JP2009184109A - サーマルヘッド及びサーマルプリンタ - Google Patents
サーマルヘッド及びサーマルプリンタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009184109A JP2009184109A JP2008022964A JP2008022964A JP2009184109A JP 2009184109 A JP2009184109 A JP 2009184109A JP 2008022964 A JP2008022964 A JP 2008022964A JP 2008022964 A JP2008022964 A JP 2008022964A JP 2009184109 A JP2009184109 A JP 2009184109A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gap
- thermal head
- thermal
- head
- protrusion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electronic Switches (AREA)
Abstract
【課題】必要な接着強度を確保しつつ、空隙部内への接着剤の流入を抑制し、空隙部による発熱部からの不要な放熱の抑制効果が確実に得られるようにすることで、良好な熱効率及び応答性を確保し、消費電力を減らすとともに、高速印画を可能とする。
【解決手段】突部11b及び突部11bに対向する凹状の空隙部11aが形成されたガラス基板11と、空隙部11aの開口面を塞ぐようにしてガラス基板11に接着される放熱板40とを備え、放熱板40は、空隙部11aと反対側に凹む溝部41を備える。
【選択図】図5
【解決手段】突部11b及び突部11bに対向する凹状の空隙部11aが形成されたガラス基板11と、空隙部11aの開口面を塞ぐようにしてガラス基板11に接着される放熱板40とを備え、放熱板40は、空隙部11aと反対側に凹む溝部41を備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッド及びサーマルプリンタに係るものである。そして、詳しくは、良好な熱効率及び応答性が確実に得られるようにする技術に関するものである。
従来から、突部に発熱抵抗体(発熱素子)を配列したサーマルヘッドと、サーマルヘッドに対向するように設けられたプラテンローラとを備えるサーマルプリンタが知られている。このようなサーマルプリンタは、サーマルヘッドの突部とプラテンローラ上に搬送された印画紙(記録媒体)とを押圧させて画像を形成するようになっている。なお、突部と印画紙との押圧は、サーマルヘッドを移動させる場合と、プラテンローラを移動させる場合とがある。
ここで、サーマルプリンタには、画像形成方式として昇華方式や感熱方式等があるが、いずれの方式であっても、サーマルヘッドの発熱抵抗体に対して階調レベルに応じた選択的な通電を行い、その際に発生する熱エネルギを利用して画像を形成している。例えば、昇華方式のサーマルプリンタの場合には、インクリボンを介して印画紙にサーマルヘッドの突部を押圧し、発熱抵抗体を駆動して発熱させると、インクリボン上のインクが発熱抵抗体の熱エネルギに比例して印画紙上に昇華され、印画が行われる。
このように、サーマルヘッドは、印画のために発熱抵抗体を発熱させるものであるが、印画の際に発熱抵抗体から発生した熱は、その大半が印画紙とは反対方向に伝達され、放熱されてしまう。そのため、高速に印画しようとすれば、発熱抵抗体を直ちに高温にする必要があるが、そうすると、消費電力が大きくなるという問題がある。特に、家庭用のサーマルプリンタでは、省電力化を図りつつ印画速度を上げることが求められているので、サーマルヘッドの熱効率を改善し、消費電力を下げなければならない。
そこで、サーマルプリンタの消費電力を減らし、高品位な画像や文字を高速で印画するため、サーマルヘッドの熱効率及び応答性を向上させる技術が知られている。すなわち、発熱抵抗体を配列したガラス基板に空隙部を形成し、空隙部内の空気層により、発熱抵抗体から発生した熱がガラス基板側に放熱されにくくして熱効率を向上させるとともに、空隙部によってガラス基板の蓄熱量を少なくして応答性を向上させるようにした技術である(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−245675号公報
図13は、上記の特許文献1に開示された従来のサーマルヘッド110を示す縦断面図である。
図13に示すように、サーマルヘッド110は、縦断面が略円弧状の突部111aが形成されたガラス基板111上に、発熱抵抗体112と、発熱抵抗体112を発熱させるための電源電極113a及び駆動電極113bと、発熱抵抗体112、電源電極113a、及び駆動電極113bを保護する保護膜114とが順次積層されたものである。そして、電源電極113aと駆動電極113bとの間で発熱抵抗体112が露出した部分が実際に熱エネルギを発生する発熱部112aとなっている。
図13に示すように、サーマルヘッド110は、縦断面が略円弧状の突部111aが形成されたガラス基板111上に、発熱抵抗体112と、発熱抵抗体112を発熱させるための電源電極113a及び駆動電極113bと、発熱抵抗体112、電源電極113a、及び駆動電極113bを保護する保護膜114とが順次積層されたものである。そして、電源電極113aと駆動電極113bとの間で発熱抵抗体112が露出した部分が実際に熱エネルギを発生する発熱部112aとなっている。
ここで、発熱部112aは、発熱部112aをインクリボン及び印画紙に押圧できるように、突部111a上に設けられている。また、突部111aが形成されたガラス基板111には、突部111aと対向する凹状の空隙部111bも形成されている。そして、空隙部111b内は、空気で満たされるようになっている。さらにまた、ガラス基板111の下側には、空隙部111bの開口面を塞ぐようにして放熱板115が接着剤116で接着されている。
