JP2009183055A - 画像形成装置、不具合検出方法、および不具合検出プログラム - Google Patents

画像形成装置、不具合検出方法、および不具合検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】搭載されているDCブラシレスモータについて早期に不具合を検出することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、CPU200によって制御されるモータ部60とモータドライバ回路50とを含む。CPU200は、パルス検出部215によってモータ62からのパルス信号に基づいて回転変動を検出し、PID演算処理部210によって目標速度との誤差に基づいてモータドライバ回路50へのコントロール信号をPID演算処理により調整する。PID演算処理におけるゲインは、調整部203において、モータ62の回転変動幅と目標変動幅とを比較することで調整される。また、調整部203において、調整後のゲインと、モータ62の回転変動幅と目標変動幅とから得られるゲインの上限および下限とを比較することで、モータ62の不具合および不具合箇所が判断される。
【選択図】図2

Description

この発明は画像形成装置、不具合検出方法、不具合検出プログラムに関し、特に、駆動機構にDCブラシレスモータが用いられている画像形成装置、不具合検出方法、および不具合検出プログラムに関する。
複写機やプリンタやそれらの複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などの画像形成装置において、駆動構成にDCブラシレスモータ、ACモータあるいはステッピングモータをそれぞれ目的に応じて選択して用いられている場合がある。
駆動構成にDCブラシレスモータを用いる場合、DCブラシレスモータのモータ制御基板内でハード的にフィードバックゲインおよび位相補償定数等が設定されている場合がある。
図13は、従来のDCブラシレスモータの構成を説明する図である。
図13を参照して、制御基板1000内のコントロール回路1005は、目標速度(回転数)に設定するために指令信号であるコントロール信号(クロック信号)を出力する。モータ制御基板1010内のモータドライバ回路1020は、コントロール信号(クロック信号)の入力を受けて目標速度となるようにDCブラシレス(DCBL)モータ部1015に供給する電流を制御する。そして、モータ制御基板1010内において、DCブラシレスモータが一定回転するようにフィードバック制御が実行される。
図14は、モータ制御基板内の構成を説明する図である。
図14を参照して、モータ制御基板内においては、DCブラシレスモータ部1015と、モータドライバ回路1020が設けられるとともに、抵抗素子および容量素子を外付けでモータドライバ回路1020と接続できるように設計されている。
DCブラシレスモータ部1015は、モータ1016と、モータ1016の回転速度(回転数)を検出するためのFGセンサ1017とを含む。FGセンサ1017は、モータ1016の回転子の回転速度(回転数)に従う磁束変化に基づいて回転信号であるFG信号(FGパルス)を生成する。
FGパルス周波数=モータ回転数(rpm)÷60×FGパルス数
ここで、FGパルス数は、モータ1回転当たりのいわゆるFGパターンから出力されるパルス数である。
モータドライバ回路1020は、モータ1016の回転信号であるFGセンサ1017からのFGパルスを検出する速度検出部1025と、速度検出部1025の検出結果を受けてFGパルスの周波数と目標速度に対応するコントロール回路から入力されるコントロール信号(クロック信号)との周波数偏差信号を生成する速度偏差信号生成部1022と、速度検出部1025の検出結果を受けてFGパルスの位相とコントロール回路から入力されるコントロール信号(クロック信号)の位相との位相偏差信号を生成する位相偏差信号生成部1024と、オペアンプAMPと、オペアンプAMPの出力信号を受けて電流供給部1015に供給する電流量を設定するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWMチョッパ部1026と、PWMチョッパ部1026のPWM信号に従ってモータ1016に供給する電流を調整する電流供給部1015とを含む。
オペアンプAMPは、外付けで抵抗素子および容量素子を接続することにより比例積分回路を形成する。具体的には、抵抗素子R1,R2が速度偏差信号生成部1022および位相偏差信号生成部1024とオペアンプの入力ノードとの間にそれぞれ並列に設けられる。また、抵抗素子R3と容量素子C1とが直列に接続され、オペアンプの入力ノードと出力ノードとの間に接続される。また、並列に容量素子C2が入力ノードと出力ノードとの間に接続される。オペアンプの他方の入力ノードは基準電圧Vrefの供給を受ける。
当該構成により、比例積分回路1030が形成されいわゆるフィードバック制御手法の1つであるPI(proportional and integral)制御が実行される。
具体的には、速度偏差信号および位相偏差信号が加算されて偏差が増幅され、PWMチョッパ部1026のPWM信号のDUTY比が調整されてモータ1016に供給される電流量が制御される。
従来、DCブラシレスモータの制御においては、DCブラシレスモータが搭載される装置の負荷や、その装置でのDCブラシレスモータの使用用途に応じてフィードバックゲインが設定される。フィードバックゲインを設定する際には、耐久性などの経時変化や、環境変化等が考慮され、それら変化に対応し得るだけのマージンを加味して設定される。
さらに、従来のDCブラシレスモータにおいては、たとえば回転数に応じて、部品を変更して比例積分回路のゲインチューニングが実行されていた。図示しないがたとえば比例積分回路1030を形成する外付けの抵抗素子および容量素子の抵抗値を切り替える回路等を設けてゲインチューニングを実行していた。
図15は、回転数に従ってゲインチューニングする場合を説明する図である。
図15に示されるように、従来においては回転数に従って比例積分制御であるPI制御の比例項Pのゲイン(以下、Pゲインとも称する)についてゲインHとゲインLとを切り替える方式を採用していた。本例においては、たとえば1500rpm以上か未満かに従って、ゲインを切り替える方式を採用していた。
特開2003−15483号公報
しかしながら、フィードバックゲインを設定する際には経時変化等を考慮してマージンを加味して設定するため、DCブラシレスモータが、そのマージンを超える明らかな回転異常とならないと、不具合として検出されないという問題がある。
特開2003−15483号公報(特許文献1)は、この問題を解決するため、DCブラシレスモータへ回転数制御信号を入力し、回転数と回転数制御信号との関係の変化よりDCブラシレスモータの寿命を判断する方法を提案している。
しかしながら、特許文献1に開示されている方法は、DCブラシレスモータの回転数を用いてDCブラシレスモータの寿命を判断する方法であって、DCブラシレスモータの回転数が制御信号に対して異常となるまで、つまりDCブラシレスモータが回転異常となるまでDCブラシレスモータの搭載された装置の不具合を検出できず、早期にDCブラシレスモータの搭載された装置の不具合を検出することができないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、DCブラシレスモータが用いられた画像形成装置において、早期に不具合を検出することのできる画像形成装置、不具合検出方法、および不具合検出プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像形成装置は、直流ブラシレスモータと、直流ブラシレスモータを駆動させるために、直流ブラシレスモータに電力を供給するモータドライバ回路と、モータドライバ回路に対して、目標速度に従う指令信号に応じた電力を直流ブラシレスモータに供給させるための指令信号を出力する出力手段と、直流ブラシレスモータの回転数を示す回転信号を取得する取得手段と、目標速度を示す基準パルス信号と回転信号である回転パルス信号との比較に基づいて誤差を検知し、検知された誤差に基づいて出力手段で出力する指令信号をPID演算制御処理により調整する第1調整手段と、PID演算制御処理で用いるゲインを設定する設定手段と、回転信号から得られる直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいて、設定された前記ゲインを調整する第2調整手段と、回転信号から得られる直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいてゲインの判定範囲を設定し、第2調整手段での調整後のゲインの上限値および下限値の少なくとも一方が上記判定範囲内にあるときに、直流ブラシレスモータに連結される負荷の異常を判断する判断手段と、判断手段での判断結果を通知する通知手段とを備える。
