JP2009208361A - サーマルヘッド及びサーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性を向上させつつ、印画の濃度ムラの解消を図る。
【解決手段】発熱抵抗体12の一方の側に設けられた駆動電極13bと、発熱抵抗体12の他方の側に設けられ、2つの駆動電極13bの間に位置する電源電極13aと、発熱抵抗体12を駆動するドライバIC74と、駆動電極13b、電源電極13a、及びドライバIC74と電気的に接続されたフレキシブル基板70とを備え、フレキシブル基板70は、フレキシブル基板70の一方の面に配置され、駆動電極13b及びドライバIC74と電気的に接続される駆動配線パターン72aと、電源電極13aと電気的に接続される電源配線パターン71とを備え、電源配線パターン71は、フレキシブル基板70のドライバIC74と重なる範囲では、ドライバIC74が配置された面と反対側の面に配置され、ドライバIC74及び駆動配線パターン72aと電気的に絶縁されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッド及びサーマルプリンタに係るものである。そして、詳しくは、印画の濃度ムラの解消を図るとともに、生産性を向上できる技術に関するものである。
従来から、突部に発熱抵抗体(発熱素子)を配列したサーマルヘッドと、サーマルヘッドに対向するように設けられたプラテンローラとを備えるサーマルプリンタが知られている。このようなサーマルプリンタは、サーマルヘッドの突部とプラテンローラ上に搬送された印画紙(記録媒体)とを押圧させて画像を形成するようになっている。なお、突部と印画紙との押圧は、サーマルヘッドを移動させる場合と、プラテンローラを移動させる場合とがある。
ここで、サーマルプリンタには、画像形成方式として昇華方式や感熱方式等があるが、いずれの方式であっても、サーマルヘッドの発熱抵抗体に対して階調レベルに応じた選択的な通電を行い、その際に発生する熱エネルギを利用して画像を形成している。例えば、昇華方式のサーマルプリンタの場合には、インクリボンを介して印画紙にサーマルヘッドの突部を押圧し、発熱抵抗体を駆動して発熱させると、インクリボン上のインクが発熱抵抗体の熱エネルギに比例して印画紙上に昇華され、印画が行われる。
図13は、このような従来のサーマルヘッド110の配線構造を示す平面図である。
また、図14は、図13に示す従来のサーマルヘッド110の配線構造を示す縦断面図(図13のa−a線の断面図)である。
図13に示すように、サーマルヘッド110は、発熱抵抗体112と、発熱抵抗体112を発熱させるための電源電極113a及び駆動電極113bとを備えている。そして、隣り合う2つの発熱抵抗体112は、折返し配線114によって電気的に接続されている。なお、電源電極113aは、隣り合う2つの発熱抵抗体112に共通のものであり、全ての電源電極113aは、発熱抵抗体112の配列方向に細長く伸びる共通電極115と電気的に接続されている。
また、発熱抵抗体112は、縦断面が略円弧状の突部111a(図14参照)が形成されたガラス基板111上に配列されており、電源電極113aと折返し配線114との間や、駆動電極113bと折返し配線114との間で発熱抵抗体112が露出した部分が実際に熱エネルギを発生する発熱部112aとなっている。そして、発熱抵抗体112、電源電極113a、駆動電極113b、及び折返し配線114の上には、図14に示すように、これらを保護する保護膜130が積層されている。さらにまた、サーマルヘッド110は、選択的な通電を行なって発熱抵抗体112を駆動するため、駆動用のドライバIC172や、電源に接続され、制御回路等が設けられたリジッド基板180を備えている。なお、ガラス基板111及びリジッド基板180の下側には、放熱板140が接着剤150によって接着されている。
このようなサーマルヘッド110において、発熱抵抗体112の電源電極113aは、図13に示すように、共通電極115を介して、金ワイヤ171aにより、リジッド基板180の電源ランド181aと電気的に接続されている。一方、駆動電極113bは、各駆動電極113bごとに個別の金ワイヤ171bにより、ドライバIC172と接続されている。さらに、駆動用のドライバIC172は、金ワイヤ171cにより、リジッド基板180の電源ランド181bと電気的に接続されている。
次に、図13及び図14に示す従来のサーマルヘッド110における電流の流れについて説明する。
最初に、電源からの電流は、図13に示すリジッド基板180上の電源ランド181aに流れ込む。その後、電流は、金ワイヤ171aを通って共通電極115に流れ込み、共通電極115から電源電極113aに分岐し、さらに、それぞれの発熱抵抗体112に向かって流れて行く。そして、この際に、金ワイヤ171aが共通電極115の両端部のみに接続されていることから、中央部の発熱抵抗体112に向かうにつれて電圧降下が発生する。
図15は、図13及び図14に示す従来のサーマルヘッド110における共通電極115の電圧降下を示すグラフである。
図15に示すように、共通電極115の電圧は、金ワイヤ171a(図13参照)が接続されている両端部が最も高い。ところが、金ワイヤ171aから離れた中央部では、共通電極115の配線抵抗により、電圧が降下してしまう。
