を有しない場合には、A4は固相担体または固相担体を結合させる基であるのが、後述するAβタンパクの生成機構を解明する方法において標的タンパクを検索するのに好ましい。その場合に、A2はリンカーであるのが好ましい。
本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物は塩の形態であってもよい。具体的には、例えば、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩;硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩等の有機カルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩等の有機スルホン酸塩;アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等のアミノ酸塩;四級アミン塩;ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
式(1)で表される生物学的試薬用化合物またはその塩としては、A4がフィッシングタグ基として、ビオチンまたは3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基を有するものが特に好ましく、具体例として以下の化合物を挙げることができる。
1)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−((E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
2)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{2−{2−{2−{2−{3−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}−4−ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
3)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド、
4)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
5)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{3−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−3−オキソプロピルジスルファニル}エチル}アミド、
6)(3aR,6S,6aS)−6−{5−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−5−オキソペンチル}テトラヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン、
7)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{6−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
8)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
9)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
10)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
11)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
12){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エチル}ベンズアミド、
13){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−{2−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ}エチル}ベンズアミド、
14)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−((R)−メトキシ)−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
15)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [5−(3−{4−[(R)−4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)ペンチル]アミド、
16)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {1−(2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)アミド}−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド、および
17)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−{3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオニル}ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン。
2)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{2−{2−{2−{2−{3−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}−4−ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
3)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド、
4)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
5)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{3−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−3−オキソプロピルジスルファニル}エチル}アミド、
6)(3aR,6S,6aS)−6−{5−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−5−オキソペンチル}テトラヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン、
7)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{6−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
8)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
9)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
10)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
11)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
12){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エチル}ベンズアミド、
13){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−{2−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ}エチル}ベンズアミド、
14)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−((R)−メトキシ)−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
15)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [5−(3−{4−[(R)−4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)ペンチル]アミド、
16)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {1−(2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)アミド}−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド、および
17)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−{3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオニル}ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン。
式(1)で表される生物学的試薬用化合物またはその塩の、他の好ましい具体例として以下の化合物を挙げることができる。
1)1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
2)1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
3)(E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル、
4)(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
5)(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
6)1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
7){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル、
8)1−{(S)−1−[4−(4−アミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
9){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステル、
10)3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−[4−(4−メチルアミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}ピペリジン−2−オン、
11)1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
12)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル、
13)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸、および
14)(E)−N−(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド。
2)1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
3)(E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル、
4)(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
5)(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
6)1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
7){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル、
8)1−{(S)−1−[4−(4−アミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
9){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステル、
10)3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−[4−(4−メチルアミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}ピペリジン−2−オン、
11)1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
12)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル、
13)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸、および
14)(E)−N−(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド。
以下に本発明の一般式(I)の生物学的試薬用化合物の製造方法について説明する。
一般式(I)
一般式(I)
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、X1、X2、X3、R1、A1、A2、A3およびA4は前記と同じ意味を示す。]で表される化合物は、例えば以下の一般的製造法1ないし3の方法に従って合成される。なお、都合よく本発明の化合物を製造するにあたり各工程で好適な当業者に公知の保護基(例えば、T.Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons.Inc.、ニューヨーク、1981年を参照)を選定し適宜保護反応工程及び脱保護反応工程を含むことはいうまでもない。
[一般的製造法1]
本発明に係る一般式(I)の化合物の代表的な[一般的製造法1]について以下に説明する。
本発明に係る一般式(I)の化合物の代表的な[一般的製造法1]について以下に説明する。
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、X1、X2、X3、R1、A1、A2、A3およびA4は前記と同じ意味を有し、またY1、Y2は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホン酸エステル基、トリメチルすず基等のアルキルすず基、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、アセチレン基等のアルキン基、ビニル基等のアルケン基、アジド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基を示す。]
上記[一般的製造法1]は[工程1−3]に従い、化合物(4)と化合物(5)を縮合することにより一般式(I)の化合物を製造する方法の一例である。
[一般式(I)の化合物の調製]
一般式(I)の化合物は、[工程1−3]に従い化合物(4)と化合物(5)を縮合することにより調製することができる。すなわち、[工程1−3]は、出発原料によって異なるが、本反応様の条件であれば特に限定はされず、多くの文献に記載されている公知の手法を用いることができる。例えば、i)カルボン酸化合物を酸ハロゲン化物に変換後、該酸ハロゲン化合物と塩基性条件でアミン化合物とを反応させる手法(例えば「日本化学会編新実験化学講座(第14巻)有機化合物の合成と反応[II]」、丸善株式会社、1978年、p1142−1145に記載)、ii)縮合剤を使用してカルボン酸化合物とアミン化合物とを反応させる手法(例えば「有機化学実験の手引き[4]」、化学同人、1990年、p27−52に記載)、iii)溝呂木−Heck反応(例えばR.F.Heck、「Org.Reactions.」、1982年、27巻、p.345を参照)、iv)鈴木−宮浦反応(例えばA.Suzuki、「Chem.Rev.」、1995年、95巻、p.2457を参照)、v)園頭反応(例えばK.Sonogashira、「Comprehensive Organic Synthesis」、1991年、3巻、p.521を参照)、vi)Stilleカップリング反応(例えばJ.K.Stille、「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」、1986年、25巻、p.508を参照)、vii)アミノ化反応(例えばS.L.Buckwald、「J.Org.Chem.」、1996年、61巻、p.1133−1135を参照)及び(例えばI.A.Perillo、「Synth.Commun.」、2001年、31巻、p.685−695を参照)viii)アリールエーテル化反応(例えばS.L.Buckwald、「J.Am.Chem.Soc.」、2001年、123巻、p.10770−10771を参照)等が挙げられる。
一般式(I)の化合物は、[工程1−3]に従い化合物(4)と化合物(5)を縮合することにより調製することができる。すなわち、[工程1−3]は、出発原料によって異なるが、本反応様の条件であれば特に限定はされず、多くの文献に記載されている公知の手法を用いることができる。例えば、i)カルボン酸化合物を酸ハロゲン化物に変換後、該酸ハロゲン化合物と塩基性条件でアミン化合物とを反応させる手法(例えば「日本化学会編新実験化学講座(第14巻)有機化合物の合成と反応[II]」、丸善株式会社、1978年、p1142−1145に記載)、ii)縮合剤を使用してカルボン酸化合物とアミン化合物とを反応させる手法(例えば「有機化学実験の手引き[4]」、化学同人、1990年、p27−52に記載)、iii)溝呂木−Heck反応(例えばR.F.Heck、「Org.Reactions.」、1982年、27巻、p.345を参照)、iv)鈴木−宮浦反応(例えばA.Suzuki、「Chem.Rev.」、1995年、95巻、p.2457を参照)、v)園頭反応(例えばK.Sonogashira、「Comprehensive Organic Synthesis」、1991年、3巻、p.521を参照)、vi)Stilleカップリング反応(例えばJ.K.Stille、「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」、1986年、25巻、p.508を参照)、vii)アミノ化反応(例えばS.L.Buckwald、「J.Org.Chem.」、1996年、61巻、p.1133−1135を参照)及び(例えばI.A.Perillo、「Synth.Commun.」、2001年、31巻、p.685−695を参照)viii)アリールエーテル化反応(例えばS.L.Buckwald、「J.Am.Chem.Soc.」、2001年、123巻、p.10770−10771を参照)等が挙げられる。
i)は酸ハロゲン化反応とそれに続く縮合反応からなる。
酸ハロゲン化反応とは、化合物(4)(ここにおいて、Y1はカルボキシル基を示す。)を酸ハロゲン化物に変換する手法である。本反応で使用される溶媒および反応温度は、出発原料により異なり特に限定されるものではないが、本反応様の条件であれば特に限定はされず、公知の手法を用いることができる。好ましくは、例えば、化合物(4)を、化合物(4)に対し1.0〜10等量の塩化チオニル、塩化オキサリル等の塩素化剤を用いて溶媒中攪拌する手法が挙げられる。また効率よく反応を進行させるのに、適宜触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド等を添加してもよい。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒である。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは氷冷〜100℃である。この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
続く縮合反応は、該酸ハロゲン化物を、酸ハロゲン化物に対して1.0〜10.0等量の塩基存在下、酸ハロゲン化物に対して0.5−2.0等量の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアミノ基、水酸基を示す。)とを溶媒中攪拌する方法が挙げられる。使用される塩基は、出発原料により異なり特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、ピリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等である。使用される溶媒は、反応を阻害せず出発原料をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、水等、または、その混合物である。また、塩基を溶媒として使用する場合もある。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは氷冷〜100℃である。この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、水酸基で、化合物(5)のY2がカルボキシル基の組み合わせであっても、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
酸ハロゲン化反応とは、化合物(4)(ここにおいて、Y1はカルボキシル基を示す。)を酸ハロゲン化物に変換する手法である。本反応で使用される溶媒および反応温度は、出発原料により異なり特に限定されるものではないが、本反応様の条件であれば特に限定はされず、公知の手法を用いることができる。好ましくは、例えば、化合物(4)を、化合物(4)に対し1.0〜10等量の塩化チオニル、塩化オキサリル等の塩素化剤を用いて溶媒中攪拌する手法が挙げられる。また効率よく反応を進行させるのに、適宜触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド等を添加してもよい。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒である。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは氷冷〜100℃である。この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
続く縮合反応は、該酸ハロゲン化物を、酸ハロゲン化物に対して1.0〜10.0等量の塩基存在下、酸ハロゲン化物に対して0.5−2.0等量の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアミノ基、水酸基を示す。)とを溶媒中攪拌する方法が挙げられる。使用される塩基は、出発原料により異なり特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、ピリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等である。使用される溶媒は、反応を阻害せず出発原料をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、水等、または、その混合物である。また、塩基を溶媒として使用する場合もある。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは氷冷〜100℃である。この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、水酸基で、化合物(5)のY2がカルボキシル基の組み合わせであっても、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
ii)の場合、化合物(4)(ここにおいて、Y1はカルボキシル基を示す。)を、化合物(4)に対して1.0−2.0当量の縮合剤の存在下、化合物(4)に対して、0.5−2.0当量の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアミノ基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する縮合剤としては、出発原料により異なり特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、または、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩等である。効率よく反応を進行させるために、好ましくは、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等を、化合物(4)に対して1.0−2.0当量添加する場合もある。使用する溶媒としては、出発原料、使用する縮合剤により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン溶媒またはテトラヒドロフラン、N、N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒である。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、氷冷〜100℃である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、化合物(5)のY2がカルボキシル基の組み合わせであっても、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、化合物(5)のY2がカルボキシル基の組み合わせであっても、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
iii)は溝呂木−Heck反応を用いた縮合反応である。溝呂木−Heck反応の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、または、トリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して0.01〜0.2当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対して1.0〜5.0等量の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアルケン基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料、使用する遷移金属触媒により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒としては、好ましくは、例えば、パラジウム錯体であり、より好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられる。また、効率よく反応が進行させるために、燐配位子(好ましくは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリールホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン、2−(ジ−ターシャリーブチルホスフィノ)ビフェニル等)等を適宜添加場合がある。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラブチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、室温〜150℃である。本反応は、好ましくは、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、例えば化合物(4)のY1がアルケン基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、または、トリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
また、本反応は、例えば化合物(4)のY1がアルケン基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、または、トリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
vi)は鈴木―宮浦反応を用いた縮合反応である。鈴木―宮浦反応の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して0.01〜0.5当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対して1.0−2.0当量の化合物(5)(ここにおいて、Y2はボロン酸またはボロン酸エステル等を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料、使用する遷移金属触媒により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、水等、またはそれらの混合溶媒が挙げられる。使用する遷移金属触媒としては、好ましくは、例えば、公知のパラジウム錯体であり、より好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、燐配位子(好ましくは例えばトリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン等)等を適宜添加してもよい。また効率よく反応を進行させるために、例えば、4級アンモニウム塩、好ましくは、例えば、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等を適宜添加してもよい。本反応は塩基の存在下において好ましい結果を得ることができ、この際、使用する塩基としては、出発原料、使用する溶媒等により異なり特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム等が挙げられる。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、室温〜溶媒の還流である。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、例えば化合物(4)のY1がボロン酸またはボロン酸エステル基であり、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
また、本反応は、例えば化合物(4)のY1がボロン酸またはボロン酸エステル基であり、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
v)は園頭反応を用いた縮合反応である。園頭反応の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物[4]に対して0.01〜0.5当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対して1.0当量以上の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアセチレン基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料、使用する遷移金属触媒により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、より好ましくは、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒としては、好ましくは、例えば、公知のパラジウム錯体であり、より好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、燐配位子(好ましくは例えばトリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン等)等を適宜添加してもよい。また、本反応は必要に応じて、ハロゲン化金属または四級アンモニウム塩等、好ましくは、例えば、ヨウ化銅(I)、塩化リチウム、フッ化テトラブチルアンモニウムまたは酸化銀(I)等を添加することもできる。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることがあり、この際使用する塩基は、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、ピリジン等が挙げられる。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流である。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
vi)はStille反応を用いた縮合反応である。Stille反応の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して0.01〜0.5当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対して1当量以上の化合物(5)(ここにおいて、Y2はトリアルキルすず基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、化合物(4)に対して0.1〜5.0当量のハロゲン化銅(I)または/および塩化リチウムを適宜用いることも好ましい。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、トルエン、キシレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒は、例えば、パラジウム錯体であり、好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられ、より好ましくは、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がトリアルキルすず基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がトリアルキルすず基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
vii)は、1)遷移金属触媒を用いたアミノ化反応、あるいは、2)求核置換反応によるアミノ化反応が挙げられる。
1)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して0.01〜0.2当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対し1当量以上の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアミノ基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム錯体であり、好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられ、より好ましくは、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、好ましくは、例えば、燐配位子(好ましくは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリールホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン、2−(ジ−ターシャリーブチルホスフィノ)ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等)等を適宜添加することもある。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等が挙げられる。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
2)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して1.0−5.0等量の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアミノ基を示す。)を溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等が挙げられる。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
1)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して0.01〜0.2当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対し1当量以上の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアミノ基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒としては、例えば、パラジウム錯体であり、好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられ、より好ましくは、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、好ましくは、例えば、燐配位子(好ましくは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリールホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン、2−(ジ−ターシャリーブチルホスフィノ)ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等)等を適宜添加することもある。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等が挙げられる。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
2)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して1.0−5.0等量の化合物(5)(ここにおいて、Y2はアミノ基を示す。)を溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等が挙げられる。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1がアミノ基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
viii)は、1)遷移金属触媒を用いたアリールエーテル化反応、あるいは、2)求核置換反応によるアリールエーテル化反応が挙げられる。
1)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して0.01〜0.2当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対して2当量以上の化合物(5)(ここにおいて、Y2は水酸基を示す。)を溶媒中攪拌する手法が挙げられる、使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒は、例えば、パラジウム錯体であり、好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられ、より好ましくは、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、例えば、燐配位子(好ましくは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリールホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン、2−(ジ−ターシャリーブチルホスフィノ)ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、[2’−(ジ−ターシャリブチルホスフィノ)]−2−ジメチルアミノ−1,1‘−ビナフチルまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等)等を適宜添加することもある。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等が挙げられる。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1が水酸基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
2)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して1.0−5.0等量の化合物(5)(ここにおいて、Y2は水酸基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用される溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等があげられる。場合によっては、金属銅あるいはハロゲン化銅(好ましくは、例えば、塩化銅、ヨウ化銅等)を化合物(4)に対して0.1〜10.0当量添加することで、良い結果を与える。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1が水酸基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
1)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して0.01〜0.2当量の遷移金属触媒存在下、化合物(4)に対して2当量以上の化合物(5)(ここにおいて、Y2は水酸基を示す。)を溶媒中攪拌する手法が挙げられる、使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒は、例えば、パラジウム錯体であり、好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられ、より好ましくは、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、例えば、燐配位子(好ましくは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリールホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン、2−(ジ−ターシャリーブチルホスフィノ)ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、[2’−(ジ−ターシャリブチルホスフィノ)]−2−ジメチルアミノ−1,1‘−ビナフチルまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等)等を適宜添加することもある。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等が挙げられる。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1が水酸基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
2)の場合、好ましくは、例えば、化合物(4)(ここにおいて、Y1は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(4)に対して1.0−5.0等量の化合物(5)(ここにおいて、Y2は水酸基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用される溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等があげられる。場合によっては、金属銅あるいはハロゲン化銅(好ましくは、例えば、塩化銅、ヨウ化銅等)を化合物(4)に対して0.1〜10.0当量添加することで、良い結果を与える。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、例えば、化合物(4)のY1が水酸基、化合物(5)のY2が塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基の組み合わせでも、効率よく所望の一般式(I)の化合物を得ることができる。
[化合物(4)の調製]
化合物(4)は、国際公開第WO2005/115990号パンフレットに記載の公知の方法によって製造することができる。例えば、下記スキームの方法で製造することができる。