好ましくは、画像形成装置は、直流ブラシレスモータに、負荷ごとに連結または切断する連結手段をさらに備え、第2調整手段は、負荷ごとに、設定されたゲインを調整し、判断手段は、負荷ごとにゲインの上限値および下限値を設定し、負荷ごとに異常を判断することで、直流ブラシレスモータに連結された負荷のうちの異常と判断される負荷を特定する。
好ましくは、通知手段は、判断手段での判断結果を表示装置に表示させることで通知する。
好ましくは、通知手段は、判断手段での判断結果を予め設定されている送信先に送信する。
好ましくは、設定手段は、検知された誤差に基づいてPID演算制御処理で用いるゲインを設定する。
好ましくは、第2調整手段は、直流ブラシレスモータの回転数の変動幅が目標変動幅に達するまで設定手段で設定されたゲインを段階的に増加させることでゲインの上限値を得る第1の処理と、直流ブラシレスモータの回転数の変動幅が目標変動幅に達するまで設定手段で設定されたゲインを段階的に減少させることでゲインの下限値を得る第2の処理と、ゲインの上限値とゲインの下限値とに基づいてゲインを調整する第3の処理とを実行する。
本発明の他の局面に従うと、不具合検出方法は、直流ブラシレスモータが搭載された装置において、直流ブラシレスモータの負荷の不具合を検出する方法であって、装置は、直流ブラシレスモータを駆動させるために、直流ブラシレスモータに目標速度に従う指令信号に応じた電力を供給するモータドライバ回路と、直流ブラシレスモータの回転数を示す回転信号の入力を受けて、モータドライバ回路が目標速度に追従するように、出力する指令信号をPID演算制御処理により調整する制御回路とを含み、回転信号から得られる直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいて、PID演算制御処理で用いるゲインを調整するステップと、回転信号から得られる直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいてゲインの判定範囲を設定するステップと、調整手段での調整後のゲインの上限値および下限値の少なくとも一方が上記判定範囲内にあるときに、直流ブラシレスモータに連結される負荷の異常を判断するステップと、判断結果を通知するステップとを備える。
本発明のさらに他の局面に従うと、不具合検出プログラムは、直流ブラシレスモータが搭載された装置において直流ブラシレスモータの負荷の不具合を検出する処理を実行させるプログラムであって、装置は、直流ブラシレスモータを駆動させるために、前記直流ブラシレスモータに目標速度に従う指令信号に応じた電力を供給するモータドライバ回路と、直流ブラシレスモータの回転数を示す回転信号の入力を受けて、モータドライバ回路が目標速度に追従するように、出力する指令信号をPID演算制御処理により調整する制御回路とを含み、回転信号から得られる直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいて、PID演算制御処理で用いるゲインを調整するステップと、回転信号から得られる直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいてゲインの判定範囲を設定するステップと、調整手段での調整後のゲインの上限値および下限値の少なくとも一方が上記判定範囲内にあるときに、直流ブラシレスモータに連結される負荷の異常を判断するステップと、判断結果を通知するステップとを実行させる。
本発明にかかる画像形成装置では、DCブラシレスモータの異常またはDCブラシレスモータにかかる負荷の異常を、回転数に加えて回転変動から検出できる。そのため、DCブラシレスモータが用いられた画像形成装置についての不具合を早期に検出することができる。
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
本実施の形態においては、本発明にかかる画像形成装置をタンデム方式のデジタルカラープリンタ(以下、プリンタという)で適用する場合について説明する。
しかしながら、本発明にかかる画像形成装置はプリンタに限定されず、駆動機構にDCブラシレスモータが用いられる画像形成装置であれば、複写機やファクシミリ装置やそれらの複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)などであってもよい。また、印刷方式もタンデム方式に限定されるもではなく、さらにデジタル方式に限定されるものでもない。さらに、カラー機でなくモノクロ機であってもよい。
カラータンデム方式の画像形成装置は、各々現像器を含んだ4色の作像部が中間転写体である中間転写ベルトに沿って列設されて構成され、それぞれに形成された各色のトナー画像を上記中間転写ベルトに転写し(一次転写)、各色トナーの重ね合わせにより多色画像を形成する。さらに中間転写ベルト上で重ね合わされた画像を印刷媒体である印刷用紙上に転写し(二次転写)、定着工程を経て出力する。
図1は、本発明にかかる画像形成装置が適用される、本実施の形態にかかるプリンタ1のハードウェア構成の概略を示す模式的断面図である。プリンタ1は、タンデム方式のデジタルカラープリンタであって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナーを順次重ね合わせることによってカラー画像を形成する。
図1を参照して、プリンタ1には、CPU200(図2参照)を含んだ、プリンタ1全体を制御するための制御基盤であるコントローラ100と、コントローラ100で実行されるプログラムなどを記憶するメモリ101とが含まれる。コントローラ100は、図示しない操作パネル等から入力され指示信号に基づいてメモリ101からプログラムを読出して、後述する各部を制御する。また、コントローラ100は内部にタイマなどの計時手段を備えて、所定時間が経時されたときにプログラムを実行してもよい。なお、図1では、メモリ101はコントローラ100とは別体として示されているが、メモリ101がコントローラ100に含まれる構成であってもよい。
プリンタ1内部の略中央部には、複数のベルトで懸架された、中間転写体である中間転写ベルト6が配される。複数のローラは図示しない駆動モータに連結されて、駆動モータによって回転される。駆動モータはCPU200に接続され、CPU200からの制御信号に従って駆動する。したがってこれらのローラの回転は、CPU200からの制御信号によって制御される。これらのローラの回転により、中間転写ベルト6は図中左回りに回転駆動する。
中間転写ベルト6に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の各色に対応したカートリッジが配される。各カートリッジは、各々、感光体5Y,5M,5C,5K、およびトナーを供給して感光体にトナー画像を現像する現像部4Y,4M,4C,4Kを含む。
カラー用の感光体5Y,5M,5Cは、各々、DCブラシレスモータであるカラー感光体モータ9eに連結されて図中右回りに回転駆動される。ブラック用の感光体5Kは、DCブラシレスモータであるメインモータ9aに連結されて図中右回りに回転駆動される。上記モータ9a,9eはCPU200に接続され、CPU200からの制御信号に従って駆動する。CPU200は、カラー印刷時には、カラー用の感光体5Y,5M,5Cを回転させ、モノクロ印刷時には回転させないように、カラー感光体モータ9eの駆動を制御する制御信号を出力する。また、カラー印刷時にもモノクロ印刷時にも、ブラック用の感光体5Kを回転させるように、メインモータ9aの駆動を制御する制御信号を出力する。したがって感光体5Y,5M,5C,5Kの回転は、CPU200からの制御信号によって制御される。
また、カラー用の感光体5Y,5M,5Cは、図示されない、中間転写ベルト6に対して圧接または離間させるための圧接離間機構に接続される。圧接離間機構はメインモータ9aに連結されて、メインモータ9aの回転に応じて動作する。メインモータ9aはCPU200に接続され、CPU200からの制御信号に従って駆動する。したがって圧接離間機構はCPU200からの制御信号によって制御される。CPU200からの制御信号に従って駆動するメインモータ9aの回転に応じて、圧接離間機構は、カラー印刷時には、カラー用の感光体5Y,5M,5Cを中間転写ベルト6に対して圧接し、モノクロ印刷時には中間転写ベルト6から離間するよう動作する。したがって、カラー用の感光体5Y,5M,5Cの中間転写ベルト6に対する圧接動作または離間動作は、CPU200からの制御信号によって制御される。
カラー用の現像部4Y,4M,4Cは、各々、DCブラシレスモータであるカラー現像モータ9dに連結されて図中左回りに回転駆動される。ブラック用の現像部4Kは、DCブラシレスモータである黒現像モータ9cに連結されて図中左回りに回転駆動される。上記モータ9c,9dはCPU200に接続され、CPU200からの制御信号に従って駆動する。したがって現像部4Y,4M,4C,4Kの回転は、CPU200からの制御信号によって制御される。
