JP2009184195A - フィルタの製造方法及び液体移送装置の製造方法 - Google Patents

フィルタの製造方法及び液体移送装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】流路抵抗の小さいフィルタを製造する。
【解決手段】インクジェットヘッド3を製造する際に、まず、キャビティプレート21の貫通孔9aとなる部分の上面に、紫外線硬化樹脂の液滴Lを吐出し、紫外線を照射して着弾した液滴Lを硬化させる。次に、AD法によりキャビティプレート21の上面に振動層41を成膜する。次に、振動層41の上面に共通電極を形成するとともに振動層41の上面の貫通孔9aと対向する部分にマスクMを配置する。次に、AD法により振動層41の上面に圧電層42を成膜し、その後、マスクMを除去する。次に、キャビティプレート21の一部を除去して、貫通孔9a及び圧力室10を形成する。この後、圧電層の上面に個別電極を形成し、作製された積層体を850℃程度で加熱して、圧電層42のアニールと、個別電極及び共通電極の焼成とを行う。
【選択図】図8

Description

本発明は、液体中の異物を除去するためのフィルタの製造方法、及び、このようなフィルタを有する液体移送装置の製造方法に関する。
特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいては、複数のプレートが互いに積層されることによって形成された流路ユニットの上面に圧電アクチュエータが配置されている。流路ユニットを構成するベースプレートには、ベースプレートをその厚み方向に貫通する複数の圧力室が形成されているとともに、圧力室が形成されているのと異なる箇所に、複数のフィルタ孔が形成されることによって、マニホールド流路内に進入しようとするインク中の異物を除去するためのフィルタが形成されている。そして、このようなフィルタは、電鋳により形成されている。すなわち、導電性の基材の表面にフィルタ孔に対応するレジストパターンを形成してから、この基材のレジストパターンが形成されていない部分に、電気めっきによりニッケルや銅などの金属を析出させて金属膜を形成し、最後に、金属膜から基材を除去することによって形成されている。
特開2004−268454号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように、電鋳によりフィルタを形成する場合には、析出させた金属膜の厚みが大きくなり、形成されるフィルタ孔の深さも深くなってしまう。その結果、フィルタ孔におけるインクの流路抵抗が大きくなってしまう。
本発明の目的は、流路抵抗が小さいフィルタの製造方法、及び、このようなフィルタを有する液体移送装置の製造方法を提供することである。
本発明のフィルタの製造方法は、基材の一表面に、エアロゾルが噴き付けられた際にそのエアロゾルに含まれる微粒子が成膜されにくい成膜阻害領域を、所定の領域内に複数個点在するように形成する成膜阻害領域形成工程と、その成膜阻害領域形成工程の後に行われる工程であって、前記基材の前記一表面の前記所定の領域を含む範囲にエアロゾルを噴き付けることによって、微粒子の成膜を行う成膜工程と、その成膜工程の後に行われる工程であって、前記基材のうち、少なくとも前記所定の領域と対向する部分を除去する除去工程とを備えている(請求項1)。
これによると、基材に微粒子を含むエアロゾルを噴き付けて成膜を行うエアロゾルデポジション法(AD法)により成膜を行うと、基材の一表面のうち、成膜阻害能領域を除いた部分にのみ膜が形成され、形成された膜が、成膜阻害能領域と対向する部分に貫通孔が形成されたフィルタとなる。また、AD法を用いた成膜では、薄い膜を形成することができ、膜が薄い場合には、上記貫通孔の深さが小さくなる。これにより、流路抵抗の小さいフィルタの製造が可能となる。
また、本発明のフィルタの製造方法においては、前記一表面と直交する方向から見て、前記成膜阻害領域が円形となっていることが好ましい(請求項2)。これによると、フィルタを構成する貫通孔の形状を円形とすることにより、貫通孔を流れる液体の流速を均一にすることができる。
このとき、前記成膜阻害領域形成工程において、前記基材の前記一表面に複数の液滴を着弾させることによって、前記複数の成膜阻害領域を形成することが好ましい(請求項3)。これによると、基材の表面に液滴を吐出すると、基材の表面に付着する液滴は円形となり、液滴の表面においては、付着した微粒子が膜状になるのが阻害されるため、円形の成膜阻害領域を容易に形成することができる。また、吐出する液滴の径を小さくすることにより、径の小さい成膜阻害領域を形成することができ、これにより、貫通孔の径が小さく、小さな異物を除去可能なフィルタを形成することができる。
さらに、このとき、前記液滴が、硬化させることが可能なものであることが好ましい(請求項4)。これによると、基材の表面に吐出された液滴を硬化させることにより、その後の加工などが行いやすくなる。
さらに、このとき、前記液滴が、光硬化性を有するものであって、前記基材の前記一表面に吐出された液滴に光を照射する光照射工程をさらに備えていることが好ましい(請求項5)。これによると、基材の表面に吐出される液滴を、光硬化性を有するものとし、基材の表面に吐出された液滴に光を照射することにより、基材の表面の液滴を容易に硬化させることができる。