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、X1、X2、X3、Y1およびR1は、前記の意味を有し、Vはメチル基、エチル基、ベンジル基、アリル基、トリフェニルメチル基、ターシャリーブチル基、メトキシメチル基またはターシャリーブチルジメチルシリル基等のカルボキシル基等の保護基を示す]
上記の反応スキームにおいて、脱保護およびアミド化反応は、それ自体公知の方法であり、国際公開第WO2005/115990号パンフレットに記載の通常の方法により実施できる。
化合物(4)は、国際公開第WO2005/115990号パンフレットに記載の公知の方法によって製造することができる。例えば、下記スキームの方法で製造することができる。
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、X1、X2、X3、Y1およびR1は、前記の意味を有し、Vはメチル基、エチル基、ベンジル基、アリル基、トリフェニルメチル基、ターシャリーブチル基、メトキシメチル基またはターシャリーブチルジメチルシリル基等のカルボキシル基等の保護基を示す]
上記の反応スキームにおいて、脱保護およびアミド化反応は、それ自体公知の方法であり、国際公開第WO2005/115990号パンフレットに記載の通常の方法により実施できる。
[化合物(5)の調整]
化合物(5)は市販されているか、または、市販されていない場合は、例えば、下記スキームの方法により合成することができる。
化合物(5)は市販されているか、または、市販されていない場合は、例えば、下記スキームの方法により合成することができる。
[式中、A2、A3、A4およびY2は前記と同じ意味を有し、Y3ないしY8は水素原子、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、チオール等のスルフィド基、アジド、アセチレン基等のアルキン基、ビニル基等のアルケン基、フッ素原子や塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、トリフレート基等のスルホネート基等を示す。あるいは、これらの官能基は適宜保護基有してもよい。]
化合物(5)は、化合物(d)と化合物(e)を[工程5−1]に従いカップリングし、化合物(a)とした後、化合物(a)と化合物(c)を[工程5−2]に従いカップリングするにより調製することができる。あるいは、化合物(f)と化合物(c)を[工程5−2]に従いカップリングし、化合物(b)に導いた後、化合物(b)と化合物(d)を[工程5−1]に従いカップリングすることにより同様に調製することができる。
すなわち、[工程5−1]および[工程5−2]のカップリング反応は、出発原料によって異なるが、本反応様の条件であれば特に限定はされず、多くの文献に記載されている公知の手法を用いることができる。例えば、i)カルボン酸化合物を酸ハロゲン化物に変換後、該酸ハロゲン化合物と塩基性条件でアミン化合物とを反応させる手法(例えば「日本化学会編新実験化学講座(第14巻)有機化合物の合成と反応[II]」、丸善株式会社、1978年、p1142−1145に記載)、ii)縮合剤を使用してカルボン酸化合物とアミン化合物とを反応させる手法(例えば「有機化学実験の手引き[4]」、化学同人、1990年、p27−52に記載)、iii)ジスルフィド結合生成反応を用いる手法(例えばM.Ohtani、「J.Org.Chem.」、1991年、56巻、p.5475を参照)、iv)Huisgen 1,3−dipolar cycloadditionを用いる手法(例えばK.B.Sharpless、「Angew.Chem.Int.Ed.」、2002年、41巻、p.2596を参照)、v)固相Heck反応(例えばD.J.Macquarrie、「J.Mater.Chem.」、1997年、7巻、p.2201を参照)等が挙げられる。
i)の反応は、酸ハロゲン化反応とそれに続く縮合反応からなる。
酸ハロゲン化反応の場合、好ましくは、例えば、化合物(d)、化合物(a)、または、化合物(f)(ここにおいて、Y3、Y5およびY8はカルボキシル基を示す。)を化合物(d)、化合物(a)あるいは化合物(f)に対して1.0〜10等量のハロゲン化剤とを溶媒中攪拌する方法が挙げられる。使用するハロゲン化剤は、出発原料により異なり、特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル等である。使用される溶媒は、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒である。効率よく反応を進行させるために、適宜触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド等を添加する場合もある。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、氷冷〜100℃である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
続く縮合反応は、得られた酸ハロゲン化物を、酸ハロゲン化物に対して1.0〜10.0等量の塩基存在下、酸ハロゲン化物に対して0.5−2.0等量の化合物(e)、化合物(c)あるいは化合物(b)(ここにおいて、Y4、Y6、もしくはY7はアミノ基あるいは水酸基を示す。)とを溶媒中攪拌する方法が挙げられる。使用される塩基は、出発原料により異なり、特に限定されないが、好ましくは、例えば、ピリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等である。使用される溶媒は、反応を阻害せず出発原料をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、水等、または、その混合物である。また、塩基を溶媒として使用する場合もある。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、氷冷〜100℃である。この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、カルボキシル基と、アミノ基または水酸基の組み合わせが逆の場合でも、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
酸ハロゲン化反応の場合、好ましくは、例えば、化合物(d)、化合物(a)、または、化合物(f)(ここにおいて、Y3、Y5およびY8はカルボキシル基を示す。)を化合物(d)、化合物(a)あるいは化合物(f)に対して1.0〜10等量のハロゲン化剤とを溶媒中攪拌する方法が挙げられる。使用するハロゲン化剤は、出発原料により異なり、特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル等である。使用される溶媒は、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒である。効率よく反応を進行させるために、適宜触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド等を添加する場合もある。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、氷冷〜100℃である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
続く縮合反応は、得られた酸ハロゲン化物を、酸ハロゲン化物に対して1.0〜10.0等量の塩基存在下、酸ハロゲン化物に対して0.5−2.0等量の化合物(e)、化合物(c)あるいは化合物(b)(ここにおいて、Y4、Y6、もしくはY7はアミノ基あるいは水酸基を示す。)とを溶媒中攪拌する方法が挙げられる。使用される塩基は、出発原料により異なり、特に限定されないが、好ましくは、例えば、ピリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等である。使用される溶媒は、反応を阻害せず出発原料をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、トルエン、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、水等、または、その混合物である。また、塩基を溶媒として使用する場合もある。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、氷冷〜100℃である。この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。また、本反応は、カルボキシル基と、アミノ基または水酸基の組み合わせが逆の場合でも、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
ii)の場合、好ましくは、例えば、化合物(d)、化合物(a)、または、化合物(f)(ここにおいて、Y3、Y5およびY8はカルボキシル基を示す。)を、化合物(d)、化合物(a)あるいは化合物(f)に対して1.0〜2.0等量の縮合剤の存在下、化合物(d)、化合物(a)あるいは化合物(f)に対して0.5−2.0等量の化合物(e)、化合物(c)あるいは化合物(b)(ここにおいて、Y4、Y6、もしくはY7はアミノ基あるいは水酸基を示す。)とを溶媒中攪拌する方法が挙げられる。使用する縮合剤としては、出発原料により異なり特に限定されるものではないが、好ましくは、例えば、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロりん酸塩等である。効率よく反応を進行させるために、好ましくは、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等を1.0当量から2.0当量添加する場合もある。使用する溶媒としては、出発原料、使用する縮合剤により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン溶媒またはテトラヒドロフラン、N、N−ジメチルホルムアミド等の極性溶媒が挙げられる。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは、例えば、氷冷〜100℃である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、カルボキシル基とアミノ基または水酸基の組み合わせが逆の場合であっても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
また、本反応は、カルボキシル基とアミノ基または水酸基の組み合わせが逆の場合であっても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
iii)の場合、好ましくは、例えば、化合物(d)(ここにおいて、Y3はチオール基を示す。)を、化合物(d)に対して1.0〜3.0当量のビス(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ジスルフィド等と処理し、活性ジスルフィド化合物にした後、得られた活性ジスルフィド化合物を、これに対して1.0〜3.0当量の化合物(e)(ここにおいて、Y4はチオール基を示す。)と反応させる手法を挙げることができる。本反応は、操作性・攪拌能率の観点から溶媒の存在下に行うことが好ましく、使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等である。反応温度は好ましくない副生成物の形成を促進することなく反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、室温〜100℃である。好ましい反応条件では、この反応は30分〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
iii)の反応は、化合物(f)(ここにおいて、Y8はチオール基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はチオール基を示す。)の組み合わせ、化合物(a)(ここにおいて、Y5はチオール基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はチオール基を示す。)の組み合わせ、あるいは、化合物(b)(ここにおいて、Y4はチオール基を示す。)と化合物(d)(ここにおいて、Y3はチオール基を示す。)の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング化合物を得ることができる。
iii)の反応は、化合物(f)(ここにおいて、Y8はチオール基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はチオール基を示す。)の組み合わせ、化合物(a)(ここにおいて、Y5はチオール基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はチオール基を示す。)の組み合わせ、あるいは、化合物(b)(ここにおいて、Y4はチオール基を示す。)と化合物(d)(ここにおいて、Y3はチオール基を示す。)の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング化合物を得ることができる。
iv)の場合、好ましくは、例えば、化合物(d)(ここにおいて、Y3はアジド基を示す。)を、化合物(d)に対して0.01〜1当量の金属触媒存在下、化合物(d)に対して1.0〜5.0等量の化合物(e)(ここにおいて、Y4はアルキン基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する金属触媒としては、好ましくは、例えば、硫酸銅(II)、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)および塩化銅(I)などが挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、アスコルビン酸やアスコルビン酸ナトリウムを適宜添加することもある。使用する溶媒としては、出発原料、使用する金属触媒により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、メタノール、ターシャリブチルアルコール、ジクロロメタン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜150℃である。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン、2,6−ルチジン等が挙げられる。好ましい反応条件では、この反応は1〜36時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
また、本反応は、化合物(f)(ここにおいて、Y8はアジド基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルキン基を示す。)の組み合わせ、化合物(a)(ここにおいて、Y5はアジド基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルキン基を示す。)の組み合わせ、あるいは、化合物(b)(ここにおいて、Y4はアルキン基を示す。)と化合物(d)(ここにおいて、Y3はアジド基を示す。)の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
また、本反応は、アジド基とアルキン基の組み合わせが逆の場合においても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることもできる。
また、本反応は、化合物(f)(ここにおいて、Y8はアジド基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルキン基を示す。)の組み合わせ、化合物(a)(ここにおいて、Y5はアジド基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルキン基を示す。)の組み合わせ、あるいは、化合物(b)(ここにおいて、Y4はアルキン基を示す。)と化合物(d)(ここにおいて、Y3はアジド基を示す。)の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
また、本反応は、アジド基とアルキン基の組み合わせが逆の場合においても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることもできる。
v)の場合、好ましくは、例えば、化合物(d)(ここにおいて、Y3は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)を、化合物(d)に対して0.1〜1.0当量の遷移金属触媒存在下、化合物(d)に対して1.0〜5.0等量の化合物(e)(ここにおいて、Y4はアルケン基を示す。)とを溶媒中攪拌する手法が挙げられる。使用する溶媒としては、出発原料により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解させるものであればとくに限定されないが、好ましくは、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。使用する遷移金属触媒としては、出発原料により異なり、特に限定されないが、好ましくは、例えば、パラジウム錯体であり、より好ましくは、例えば、酢酸パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)等の公知のパラジウム錯体が挙げられる。また、効率よく反応を進行させるために、好ましくは、例えば、燐配位子(好ましくは、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリールホスフィン、トリ−ターシャリーブチルホスフィン、2−(ジ−ターシャリーブチルホスフィノ)ビフェニル、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンまたは1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等)等を適宜添加することもある。また、塩基の存在下で好ましい結果を与えることもあり、使用する塩基としては、本反応様のカップリング反応で使用されるものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウムターシャリーブトキシド等が挙げられる。本反応は、好ましくは、例えば、不活性ガス雰囲気下で行い、より好ましくは、例えば、窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。反応温度はカップリング反応を完結させるのに足りる温度とすべきであり、好ましくは室温〜溶媒の還流温度である。好ましい反応条件では、この反応は1〜24時間で完了し、反応の進行は公知のクロマトグラフィー技術で監視できる。望ましくない副生成物は慣用のクロマトグラフィー技術または/および結晶化等当業者に公知の技術で除くことができる。
本反応は、化合物(f)(ここにおいて、Y8は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルケン基を示す。)との組み合わせ、化合物(a)(ここにおいて、Y5は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルケン基を示す。)の組み合わせ、あるいは、化合物(b)(ここにおいて、Y7は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)と化合物(d)(ここにおいて、Y3はアルケン基を示す。)の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
また、塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基等の脱離基とアルケン基の逆の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
さらに、A4が固相担体の場合は、反応が完結した後、固相担体を溶媒と混合し、均一化させた後、濾過する操作を繰り返すことにより、簡便に精製操作を行うことができる。
本工程で使用される化合物(d)、化合物(c)、化合物(f)および化合物(e)は市販されているか、市販されている原料を、当業者公知の保護・脱保護反応(例えば、T.Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons.Inc.、ニューヨーク、1981年を参照)に付すことにより調製することができる。
本反応は、化合物(f)(ここにおいて、Y8は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルケン基を示す。)との組み合わせ、化合物(a)(ここにおいて、Y5は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)と化合物(c)(ここにおいて、Y6はアルケン基を示す。)の組み合わせ、あるいは、化合物(b)(ここにおいて、Y7は塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基を示す。)と化合物(d)(ここにおいて、Y3はアルケン基を示す。)の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
また、塩素原子、臭素原子、よう素原子等のハロゲン原子、またはトリフレート基等のスルホン酸エステル基等の脱離基とアルケン基の逆の組み合わせにおいても、効率よく所望のカップリング成績体を得ることができる。
さらに、A4が固相担体の場合は、反応が完結した後、固相担体を溶媒と混合し、均一化させた後、濾過する操作を繰り返すことにより、簡便に精製操作を行うことができる。
本工程で使用される化合物(d)、化合物(c)、化合物(f)および化合物(e)は市販されているか、市販されている原料を、当業者公知の保護・脱保護反応(例えば、T.Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons.Inc.、ニューヨーク、1981年を参照)に付すことにより調製することができる。
[一般的製造法2]
本発明に係る一般式(I)の化合物の代表的な[一般的製造法2]について以下に説明する。
本発明に係る一般式(I)の化合物の代表的な[一般的製造法2]について以下に説明する。
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、X1、X2、X3、R1、A1、A2、A3およびA4は前記と同じ意味を有し、Y9,Y10,Y11,Y12およびY13は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホン酸エステル基、トリメチルすず基等のアルキルすず基、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、アセチレン基等のアルキン基、ビニル基等のアルケン基、アジド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基,チオール等のスルフィド基を示す。]
[一般式(I)の化合物の調製]
上記[一般的製造法2]は別法として一般式(I)の調製法の一例を示すものである。すなわち、前記[工程1−3]の方法に従い、化合物(4)と化合物(g)を縮合し、化合物(h)に導き、前記[工程5−1]に従い、化合物(h)と化合物(i)を縮合し、化合物(j)とし、前記[工程5−2]に従い、化合物(j)と化合物(k)を縮合することにより一般式(I)の化合物を製造する方法を示すものである。本工程様の条件であれば特に限定はされず、多くの文献に記載されている公知の手法を用いることができる(例えば、Y.Feng、「Bioorg.Med.Chem.Lett.」、1998年、8巻、p881−884)。
本工程で使用される化合物(g)、化合物(i)、化合物(k)は市販されているか、市販されている原料を、当業者公知の保護・脱保護反応(例えば、T.Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons.Inc.、ニューヨーク、1981年を参照)に付すことにより調製することができる。
上記[一般的製造法2]は別法として一般式(I)の調製法の一例を示すものである。すなわち、前記[工程1−3]の方法に従い、化合物(4)と化合物(g)を縮合し、化合物(h)に導き、前記[工程5−1]に従い、化合物(h)と化合物(i)を縮合し、化合物(j)とし、前記[工程5−2]に従い、化合物(j)と化合物(k)を縮合することにより一般式(I)の化合物を製造する方法を示すものである。本工程様の条件であれば特に限定はされず、多くの文献に記載されている公知の手法を用いることができる(例えば、Y.Feng、「Bioorg.Med.Chem.Lett.」、1998年、8巻、p881−884)。
本工程で使用される化合物(g)、化合物(i)、化合物(k)は市販されているか、市販されている原料を、当業者公知の保護・脱保護反応(例えば、T.Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons.Inc.、ニューヨーク、1981年を参照)に付すことにより調製することができる。
[一般的製造法3]
本発明に係る一般式(I)の化合物の代表的な[一般的製造法3]について以下に説明する。
本発明に係る一般式(I)の化合物の代表的な[一般的製造法3]について以下に説明する。
[式中、Ar1、Ar2、Ar3、X1、X2、X3、R1、A1、A2、A3、A4、Y10は前記と同じ意味を有し、Y14、Y15,およびY16は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホン酸エステル基、トリメチルすず基等のアルキルすず基、ボロン酸基、ボロン酸エステル基、アセチレン基等のアルキン基、ビニル基等のアルケン基、アジド基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基,チオール等のスルフィド基を示す。]
[一般式(I)の化合物の調製]
上記[一般的製造法3]は別法として一般式(I)の調製法の一例を示すものである。すなわち、前記[工程5−2]に従い、化合物(l)と化合物(m)を縮合し、化合物(n)に変換後、化合物(n)を、前記[工程5−1]に従い、前記化合物(h)と縮合することにより、一般式(I)の化合物を製造する方法を示すものである。本工程様の条件であれば特に限定はされず、多くの文献に記載されている公知の手法を用いることができる(例えば、P.J.DeLaLuz、「Bioconjugate Chem.」、1995年、6巻、p558−566)。
本工程で使用される化合物(l)、および、化合物(m)は市販されているか、市販されている原料を、当業者公知の保護・脱保護反応(例えば、T.Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons.Inc.、ニューヨーク、1981年を参照)に付すことにより調製することができる。
上記[一般的製造法3]は別法として一般式(I)の調製法の一例を示すものである。すなわち、前記[工程5−2]に従い、化合物(l)と化合物(m)を縮合し、化合物(n)に変換後、化合物(n)を、前記[工程5−1]に従い、前記化合物(h)と縮合することにより、一般式(I)の化合物を製造する方法を示すものである。本工程様の条件であれば特に限定はされず、多くの文献に記載されている公知の手法を用いることができる(例えば、P.J.DeLaLuz、「Bioconjugate Chem.」、1995年、6巻、p558−566)。
本工程で使用される化合物(l)、および、化合物(m)は市販されているか、市販されている原料を、当業者公知の保護・脱保護反応(例えば、T.Greeneら、「Protective Groups in Organic Synthesis」(John Wiley & Sons.Inc.、ニューヨーク、1981年を参照)に付すことにより調製することができる。
本発明では、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を利用して、Aβタンパクの産生機構を解析することができる。すなわち、本発明により、Aβタンパクの産生機構を解析する方法であって、
a)Aβタンパクの生成機構に関与するタンパクを含むと考えられる細胞もしくは細胞成分と、本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩とを接触させて、
b)式(I)の生物学的試薬用化合物と、Aβタンパクの生成機構に関与する標的タンパクとの複合体を形成させ、次いで
c)形成された生物学的試薬用化合物と標的タンパクとの複合体を解析し、標的タンパク質を同定する
ことを含む、Aβタンパクの産成機構を解析する方法が提供される。
この方法により、式(III)で表される、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、Aβタンパク生成を抑制する生物学的活性を発揮する化合物、すなわち、シンナミド化合物の標的タンパクを検索して、Aβタンパク産生の抑制機構を解析することができる。
a)Aβタンパクの生成機構に関与するタンパクを含むと考えられる細胞もしくは細胞成分と、本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩とを接触させて、
b)式(I)の生物学的試薬用化合物と、Aβタンパクの生成機構に関与する標的タンパクとの複合体を形成させ、次いで
c)形成された生物学的試薬用化合物と標的タンパクとの複合体を解析し、標的タンパク質を同定する
ことを含む、Aβタンパクの産成機構を解析する方法が提供される。
この方法により、式(III)で表される、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、Aβタンパク生成を抑制する生物学的活性を発揮する化合物、すなわち、シンナミド化合物の標的タンパクを検索して、Aβタンパク産生の抑制機構を解析することができる。
ここで用いる、Aβタンパクの産生機構に関与するタンパクを含むと考えられる細胞あるいは細胞成分としては、Aβタンパクを産生することが知られている細胞あるいは細胞成分が挙げられる。具体的には、そのような細胞自体あるいは細胞を破壊して得られる細胞膜の懸濁液を用いるのが好ましい。その細胞あるいは懸濁液と式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩とを混合して、インキュベートすることにより、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩が、Aβタンパクの生成機構に関与する標的タンパクと可逆的に結合する。そして、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるタンパク質標識基と、可逆結合した標的タンパクとが、更に非可逆な共有結合する。タンパク質標識基として、光親和性標識基を用いた場合には、インキュベートした後に、光照射することにより、可逆的結合した標的タンパク質と光親和性標識基とが光反応によりクロスリンクする。次いで、標的タンパク質が結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を、例えば、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4としてビオチンを用いた場合には、アビジン、ストレプトアビジンなどを結合したアガロースゲルと混合して、標的タンパクが結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を捕捉、採取し、次いで、適当な緩衝液で処理して、アガロースゲルから遊離させ、標的タンパクが結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩をウエスタンブロッティングに付して、標的タンパクの同定を行うことができる。これらの方法の際に、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA3として開裂可能なリンカーを使用した場合には、アフィニティーカラムなどに捕捉、採取された標的タンパクが結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を、開裂可能なリンカーを開裂させることにより、標的タンパクが結合した部分を遊離させることもできる。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4として、ビオチン以外の他のフィッシングタグ基あるいは固相担体と結合させる基を用いた場合も、上記したとほぼ同様にして、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩に結合した標的タンパクの同定や解析などの検索を行うことができる。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4として、ビオチン以外の他のフィッシングタグ基あるいは固相担体と結合させる基を用いた場合も、上記したとほぼ同様にして、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩に結合した標的タンパクの同定や解析などの検索を行うことができる。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4として、検出可能なマーカーを用いた場合には、Aβタンパクの生成機構に関与するタンパクを含むと考えられる細胞あるいは細胞成分と、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩とを接触させた後に、標的タンパクが結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を、例えば、二次元電気泳動に付し、その後に、A4の標識基に基いて、標的タンパクの単離/分離・同定を行うことができる。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4として、固相担体を用いた場合には、固相担体を含む式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩をアフィニティーカラムとして利用した、アフィニティーカラムクロマトグラフィーにより、標的タンパクが結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を捕捉、採取して、標的タンパクの同定を行うことができる。この方法は、式(I)において、A1が単結合で、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3のいずれもが、置換基として、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基を有しない、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を用いた場合にも、同様に採用できる。あるいは、アビジン、ストレプトアビジンなどを担体に結合したアビジンカラムを用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィーに、標的タンパクが結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を付して、標的タンパクが結合した式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩を捕捉、採取することもできる。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4として、固相担体と結合させる基を用いた場合には、例えば、固相担体と結合させる基としてアジド基を用い、固相担体として、アセチレン基を有する固相担体を用いて、それらを反応させて、標的タンパク質と式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩との複合体を固相担体に結合させ、次いで固相担体から単離する方法が挙げられる。アジド基以外の他の固相担体と結合させる基を用いた場合にも、その基と結合する基を有する固相担体とを用いて、同様に、行うことができる。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4が、水素原子である場合には、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩分子中に存在し得る、例えば、分子末端部分のアセチレン基やビニル基などの固相担体と結合する基を利用し、その基と結合する基を有する固相担体とを反応させて、標的タンパク質と式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩との複合体を固相担体に結合させ、次いで固相担体から単離する方法が挙げられる。あるいは、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩における、Ar1の置換基群A1が固相担体と結合する基である場合には、その基と、それに結合する基を有する固相担体とを反応させることによって、同様に、標的タンパク質と式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩との複合体を固相担体に結合させ、次いで固相担体から単離することができる。
式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩におけるA4が、水素原子である場合には、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩分子中に存在し得る、例えば、分子末端部分のアセチレン基やビニル基などの固相担体と結合する基を利用し、その基と結合する基を有する固相担体とを反応させて、標的タンパク質と式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩との複合体を固相担体に結合させ、次いで固相担体から単離する方法が挙げられる。あるいは、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩における、Ar1の置換基群A1が固相担体と結合する基である場合には、その基と、それに結合する基を有する固相担体とを反応させることによって、同様に、標的タンパク質と式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩との複合体を固相担体に結合させ、次いで固相担体から単離することができる。
上記した本発明のAβタンパクの産生機構を解析する方法においては、式(1)で表される生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有する生物学的試薬用化合物またはその塩とともに、式(1)で表される生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩とを一緒に用いて、両者の生物学的試薬用化合物またはその塩について同様の方法を行って、両者を比較して、標的タンパク質を同定することにより、標的タンパク質をより効率良く、正確に同定できる。
式(I)において、X1が、−CR2−CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は単結合を示す)化合物が、生物学的試薬用化合物であってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩である。
Aβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩としては、式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩が好ましい。
このような化合物の好ましい具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
は単結合を示す)化合物が、生物学的試薬用化合物であってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩である。
Aβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩としては、式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩が好ましい。
このような化合物の好ましい具体例としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
更に、本発明では、式(1)の生物学的試薬用化合物またはその塩を含む、Aβタンパクの産成機構を解析するためのキットが提供される。このキットには、必要に応じて、標的タンパクを同定や解析するための他の試薬、例えば、ガンマセレクターゼ、ベータセレクターゼなどに対する抗体、それらの構成成分であるプレセニリン、ニカストリンなどに対する抗体を含んでいてもよい。また、アッセイ系に通常用いられる、標識基を検出するための試薬、緩衝液、界面活性剤などを含んでいてもよい。
以下、本発明を実施例および試験例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例および試験例によって何ら制限されるものではない。
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IPEA:ジイソプロピルエチルアミン
TEA:トリエチルアミン
t:ターシャリ
sec:セカンダリ
DMSO:ジメチルスルホキシド
クロマトグラフィーに関して、特に記載のない場合は、担体として冨士シリシア製BW−300を用いた。
LC−MS:マススペクトルを用いて目的化合物を分取する高圧液体クロマトグラフィー。溶出溶媒として、0.1%トリフルオロ酢酸含有水と0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリルの10%から99%のリニアグラジエントシステムを用いた。
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
THF:テトラヒドロフラン
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
IPEA:ジイソプロピルエチルアミン
TEA:トリエチルアミン
t:ターシャリ
sec:セカンダリ
DMSO:ジメチルスルホキシド
クロマトグラフィーに関して、特に記載のない場合は、担体として冨士シリシア製BW−300を用いた。
LC−MS:マススペクトルを用いて目的化合物を分取する高圧液体クロマトグラフィー。溶出溶媒として、0.1%トリフルオロ酢酸含有水と0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリルの10%から99%のリニアグラジエントシステムを用いた。
実施例1および実施例2
1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンおよび1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンおよび1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
1−(4−エチルベンゾイル)−4−ヨードベンゼンの合成
4−ヨード塩化ベンゾイル(2g)のTHF(30mL)溶液に、トリノルマルブチルホスフィン(2.06mL)を−20℃で滴下した。その反応液を−20℃で20分撹拌した後、反応液に4−エチルフェニル臭化マグネシウム(15mL:0.5M THF溶液)を加え、さらに、反応液を10分間−20℃で撹拌した後、反応液を1規定塩酸水溶液とジエチルエーテルの混合液に加え、有機層を分配した。水層にジエチルエーテルを加え、有機層を分配した。有機層を合わせて、飽和炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水の順で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で精製し、標題化合物を2.11g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.29(t,J=8.0Hz,3H),2.74(q,J=8.0Hz,2H),7.32(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.51(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.72(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,2.0Hz,2H).