このような共通電極115の電圧降下は、印画の濃度ムラの原因となる。すなわち、共通電極115の両端部に位置する発熱抵抗体112(図13参照)に対しては、電圧降下がないために供給電圧が高くなる。そのため、印画の濃度が高くなる。一方、共通電極115の中央部に位置する発熱抵抗体112に対しては、電圧降下のために供給電圧が低くなる。その結果、印画の濃度が低くなるので、両端部が濃く、中央部に向かって徐々に薄くなる濃度ムラが発生することとなる。
したがって、共通電極115の電圧降下に起因する印画の濃度ムラを対策する必要が生じる。この場合、電圧降下を防ぐために共通電極115の幅を広くすることが考えられるが、共通電極115は、一般にスパッタリング法等で成膜された薄膜パターンであり、コスト等の問題からくるガラス基板111(図13参照)のサイズの制約もあるので、必要以上に幅を広くすることはできない。また、成膜にかけるタクトスピードの制約から、厚さを必要以上に厚くすることもできない。さらにまた、トリミング等の方法によって発熱抵抗体112(図13参照)の抵抗値を調整することも考えられるが、生産コスト的に非常に非効率なものとなる。
そこで、ドライバIC172(図13参照)ごとに電圧降下を補償する方法が提案されている。すなわち、外側寄りのドライバIC172に対する電気抵抗値が内側寄りよりも大きくなるように配線幅を変更し、それによって電圧降下を補償して、外側寄りでも内側寄りでもほぼ等しい電流で駆動できるようした技術である(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−71923号公報
しかし、上記の特許文献1に記載の技術では、配線幅を試行錯誤によって決定しなければならないため、試作回数が増大し、非効率的である。また、配線も複雑になってしまう。さらにまた、ドライバIC172(図13参照)ごとでしか電圧降下を補償できず、そのドライバIC172に対応する共通電極115(図13参照)では、配線抵抗によって電力ロスが発生することが避けられない。そのため、消費エネルギの効率化という観点から問題があるだけでなく、印画の濃度ムラの対策として不十分である。
さらに、電力ロスを少なくするために共通電極115(図13参照)と金ワイヤ171a(図13参照)とを両端部以外でも接続すると、生産性が悪化する。すなわち、金ワイヤ171aは、ワイヤボンディング法によって接続されているので、金ワイヤ171aによる接続を多くする(例えば、共通電極115の中央部に何本も接続する)と、それだけワイヤボンディングの数が増え、生産性に悪影響を及ぼすこととなる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、生産性を向上させつつ、印画の濃度ムラの解消を図ることである。
本発明は、以下の解決手段により、上述の課題を解決する。
本発明の請求項1に記載の発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドであって、前記突部が形成されたヘッド本体部と、前記発熱素子の一方の側に設けられた駆動電極と、前記発熱素子の他方の側に設けられ、2つの前記駆動電極の間に位置する電源電極と、前記発熱素子を駆動する駆動手段と、前記駆動電極、前記電源電極、及び前記駆動手段と電気的に接続されたフレキシブル基板とを備え、前記フレキシブル基板は、前記フレキシブル基板の一方の面に配置され、前記駆動電極及び前記駆動手段と電気的に接続される駆動配線パターンと、前記電源電極と電気的に接続される電源配線パターンとを備え、前記電源配線パターンは、前記フレキシブル基板の前記駆動手段と重なる範囲では、前記駆動手段が配置された面と反対側の面に配置され、前記駆動手段及び前記駆動配線パターンと電気的に絶縁されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の発明は、発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタであって、前記サーマルヘッドは、前記突部が形成されたヘッド本体部と、前記発熱素子の一方の側に設けられた駆動電極と、前記発熱素子の他方の側に設けられ、2つの前記駆動電極の間に位置する電源電極と、前記発熱素子を駆動する駆動手段と、前記駆動電極、前記電源電極、及び前記駆動手段と電気的に接続されたフレキシブル基板とを備え、前記フレキシブル基板は、前記フレキシブル基板の一方の面に配置され、前記駆動電極及び前記駆動手段と電気的に接続される駆動配線パターンと、前記電源電極と電気的に接続される電源配線パターンとを備え、前記電源配線パターンは、前記フレキシブル基板の前記駆動手段と重なる範囲では、前記駆動手段が配置された面と反対側の面に配置され、前記駆動手段及び前記駆動配線パターンと電気的に絶縁されていることを特徴とする。
(作用)
上記の請求項1及び請求項6に記載の発明は、電源電極が2つの駆動電極の間に位置しているので、電源電極の数が多くなる。また、フレキシブル基板は、駆動電極及び駆動手段と電気的に接続される駆動配線パターンと、電源電極と電気的に接続される電源配線パターンとを備えているので、フレキシブル基板と、駆動電極、電源電極、及び駆動手段とを電気的に接続するだけで、共通電極を介することなく、サーマルヘッドの配線が可能となる。さらにまた、電源配線パターンは、フレキシブル基板の駆動手段と重なる範囲では、駆動手段が配置された面と反対側の面に配置され、駆動手段及び駆動配線パターンと電気的に絶縁されているので、駆動手段及び駆動配線パターンの両端部以外にも電源配線パターンを配置できる。