本発明の液体移送装置の製造方法は、一表面上において開口した圧力室、及び、前記一表面上において開口しており前記圧力室に連通する液体流路が形成された圧力室プレートを含む流路ユニットと、前記圧力室の開口を覆う振動層と、前記振動層の前記圧力室と反対側に配置された圧電層と、前記圧電層の前記圧力室と対向する部分に配置された電極とを備えており、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、前記液体流路の開口を覆っており、前記液体流路内に進入しようとする液体の中の異物を除去するフィルタとを備えた液体移送装置の製造方法であって、前記圧力室プレートの前記一表面における前記液体流路と対向する領域内に、エアロゾルが噴き付けられた際にそのエアロゾルに含まれる微粒子が成膜されにくい成膜阻害領域を、複数個点在するように形成する成膜阻害領域形成工程と、その成膜阻害領域形成工程の後に行われる工程であって、前記圧力室プレートの前記一表面のうち、少なくとも前記圧力室及び前記液体流路と対向する領域に、前記振動層を構成する材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることによって、振動層の成膜を行う成膜工程と、その成膜工程の後に行われる工程であって、前記圧力室プレートの一部を除去することによって、前記圧力室プレートに、前記圧力室プレートを貫通する前記圧力室及び前記液体流路を形成する除去工程と、前記振動層の前記基材と反対側に前記圧電層を形成する圧電層形成工程と、前記圧電層の前記圧力室と対向する部分に前記電極を形成する電極形成工程とを備えている(請求項6)。
基材に振動層を構成する材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けて成膜を行うエアロゾルデポジション法(AD法)により圧力室プレートの一表面に成膜を行うと、圧力室プレートの一表面には、成膜阻害能領域を除いた部分にのみ膜が形成される。これにより、形成された膜の、圧力室と対向する部分が振動層となり、液体流路と対向する部分が、成膜阻害領域と対向する部分に多数の孔が形成されたフィルタとなる。また、AD法を用いた成膜では、薄い振動層及びフィルタの膜を形成することができ、この膜が薄い場合には、フィルタの貫通孔の深さが小さくなる。これにより、流路抵抗の小さいフィルタの製造が可能となる。
また、上述したように振動層とフィルタとを同時に形成することができるので、液体移送装置の製造工程が簡単になる。
また、本発明の液体移送装置の製造方法においては、前記圧電層形成工程において、前記振動層の前記基材と反対側における前記液体流路と対向する部分を避けて前記圧電層を形成することが好ましい(請求項7)。
振動層の基材と反対側の液体流路と対向する部分に圧電層を形成する場合、液体流路をフィルタと反対側と連通させるために、圧電層の成膜阻害領域と対向する部分に孔が形成されることになる。そのため、この場合には、成膜阻害領域と対向する部分に孔が形成された振動層と圧電層とが互いに積層されたものがフィルタとなり、圧電層の分だけフィルタの孔の深さが深くなって、貫通孔の流路抵抗が大きくなってしまう。しかしながら、本発明では、振動層の液体流路と対向する部分を避けて圧電層を形成するので、フィルタの孔が深くなってその流路抵抗が大きくなってしまうことがない。
このとき、前記圧電層形成工程において、前記振動層の前記圧力室プレートと反対側に圧電材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることによって、前記圧電層を形成することが好ましい(請求項8)。
これによると、AD法を用いて圧電層を形成する場合、液体流路と対向する部分にマスクをしてからエアロゾルを噴き付ける、あるいは、液体流路と対向する部分を避けてエアロゾルを噴き付けるなどして、容易に、圧電層を液体流路と対向する部分を避けて形成することができる。また、AD法により、緻密な構造の圧電層を高速に形成することができる。
さらに、このとき、前記圧電層形成工程において、前記振動層の前記基材と反対側の、前記液体流路と対向する部分にマスクをしてから、圧電材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることが好ましい(請求項9)。
AD法によって圧電層を形成する場合に、液体流路と対向する部分をマスクしてから圧電材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることにより、エアロゾルの噴き付け箇所の制御などを行うことなく、容易に、圧電層を液体流路と対向する部分を避けて形成することができる。
また、本発明の液体移送装置の製造方法においては、前記除去工程において、エッチングにより前記圧力室プレートの一部を除去することによって、前記圧力室プレートに前記圧力室と前記液体流路とを同時に形成することが好ましい(請求項10)。
これによると、エッチングにより、圧力室プレートに圧力室と液体流路を同時に形成することができるので、除去工程が簡単になる。
本発明のフィルタの製造方法によれば、貫通孔の深さが小さい薄膜のフィルタを形成できるので、流路抵抗の小さいフィルタを提供することができる。