4−ヨード塩化ベンゾイル(2g)のTHF(30mL)溶液に、トリノルマルブチルホスフィン(2.06mL)を−20℃で滴下した。その反応液を−20℃で20分撹拌した後、反応液に4−エチルフェニル臭化マグネシウム(15mL:0.5M THF溶液)を加え、さらに、反応液を10分間−20℃で撹拌した後、反応液を1規定塩酸水溶液とジエチルエーテルの混合液に加え、有機層を分配した。水層にジエチルエーテルを加え、有機層を分配した。有機層を合わせて、飽和炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水の順で洗浄し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で精製し、標題化合物を2.11g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.29(t,J=8.0Hz,3H),2.74(q,J=8.0Hz,2H),7.32(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.51(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.72(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,2.0Hz,2H).
[4−(1−アジドエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノンの合成
1−(4−エチルベンゾイル)−4−ヨードベンゼン(500mg)とN−ブロモサクシイミド(292mg)の四塩化炭素(70mL)溶液に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(14.7mg)を室温で加え、その反応液を窒素気流下100℃で12時間攪拌した。この反応液を室温に戻した後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣にDMSO(3mL)とアジ化ナトリウム(116mg)を加え、その混合物を室温で3時間攪拌した。反応液に水とジエチルエーテルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で精製し、標題化合物を490mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.29(d,J=6.8Hz,3H),4.72(q,J=6.8Hz,1H),7.45(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.52(dd,J=6.4,2.0Hz,2H),7.79(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.86(dd,J=6.4,2.0Hz,2H).
1−(4−エチルベンゾイル)−4−ヨードベンゼン(500mg)とN−ブロモサクシイミド(292mg)の四塩化炭素(70mL)溶液に、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(14.7mg)を室温で加え、その反応液を窒素気流下100℃で12時間攪拌した。この反応液を室温に戻した後、溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣にDMSO(3mL)とアジ化ナトリウム(116mg)を加え、その混合物を室温で3時間攪拌した。反応液に水とジエチルエーテルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で精製し、標題化合物を490mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.29(d,J=6.8Hz,3H),4.72(q,J=6.8Hz,1H),7.45(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.52(dd,J=6.4,2.0Hz,2H),7.79(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.86(dd,J=6.4,2.0Hz,2H).
[4−(1−アミノエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノンの合成
[4−(1−アジドエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(490mg)のTHF(20mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(510mg)と水(1mL)を室温で加え、その反応液を60℃で2時間攪拌した。この反応液を室温まで戻した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム−メタノール系)で精製し、標題化合物を398mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.27(d,J=6.4Hz,3H),4.06(q,J=6.4Hz,1H),7.49(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.55(dd,J=6.4,2.0Hz,2H),7.68(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.95(dd,J=6.4,2.0Hz,2H).
[4−(1−アジドエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(490mg)のTHF(20mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(510mg)と水(1mL)を室温で加え、その反応液を60℃で2時間攪拌した。この反応液を室温まで戻した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム−メタノール系)で精製し、標題化合物を398mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.27(d,J=6.4Hz,3H),4.06(q,J=6.4Hz,1H),7.49(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.55(dd,J=6.4,2.0Hz,2H),7.68(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.95(dd,J=6.4,2.0Hz,2H).
5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 {1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}アミドの合成
5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(300mg)と[4−(1−アミノエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(352mg)のDMF(10mL)溶液に、EDC(384mg)、HOBT(271mg)およびIPEA(0.582mL)を順次加え、その反応溶液を室温で12時間攪拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン:酢酸エチル1:3)で精製することにより、標題化合物を366mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.62(d,J=6.8Hz,3H),1.97−2.04(m,2H),2.29(s,3H),2.74(m,2H),3.59(t,J=6.4Hz,2H),3.85(s,3H),5.29(dq,J=8.0,6.8Hz,1H),6.56(d,J=8.0Hz,1H),6.93−6.97(m,3H),7.24(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.47−7.53(m,4H),7.71(s,1H),7.76(dd,J=12.0,8.4Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,2.0Hz,2H).
5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(300mg)と[4−(1−アミノエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(352mg)のDMF(10mL)溶液に、EDC(384mg)、HOBT(271mg)およびIPEA(0.582mL)を順次加え、その反応溶液を室温で12時間攪拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン:酢酸エチル1:3)で精製することにより、標題化合物を366mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.62(d,J=6.8Hz,3H),1.97−2.04(m,2H),2.29(s,3H),2.74(m,2H),3.59(t,J=6.4Hz,2H),3.85(s,3H),5.29(dq,J=8.0,6.8Hz,1H),6.56(d,J=8.0Hz,1H),6.93−6.97(m,3H),7.24(dd,J=6.8,2.0Hz,2H),7.47−7.53(m,4H),7.71(s,1H),7.76(dd,J=12.0,8.4Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,2.0Hz,2H).
1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンおよび1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 {1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}アミド(410mg)のDMF(5mL)溶液を0℃に冷却し、その反応液に水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有、36.8mg)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物のラセミ体を325mg得た。得られたラセミ体(325mg)をダイセル製CHIRALCELTM OD(2cm×25cm:移動相;エタノール)にて分取し、保持時間7.6分の標題光学活性体(125mg;>99%ee)および保持時間19.2分の標題光学活性体(117mg;>99%ee)を得た。保持時間7.6分の表題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.63(d,J=7.2Hz,3H),1.75(m,1H),1.87(m,1H),2.30(s,3H),2.78(m,1H),2.86(m,1H),2.99(m,1H),3.32(m,1H),3.87(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.95(s,1H),7.05(s,1H),7.06(d,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.52(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.73(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.91(s,1H).
保持時間19.2分の標題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.63(d,J=7.2Hz,3H),1.75(m,1H),1.87(m,1H),2.30(s,3H),2.78(m,1H),2.86(m,1H),2.99(m,1H),3.32(m,1H),3.87(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.95(s,1H),7.05(s,1H),7.06(d,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.52(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.73(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.91(s,1H).
5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 {1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}アミド(410mg)のDMF(5mL)溶液を0℃に冷却し、その反応液に水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有、36.8mg)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物のラセミ体を325mg得た。得られたラセミ体(325mg)をダイセル製CHIRALCELTM OD(2cm×25cm:移動相;エタノール)にて分取し、保持時間7.6分の標題光学活性体(125mg;>99%ee)および保持時間19.2分の標題光学活性体(117mg;>99%ee)を得た。保持時間7.6分の表題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.63(d,J=7.2Hz,3H),1.75(m,1H),1.87(m,1H),2.30(s,3H),2.78(m,1H),2.86(m,1H),2.99(m,1H),3.32(m,1H),3.87(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.95(s,1H),7.05(s,1H),7.06(d,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.52(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.73(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.91(s,1H).
保持時間19.2分の標題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.63(d,J=7.2Hz,3H),1.75(m,1H),1.87(m,1H),2.30(s,3H),2.78(m,1H),2.86(m,1H),2.99(m,1H),3.32(m,1H),3.87(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.95(s,1H),7.05(s,1H),7.06(d,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.52(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.73(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.84(dd,J=6.8,1.6Hz,2H),7.91(s,1H).
実施例3
(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステルの合成
(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステルの合成
1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン(30mg)とアクリル酸ターシャリブチルエステル(69.3uL)およびTEA(19.9uL)のDMF(750uL)溶液に、酢酸パラジウム(2.13mg)およびトリオルトトリルホスフィン(5.79mg)を順次加え、その反応液を窒素気流下70℃で1時間攪拌した。その混合物を室温に戻した後、飽和塩化アンモニア水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒ヘプタン:酢酸エチル1:1)で精製することにより、標題化合物を24mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.55(s,9H),1.63(d,J=7.2Hz,3H),1.75(m,1H),1.86(m,1H),2.31(s,3H),2.79(m,1H),2.86(m,1H),3.01(m,1H),3.31(m,1H),3.86(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.47(d,J=16.0Hz,1H),6.93(s,1H),7.04(s,1H),7.05(d,J=8.0Hz,1H),7.25(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.60(d,J=8.4Hz,2H),7.62(d,J=16.0Hz,1H),7.70−7.84(m,5H),7.90(s,1H).
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.55(s,9H),1.63(d,J=7.2Hz,3H),1.75(m,1H),1.86(m,1H),2.31(s,3H),2.79(m,1H),2.86(m,1H),3.01(m,1H),3.31(m,1H),3.86(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.47(d,J=16.0Hz,1H),6.93(s,1H),7.04(s,1H),7.05(d,J=8.0Hz,1H),7.25(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.4Hz,2H),7.60(d,J=8.4Hz,2H),7.62(d,J=16.0Hz,1H),7.70−7.84(m,5H),7.90(s,1H).
実施例4
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステル(15mg)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(0.8mL)溶液に、ビオチン−エチレンジアミン臭化水素酸塩(17.4mg)とEDC(18.2mg)とHOBT(16mg)およびIPEA(0.2mL)を順次加え、その反応液を室温で12時間撹拌した。この反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄し、減圧下濃縮した。残渣をLC−MSで精製することにより、標題化合物を9.2mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.38−1.42(m,2H),1.51−1.81(m,4H),1.67(d,J=7.2Hz,3H),1.90(m,1H),2.21(m,2H),2.43(s,3H),2.66(m,1H),2.85(m,3H),3.05−3.20(m,2H),3.29−3.45(m,6H),3.95(s,3H),4.25(m,1H),4.43(m,1H),6.16(q,J=7.2Hz,1H),6.74(d,J=16.0Hz,1H),7.22(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.32(d,J=1.2Hz,1H),7.52−7.65(m,6H),7.71−7.82(m,6H),9.16(d,J=1.6Hz,1H).
ESI−MS;m/z 844[M++H].
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.38−1.42(m,2H),1.51−1.81(m,4H),1.67(d,J=7.2Hz,3H),1.90(m,1H),2.21(m,2H),2.43(s,3H),2.66(m,1H),2.85(m,3H),3.05−3.20(m,2H),3.29−3.45(m,6H),3.95(s,3H),4.25(m,1H),4.43(m,1H),6.16(q,J=7.2Hz,1H),6.74(d,J=16.0Hz,1H),7.22(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.32(d,J=1.2Hz,1H),7.52−7.65(m,6H),7.71−7.82(m,6H),9.16(d,J=1.6Hz,1H).
ESI−MS;m/z 844[M++H].
実施例5
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]吉草酸 トリフルオロ酢酸塩の合成
5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(500mg)のメタノール(10mL)溶液に、パラジウム炭素(11.8mg)を加え、その混合液を水素気流下室温で2時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより、標題化合物を484mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.59−1.80(m,4H),2.33(s,3H),2.70−2.74(m,1H),2.84(dd,J=13.6,6.0Hz,1H),2.93(dd,J=13.6,8.4Hz,1H),3.55(s,3H),3.62−3.67(m,2H),6.99(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.21(d,J=1.2Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),7.70(s,1H),9.30(d,J=1.6Hz,1H).
ESI−MS;m/z 337[M++H].
5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(500mg)のメタノール(10mL)溶液に、パラジウム炭素(11.8mg)を加え、その混合液を水素気流下室温で2時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより、標題化合物を484mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(DMSO−d6)δ(ppm):1.59−1.80(m,4H),2.33(s,3H),2.70−2.74(m,1H),2.84(dd,J=13.6,6.0Hz,1H),2.93(dd,J=13.6,8.4Hz,1H),3.55(s,3H),3.62−3.67(m,2H),6.99(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.21(d,J=1.2Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),7.70(s,1H),9.30(d,J=1.6Hz,1H).
ESI−MS;m/z 337[M++H].
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
実施例1と同様にして5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(150mg)と[4−(1−アミノエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(176mg)から標題化合物を17.3mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.38−1.45(m,2H),1.51−1.78(m,6H),1.60(d,J=7.2Hz,3H),1.90(m,1H),2.22(m,2H),2.43(s,3H),2.66(m,1H),2.74−3.07(m,4H),3.13−3.30(m,3H),3.34−3.45(m,5H),3.92(s,3H),4.24(m,1H),4.44(m,1H),6.15(q,J=7.2Hz,1H),6.73(d,J=16.0Hz,1H),7.05(d,J=8.0Hz,1H),7.22(s,1H),7.40−7.54(m,4H),7.60(d,J=16.0Hz,1H),7.70−7.81(m,6H),9.09(d,J=2.0Hz,1H).
ESI−MS;m/z 846[M++H].
実施例1と同様にして5−クロロ−2−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(150mg)と[4−(1−アミノエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(176mg)から標題化合物を17.3mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.38−1.45(m,2H),1.51−1.78(m,6H),1.60(d,J=7.2Hz,3H),1.90(m,1H),2.22(m,2H),2.43(s,3H),2.66(m,1H),2.74−3.07(m,4H),3.13−3.30(m,3H),3.34−3.45(m,5H),3.92(s,3H),4.24(m,1H),4.44(m,1H),6.15(q,J=7.2Hz,1H),6.73(d,J=16.0Hz,1H),7.05(d,J=8.0Hz,1H),7.22(s,1H),7.40−7.54(m,4H),7.60(d,J=16.0Hz,1H),7.70−7.81(m,6H),9.09(d,J=2.0Hz,1H).
ESI−MS;m/z 846[M++H].
実施例6
(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミドの合成
(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミドの合成
(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル(37mg)の塩化メチレン(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で30分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、1−アミノ−11−アジド−3,6,9−トリオキサウンデカン(19mg)とIPEA(0.06mL)とHOBT(16mg)およびEDC(23mg)を加え、その反応液を室温で11時間撹拌した。この反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール 5:1)で精製し、標題化合物を33mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z389[1/2M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.63(d,d=7.2Hz,3H),1.68−1.92(m,3H),2.31(s,3H),2.73−2.92(m,2H),2.96−3.05(m,1H),3.28−3.36(m、1H),3.39(t,J=5.2Hz,2H),3.59−3.73(m,13H),3.87(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.46(brt,J=5.2Hz,1H),6.55(d,J=15.6Hz,1H),6.94(brs,1H),7.05(brs,1H),7.06(brd,J=8.0Hz,1H),7.26(d,J=8.0Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,2H),7.61(d,J=8.0Hz,2H),7.68(d,J=15.6Hz,1H),7.73(brs,1H),7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.81(d,J=8.0Hz,2H),7.91(brs,1H).
実施例7
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{2−{2−{2−{2−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}−4−ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{2−{2−{2−{2−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}−4−ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド(22mg)および5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 2−プロピニルアミド(CAS#773888−45−2、8mg)のターシャリブタノール(0.5mL)と水(0.5mL)の混合溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(1M水溶液、0.03mL)と硫酸銅(1M水溶液、0.01mL)を加え、その反応液を室温で11時間攪拌した。反応液に濃アンモニア水(1mL)を加え、その溶液をLC−MSで精製することにより、標題化合物を33mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z529[1/2M++H].1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.40−1.50(m,2H),1.56−1.65(m,2H),1.68(d,J=7.2Hz,3H),1.70−1.99(m,4H),2.30−2.55(brs,3H),2.68−3.20(m,6H),3.33−3.44(m,4H),3.51−3.70(m,13H),3.88−3.94(m,2H),3.95(s,3H),4.28−4.35(m,1H),4.45−4.60(m,3H),6.23(q,J=7.2Hz,1H),6.71(d,J=15.2Hz,1H),7.18(brd,J=7.6Hz,1H),7.20(brs,1H),7.50(d,J=7.6Hz,2H),7.45−7.55(m,5H),7.61(d,J=15.2Hz,1H),7.66(d,J=7.6Hz,2H),7.75−7.89(m,5H),8.13(brs,1H).
実施例8
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}カルバミン酸 ターシャリブチルエステルの合成
(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル(39mg)の塩化メチレン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で30分間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、(6−アミノヘキシル)カルバミン酸 ターシャリブチルエステル(20mg)とIPEA(0.07mL)とHOBT(17mg)およびEDC(24mg)を加え、その反応液を室温で19時間撹拌した。この反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール 5:1)で精製し、標題化合物を21mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z774[M++H].
(E)−N−(6−アミノヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド 二トリフルオロ酢酸塩の合成
{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}カルバミン酸 ターシャリブチルエステル(21mg)のクロロホルム(1mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮することにより、標題化合物を24mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z338[1/2M++H].
{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}カルバミン酸 ターシャリブチルエステル(21mg)のクロロホルム(1mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮することにより、標題化合物を24mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z338[1/2M++H].
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
(E)−N−(6−アミノヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド 二トリフルオロ酢酸塩(24mg)と2,5−ジオキソ−1−{3−{2−{5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]ペンタノイルアミノ}エチルジスルファニル}プロピオニルオキシ}ピロリジン−3−スルホネート ナトリウム塩(18mg)のDMF(1mL)溶液に、IPEA(0.02mL)を加え、その反応液を室温で20時間攪拌した。反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物13mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z533[1/2M++H].1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.37−1.50(m,4H),1.52−1.65(m,4H),1.68(d,J=6.8Hz,3H),1.76−1.98(m,2H),2.23(t,J=6.4Hz,2H),2.47(s,3H),2.61(t,J=7.6Hz,2H),2.73(d,J=12.8Hz,1H),2.82(t,J=6.8Hz,2H),2.85−2.88(m,4H),3.04−3.12(m,1H),3.15−3.24(m,3H),3.31−3.37(m,9H),3.38−3.45(m,1H),3.50(t,J=6.0Hz,2H),3.96(s,3H),4.31(dd,J=8.0,4.4Hz,1H),4.50(dd,J=8.0,4.4Hz,1H),6.22(q,J=6.8Hz,1H),6.71(d,J=15.6Hz,1H),7.19(brd,J=8.0Hz,1H),7.21(brs,1H),7.44(brs,1H),7.48(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.59(d,J=15.6Hz,1H),7.67(d,J=8.0Hz,2H),7.79−7.86(m,5H),9.01(d,J=1.2Hz,1H).
(E)−N−(6−アミノヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド 二トリフルオロ酢酸塩(24mg)と2,5−ジオキソ−1−{3−{2−{5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]ペンタノイルアミノ}エチルジスルファニル}プロピオニルオキシ}ピロリジン−3−スルホネート ナトリウム塩(18mg)のDMF(1mL)溶液に、IPEA(0.02mL)を加え、その反応液を室温で20時間攪拌した。反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物13mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z533[1/2M++H].1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.37−1.50(m,4H),1.52−1.65(m,4H),1.68(d,J=6.8Hz,3H),1.76−1.98(m,2H),2.23(t,J=6.4Hz,2H),2.47(s,3H),2.61(t,J=7.6Hz,2H),2.73(d,J=12.8Hz,1H),2.82(t,J=6.8Hz,2H),2.85−2.88(m,4H),3.04−3.12(m,1H),3.15−3.24(m,3H),3.31−3.37(m,9H),3.38−3.45(m,1H),3.50(t,J=6.0Hz,2H),3.96(s,3H),4.31(dd,J=8.0,4.4Hz,1H),4.50(dd,J=8.0,4.4Hz,1H),6.22(q,J=6.8Hz,1H),6.71(d,J=15.6Hz,1H),7.19(brd,J=8.0Hz,1H),7.21(brs,1H),7.44(brs,1H),7.48(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.59(d,J=15.6Hz,1H),7.67(d,J=8.0Hz,2H),7.79−7.86(m,5H),9.01(d,J=1.2Hz,1H).
実施例9
1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン トリフルオロ酢酸塩の合成
1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン トリフルオロ酢酸塩の合成
4−{(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−カルボン酸 ターシャリブチルエステルの合成
(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル(61g)の塩化メチレン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1.5時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、1−ピペラジンカルボン酸 ターシャリブチルエステル(32mg)とIPEA(0.09mL)とHOBT(23mg)およびEDC(33mg)を加え、その反応液を室温で4時間撹拌した。この反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン・酢酸エチル 1:1→酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール 9:1)で精製し、標題化合物を42mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z744[M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.49(s,9H),1.63(d,J=6.8Hz,3H),1.67−1.80(m,1H),1.82−1.92(m,1H),2.30(s,3H),2.72−2.92(m,2H),2.96−3.04(m,1H),3.27−3.36(m,1H),3.45−3.56(m,4H),3.60−3.78(m,4H),3.86(s,3H),6.30(q,J=6.8Hz,1H),6,93(brs,1H),6.97(d,J=15.2Hz,1H),7.04(brs,1H),7.05(brd,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H),7.46(d,J=8.4Hz,2H),7.61(d,J=8.4Hz,2H),7.71(d,J=0.8Hz,1H),7.72(d,J=15.2Hz,1H),7.78(d,J=8.4Hz,2H),7.80(d,J=8.4Hz,2H),7.90(brs,1H).
(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル(61g)の塩化メチレン(2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1.5時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、1−ピペラジンカルボン酸 ターシャリブチルエステル(32mg)とIPEA(0.09mL)とHOBT(23mg)およびEDC(33mg)を加え、その反応液を室温で4時間撹拌した。この反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン・酢酸エチル 1:1→酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール 9:1)で精製し、標題化合物を42mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z744[M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.49(s,9H),1.63(d,J=6.8Hz,3H),1.67−1.80(m,1H),1.82−1.92(m,1H),2.30(s,3H),2.72−2.92(m,2H),2.96−3.04(m,1H),3.27−3.36(m,1H),3.45−3.56(m,4H),3.60−3.78(m,4H),3.86(s,3H),6.30(q,J=6.8Hz,1H),6,93(brs,1H),6.97(d,J=15.2Hz,1H),7.04(brs,1H),7.05(brd,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H),7.46(d,J=8.4Hz,2H),7.61(d,J=8.4Hz,2H),7.71(d,J=0.8Hz,1H),7.72(d,J=15.2Hz,1H),7.78(d,J=8.4Hz,2H),7.80(d,J=8.4Hz,2H),7.90(brs,1H).
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−{4−{4−[(E)−3−オキソ−3−ピペラジン−1−イルプロペニル]ベンゾイル}フェニル}エチル}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩の合成
4−{(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−カルボン酸 ターシャリブチルエステル(42mg)のクロロホルム(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え,その反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮することにより、標題化合物を50mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z323[1/2M++H].
4−{(E)−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−カルボン酸 ターシャリブチルエステル(42mg)のクロロホルム(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え,その反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮することにより、標題化合物を50mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z323[1/2M++H].