カートリッジの下方にプリントヘッド3が配される。プリントヘッド3はCPU200に接続される。CPU200は処理対象の画像信号をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)に色変換し、デジタル画像信号を生成する。CPU200に含まれる駆動回路(図示せず)は、生成されたデジタル画像信号に基づいてプリントヘッド3に対して制御信号を出力する。プリントヘッド3は、CPU200からの制御信号に従って感光体5Y,5M,5C,5Kのうちの対応する感光体にレーザ光を照射する。これにより、感光体の表面に静電潜像が形成される。感光体上に静電潜像が形成されると、現像部4Y,4M,4C,4KがCPU200からの制御信号に従って稼動し、各々、感光体5Y,5M,5C,5Kにトナーを供給する。これにより、感光体5Y,5M,5C,5K表面にトナー画像が形成される。プリンタ1内部の上方にはトナーホッパー7Y,7M,7C,7Kが配され、各現像部4Y,4M,4C,4Kにトナーを供給する。
図示されない一次転写ローラは、間に中間転写ベルト6を挟んで、各感光体5Y,5M,5C,5Kと対を成す位置に配され、感光体5Y,5M,5C,5Kを中間転写ベルト6に対して押圧する。感光体5Y,5M,5C,5Kと中間転写ベルト6とが密着することで、感光体5Y,5M,5C,5K表面にトナー画像として付着したトナーは中間転写ベルト6に転写される。これを一次転写という。カラー用の感光体5Y,5M,5Cに替えてカラー用の感光体5Y,5M,5Cと対を成す位置に配される一次転写ローラが上述の圧接離間機構に接続されて、印刷時のカラーモードに応じて、一次転写ローラが中間転写ベルト6に対して圧接または離間されてもよい。
プリンタ1内部の下方には、印刷用紙を収容するための給紙カセット2が配される。給紙カセット2に収容されている印刷用紙は、図示されないカセット給紙用の搬送ローラによって1枚ずつ排出され、通紙経路11を搬送される。また、プリンタ1外部の右方に図示されない手差しトレイが配される。手差しトレイに積載された印刷用紙は、図示されない手差し給紙用の搬送ローラによって1枚ずつ排出され、通紙経路11を搬送される。通紙経路11を搬送される印刷用紙は、図示されないタイミングローラによってタイミングがコントロールされて中間転写ベルト6に接する位置へ搬送される。上述の搬送用のローラは、各々、クラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cに接続される。さらに、クラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cは、各々、CPU200およびメインモータ9aに連結されて、CPU200からの制御信号に従ってメインモータ9aの回転を搬送用ローラに伝達または遮断する。したがって、これらの搬送用ローラの回転、つまり通信経路11内の印刷用紙の搬送は、CPU200からの制御信号によって制御される。
図示されない二次転写ローラは、間に中間転写ベルト6および通紙経路11を挟んで、中間転写ベルト6を環状の内側から懸架する搬送ローラと対をなすよう位置に配される。二次転写ローラは、CPU200からの制御信号に従って、中間転写ベルト6に対して圧接または離間する。二次転写ローラが中間転写ベルト6に圧接することで、通紙経路11を搬送され二次転写ローラと中間転写ベルト6との間を通過する印刷用紙が、中間転写ベルト6に密着される。これにより、中間転写ベルト6上のトナー画像が印刷用紙に転写される。これを二次転写という。
通紙経路11の二次転写位置よりも下流側に、定着器8が配される。定着器8には、通紙経路11を挟で対を成す定着ローラが含まれる。定着ローラは定着モータ9bに連結されて、間を搬送される印刷用紙が通紙経路11の上流側に搬送される回転方向に回転駆動される。定着モータ9bはCPU200に接続され、CPU200からの制御信号に従って駆動する。CPU200は、通紙経路11を搬送され定着ローラ間を通過する印刷用紙が、対を成す定着ローラで押圧され、通紙経路11の上流側に搬送されるように、定着モータ9bの駆動を制御する制御信号を出力する。これにより、通紙経路11を搬送され定着ローラ間を通過する印刷用紙は、対を成す定着ローラで押圧され、二次転写されたトナー画像が印刷用紙に定着する。したがってトナー画像の印刷用紙への定着は、CPU200からの制御信号によって制御される。
本実施の形態にかかるプリンタ1では、CPU200でDCブラシレスモータである上述のモータ9a,9b,9c,9dの駆動が制御される。なお、上述のモータ9a,9b,9c,9dを代表させてモータ9というものとする。
また、本実施の形態にかかるプリンタ1では、上述のように、メインモータ9aには感光体5K、カラー用の感光体5Y,5M,5Cを中間転写ベルト6に対して圧接または離間させるための圧接離間機構、クラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cが各々連結され、カラー現像モータ9dにはカラー用の現像部4Y,4M,4Cが各々連結されるものとしているが、プリンタ1には、さらに、図示しない、メインモータ9aと感光体5K、上記圧接離間機構、クラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cとの各連結を、CPU200での制御信号に従って、連結または切り離しする機構が含まれるものとする。カラー現像モータ9dとカラー用の現像部4Y,4M,4Cとの連結についても同様である。
図2は、コントローラ100内のCPU200によりDCブラシレスモータの駆動が制御される構成を説明する図である。
図2を参照して、CPU200に示される機能は、CPU200がメモリ101からプログラムを読出して実行することによって主にCPU200に形成される機能であるが、その中の少なくとも一部が図1に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
そして、CPU200により制御されるモータ部60と、モータ部60のモータ(DCブラシレスモータ)62を駆動するためのモータドライバ回路50とがハードウェア構成として示されている。
モータ部60は、モータ62と、モータ62の回転子の回転速度に従う磁束変化に基づいて回転信号であるFGパルスを生成するFGセンサ64とを含む。
モータドライバ回路50は、CPU200からのコントロール信号の入力を受けて、PWM(Pulse Width Modulation)信号を生成するPWMチョッパ部54と、PWMチョッパ部54のPWM信号に従ってモータ62に供給する電流を調整する電流供給部52とを含む。
CPU200は、FGセンサ64からのFGパルスを検出するパルス検出部215と、外部から入力される目標速度信号(周期時間信号)とパルス検出部215において検出されるFGパルスとを比較して、誤差値を検出する誤差検出部205と、入力される誤差値に従って比例項P、積分項Iおよび微分項Dに対して演算処理するPID演算処理部210と、誤差値に基づいてPID演算処理する際のゲインを設定する設定部225と、パルス検出部215において検出されるFGパルスに基づいてPID演算処理する際のゲインを調整する調整部203と、PID演算処理した結果をモータドライバ回路に出力するための信号を生成する信号出力部220とを含む。
なお、図示しないがコントローラ100に内蔵された発振回路等を用いてクロック信号を生成し、当該クロック信号に基いて目標速度信号である周期時間信号が生成されCPU200に入力されるものとする。CPU200内部で目標速度信号である周期時間信号を生成することも可能であるし、コントローラ100の外部から入力することも可能である。なお、目標速度信号である周期時間信号を生成するために必要な情報は、メモリ101に格納されているものとする。
図3は、本発明の実施の形態に従うサーボ機構のブロック線図を説明する図である。
図3を参照して、ここで示されるようにフィードバック制御系で構成される。具体的には、目標速度信号に対応する、CPU内部のクロック信号のカウント期間に相当する周期時間信号が入力されて、現在のモータのFGパルスの立ち下がりから立ち上がりまでの期間をCPU内部のクロックでカウントしたカウント数に基いて速度偏差(誤差)を算出し、当該速度偏差(誤差)が周波数PIDブロック70に与えられる。
そして、周波数PIDブロック70からPID演算処理された処理結果がデジタルフィルタである信号出力部220に含まれているローパスフィルタ72を介してモータ出力指示としてモータブロック74に与えられる。ローパスフィルタ72は、ノイズ除去手段として設けられている。なお、ここでは、デジタルフィルタとしては、FIRフィルタあるいはIIRフィルタあるいはノッチフィルタで形成されているものとする。
そして、モータブロック74から回転速度(N(rpm))が出力される。そして、フィードバック処理としてモータブロック74からの回転速度がFGブロック76によりFGパルスに変換される。そして、上述したようにFGパルスの立ち下がりから立ち上がりまでの期間をCPU内部のクロックでカウントしたカウント数に基いて、目標速度信号と実際の速度を示すFGパルスとの間の速度偏差が算出される。