このようなサーマルヘッド110は、ガラス基板111を構成しているガラスよりも熱伝導率が低い空気の特性により、空隙部111bの熱伝導率が低くなる。そのため、ガラス基板111の突部111a上に設けられた発熱部112aからガラス基板111側への放熱が抑制されるので、突部111aに押圧されたインクリボン側に伝達される熱エネルギが大きくなる。その結果、印画の際に、インクリボン上のインクをその昇華温度まで上げるために必要な消費電力が少なくなり、サーマルヘッド110の熱効率が向上する。
また、空隙部111bによってガラス基板111の突部111aの厚さが薄くなり、ガラス基板111の蓄熱量が少なくなるため、ガラス基板111内に蓄熱されてしまう熱エネルギを短時間で放熱できるようになる。その結果、インクリボン上のインクを昇華させないとき(発熱部112aを発熱させないとき)に、直ちに発熱部112aの温度が下がるので、サーマルヘッド110の応答性が向上する。
しかし、図13に示すサーマルヘッド110では、ガラス基板111と放熱板115とを接着させる際に接着剤116が空隙部111b内に流入し、空隙部111bの容積が減ることがあるという問題があった。すなわち、接着のためにガラス基板111と放熱板115とを押圧すると、硬化していない余分な接着剤116が流れて空隙部111b内に入り込むことがあり、そうすると、空隙部111b内の空気量が少なくなってしまう。
図14は、従来のサーマルヘッド110において、空隙部111b内に接着剤116が流入した状態を示す縦断面図である。
図14に示すように、ガラス基板111と放熱板115とは、接着剤116によって接着されている。そして、接着の際の圧力により、空隙部111bの両側に塗布されていた接着剤116の一部が空隙部111b内に入り込み、そのまま硬化している。
図14に示すように、ガラス基板111と放熱板115とは、接着剤116によって接着されている。そして、接着の際の圧力により、空隙部111bの両側に塗布されていた接着剤116の一部が空隙部111b内に入り込み、そのまま硬化している。
このように、空隙部111b内に接着剤116が入り込むと、入り込んだ接着剤116aの容量分だけ空隙部111b内の空気量が少なくなる。すると、ガラス基板111を構成するガラスよりも熱伝導率が低い空気によって空隙部111bの熱伝導率を低くし、発熱部112aからガラス基板111側への放熱を抑制しようとする効果が薄れてしまう。この場合、空隙部111b内に余分な接着剤116aが流入しないように、予め接着剤116を薄く塗布しておくことが考えられるが、そうすると、印画時でもガラス基板111と放熱板115とが剥離しないだけの接着強度を確保することが難しくなる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、必要な接着強度を確保しつつ、空隙部内への接着剤の流入を抑制し、空隙部による発熱部からの不要な放熱の抑制効果が確実に得られるようにすることで、良好な熱効率及び応答性を確保し、消費電力を減らすとともに、高速印画を可能とすることである。
本発明は、以下の解決手段により、上述の課題を解決する。
本発明の請求項1に記載の発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドであって、前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、前記放熱部材は、前記空隙部と反対側に凹む溝部を備えることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドであって、前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、前記放熱部材は、前記空隙部と反対側に凹む溝部を備えることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドであって、前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、前記ヘッド本体部は、前記空隙部と平行な凹状の副空隙部を備えることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタであって、前記サーマルヘッドは、前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、前記放熱部材は、前記空隙部と反対側に凹む溝部を備えることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタであって、前記サーマルヘッドは、前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、前記ヘッド本体部は、前記空隙部と平行な凹状の副空隙部を備えることを特徴とする。
(作用)
上記の請求項1及び請求項6に記載の発明は、凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、空隙部の開口面を塞ぐようにしてヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、放熱部材は、空隙部と反対側に凹む溝部を備えている。また、上記の請求項5及び請求項7に記載の発明は、凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、空隙部の開口面を塞ぐようにしてヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、ヘッド本体部は、空隙部と平行な凹状の副空隙部を備えている。そのため、放熱部材の溝部又はヘッド本体部の副空隙部が余分な接着剤の逃げ場となる。
上記の請求項1及び請求項6に記載の発明は、凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、空隙部の開口面を塞ぐようにしてヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、放熱部材は、空隙部と反対側に凹む溝部を備えている。また、上記の請求項5及び請求項7に記載の発明は、凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、空隙部の開口面を塞ぐようにしてヘッド本体部に接着される放熱部材とを備え、ヘッド本体部は、空隙部と平行な凹状の副空隙部を備えている。そのため、放熱部材の溝部又はヘッド本体部の副空隙部が余分な接着剤の逃げ場となる。