上記の発明によれば、フレキシブル基板の電気的な接続だけでサーマルヘッドの配線が可能となるので、生産性が向上する。また、駆動手段及び駆動配線パターンの両端部以外にも電源配線パターンを配置でき、共通電極を介することなく、多くの電源電極と電源配線パターンとを電気的に接続できるので、両端部の発熱素子と中央部の発熱素子とで電圧に差が生じない。したがって、生産性を向上させつつ、印画の濃度ムラの解消を図ることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のサーマルヘッド10を備えるサーマルプリンタ1を示す概略の側面図である。
また、図2は、第1実施形態のサーマルヘッド10の周辺部を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、サーマルプリンタ1は、印画紙2(記録媒体)に対し、インクリボン3上のインクを昇華させて画像を形成する昇華型のものである。すなわち、サーマルヘッド10によって発生した熱エネルギでインクリボン3上のインクを昇華させ、印画紙2上にカラー画像や文字を印画する。
このサーマルプリンタ1は、サーマルヘッド10と、サーマルヘッド10と対向する位置に設けられたプラテンローラ4と、インクリボン3の走行をガイドするリボンガイド5a,5bと、サーマルヘッド10とプラテンローラ4との間に押圧された印画紙2を搬送するキャプスタンローラ6と、キャプスタンローラ6と対向して従動回転するピンチローラ7と、印画後の印画紙2を排紙する排紙ローラ8と、印画紙2をサーマルヘッド10側に向けて逆向きに搬送させる搬送ローラ9とを備えている。また、サーマルヘッド10は、サーマルプリンタ1の筐体側の取付け部材1aにネジで取り付けられている。
ここで、インクリボン3は、長尺の樹脂フィルムからなるものであり、図1に示すように、供給スプール3aと巻取りスプール3bとの間に巻き回された状態で、インクカートリッジに収納されている。そして、樹脂フィルムの一方の面に、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、及びC(シアン)の3色のインクと、印画された画像や文字の保存性を向上させるためのラミネートインクとが繰り返し塗布されている。また、インクリボン3は、サーマルヘッド10に対してインクリボン3の供給側と巻取り側とに設けられたリボンガイド5a,5bにより、サーマルヘッド10とプラテンローラ4との間にガイドされる。
このようなサーマルプリンタ1によって印画を行うには、図2に示すように、サーマルヘッド10のヘッド部10aとプラテンローラ4との間で印画紙2及びインクリボン3を押圧する。そして、図1に示す巻取りスプール3bを回転させてインクリボン3を巻取り方向(図1の左方向)に走行させる。また、キャプスタンローラ6及び排紙ローラ8を回転させることにより、キャプスタンローラ6とピンチローラ7との間に挟み込んだ印画紙2を排紙方向(図1の矢印A方向)に搬送する。この状態でサーマルヘッド10からインクリボン3に熱エネルギを加えると、印画紙2と重なり合っているY(イエロ)のインクが昇華され、印画紙2上に転写される。
次に、Y(イエロ)のインクが転写された印画紙2の画像形成部にM(マゼンタ)のインクを転写する。そのため、搬送ローラ9を回転させ、印画紙2をサーマルヘッド10側(図1の矢印B方向)に逆送りし、印画紙2の画像形成開始端がサーマルヘッド10に対向するようになる位置まで戻す。また、インクリボン3のM(マゼンタ)のインクをサーマルヘッド10に対向させる。そして、Y(イエロ)のインクを転写する際と同様に、印画紙2を排紙方向(図1の矢印A方向)に搬送しながらサーマルヘッド10からインクリボン3に熱エネルギを加え、M(マゼンタ)のインクを昇華して、印画紙2上に転写する。さらに、M(マゼンタ)のインクを転写する際と同様にして、C(シアン)のインク及びラミネートインクを印画紙2に順次転写し、カラー画像や文字を印画するとともに、画像等の保存性を向上させた後、排紙ローラ8によって排紙する。
図3は、第1実施形態のサーマルヘッド10の全体を示す斜視図である。
図3に示すように、第1実施形態のサーマルヘッド10は、熱エネルギを発生するヘッド部10aに、発生した熱の放熱部材として、放熱板40が接着されたものである。すなわち、非印画時に、ヘッド部10aの余分な熱を放熱板40に逃がすようになっている。なお、放熱板40は、Al(アルミニウム)等の金属材料等からなるもので、熱伝導性のあるフィラ等が含有された接着剤50によって接着されている。
ここで、ヘッド部10aは、印画紙2(図1参照)の搬送方向に対して直交方向(図3の矢印L方向)に、印画紙2の幅よりも長くなっている。そのため、第1実施形態のサーマルヘッド10によれば、印画紙2の幅方向両端の余白を無くした縁なしの画像を形成することができる。
また、サーマルヘッド10によって画像を形成するため、ヘッド部10aには、一端がヘッド部10aと電気的に接続され、他端がリジッド基板80と電気的に接続されたフレキシブル基板70が複数並設されている。そして、フレキシブル基板70は、ヘッド部10a及びリジッド基板80との間に、導電性粒子を含む絶縁樹脂材料からなるフィルム(例えば、異方性導電性フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film ))を介在させて接続されている。なお、リジッド基板80は、電源に接続されるとともに、制御回路が設けられたものであり、放熱板40と接着剤50によって接着されている。