図4は、モータブロック74の内部のブロック線図である。
図4を参照して、ローパスフィルタ72を介して入力されるモータ出力指示がPWMチョッピングゲインにより電圧値に変換される。
そして、誘起電圧係数KEにより算出されたフィードバック電圧とPWMチョッピングゲインにより変換された電圧値の差分を算出して、電圧値の差分値に基づいて駆動巻線インピーダンス(1/Ra)/(1+sτE)により電流に変換される。そして、変換された電流値とトルク定数KTとにしたがって出力トルクに変換される。そして、出力トルクは、回転子イナーシャ(kj/sJM)により回転速度に変換される。変換された回転速度は、上述したように誘起電圧係数KEによりフィードバック電圧に変換される。
図5は、本発明の実施の形態に従うゲイン調整を行なうタイミングを決める方法を説明するフローチャートである。図5のフローチャートに示される処理は、コントローラ100のCPU200がメモリ101からプログラムを読出して実行することで行なわれるものであって、プリンタ1が起動したタイミングや、省電力状態から通常電力状態に復帰したタイミングや、前回の処理終了(または開始)から所定時間が経過したタイミングなどに行なわれる。
ここで、プリンタ1の制御基盤であるコントローラ100には、図示されない、プリンタ1の使用状況をカウントするカウンタと、消耗品の使用状況をカウントするカウンタとが含まれているものとする。これらカウンタは、制御基盤であるコントローラ100に実装されるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などで構成されるものであってもよい。または、メモリ101に含まれ、コントローラ100がメモリ101から読出すものであってもよい。使用状況のカウンタ値はプリンタ1の当初からの使用状況を表わす情報であって、具体的には、プリンタ1でのプリント枚数や各モータ9の駆動時間などが該当する。消耗品の使用状況のカウンタ値はプリンタ1に搭載されている消耗品の使用状況を表わす情報であって、具体的には、トナーの残量や、トナーボトルの使用開始日などが該当する。なお、たとえばトナーボトルなど、消耗品または消耗品の容器には消耗品の使用状況を管理するためのEEPROM等で構成されるカウンタが実装されている場合がある。その場合には、コントローラ100に含まれるカウンタに替えて、消耗品または消耗品の容器に実装されているカウンタが用いられる。または、コントローラ100に含まれるカウンタは、消耗品または消耗品の容器に実装されているカウンタからカウント値を読出して記憶してもよい。
プリンタ1では、上記カウントを利用して決定されたタイミングでゲイン調整が行なわれるものとする。そのタイミングとしては、たとえば、プリンタ1が初めて使用されるとき(新品のとき)が該当する。また、消耗品が交換された後に初めて使用されるときにも、モータの駆動負荷が交換される前から変化する可能性が高いため、ゲイン調整が行なわれることが好ましい。言うまでもなく、上記タイミングはゲイン調整を行なうタイミングの具体例であって、その他のタイミングであってもよい。たとえば、プリンタ1が起動する度にゲイン調整が行なわれてもよいし、モータ9の最長の駆動時間が所定時間に達したときにゲイン調整が行なわれてもよい。また、その他、プリンタが設置された環境の変化を検出したタイミングなどであってもよい。
図5を参照して、初めに、制御基盤であるコントローラ100が起動する(ステップS101)。コントローラ100のCPU200は、上述のカウンタからカウンタ値を読出して(ステップS103)、ゲイン調整のタイミングである、プリンタ1が初めて使用されるタイミングであるか、または搭載されている消耗品がプリンタ1において初めて使用されるタイミングであるかを判断する(ステップS105,S107)。
プリンタ1が初めて使用されるタイミングと判断された場合(ステップS105でYES)、または搭載されている消耗品がプリンタ1において初めて使用されるタイミングであると判断された場合(ステップS107でYES)、CPU200は、該当する駆動モータについてPID演算処理するためのゲインを初期値に設定する(ステップS109)。ここでの該当する駆動モータとは、上記ステップS107で「初めて使用される」と判断された消耗品に関連する駆動モータを指す。
一方、プリンタ1が初めて使用されるタイミングでも、搭載されている消耗品がプリンタ1において初めて使用されるタイミングでもないと判断され(ステップS105でNO、かつステップS107でNO)、さらに前回、以降のゲイン調整処理が行なわれてから所定枚数であるn枚以上プリントされていると判断された場合(ステップS111でYES)、CPU200は、ゲイン調整処理を実行し(ステップS113)、設定されているゲインを調整する。また、CPU200は、ステップS113でのゲイン調整処理実行時までにカウントされたプリント枚数をコントローラ100に実装されるEEPROMなどに保存し、新たな、プリント枚数のカウントを開始する(ステップS115)。そして、上記ステップS113,S115の処理の後、CPU200は、通常の起動シーケンスを実行する(ステップS117)。上述のしきい値である所定枚数n枚は、プリンタの機種ごとにチューニングされ最適化されているものとする。
なお、上記判断において、プリンタ1が初めて使用されるタイミングでも、搭載されている消耗品がプリンタ1において初めて使用されるタイミングでもないと判断され(ステップS105でNO、かつステップS107でNO)、さらに前回、以降のゲイン調整処理が行なわれてからのプリント枚数が所定枚数であるn枚に達していないと判断された場合(ステップS111でNO)には、上記ステップS113,S115の処理はスキップされ、ステップS117で通常の起動シーケンスを実行する。
上記ステップS113において、CPU200は、予め設定されている初期値を設定してもよい。具体的な値としては、たとえば、モータの回転数が2000(rpm)、モータ負荷が20(W)相当の場合、PID制御の比例項PのゲインKp=1.1、積分項IのゲインKi=110、微分項DのゲインKd=3が挙げられる。または、ゲイン設定処理を行なって得られる値を設定してもよい。本実施の形態では、設定部225が図6,7を用いて説明するゲイン設定処理を行なってゲインを設定するものとする。
図6は、上記ステップS113で実行されるゲイン設定処理の具体例の1つとしての、回転速度(回転数)に従ってゲインを設定する方法を説明する図である。
図6を参照して、本例においては、一例として回転数に従ってPID制御の比例項であるPゲインが設定される方式について説明する。
具体的には、回転数に従って変化する上限Pゲインおよび下限Pゲインを規定する線形関数が設定されているものとする。
一例として、上限Pゲインは線形関数L4に従うものとする。また下限Pゲインは線形関数L5に従うものとする。なお、この上限あるいは下限Pゲインは、回転数に従ってゲイン過多あるいはゲイン過少とならない範囲に設定されているものとする。
また、初期時あるいは通常時においては線形関数L1に従ってPゲインが設定されるものとする。
図7は、上記ステップS113で実行されるゲイン設定処理の具体例の1つとしてのゲイン設定方式を説明するフローチャートである。
図7を参照して、まず目標速度が設定される(ステップS0)。
次に、モータの速度が目標速度に追従する誤差範囲と考えられる目標誤差範囲を設定する(ステップS1)。当該範囲は、予め定められた範囲に設定することも可能であるし、目標速度(回転数)に従って範囲を調整することも可能である。たとえば、当該範囲については、メモリ101に格納されているものとする。
次に、上限・下限Pゲインを設定する(ステップS2)。上限Pゲインおよび下限Pゲインは、上述したように図6に従う線形関数L4およびL5により目標速度(回転数)に従って算出されるものとする。
そして、モータ駆動を開始する(ステップS3)。開始時においては、目標速度(回転数)となるようにコントロール信号がCPU200から出力されるものとする。たとえば、メモリ101において、目標速度とコントロール信号のレベルとの対応テーブル等を記憶させておいて、対応テーブルを参照して入力された目標速度信号に対応するコントロール信号のレベルに設定することが可能である。
そして、次に速度誤差の検出を開始し(ステップS4)、FGパルスの周波数誤差(周波数偏差)を検出する(ステップS5)。具体的には、パルス検出部215で検出したFGパルスを誤差検出部205に出力し、誤差検出部205において、目標速度信号(クロック信号)の周波数とFGパルスの周波数とを比較して周波数誤差の検出を実行する。
そして、誤差検出部205において周波数誤差があるか否かを判断する(ステップS6)。なお、周波数誤差については目標値とのある程度の誤差余裕(マージン)を見て、誤差余裕を越える範囲の誤差が有る場合に周波数誤差があると判断することも可能である。