上記の発明によれば、放熱部材の溝部又はヘッド本体部の副空隙部が余分な接着剤の逃げ場となるので、空隙部内への接着剤の流入が抑制される。そのため、空隙部による発熱部からの不要な放熱の抑制効果が確実に得られるようになり、良好な熱効率及び応答性が確保される。したがって、消費電力を減らすことができるだけでなく、高速印画が可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のサーマルヘッド10を備えるサーマルプリンタ1を示す概略の側面図である。
また、図2は、第1実施形態のサーマルヘッド10の周辺部を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、サーマルプリンタ1は、印画紙2(記録媒体)に対し、インクリボン3上のインクを昇華させて画像を形成する昇華型のものである。すなわち、サーマルヘッド10によって発生した熱エネルギでインクリボン3上のインクを昇華させ、印画紙2上にカラー画像や文字を印画する。
図1は、第1実施形態のサーマルヘッド10を備えるサーマルプリンタ1を示す概略の側面図である。
また、図2は、第1実施形態のサーマルヘッド10の周辺部を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、サーマルプリンタ1は、印画紙2(記録媒体)に対し、インクリボン3上のインクを昇華させて画像を形成する昇華型のものである。すなわち、サーマルヘッド10によって発生した熱エネルギでインクリボン3上のインクを昇華させ、印画紙2上にカラー画像や文字を印画する。
このサーマルプリンタ1は、サーマルヘッド10と、サーマルヘッド10と対向する位置に設けられたプラテンローラ4と、インクリボン3の走行をガイドするリボンガイド5a,5bと、サーマルヘッド10とプラテンローラ4との間に押圧された印画紙2を搬送するキャプスタンローラ6と、キャプスタンローラ6と対向して従動回転するピンチローラ7と、印画後の印画紙2を排紙する排紙ローラ8と、印画紙2をサーマルヘッド10側に向けて逆向きに搬送させる搬送ローラ9とを備えている。また、サーマルヘッド10は、サーマルプリンタ1の筐体側の取付け部材1aにネジで取り付けられている。
ここで、インクリボン3は、長尺の樹脂フィルムからなるものであり、図1に示すように、供給スプール3aと巻取りスプール3bとの間に巻き回された状態で、インクカートリッジに収納されている。そして、樹脂フィルムの一方の面に、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、及びC(シアン)の3色のインクと、印画された画像や文字の保存性を向上させるためのラミネートインクとが繰り返し塗布されている。また、インクリボン3は、サーマルヘッド10に対してインクリボン3の供給側と巻取り側とに設けられたリボンガイド5a,5bにより、サーマルヘッド10とプラテンローラ4との間にガイドされる。
このようなサーマルプリンタ1によって印画を行うには、図2に示すように、サーマルヘッド10のヘッド部10aとプラテンローラ4との間で印画紙2及びインクリボン3を押圧する。そして、図1に示す巻取りスプール3bを回転させてインクリボン3を巻取り方向(図1の左方向)に走行させる。また、キャプスタンローラ6及び排紙ローラ8を回転させることにより、キャプスタンローラ6とピンチローラ7との間に挟み込んだ印画紙2を排紙方向(図1の矢印A方向)に搬送する。この状態でサーマルヘッド10からインクリボン3に熱エネルギを加えると、印画紙2と重なり合っているY(イエロ)のインクが昇華され、印画紙2上に転写される。
次に、Y(イエロ)のインクが転写された印画紙2の画像形成部にM(マゼンタ)のインクを転写する。そのため、搬送ローラ9を回転させ、印画紙2をサーマルヘッド10側(図1の矢印B方向)に逆送りし、印画紙2の画像形成開始端がサーマルヘッド10に対向するようになる位置まで戻す。また、インクリボン3のM(マゼンタ)のインクをサーマルヘッド10に対向させる。そして、Y(イエロ)のインクを転写する際と同様に、印画紙2を排紙方向(図1の矢印A方向)に搬送しながらサーマルヘッド10からインクリボン3に熱エネルギを加え、M(マゼンタ)のインクを昇華して、印画紙2上に転写する。さらに、M(マゼンタ)のインクを転写する際と同様にして、C(シアン)のインク及びラミネートインクを印画紙2に順次転写し、カラー画像や文字を印画するとともに、画像等の保存性を向上させた後、排紙ローラ8によって排紙する。
図3は、第1実施形態のサーマルヘッド10の全体を示す斜視図である。
図3に示すように、サーマルヘッド10は、ヘッド部10aと放熱板40(本発明における放熱部材に相当するもの)とによって構成されたものである。そして、ヘッド部10aは、印画紙2(図2参照)の搬送方向に対して直交方向(図3の矢印L方向)に、印画紙2の幅よりも長くなっている。そのため、印画紙2の幅方向両端の余白を無くした縁なしの画像を形成することができる。
図3に示すように、サーマルヘッド10は、ヘッド部10aと放熱板40(本発明における放熱部材に相当するもの)とによって構成されたものである。そして、ヘッド部10aは、印画紙2(図2参照)の搬送方向に対して直交方向(図3の矢印L方向)に、印画紙2の幅よりも長くなっている。そのため、印画紙2の幅方向両端の余白を無くした縁なしの画像を形成することができる。
また、サーマルヘッド10によって画像を形成するため、ヘッド部10aの両端には、一端がヘッド部10aと電気的に接続され、他端が電源と接続された電源用フレキシブル基板61が設けられている。さらにまた、ヘッド部10aの両端の電源用フレキシブル基板61の間には、一端がヘッド部10aと電気的に接続され、他端が制御回路と電気的に接続された駆動用フレキシブル基板62が複数並設されている。そして、電源用フレキシブル基板61及び駆動用フレキシブル基板62は、ヘッド部10aとの間に、導電性粒子を含む絶縁樹脂材料からなるフィルム(例えば、異方性導電性フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film ))を介在させて接続されている。