また、本発明の液体移送装置の製造方法によれば、液体流路内に進入しようとする液体中の異物を除去するフィルタとして、貫通孔の深さが小さい薄膜のフィルタを備えた液体移送装置を形成できるので、流路抵抗の小さいフィルタを備えた液体移送装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明における実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。図1に示すように、プリンタ1は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3、搬送ローラ4などを備えている。キャリッジ2は、走査方向(図1の左右方向)に往復移動する。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2の下面に取り付けられており、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動しつつ、その下面に形成された複数のノズル15(図2参照)からインクを吐出する。搬送ローラ4は記録用紙Pを紙送り方向(図1の手前方向)に搬送する。そして、プリンタ1においては、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3から搬送ローラ4によって紙送り方向に搬送される記録用紙Pにインクを吐出することによって記録用紙Pに印刷を行う。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2は図1のインクジェットヘッド3の平面図である。図3は図2の部分拡大図である。図4は図3のIV−IV線断面図である。図5は図3のV−V線断面図である。図6は図2のVI−VI線断面図である。図2〜図6に示すように、インクジェットヘッド3は、圧力室10などのインク流路が形成された流路ユニット31と、圧力室10内のインクに圧力を付与するための圧電アクチュエータ32とを備えている。
流路ユニット31は、キャビティプレート21、ベースプレート22、マニホールドプレート23及びノズルプレート24の4枚のプレートが互いに積層されることによって構成されている。これら4枚のプレート21〜24のうち、ノズルプレート24を除く3枚のプレート21〜23は、ステンレスなどの金属材料からなり、ノズルプレート24は、ポリイミドなどの合成樹脂からなる。あるいは、ノズルプレート24も、他の3枚のプレートと同様、金属材料によって構成されていてもよい。
キャビティプレート21(圧力室プレート)には、複数の圧力室10が形成されている。複数の圧力室10は、走査方向(図2の左右方向)を長手方向とする略楕円の平面形状を有しており、キャビティプレート21をその厚み方向に貫通している(一表面上において開口している)。また、複数の圧力室10は、紙送り方向(図2の上下方向)に2列に配列されている。また、キャビティプレート21には、図2における下端部に、インク供給流路9を構成する平面視で略楕円の貫通孔9aが形成されている。なお、キャビティプレート21をその厚み方向に貫通する貫通孔9aが、キャビティプレート21の上面(一表面)において開口した本発明に係る液体流路に相当する。また、貫通孔9aは、後述の貫通孔9b、マニホールド流路11及び貫通孔12を介して圧力室10と連通している。
ベースプレート22には、平面視で圧力室10の長手方向に関する両端部と重なる位置に、それぞれ、略円形の貫通孔12、13が形成されている。また、ベースプレート22には、平面視で貫通孔9aと重なる部分に、インク供給流路9を構成する略楕円形状の貫通孔9bが形成されている。
マニホールドプレート23には、圧力室10の列に沿って紙送り方向に2列に延びているとともに、図2における下端部において、これら紙送り方向に延びた部分同士を互いに接続するように走査方向に延びたマニホールド流路11が形成されている。マニホールド流路11は、紙送り方向に延びた部分において、平面視で図2の右側に配列された複数の圧力室10の略右半分、及び、図2の左側に配列された複数の圧力室10の略左半分と重なるように配置されている。また、マニホールド流路13の走査方向に延びた部分の、走査方向における略中央部が上記貫通孔9a、9bと対向している。これにより、貫通孔9aと貫通孔9bとが互いに重なって形成されたインク供給流路9からマニホールド流路13にインクが供給される。また、マニホールドプレート23には、平面視で貫通孔13と重なる部分に略円形の貫通孔14が形成されている。ノズルプレート24には、平面視で貫通孔14と重なる部分に、ノズル15が形成されている。
そして、流路ユニット31には、インク供給流路9がマニホールド流路11に連通し、マニホールド流路11が貫通孔12を介して圧力室10に連通し、さらに、圧力室10が貫通孔13、14を介してノズル15に連通したインク流路が形成されている。
圧電アクチュエータ32は、振動層41、圧電層(圧電材料を含む層)42、共通電極43及び複数の個別電極44を備えている。