そして、誤差検出部205は、ステップS6において周波数誤差があると判断される場合には、さらに目標誤差範囲内であるか否かを判断する(ステップS7)。
ステップS7において目標誤差範囲内であると判断される場合(ステップS7においてY)には、Pゲインを減少させる(ステップS8)。すなわち、目標誤差範囲内であると判断された場合、誤差が小さいため誤差値を増幅させて信号変化量を大きくするPゲインを増加させるよりもPゲインを小さくして誤差値を減少させて信号変化量を小さくして目標速度に高速に追従するように設定する。具体的には、誤差検出部205は、設定部225に所定量のPゲインの設定を指示する。
次に、設定した値が下限ゲインより小さくなるか判定する(ステップS9)。具体的には、設定部225は、誤差検出部205からのPゲインの設定指示(Pゲイン減少指示)に基づき現在設定されているPゲインの値から所定量のPゲイン減少させた場合に、下限ゲインより小さくなるか否かを判断する。
そして、下限ゲインより小さくなると判断される場合には、設定部225は、PID演算処理部210のゲイン値を上述した下限ゲインに設定する(ステップS10)。
なお、下限ゲインを設けている理由は、それ以下に下限ゲインを設定するとゲイン過少となり、外乱等が入力された場合に目標速度を維持することができなくなるためである。
そして、次に、設定されたゲインに基づいて周波数PID演算処理が実行される(ステップS12)。
一方、ステップS9において、下限ゲインより小さくないと判定された場合には、設定部225は、現在のゲインの値から所定量減少させたゲインに設定する(ステップS11)。そして、当該設定されたゲインに基づいて周波数PID演算処理が実行される(ステップS12)。
ステップS7において、目標誤差範囲内で無い場合(ステップS7においてN)には、Pゲインを増加する(ステップS13)。すなわち、目標誤差範囲内でないと判断された場合、誤差が未だ過大であるため誤差値を増幅させて信号変化量を大きくするためにPゲインを増加させる。具体的には、誤差検出部205は、設定部225に所定量のPゲインの設定を指示する。
そして、設定した値が上限ゲインより大きくなるか否か判定する(ステップS14)。具体的には、設定部225は、誤差検出部205からのPゲインの設定指示(Pゲイン増加指示)に基づき現在設定されているPゲインの値から所定量のPゲイン増加させた場合に、上限ゲインより大きくなるか否かを判断する。
そして、上限ゲインより大きくなると判断される場合には、上限ゲインに設定する(ステップS15)。なお、上限ゲインを設けている理由は、それ以上に上限ゲインを設定するとゲイン過多となり、画像品質が悪化したり、画像形成装置の駆動時の騒音が大きくなったりすることを防止するためである。
そして、当該設定されたゲインに基づいて周波数PID演算処理を実行する(ステップS12)。
ステップS14において、上限ゲインより大きくならないと判定された場合には、設定部225は、現在のゲインの値から所定量増加させたゲインに設定する(ステップS16)。そして、当該設定されたゲインに基づいて周波数PID演算処理を実行する(ステップS12)。
そして、周波数PID演算処理された結果と前回時の周波数PID演算処理した演算結果とを加算処理する(ステップS17)。そして、PID演算処理部210の処理結果である加算結果に基づいて信号出力部220からモータドライバ回路に対してコントロール信号が出力指示される(ステップS18)。
一方、ステップS6において、誤差検出部205において周波数誤差が無いと判定された場合には、ステップS17に進む。この場合、周波数誤差が無いため新たな誤差演算結果は無いすなわち0として前回時の周波数PID演算処理した演算結果と加算処理される。すなわち前回時と同じ結果が出力される。
そして、加算結果に基づいてモータドライバ回路に対してコントロール信号が出力指示される。
そして、モータの停止指示が入力された否かが判断され(ステップS19)、モータの停止指示が入力されるまで上述のステップS4〜S19の処理を繰返す。
そして、モータの停止指示が入力された場合、終了する(ステップS20)。なお、一例としてモータの停止指示は、目標速度信号の入力が停止した場合にモータの停止指示が入力されたと判断することが可能である。なお、特に、モータの停止指示は目標速度信号の入力に従うものではなく、モータの停止指示を認識できさえすればいずれの手段を用いることも可能である。
上記ステップS113で設定部225において上述のゲイン設定処理が実行されることにより、駆動中のモータの回転数に応じてPID演算処理で用いるゲインを適切な値にチューニングすることが可能である。
したがって、ゲイン過多、ゲイン過少による回転むらの悪化等を防ぐとともに最適なゲインチューニングを実行することにより画像品位を向上させることができる。
また、経時変化により負荷変動が発生した場合であっても、負荷変動が大きい場合には、ゲインを上げ、負荷変動が小さい場合にはゲインを下げて適切なゲインにチューニングするため安定した速度制御を実現することが可能である。
また、外乱の入力に対しても適切なゲインにチューニングされるため外乱に強いサーボ制御を実現することが可能である。
また、図6,7においては、回転数に従ってPゲインを設定する方式について説明したが、回転数のみならず駆動シーケンスに従ってPゲインを設定することも可能である。
たとえば、画像形成中は、線形関数L2に従ってPゲインを高ゲインに設定して突発負荷変動による回転変動を抑制し、画像品位を向上させ、画像形成後は、線形関数L3に従ってPゲインを低ゲインに設定して駆動音の低減をはかることができる。
また、比例項Pのゲインのみならず積分項Iのゲインおよび微分項Dのゲインについても同様に設定可能である。具体的には、比例項P、積分項I、微分項Dのゲインにおいては相関関係を有するものとする。たとえば、比例項P、積分項I、微分項Dのゲインの比を予め設けておくことにより、比例項Pのゲイン調整とともに積分項I、微分項Dのゲイン設定も可能である。
なお、変形例として、図3のサーボ機構に替えて、図8のブロック線図で示されるサーボ機構としてもよい。
図8を参照して、ここで示されるようにフィードバック制御系で構成される。具体的には、目標速度に対応するクロック信号のパルスが入力されて、現在のモータのFGパルスとの周波数偏差が周波数PIDブロック70に与えられるとともに目標速度に対応するクロック信号のパルスが入力されて現在のモータのFGパルスとの位相偏差が位相PIDブロック78に与えられる。
そして、周波数PIDブロック70からPID演算処理された処理結果と、位相PIDブロック78からPID演算処理された処理結果とが加算処理されデジタルフィルタであるローパスフィルタ72を介してモータブロック74に与えられる。
モータブロック74からの速度信号(N(r/m))が出力され、モータブロック74の速度がFGブロック76によりFGパルスに変換されて目標速度信号に基づく偏差(誤差)が算出される。
すなわち、本発明の実施の形態の変形例に従う構成は、位相PIDブロック78をさらに設けた構成である。位相PIDブロック78を設けて位相偏差をさらに加算処理することによりさらに精度の高いサーボ制御が可能である。
サーボ機構が図8のブロック線図で示されるである場合、上記ステップS113では、図9のフローチャートに示されるゲイン設定処理が行なわれるものとする。
図9を参照して、図7のフロー図と異なる点は、ステップS20〜ステップS27を新たに追加した点である。また、ステップS17をステップS17#に置換した点が異なる。
具体的には、速度誤差の検出を開始(ステップS4)した後、FGパルスの位相誤差を検出する(ステップS20)。具体的には、パルス検出部215で検出したFGパルスを誤差検出部205に出力し、誤差検出部205において、目標速度信号に対するFGパルスの位相誤差の検出を実行する。
次に、位相誤差があるか否かを判断する(ステップS21)。なお、位相誤差については目標値とのある程度の誤差余裕(マージン)を見て、誤差余裕を越える範囲の誤差が有る場合に位相誤差があると判断することも可能である。
そして、誤差検出部205は、ステップS21において位相誤差があると判断される場合には、次に目標誤差範囲内であるか否かを判断する(ステップS22)。
ステップS22において目標誤差範囲内であると判断される場合(ステップS22においてY)には、上述したのと同様にPゲインを減少させる(ステップS23)。すなわち、目標誤差範囲内であると判断された場合、誤差が小さいため誤差値を増幅させて信号変化量を大きくするPゲインを増加させるよりもPゲインを小さくして誤差値を減少させて信号変化量を小さくして目標速度に高速に追従するように設定する。
次に、調整した値が下限ゲインよりも小さいか否かを判定する(ステップS24)。
そして、下限ゲインよりも小さいと判断される場合には、設定部225は、下限ゲインに設定する(ステップS25)。
そして、当該設定されたゲインに基づいて位相PID演算処理を実行する(ステップS27)。