ここで、サーマルヘッド10は、熱エネルギを発生するヘッド部10aに、発生した熱を放熱させる放熱板40が接着されている。すなわち、非印画時に、ヘッド部10aの余分な熱を放熱板40に逃がすようになっている。なお、放熱板40の接着剤50(図示せず)には、熱伝導性のあるフィラ等が含有されている。
図4は、第1実施形態のサーマルヘッド10を部分的に示す斜視図である。
また、図5は、第1実施形態のサーマルヘッド10を示す縦断面図である。
図4及び図5に示すように、サーマルヘッド10のヘッド部10aは、ガラス基板11(本発明におけるヘッド本体部に相当するもの)と、ガラス基板11上に配列された発熱抵抗体12(本発明における発熱素子に相当するもの)と、この発熱抵抗体12を発熱させるための電源電極13a及び駆動電極13bと、発熱抵抗体12、電源電極13a、及び駆動電極13b上に設けられた保護膜30とを備えている。そして、このヘッド部10aに放熱板40が接着剤50(図5参照)によって接着されてサーマルヘッド10が構成されている。
また、図5は、第1実施形態のサーマルヘッド10を示す縦断面図である。
図4及び図5に示すように、サーマルヘッド10のヘッド部10aは、ガラス基板11(本発明におけるヘッド本体部に相当するもの)と、ガラス基板11上に配列された発熱抵抗体12(本発明における発熱素子に相当するもの)と、この発熱抵抗体12を発熱させるための電源電極13a及び駆動電極13bと、発熱抵抗体12、電源電極13a、及び駆動電極13b上に設けられた保護膜30とを備えている。そして、このヘッド部10aに放熱板40が接着剤50(図5参照)によって接着されてサーマルヘッド10が構成されている。
ヘッド部10aには、発熱抵抗体12から熱エネルギを発生させるため、電源電極13aに、電源用フレキシブル基板61(図3参照)がACF(異方性導電性フィルム)を介して電気的に接続されている。また、駆動電極13bには、駆動用フレキシブル基板62(図4参照)がACF(異方性導電性フィルム)を介して電気的に接続されている。
ここで、ガラス基板11は、ヘッド部10aの本体となるものであり、例えば、軟化点が500℃程度で、熱伝導率が1W/mK程度のガラスで矩形状に形成されている。そして、このガラス基板11には、凹状の空隙部11aが形成されている。なお、ガラス基板11は、ガラスに代表される所定の表面性や熱特性等を有する材料から形成されたものであるが、本発明におけるヘッド本体部をガラス基板11とせず、人工水晶や人造ルビー、人造サファイヤ等の合成宝石、人造石、高密度セラミック等からなる支持基板としても良い。
また、ガラス基板11は、発熱抵抗体12が配列された突部20aを有している。この突部20aは、ガラス基板11の幅方向の中央部であって、長さ方向(図4の矢印L方向)に、縦断面が略円弧状に形成されたものである。そのため、インクリボン3(図2参照)と対向する面が略円弧状の突部20aとなり、突部20a上に配列された発熱抵抗体12とインクリボン3との当たりが良くなる。その結果、発熱抵抗体12が発生する熱エネルギをインクリボン3に効率的に伝達できる。
発熱抵抗体12は、熱エネルギを発生するものであり、上記のように、ガラス基板11の突部20a上に配列されている。この発熱抵抗体12は、例えば、Ta(タンタル)−SiO2 (二酸化ケイ素)、Nb(ニオブ)−SiO2 (二酸化ケイ素)等、温度が上昇すると抵抗値も上昇する材料(抵抗値の温度依存性が正特性を持った材料)からなっている。そして、電源電極13a及び駆動電極13bの間から露出した発熱抵抗体12の部分が実際に熱エネルギを発生する発熱部12aとなり、突部20a上に矩形状に設けられている。また、発熱部12aは、発生する熱エネルギを分散させるため、転写させたいインクのドットサイズよりもやや大きく形成されている。
ここで、発熱抵抗体12として、抵抗値の温度依存性が正特性の材料を使用するのは、発熱部12aの異常な温度上昇を自己抑制できるようにするためである。すなわち、従来から一般的に使用されている材料は、温度依存性のないものや少ないものであった。しかしながら、温度依存性が正特性であると、温度が上昇すると抵抗値も上昇するので、発熱抵抗体12に流れる電流が減少する。そのため、発熱量も減少し、自己抑制的に温度上昇が抑えられることとなる。その結果、温度上昇に起因した抵抗値の永久変化や破壊限界が改善され、耐久性及び信頼性が向上する。
また、発熱抵抗体12への通電初期は、発生した熱が周囲に吸収されてしまうので、急峻な温度上昇を実現できず、先鋭性を欠いた画質となってしまう。そして、この状況は、急峻な温度変化を要求する印画を行う場合も同様である。しかしながら、抵抗値の温度依存性が正特性の材料であれば、通電開始によって温度が上昇すると発熱抵抗体12の抵抗値も上昇し、大きな電力が印加されるようになる。その結果、発熱量が大きくなり、温度上昇の立上り特性が改善される。
電源電極13a及び駆動電極13bは、電源からの電流を発熱抵抗体12に供給するとともに、発熱抵抗体12を駆動して、発熱部12aを発熱させるためのものである。この電源電極13a及び駆動電極13bは、例えば、Al(アルミニウム)、Au(金)、Cu(銅)等の電気伝導性の良い材料からなるもので、図4に示すように、電源電極13aは、すべての発熱抵抗体12と電気的に接続された共通電極であり、駆動電極13bは、発熱抵抗体12ごとに個別に接続された個別電極となっている。
また、電源電極13a(共通電極)は、ガラス基板11の突部20aを挟んで、電源用フレキシブル基板61(図3参照)が貼り合わされた側とは反対側に設けられているが、端部の両側がガラス基板11の短辺に沿って電源用フレキシブル基板61側に導かれ、電源用フレキシブル基板61とACF(異方性導電性フィルム)を介して電気的に接続されている。そのため、電源用フレキシブル基板61を介して電源と接続され、すべての発熱抵抗体12に電流が供給されることとなる。