1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン トリフルオロ酢酸塩の合成
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−{4−{4−[(E)−3−オキソ−3−ピペラジン−1−イルプロペニル]ベンゾイル}フェニル}エチル}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩(12mg)と3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオン酸 2,5−ジオキソピロリジン−1−イル エステル(5mg)のDMF(0.5mL)溶液に、IPEA(0.03mL)を加え、その反応液を室温で21時間攪拌した。反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物5.3mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z918[M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.65(d,J=6.8Hz,3H),1.69−1.82(m,1H),1.84−1.95(m,1H),2.26(s,3H),2.43(s,3H),2.53(s,3H),2.75−2.87(m,4H),3.00−3.10(m,1H),3.24(t,J=6.8Hz,2H),3.33−3.42(m,1H),3.54−3.73(m,8H),3.93(s,3H),6.15(s,1H),6.20(q,J=6.8Hz,1H),6.28(d,J=3.6Hz,1H),6.92(d,J=4.0Hz,1H),7.09(brd,J=15.6Hz,1H),7.15(brd,J=8.4Hz,1H),7.17(brs,1H),7.21(s,1H),7.37(brs,1H),7.44(d,J=8.0Hz,2H),7.46(d,J=8.0Hz,2H),7.49(d,J=8.4Hz,1H),7.64(d,J=15.6Hz,1H),7.69(brs,1H),7.75−7.83(m,4H),8.93(d,J=1.6Hz,1H).
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−{4−{4−[(E)−3−オキソ−3−ピペラジン−1−イルプロペニル]ベンゾイル}フェニル}エチル}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩(12mg)と3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオン酸 2,5−ジオキソピロリジン−1−イル エステル(5mg)のDMF(0.5mL)溶液に、IPEA(0.03mL)を加え、その反応液を室温で21時間攪拌した。反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物5.3mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z918[M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.65(d,J=6.8Hz,3H),1.69−1.82(m,1H),1.84−1.95(m,1H),2.26(s,3H),2.43(s,3H),2.53(s,3H),2.75−2.87(m,4H),3.00−3.10(m,1H),3.24(t,J=6.8Hz,2H),3.33−3.42(m,1H),3.54−3.73(m,8H),3.93(s,3H),6.15(s,1H),6.20(q,J=6.8Hz,1H),6.28(d,J=3.6Hz,1H),6.92(d,J=4.0Hz,1H),7.09(brd,J=15.6Hz,1H),7.15(brd,J=8.4Hz,1H),7.17(brs,1H),7.21(s,1H),7.37(brs,1H),7.44(d,J=8.0Hz,2H),7.46(d,J=8.0Hz,2H),7.49(d,J=8.4Hz,1H),7.64(d,J=15.6Hz,1H),7.69(brs,1H),7.75−7.83(m,4H),8.93(d,J=1.6Hz,1H).
実施例10
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{3−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−3−オキソプロピルジスルファニル}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{3−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−3−オキソプロピルジスルファニル}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{1−{4−{4−[(E)−3−オキソ−3−ピペラジン−1−イルプロペニル]ベンゾイル}フェニル}エチルピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩(12mg)と2,5−ジオキソ−1−{3−{2−{5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]ペンタノイルアミノ}エチルジスルファニル}プロピオニルオキシ}ピロリジン−3−スルホネート ナトリウム塩(9mg)のDMF(0.5mL)溶液に、IPEA(0.03mL)を加え、その反応液を室温で21時間攪拌した。反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物7mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z517[1/2M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.39−1.47(m,2H),1.54−1.65(m,3H),1.65(d,J=6.8Hz,3H),1.67−1.82(m,2H),1.84−1.96(m,1H),2.20(t,J=7.2Hz,2H),2.44(s,3H),2.70(d,J=12.8Hz,1H),2.78−2.93(m,7H),2.97(t,J=7.2Hz,2H),3.02−3.10(m,1H),3.12−3.19(m,1H),3.35−3.43(m,1H),3.48(t,J=6.4Hz,2H),3.61−3.83(m,8H),3.93(s,3H),4.28(dd,J=8.0,4.4Hz,1H),4.48(dd,J=8.0,4.4Hz,1H),6.19(q,J=6.8Hz,1H),7.15(d,J=16.0Hz,1H),7.16(brd,J=6.8Hz,1H),7.19(brs,1H),7.42(brs,1H),7.46(d,J=6.8Hz,1H),7.48(d,J=8.0Hz,2H),7.66(d,J=16.0Hz,1H),7.71(d,J=8.0Hz,2H),7.79(d,J=8.0Hz,2H),7.80(d,J=8.0Hz,2H),7.81(brs,1H),8.99(d,J=1.2Hz,1H).
実施例11
(3aR,6S,6aS)−6−{5−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−5−オキソペンチル}テトラヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン トリフルオロ酢酸塩の合成
(3aR,6S,6aS)−6−{5−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−5−オキソペンチル}テトラヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン トリフルオロ酢酸塩の合成
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{1−{4−{4−[(E)−3−オキソ−3−ピペラジン−1−イルプロペニル]ベンゾイル}フェニル}エチルピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩(25mg)と5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 2,5−ジオキソピロリジン−1−イル エステル(10mg)のDMF(1mL)溶液に、IPEA(0.05mL)を加え、その反応液を室温で21時間攪拌した。反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物20mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z436[1/2M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.46−1.75(m,2H),1.60−1.67(m,2H),1.69(d,J=7.2Hz,3H),1.70−1.83(m,3H),1.87−1.98(m,1H),2.44−2.49(m,5H),2.75(d,J=12.8Hz,1H),2.8−2.90(m,2H),2.94(dd,=12.8,5.2Hz,1H),3.05−3.13(m,1H),3.18−3.24(m,1H),3.37−3.46(m,1H),3.62−3.84(m,8H),3.96(s,3H),4.33(dd,J=8.0,4.8Hz,1H),4.52(dd,J=8.0,4.0Hz,1H),6.22(q,J=7.2Hz,1H),7.17(d,J=15.6Hz,1H),7.19(brd,J=8.0Hz,1H),7.21(brs,1H),7.44(brs,1H),7.49(d,J=8.0Hz,1H),7.51(d,J=7.2Hz,2H),7.69(d,J=15.6Hz,1H),7.73(d,J=7.2Hz,2H),7.82(d,J=7.2Hz,2H),7.83(d,J=7.2Hz,2H),7.84(brs,1H),9.01(d,J=1.6Hz,1H).
実施例12
(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミドの合成
(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミドの合成
(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル(56mg)の塩化メチレン(1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1時間間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、6−アジドヘキシルアミン(CAS No.349553−73−7、25mg)とIPEA(0.1mL)とHOBT(36mg)およびEDC(51mg)を加え、その反応液を室温で3時間撹拌した。この反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン:酢酸エチル 1:1→酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール 9:1)で精製し、標題化合物を45mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z700[M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.36−1.47(m,4H),1.56−1.62(m,4H),1.63(d,J=7.2Hz,3H),1.67−1.80(m,1H),1.81−1.92(m,1H),2.30(s,3H),2.72−2.82(m,1H),2.83−2.91(m,1H),2.97−3.03(m,1H),3.27(t,J=7.2Hz,2H),3.29−3.36(m,1H),3.41(q,J=7.2Hz,2H),3.86(s,3H),5.80(brt,J=5.6Hz,1H),6.30(q,J=7.2Hz,1H),6.49(d,J=15.6Hz,1H),6.93(brs,1H),7.04(brs,1H),7.05(brd,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,1H),7.46(d,J=8.4Hz,2H),7.58(d,J=8.4Hz,2H),7.67(d,J=15.6Hz,1H),7.72(brs,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.79(d,J=8.4Hz,2H),7.90(brs,1H).
実施例13
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{6−{3−{4−{4−{1−{3−{[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{6−{3−{4−{4−{1−{3−{[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド トリフルオロ酢酸塩の合成
(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド(15mg)および5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 2−プロピニルアミド(CAS#773888−45−2、6mg)のDMSO(0.9mL)と水(0.9mL)の混合溶液に、アスコルビン酸ナトリウム(1M水溶液、0.2mL)と硫酸銅(1M水溶液、0.2mL)を加え、その反応液を37℃で3日間攪拌した。反応液に濃アンモニア水(10mL)とクロロホルム(10mL)およびメタノール(1mL)を加え、有機層を分配した。得られた有機層を濃縮し、DMFに希釈後、LC−MSで精製することにより、標題化合物を10mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z491[1/2M++H].1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.36−1.48(m,6H),1.55−1.67(m,4H),1.69(d,J=6.8Hz,3H),1.70−1.85(m,2H),1.87−1.98(m,3H),2.24(brt,J=7.2Hz,2H),2.46(s,3H),2.73(d,J=12.8Hz,1H),2.77−2.85(m,3H),3.03−3.13(m,1H),3.14−3.21(m,1H),3.28−3.37(m,3H),3.38−3.46(m,1H),3.98(s,3H),4.27−4.32(m,1H),4.38(brt,J=7.2Hz,2H),4.43(s,2H),4.48−4.52(m,1H),6.21(q,J=6.8Hz,1H),6.70(d,J=15.6Hz,1H),7.19(brd,J=8.4Hz,1H),7.23(brs,1H),7.47−7.54(m,4H),7.59(d,J=15.6Hz,1H),7.68(d,J=8.0Hz,2H),7.74(s,1H),7.81(d,J=8.4Hz,4H),7.84(s,1H),9.06(s,1H).
実施例14
1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
1−(4−ジエトキシメチルフェニル)エタノールの合成
窒素雰囲気下、4−(ジエトキシメチル)ベンズアルデヒド(5mL)のTHF(50mL)溶液に、氷浴下、メチルマグネシウムブロミド(0.96M THF溶液,28mL)を加えた。その後、反応液を氷浴から外し、15分間室温で撹拌を続けた。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物5.21gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(DMSO)δ(ppm):1.10−1.18(m,6H),1.31(d,J=6.4Hz,3H),3.41−3.58(m,4H),4.66−4.74(m,1H),5.14(d,J=4.4Hz,1H),5.45(s,1H),7.30−7.38(m,4H).
1−(4−ジエトキシメチルフェニル)エタノンの合成
窒素雰囲気下、1−(4−ジエトキシメチルフェニル)エタノール(4.52g)のジクロロメタン(100mL)溶液に、4−メチルモルホリン−4−オキシド(3.8g)およびテトラプロピルアンモニウム ペルルテナート(380mg)を順次加え、その反応液を1時間室温で撹拌した。反応液に少量の2−プロピルアルコールを加え、その反応液をしばらく撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、その混合溶液をセライト濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物4.41gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(DMSO)δ(ppm):1.10−1.18(m,6H),2.58(s,3H),3.42−3.60(m,4H),5.56(s,1H),7.52−7.56(m,2H),7.94−7.98(m,2H).
窒素雰囲気下、1−(4−ジエトキシメチルフェニル)エタノール(4.52g)のジクロロメタン(100mL)溶液に、4−メチルモルホリン−4−オキシド(3.8g)およびテトラプロピルアンモニウム ペルルテナート(380mg)を順次加え、その反応液を1時間室温で撹拌した。反応液に少量の2−プロピルアルコールを加え、その反応液をしばらく撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、その混合溶液をセライト濾過し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物4.41gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(DMSO)δ(ppm):1.10−1.18(m,6H),2.58(s,3H),3.42−3.60(m,4H),5.56(s,1H),7.52−7.56(m,2H),7.94−7.98(m,2H).
4−((R)−1−ヒドロキシエチル)ベンズアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、1−(4−ジエトキシメチルフェニル)エタノン(4.41g)のTHF(200mL)溶液に、氷冷下、(S)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン(1M トルエン溶液、2.2mL)およびボラン−THF 複合体(1M THF溶液,20mL)を順次加え、その反応液を5分間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、氷浴から外し、有機層を分配した。得られた有機層を飽和重曹水と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、アルコール体を得た。得られたアルコール体のTHF(90mL)溶液に、水(10mL)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(500mg)を順次加え、その反応液を室温で15時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。得られた有機層を飽和重曹水と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物2.77gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.53(d,J=6.8Hz,3H),5.00(q,J=6.4Hz,1H),7.52−7.58(m,2H),7.85−7.91(m,2H),10.01(s,1H).
窒素雰囲気下、1−(4−ジエトキシメチルフェニル)エタノン(4.41g)のTHF(200mL)溶液に、氷冷下、(S)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン(1M トルエン溶液、2.2mL)およびボラン−THF 複合体(1M THF溶液,20mL)を順次加え、その反応液を5分間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、氷浴から外し、有機層を分配した。得られた有機層を飽和重曹水と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、アルコール体を得た。得られたアルコール体のTHF(90mL)溶液に、水(10mL)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(500mg)を順次加え、その反応液を室温で15時間撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。得られた有機層を飽和重曹水と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物2.77gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.53(d,J=6.8Hz,3H),5.00(q,J=6.4Hz,1H),7.52−7.58(m,2H),7.85−7.91(m,2H),10.01(s,1H).
4−[(R)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]ベンズアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、4−((R)−1−ヒドロキシエチル)ベンズアルデヒド(2.27g)のDMF(20mL)溶液に、イミダゾール(1.6g)およびtert−ブチルジメチルクロロシラン(3.0g)を順次加え、その反応液を15.5時間室温で撹拌した。その後、イミダゾール(1.0g)およびtert−ブチルジメチルクロロシラン(1.5g)を順次追加し、更に2時間室温で撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物4.00gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.00−0.08(m,6H),0.92(s,9H),1.44(d,J=6.4Hz,3H),4.94(q,J=6.4Hz,1H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.86(d,J=8.0Hz,2H),10.01(s,1H).
窒素雰囲気下、4−((R)−1−ヒドロキシエチル)ベンズアルデヒド(2.27g)のDMF(20mL)溶液に、イミダゾール(1.6g)およびtert−ブチルジメチルクロロシラン(3.0g)を順次加え、その反応液を15.5時間室温で撹拌した。その後、イミダゾール(1.0g)およびtert−ブチルジメチルクロロシラン(1.5g)を順次追加し、更に2時間室温で撹拌した。反応液に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物4.00gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.00−0.08(m,6H),0.92(s,9H),1.44(d,J=6.4Hz,3H),4.94(q,J=6.4Hz,1H),7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.86(d,J=8.0Hz,2H),10.01(s,1H).
[4−((R)−1−ヒドロキシエチル)フェニル]−[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]メタノンの合成
窒素雰囲気下、2−(4−ブロモベンジルオキシ)テトラヒドロピラン(CAS No.17100−68−4、2.1g)のTHF(40mL)溶液に、−78℃下、sec−ブチルリチウム(1.01M シクロヘキサン−ヘキサン溶液、9.2mL)を滴下し、その温度で30分間撹拌した。4−[(R)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]ベンズアルデヒド(2.0g)のTHF(7mL)溶液を反応液に加え、その反応液を−78℃で25分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応容器を冷却浴から外し、その混合物を酢酸エチルで3回抽出した。得られた有機層を飽和重曹水と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することによりアルコール体を得た。窒素雰囲気下、上記の操作で得られたアルコール体のジクロロメタン(50mL)溶液に、4−メチルモルホリン−4−オキシド(1.16g)およびテトラプロピルアンモニウム ペルルテナート(130mg)を順次加え、その反応液を室温で13時間撹拌した。反応液に少量の2−プロピルアルコールを加え、その反応液をしばらく撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、その溶液をセライト濾過(酢酸エチルで洗浄)し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、ケトン体を得た。上記の操作で得られたケトン体のTHF(30mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液、8mL)を加え、その反応液を室温で1.5時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、標題化合物2.05gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.44−1.98(m,9H),3.53−3.62(m,1H),3.88−3.98(m,1H),4.60(d,J=12.8Hz,1H),4.75(t,J=3.6Hz,1H),4.88(d,J=12.8Hz,1H),5.00(q,J=6.4Hz,1H),7.46−7.52(m,4H),7.76−7.82(m,4H).
窒素雰囲気下、2−(4−ブロモベンジルオキシ)テトラヒドロピラン(CAS No.17100−68−4、2.1g)のTHF(40mL)溶液に、−78℃下、sec−ブチルリチウム(1.01M シクロヘキサン−ヘキサン溶液、9.2mL)を滴下し、その温度で30分間撹拌した。4−[(R)−1−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)エチル]ベンズアルデヒド(2.0g)のTHF(7mL)溶液を反応液に加え、その反応液を−78℃で25分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応容器を冷却浴から外し、その混合物を酢酸エチルで3回抽出した。得られた有機層を飽和重曹水と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することによりアルコール体を得た。窒素雰囲気下、上記の操作で得られたアルコール体のジクロロメタン(50mL)溶液に、4−メチルモルホリン−4−オキシド(1.16g)およびテトラプロピルアンモニウム ペルルテナート(130mg)を順次加え、その反応液を室温で13時間撹拌した。反応液に少量の2−プロピルアルコールを加え、その反応液をしばらく撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、その溶液をセライト濾過(酢酸エチルで洗浄)し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、ケトン体を得た。上記の操作で得られたケトン体のTHF(30mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液、8mL)を加え、その反応液を室温で1.5時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、標題化合物2.05gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.44−1.98(m,9H),3.53−3.62(m,1H),3.88−3.98(m,1H),4.60(d,J=12.8Hz,1H),4.75(t,J=3.6Hz,1H),4.88(d,J=12.8Hz,1H),5.00(q,J=6.4Hz,1H),7.46−7.52(m,4H),7.76−7.82(m,4H).
N−tert−ブチルカルボアルコキシ−4−ニトロベンゼンスルホンアミドの合成
4−ニトロベンゼンスルホンアミド(10g)のジクロロメタン(100mL)溶液に、トリエチルアミン(10.4mL)と4−ジメチルアミノピリジン(605mg)およびジ−tert−ブチル ジカルボキシレート(13.5g)を順次加え、その反応液を室温で30分間撹拌した。反応液に酸性になるまで塩酸(1N 水溶液)を加え、その溶液をジエチルエーテルで4回抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をトリチレーション(使用溶媒:40%ジエチルエーテル−ヘキサン溶液)を用いて精製し、標題化合物14.62gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.41(s,9H),8.21−8.26(m,2H),8.37−8.42(m,2H).
4−ニトロベンゼンスルホンアミド(10g)のジクロロメタン(100mL)溶液に、トリエチルアミン(10.4mL)と4−ジメチルアミノピリジン(605mg)およびジ−tert−ブチル ジカルボキシレート(13.5g)を順次加え、その反応液を室温で30分間撹拌した。反応液に酸性になるまで塩酸(1N 水溶液)を加え、その溶液をジエチルエーテルで4回抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をトリチレーション(使用溶媒:40%ジエチルエーテル−ヘキサン溶液)を用いて精製し、標題化合物14.62gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.41(s,9H),8.21−8.26(m,2H),8.37−8.42(m,2H).
{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
窒素雰囲気下、[4−((R)−1−ヒドロキシエチル)フェニル]−[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]メタノン(1.54g)のTHF(20mL)溶液に、ジクロロメタン(20mL)、N−tert−ブチルカルボアルコキシ−4−ニトロベンゼンスルホンアミド(2.0g)およびトリフェニルホスフィン(2.4g)を順次加え、反応液を0℃に冷却した。その反応液に、0℃下、ジイソプロピル アゾジカルボキシラート(1.85mL)を5分間で滴下し、反応液を室温で14時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、スルホンアミド体を得た。上記の操作で得られたスルホンアミド体のDMF(30mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(760mg)およびメルカプト酢酸(600μL)を順次加え、その反応液を3.5時間室温で撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水、飽和重曹水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮することにより、カルバミン酸エステル体を得た。
上記の操作で得られたカルバミン酸体のメタノール(50mL)溶液に、(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸(110mg)を加え、その反応液を室温で終夜撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物1.00gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30−1.51(m,12H),4.78−4.94(m,4H),7.38−7.44(m,2H),7.46−7.51(m,2H),7.75−7.83(m,4H).
窒素雰囲気下、[4−((R)−1−ヒドロキシエチル)フェニル]−[4−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシメチル)フェニル]メタノン(1.54g)のTHF(20mL)溶液に、ジクロロメタン(20mL)、N−tert−ブチルカルボアルコキシ−4−ニトロベンゼンスルホンアミド(2.0g)およびトリフェニルホスフィン(2.4g)を順次加え、反応液を0℃に冷却した。その反応液に、0℃下、ジイソプロピル アゾジカルボキシラート(1.85mL)を5分間で滴下し、反応液を室温で14時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、スルホンアミド体を得た。上記の操作で得られたスルホンアミド体のDMF(30mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(760mg)およびメルカプト酢酸(600μL)を順次加え、その反応液を3.5時間室温で撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水、飽和重曹水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮することにより、カルバミン酸エステル体を得た。
上記の操作で得られたカルバミン酸体のメタノール(50mL)溶液に、(1R)−(−)−10−カンファースルホン酸(110mg)を加え、その反応液を室温で終夜撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物1.00gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30−1.51(m,12H),4.78−4.94(m,4H),7.38−7.44(m,2H),7.46−7.51(m,2H),7.75−7.83(m,4H).
{(S)−1−{4−[4−(tert−ブチルフェニルシラニルオキシメチル)ベンゾイル]フェニル}エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.00g)のDMF(15mL)溶液に、イミダゾール(400mg)およびtert−ブチルジフェニルクロロシラン(950μL)を順次加え、その反応液を室温で20時間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物1.47gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.12(s,9H),1.36−1.62(m,12H),4.81−4.92(m,4H),7.36−7.48(m,10H),7.67−7.72(m,4H),7.76−7.81(m,4H).
{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.00g)のDMF(15mL)溶液に、イミダゾール(400mg)およびtert−ブチルジフェニルクロロシラン(950μL)を順次加え、その反応液を室温で20時間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物1.47gを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.12(s,9H),1.36−1.62(m,12H),4.81−4.92(m,4H),7.36−7.48(m,10H),7.67−7.72(m,4H),7.76−7.81(m,4H).