振動層41はアルミナ、ジルコニアなどのセラミックス材料からなり、複数の圧力室10の上面の開口及び貫通孔9aの上面の開口を覆うように、キャビティプレート21の上面に配置されている。さらに、振動層41には貫通孔9aと対向する部分に、平面視で(一表面と直交する方向から見て)10μm程度の径を有しており、振動層41をその厚み方向に貫通する略円形の貫通孔51が複数点在している。これにより、振動層41の貫通孔9aと対向する部分が、貫通孔9aの開口を覆っており、インク供給流路9に進入しようとするインク中の異物を除去するためのフィルタとなっている。すなわち、振動層41が、圧力室10を覆う本発明に係る振動層と貫通孔9aの開口を覆う本発明に係るフィルタとが一体となったものとなっている。また、フィルタを構成する貫通孔51が略円形であるので、貫通孔51を流れるインクの流速が均一になる。
圧電層42は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料を含む層であり、振動層41の上面(圧力室10と反対側)に、図2における下端部を除いて(貫通孔9aと対向する部分を避けて)、複数の圧力室10にまたがって連続的に配置されている。また、圧電層42は、予めその厚み方向に分極されている。
共通電極43は、白金、パラジウム、金、銀などからなり、振動層41と圧電層42との間のほぼ全域にわたって配置されている。共通電極43は、図示しないフレキシブル配線基板(FPC)を介して図示しないドライバICに接続されており、ドライバICにより常にグランド電位に保持されている。
複数の個別電極44は、共通電極43と同様の材料からなり、圧電層42の上面に複数の圧力室10に対応して配置されている。個別電極44は、圧力室10よりも一回り小さい略楕円の平面形状を有しており、平面視で、圧力室10の略中央部と対向する部分に配置されている。また、個別電極の長手方向に関するノズル15と反対側の端部は、走査方向に圧力室10と対向しない部分まで延びており、その先端部が、図示しないFPCに接続される接続端子となっている。個別電極44には、図示しないドライバICによりFPCを介して駆動電位が付与される。
ここで、圧電アクチュエータ32の駆動方法について説明する。圧電アクチュエータ32においては、複数の個別電極32は、予めグランド電位に保持されている。そして、圧電アクチュエータ32を駆動する際には、複数の個別電極44のいずれかに選択的に駆動電位を付与する。すると、圧電層42の駆動電位が付与された個別電極44とグランド電位に保持された共通電極43との間に電位差が生じ、圧電層42のこれらの電極に挟まれた部分には厚み方向の電界が発生する。
この電界の方向は、圧電層42の分極方向と一致するので、圧電層42のこの部分は、この電界の方向と直交する水平方向に収縮する。これに伴って、圧電層42及び振動層41の圧力室10と対向する部分が、全体として圧力室10側に凸となるように変形する。これにより、圧力室10の容積が低下して圧力室10内のインクの圧力が上昇し(圧力室10内のインクに圧力が付与され)、圧力室10に連通するノズル15からインクが吐出される。
次に、上述したようなフィルタを有するインクジェットヘッド3の製造方法について説明する。図7はインクジェットヘッド3の製造工程を示すフローチャートであり、図8は、製造の各工程におけるインクジェットヘッドの3の図4相当の部分の状態を示す図である。図9は、製造の各工程におけるインクジェットヘッド3の図6相当の部分の状態を示す図である。
インクジェットヘッド3を製造するためには、まず、図7、図9(a)に示すように、圧力室10及び貫通孔9aが形成される前のキャビティプレート21の上面(一表面)に、例えば、着弾したときの径が10μm程度の紫外線硬化樹脂の液滴L(硬化させることが可能な液滴、光硬化性の液滴)を複数吐出して、キャビティプレート21の貫通孔9aが形成される部分の上面に複数の液滴Lを着弾させる(ステップS101、以下、単にS101などとする、成膜阻害領域形成工程)。
次に、キャビティプレート21の上面に着弾した液滴Lに紫外線(光)を照射して、液滴Lを硬化させる(S102、光照射工程)。このように、キャビティプレート21の上面に紫外線硬化性樹脂の液滴Lを着弾させているため、着弾した液滴Lに紫外線を照射することにより、液滴Lを容易に硬化させることができる。また、液滴Lに紫外線を照射して硬化させることにより、着弾した液滴Lを着弾位置に停留させることができるので、貫通孔9aを所望の大きさとおりに正しく形成することができる。
ここで、キャビティプレート21の上面に着弾して硬化した液滴Lは、ステンレス金属材料からなるキャビティプレート21よりも硬度が低くなっている。したがって、キャビティプレート21の貫通孔9aが形成される部分の上面(基材の一表面における液体流路に対向する領域内、所定の領域内)に点在する、複数の液滴Lが着弾した部分が、キャビティプレート21の上面における他の部分よりも、エアロゾルが噴き付けられた際にそのエアロゾルに含まれる微粒子が成膜されにくい領域となる。このように、本発明では、基材(キャビティプレート21)上にエアロゾルデポジション法で成膜するにあたって、エアロゾルが噴き付けられる他の領域よりもそのエアロゾルに含まれる微粒子が成膜されにくい領域を成膜阻害領域と称する。なお、液滴Lが着弾することによって形成される複数の成膜阻害領域は、平面視で(一表面と直交する方向から見て)略円形となっている。また、液滴Lを構成する液体がキャビティプレート21の上面の着弾した位置に停留できる性質を有するならば、液滴Lを硬化させる工程は省略してもよい。