さらにまた、駆動電極13b(個別電極)は、ガラス基板11の突部20aを挟んで、駆動用フレキシブル基板62(図4参照)が貼り合わされている側に設けられている。そして、発熱抵抗体12の駆動を制御する制御回路と接続された駆動用フレキシブル基板62とACF(異方性導電性フィルム)を介して電気的に接続されている。そのため、制御回路によって選択された発熱抵抗体12に所定時間だけ電流を供給することにより、その発熱抵抗体12の発熱部12aが発熱し、その発熱エネルギによってインクリボン3(図2参照)のインクが昇華し、印画紙2(図2参照)に転写される温度まで上昇する。
さらに、電源電極13a及び駆動電極13bは、絶縁樹脂材料からなるACF(異方性導電性フィルム)を介して電源用フレキシブル基板61(図3参照)及び駆動用フレキシブル基板62(図4参照)と接続されているので、発熱部12aで発生した熱が電源電極13aや駆動電極13bを通して電源用フレキシブル基板61や駆動用フレキシブル基板62側に放熱されることが防止される。そのため、発熱部12aから発生した熱の無駄な放熱が抑えられ、熱効率が向上する。
保護膜30は、ヘッド部10aの最も外側に設けられたものである。そして、発熱抵抗体12(発熱部12a)、電源電極13a、及び駆動電極13bを覆うことにより、ヘッド部10aとインクリボン3(図2参照)とが当接した際の摩擦等から発熱部12a等を保護している。この保護膜30には、摺動性や耐摩耗性を有する材料が用いられ、例えば、高温下で高強度であり、耐摩耗性、耐熱性、耐熱衝撃性、及び熱伝導性等に優れたSiAlON(サイアロン)が好適なものである。なお、この材料は、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)、O(酸素)、及びN(窒素)の4つの元素から構成され、Si(ケイ素)原子の一部にAl(アルミニウム)原子が置換し、N(窒素)原子の一部にO(酸素)が置換したSiAlON(サイアロン)という化学式で表されるエンジニアリング・セラミックスである。
このようなヘッド部10aにおいて、ガラス基板11には、突部20aと対向するように空隙部11aが形成されている。すなわち、空隙部11aは、サーマルヘッド10の長さ方向(図4の矢印L方向)に発熱抵抗体12が配列されている突部20aと対向し、発熱抵抗体12の発熱部12aに向かって凹状に形成されたものである。そのため、ガラスよりも熱伝導率が低いという空気の特性により、空隙部11a内の空気がガラス基板11への放熱を効果的に抑制し、発熱部12aから発生した熱エネルギがガラス基板11に放熱されにくくなる。その結果、インクリボン3(図2参照)側への熱エネルギを多くすることができ、サーマルヘッド10の熱効率が向上する。
また、突部20aの厚さは、空隙部11aによって薄くなっているので、蓄熱量が少ない。そのため、短時間で熱エネルギを放熱できることから、発熱部12aを発熱させないときには、サーマルヘッド10の温度を直ちに下げることができる。その結果、サーマルヘッド10の応答性が向上し、画像や文字がぼやけたりするような不具合が生じることなく、省電力で高速に高品位な画像や文字を印画できるようになる。
さらにまた、突部20aは、発熱部12aから発生した熱エネルギの蓄熱部となる。そして、この突部20aに蓄熱された熱エネルギにより、印画紙2(図2参照)にインクを転写する際に、省電力で直ちにインクの昇華温度まで温度を上昇させることができるようになる。その結果、サーマルヘッド10の熱効率がより一層向上する。
このように、ガラス基板11には、空隙部11aが形成され、空隙部11aによって熱効率及び応答性を向上させている。そして、この空隙部11aは、Al(アルミニウム)等の金属からなる放熱板40によって塞がれる。すなわち、ガラス基板11の裏面に、空隙部11aの開口面を塞ぐようにして放熱板40を接着することにより、サーマルヘッド10となる。
ガラス基板11と放熱板40との接着は、放熱板40の表面に接着剤50(図5参照)を塗布しておき、上からガラス基板11を押圧しながら熱を加えることによって行う。この接着剤50は、弾性及び熱伝導性を有する材料(例えば、加熱硬化型のシリコーンゴム等)からなり、高硬度で熱伝導性を有するフィラ(例えば、粒状又は線状のAl2O3(酸化アルミニウム)等)が含有されている。
したがって、接着剤50(図5参照)が熱伝導性を有することとなり、発熱抵抗体12に対する通電を止めた際(非印画時)のガラス基板11側の余分な熱を効率的に放熱板40に放熱できる。また、ガラス基板11と放熱板40との熱膨張係数の違いによる剪断力は、接着剤50の厚み(例えば、50μm程度)によって吸収されるので、放熱板40が剥がれることはない。
ところが、放熱板40の接着時の押圧により、接着剤50(図5参照)がガラス基板11の外部にはみ出すとともに、空隙部11a側にもはみ出す。そして、接着剤50の塗布量のばらつきや過度の押圧により、接着剤50のはみ出し量が多くなることがある。そこで、第1実施形態のサーマルヘッド10では、放熱板40に溝部41を形成している。
この溝部41は、空隙部11aと反対側に凹むものであり、空隙部11aの開口面と対向するように形成されている。そのため、図5に示すように、放熱板40の接着時の押圧によって接着剤50が空隙部11a側にはみ出しても、その接着剤50aは、空隙部11aに入り込まずに溝部41内に流れ落ち、そこで硬化する。したがって、空隙部11a内の空気量が少なくならず、空隙部11aを備えるサーマルヘッド10の本来の特性である高い熱効率及び高い応答性を維持できる。
また、溝部41は、発熱抵抗体12の配列方向(図4の矢印L方向)に貫通している。そのため、接着剤50(図5参照)の中に混入した気泡が溝部41の両端部から外部に排出され、エア抜きが可能となるので、接着剤50の塗布ムラ等による接着不良を防止できる。なお、溝部41は、貫通せずに両端部が閉じていても良い。
図6は、第2実施形態のサーマルヘッド81を示す縦断面図である。
図6に示すように、第2実施形態のサーマルヘッド81は、放熱板40に溝部42及び溝部43を形成したものである。この溝部42及び溝部43は、空隙部11aの開口面の両側に形成されており、開口面と対向する位置では、放熱板40が空隙部11aに向けて突出した段差となっている。