1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
{(S)−1−{4−[4−(tert−ブチルフェニルシラニルオキシメチル)ベンゾイル]フェニル}エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(537mg)のジクロロメタン(12mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(4mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、氷冷下、水酸化ナトリウム(5N 水溶液,10mL)と少量の飽和重曹水を加えた。反応液を室温に戻し、クロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。窒素雰囲気下、上記の操作で得られた残渣のDMF(10mL)溶液に、5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(500mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(480μL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(245mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(350mg)を加え、その反応液を室温で4時間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、シンナミド体を得た。窒素雰囲気下、上記の操作で得られたシンナミド体のDMF(10mL)溶液に、0℃下、水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有,43mg)を加え、その反応液を30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液とクロロホルムを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、カルバミン酸エステル体を得た。上記の操作で得られたカルバミン酸エステル体のTHF(10mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液,850μL)を加え、その反応液を室温で10時間撹拌した。反応液を直接シリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル−THF系)を用いて精製し、標題化合物386mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z536[M++H],558[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.56−1.93(m,5H),2.32(s,3H),2.70−2.92(m,2H),2.94−3.04(m,1H),3.25−3.36(m,1H),3.87(s,3H),4.82(s,2H),6.31(q,J=6.8Hz,1H),6.92−7.08(m,3H),7.24−7.30(m,1H),7.43−7.53(m,4H),7.75−7.84(m,5H),7.89−7.93(m,1H).
{(S)−1−{4−[4−(tert−ブチルフェニルシラニルオキシメチル)ベンゾイル]フェニル}エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(537mg)のジクロロメタン(12mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(4mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、氷冷下、水酸化ナトリウム(5N 水溶液,10mL)と少量の飽和重曹水を加えた。反応液を室温に戻し、クロロホルムで3回抽出し、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。窒素雰囲気下、上記の操作で得られた残渣のDMF(10mL)溶液に、5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(500mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(480μL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(245mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(350mg)を加え、その反応液を室温で4時間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、シンナミド体を得た。窒素雰囲気下、上記の操作で得られたシンナミド体のDMF(10mL)溶液に、0℃下、水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有,43mg)を加え、その反応液を30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液とクロロホルムを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、カルバミン酸エステル体を得た。上記の操作で得られたカルバミン酸エステル体のTHF(10mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液,850μL)を加え、その反応液を室温で10時間撹拌した。反応液を直接シリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル−THF系)を用いて精製し、標題化合物386mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z536[M++H],558[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.56−1.93(m,5H),2.32(s,3H),2.70−2.92(m,2H),2.94−3.04(m,1H),3.25−3.36(m,1H),3.87(s,3H),4.82(s,2H),6.31(q,J=6.8Hz,1H),6.92−7.08(m,3H),7.24−7.30(m,1H),7.43−7.53(m,4H),7.75−7.84(m,5H),7.89−7.93(m,1H).
実施例15
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
N−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}ホルムアミドの合成
窒素雰囲気下、1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン(53mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に、0℃下、トリエチルアミン(45μL)とメタンスルホニルクロリド(18μL)を順次加え、その反応液を25分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応容器を氷浴から外した後、クロロホルムを加え、有機層を分配した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮することにより、メシル体を得た。窒素雰囲気下、上記の操作で得られたメシル体のDMF(3mL)溶液に、ジホルムイミド ナトリウム塩(35mg)を加え、その反応液を室温で20時間撹拌した。反応液に飽和重曹水とクロロホルムを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をメタノール(5mL)に溶解させ、室温で1時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:THF)を用いて精製し、標題化合物50mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z563[M++H],585[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.50−1.92(m,5H),2.30(s,3H),2.72−2.92(m,2H),2.94−3.04(m,1H),3.26−3.36(m,1H),3.86(s,3H),4.52−4.63(m,2H),5.92(brs,1H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.92−7.08(m,4H),7.38−7.50(m,4H),7.70−7.84(m,5H),7.89−7.93(m,1H),8.35(s,1H).
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
N−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}ホルムアミド(8mg)のアセトニトリル(0.5mL)溶液に、トリエチルアミン(6μL)、4−ジメチルアミノピリジン(2mg)およびジ−tert−ブチル ジカルボキシレート(5mg)を順次加え、その反応液を室温で1.5時間撹拌した。その後、ジ−tert−ブチル ジカルボキシレート(10mg)を追加し、反応液を室温で16時間撹拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣のメタノール(4mL)溶液に、炭酸カリウム(25mg)を加え、その反応液を室温で30分間撹拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;展開溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物2.5mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z635[M++H],657[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.48(s,9H),1.54−1.92(m,5H),2.30(s,3H),2.71−2.93(m,2H),2.93−3.04(m,1H),3.25−3.36(m,1H),3.86(s,3H),4.41(d,J=5.6Hz,2H),4.96(brs,1H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.91−7.29(m,4H),7.36−7.50(m,4H),7.68−7.82(m,5H),7.89−7.93(m,1H).
N−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}ホルムアミド(8mg)のアセトニトリル(0.5mL)溶液に、トリエチルアミン(6μL)、4−ジメチルアミノピリジン(2mg)およびジ−tert−ブチル ジカルボキシレート(5mg)を順次加え、その反応液を室温で1.5時間撹拌した。その後、ジ−tert−ブチル ジカルボキシレート(10mg)を追加し、反応液を室温で16時間撹拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣のメタノール(4mL)溶液に、炭酸カリウム(25mg)を加え、その反応液を室温で30分間撹拌した。反応液に水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;展開溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物2.5mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z635[M++H],657[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.48(s,9H),1.54−1.92(m,5H),2.30(s,3H),2.71−2.93(m,2H),2.93−3.04(m,1H),3.25−3.36(m,1H),3.86(s,3H),4.41(d,J=5.6Hz,2H),4.96(brs,1H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.91−7.29(m,4H),7.36−7.50(m,4H),7.68−7.82(m,5H),7.89−7.93(m,1H).
実施例16
1−{(S)−1−[4−(4−アミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩の合成
1−{(S)−1−[4−(4−アミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩の合成
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(12mg)のジクロロメタン(3mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1.5時間撹拌した。反応液に少量のクロロホルムとトルエン(9mL)を加え、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をLC−MSで精製することにより、標題化合物10.6mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z535[M++H],259.5[1/2M+−NH2+H].1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.67(d,J=7.2Hz,3H),1.70−1.83(m,1H),1.83−1.93(m,1H),2.43(s,3H),2.77−2.94(m,2H),3.04−3.14(m,1H),3.39−3.50(m,1H),3.95(s,3H),4.23(s,2H),6.15(q,J=7.2Hz,1H),7.18−7.26(m,1H),7.29−7.34(m,1H),7.48−7.66(m,6H),7.74−7.88(m,5H),9.12−9.18(m,1H).
実施例17
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(11mg)のDMF(1.5mL)溶液に、ヨウ化メチル(6μL)を加え、氷冷下、その反応液に水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有、1mg)を加えた。反応液を20分間撹拌した後、反応液に少量の水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有)を追加し、反応液を45分撹拌した。さらに、反応液にヨウ化メチル(10μL)を追加し、その反応液を40分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液とクロロホルムを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;展開溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物7.8mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z649[M++H],671[M++Na].
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.39−1.57(m,9H),1.57−1.97(m,5H),2.31(s,3H),2.70−3.05(m,6H),3.23−3.38(m,1H),3.87(s,3H),4.45−4.57(m,2H),6.27−6.36(m,1H),6.90−7.09(m,3H),7.23−7.29(m,1H),7.29−7.38(m,2H),7.43−7.52(m,2H),7.68−7.83(m,5H),7.89−7.93(m,1H).
実施例18
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−[4−(4−メチルアミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩の合成
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−[4−(4−メチルアミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例16と同様の方法により、4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステル(8mg)から、標題化合物10.5mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z275[1/2M++H],549[M++H].1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.67(d,J=7.2Hz,3H),1.70−1.83(m,1H),1.83−1.96(m,1H),2.43(s,3H),2.77(s,3H),2.80−2.96(m,2H),3.04−3.15(m,1H),3.40−3.50(m,1H),3.95(s,3H),4.30(s,2H),6.15(q,J=7.2Hz,1H),7.07−7.35(m,2H),7.50−7.67(m,6H),7.78−7.91(m,5H),9.10−9.19(m,1H).
実施例19
1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの合成
窒素雰囲気下、{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(255mg)とトリエチルアミン(200μL)のジクロロメタン(7mL)溶液に、0℃下、メタンスルホニルクロリド(85μL)を加え、その反応液を20分間撹拌した。反応液に、飽和塩化アンモニウム水溶液とクロロホルムを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。窒素雰囲気下、上記の操作で得られた残渣のDMF(7mL)溶液に、アジ化ナトリウム(100mg)を加え、その反応液を室温で3.5時間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物273mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.30−1.52(m,12H),4.46(s,2H),4.76−4.96(m,2H),7.39−7.46(m,4H),7.75−7.84(m,4H).
1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(273mg)のジクロロメタン(4.5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液にクロロホルム、水酸化ナトリウム(5N 水溶液,6mL)および少量の飽和重曹水を加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。窒素雰囲気下、上記の操作で得られた残渣のDMF(6mL)溶液に、5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(330mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(310μL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(160mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(230mg)を加え、その反応液を室温で4時間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製した。これ以上精製することなく次の反応に用いた。
窒素雰囲気下、上記の操作で得られた残渣全量をDMF(5mL)に溶解させ、反応容器を氷浴を用いて冷却した。その反応液に水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有,30mg)を加え、30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応容器を氷浴から外し、クロロホルムで4回抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:クロロホルム−メタノール系)、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム−メタノール系)およびシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−THF系)を用いて精製し、標題化合物の精製物160mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z561[M++H],583[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.52−1.94(m,5H),2.30(s,3H),2.70−2.94(m,2H),2.94−3.05(m,1H),3.26−3.38(m,1H),3.86(s,3H),4.46(s,2H),6.32(q,J=7.2Hz,1H),6.91−7.09(m,3H),7.22−7.32(m,1H),7.40−7.54(m,4H),7.69−7.86(m,5H),7.88−7.95(m,1H).
{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(273mg)のジクロロメタン(4.5mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.5mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液にクロロホルム、水酸化ナトリウム(5N 水溶液,6mL)および少量の飽和重曹水を加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。窒素雰囲気下、上記の操作で得られた残渣のDMF(6mL)溶液に、5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}吉草酸 トリフルオロ酢酸塩(330mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(310μL)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(160mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(230mg)を加え、その反応液を室温で4時間撹拌した。反応液に飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製した。これ以上精製することなく次の反応に用いた。
窒素雰囲気下、上記の操作で得られた残渣全量をDMF(5mL)に溶解させ、反応容器を氷浴を用いて冷却した。その反応液に水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有,30mg)を加え、30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、反応容器を氷浴から外し、クロロホルムで4回抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:クロロホルム−メタノール系)、シリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:クロロホルム−メタノール系)およびシリカゲルクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:ヘプタン−THF系)を用いて精製し、標題化合物の精製物160mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z561[M++H],583[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.52−1.94(m,5H),2.30(s,3H),2.70−2.94(m,2H),2.94−3.05(m,1H),3.26−3.38(m,1H),3.86(s,3H),4.46(s,2H),6.32(q,J=7.2Hz,1H),6.91−7.09(m,3H),7.22−7.32(m,1H),7.40−7.54(m,4H),7.69−7.86(m,5H),7.88−7.95(m,1H).
実施例20
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル トリフルオロ酢酸塩の合成
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル トリフルオロ酢酸塩の合成
4−[4−((S)−1−tert−ブチルオキシカルボニルアミノエチル)ベンゾイル]安息香酸 メチルエステルの合成
窒素雰囲気下、{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(167mg)のジクロロメタン(5mL)溶液に、4−メチルモルホリン−4−オキシド(85mg)およびテトラプロピルアンモニウム ペルルテナート(10mg)を順次加え、その反応液を2.5時間室温で撹拌した。反応液に少量の2−プロピルアルコールを加え、しばらく撹拌後、酢酸エチルを加え、セライト濾過(酢酸エチルで洗浄)し、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製することにより、アルデヒド体を得た。上記の操作により得たアルデヒド体のアセトン(5mL)溶液に、水(3mL)、2−メチル−2−ブテン(400μL)、リン酸二水素ナトリウム 二水和物(55mg)および亜塩素酸ナトリウム(70mg)を順次加え、その反応液を室温で1.5時間撹拌した。その後、リン酸二水素ナトリウム 二水和物(30mg)および亜塩素酸ナトリウム(35mg)を順次追加し、その反応液を更に室温で11.5時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液とクロロホルムを加え、有機層を分配した。得られた有機層を塩酸(2N 水溶液)と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。上記の操作により得た残渣のメタノール(4mL)溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(2M ヘキサン溶液,500μL)を加え、その反応液を室温で撹拌した。TLCで原料の消失を確認するまで、反応液にトリメチルシリルジアゾメタン(2M ヘキサン溶液)を追加した(500μL,1mLで計1.5mL追加した)。反応液に少量の酢酸を加え、反応液が黄色溶液から透明になるのを確認した後、飽和重曹水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和重曹水と飽和塩化ナトリウム水溶液の混合溶液で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)を用いて精製し、標題化合物118mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.34−1.52(m,12H),3.97(s,3H),4.74−4.97(m,2H),7.78−7.46(m,2H),7.75−7.87(m,4H),8.12−8.17(m,2H).
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステルの合成
実施例19と同様の方法により、4−[4−((S)−1−tert−ブチルオキシカルボニルアミノエチル)ベンゾイル]安息香酸 メチルエステル(118mg)から、標題化合物146mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.50−1.94(m,5H),2.38(s,3H),2.69−2.90(m,2H),2.97−3.05(m,1H),3.28−3.37(m,1H),3.88(s,3H),3.97(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.94−7.11(m,4H),7.44−7.53(m,2H),7.76−7.88(m,4H),7.88−8.06(m,2H),8.11−8.19(m,2H).
実施例19と同様の方法により、4−[4−((S)−1−tert−ブチルオキシカルボニルアミノエチル)ベンゾイル]安息香酸 メチルエステル(118mg)から、標題化合物146mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.50−1.94(m,5H),2.38(s,3H),2.69−2.90(m,2H),2.97−3.05(m,1H),3.28−3.37(m,1H),3.88(s,3H),3.97(s,3H),6.31(q,J=7.2Hz,1H),6.94−7.11(m,4H),7.44−7.53(m,2H),7.76−7.88(m,4H),7.88−8.06(m,2H),8.11−8.19(m,2H).
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル トリフルオロ酢酸塩の合成
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル(9mg)をLC−MSで精製することにより、標題化合物5.7mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z564[M++H].
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル(9mg)をLC−MSで精製することにより、標題化合物5.7mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z564[M++H].
実施例21
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 トリフルオロ酢酸塩の合成
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 トリフルオロ酢酸塩の合成
4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル(11mg)のTHF(2mL)溶液に、水酸化ナトリウム(1N 水溶液,100μL)を加え、その反応液を室温で26時間撹拌した。その後、反応液にメタノール(0.5mL)を加え、その反応液を室温で24時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、得られた残渣のメタノール(2mL)溶液に、水酸化ナトリウム(1N 水溶液,100μL)を加え、その反応液を室温で66時間撹拌した。反応液にトリフルオロ酢酸(16μL)を加え、その溶液をLC−MSで精製することにより、標題化合物8.2mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z550[M++H].
実施例22
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの合成
実施例14と同様の方法により得られた1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン(240mg)をダイセル製CHIRALPAKTM IA(2cm×25cm:移動相;エタノール)にて分取し、保持時間27分の標題化合物の光学活性体194mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z536[M++H],558[M++Na].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.56−1.93(m,5H),2.32(s,3H),2.70−2.92(m,2H),2.94−3.04(m,1H),3.25−3.36(m,1H),3.87(s,3H),4.82(s,2H),6.31(q,J=6.8Hz,1H),6.92−7.08(m,3H),7.24−7.30(m,1H),7.43−7.53(m,4H),7.75−7.84(m,5H),7.89−7.93(m,1H).
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例15と同様の方法により、1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの光学活性体(100mg)から{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗生成物61mgを得た。上記の操作によって得られた{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗生成物5mgのジクロロメタン(3mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液に少量のクロロホルムとトルエン(5mL)を加え、減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(1.5mL)溶液に、N−ヒドロキシスクシイミドビオチン(10mg)およびトリエチルアミン(10μL)を順次加え、室温で10時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液をLC−MSで精製することにより、標題化合物4.8mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z381[1/2M++H].
実施例15と同様の方法により、1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの光学活性体(100mg)から{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗生成物61mgを得た。上記の操作によって得られた{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗生成物5mgのジクロロメタン(3mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液に少量のクロロホルムとトルエン(5mL)を加え、減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(1.5mL)溶液に、N−ヒドロキシスクシイミドビオチン(10mg)およびトリエチルアミン(10μL)を順次加え、室温で10時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液をLC−MSで精製することにより、標題化合物4.8mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z381[1/2M++H].
実施例23
6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例15と同様の方法により、1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの光学活性体(100mg)から{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物61mgを得た。上記の操作によって得られた{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物(7mg)のジクロロメタン(3mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液に少量のクロロホルムとトルエン(5mL)を加え、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣のDMF(1.5mL)溶液に、PIERCE製NHS−LC−BIOTIN(15mg)およびトリエチルアミン(15μL)を順次加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液をLC−MSで精製することにより、標題化合物7.7mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z438[1/2M++H].
実施例24
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例15と同様の方法により、1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチルイ−1H−ミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの光学活性体(100mg)から{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗生成物61mgを得た。上記の操作によって得られた{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗生成物(50mg)から、実施例17と同様の方法により、4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物47mgを得た。上記の操作によって得られた4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物(11mg)のジクロロメタン(3mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1.5時間撹拌した。反応液に少量のクロロホルムとトルエン(5mL)を加え、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、N−ヒドロキシスクシイミドビオチン(20mg)およびトリエチルアミン(25μL)を順次加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。さらに、反応液にトリエチルアミン(25μL)を加え、反応液を室温で12.5時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液をLC−MSで精製することにより、標題化合物8.7mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z388[1/2M++H].
実施例25
6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例15と同様の方法により、1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オンの光学活性体(100mg)から{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物61mgを得た。上記の操作によって得られた{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物(50mg)から、実施例17と同様の方法により、4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物47mgを得た。上記の操作によって得られた4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステルの粗精製物(12mg)のジクロロメタン(3mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(1mL)を加え、その反応液を室温で1時間撹拌した。反応液に少量のクロロホルムとトルエン(5mL)を加え、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、PIERCE製NHS−LC−BIOTIN(26mg)およびトリエチルアミン(100μL)を順次加え、その反応液を室温で12時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液をLC−MSで精製することにより、標題化合物7.8mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z445[1/2M++H].
実施例26
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エチル}ベンズアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エチル}ベンズアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
実施例20と同様の方法により、4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル(135mg)をダイセル製CHIRALPAKTM OJ−H(2cm×25cm:移動相;エタノール)にて分取し、保持時間36分の4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステルの光学活性体の粗精製物58mgを得た。上記の操作により得られた4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステルの粗精製物(11mg)のメタノール(2mL)溶液に、水酸化ナトリウム(1N 水溶液,100μL)を加え、その反応液を室温で26.5時間撹拌した。反応液に水酸化ナトリウム(1N 水溶液,100μL)を加え、その反応液を室温で更に23.5時間撹拌した。反応液に塩酸(2N 水溶液,100μL)を加え、その溶液を減圧下濃縮した。残渣にトルエンを加え、その溶液を減圧下濃縮乾固させる操作を2回行った。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(200μL)、ビオチン−エチレンジアミン 臭化水素酸塩(17mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(8mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(12mg)を順次加え、その反応液を室温で63.5時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液をLC−MSで精製することにより得られた粗精製物に、少量の飽和重曹水を加え、中和後、その溶液を少量のメタノールを加えたクロロホルムで3回抽出した。得られた有機層を濃縮後、LC−MSで精製することにより標題化合物11.9mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z410[1/2M++H].
実施例27
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−{2−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ}エチル}ベンズアミド の合成
{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−{2−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ}エチル}ベンズアミド の合成
実施例20と同様の方法により得られた4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル(135mg)をダイセル製CHIRALPAKTM OJ−H(2cm×25cm:移動相;エタノール)にて分取し、保持時間36分の4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステルの光学活性体の粗精製物58mgを得た。上記の操作により得られた4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステルの粗精製物(13mg)のメタノール(2mL)溶液に、水酸化ナトリウム(1N 水溶液,100μL)を加え、その反応液を室温で51時間撹拌した。反応液に水酸化ナトリウム(1N 水溶液,100μL)を加え、その反応液を室温で更に21.5時間撹拌した。反応液に塩酸(2N 水溶液,100μL)を加え、減圧下溶媒を留去した。残渣にトルエンを加え、その混合物を減圧下濃縮乾固させた。得られた残渣のDMF(2mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(200μL)、PIERCE製EZ−LINKTM BIOTIN PEO−AMINE(18mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(10mg)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩(14mg)を順次加え、その反応液を室温で65時間撹拌した。反応液を濾過後、濾液をLC−MSで精製した。得られた粗精製物を少量の飽和重曹水で中和し、少量のメタノールを加えたクロロホルムで3回抽出した。得られた有機層を濃縮することにより、標題化合物9.4mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z454[1/2M++H].
実施例28
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{3−{4−{(R)−4−{2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{3−{4−{(R)−4−{2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
4−(4−ブロモフェニル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソランの合成
1−(4−ブロモフェニル)エタン−1,2−ジオール(3.8g;CAS92093−23−7)のDMF(30mL)溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(2mL)とp−トルエンスルホン酸1水和物(306mg)を加えた。その反応液を室温で18時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で精製し、標題化合物を3.63g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.48(s,3H),1.54(s,3H),3.65(dd,J=8.0,7.6Hz,1H),4.29(dd,J=8.0,6.0Hz,1H),5.02(dd,J=7.6,6.0Hz,1H),7.24(m,2H),7.47(m,2H).
[4−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノンの合成
マグネシウム(340mg)のTHF(10mL)懸濁液に、4−(4−ブロモフェニル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン(3.6g)のTHF(18mL)溶液を室温で18分かけて滴下した。その混合液を80度で2時間加熱還流した後、室温に戻すことにより、約0.5Mのグリニア試薬を調整した。次にそのグリニア試薬(28mL)THF溶液にビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(2.64mL)を0℃で滴下し、その混合液を0℃で15分間攪拌した。その混合液に、4−ヨード塩化ベンゾイル(3.54g)のTHF(12mL)溶液を0℃で20分かけて滴下し、その反応液を0℃で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で粗精製した後、結晶化(ヘプタン−酢酸エチル系)させ、標題化合物を1.57g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.51(s,3H),1.57(s,3H),3.73(t,J=8.0Hz,1H),4.37(dd,J=8.0,6.4Hz,1H),5.15(dd,J=8.0,6.4Hz,1H),7.46−7.51(m,4H),7.76(m,2H),7.84(m,2H).