図4は、第1実施形態のサーマルヘッド10を部分的に示す斜視図である。
また、図5は、第1実施形態のサーマルヘッド10を示す縦断面図である。
図4及び図5に示すように、サーマルヘッド10のヘッド部10aは、ガラス基板11(本発明におけるヘッド本体部に相当するもの)と、ガラス基板11上に配列された発熱抵抗体12(本発明における発熱素子に相当するもの)と、この発熱抵抗体12を発熱させるための電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14と、発熱抵抗体12、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14上に設けられた保護膜30とを備えている。そして、発熱抵抗体12から熱エネルギを発生させるため、ヘッド部10aには、フレキシブル基板70(図4参照)がACF(異方性導電性フィルム)を介して電気的に接続されている。さらに、ヘッド部10aには、放熱板40が接着剤50(図5参照)によって接着されている。
ここで、ガラス基板11は、例えば、軟化点が500℃程度で、熱伝導率が1W/mK程度のガラスで矩形状に形成されたものである。なお、ガラス基板11は、ガラスに代表される所定の表面性や熱特性等を有する材料から形成されたものであるが、本発明におけるヘッド本体部をガラス基板11とせず、人工水晶や人造ルビー、人造サファイヤ等の合成宝石、人造石、高密度セラミック等から形成しても良い。
また、ガラス基板11は、発熱抵抗体12が配列された突部11aを有している。この突部11aは、図5に示すように、ガラス基板11の幅方向の略中央部にある起点部11bから起点部11cまでの間であって、長さ方向(図4の矢印L方向)に、縦断面が略円弧状に形成されたものである。そのため、印画紙2と対向する面が略円弧状の突部11aとなり、突部11a上に配列された発熱抵抗体12との当たりが良くなる。その結果、発熱抵抗体12が発生する熱エネルギを効率的に伝達できる。
発熱抵抗体12は、熱エネルギを発生するものであり、上記のように、ガラス基板11の突部11a上に配列されている。この発熱抵抗体12は、例えば、Nb(ニオブ)−SiO (二酸化ケイ素)等、温度が上昇すると抵抗値も上昇する材料(抵抗値の温度依存性が正特性を持った材料)からなっており、ガラス基板11上に、スパッタリング法や蒸着法等によって薄膜形成されている。そして、電源電極13aと折返し配線14との間、駆動電極13bと折返し配線14との間から露出した発熱抵抗体12の部分が実際に熱エネルギを発生する発熱部12aとなり、突部11a上に矩形状に設けられている。また、発熱部12aは、発生する熱エネルギを分散させるため、転写させたいインクのドットサイズよりもやや大きく形成されている。なお、発熱部12a上で保護膜30が凹状になるので、この凹状の範囲は、印画紙2と接触しない非接触部となる。
ここで、発熱抵抗体12として、抵抗値の温度依存性が正特性の材料を使用するのは、発熱部12aの異常な温度上昇を自己抑制できるようにするためである。すなわち、従来から一般的に使用されている材料は、抵抗温度依存性が負特性のものであった。しかしながら、温度依存性が正特性であると、例えば、非接触部において温度が上昇すると抵抗値も上昇するので、発熱抵抗体12に流れる電流が減少する。そのため、発熱量も減少し、自己抑制的に非接触部の温度上昇が抑えられることとなる。その結果、温度上昇に起因した抵抗値の永久変化や破壊限界が改善され、耐久性及び信頼性が向上する。
また、発熱抵抗体12への通電初期は、発生した熱が周囲に吸収されてしまうので、急峻な温度上昇を実現できず、先鋭性を欠いた画質となってしまう。そして、この状況は、急峻な温度変化を要求する印画を行う場合も同様である。しかしながら、抵抗値の温度依存性が正特性の材料であれば、負特性の材料と比較して、印加最大電圧が大きくなることにより、立ち上がり時に印加できるエネルギを大きくすることができ、立ち上がり特性が改善される。
電源電極13a及び駆動電極13bは、電源からの電流を発熱抵抗体12に供給するとともに、発熱抵抗体12を駆動して、発熱部12aを発熱させるためのものである。また、折返し配線14は、隣り合う2つの発熱抵抗体12を電気的に接続するものである。そして、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14は、例えば、Al(アルミニウム)、Au(金)、Cu(銅)等の電気伝導性の良い材料からなり、電源電極13a及び駆動電極13bは、フレキシブル基板70(図4参照)を介して、リジッド基板80(図3参照)と電気的に接続されている。そのため、全ての発熱抵抗体12に電流が供給されることとなる。
また、リジッド基板80(図3参照)の制御回路によって選択された発熱抵抗体12に所定時間だけ電流を供給することにより、その発熱抵抗体12の発熱部12aが発熱し、その発熱エネルギによってインクリボン3(図1参照)のインクが昇華し、印画紙2(図5参照)に転写される温度まで上昇する。なお、電源電極13a及び駆動電極13bは、絶縁樹脂材料からなるACF(異方性導電性フィルム)を介してフレキシブル基板70(図4参照)と接続されているので、発熱部12aで発生した熱が電源電極13aや駆動電極13bを通してフレキシブル基板70側に放熱されることが防止される。そのため、発熱部12aから発生した熱の無駄な放熱が抑えられ、熱効率が向上する。