図6に示すように、第2実施形態のサーマルヘッド81は、放熱板40に溝部42及び溝部43を形成したものである。この溝部42及び溝部43は、空隙部11aの開口面の両側に形成されており、開口面と対向する位置では、放熱板40が空隙部11aに向けて突出した段差となっている。
このような第2実施形態のサーマルヘッド81であれば、ガラス基板11と放熱板40との接着に際して、空隙部11aの開口面部分では、放熱板40上の接着剤50の塗布量が少なくなるので、空隙部11a内への接着剤50の流入を防止しつつ、その他の部分では、十分な量の接着剤50によって接着強度を維持できる。すなわち、加熱硬化型のシリコーンゴム等からなる弾性を有する接着剤50は、接着強度を維持するためにある程度の接着厚さが必要となるが、第2実施形態のサーマルヘッド81は、溝部42及び溝部43によって接着剤50が空隙部11aに入り込むことを防止し、良好な熱効率及び応答性を確保するだけでなく、接着剤50が厚く塗布されて接着強度を確保している。なお、溝部42及び溝部43の接着剤50の厚さは約50μmであり、空隙部11aの開口面部分の接着剤50の厚さは10〜20μmとなっている。
また、印画時には、突部20aに押圧力が作用するので、空隙部11aの開口面部分には、最も大きな力が作用する。そして、接着剤50が厚くなっていると、弾性を有する接着剤50が荷重によって沈み込み、ガラス基板11がたわんで空隙部11aの上部に引張り応力が加わる結果、破壊されやすくなる。しかしながら、第2実施形態のサーマルヘッド81は、空隙部11aの開口面の周辺部における接着剤50の量が少なく、放熱板40が強度部材となるため、空隙部11aの強度を維持できる。
図7は、第3実施形態のサーマルヘッド82を示す縦断面図である。
図7に示すように、第3実施形態のサーマルヘッド82は、放熱板40に溝部42及び溝部44を形成したものである。この溝部42及び溝部44は、空隙部11aの開口面の両側に形成されており、開口面と対向する位置では、放熱板40が空隙部11aに向けて突出した段差となっている。また、溝部44は、幅が狭いものであり、突部20aから離れた駆動電極13bと対向する位置には形成されていない。
図7に示すように、第3実施形態のサーマルヘッド82は、放熱板40に溝部42及び溝部44を形成したものである。この溝部42及び溝部44は、空隙部11aの開口面の両側に形成されており、開口面と対向する位置では、放熱板40が空隙部11aに向けて突出した段差となっている。また、溝部44は、幅が狭いものであり、突部20aから離れた駆動電極13bと対向する位置には形成されていない。
このような第3実施形態のサーマルヘッド82であれば、第2実施形態のサーマルヘッド81と同様に、溝部42及び溝部44によって空隙部11a内への接着剤50の流入が防止され、空隙部11aによって良好な熱効率及び応答性が確保される。また、空隙部11aの開口面の周辺部における接着剤50の量が少なく、放熱板40が強度部材となるため、印画時の荷重に対する空隙部11aの強度を維持できる。
さらに、第3実施形態のサーマルヘッド82は、製造時の強度を確保したものとなっている。すなわち、駆動電極13には、駆動用フレキシブル基板62(図4参照)が電気的に接続されるので、突部20aから離れた駆動電極13bの接続部分では、ガラス基板11に荷重が作用する。そこで、第3実施形態のサーマルヘッド82では、溝部44を駆動電極13bと駆動用フレキシブル基板62との接続部分の下から離すことにより、駆動用フレキシブル基板62を接続する際の荷重による接着剤50の沈み込み(ガラス基板11のたわみ)を少なくし、製造時の強度を確保している。その結果、歩留まりや品質が向上する。
図8は、第4実施形態のサーマルヘッド91を示す縦断面図である。
図8に示すように、第4実施形態のサーマルヘッド91は、ガラス基板11に副空隙部71a及び副空隙部71bを形成したものである。この副空隙部71a及び副空隙部71bは、空隙部11aと平行な凹状のものであり、突部20aに対向する位置であって、空隙部11aの両側に形成されている。
図8に示すように、第4実施形態のサーマルヘッド91は、ガラス基板11に副空隙部71a及び副空隙部71bを形成したものである。この副空隙部71a及び副空隙部71bは、空隙部11aと平行な凹状のものであり、突部20aに対向する位置であって、空隙部11aの両側に形成されている。
このような第4実施形態のサーマルヘッド91であれば、放熱板40の接着時の押圧によって接着剤50がはみ出しても、その接着剤50は、空隙部11a、副空隙部71a、及び副空隙部71bの全部が逃げ場となり、それぞれに少しずつ入り込む。そのため、空隙部11a、副空隙部71a、及び副空隙部71b内の空気量がほとんど変化せず、良好な熱効率及び応答性を確保できる。
また、空隙部11aに加え、副空隙部71a及び副空隙部71bが形成されていることにより、発熱抵抗体12から放熱板40への熱の逃げ道が狭くなり、ガラス基板11の熱容量を小さくさせることができる。そのため、印画に必要な熱がインクリボン3(図2参照)に効率良く伝わり、サーマルヘッド91の低消費電力化を実現できる。しかも、熱容量の低減により、発熱抵抗体12に対する通電を止めた際(非印画時)の熱応答特性が改善されるので、高速印画が可能になるとともに、尾引きと言われる現象を防止できるようになる。なお、第4実施形態のサーマルヘッド91によれば、従来のサーマルヘッド110(図13参照)に比べ、電力で約11%、熱応答特性(尾引き特性)で約4%の改善効果が確認された。
図9は、第5実施形態のサーマルヘッド92を示す縦断面図である。
図9に示すように、第5実施形態のサーマルヘッド92は、ガラス基板11に副空隙部72a及び副空隙部72bを形成したものである。この副空隙部72a及び副空隙部72bは、空隙部11aと平行な凹状のものであり、突部20aから離れた位置であって、空隙部11aの両側に形成されている。
図9に示すように、第5実施形態のサーマルヘッド92は、ガラス基板11に副空隙部72a及び副空隙部72bを形成したものである。この副空隙部72a及び副空隙部72bは、空隙部11aと平行な凹状のものであり、突部20aから離れた位置であって、空隙部11aの両側に形成されている。