次に、図7、図8(a)、図9(b)に示すように、セラミックス材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることによって(AD法によって)、キャビティプレート21の上面にその全域にわたって(少なくとも圧力室10及び貫通孔9aと対向する領域、所定の領域を含む範囲)振動層41を成膜する(S103、成膜工程)。
このとき、キャビティプレート21の上面のうち、液滴Lが着弾していない部分においては、噴き付けられたエアロゾルに含まれるセラミックスの微粒子が成膜されるが、液滴Lが着弾した部分(成膜阻害領域)においては、噴き付けられたエアロゾルに含まれるセラミックスの微粒子が成膜されない。これにより、成膜された振動層41は、着弾した液滴Lと対向する部分に複数の貫通孔51が形成されたものとなり、振動層41の貫通孔9aと対向する部分が前述のフィルタとなる。
また、AD法により振動層41を形成しているため、振動層41の厚みを薄く(例えば、5μm程度)することができ、これにより、貫通孔51の深さが小さくなる。したがって、貫通孔51(フィルタ)の流路抵抗が小さくなる。さらに、貫通孔51の径は、液滴Lの径とほぼ同じになるので、上述したように、キャビティプレート21の上面に着弾させる液滴Lの径を小さく(例えば、10μm程度)することにより、貫通孔51の径を小さくすることができる。これにより、貫通孔51の径が小さく、小さな異物も除去することが可能なフィルタを容易に形成することができる。
また、キャビティプレート21の上面に着弾した液滴Lは平面視で略円形となるので、貫通孔51の形状も略円形となる。このように、キャビティプレート21の上面に液滴Lを着弾させてからAD法により振動層41を形成することで、略円形の貫通孔51を有するフィルタを容易に形成することができる。
次に、図7、図8(b)に示すように、振動層41の上面にスクリーン印刷、スパッタ法等によって共通電極43を形成する(S104)とともに、図7、図9(c)に示すように、振動層41の上面における貫通孔9aと対向する部分を含む、図2において圧電層42が配置されていない領域に、マスクMを配置する(マスクをする、S105)。なお、これら共通電極43の形成(S104)、及び、マスクMの配置(S105)は、いずれか一方を先に行った後、他方を行ってもよく、同時に行ってもよい。
次に、図7、図8(c)、図9(d)に示すように、圧電材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることによって(AD法によって)、振動層41の上面に圧電層42を成膜する(S106)。これにより、振動層41の上面には、マスクMが配置された部分を除いて(貫通孔9aと対向する部分を避けて)圧電層42が成膜される。そして、AD法を用いて圧電層42を成膜する場合には、このように、AD法により圧電層42を成膜する前に、マスクMを配置しておくことにより、圧電層42を容易に貫通孔9aと対向する部分を避けて成膜することができる。なお、上記S105のマスクMを配置する工程と、上記S106のAD法により圧電層42を形成する工程とを合わせたものが、本発明に係る圧電層形成工程に相当する。そして、圧電層42の成膜後、図9(e)に示すように、マスクMをその上面に堆積した圧電材料とともに除去する(S107)。
ここで、本実施の形態とは異なり、AD法により圧電層42を形成する前にマスクMを配置せず、振動層41の上面の全域に圧電層42を形成した場合には、圧電層42が振動層41の上面の貫通孔9aと対向する部分のうち、複数の貫通孔51と対向する部分を除いた部分にも形成されることになる。そして、この場合には、互いに積層された振動層41及び圧電層42の貫通孔9aと対向する部分がフィルタとして作用することになる。しかしながら、この場合には圧電層42に形成された貫通孔の分だけ貫通孔の深さが深くなり、貫通孔の流路抵抗が大きくなってしまう。
これに対して、本実施の形態では、振動層41の上面の貫通孔9aと対向する部分には圧電層42が形成されない(圧電層42を貫通孔9aと対向する部分を避けて形成している)ので、フィルタの孔の深さが深くなってしまうことがなく、貫通孔の流路抵抗を小さくすることができる。
次に、図7、図8(d)、図9(f)に示すように、エッチングにより、キャビティプレート21の一部(少なくとも所定の領域と対向する部分)を除去することによって、キャビティプレート21を貫通する圧力室10及び貫通孔9aを形成する(S108、除去工程)。このとき、キャビティプレート21の除去される部分に着弾していた液滴Lもキャビティプレート21とともに除去される。次に、図8(e)に示すように、圧電層42の上面に個別電極44を形成する(S109)。なお、前述の共通電極43を形成する工程と、この個別電極44を形成する工程とを合わせたものが、本発明に係る電極形成工程に相当する。
ここで、本実施の形態とは逆に、圧電層42の上面に個別電極44を形成した後、エッチングによりキャビティプレート21の一部を除去して、圧力室10及び貫通孔9aを形成することも可能である。しかしながら、この場合には、エッチング液が個別電極44に接触して個別電極44が損傷してしまう虞がある。また、これを防止するために、エッチングにより圧力室10及び貫通孔9aを形成する前に個別電極44にマスクをするなどの余分な工程が必要となってしまう。