マグネシウム(340mg)のTHF(10mL)懸濁液に、4−(4−ブロモフェニル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン(3.6g)のTHF(18mL)溶液を室温で18分かけて滴下した。その混合液を80度で2時間加熱還流した後、室温に戻すことにより、約0.5Mのグリニア試薬を調整した。次にそのグリニア試薬(28mL)THF溶液にビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル(2.64mL)を0℃で滴下し、その混合液を0℃で15分間攪拌した。その混合液に、4−ヨード塩化ベンゾイル(3.54g)のTHF(12mL)溶液を0℃で20分かけて滴下し、その反応液を0℃で1時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘプタン−酢酸エチル系)で粗精製した後、結晶化(ヘプタン−酢酸エチル系)させ、標題化合物を1.57g得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.51(s,3H),1.57(s,3H),3.73(t,J=8.0Hz,1H),4.37(dd,J=8.0,6.4Hz,1H),5.15(dd,J=8.0,6.4Hz,1H),7.46−7.51(m,4H),7.76(m,2H),7.84(m,2H).
[4−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノンの合成
[4−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(1g)のTHF(12mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)と水(3mL)を加えた。その反応液を室温で12時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を、水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をヘプタン−酢酸エチル系で結晶化させ、濾別して、標題化合物を884.3mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.03(brs,1H),2.65(d,J=3.6Hz,1H),3.68(m,1H),3.84(m,1H),4.92(brd,J=7.6Hz,1H),7.48−7.52(m,4H),7.78(m,2H),7.84(m,2H).
[4−(2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4−イル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(1g)のTHF(12mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)と水(3mL)を加えた。その反応液を室温で12時間撹拌した後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を、水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をヘプタン−酢酸エチル系で結晶化させ、濾別して、標題化合物を884.3mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):2.03(brs,1H),2.65(d,J=3.6Hz,1H),3.68(m,1H),3.84(m,1H),4.92(brd,J=7.6Hz,1H),7.48−7.52(m,4H),7.78(m,2H),7.84(m,2H).
[4−(1−アミノ−2−ヒドロキシエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノンの合成
[4−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(400mg)のアセトニトリル(5mL)溶液に、硫酸(0.569mL)を加え、その反応液を100度で2時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、水(8mL)を加え、さらに100度で2時間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、アルカリ性になるまで、反応液に5N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。この混合物にジエチルエーテルを加え、有機層を分配した。得られた水層にジクロロメタンを加えて有機層を分配した。集められた有機層(ジクロロメタン)を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮することにより、標題化合物を144.9mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.94(brs,2H),3.59(dd,J=10.4,7.6Hz,1H),3.79(dd,J=10.4,4.4Hz,1H),4.12(dd,J=7.6,4.4Hz,1H),7.44−7.52(m,4H),7.75(m,2H),7.84(m,2H).
[4−(1,2−ジヒドロキシエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(400mg)のアセトニトリル(5mL)溶液に、硫酸(0.569mL)を加え、その反応液を100度で2時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、水(8mL)を加え、さらに100度で2時間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、アルカリ性になるまで、反応液に5N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。この混合物にジエチルエーテルを加え、有機層を分配した。得られた水層にジクロロメタンを加えて有機層を分配した。集められた有機層(ジクロロメタン)を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮することにより、標題化合物を144.9mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.94(brs,2H),3.59(dd,J=10.4,7.6Hz,1H),3.79(dd,J=10.4,4.4Hz,1H),4.12(dd,J=7.6,4.4Hz,1H),7.44−7.52(m,4H),7.75(m,2H),7.84(m,2H).
(S)−5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−4−メチル吉草酸 {2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}アミドの合成
(S)−5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−4−吉草酸 塩酸塩(150mg)と[4−(1−アミノ−2−ヒドロキシエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(144mg)のDMF(5mL)溶液に、EDC(224mg)、HOBT(158mg)およびIPEA(0.339mL)を順次加え、その反応溶液を室温で12時間攪拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物を200.1mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z 698[M++H].
(S)−5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−4−吉草酸 塩酸塩(150mg)と[4−(1−アミノ−2−ヒドロキシエチル)フェニル]−(4−ヨードフェニル)メタノン(144mg)のDMF(5mL)溶液に、EDC(224mg)、HOBT(158mg)およびIPEA(0.339mL)を順次加え、その反応溶液を室温で12時間攪拌した。反応液に酢酸エチルおよび水を加え、有機層を分配した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物を200.1mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z 698[M++H].
(S)−1−{(R)−2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチルピペリジン−2−オンおよび(S)−1−{(S)−2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチルピペリジン−2−オンの合成
(S)−5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−4−メチル吉草酸 {2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}アミド(200mg)のDMF(3mL)溶液を0℃に冷却し、その反応液に水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有、17.2mg)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。この反応液に水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することによりラセミ体を108mg得た。得られたラセミ体(108mg)をダイセル製CHIRALCELTM OD−H(2cm×25cm:移動相;エタノール)にて分取し、保持時間14.7分の表題光学活性体(28.5mg;>99%ee)および保持時間27.1分の標題光学活性体(23.6mg;>99%ee)を得た。保持時間14.7分の表題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.00(d,J=6.4Hz,3H),1.95(m,1H),2.30(s,3H),2.40(ddd,J=15.6,12.0,2.8Hz,1H),2.98(dd,J=15.6,4.0Hz,1H),3.16(m,2H),3.85(s,3H),4.20(dd,J=12.0,9.2Hz,1H),4.30(dd,J=12.0,5.2Hz,1H),6.00(dd,J=8.4,5.2Hz,1H),6.93(s,1H),7.01(s,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,2H),7.44(d,J=8.4Hz,2H),7.51(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.72(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.83(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.87(s,1H).
保持時間27.1分の表題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.95(d,J=6.8Hz,3H),2.06(m,1H),2.30(s,3H),2.36(m,1H),2.82(dd,J=12.4,9.6Hz,1H),2.97(dd,J=16.0,4.0Hz,1H),3.28(dd,J=12.4,6.4Hz,1H),3.85(s,3H),4.25(m,2H),5.83(t,J=6.4Hz,1H),6.93(s,1H),7.01(s,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,2H),7.45(d,J=8.4Hz,2H),7.51(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.72(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.84(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.88(s,1H).
(S)−5−クロロ−2−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−4−メチル吉草酸 {2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}アミド(200mg)のDMF(3mL)溶液を0℃に冷却し、その反応液に水素化ナトリウム(60%ミネラルオイル含有、17.2mg)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。この反応液に水と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することによりラセミ体を108mg得た。得られたラセミ体(108mg)をダイセル製CHIRALCELTM OD−H(2cm×25cm:移動相;エタノール)にて分取し、保持時間14.7分の表題光学活性体(28.5mg;>99%ee)および保持時間27.1分の標題光学活性体(23.6mg;>99%ee)を得た。保持時間14.7分の表題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.00(d,J=6.4Hz,3H),1.95(m,1H),2.30(s,3H),2.40(ddd,J=15.6,12.0,2.8Hz,1H),2.98(dd,J=15.6,4.0Hz,1H),3.16(m,2H),3.85(s,3H),4.20(dd,J=12.0,9.2Hz,1H),4.30(dd,J=12.0,5.2Hz,1H),6.00(dd,J=8.4,5.2Hz,1H),6.93(s,1H),7.01(s,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,2H),7.44(d,J=8.4Hz,2H),7.51(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.72(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.83(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.87(s,1H).
保持時間27.1分の表題光学活性体の物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):0.95(d,J=6.8Hz,3H),2.06(m,1H),2.30(s,3H),2.36(m,1H),2.82(dd,J=12.4,9.6Hz,1H),2.97(dd,J=16.0,4.0Hz,1H),3.28(dd,J=12.4,6.4Hz,1H),3.85(s,3H),4.25(m,2H),5.83(t,J=6.4Hz,1H),6.93(s,1H),7.01(s,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=8.4Hz,2H),7.45(d,J=8.4Hz,2H),7.51(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.72(s,1H),7.77(d,J=8.4Hz,2H),7.84(dd,J=8.4,2.0Hz,2H),7.88(s,1H).
(E)−3−{4−{4−{(R)2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステルの合成
(S)−1−{(R)−2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチルピペリジン−2−オン(107mg)、アクリル酸ターシャリブチルエステル(236uL)およびTEA(67.8uL)のDMF(3mL)溶液に、酢酸パラジウム(7.27mg)およびトリオルトトリルホスフィン(19.7mg)を順次加え、その混合物を窒素気流下70℃で3時間攪拌した。その混合物を室温に戻した後、飽和塩化アンモニア水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物を85.7mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.00(d,J=6.4Hz,3H),1.55(s,9H),1.94(m,1H),2.30(s,3H),2.40(m,1H),2.98(dd,J=15.2,3.6Hz,1H),3.16(d,J=8.0Hz,2H),3.85(s,3H),4.21(dd,J=12.0,9.2Hz,1H),4.31(dd,J=12.0,5.2Hz,1H),6.00(dd,J=8.4,4.8Hz,1H),6.86(d,J=16.4Hz,1H),6.93(s,1H),7.01(s,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=7.2Hz,2H),7.44(d,J=8.4Hz,2H),7.59(d,J=8.4Hz,2H),7.61(d,J=16.4Hz,1H),7.72(s,1H),7.77−7.81(m,4H),7.88(s,1H).
(S)−1−{(R)−2−ヒドロキシ−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチルピペリジン−2−オン(107mg)、アクリル酸ターシャリブチルエステル(236uL)およびTEA(67.8uL)のDMF(3mL)溶液に、酢酸パラジウム(7.27mg)およびトリオルトトリルホスフィン(19.7mg)を順次加え、その混合物を窒素気流下70℃で3時間攪拌した。その混合物を室温に戻した後、飽和塩化アンモニア水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分配した。得られた有機層を水および飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(担体:クロマトレックスNH;溶出溶媒:酢酸エチル)で精製することにより、標題化合物を85.7mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.00(d,J=6.4Hz,3H),1.55(s,9H),1.94(m,1H),2.30(s,3H),2.40(m,1H),2.98(dd,J=15.2,3.6Hz,1H),3.16(d,J=8.0Hz,2H),3.85(s,3H),4.21(dd,J=12.0,9.2Hz,1H),4.31(dd,J=12.0,5.2Hz,1H),6.00(dd,J=8.4,4.8Hz,1H),6.86(d,J=16.4Hz,1H),6.93(s,1H),7.01(s,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),7.25(d,J=7.2Hz,2H),7.44(d,J=8.4Hz,2H),7.59(d,J=8.4Hz,2H),7.61(d,J=16.4Hz,1H),7.72(s,1H),7.77−7.81(m,4H),7.88(s,1H).
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {2−{3−{4−{(R)−4−{2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ}エチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
(E)−3−{4−{4−{(R)2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステル(15mg)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(0.8mL)溶液に、ビオチン−エチレンジアミン臭化水素酸塩(13.1mg)、EDC(13.1mg)、HOBT(9.2mg)およびIPEA(0.2mL)を順次加え、その反応液を室温で6時間撹拌した。この反応液をLC−MS(溶出溶媒:水−アセトニトリル−トリフルオロ酢酸系)で精製することにより、標題化合物を10.6mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.03(d,J=6.8Hz,3H),1.40−1.46(m,2H),1.53−1.74(m,4H),1.93(m,1H),2.22(m,2H),2.44(s,3H),2.50(m,1H),2.66(d,J=12.4Hz,1H),2.86(dd,J=12.4,5.6Hz,1H),2.97(m,1H),3.15(m,1H),3.25−3.31(m,3H),3.35−3.39(m,2H),3.43−3.46(m,2H),3.95(s,3H),4.12−4.24(m,3H),6.01(dd,J=8.8,5.6Hz,1H),6.74(d,J=16.0Hz,1H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.31(s,1H),7.51−7.64(m,6H),7.70−7.82(m,6H),9.15(s,1H).
ESI−MS;m/z 874[M++H].
(E)−3−{4−{4−{(R)2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステル(15mg)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、トルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(0.8mL)溶液に、ビオチン−エチレンジアミン臭化水素酸塩(13.1mg)、EDC(13.1mg)、HOBT(9.2mg)およびIPEA(0.2mL)を順次加え、その反応液を室温で6時間撹拌した。この反応液をLC−MS(溶出溶媒:水−アセトニトリル−トリフルオロ酢酸系)で精製することにより、標題化合物を10.6mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.03(d,J=6.8Hz,3H),1.40−1.46(m,2H),1.53−1.74(m,4H),1.93(m,1H),2.22(m,2H),2.44(s,3H),2.50(m,1H),2.66(d,J=12.4Hz,1H),2.86(dd,J=12.4,5.6Hz,1H),2.97(m,1H),3.15(m,1H),3.25−3.31(m,3H),3.35−3.39(m,2H),3.43−3.46(m,2H),3.95(s,3H),4.12−4.24(m,3H),6.01(dd,J=8.8,5.6Hz,1H),6.74(d,J=16.0Hz,1H),7.22(d,J=8.0Hz,1H),7.31(s,1H),7.51−7.64(m,6H),7.70−7.82(m,6H),9.15(s,1H).
ESI−MS;m/z 874[M++H].
実施例29
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {5−{3−{4−{(R)−4−{2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ペンチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {5−{3−{4−{(R)−4−{2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ペンチル}アミド トリフルオロ酢酸塩
(E)−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステル(15mg)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣にトルエンを加え、その混合物を減圧下濃縮した。残渣のDMF(0.8mL)溶液に、5−(ビオチンアミド)ペンチルアミン(14.9mg)、EDC(13.1mg)、HOBT(9.2mg)およびIPEA(0.2mL)を順次加え、その反応液を室温で15時間撹拌した。この反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物を10.1mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.03(d,J=6.4Hz,3H),1.36−1.46(m,5H),1.52−1.73(m,9H),1.94(m,1H),2.20(t,J=7.2Hz,2H),2.44(s,3H),2.50(m,1H),2.68(d,J=12.4Hz,1H),2.86−3.02(m,3H),3.13−3.23(m,4H),3.95(s,3H),4.14(dd,J=11.2,9.2Hz,1H),4.22(dd,J=11.2,5.6Hz,1H),4.22−4.30(m,1H),4.45−4.49(m,1H),6.01(dd,J=9.2,5.6Hz,1H),6.74(d,J=16.0Hz,1H),7.22(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.31(d,J=1.2Hz,1H),7.51−7.64(m,6H),7.70−7.82(m,6H),9.15(s,1H).
ESI−MS;m/z 916[M++H].
実施例30
(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド トリフルオロ酢酸塩の合成
(E)−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリル酸 ターシャリブチルエステル(22mg)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加え、反応液を室温で1時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣にトルエンを加え、再度減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(1mL)溶液に、1−アミノ−11−アジド−3,6,9−トリオキサウンデカン(14.5mg)、EDC(19.2mg)、HOBT(13.5mg)およびIPEA(0.25mL)を順次加え、その反応液を室温で12時間撹拌した。この反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物を19.8mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.03(d,J=6.8Hz,3H),1.94(m,1H),2.44(s,3H),2.50(m,1H),2.98(m,1H),3.16(m,1H),3.35(m,3H),3.45−3.55(m,3H),3.58−3.75(m,12H),3.95(s,3H),4.14(dd,J=11.6,9.2Hz,1H),4.22(dd,J=11.6,5.2Hz,1H),6.01(dd,J=9.2,5.2Hz,1H),6.78(d,J=16.0Hz,1H),7.21(dd,J=8.0,0.8Hz,1H),7.30(d,J=0.8Hz,1H),7.50−7.65(m,6H),7.69−7.85(m,6H),9.15(s,1H).
ESI−MS;m/z 806[M++H].
実施例31
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {1−{2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}アミド}−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド トリフルオロ酢酸塩
(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド トリフルオロ酢酸塩(13.7mg)のTHF(2mL)溶液に、室温でトリフェニルホスフィン(5.9mg)と水(0.1mL)を加え、その混合物を80℃で2時間加熱攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣にトルエンを加え、再度その混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(0.5mL)溶液に、IPEA(0.05mL)およびN−ヒドロキシスクシンイミドビオチン(10.2mg)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。原料の残存を確認後、再びN−ヒドロキシスクシンイミドビオチン(10.2mg)を反応液に加え、その反応液を室温で12時間攪拌した。この反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物を5.1mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.03(d,J=6.8Hz,3H),1.42−1.48(m,3H),1.55−1.77(m,5H),1.94(m,1H),2.44(s,3H),2.50(m,1H),2.96(m,1H),3.14(m,1H),3.34−3.44(m,5H),3.45−3.56(m,5H),3.58−3.72(m,12H),3.95(s,3H),4.15(dd,J=11.6,9.2Hz,1H),4.23(dd,J=11.6,5.2Hz,1H),6.01(dd,J=9.2,5.2Hz,1H),6.78(d,J=15.6Hz,1H),7.21(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.30(d,J=1.2Hz,1H),7.50−7.61(m,6H),7.70−7.86(m,6H),9.15(s,1H).
ESI−MS;m/z 504[1/2M++H].
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {1−{2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}アミド}−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド トリフルオロ酢酸塩
(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン}−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド トリフルオロ酢酸塩(13.7mg)のTHF(2mL)溶液に、室温でトリフェニルホスフィン(5.9mg)と水(0.1mL)を加え、その混合物を80℃で2時間加熱攪拌した。反応液を減圧下濃縮した後、残渣にトルエンを加え、再度その混合物を減圧下濃縮した。得られた残渣のDMF(0.5mL)溶液に、IPEA(0.05mL)およびN−ヒドロキシスクシンイミドビオチン(10.2mg)を加え、その反応液を室温で1時間攪拌した。原料の残存を確認後、再びN−ヒドロキシスクシンイミドビオチン(10.2mg)を反応液に加え、その反応液を室温で12時間攪拌した。この反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物を5.1mg得た。このものの物性値は以下の通りである。
1H−NMR(CD3OD)δ(ppm):1.03(d,J=6.8Hz,3H),1.42−1.48(m,3H),1.55−1.77(m,5H),1.94(m,1H),2.44(s,3H),2.50(m,1H),2.96(m,1H),3.14(m,1H),3.34−3.44(m,5H),3.45−3.56(m,5H),3.58−3.72(m,12H),3.95(s,3H),4.15(dd,J=11.6,9.2Hz,1H),4.23(dd,J=11.6,5.2Hz,1H),6.01(dd,J=9.2,5.2Hz,1H),6.78(d,J=15.6Hz,1H),7.21(dd,J=8.0,1.2Hz,1H),7.30(d,J=1.2Hz,1H),7.50−7.61(m,6H),7.70−7.86(m,6H),9.15(s,1H).
ESI−MS;m/z 504[1/2M++H].
実施例32
1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−{3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオニル}ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン トリフルオロ酢酸塩の合成
1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−{3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオニル}ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン トリフルオロ酢酸塩の合成
3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−{4−{4−[(E)−3−オキソ−3−ピペラジン−1−イルプロペニル]ベンゾイル}フェニル}エチル}ピペリジン−2−オン 二トリフルオロ酢酸塩(20mg)と3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオン酸 2,5−ジオキソピロリジン−1−イル エステル(5mg)のDMF(0.5mL)溶液に、IPEA(0.05mL)を加え、その反応液を室温で6時間攪拌した。反応液をLC−MSで精製することにより、標題化合物12mgを得た。このものの物性値は以下の通りである。
ESI−MS;m/z955[M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.68(d,J=7.2Hz,3H),1.72−1.85(m,1H),1.87−2.00(m,1H),2.46(s,3H),2.77−2.91(m,4H),3.03−3.12(m,1H),3.31−3.44(m,3H),3.56−3.77(m,8H),3.96(s,3H),6.22(q,J=7.2Hz,1H),6.31(d,J=4.0Hz,1H),6.34−6.42(m,1H),6.88(d,J=4.0Hz,1H),6.96(d,J=4.4Hz,1H),7.04(brd,J=15.6Hz,1H),7.08−7.24(m,5H),7.39(brs,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.66(d,J=15.6Hz,1H),7.71(d,J=8.0Hz,2H),7.80(brs,1H),7.81(d,J=8.0Hz,2H),7.83(d,J=8.0Hz,2H),8.96(d,J=1.6Hz,1H),10.5(brs,1H).
ESI−MS;m/z955[M++H].1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):1.68(d,J=7.2Hz,3H),1.72−1.85(m,1H),1.87−2.00(m,1H),2.46(s,3H),2.77−2.91(m,4H),3.03−3.12(m,1H),3.31−3.44(m,3H),3.56−3.77(m,8H),3.96(s,3H),6.22(q,J=7.2Hz,1H),6.31(d,J=4.0Hz,1H),6.34−6.42(m,1H),6.88(d,J=4.0Hz,1H),6.96(d,J=4.4Hz,1H),7.04(brd,J=15.6Hz,1H),7.08−7.24(m,5H),7.39(brs,1H),7.47(d,J=8.0Hz,1H),7.50(d,J=8.0Hz,2H),7.66(d,J=15.6Hz,1H),7.71(d,J=8.0Hz,2H),7.80(brs,1H),7.81(d,J=8.0Hz,2H),7.83(d,J=8.0Hz,2H),8.96(d,J=1.6Hz,1H),10.5(brs,1H).