ステップS24において、下限ゲインよりも小さくないと判定された場合には、減少させたゲインに設定する(ステップS26)。そして、当該ゲインに基づいて位相PID演算処理を実行する(ステップS27)。
ステップS22において、目標誤差範囲内で無い場合(ステップS22においてN)には、Pゲインを増加する(ステップS28)。
すなわち、目標誤差範囲内でないと判断された場合、誤差が未だ過大であるため誤差値を増幅させて信号変化量を大きくするためにPゲインを増加させる。
そして、次に設定した値が上限ゲインよりも大きいか否かを判定する(ステップS29)。
そして、上限ゲインよりも大きいと判断される場合には、上限ゲインに設定する(ステップS30)。
そして、当該ゲインに基づいて位相PID演算処理を実行する(ステップS27)。
ステップS29において、上限ゲインよりも大きくないと判定された場合には、増加させたゲインに設定する(ステップS31)。そして、当該ゲインに基づいて位相PID演算処理を実行する(ステップS27)。
そして、位相PID演算処理された結果と周波数PID演算処理された結果とを加算処理する(ステップS17#)。なお、周波数誤差が無い場合には前回時の周波数PID演算処理した演算結果が用いられ、位相誤差が無い場合には、前回時の位相PID演算処理した演算結果が用いられるものとする。
そして、PID演算処理部210の処理結果である加算結果に基づいて信号出力部220からモータドライバ回路に対してコントロール信号が出力指示される(ステップS18)。
一方、ステップS21において、位相誤差が無いと判定された場合には、ステップS17#に進む。この場合、位相誤差が無いため新たな演算結果は0として加算処理に進む。
すなわち、他の加算処理結果に基づいてモータドライバ回路に対してコントロール信号が出力指示される。
そして、上述したようにモータの停止指示が入力されたか否かが判断され(ステップS19)、モータの停止指示が入力されない場合には、ステップS4に進み、停止するまで上述のステップの処理を繰返す。
モータの停止指示が入力された場合、終了する(ステップS20)。
したがって、図8に示された構成においては、位相PIDブロック78をさらに設けて、位相偏差をさらに加算処理することにより、さらに精度の高いサーボ制御が可能である。
また、位相PIDブロックについてもゲインを駆動中に適切な値にチューニングすることにより、最適なゲインチューニングを実行することにより高速な速度制御を実行することが可能である。
なお、位相PIDブロックにおける比例項のPゲインの値と周波数PIDブロックにおける比例項のPゲインの値とは同一である必要は無く、それぞれの誤差特性に従って適切な値に設定されるものとする。また、図6においては、周波数PIDブロックにおいて設定するPゲインについて説明したが、位相PIDブロックにおいて設定するPゲインを別に設けることも当然に可能である。
図10は、上記ステップS113で実行されるゲイン調整処理の詳細を示すフローチャートである。以下に説明する処理においては、メインモータ9aをモータ1、定着モータ9bをモータ2、黒現像モータ9cをモータ3、カラー現像モータ9dをモータ4、およびカラー感光体モータ9eをモータ4とするものとする。
図10を参照して、初めに、ゲイン調整処理が開始されると、調整部203に記憶されているカウンタ等が初期化される(ステップS201)。また、初めに、ゲイン調整の対象となっているモータの選択として、そのモータを表わす変数Mnが上記モータ9a〜9eに対応する5に設定される(ステップS203)。
次に、調整部203は、ゲイン調整の対象となっているモータMnについて、上記ステップS113で設定されたゲインの設定値K1、または前回のゲイン調整処理で調整されたゲインの設定値K1を読出し、ゲイン設定値を示す変数Kの値をK1とする。また、ゲイン調整の対象となっているモータMnについて、予め記憶されているゲイン変動ピッチCおよび目標回転数変動幅Bを読み出す(ステップS205)。そして、モータ駆動を開始する(ステップS207)。開始時においては、予め設定されている目標回転数となるようにコントロール信号がCPU200から出力されるものとする。
モータの回転数が目標回転数となると、大きくは、ゲインを徐々に増加させてモータの回転数の変動幅が目標値Bに達するときのゲインの上限値Kuを得る第1の処理と、ゲインを徐々に減少させてモータの回転数の変動幅が目標値Bに達するときのゲインの下限値Kdを得る第2の処理と、ゲインの上限値Kuおよび下限値Kdに基づいてゲインを調整する第3の処理とが行なわれる。
上記第1の処理が開始すると、調整部203は、モータの回転数の変動幅を得るためのFGセンサ64からのパルスを検出する回数、またはパルス検出部215から検出されたパルスを得る回数を指す変数aを初期値0とする(ステップS209)。ここでは、上記第1の処理および上記第2の処理共に、上記回数を10回とする。
次に、調整部203は、現在のゲイン設定値Kを上記ステップS205で読み出された所定のピッチCだけ増加させ、信号出力部220は、そのゲインでモータ駆動させるための信号を出力する(ステップS211)。調整部203は、そのゲインでのモータ駆動で検出されるFGパルスをパルス検出部215から取得し、そのときのモータの回転数の最大値、最小値、および平均値を演算して保存する(ステップS213)。次に、調整部203は、変数aを1インクリメントし(ステップS215)、所定回数である10回に達するまで、上記ステップS213,S215の処理を繰返す。処理回数が所定回数である10回に達すると(ステップS217でYES)、10回の処理で得られた、同じゲイン値Kでのモータの回転数より、上記第1の処理でのモータの回転数の振幅Buを演算する(ステップS219)。調整部203は、ステップS219の演算で得られた振幅BuとステップS205で読み出された目標値Bとを比較し、振幅Buが目標値Bよりも小さい場合には(ステップS221でNO)、処理をステップS211に戻し、現在のゲイン設定値Kをさらに所定のピッチCだけ増加させる。そして、上記処理が繰返されることでステップS219の演算で得られた振幅Buが目標値Bよりも大きくなった時点で(ステップS221でYES)、調整部203は、そのときのゲイン値Kをゲイン上限値Kuと設定し(ステップS223)、上記第1の処理を終了する。
次に、上記第2の処理が開始すると、調整部203は、ゲイン設定値Kを上述のK1とし、上述の変数aを初期値0とする(ステップS225)。
次に、調整部203は、現在のゲイン設定値Kを上記ステップS205で読み出された所定のピッチCだけ減少させ、信号出力部220は、そのゲインでモータ駆動させるための信号を出力する(ステップS227)。調整部203は、そのゲインでのモータ駆動で検出されるFGパルスをパルス検出部215から取得し、FGパルスから得られるそのときのモータの回転数を記憶する(ステップS229)。次に、調整部203は、変数aを1インクリメントし(ステップS231)、所定回数である10回に達するまで、上記ステップS229,S231の処理を繰返す。処理回数が所定回数である10回に達すると(ステップS233でYES)、10回の処理で得られた、同じゲイン値Kでのモータの回転数より、上記第2の処理でのモータの回転数の振幅Bdを演算する(ステップS235)。調整部203は、ステップS235の演算で得られた振幅BdとステップS205で読み出された目標値Bとを比較し、振幅Bdが目標値Bよりも小さい場合には(ステップS237でNO)、処理をステップS227に戻し、現在のゲイン設定値Kをさらに所定のピッチCだけ減少させる。そして、上記処理が繰返されることでステップS235の演算で得られた振幅Bdが目標値Bよりも大きくなった時点で(ステップS237でYES)、調整部203は、そのときのゲイン値Kをゲイン下限値Kdと設定し(ステップS239)、上記第2の処理を終了する。
次に、上記第3の処理として、調整部203は、現在設定されているゲイン設定値Kを、上記ステップS223で設定されたゲイン上限値Kuと上記ステップS239で設定されたゲイン下限値Kdとに基づいて調整する。また、判定範囲としての、つまり、ゲイン変動許容域を示す値であるゲイン許容値Gを設定する(ステップS241)。ここでは、具体的に、ゲイン設定値Kがゲイン上限値Kuとゲイン下限値Kdとの平均値となるよう調整するものとする。言うまでもなく、調整後の値は、所定の重み計数をゲイン上限値Kuおよび/またはゲイン下限値Kdに乗じた平均値であってもよいし、ゲイン上限値Kuとゲイン下限値Kdとを所定の演算式に代入して得られる値であってもよい。また、ここでは、ゲイン許容値Gは調整後のゲイン設定値Kに所定の係数αを乗じて得られる値であるものとする。係数αは予め規定されている値であり、好ましくは、モータごとに規定されている。なお、ここでは具体的な係数αの値は限定されないが、より好ましくは、たとえば、メインモータ9aやカラー感光体モータ9eなどの負荷トルクの変動が比較的小さいモータについては係数αが小さく(たとえばα<1など)規定され、定着モータ9b、黒現像モータ9c、およびカラー現像モータ9dなどの負荷トルクの変動が比較的大きいモータについては係数αが大きく(たとえばα>1など)規定されているものとする。従って、ステップS241で調整部203は、現在ゲイン調整対象のモータに対応して規定されている係数αを記憶領域より読み出して、ゲイン許容値Gを演算するために用いるものとする。