しかしながら、本実施の形態では、上述したように、エッチングによりにキャビティプレート21に圧力室10及び貫通孔9aを形成した後、圧電層42の上面に個別電極44を形成しているため、エッチング液によって個別電極44が損傷してしまうことがなく、また個別電極44にマスクをする工程なども必要ない。
次に、キャビティプレート21、振動層41、共通電極43、圧電層42及び個別電極44の積層体を高温(例えば、850℃程度)で加熱処理する(S110)。この加熱処理により、圧電層42に圧電特性を持たせるためのアニールと、共通電極43及び個別電極44の焼成とが行われる。
ここで、上記加熱処理を行うと、ステンレスなどの金属材料からなるキャビティプレート21の構成原子(例えば、キャビティプレート21がステンレスからなる場合にはCrの原子)が拡散することになり、圧電層42の圧力室10と対向する部分にキャビティプレート21の構成原子が拡散してしまうと、圧電層42のこの部分の圧電特性が低下し、圧電アクチュエータ32を駆動したときのノズル15からのインクの吐出特性が低下してしまう虞がある。
しかしながら、本実施の形態においては、上記加熱処理を行う前に、キャビティプレート21の一部を除去することによって圧力室10を形成しているため、圧電層42の圧力室10と対向する部分にはキャビティプレート21の構成原子が拡散しにくい。したがって、圧電層42の圧力室10と対向する部分の圧電特性が低下してしまうのを抑制することができる。
また、本実施の形態とは逆に、圧電層42の上面に個別電極44を形成する前に、上記加熱処理を行い、その後、圧電層42の上面に個別電極44を形成することも可能である。しかしながら、この場合には、上記加熱処理において、圧電層42のアニール、及び、共通電極43の焼成のみが行われるだけであるので、個別電極44を形成した後、個別電極44を焼成する工程が別途必要となる。
これに対して、本実施の形態では、圧電層42の上面に個別電極44を形成した後、上記加熱処理を行っているので、圧電層42のアニールと、共通電極43及び個別電極44の焼成を同時に行うことができ、インクジェットヘッド3の製造工程が簡略化される。
この後、キャビティプレート21に圧力室10及び貫通孔9aが形成されることによって作製されたキャビティプレート21と、予め作製しておいた流路ユニット31を構成する他の3枚のプレート22〜24とを互いに接合させて(S112)、インクジェットヘッド3が完成する。
以上に説明した実施の形態によると、キャビティプレート21の上面に液滴Lを着弾させてから、AD法により、キャビティプレート21の上面に振動層41の成膜を行うことにより、キャビティプレート21の上面には、液滴Lが着弾した部分を除いた部分にのみ膜が形成される。これにより、形成された振動層41の、液滴Lが着弾した部分に複数の貫通孔51が形成され、振動層41の貫通孔9aと対向する部分がインク供給流路9に進入しようとするインク中の異物を除去するためのフィルタとなる。
また、AD法により振動層41を成膜した場合には、薄い振動層41を成膜することができ、振動層41が薄い場合には、貫通孔51の深さも小さくなる。これにより、フィルタリング効果に比して流路抵抗の小さいフィルタの製造が可能となる。
さらに、貫通孔51の径は、キャビティプレート21に着弾した液滴Lの径とほぼ同じとなるので、キャビティプレート21の上面に径の小さい液滴Lを吐出することにより、径の小さい貫通孔51を容易に形成することができる。これにより、貫通孔51の径が小さく、小さな異物も除去することが可能なフィルタを容易に形成することができる。
また、貫通孔51が略円形であるので、貫通孔51を流れるインクの流速が均一になる。さらに、キャビティプレート21の上面に着弾した紫外線硬化樹脂の液滴Lは円形となり、これにより、振動層41に形成される貫通孔51も円形となるため、フィルタを構成する略円形の貫通孔51を容易に形成することができる。
また、キャビティプレート21の上面に着弾した紫外線硬化樹脂の液滴Lに紫外線を照射して液滴Lを硬化させているため、その後の加工などが行いやすい。さらに、液滴Lとして紫外線硬化樹脂を用いているため、紫外線を照射することにより、液滴Lを容易に硬化させることができる。
また、振動層41の上面に貫通孔9aと対向する部分を避けるように圧電層42を形成しているため、フィルタを構成する貫通孔の深さが深くなって、貫通孔の流路抵抗が大きくなってしまうことがない。
また、振動層41の上面のインク流路9と対向する部分にマスクMを配置してからAD法で圧電層42を成膜することにより、エアロゾルの噴き付け箇所の制御などを行うことなく、容易に、圧電層42を貫通孔9aと対向する部分を避けて形成することができる。
また、キャビティプレート21の一部をエッチングにより除去することで、圧力室10と貫通孔9aとを同時に形成することができ、これらを形成する工程が簡単になる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同様の構成を有するものについては同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施の形態では、振動層41の上面の貫通孔9aと対向する部分にマスクMを配置してから、AD法により振動層41の上面に圧電層42を形成したがこれには限られない。例えば、上述したようなマスクMは配置せず、AD法により振動層41の上面に圧電材料のエアロゾルを噴き付ける際に、貫通孔9aと対向する部分を避けてエアロゾルが噴き付けられるように、エアロゾルの噴き付け装置を制御するなどしてもよい。
