JP2009181192A - 記録再生装置、およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】プレゼンテーション時に記録されたポインタ軌跡を再生する際に、不要なポインタの軌跡が再生されることによる悪影響を低減する。
【解決手段】情報処理装置100は、少なくとも1つのオブジェクト領域と背景領域とを含むスライド上に表示されるポインタの位置情報を順次取得し、ポインタ位置情報蓄積部56に記録するポインタ位置情報取得部43と、蓄積部56に記録された各ポインタの位置情報の中から、再生対象となるポインタの位置情報に対応するスライド上の位置に時系列にポインタを順次表示するプレゼン再生部46であって、蓄積部56に記録された各ポインタの位置情報の中から、オブジェクト領域内に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報として選択し、背景領域に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報としては選択しないプレゼン再生部46と、備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録再生装置、およびプログラムに関する。
会議や発表会など(以下、プレゼンテーション)において、発表者が説明しながらスライドを順次切り替え、さらに表示されているスライド上にカーソルやポインタを表示して説明箇所を指し示すことが多い。
特許文献1には、発表者の選択操作に関する操作情報をインデックス情報として、各インデックスと各プレゼンテーション情報や質疑応答の映像・音声情報とを互いに関連づけてデータベースに蓄積する技術が開示されている。
特許文献2には、所定のサンプリング周期ごとにカーソル座標の情報を記録し、ユーザからのスライド切り替え指示ごとに、切り替わったスライド画像の情報を記録し、さらに1ページのスライドが表示されている期間ごとに、音声データを記録する技術が開示されている。
特開2002−109099号公報 特開2003−58901号公報
ところで、スライド上に表示されるポインタは、必ずしもプレゼンテーションにおいて操作者の説明を補助することなどのために必要なポインタとは限らない。
本発明は、プレゼンテーション時に記録されたポインタ軌跡を再生する際に、不要なポインタの軌跡が再生されることによる悪影響を低減することを目的とする。
本願請求項1に係る発明は、少なくとも1つのオブジェクト領域と背景領域とを含むスライド上に表示されるポインタの位置情報を順次取得し、位置情報蓄積装置に記録する位置情報記録部と、前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、再生対象となるポインタの位置情報に対応するスライド上の位置に時系列にポインタを順次表示する再生部であって、前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、オブジェクト領域内に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報として選択し、背景領域に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報としては選択しない再生部と、を備える記録再生装置である。
本願請求項2に係る発明は、請求項1に記載の記録再生装置において、前記再生部は、文字列を含むオブジェクト領域に存在するポインタの位置情報群については、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報として選択し、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有さないポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報としては選択しない、ことを特徴とする記録再生装置である。
本願請求項3に係る発明は、請求項2に記載の記録再生装置において、文字列を含むオブジェクト領域に存在するポインタの位置情報群であって、少なくとも1方向に対して、所定期間以上、継続して移動速度が反転するポインタの位置情報群については、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有さないポインタの位置情報であっても、再生対象のポインタの位置情報として選択する、ことを特徴とする記録再生装置である。
本願請求項4に係る発明は、請求項2に記載の記録再生装置において、文字列を含むオブジェクト領域に存在するポインタの位置情報群であって、円弧状に移動するポインタの位置情報群については、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有さないポインタの位置情報であっても、再生対象のポインタの位置情報として選択することを特徴とする記録再生装置である。
本願請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の記録再生装置において、前記再生部は、背景領域に所定の短期間のみ存在するポインタの位置情報群であって、当該ポインタの位置情報群の時系列の前後のポインタの位置情報が、同一のオブジェクト領域に存在する場合には、当該背景領域に所定の短期間のみ存在するポインタの位置情報群も、再生対象のポインタの位置情報として選択する、ことを特徴とする記録再生装置である。