保護膜30は、ヘッド部10aの最も外側に設けられたものである。そして、発熱抵抗体12(発熱部12a)、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14を覆うことにより、ヘッド部10aとインクリボン3(図1参照)とが当接した際の摩擦等から発熱部12a等を保護している。この保護膜30には、摺動性や耐摩耗性を有する材料が用いられ、例えば、高温下で高強度であり、耐摩耗性、耐熱性、耐熱衝撃性、及び熱伝導性等に優れたSiAlON(サイアロン)が好適なものである。なお、この材料は、Si(ケイ素)、Al(アルミニウム)、O(酸素)、及びN(窒素)の4つの元素から構成され、Si(ケイ素)原子の一部にAl(アルミニウム)原子が置換し、N(窒素)原子の一部にO(酸素)が置換したSiAlON(サイアロン)という化学式で表されるエンジニアリング・セラミックスである。
図6は、第1実施形態のサーマルヘッド10の配線構造を示す平面図である。
また、図7は、図6に示す第1実施形態のサーマルヘッド10の配線構造を示す縦断面図(図6のA−A線の断面図)であり、図8は、図6に示す第1実施形態のサーマルヘッド10の配線構造を示す他の縦断面図(図6のB−B線の断面図)である。
なお、図6、図7、及び図8では、フレキシブル基板70を直線状に示しているが、実際には、小型化のために、図3に示すように、フレキシブル基板70を折り曲げてリジッド基板80と接続しても良い。
図6に示すように、第1実施形態のサーマルヘッド10は、ガラス基板11上に複数の発熱抵抗体12が配列されたものであり、発熱抵抗体12を発熱させるための電源電極13a及び駆動電極13bを備えている。そして、隣り合う2つの発熱抵抗体12は、折返し配線14によって電気的に接続されている。また、電源電極13aは、隣り合う2つの発熱抵抗体12に共通のものであり、2つの駆動電極13bの間に位置している。さらにまた、サーマルヘッド10は、選択的な通電を行なって発熱抵抗体12を駆動するため、駆動用のドライバIC74(本発明における駆動手段に相当するもの)、電源に接続され、制御回路等が設けられたリジッド基板80、リジッド基板80と電源電極13a等とを電気的に導通させるフレキシブル基板70を備えている。
ここで、フレキシブル基板70は、ACF(異方性導電性フィルム)や半田等により、電源電極13a、駆動電極13b、ドライバIC74、及びリジッド基板80と電気的に接続されている。すなわち、フレキシブル基板70は、電源電極13aと電気的に接続される電源配線パターン71と、駆動電極13b及びドライバIC74と電気的に接続される駆動配線パターン72aと、ドライバIC74及びリジッド基板80の電源ランド81bと電気的に接続される駆動配線パターン72bとを備えている。
また、図7及び図8に示すように、フレキシブル基板70は、ガラス基板11の上面とリジッド基板80の上面との間を跨いで設けられ、ドライバIC74は、フレキシブル基板70の下面であり、ガラス基板11とリジッド基板80との間の空間の放熱板40上に設けられている。さらにまた、図8に示すように、駆動配線パターン72a及び駆動配線パターン72bは、フレキシブル基板70の一方の面に配置され、図7に示すように、電源配線パターン71は、フレキシブル基板70のドライバIC74と重なる範囲では、ドライバIC74が配置された下面と反対側の上面に配置され、ポリイミド等の有機材料によって形成されたベース材73により、ドライバIC74、駆動配線パターン72a、及び駆動配線パターン72bと電気的に絶縁されている。
次に、図6、図7、及び図8に示す第1実施形態のサーマルヘッド10における電流の流れについて説明する。
印画においては、発熱抵抗体12に電流を印加し、発熱部12aを発熱させる必要がある。そのため、電源から電流を供給するが、その電流は最初に、図6及び図7に示すリジッド基板80上の電源ランド81aに流れ込む。そして、その電流は、フレキシブル基板70の下面の電源配線パターン71を通るが、スルーホール71aにより、ドライバIC74の手前から、フレキシブル基板70の上面の電源配線パターン71を通る。その後、ドライバIC74を通過した位置で、スルーホール71bにより、再度、フレキシブル基板70の下面の電源配線パターン71を通り、各電源電極13aに流れ込む。
このように、電源から供給された電流が通る電源配線パターン71は、ドライバIC74と重なる範囲では、ドライバIC74が配置された面(フレキシブル基板70の下面)と反対側の面(フレキシブル基板70の上面)に配置されており、ドライバIC74や、ドライバIC74と電気的に接続された駆動配線パターン72a及び駆動配線パターン72bとショートしないようになっている。そのため、電圧降下のない電源配線パターン71とすることができるので、各電源電極13aを通って各発熱抵抗体12に流れ込む印加電流は、それぞれロスなく供給されることとなる。