このような第5実施形態のサーマルヘッド92も、第4実施形態のサーマルヘッド91と同様に、空隙部11a、副空隙部72a、及び副空隙部72bのそれぞれに少しずつ接着剤50が入り込むので、空気量がほとんど変化せず、良好な熱効率及び応答性を確保できる。また、低消費電力化を実現でき、熱応答特性(尾引き特性)が改善され、高速印画が可能となる。
図10は、第6実施形態のサーマルヘッド93を示す縦断面図である。
図10に示すように、第6実施形態のサーマルヘッド93は、ガラス基板11に副空隙部71a、副空隙部71b、副空隙部72a、及び副空隙部72bを形成したものである。すなわち、第4実施形態のサーマルヘッド91における副空隙部71a及び副空隙部71bと、第5実施形態のサーマルヘッド92における副空隙部72a及び副空隙部72bとを合わせて設けたものである。
図10に示すように、第6実施形態のサーマルヘッド93は、ガラス基板11に副空隙部71a、副空隙部71b、副空隙部72a、及び副空隙部72bを形成したものである。すなわち、第4実施形態のサーマルヘッド91における副空隙部71a及び副空隙部71bと、第5実施形態のサーマルヘッド92における副空隙部72a及び副空隙部72bとを合わせて設けたものである。
このような第6実施形態のサーマルヘッド93によれば、より一層良好な熱効率及び応答性が確保でき、さらなる低消費電力化を実現でき、熱応答特性(尾引き特性)がより一層改善され、高速印画が可能となる。なお、副空隙部71a等の配置は特に限られず、数は1つ以上であれば良く、左右対称配置や左右一組でなくても良い。
図11は、第7実施形態のサーマルヘッド94を示す縦断面図である。
図11に示すように、第7実施形態のサーマルヘッド94は、ガラス基板11に副空隙部73a及び副空隙部73bを形成したものである。この副空隙部73a及び副空隙部73bは、空隙部11aと平行な凹状のものであり、空隙部11aの両側に形成されているが、縦断面が略半円形状となっている。
図11に示すように、第7実施形態のサーマルヘッド94は、ガラス基板11に副空隙部73a及び副空隙部73bを形成したものである。この副空隙部73a及び副空隙部73bは、空隙部11aと平行な凹状のものであり、空隙部11aの両側に形成されているが、縦断面が略半円形状となっている。
このような第7実施形態のサーマルヘッド94も、第4実施形態のサーマルヘッド91と同様に、空隙部11a、副空隙部73a、及び副空隙部73bのそれぞれに少しずつ接着剤50が入り込むので、空気量がほとんど変化せず、良好な熱効率及び応答性を確保できる。また、低消費電力化を実現でき、熱応答特性(尾引き特性)が改善され、高速印画が可能となる。なお、副空隙部73a等の断面形状は、特に限定されるものではない。
図12は、第8実施形態のサーマルヘッド95を示す縦断面図である。
図12に示すように、第8実施形態のサーマルヘッド94は、第4実施形態のサーマルヘッド91に対し、縦断面形状が開口面に向かって広くなるようにした空隙部11b、副空隙部74a、及び副空隙部74bとなっている。
図12に示すように、第8実施形態のサーマルヘッド94は、第4実施形態のサーマルヘッド91に対し、縦断面形状が開口面に向かって広くなるようにした空隙部11b、副空隙部74a、及び副空隙部74bとなっている。
第8実施形態のサーマルヘッド95において、このような縦断面形状の空隙部11b、副空隙部74a、及び副空隙部74bとしたのは、ガラス基板11の製造の容易性を考慮したものである。すなわち、ガラス基板11の空隙部11b、副空隙部74a、及び副空隙部74bは、ガラスを熱プレスすることによって形成することができるが、縦断面形状が開口面に向かって広くなるようにしておけば、熱プレス成型後の金型が離型しやすくなる。そのため、ガラス基板11の生産性が向上する。
このように、各実施形態のサーマルヘッド10、サーマルヘッド81〜82、及びサーマルヘッド91〜95は、放熱板40の溝部41〜44又はガラス基板11の副空隙部71a〜74bが接着剤50の逃げ場となる。そのため、空隙部11aや空隙部11b内への接着剤の流入が抑制され、内部の空気量がほとんど変化しないので、良好な熱効率及び応答性を確保できる。その結果、低消費電力化が実現され、熱応答特性(尾引き特性)が改善され、高速印画が可能となる。
1 サーマルプリンタ
2 印画紙(記録媒体)
10,81,82,91,92,93,94,95 サーマルヘッド
11 ガラス基板(ヘッド本体部)
11a,11b 空隙部
12 発熱抵抗体(発熱素子)
20a 突部
40 放熱板(放熱部材)
41,42,43,44 溝部
71a,71b,72a,72b,73a,73b,74a,74b 副空隙部
2 印画紙(記録媒体)
10,81,82,91,92,93,94,95 サーマルヘッド
11 ガラス基板(ヘッド本体部)
11a,11b 空隙部
12 発熱抵抗体(発熱素子)
20a 突部
40 放熱板(放熱部材)
41,42,43,44 溝部
71a,71b,72a,72b,73a,73b,74a,74b 副空隙部
Claims (7)
- 発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドであって、
前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、
前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材と
を備え、
前記放熱部材は、前記空隙部と反対側に凹む溝部を備える
ことを特徴とするサーマルヘッド。 - 請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、
前記溝部は、前記空隙部の開口面と対向するように形成されている
ことを特徴とするサーマルヘッド。 - 請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、
前記溝部は、前記空隙部の開口面の両側に形成されている
ことを特徴とするサーマルヘッド。 - 請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、