また、本実施の形態では、AD法により圧電層42を形成したが、これには限られず、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法(化学気相成長法)、水熱合成法など他の方法によって圧電層42を成膜することも可能である。あるいは、圧電材料とガラスなどの焼結助剤とからなる原料粉末、有機バインダー及び可塑剤を、溶剤と混合することによって作られる液状のスラリーを共通電極43が形成された振動層41の上面に塗布して圧電層42を形成してもよい。さらには、振動層41の上面に圧電材料のグリーンシートを接合することによって圧電層42を形成してもよい。
また、本実施の形態では、キャビティプレート21の上面に紫外線硬化樹脂の液滴Lを吐出し、キャビティプレート21の上面に着弾した液滴Lに紫外線を照射して液滴Lを硬化させたが、これには限られず、例えば、温度など、紫外線を照射する以外の方法で硬化させることができる液滴を吐出してもよい。
また、キャビティプレート21の上面に吐出する液滴は、硬化させることが可能なものでなくてもよい。この場合でも、液滴が着弾したキャビティプレート21を移動させることなく、キャビティプレート21の上面に振動層41を成膜する場合等には、着弾した液滴がキャビティプレート21の上面を流れることはなく、複数の貫通孔51が形成された振動層41が成膜される。
さらには、キャビティプレート21の上面に液滴を吐出することには限られず、例えば、キャビティプレート21の上面の貫通孔9aと対向する部分にマスクをする、キャビティプレート21の上面の貫通孔51と対向する部分に、エアロゾルに含まれる微粒子が成膜されにくくなるような処理を施すなど、他の方法によってキャビティプレート21の上面に複数の成膜阻害領域を形成してもよい。また、この場合には、貫通孔51の形状は円形でなくてもよい。
また、本実施の形態では、個別電極44を形成した後、圧電層42のアニールと個別電極44及び共通電極43の焼成のために加熱処理を行っていたが、これには限られない。例えば、キャビティプレート21に圧力室10を形成した後、個別電極44を形成する前に、圧電層42のアニール及び共通電極43の焼成のための加熱処理を行い、その後、圧電層42の上面に個別電極44を形成し、形成した個別電極44を焼成するために別途加熱処理を行ってもよい。
また、キャビティプレートはステンレスなどの金属材料であることには限られず、キャビティプレートが、シリコンからなるものであってもよい。シリコンの原子が圧電層42に拡散した場合にも、圧電層42の圧電特性が低下するが、この場合でも、圧電層42を加熱する際に、圧電層42の圧力室10となる部分が除去されているため、実施の形態と同様、シリコンの原子が圧電層42の圧力室10と対向する部分には拡散しにくい。また、キャビティプレートとなる基材がシリコンからなる場合にも、エッチングにより基材に圧力室及びインク供給流路を構成する貫通孔を容易に形成することができる。
また、本実施の形態では、圧電アクチュエータ32において、圧電層42の下面に共通電極43が配置されているとともに、圧電層42の上面に複数の個別電極44が配置されていたが、圧電アクチュエータは、圧電層42の上面あるいは下面にのみ電極が配置されたものであってもよい。
また、本実施の形態では、エッチングによりキャビティプレート21に圧力室10及び貫通孔9aを同時に形成したが、レーザ加工など、他の方法によって圧力室10及び貫通孔9aを形成してもよい。また、圧力室10と貫通孔9aとは同時に形成することには限られず、いずれか一方を先に形成した後、他方を形成してもよい。
また、本実施の形態では、キャビティプレート21がフィルタを形成するために用いられる基材となっていたが、フィルタを形成するために用いられる基材はキャビティプレート21とは別のものであってもよい。この場合には、液滴を吐出するなどして基材の上面に複数の成膜阻害領域を形成した後、AD法により基材の上面における、少なくとも複数の成膜阻害領域が点在している領域(所定の領域)に成膜を行い、その後、基材の少なくとも所定の領域と対向する部分を除去してフィルタを形成する。なお、この場合には、基材がフィルタの製造以外の用途に用いられるものでなければ、成膜後、基材を全て除去してもよい。また、この場合には、基材がキャビティプレート21とは別のものであるので、フィルタの位置は、本実施の形態のものに限られない。
また、以上では、圧力室内のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッド及びこれに用いられるフィルタの製造に本発明を適用したが、これには限られない。例えば、ノズルからインク以外の液体を吐出する液体吐出ヘッド及びこれに用いられるフィルタの製造、あるいは、圧力室内の液体に圧力を付与することによって圧力室を含む液体移送流路内の液体を移送する液体移送装置及びこれに用いられるフィルタの製造に本発明を適用することも可能である。