また、各電源電極13aと接続されている発熱抵抗体12に供給された電流は、折返し配線14を通り、他の発熱抵抗体12へと至る。そして今度は、図8に示すように、駆動電極13bから駆動配線パターン72aを通り、ドライバIC74及び駆動配線パターン72bを介して、リジッド基板80の電源ランド81bに戻る。
したがって、第1実施形態のサーマルヘッド10によれば、フレキシブル基板70により、電圧降下をほとんど生じることなく、各発熱抵抗体12に個別に電流を供給できるようになるので、濃度ムラのない印画結果が得られる。また、エネルギのロスがなく、消費電力効率の良いサーマルヘッド10となる。さらにまた、後処理で抵抗値を補正する必要がないので、品質が安定し、生産効率的に有利なものとなる。
ところで、印画速度をより高速にした場合に所定の印画濃度を得ようとすると、インクリボン3(図1参照)の搬送方向の単位長さ当たりの投入エネルギを増やす必要が生じるので、発熱部12aの発熱温度を高くしなければならない。すると、発熱抵抗体12が過熱状態となり、その温度によっては、発熱抵抗体12の抵抗値が永久変化してしまうだけでなく、ガラス基板11にクラックやゆがみ等が生じたり、ついにはガラス基板11が溶融し、濃度ムラや印画不良等が生じて使用に耐えられなくなるおそれがある。
この点に関して詳述すると、第1実施形態のサーマルヘッド10は、印画紙2(図2参照)の幅よりも長くなっているので、縁なし画像を形成することができるが、サーマルヘッド10の端部においては、印画紙2等と接触しない非接触領域が生ずる。この非接触領域では、発熱部12aの熱エネルギが伝達されず、非接触領域の空気層によって放熱されにくい空焚き部となる。そのため、発熱部12aの温度が空焚き部で局所的に上昇してしまう。なお、非接触領域は、サーマルヘッド10の端部だけでなく、印画中等にサーマルヘッド10の下側に異物が混入等することによっても発生する。
この場合、電源電極13aや駆動電極13bの厚さを厚くすることにより、電源電極13a等を発熱部12aの放熱経路とすることが考えられる。しかしながら、そうすると、図5に示す非接触部の段差が大きくなり、印画紙2とヘッド部10aとの接触状況(当たり)が悪化した空打ち状態となる。そのため、印画時のエネルギ効率が悪くなったり、非接触部の温度上昇によって発熱抵抗体12の抵抗値が永久変化したり、寿命が短くなったりする。
また、電源電極13aや駆動電極13bの幅を広くすることによって放熱性を高めることが考えられるが、ただ単に幅を広げてしまうと、ガラス基板11上に薄膜形成する際に不良等が発生し、生産性を阻害する要因となってしまう。すなわち、図6に示すように、電源電極13aは、2つの駆動電極13bの間に位置しているので、電源電極13aや駆動電極13bの幅を広げると、両者間のギャップが小さくなり、ショートが発生しやすくなるのである。
図9は、第2実施形態のサーマルヘッド90のヘッド部90aを示す平面図である。
また、図10は、図9に示す第2実施形態のサーマルヘッド90における起点部11bの周辺部を示す平面図であり、図11は、図9に示す第2実施形態のサーマルヘッド90におけるもう1つの起点部11cの周辺部を示す平面図である。
なお、図9、図10、及び図11における起点部11b又は起点部11cは、図5に示すガラス基板11の突部11aの起点部11b及び起点部11cに対応である。
図9、図10、及び図11に示す第2実施形態のサーマルヘッド90は、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14による放熱性と、ヘッド部90aの生産性とを両立させたものである。すなわち、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14の幅を、生産性を阻害しない範囲で広げることにより、空打ち時の温度上昇及び破壊に対策を施しているとともに、サーマルヘッド熱特性の調整をすることも可能となる。
ここで、第2実施形態のサーマルヘッド90は、図9に示すように、起点部11bと起点部11cとの間の突部11a(図5参照)に、2つの発熱部12b及び発熱部12cを直列に形成したものである。そして、発熱部12bと発熱部12cとの間は、接続電極13cによって電気的に接続されている。また、隣り合う2つの発熱部12bは、折返し配線14によって電気的に接続されている。さらにまた、発熱部12cには、電源電極13a又は駆動電極13bが電気的に接続されており、電源電極13aは、隣り合う2つの発熱部12cに共通のものとして、2つの駆動電極13bの間に位置している。
このような電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14は、スパッタリング法等によって薄膜形成されるが、図10に示すように、折返し配線14は、起点部11bの幅W12よりも頂上側(発熱部12b側)の幅W13が広く形成されており、その反対側の幅W11も広く形成されている。すなわち、折返し配線14は、起点部11bの幅W12が最も狭く、起点部11bの前後の幅W11及びW13が広くなっている。
また、図11に示すように、電源電極13aは、起点部11cの幅W22よりも頂上側(発熱部12c側)の幅W21が広く形成されており、その反対側の幅W23も広く形成されているので、起点部11cの幅W22が最も狭く、起点部11cの前後の幅W21及びW23が広くなっている。さらにまた、駆動電極13bは、起点部11cの幅W32よりも頂上側(発熱部12c側)の幅W31が広く形成されており、その反対側の幅W33も広く形成されているので、起点部11cの幅W32が最も狭く、起点部11cの前後の幅W31及びW33が広くなっている。