試験例1
ラット胎仔脳由来神経細胞培養におけるAβペプチド定量
(1)ラット初代神経細胞の培養
胎生18日齢のWistar系ラット(日本チャールス・リバー株式会社,神奈川)より大脳皮質由来神経細胞を単離し培養に供した。具体的には、エーテル麻酔下、妊娠ラットより無菌的に胎仔を摘出した。胎仔より全脳を摘出し、氷冷Leibovitz’s L−15 medium(Invitrogen社,Carlsbad,CA,USA,カタログ番号11415−064あるいはSigma−Aldrich社,St.Louis,MO,USA,カタログ番号L1518など)に浸した。その摘出脳から、実体顕微鏡下で大脳皮質を分離した。分離した大脳皮質組織片を、0.25% トリプシン(Invitrogen社,カタログ番号15050−065)および150unit/mL DNase I(Sigma−Aldrich社,カタログ番号D5025)を含有する酵素溶液中で、37℃、30分間処理することにより、細胞を分散させた。この際、酵素反応は同量の非働化済みウマ血清を加えることにより停止させた。この酵素処理溶液を1,500rpmにて5分間遠心分離し、上清を除いた。得られた細胞塊に培地を5〜10mL加えた。培地は、NeurobasalTM medium(Invitrogen社,カタログ番号21103−049)に2% B−27 supplement(Invitrogen社,カタログ番号17504−044)と25μM 2−メルカプトエタノール(以下2−ME,和光純薬工業株式会社,大阪,カタログ番号139−06861)と0.5mM L−グルタミン(Invitrogen社,カタログ番号25030−081)および1% antibiotic―antimycotic溶液(Invitrogen社,カタログ番号15240−062)を添加したもの(Neurobasal/B−27/2−ME培地)を用いた。但し、アッセイの際は、2−MEのみを添加しない培地(Neurobasal/B−27培地)を用いた。培地が加えられた細胞塊を、緩やかにピペッティングすることにより、細胞を再分散させた。この細胞分散液を、40μmナイロンメッシュ(セルストレイナー,Becton Dickinson Labware社,Franklin Lakes,NJ,USA,カタログ番号35−2340)でろ過し、細胞塊を除くことにより、神経細胞懸濁液を得た。この神経細胞懸濁液を培地にて希釈し、予めpoly−L−lysineあるいはpoly−D−lysineにてコーティングされた96穴培養プレート(以下の方法で96穴培養プレート(Becton Dickinson Labware社,カタログ番号35−3075)にpoly−L−lysineコートを施したもの、あるいはBiocoatTM cell environments poly−D−lysine cell ware 96−well plate(Becton Dickinson Labware社,カタログ番号35−6461))に初期細胞密度が5×105cells/cm2になるように100μL/wellにて播種した。Poly−L−lysineコーティングは以下のように行った。150mM ホウ酸buffer(pH 8.5)を用いて100μg/mLのpoly−L−lysine(Sigma−Aldrich社,カタログ番号P2636)溶液を無菌的に調製した。その溶液を100μL/wellにて96穴培養プレートに添加し、室温、1時間以上、あるいは4℃、一晩以上、インキュベートした。その後、コーティングした96穴培養プレートは、滅菌水を用いて4回以上洗浄した後、乾燥させるか、あるいは無菌リン酸緩衝食塩水あるいは培地などを用いてすすいだ後に、細胞播種に用いた。播種した細胞は、37℃、5% CO2インキュベーター中にて1日間培養した後、培養上清全量を新鮮なNeurobasal/B−27/2−ME培地と交換し、引き続き3日間培養した。
ラット胎仔脳由来神経細胞培養におけるAβペプチド定量
(1)ラット初代神経細胞の培養
胎生18日齢のWistar系ラット(日本チャールス・リバー株式会社,神奈川)より大脳皮質由来神経細胞を単離し培養に供した。具体的には、エーテル麻酔下、妊娠ラットより無菌的に胎仔を摘出した。胎仔より全脳を摘出し、氷冷Leibovitz’s L−15 medium(Invitrogen社,Carlsbad,CA,USA,カタログ番号11415−064あるいはSigma−Aldrich社,St.Louis,MO,USA,カタログ番号L1518など)に浸した。その摘出脳から、実体顕微鏡下で大脳皮質を分離した。分離した大脳皮質組織片を、0.25% トリプシン(Invitrogen社,カタログ番号15050−065)および150unit/mL DNase I(Sigma−Aldrich社,カタログ番号D5025)を含有する酵素溶液中で、37℃、30分間処理することにより、細胞を分散させた。この際、酵素反応は同量の非働化済みウマ血清を加えることにより停止させた。この酵素処理溶液を1,500rpmにて5分間遠心分離し、上清を除いた。得られた細胞塊に培地を5〜10mL加えた。培地は、NeurobasalTM medium(Invitrogen社,カタログ番号21103−049)に2% B−27 supplement(Invitrogen社,カタログ番号17504−044)と25μM 2−メルカプトエタノール(以下2−ME,和光純薬工業株式会社,大阪,カタログ番号139−06861)と0.5mM L−グルタミン(Invitrogen社,カタログ番号25030−081)および1% antibiotic―antimycotic溶液(Invitrogen社,カタログ番号15240−062)を添加したもの(Neurobasal/B−27/2−ME培地)を用いた。但し、アッセイの際は、2−MEのみを添加しない培地(Neurobasal/B−27培地)を用いた。培地が加えられた細胞塊を、緩やかにピペッティングすることにより、細胞を再分散させた。この細胞分散液を、40μmナイロンメッシュ(セルストレイナー,Becton Dickinson Labware社,Franklin Lakes,NJ,USA,カタログ番号35−2340)でろ過し、細胞塊を除くことにより、神経細胞懸濁液を得た。この神経細胞懸濁液を培地にて希釈し、予めpoly−L−lysineあるいはpoly−D−lysineにてコーティングされた96穴培養プレート(以下の方法で96穴培養プレート(Becton Dickinson Labware社,カタログ番号35−3075)にpoly−L−lysineコートを施したもの、あるいはBiocoatTM cell environments poly−D−lysine cell ware 96−well plate(Becton Dickinson Labware社,カタログ番号35−6461))に初期細胞密度が5×105cells/cm2になるように100μL/wellにて播種した。Poly−L−lysineコーティングは以下のように行った。150mM ホウ酸buffer(pH 8.5)を用いて100μg/mLのpoly−L−lysine(Sigma−Aldrich社,カタログ番号P2636)溶液を無菌的に調製した。その溶液を100μL/wellにて96穴培養プレートに添加し、室温、1時間以上、あるいは4℃、一晩以上、インキュベートした。その後、コーティングした96穴培養プレートは、滅菌水を用いて4回以上洗浄した後、乾燥させるか、あるいは無菌リン酸緩衝食塩水あるいは培地などを用いてすすいだ後に、細胞播種に用いた。播種した細胞は、37℃、5% CO2インキュベーター中にて1日間培養した後、培養上清全量を新鮮なNeurobasal/B−27/2−ME培地と交換し、引き続き3日間培養した。
(2)化合物添加
培養4日目に薬物添加を以下の通りに行った。培養上清全量を抜き取り、Neurobasal/B−27培地を180μL/well加えた。試験化合物のジメチルスルホキシド(以下DMSO)溶液をNeurobasal/B−27培地にて最終濃度の10倍になるように希釈した。この希釈液を20μL/well添加し、よく混和した。最終DMSO濃度は1%以下とした。また対照群にはDMSOのみを添加した。
培養4日目に薬物添加を以下の通りに行った。培養上清全量を抜き取り、Neurobasal/B−27培地を180μL/well加えた。試験化合物のジメチルスルホキシド(以下DMSO)溶液をNeurobasal/B−27培地にて最終濃度の10倍になるように希釈した。この希釈液を20μL/well添加し、よく混和した。最終DMSO濃度は1%以下とした。また対照群にはDMSOのみを添加した。
(3)サンプリング
化合物添加後3日間培養し、培養上清全量を回収した。得られた培養上清は、Aβx−42測定用ELISAサンプルとして、希釈せずにELISAに供した。
化合物添加後3日間培養し、培養上清全量を回収した。得られた培養上清は、Aβx−42測定用ELISAサンプルとして、希釈せずにELISAに供した。
(4)細胞生存の評価
細胞生存は以下の方法でMTTアッセイにより評価した。培養上清回収後のwellに37℃に温めた培地を100μL/well加え、さらにDulbecco’s phosphate buffered saline(以下D−PBS(−),Sigma−Aldrich社,カタログ番号D8537)に溶解した8mg/mLのMTT(Sigma−Aldrich社,カタログ番号M2128)溶液を8μL/wellにて添加した。この96穴培養プレートを、37℃、5% CO2インキュベーター中にて20分間インキュベートした。そこへMTT溶解バッファーを100μL/well加え、37℃、5% CO2インキュベーター中にてMTTフォルマザン結晶をよく溶解させた後、各wellの550nmの吸光度を測定した。MTT溶解バッファーは以下の通りに調製した。N,N’−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社,カタログ番号045−02916)と蒸留水を250mLずつ混合した溶液に、100g ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム,以下SDS,和光純薬工業株式会社,カタログ番号191−07145)を溶解した。さらに、この溶液に濃塩酸および酢酸をそれぞれ350μL添加することにより、溶液の最終pHを約4.7に調整した。
測定の際、細胞を播種しないwellに培地とMTT溶液のみを加えたものをバックグラウンドとして設定した。各測定値は、以下の数式に従い、バックグラウンドを差し引き、対照群(薬物処理しなかった群)に対する比率(% of CTRL)を算出し、細胞生存活性を比較・評価した。
細胞生存は以下の方法でMTTアッセイにより評価した。培養上清回収後のwellに37℃に温めた培地を100μL/well加え、さらにDulbecco’s phosphate buffered saline(以下D−PBS(−),Sigma−Aldrich社,カタログ番号D8537)に溶解した8mg/mLのMTT(Sigma−Aldrich社,カタログ番号M2128)溶液を8μL/wellにて添加した。この96穴培養プレートを、37℃、5% CO2インキュベーター中にて20分間インキュベートした。そこへMTT溶解バッファーを100μL/well加え、37℃、5% CO2インキュベーター中にてMTTフォルマザン結晶をよく溶解させた後、各wellの550nmの吸光度を測定した。MTT溶解バッファーは以下の通りに調製した。N,N’−ジメチルホルムアミド(和光純薬工業株式会社,カタログ番号045−02916)と蒸留水を250mLずつ混合した溶液に、100g ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム,以下SDS,和光純薬工業株式会社,カタログ番号191−07145)を溶解した。さらに、この溶液に濃塩酸および酢酸をそれぞれ350μL添加することにより、溶液の最終pHを約4.7に調整した。
測定の際、細胞を播種しないwellに培地とMTT溶液のみを加えたものをバックグラウンドとして設定した。各測定値は、以下の数式に従い、バックグラウンドを差し引き、対照群(薬物処理しなかった群)に対する比率(% of CTRL)を算出し、細胞生存活性を比較・評価した。
% of CTRL=(A550_sample−A550_bkg)/(A550_CTRL−A550_bkg)×100
(A550_sample:サンプルwellの550nm吸光度、A550_bkg:バックグラウンドwellの550nm吸光度、A550_CTRL:対照群wellの550nm吸光度)
(A550_sample:サンプルwellの550nm吸光度、A550_bkg:バックグラウンドwellの550nm吸光度、A550_CTRL:対照群wellの550nm吸光度)
(5)Aβ42 ELISA
Aβ42 ELISAは、株式会社免疫生物研究所(群馬)のHuman Amyloid beta (1−42)Assay Kit (カタログ番号17711または27711)、あるいは和光純薬工業株式会社(大阪)のHuman/Rat βAmyloid(42)ELISA Kit Wako (カタログ番号290−62601)を用いた。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。但しAβ42検量線は、ラットAβ1−42ペプチド(Calbiochem社,San Diego,CA,USA,カタログ番号171596)を用いて作成した。各サンプルについて対照群の培養上清中Aβ42濃度に対する百分率(% of CTRL)を算出し、続いて各試験化合物のIC50値を算出した。結果は、表1に示す。
Aβ42 ELISAは、株式会社免疫生物研究所(群馬)のHuman Amyloid beta (1−42)Assay Kit (カタログ番号17711または27711)、あるいは和光純薬工業株式会社(大阪)のHuman/Rat βAmyloid(42)ELISA Kit Wako (カタログ番号290−62601)を用いた。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。但しAβ42検量線は、ラットAβ1−42ペプチド(Calbiochem社,San Diego,CA,USA,カタログ番号171596)を用いて作成した。各サンプルについて対照群の培養上清中Aβ42濃度に対する百分率(% of CTRL)を算出し、続いて各試験化合物のIC50値を算出した。結果は、表1に示す。
(6)表1の結果から分かるように、本発明の生物学的試薬用化合物は、Aβ42産生低下作用が確認された。したがって、本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、Aβ42産生低下作用を有するので、本発明によれば、Aβ産生機構の解析に有用な試薬を、さらに特にアルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析に有用な試薬を提供することができる。
実施例33
光親和性標識実験による標的分子の同定
(1)HEK293細胞の培養
HEK293細胞(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA,カタログ番号CRL−1573)は、225cm2培養フラスコ(Corning社,Corning,NY,USA,カタログ番号3001)を用いて37℃、5% CO2インキュベーター中にて培養した。培地は、Dulbecco’s modified Eagle’s medium(Sigma−Aldrich社,カタログ番号D6429)に10% 非働化済みウシ胎児血清(JRH Biosciences社,Lenexa,KS,USA,カタログ番号12103)および1% ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(Invitrogen社,カタログ番号15140−122)を添加したものを用いた。
光親和性標識実験による標的分子の同定
(1)HEK293細胞の培養
HEK293細胞(American Type Culture Collection,Manassas,VA,USA,カタログ番号CRL−1573)は、225cm2培養フラスコ(Corning社,Corning,NY,USA,カタログ番号3001)を用いて37℃、5% CO2インキュベーター中にて培養した。培地は、Dulbecco’s modified Eagle’s medium(Sigma−Aldrich社,カタログ番号D6429)に10% 非働化済みウシ胎児血清(JRH Biosciences社,Lenexa,KS,USA,カタログ番号12103)および1% ペニシリン−ストレプトマイシン溶液(Invitrogen社,カタログ番号15140−122)を添加したものを用いた。
(2)可溶化膜画分の調製
Nature Cell Biology 2003年5巻486頁に記載の方法に準じて、HEK293細胞からその可溶化膜画分を調製した。具体的には、HEK293細胞を培養フラスコより回収し、氷冷D−PBS(−)(Invitrogen社,カタログ番号14190−144)で3回洗浄した後、1フラスコ当たり約1mLの氷冷homogenization buffer(10mM MOPS,pH 7.0,10mM KCl,Complete(Roche Diagnostics社,Penzberg,Germany,カタログ番号1697498))で懸濁した。Dounce homogenizerを用いてHEK293細胞をホモジナイズした後、1,000×gにて4℃、15分間遠心分離し、上清を分取した。この上清を100,000×gにて4℃、1時間遠心分離し、沈渣(膜画分)を分取した。この沈渣に1フラスコ当たり約50μLの氷冷lysis buffer(150mM クエン酸ナトリウム,pH 6.4,1% CHAPSO(Sigma−Aldrich社,カタログ番号C4695),Complete)を添加し、4℃、1時間緩やかに回転させて攪拌した。これを100,000×gにて4℃、1時間遠心分離し、上清(可溶化膜画分)を分取した。
Nature Cell Biology 2003年5巻486頁に記載の方法に準じて、HEK293細胞からその可溶化膜画分を調製した。具体的には、HEK293細胞を培養フラスコより回収し、氷冷D−PBS(−)(Invitrogen社,カタログ番号14190−144)で3回洗浄した後、1フラスコ当たり約1mLの氷冷homogenization buffer(10mM MOPS,pH 7.0,10mM KCl,Complete(Roche Diagnostics社,Penzberg,Germany,カタログ番号1697498))で懸濁した。Dounce homogenizerを用いてHEK293細胞をホモジナイズした後、1,000×gにて4℃、15分間遠心分離し、上清を分取した。この上清を100,000×gにて4℃、1時間遠心分離し、沈渣(膜画分)を分取した。この沈渣に1フラスコ当たり約50μLの氷冷lysis buffer(150mM クエン酸ナトリウム,pH 6.4,1% CHAPSO(Sigma−Aldrich社,カタログ番号C4695),Complete)を添加し、4℃、1時間緩やかに回転させて攪拌した。これを100,000×gにて4℃、1時間遠心分離し、上清(可溶化膜画分)を分取した。
可溶化膜画分の蛋白定量は、Micro BCATM Protein Assay Reagent Kit(Pierce Biotechnology社,Rockford,IL,USA,カタログ番号23235)を用いて行った。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。
氷冷lysis buffer中に懸濁させた50% streptavidin−agarose(ImmunoPure(登録商標)immobilized streptavidin,Pierce Biotechnology社,カタログ番号20349)を1mg膜蛋白当たり10μLの割合で可溶化膜画分に添加し、4℃、1時間以上穏やかに回転させて攪拌した。これを12,000×gにて4℃、1分間遠心分離し、上清(前処置済み可溶化膜画分)を分取した。これにlysis bufferを添加して混和し、6mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分を調製した。
氷冷lysis buffer中に懸濁させた50% streptavidin−agarose(ImmunoPure(登録商標)immobilized streptavidin,Pierce Biotechnology社,カタログ番号20349)を1mg膜蛋白当たり10μLの割合で可溶化膜画分に添加し、4℃、1時間以上穏やかに回転させて攪拌した。これを12,000×gにて4℃、1分間遠心分離し、上清(前処置済み可溶化膜画分)を分取した。これにlysis bufferを添加して混和し、6mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分を調製した。
(3)光親和性標識実験
試験化合物(実施例4および5の生物学的試薬用化合物)をDMSOにて溶解し、10mM DMSO溶液を調製した。これに4倍濃度の反応buffer(450mM クエン酸ナトリウム,pH 6.4,0.4mg/mL ウシ血清アルブミン,40mM ジチオスレイトール(以下DTT),2mg/mL L−α−ホスファチジルコリン,3× Complete)を6.25倍量、蒸留水を17.75倍量添加して混和し、最終濃度の4倍濃度(400μM)の化合物を含有する反応buffer(4倍濃度の化合物溶液)を調製した。媒体として最終濃度の4倍濃度(4%)のDMSOを含有する反応bufferを調製した。
6mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分に、4倍濃度の反応bufferを0.75倍量、蒸留水を1.25倍量添加して混和し、2mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分を含有する反応bufferを調製した。これに4倍濃度の化合物溶液あるいは媒体を1/3量添加して混和し、これを反応液とした。この反応液は、1.5mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分に加えて、100μMの化合物あるいは1% DMSOを含有する。
反応液を遮光条件下、37℃、30分間インキュベートした。光親和性標識は、Stratalinker(登録商標)2400 UV crosslinker(Stratagene社,La Jolla,CA,USA,カタログ番号400676)および5本の紫外線ランプ(15W,365nm,UVP社,Upland,CA,USA,カタログ番号34−0009−02)を用いて、氷冷条件下、90分間行った。この際、30分間毎に反応液を穏やかに攪拌した。
試験化合物(実施例4および5の生物学的試薬用化合物)をDMSOにて溶解し、10mM DMSO溶液を調製した。これに4倍濃度の反応buffer(450mM クエン酸ナトリウム,pH 6.4,0.4mg/mL ウシ血清アルブミン,40mM ジチオスレイトール(以下DTT),2mg/mL L−α−ホスファチジルコリン,3× Complete)を6.25倍量、蒸留水を17.75倍量添加して混和し、最終濃度の4倍濃度(400μM)の化合物を含有する反応buffer(4倍濃度の化合物溶液)を調製した。媒体として最終濃度の4倍濃度(4%)のDMSOを含有する反応bufferを調製した。
6mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分に、4倍濃度の反応bufferを0.75倍量、蒸留水を1.25倍量添加して混和し、2mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分を含有する反応bufferを調製した。これに4倍濃度の化合物溶液あるいは媒体を1/3量添加して混和し、これを反応液とした。この反応液は、1.5mg膜蛋白/mLの前処置済み可溶化膜画分に加えて、100μMの化合物あるいは1% DMSOを含有する。
反応液を遮光条件下、37℃、30分間インキュベートした。光親和性標識は、Stratalinker(登録商標)2400 UV crosslinker(Stratagene社,La Jolla,CA,USA,カタログ番号400676)および5本の紫外線ランプ(15W,365nm,UVP社,Upland,CA,USA,カタログ番号34−0009−02)を用いて、氷冷条件下、90分間行った。この際、30分間毎に反応液を穏やかに攪拌した。
(4)標的分子の精製
透析チューブ(SnakeSkinTM dialysis tubing,3.5K MWCO,Pierce Biotechnology社,カタログ番号68035)を用いて、光親和性標識を行った反応液を透析buffer(50mM Tris−HCl,pH 8.0,150mM NaCl,1% IGEPAL(登録商標)CA−630,0.5% デオキシコール酸ナトリウム,0.1% SDS,10mM DTT,protease inhibitor cocktail(Sigma−Aldrich社,カタログ番号P2714))に対して遮光条件下、4℃、6時間以上、2回透析した。透析済みの反応液に氷冷modified RIPA buffer(50mM Tris−HCl,pH 8.0,150mM NaCl,1% IGEPAL(登録商標)CA−630,0.5% デオキシコール酸ナトリウム,0.1% SDS,5× Complete)を0.25倍量添加し、混和した。これを1,885×gにて4℃、15分間遠心分離し、上清を分取した。この上清に1mg膜蛋白当たり約20μLの50% streptavidin−agaroseを添加し、これを遮光条件下、4℃、一晩緩やかに回転させて攪拌した。これを12,000×gにて4℃、2分間で遠心分離し、沈渣(ゲル)を分取した。ゲルを約10倍量の氷冷RIPA buffer(50mM Tris−HCl,pH 8.0,150mM NaCl,1% IGEPAL(登録商標)CA−630,0.5% デオキシコール酸ナトリウム,0.1% SDS,Complete)で3回洗浄した。洗浄後、再度12,000×gにて4℃、2分間遠心分離し、沈渣(ゲル)を分取した。ゲルに同量の溶出buffer(125mM Tris−HCl,pH 6.8,4% SDS,20% glycerol)を添加し、混和した。これを98℃、5分間加熱処理し、攪拌した後、12,000×gにて4℃、2分間遠心分離し、上清(精製物)を分取した。
透析チューブ(SnakeSkinTM dialysis tubing,3.5K MWCO,Pierce Biotechnology社,カタログ番号68035)を用いて、光親和性標識を行った反応液を透析buffer(50mM Tris−HCl,pH 8.0,150mM NaCl,1% IGEPAL(登録商標)CA−630,0.5% デオキシコール酸ナトリウム,0.1% SDS,10mM DTT,protease inhibitor cocktail(Sigma−Aldrich社,カタログ番号P2714))に対して遮光条件下、4℃、6時間以上、2回透析した。透析済みの反応液に氷冷modified RIPA buffer(50mM Tris−HCl,pH 8.0,150mM NaCl,1% IGEPAL(登録商標)CA−630,0.5% デオキシコール酸ナトリウム,0.1% SDS,5× Complete)を0.25倍量添加し、混和した。これを1,885×gにて4℃、15分間遠心分離し、上清を分取した。この上清に1mg膜蛋白当たり約20μLの50% streptavidin−agaroseを添加し、これを遮光条件下、4℃、一晩緩やかに回転させて攪拌した。これを12,000×gにて4℃、2分間で遠心分離し、沈渣(ゲル)を分取した。ゲルを約10倍量の氷冷RIPA buffer(50mM Tris−HCl,pH 8.0,150mM NaCl,1% IGEPAL(登録商標)CA−630,0.5% デオキシコール酸ナトリウム,0.1% SDS,Complete)で3回洗浄した。洗浄後、再度12,000×gにて4℃、2分間遠心分離し、沈渣(ゲル)を分取した。ゲルに同量の溶出buffer(125mM Tris−HCl,pH 6.8,4% SDS,20% glycerol)を添加し、混和した。これを98℃、5分間加熱処理し、攪拌した後、12,000×gにて4℃、2分間遠心分離し、上清(精製物)を分取した。
(5)Western blot解析
SDS sample buffer(62.5mM Tris−HCl,pH 6.8,2% SDS,10% グリセロール,0.1% ブロモフェノールブルー)を用いて調製したHEK293細胞可溶化物(5μg蛋白/レーン)、および光親和性標識実験、続いて標的分子の精製で得た精製物(9μL/レーン)を98℃、5分間加熱処理し、電気泳動に供した。電気泳動は、NuPAGE(登録商標)Novex 12% Bis−Tris gel(Invitrogen社,カタログ番号NP0343BOX)およびNuPAGE(登録商標)MES SDS running buffer(Invitrogen社,カタログ番号NP0002)、あるいはNuPAGE(登録商標)Novex 4−12% Bis−Tris gel(Invitrogen社,カタログ番号NP0323BOX)およびNuPAGE(登録商標)MOPS SDS running buffer(Invitrogen社,カタログ番号NP0001)を用いた。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。
SDS sample buffer(62.5mM Tris−HCl,pH 6.8,2% SDS,10% グリセロール,0.1% ブロモフェノールブルー)を用いて調製したHEK293細胞可溶化物(5μg蛋白/レーン)、および光親和性標識実験、続いて標的分子の精製で得た精製物(9μL/レーン)を98℃、5分間加熱処理し、電気泳動に供した。電気泳動は、NuPAGE(登録商標)Novex 12% Bis−Tris gel(Invitrogen社,カタログ番号NP0343BOX)およびNuPAGE(登録商標)MES SDS running buffer(Invitrogen社,カタログ番号NP0002)、あるいはNuPAGE(登録商標)Novex 4−12% Bis−Tris gel(Invitrogen社,カタログ番号NP0323BOX)およびNuPAGE(登録商標)MOPS SDS running buffer(Invitrogen社,カタログ番号NP0001)を用いた。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。
トランスファーは、ニトロセルロースメンブレン(Protran(登録商標)BA85,Schleicher & Schuell社,Dassel,Germany,カタログ番号10401191)、NuPAGE(登録商標)transfer buffer(Invitrogen社,カタログ番号NP0006−1)およびXcell IITM blot module(Invitrogen社,カタログ番号EI9051)を用いた。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。
メンブレンのブロッキングは、5% スキムミルク含有TTBS(20mM Tris−HCl,pH 7.6,137mM NaCl,0.1% Tween(登録商標)20)をblocking bufferとして用いて、室温にて振動させながら1時間行った。以下のγ−secretase構成成分に反応する抗体をblocking bufferにて希釈し、一次抗体溶液として用いて、メンブランを4℃にて振動させながら一晩反応させた。
メンブレンのブロッキングは、5% スキムミルク含有TTBS(20mM Tris−HCl,pH 7.6,137mM NaCl,0.1% Tween(登録商標)20)をblocking bufferとして用いて、室温にて振動させながら1時間行った。以下のγ−secretase構成成分に反応する抗体をblocking bufferにて希釈し、一次抗体溶液として用いて、メンブランを4℃にて振動させながら一晩反応させた。
A.Presenilin 1(以下PS1)N−terminal fragment(以下NTF)検出用:抗PS1/N末端抗体(免疫動物:ウサギ,使用濃度:2μg/mL,Zymed社,South San Francisco,CA,USA,カタログ番号71−1300)
B.PS1 C−terminal fragment(以下CTF)検出用:抗PS1/Loop抗体(免疫動物:ウサギ,使用濃度:2μg/mL,Zymed社,カタログ番号51−4200)
C.PS2 CTF検出用:抗PS2/Loop抗体(免疫動物:ウサギ,使用濃度:2μg/mL,Zymed社,カタログ番号34−4400)
D.Nicastrin検出用:抗Nicastrin/C末端抗体(免疫動物:ウサギ,使用濃度:1,000倍希釈,Sigma−Aldrich社,カタログ番号N1660)
E.APH−1aL検出用:抗APH−1aL/C末端抗体(免疫動物:ウサギ,使用濃度:1,000倍希釈,Covance社,Berkeley,CA,USA,カタログ番号PRB−550P)