さらには、液体移送装置以外の液体中の異物を除去するためのフィルタの製造に、本発明を適用することも可能である。
本発明における実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 図1のインクジェットヘッドの平面図である。 図2の部分拡大図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図である。 図2のVI−VI線断面図である。 インクジェットヘッドの製造工程を示すフローチャートである。 製造の各工程におけるインクジェットヘッドの図4相当の部分の状態を示すである。 製造の各工程におけるインクジェットヘッドの図6相当の部分の状態を示すである。
符号の説明
9 インク供給流路
9a 貫通孔
10 圧力室
21 キャビティプレート
41 振動層
42 圧電層
51 貫通孔

Claims (10)

  1. 基材の一表面に、エアロゾルが噴き付けられた際にそのエアロゾルに含まれる微粒子が成膜されにくい成膜阻害領域を、所定の領域内に複数個点在するように形成する成膜阻害領域形成工程と、
    その成膜阻害領域形成工程の後に行われる工程であって、前記基材の前記一表面の前記所定の領域を含む範囲にエアロゾルを噴き付けることによって、微粒子の成膜を行う成膜工程と、
    その成膜工程の後に行われる工程であって、前記基材のうち、少なくとも前記所定の領域と対向する部分を除去する除去工程とを特徴とするフィルタの製造方法。
  2. 前記一表面と直交する方向から見て、前記成膜阻害領域が円形となっていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタの製造方法。
  3. 前記成膜阻害領域形成工程において、前記基材の前記一表面に複数の液滴を着弾させることによって、前記複数の成膜阻害領域を形成することを特徴とする請求項2に記載のフィルタの製造方法。
  4. 前記液滴が、硬化させることが可能なものであることを特徴とする請求項3に記載のフィルタの製造方法。
  5. 前記液滴が、光硬化性を有するものであって、
    前記基材の前記一表面に吐出された液滴に光を照射する光照射工程をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のフィルタの製造方法。
  6. 一表面上において開口した圧力室、及び、前記一表面上において開口しており前記圧力室に連通する液体流路が形成された圧力室プレートを含む流路ユニットと、
    前記圧力室の開口を覆う振動層と、前記振動層の前記圧力室と反対側に配置された圧電層と、前記圧電層の前記圧力室と対向する部分に配置された電極とを備えており、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータと、
    前記液体流路の開口を覆っており、前記液体流路内に進入しようとする液体の中の異物を除去するフィルタとを備えた液体移送装置の製造方法であって、
    前記圧力室プレートの前記一表面における前記液体流路と対向する領域内に、エアロゾルが噴き付けられた際にそのエアロゾルに含まれる微粒子が成膜されにくい成膜阻害領域を、複数個点在するように形成する成膜阻害領域形成工程と、
    その成膜阻害領域形成工程の後に行われる工程であって、前記圧力室プレートの前記一表面のうち、少なくとも前記圧力室及び前記液体流路と対向する領域に、前記振動層を構成する材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることによって、振動層の成膜を行う成膜工程と、
    その成膜工程の後に行われる工程であって、前記圧力室プレートの一部を除去することによって、前記圧力室プレートに、前記圧力室プレートを貫通する前記圧力室及び前記液体流路を形成する除去工程と、
    前記振動層の前記基材と反対側に前記圧電層を形成する圧電層形成工程と、
    前記圧電層の前記圧力室と対向する部分に前記電極を形成する電極形成工程とを備えていることを特徴とする液体移送装置の製造方法。
  7. 前記圧電層形成工程において、前記振動層の前記基材と反対側における前記液体流路と対向する部分を避けて前記圧電層を形成することを特徴とする請求項6に記載の液体移送装置の製造方法。
  8. 前記圧電層形成工程において、前記振動層の前記圧力室プレートと反対側に圧電材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることによって、前記圧電層を形成することを特徴とする請求項7に記載の液体移送装置の製造方法。
  9. 前記圧電層形成工程において、前記振動層の前記基材と反対側の、前記液体流路と対向する部分にマスクをしてから、圧電材料の微粒子を含むエアロゾルを噴き付けることを特徴とする請求項8に記載の液体移送装置の製造方法。
  10. 前記除去工程において、エッチングにより前記圧力室プレートの一部を除去することによって、前記圧力室プレートに前記圧力室と前記液体流路とを同時に形成することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の液体移送装置の製造方法。
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