前記溝部は、前記発熱素子の配列方向に貫通している
ことを特徴とするサーマルヘッド。 - 発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドであって、
前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、
前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材と
を備え、
前記ヘッド本体部は、前記空隙部と平行な凹状の副空隙部を備える
ことを特徴とするサーマルヘッド。 - 発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタであって、
前記サーマルヘッドは、
前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、
前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材と
を備え、
前記放熱部材は、前記空隙部と反対側に凹む溝部を備える
ことを特徴とするサーマルプリンタ。 - 発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタであって、
前記サーマルヘッドは、
前記突部及び前記突部に対向する凹状の空隙部が形成されたヘッド本体部と、
前記空隙部の開口面を塞ぐようにして前記ヘッド本体部に接着される放熱部材と
を備え、
前記ヘッド本体部は、前記空隙部と平行な凹状の副空隙部を備える
ことを特徴とするサーマルプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008022964A JP2009184109A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | サーマルヘッド及びサーマルプリンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008022964A JP2009184109A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | サーマルヘッド及びサーマルプリンタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009184109A true JP2009184109A (ja) | 2009-08-20 |
Family
ID=41067887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008022964A Pending JP2009184109A (ja) | 2008-02-01 | 2008-02-01 | サーマルヘッド及びサーマルプリンタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009184109A (ja) |
-
2008
- 2008-02-01 JP JP2008022964A patent/JP2009184109A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4548370B2 (ja) | サーマルヘッド及びプリンタ装置 | |
US7843476B2 (en) | Thermal head and printer | |
US8031215B2 (en) | Thermal head, thermal printer and manufacturing method of thermal head | |
JP2007245672A (ja) | サーマルヘッド及びこれを備えたプリンタ装置 | |
KR20070094540A (ko) | 써멀 헤드 및 프린터 장치 | |
US20070216749A1 (en) | Thermal head and printing device | |
JP4458054B2 (ja) | サーマルヘッド及びプリンタ装置 | |
JP5157494B2 (ja) | サーマルヘッド及びサーマルプリンタ | |
US8189019B2 (en) | Thermal head, thermal printer, and manufacturing method for thermal head | |
JP2007245671A (ja) | サーマルヘッド及びプリンタ装置 | |
JP2002301834A (ja) | サーマルヘッド及びその製造方法 | |
US20070171270A1 (en) | Thermal head and manufacturing method thereof | |
JP2009208361A (ja) | サーマルヘッド及びサーマルプリンタ | |
JP2009184109A (ja) | サーマルヘッド及びサーマルプリンタ | |
JP4506696B2 (ja) | サーマルヘッド及びプリンタ装置 | |
JP2007283645A (ja) | サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法およびプリンタ装置 | |
JP2005096274A (ja) | サーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタ | |
JP2010214724A (ja) | サーマルヘッド | |
JP2005329561A (ja) | サーマルヘッド及びプリンタ | |
JP2000272153A (ja) | サーマルヘッド | |
JP2003054020A (ja) | サーマルヘッド及びその製造方法 | |
JP2023072918A (ja) | サーマルプリントヘッド、およびサーマルプリントヘッドの製造方法 | |
JP6081888B2 (ja) | サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ | |
JP2001315371A (ja) | サーマルヘッド | |
JP2005212130A (ja) | プリンタ |