このように、第2実施形態のサーマルヘッド90は、折返し配線14の起点部11bの前後の幅W11及びW13や、電源電極13aの起点部11cの前後の幅W21及びW23、駆動電極13bの起点部11cの前後の幅W31及びW33が広いので、放熱性が確保され、空打ち時の発熱部12bや発熱部12cの温度上昇が抑制される。
また、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14の幅を全面的に広くしてしまうと、これらをパターン形成する際に、エッチングのために塗布するレジストが起点部11b及び起点部11cに溜まってしまい、エッチングの精度が出にくくなる。すると、パターンの寸法精度が悪くなり、場合によっては、ショート等の問題が発生する。
しかし、折返し配線14は、起点部11bの幅W12が最も狭く、電源電極13aは、起点部11cの幅W22が最も狭く、駆動電極13bは、起点部11cの幅W32が最も狭くなっている。そのため、起点部11b及び起点部11cでの寸法精度が落ちたとしても、十分なギャップが確保されるので、ショート等の問題が生じない。
したがって、第2実施形態のサーマルヘッド90によれば、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14の幅が広いので、発熱部12b及び発熱部12cにおいて、空打ち時の温度低減効果が得られ、温度上昇による破壊が防止される。しかも、寸法精度が悪くなりやすい起点部11b及び起点部11cでは、幅が狭くなっているので十分なギャップが確保され、生産性が向上する。
さらに、第2実施形態のサーマルヘッド90は、直列に配置された2つの発熱部12b及び発熱部12cを備えている。そして、発熱部12bと発熱部12cとの間には、接続電極13cが存在している。そのため、接続電極13cによっても放熱性が確保され、空打ち時の発熱部12bや発熱部12cの温度上昇が抑制される。
この点に関して詳述すると、図9に示すように、発熱部12bの長さがL1、発熱部12cの長さがL2、発熱部12bと発熱部12cとの距離(接続電極13cの長さ)がD1であるとき、L1+L2を変化させずにD1を大きくすると、空打ち時の発熱部12b及び発熱部12cの温度が減少し、D1を一定にしてL1+L2を短くすることによっても、発熱部12b及び発熱部12cの温度が減少することが実験的に確かめられている。すなわち、空打ち時に発熱部12b及び発熱部12cから発生した熱は、電源電極13a、駆動電極13b、及び折返し配線14に放熱されるだけでなく、接続電極13cにも伝わり、接続電極13cが空打ち時の放熱路として機能する。
また、印画時における接続電極13cは、その両端に配置された発熱部12b及び発熱部12cからの熱を受け、接続電極13c上で熱集中することにより、発熱部に近い役割を果たす。そのため、印画時の消費電力は、長さがL1+L2の分割されていない発熱部の場合とほぼ同じ消費電力となる。
したがって、第2実施形態のサーマルヘッド90によれば、消費電力を大きく悪化させずに、空打ち時の発熱部12b及び発熱部12cの温度を減少させる効果が得られる。また、図9に示す発熱部12bの長さL1、発熱部12cの長さL2、及び発熱部12bと発熱部12cとの距離(接続電極13cの長さ)D1は、全て等しい(L1=L2=D1)が、L1、L2、及びD1の長さを任意に調整することにより、空打ち温度の調整が可能となる。
図12は、図9に示す第2実施形態のサーマルヘッド90における変形例のヘッド部90b及びヘッド部90cを示す平面図である。
図12(a)に示すヘッド部90bは、発熱部12dの長さがL3、発熱部12eの長さがL4、発熱部12dと発熱部12eとの距離(接続電極13dの長さ)がD2であって、L3=L4>D2となっている。このように、L3及びL4に比べ、D2を短くすると、図9に示すヘッド部90aよりも空打ち時の温度低減効果は下がるが、印画の際の通電開始時における熱の立ち上がり性能を向上させることができる。
また、図12(b)に示すヘッド部90cは、発熱部12fの長さがL5、発熱部12gの長さがL6、発熱部12fと発熱部12gとの距離(接続電極13eの長さ)がD3であって、L5>D3>L6となっている。このように、L5、L6、及びD3をそれぞれ異なった長さとすることにより、所望の空打ち温度を得ることができたり、サーマルヘッド90の熱特性(立ち上がり性能、立ち下がり性能)を調整することができる。なお、図12では、直列に配置された2つの発熱部12d及び発熱部12e(発熱部12f及び発熱部12g)としているが、3つ以上の発熱部を直列に配置し、各発熱部同士の間に接続電極を設けることもできる。