F.PEN−2検出用:抗PEN−2/N末端抗体(免疫動物:ウサギ,使用濃度:1μg/mL,Zymed社,カタログ番号36−7100)
F.PEN−2検出用:抗PEN−2/N末端抗体(免疫動物:ウサギ,使用濃度:1μg/mL,Zymed社,カタログ番号36−7100)
メンブレンをTTBSで洗浄した後、blocking bufferにて2,000倍希釈したhorseradish peroxidase標識抗ウサギ抗体(Amersham Biosciences社,Buckinghamshire,UK,カタログ番号NA934)を二次抗体溶液として用いて、メンブレンを室温にて振動させながら1時間反応させた。メンブレンをTTBSで洗浄した後、ECLTM Western blotting detection reagents(Amersham Biosciences社,カタログ番号PRN2106)あるいはECL PlusTM Western blotting detection reagents(Amersham Biosciences社,カタログ番号PRN2132)で化学発光させ、フイルム(HyperfilmTM ECLTM,Amersham Biosciences社,カタログ番号RPN2103K)を感光させた。フイルムを現像した後、カラーイメージスキャナにてバンドをデジタル画像として取り込んだ。
分子量マーカーとしてMultiMark(登録商標)multi−colored standard(Invitrogen社,カタログ番号LC5725)あるいはFull Range RainbowTM protein molecular weight markers(Amersham Biosciences社,カタログ番号PRN800)を用いて、分子量マーカーと比較したゲル移動度から、見かけ上の分子量を見積もり、γ−secretaseの各構成成分に対応するバンドを同定した。
光親和性標識実験による標的分子の同定の結果を図1に示す。
分子量マーカーとしてMultiMark(登録商標)multi−colored standard(Invitrogen社,カタログ番号LC5725)あるいはFull Range RainbowTM protein molecular weight markers(Amersham Biosciences社,カタログ番号PRN800)を用いて、分子量マーカーと比較したゲル移動度から、見かけ上の分子量を見積もり、γ−secretaseの各構成成分に対応するバンドを同定した。
光親和性標識実験による標的分子の同定の結果を図1に示す。
(6)図1に示す結果から、実施例4の生物学的試薬用化合物が結合するγ−secretase構成成分として、PS1 NTF(図1A)が同定された。
したがって、本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、標的分子の同定に使用できるので、本発明によれば、Aβ産生機構の解析に有用な試薬を、さらに特にアルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析に有用な試薬を提供することができる。
したがって、本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、標的分子の同定に使用できるので、本発明によれば、Aβ産生機構の解析に有用な試薬を、さらに特にアルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析に有用な試薬を提供することができる。
実施例34
光親和性標識実験における競合阻害試験
(1)実施例6と同様の方法で、HEK293細胞の培養、可溶化膜画分の調製、光親和性標識実験、標的分子の精製およびWestern blot解析を行った。
但し、光親和性標識実験では実施例4の生物学的試薬用化合物およびγ−secretase阻害剤L−685,458(自社合成品)について、最終濃度の8倍濃度(800μM)の化合物を含有する反応buffer(8倍濃度の化合物溶液)を調製した。媒体として最終濃度の8倍濃度(8%)のDMSOを含有する反応bufferを調製した。これらを用いて、媒体あるいは100μM L−685,458の存在下、100μMの実施例4の生物学的試薬用化合物を用いた光親和性標識実験を行った。Western blot解析は、一次抗体として抗PS1/N末端抗体を用いて行い、PS1 NTFへの実施例4の生物学的試薬用化合物の結合に対するL−685,458の競合阻害作用を評価した。
光親和性標識実験における競合阻害試験の結果を図2に示す。
光親和性標識実験における競合阻害試験
(1)実施例6と同様の方法で、HEK293細胞の培養、可溶化膜画分の調製、光親和性標識実験、標的分子の精製およびWestern blot解析を行った。
但し、光親和性標識実験では実施例4の生物学的試薬用化合物およびγ−secretase阻害剤L−685,458(自社合成品)について、最終濃度の8倍濃度(800μM)の化合物を含有する反応buffer(8倍濃度の化合物溶液)を調製した。媒体として最終濃度の8倍濃度(8%)のDMSOを含有する反応bufferを調製した。これらを用いて、媒体あるいは100μM L−685,458の存在下、100μMの実施例4の生物学的試薬用化合物を用いた光親和性標識実験を行った。Western blot解析は、一次抗体として抗PS1/N末端抗体を用いて行い、PS1 NTFへの実施例4の生物学的試薬用化合物の結合に対するL−685,458の競合阻害作用を評価した。
光親和性標識実験における競合阻害試験の結果を図2に示す。
(2)図2に示す結果から、実施例4の生物学的試薬用化合物のPS1 NTF結合部位はγ−secretase阻害剤の結合部位とは異なることが判明した。
したがって、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、結合部位の解析に使用できるので、本発明によれば、Aβ産生機構の解析に有用な試薬を、さらに特にアルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析に有用な試薬を提供することができる。
発明の効果
したがって、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、結合部位の解析に使用できるので、本発明によれば、Aβ産生機構の解析に有用な試薬を、さらに特にアルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析に有用な試薬を提供することができる。
発明の効果
以上から明らかなとおり、本発明の式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、
Aβタンパクの生成機構に関与する標的タンパク分子の同定に使用できるので、本発明によれば、Aβ産生機構の解析に有用な試薬を、さらに特にアルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析に有用な試薬を提供することができる。また、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、アルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の結合部位の解析に使用できる。
Aβタンパクの生成機構に関与する標的タンパク分子の同定に使用できるので、本発明によれば、Aβ産生機構の解析に有用な試薬を、さらに特にアルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の作用機序の解析に有用な試薬を提供することができる。また、式(I)の生物学的試薬用化合物またはその塩は、アルツハイマー病、ダウン症等のAβが原因となる神経変性疾患の治療剤または予防剤の結合部位の解析に使用できる。
Claims (22)
- 式(I)
[式中、
Ar1は、下記置換基群A1から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいイミダゾリル基を示す;
Ar2は、下記置換基群A2から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、ピリジニル基、ピリミジニル基またはフェニル基を示し;
X1は、−C≡C−または
(ここにおいて、R2およびR3は、下記置換基群A3から選択される置換基を示し、
は単結合または二重結合を示す)を示す;
R1は、下記置換基群A4から選択される基を示し;
X2は、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基で置換されてもよい、C1−6アルキレン基(該C1−6アルキレン基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、水酸基で置換されていてもよく、また、C1−6アルキレン基上の同一炭素原子に1または2置換することができ、2つの該C1−6アルキル基は結合する炭素原子と共に環状基(該環状基の環上メチレン基が1の酸素原子で置換されてもよい)を形成することができる)を形成してもよい)、C1−6アルコキシ基、アミノ基(該アミノ基は、C1−6アルキル基で置換されてもよい)および置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)を示し;
X3は、単結合、置換基群A5から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−O−または−S−を示し;
Ar3は、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員環芳香族炭化水素基または置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員環芳香族複素環基を示し;
あるいは、
R1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、下記置換基群A4から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、式(II)
[式中、R4は置換基群A3から選択される置換基を示し;
は単結合または二重結合を示し;Z1は単結合、−CO−、−(CH2)n−(ここにおいて、nは、1ないし3の整数を示す)または−CR5R6(ここにおいて、R5およびR6は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)を示し;Z2は、単結合、−O−、−NRCO−、−CONR−、−CSNR−、−NRCS−(ここにおいて、Rは、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−S−を示し;Z3は、単結合、下記置換基群A4から選択される置換基で置換されてもよいイミノ基、−(CH2)m−(ここにおいて、mは、1ないし3の整数を示す)、−CR7R8−(ここにおいて、R7およびR8は、下記置換基群A4から選択される置換基を示す)または−O−を示し;X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される基を形成してもよい;
A1は、単結合、タンパク質標識基またはタンパク質標識基を含む基を示す;
A2は、単結合またはリンカーを示す;
A3は、単結合または開裂可能なリンカーを示す;
A4は、水素原子、フィッシングタグ基、検出可能なマーカー、固相担体または固相担体と結合させる基を示す;
置換基群A1:ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルコキシ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基およびC1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルキルカルボニル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、タンパク質標識基、タンパク質標識基を含む基、および固相担体と結合させる基;
置換基群A2:ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、C1−6アルコキシ基(該C1−6アルコキシ基は、ハロゲン原子、シアノ基、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基およびC3−8シクロアルキル基からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C3−8シクロアルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A3:ハロゲン原子、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、C1−6アルキル基(該C1−6アルキル基は、ホルミル基、ハロゲン原子、水酸基、保護基を有する水酸基、シアノ基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C1−6アルコキシ基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C1−6アルキルカルボニル基、アミノ基(該アミノ基は、1ないし5のハロゲン原子を適宜有するC1−6アルキル基で置換されてもよい)、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基および−X−A(ここにおいて、Xは、イミノ基、−O−または−S−を示し、Aは、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、6ないし14員芳香族炭化水素環基または5ないし14員芳香族複素環基を示す)からなる群から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい)、C1−6アルコキシ基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A4:水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C1−6アルコキシイミノ基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルキル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよいC1−6アルコキシ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいアミノ基、置換基群A5から選択される1ないし2の置換基で置換されてもよいカルバモイル基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員芳香族複素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい6ないし14員非芳香族炭化水素環基、置換基群A5から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい5ないし14員非芳香族複素環基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、−X−A(ここにおいて、XおよびAは、前記の意味を有する)、−CO−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)、=CH−A(ここにおいて、Aは、前記の意味を有する)、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基;
置換基群A5:水素原子、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、ニトロ基、C3−8シクロアルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルコキシ基、C3−8シクロアルキルチオ基、ホルミル基、C1−6アルキルカルボニル基、C1−6アルキルチオ基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、ヒドロキシイミノ基、C2−6アルケニルオキシ基、C2−6アルキニルオキシ基、C3−8シクロアルキルスルフィニル基、C3−8シクロアルキルスルホニル基、タンパク質標識基およびタンパク質標識基を含む基。]
で表される生物学的試薬用化合物またはその塩。 - 式(I)において、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、下記式
[式中、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する、但し、X1は、−C≡C−または−CR2=CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は二重結合を示す]で表される部分は、アミロイドベータ(Aβ)タンパクの生成を抑制する生物学的活性を発揮する、請求項1の生物学的試薬用化合物またはその塩。 - 式(II)で表される基が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R9は、置換基群A4から選択される置換基を示し、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基である、請求項1または2の生物学的試薬用化合物またはその塩。 - 式(II)で表される基が、置換基群A5から選択される1ないし4の置換基で置換されてもよい、下記式
[式中、R4、X2、X3およびAr3は、前記の意味を有する。]で表される環状基である、請求項3の生物学的試薬用化合物またはその塩。 - Ar2は、置換基群A2から選択される1ないし3の置換基で置換されてもよい、フェニル基を示す、請求項1から4のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
- 下記式
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物である、請求項1から5のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。 - タンパク質標識基が、光親和性標識基である、請求項1から6のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
- 光親和性標識基が、ベンゾイル基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基、およびニトロ基から選ばれる、請求項7の生物学的試薬用化合物またはその塩。
- A2のリンカーが、L4−L1−L2−L3−(ここにおいて、L4は置換基を有してもよいヘテロ環、C1−20アルキレン基、C2−20アルケニレン基、およびC2−20アルキニレン基、L1およびL3はそれぞれ、単結合、−O−、−S−、C1−6アルキル基で置換されてもよい、−NH−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−C(O)−または
(ここで、R11は、C1−C6アルキル基を示す)を示し;L2は、単結合、−(CH2CH2O)p−(ここで、pは1から20の整数を示す)または−(CH2CH2NH)q−(ここで、qは1から20の整数を示す)を示し;L3は、ハロゲン原子、水酸基、あるいはヘテロ環基であってもよく、L1およびL3は、隣接する基と環を形成していてもよい)である、請求項1から8のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。 - A3の開裂可能なリンカーが、−S−S−、−O−Si−O−または−糖残基−である、請求項1から9のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
- A4のフィッシングタグ基が、ビオチン、または3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3A,4A−ジアザ−4−ボラ−S−インダセン−3−イル)プロピオニル基である、請求項1から10のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
- A4の検出可能なマーカーが、放射性標識基、蛍光標識基、化学発光基、重金属イオン、アジド基またはビオチン基である、請求項1から10のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩。
- 下記の化合物からなる群から選ばれる、請求項1から12のいずれかの生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
1)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−((E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
2)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{2−{2−{2−{2−{3−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}−4−ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}エトキシ}エトキシ}エトキシ}エチル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
3)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{2−{6−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシルカルバモイル}エチルジスルファニル}エチル}アミド、
4)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−[3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル]ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
5)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {2−{3−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−3−オキソプロピルジスルファニル}エチル}アミド、
6)(3aR,6S,6aS)−6−{5−{4−{(E)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイル}ピペラジン−1−イル}−5−オキソペンチル}テトラヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−2−オン、
7)5−[(3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル]吉草酸 {1−{6−{3−{4−{4−{1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリロイルアミノ}ヘキシル}−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−イルメチル}アミド、
8)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
9)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジルアミド、
10)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
11)6−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]吉草酸 {4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルアミド、
12){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エチル}ベンズアミド、
13){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}−N−{2−{2−{2−[5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)ペンタノイルアミノ]エトキシ}エトキシ}エチル}ベンズアミド、
14)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−((R)−メトキシ)−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)]−(E)−ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}−(E)−アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
15)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [5−(3−{4−[(R)−4−(2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)ペンチル]アミド、
16)5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 {1−(2−{2−[2−(2−エトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)アミド}−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド、および
17)1−{(S)−1−{4−{4−{(E)−3−{4−{3−[4,4−ジフルオロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル]プロピオニル}ピペラジン}−1−イル}−3−オキソプロペニル}ベンゾイル}フェニル}エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン。 - 下記の化合物からなる群から選ばれる、請求項1から12のいずれかの生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
1)1−{(S)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
2)1−{(R)−1−[4−(4−ヨードベンゾイル)フェニル]エチル}−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]ピペリジン−2−オン、
3)(E)−3−{4−[4−((S)−1−{3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニルアクリル酸 ターシャリブチルエステル、
4)(E)−N−{2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル}−3−{4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
5)(E)−N−(6−アジドヘキシル)−3−{4−{4−{1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}フェニル}アクリルアミド、
6)1−{(S)−1−[4−(4−ヒドロキシメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
7){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル、
8)1−{(S)−1−[4−(4−アミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
9){4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}ベンジル}メチルカルバミン酸 tert−ブチルエステル、
10)3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−1−{(S)−1−[4−(4−メチルアミノメチルベンゾイル)フェニル]エチル}ピペリジン−2−オン、
11)1−{(S)−1−[4−(4−アジドメチルベンゾイル)フェニル]エチル}−3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}ピペリジン−2−オン、
12)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸 メチルエステル、
13)4−{4−{(S)−1−{3−{1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)−メチリデン}−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル}ベンゾイル}安息香酸、および
14)(E)−N−(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−3−{4−[4−((R)−2−ヒドロキシ−1−{(S)−3−[1−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)フェニル]−(E)―メチリデン]−5−メチル−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリルアミド。 - Aβタンパクの産生機構を解析する方法であって、
a)Aβタンパクの産生機構に関与するタンパクを含むと考えられる細胞もしくは細胞成分と、請求項1から14のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩とを接触させて、
b)請求項1から14のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩と、Aβタンパクの産生機構に関与する標的タンパクとの複合体を形成させ、次いで
c)形成された生物学的試薬用化合物と標的タンパク質の複合体を解析し、標的タンパク質を同定する
ことを含む、Aβタンパクの産生機構を解析する方法。 - 請求項1から14のいずれかの生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有する生物学的試薬用化合物またはその塩とともに、請求項1から14のいずれかの生物学的試薬用化合物あってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩とを一緒に用いて、両者の生物学的試薬用化合物またはその塩について同様の方法を行って、両者を比較して、標的タンパク質を同定することを含む、請求項15の方法。
- Aβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩が、式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩である、請求項16の方法。 - 式(I)で表される生物学的試薬用化合物または塩において、Ar1、Ar2、X1、R1、X2、X3およびAr3により構成される、Aβタンパク産生を抑制する生物学的活性を発揮する部分の標的タンパクを検索して、Aβタンパク産生の抑制機構を解析する、請求項15から17のいずれかの方法。
- 請求項1から14のいずれかの生物学的試薬用化合物またはその塩を含む、Aβタンパクの産生機構を解析するためのキット。
- 式(I)において、X1が、−CR2−CR3−を示すか、あるいはR1および−X2−X3−Ar3が、−X1−CO−Nと一緒になって、式(II)で表される基を形成する(但し、式(II)において、
は単結合を示す)、生物学的試薬用化合物であってAβタンパク産生を抑制する作用を有しない生物学的試薬用化合物またはその塩。 - 式(III)
[式中、R10は、水素原子、水酸基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基を示し、A1、A2、A3およびA4は、前記の意味を有する。]で表される生物学的試薬用化合物またはその塩である、請求項20の生物学的試薬用化合物またはその塩。 - 下記の化合物である、請求項20または21の生物学的試薬用化合物もしくはその塩。
5−((3aR,6S,6aS)−2−オキソヘキサヒドロチエノ[3,4−d]イミダゾール−6−イル)吉草酸 [2−(3−{4−[4−(1−{3−[3−メトキシ−4−(4−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)ベンジル]−2−オキソピペリジン−1−イル}エチル)ベンゾイル]フェニル}アクリロイルアミノ)エチル]アミド、
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