なお、上記第3の処理において調整部203は、さらに、上記ステップS223で設定されたゲイン上限値Kuおよび上記ステップS241での調整後のゲイン設定値Kと、上記ステップS239で設定されたゲイン下限値Kdおよび上記ステップS241での調整後のゲイン設定値Kとを各々比較する。そして、ゲイン上限値Kuと調整後のゲイン設定値Kとの差、およびゲイン下限値Kdと調整後のゲイン設定値Kとの差の少なくとも一方が上記ステップS241で設定された判定範囲としてのゲイン許容値Gよりも小なる場合には(ステップS243でNO)、つまり、調整後のゲイン設定値Kの上限値および下限値の少なくとも一方がゲイン許容値G内にある場合、調整部203は、ゲイン調整の対象となっているモータMnの負荷に不具合があると判断し(ステップS245)、後述する不具合箇所を特定するための処理を実行する。つまり、本来、上限値、下限値で想定される値よりもゲインの変動が小さい場合に、モータMnの負荷に不具合があると判断する。ゲイン上限値Kuと調整後のゲイン設定値Kとの差、およびゲイン下限値Kdと調整後のゲイン設定値Kとの差が、いずれも上記ステップS241で設定されたゲイン許容値G以上である場合には(ステップS243でYES)、つまり、調整後のゲイン設定値Kの上限値および下限値のいずれもがゲイン許容値G内にない場合、調整部203は、ゲイン調整の対象となっているモータMnの負荷が適切であるものとして、上記ステップS245の処理をスキップする。
そして、他のモータについてゲイン調整を行なうためにモータを表わす変数Mnが1デクリメントされ(ステップS247)、上記ステップS205以降の処理が繰返される。すべてのモータについての処理が終了すると(ステップS249でYES)、上記ステップS113でのゲイン調整処理を終了する。
上記ステップS113で調整部203において上述のゲイン調整処理が実行されることにより、駆動中のモータの回転数の変動幅に応じてPID演算処理で用いるゲインを適切な値にチューニングすることが可能である。また、駆動中のモータの回転数の変動幅に基づいて対象とするモータにかかる負荷の異常を検出することが可能である。そのため、モータが実際に回転異常となるよりも前に、早期に回転異常の可能性を検出することができる。
図11は、上記ステップS245でゲイン調整の対象となっているモータMnの負荷に不具合があると判断された場合に実行される、モータMnに関連する各箇所について不具合箇所を特定するための処理の具体例を示すフローチャートである。図11に示される処理と図10に示される処理とは、ステップS203,S205,S245,S247,S249を各々、ステップS203#,S205#,S245#,S247#,S249#に置換した点が異なる。ここでは、具体的に,上記ステップS245で不具合があると判断されたモータMnがメインモータ9aであるものとする。さらに、メインモータ9aに連結され、メインモータ9aに対する負荷として作用する上述のクラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cの各々について、異常負荷の原因であるか否かを特定するものとする。以下に説明する処理においては、メインモータ9aに対して負荷であるクラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cの連結をすべて切り離した状態をn=0で表わし、クラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cを連結するごとにn=1,2,3を割当てる。
図11を参照して、初めに、不具合箇所を特定するための処理が開始されると、調整部203に記憶されているカウンタ等が初期化される(ステップS201)。また、初めに、不具合箇所を特定するための対象となっている負荷の選択として、そのクラッチの連結を表わす変数nが上記クラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cに対応する3に設定される(ステップS203#)。次に、調整部203は、メインモータ9aから負荷であるクラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cの連結をすべて切り離した状態でのメインモータ9aのゲインの設定値KLo、クラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cを順に連結した場合の各々のメインモータ9aのゲインの設定値KL1,KL2,KL3を読み出す。また、メインモータ9aについて、予め記憶されているゲインごとの変動ピッチC1,C2,C3および目標回転数変動幅B1,B2,B3を読み出す。また、調整部203は、ステップS203#で選択された負荷nがメインモータ9aに連結されているときのゲイン設定値を示す変数KLの値をKL1とする(ステップS205#)。そして、ステップS203#で選択された負荷nがメインモータ9aに連結されている状態、つまりクラッチ10aがメインモータ9aに連結されている状態でメインモータ9aの駆動を開始し、目標回転数となるまで回転させる(ステップS207#)。
モータの回転数が目標回転数となると、ステップS203#で選択された負荷n(クラッチ)について、上述の第1の処理(ステップS209〜S223)および第2の処理が(ステップS225〜S239)が実行されて、調整部203において、ゲインの上限値Kunおよび下限値Kdnが演算される。そして、上述の第3の処理(ステップS241〜S245#)が実行されて、調整部203において、ステップS203#で選択された負荷nが連結された場合のメインモータ9aのゲイン設定値KLがゲイン上限値Kunとゲイン下限値Kdnとに基づいて調整され、調整されたゲイン設定値KLに基づいてゲイン許容値Gnが設定される。
第3の処理においては、ステップS243で、ゲイン上限値Kunおよび調整後のゲイン設定値Knと、ゲイン下限値Kdnおよび調整後のゲイン設定値Knとが各々比較され、ゲイン上限値Kunと調整後のゲイン設定値Knとの差、およびゲイン下限値Kdnと調整後のゲイン設定値Knとの差の少なくとも一方がステップS241で設定されたゲイン許容値Gnよりも小なる場合には(ステップS243でNO)、調整部203は、メインモータ9aに連結されている負荷nに不具合がある、つまり負荷nがメインモータ9aに対する異常負荷の可能性があると判断する(ステップS245#)。
上記ステップS205#以降の処理がメインモータ9aに各負荷を連結した状態(n=1〜3)、およびクラッチ10a、クラッチ10b、およびクラッチ10cの連結をすべて切り離した状態(n=0)のそれぞれについて繰返され、各負荷について不具合の有無が判断される。すべての負荷について処理が終了すると(ステップS249#でYES)、不具合箇所を特定するための処理が終了する。
上記ステップS245でゲイン調整の対象となっているモータMnの負荷に不具合があると判断された場合に、上述の不具合箇所を特定するための処理が実行されることで、対象とするモータに連結されている負荷ごとに不具合の有無が判定され、不具合の箇所を特定することが可能である。
なお、上述の処理の結果、不具合箇所が特定された場合、図12に示されるような処理が実行されて、不具合箇所が通知されることが好ましい。
図12を参照して、図11の処理の結果、調整部203においてあるモータに連結された負荷について不具合箇所が特定された場合(ステップS301でYES)、CPU200は、図示しない操作パネルに不具合があったこと、および不具合箇所を特定する情報、などを含む不具合情報を表示させるための処理を行ない、操作パネルに不具合箇所があることを表示する(ステップS303)。なお、ここでは、不具合箇所があることを通知する方法として操作パネルへ表示するものとしているが、プリンタドライバを経由してユーザや、管理者等の特定のユーザのPC等、予め登録されている装置に対して不具合情報を送信し、それら装置上に表示するようにしてもよい。
次に、CPU200は、メモリ101等に予め記憶されている外部ネットワークへの接続を許可するか否かについての情報を読み出して(ステップS305)、外部ネットワークへの接続が許可されている場合には(ステップS307でYES)、予めメモリ101等に記憶されているアドレスを参照してサービスセンタ等の予め規定されている送信先に対して不具合情報を通知するための処理を行なう(ステップS309)。ネットワークを利用したサービスセンタ等へ不具合情報を送信するための設定は、操作パネルやプリンタドライバ等で可能であるものとする。