第1実施形態のサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタを示す概略の側面図である。 第1実施形態のサーマルヘッドの周辺部を示す斜視図である。 第1実施形態のサーマルヘッドの全体を示す斜視図である。 第1実施形態のサーマルヘッドを部分的に示す斜視図である。 第1実施形態のサーマルヘッドを示す縦断面図である。 第1実施形態のサーマルヘッドの配線構造を示す平面図である。 図6に示す第1実施形態のサーマルヘッドの配線構造を示す縦断面図(図6のA−A線の断面図)である。 図6に示す第1実施形態のサーマルヘッドの配線構造を示す他の縦断面図(図6のB−B線の断面図)である。 第2実施形態のサーマルヘッドのヘッド部を示す平面図である。 図9に示す第2実施形態のサーマルヘッドにおける起点部の周辺部を示す平面図である。 図9に示す第2実施形態のサーマルヘッドにおけるもう1つの起点部の周辺部を示す平面図である。 図9に示す第2実施形態のサーマルヘッドにおける変形例のヘッド部を示す平面図である。 従来のサーマルヘッドの配線構造を示す平面図である。 図13に示す従来のサーマルヘッドの配線構造を示す縦断面図(図13のa−a線の断面図)である。 図13及び図14に示す従来のサーマルヘッドにおける共通電極の電圧降下を示すグラフである。
符号の説明
1 サーマルプリンタ
2 印画紙(記録媒体)
10,90 サーマルヘッド
11 ガラス基板(ヘッド本体部)
11a 突部
11b,11c 起点部
12 発熱抵抗体(発熱素子)
12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g 発熱部
13a 電源電極
13b 駆動電極
13c,13d,13e 接続電極
70 フレキシブル基板
71 電源配線パターン
72a,72b 駆動配線パターン
74 ドライバIC(駆動手段)
80 リジッド基板

Claims (6)

  1. 発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドであって、
    前記突部が形成されたヘッド本体部と、
    前記発熱素子の一方の側に設けられた駆動電極と、
    前記発熱素子の他方の側に設けられ、2つの前記駆動電極の間に位置する電源電極と、
    前記発熱素子を駆動する駆動手段と、
    前記駆動電極、前記電源電極、及び前記駆動手段と電気的に接続されたフレキシブル基板と
    を備え、
    前記フレキシブル基板は、
    前記フレキシブル基板の一方の面に配置され、前記駆動電極及び前記駆動手段と電気的に接続される駆動配線パターンと、
    前記電源電極と電気的に接続される電源配線パターンと
    を備え、
    前記電源配線パターンは、前記フレキシブル基板の前記駆動手段と重なる範囲では、前記駆動手段が配置された面と反対側の面に配置され、前記駆動手段及び前記駆動配線パターンと電気的に絶縁されている
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、
    電源に接続されるとともに、制御回路が設けられたリジッド基板を備え、
    前記フレキシブル基板は、前記ヘッド本体部の上面と前記リジッド基板の上面との間を跨いで設けられ、
    前記駆動手段は、前記フレキシブル基板の下面であり、前記ヘッド本体部と前記リジッド基板との間の空間に設けられている
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  3. 請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、
    前記駆動電極及び前記電源電極は、前記突部の起点部の幅よりも頂上側の幅が広く形成されている
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  4. 請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、
    前記駆動電極及び前記電源電極は、前記突部の起点部の幅が最も狭く、前記起点部の前後の幅が広く形成されている
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  5. 請求項1に記載のサーマルヘッドにおいて、
    前記発熱素子は、前記駆動電極と前記電源電極との間に、直列に配置された複数の発熱部を備え、
    各前記発熱部同士の間には、接続電極が設けられている
    ことを特徴とするサーマルヘッド。
  6. 発熱素子が配列された突部と記録媒体とを押圧させるとともに、前記発熱素子を駆動して発熱させることにより、記録媒体に対して画像を形成するサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタであって、
    前記サーマルヘッドは、
    前記突部が形成されたヘッド本体部と、
    前記発熱素子の一方の側に設けられた駆動電極と、
    前記発熱素子の他方の側に設けられ、2つの前記駆動電極の間に位置する電源電極と、
    前記発熱素子を駆動する駆動手段と、
    前記駆動電極、前記電源電極、及び前記駆動手段と電気的に接続されたフレキシブル基板と
    を備え、
    前記フレキシブル基板は、
    前記フレキシブル基板の一方の面に配置され、前記駆動電極及び前記駆動手段と電気的に接続される駆動配線パターンと、
    前記電源電極と電気的に接続される電源配線パターンと
    を備え、
    前記電源配線パターンは、前記フレキシブル基板の前記駆動手段と重なる範囲では、前記駆動手段が配置された面と反対側の面に配置され、前記駆動手段及び前記駆動配線パターンと電気的に絶縁されている
    ことを特徴とするサーマルプリンタ。
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