上記ステップS245でゲイン調整の対象となっているモータMnの負荷について不具合が判断された場合に上述の処理が実行されることでモータMnに連結される負荷のうちの異常個所が特定されたときに、上述の処理が実行されることで、不具合箇所があること、および不具合箇所が通知され、早期に不具合に対処することができる。
さらに、上述の処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる画像形成装置が適用される、本実施の形態にかかるプリンタ1のハードウェア構成の概略を示す模式的断面図である。 コントローラ100内のCPU200によりDCブラシレスモータの駆動が制御される構成を説明する図である。 本発明の実施の形態に従うサーボ機構のブロック線図を説明する図である。 モータブロック74の内部のブロック線図である。 本発明の実施の形態に従うゲイン調整を行なうタイミングを決める方法を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に従う回転速度(回転数)に従って設定するゲインを説明する図である。 本発明の実施の形態に従うゲイン設定方式を説明するフローチャートである。 サーボ機構の他の具体例のブロック線図を説明する図である。 ゲイン設定方式の他の具体例を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態に従うゲイン調整処理の詳細を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に従う、モータMnに関連する各箇所について不具合箇所を特定するための処理の具体例を示すフローチャートである。 特定された不具合箇所を通知するための処理の具体例を示すフローチャートである。 従来のDCブラシレスモータの構成を説明する図である。 モータ制御基板内の構成を説明する図である。 回転数に従ってゲインチューニングする場合を説明する図である。
符号の説明
1 プリンタ、2 給紙カセット、3 プリントヘッド、4Y,4M,4C,4K 現像部、5Y,5M,5C,5K 感光体、6 中間転写ベルト、7Y,7M,7C,7K トナーホッパー、9,9a〜9e モータ、10a〜10c クラッチ、11 通信経路、50,1020 モータドライバ回路、52 電流供給部、54 PWMチョッパ部、60 モータ部、62 モータ、64 FGセンサ、70 周波数PIDブロック、72 ローパスフィルタ、74 モータブロック、76 FGブロック、78 位相PIDブロック、100 コントローラ、101 メモリ、200 CPU、203 調整部、205 誤差検出部、210 PID演算処理部、215 パルス検出部、220 信号出力部、225 設定部、1000 制御基板、1005 コントロール回路、1010 モータ回路基板、1015 DCBLモータ部。

Claims (8)

  1. 直流ブラシレスモータと、
    前記直流ブラシレスモータを駆動させるために、前記直流ブラシレスモータに電力を供給するモータドライバ回路と、
    前記モータドライバ回路に対して、目標速度に従う指令信号に応じた電力を前記直流ブラシレスモータに供給させるための指令信号を出力する出力手段と、
    前記直流ブラシレスモータの回転数を示す回転信号を取得する取得手段と、
    前記目標速度を示す基準パルス信号と前記回転信号である回転パルス信号との比較に基づいて誤差を検知し、前記誤差に基づいて前記出力手段で出力する前記指令信号をPID演算制御処理により調整する第1調整手段と、
    前記PID演算制御処理で用いるゲインを設定する設定手段と、
    前記回転信号から得られる前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいて、設定された前記ゲインを調整する第2調整手段と、
    前記回転信号から得られる前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、前記目標変動幅とに基づいて前記ゲインの判定範囲を設定し、前記第2調整手段での調整後の前記ゲインの上限値および下限値の少なくとも一方が前記判定範囲内にあるときに、前記直流ブラシレスモータに連結される負荷の異常を判断する判断手段と、
    前記判断手段での判断結果を通知する通知手段とを備える、画像形成装置。
  2. 前記直流ブラシレスモータに、負荷ごとに連結または切断する連結手段をさらに備え、
    前記第2調整手段は、前記負荷ごとに、設定された前記ゲインを調整し、
    前記判断手段は、前記負荷ごとに前記ゲインの上限値および下限値を設定し、前記負荷ごとに異常を判断することで、前記直流ブラシレスモータに連結された負荷のうちの異常と判断される負荷を特定する、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記通知手段は、前記判断結果を表示装置に表示させることで通知する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記通知手段は、前記判断結果を予め設定されている送信先に送信する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 前記設定手段は、前記誤差に基づいて前記PID演算制御処理で用いるゲインを設定する、請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記第2調整手段は、
    前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅が前記目標変動幅に達するまで前記設定手段で設定された前記ゲインを段階的に増加させることで前記ゲインの上限値を得る第1の処理と、
    前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅が前記目標変動幅に達するまで前記設定手段で設定された前記ゲインを段階的に減少させることで前記ゲインの下限値を得る第2の処理と、
    前記ゲインの上限値と前記ゲインの下限値とに基づいて前記ゲインを調整する第3の処理とを実行する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 直流ブラシレスモータが搭載された装置において、前記直流ブラシレスモータの負荷の不具合を検出する方法であって、
    前記装置は、
    前記直流ブラシレスモータを駆動させるために、前記直流ブラシレスモータに目標速度に従う指令信号に応じた電力を供給するモータドライバ回路と、
    前記直流ブラシレスモータの回転数を示す回転信号の入力を受けて、前記モータドライバ回路が前記目標速度に追従するように、出力する前記指令信号をPID演算制御処理により調整する制御回路とを含み、
    前記回転信号から得られる前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいて、前記PID演算制御処理で用いるゲインを調整するステップと、
    前記回転信号から得られる前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、前記目標変動幅とに基づいて前記ゲインの判定範囲を設定するステップと、
    前記調整手段での調整後の前記ゲインの上限値および下限値の少なくとも一方が前記判定範囲内にあるときに、前記直流ブラシレスモータに連結される負荷の異常を判断するステップと、
    前記判断結果を通知するステップとを備える、不具合検出方法。
  8. 直流ブラシレスモータが搭載された装置において前記直流ブラシレスモータの負荷の不具合を検出する処理を実行させるプログラムであって、
    前記装置は、
    前記直流ブラシレスモータを駆動させるために、前記直流ブラシレスモータに目標速度に従う指令信号に応じた電力を供給するモータドライバ回路と、
    前記直流ブラシレスモータの回転数を示す回転信号の入力を受けて、前記モータドライバ回路が前記目標速度に追従するように、出力する前記指令信号をPID演算制御処理により調整する制御回路とを含み、
    前記回転信号から得られる前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、目標変動幅とに基づいて、前記PID演算制御処理で用いるゲインを調整するステップと、
    前記回転信号から得られる前記直流ブラシレスモータの回転数の変動幅と、前記目標変動幅とに基づいて前記ゲインの判定範囲を設定するステップと、
    前記調整手段での調整後の前記ゲインの上限値および下限値の少なくとも一方が前記判定範囲内にあるときに、前記直流ブラシレスモータに連結される負荷の異常を判断するステップと、
    前記判断結果を通知するステップとを実行させる、不具合検出プログラム。
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