本願請求項6に係る発明は、少なくとも1つのオブジェクト領域と背景領域とを含むスライド上に表示されるポインタの位置情報を順次取得し、位置情報蓄積装置に記録する位置情報記録部と、前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、再生対象となるポインタの位置情報に対応するスライド上の位置に時系列にポインタを順次表示する再生部であって、前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、オブジェクト領域内に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報として選択し、背景領域に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報としては選択しない再生部と、してコンピュータを機能させるためのプログラムである。
本願請求項1および6に係る発明によれば、オブジェクト領域内に存在するポインタの位置情報に基づくポインタが時系列順に画面に表示され、背景領域に存在するポインタの位置情報に基づくポインタは画面に表示されないため、不要なポインタの軌跡が再生されることによる悪影響を低減することができる。
本願請求項2に係る発明によれば、文字列の読み方向と異なる方向に移動するポインタは再生されないため、不要なポインタの軌跡が再生されることによる悪影響を低減することができる。
本願請求項3に係る発明によれば、文字列を含むオブジェクト領域上で反転を繰り返すポインタの場合には、文字列の読み方向と異なる方向に移動するポインタであっても再生されるため、本来必要なポインタの軌跡が再生されないことによる悪影響を低減することができる。
本願請求項4に係る発明によれば、文字列を含むオブジェクト領域上で円弧状に移動するポインタの場合には、文字列の読み方向と異なる方向に移動するポインタであっても再生されるため、本来必要なポインタの軌跡が再生されないことによる悪影響を低減することができる。
本願請求項5に係る発明によれば、オブジェクト領域を一時的に逸脱したポインタも再生されるため、本来必要なポインタの軌跡が再生されないことによる悪影響を低減することができる。
本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態と称す)について、以下図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理装置の機能ブロックを示す図である。
情報処理装置100は、実行されるプレゼンテーションの様子を記録し、記録されたプレゼンテーションの様子を再生する。情報処理装置100は、プレゼンテーションの様子として、スライド上のポインタの軌跡、音声、およびスライドのページの切り替え遷移を記録する。
なお、本実施形態では、説明を簡略化するために、スライドのページの切り替え遷移については詳しく説明しない。しかし、情報処理装置100は、例えば、スライドのページが切り替わったことに対応してポインタの位置情報を取得し、取得したポインタの位置情報に関連づけて切り替え後のスライドの識別情報を順次記録しておけばよい。再生時には、位置情報にスライドの識別情報が関連づけられている場合には、現在表示されているスライドから当該識別情報に対応するスライドに切り替えればよい。
ここで、ポインタは、聞き手側にプレゼン内容の理解を容易にさせることを1つの目的として表示される。一般に、プレゼンテーションの様子を再生する場合、プレゼンテーションの様子を忠実に再現すべく、記録中に取得したポインタの位置情報をすべて利用してポインタの軌跡を再現する。しかし、実際に行われるプレゼンテーションでは、必ずしもすべてのポインタが、聞き手側にプレゼン内容の理解を容易にさせることに役立つとは限らない。さらに言えば、表示されることで逆に聞き手側の理解を妨げてしまうポインタも存在する。
そこで、本実施形態では、情報処理装置100が、プレゼンテーションの様子を記録中に、周期的に取得されるポインタの位置情報のうち、聞き手側のプレゼン内容の理解を妨げる可能性があるポインタの位置情報を排除して、必要な位置情報のみを選択して、再生する。
より具体的には、スライド上に存在する文字列や図形などのオブジェクトを指し示しているポインタは表示対象とし、オブジェクトが存在しない「背景」を指し示しているポインタは非表示対象とする。
ポインタがオブジェクトを指し示している場合には、そのオブジェクトの内容について操作者(発表者)が説明している可能性が高い。そのため、本実施形態では、そのようなポインタは、表示対象とする。一方、ポインタが背景を指し示している場合には、背景の内容とは直接関係のない内容について操作者が説明している可能性が高い。そのため、本実施形態では、そのようなポインタは、非表示対象とする。
また、オブジェクトが文字列の場合、文字列の読み方向と同じ方向に移動するポインタは、操作者の説明と関連している可能性が高い。しかし、文字列の読み方向と反対方向に移動するポインタは、操作者の説明と関連している可能性が低い。そのため、本実施形態では、文字列を指し示すポインタのうち、文字列の読み方向と反対方向に移動するポインタは、非表示対象とする。
一方、操作者がオブジェクトの内容について説明する際に、そのオブジェクトに聞き手側の関心を集めるために、オブジェクト上においてポインタを左右、上下、あるいは円弧状に急速に連続して反転移動させることがある(以下、このようなポインタの移動を「連続反転移動」と称す)。このようなポインタは、聞き手側にプレゼン内容の理解を容易にさせることに役立つため、ポインタの移動方向に拘わらず表示したほうが好ましい。そのため、本実施形態では、オブジェクトが文字列で、文字列の読み方向と反対方向に移動するポインタであっても、そのポインタの移動が、連続反転移動に該当する場合には、表示対象とする。
ここで、図1に示す各部についてより詳細に説明する。
CPU10は、不揮発性メモリ30に記憶されたプログラム40を揮発性メモリ20に展開して、展開されたプログラム40に従いバスライン90を介して、各部を制御する。不揮発性メモリ30は、プログラム40およびデータベース(DB)50を記憶する。プログラム40およびDB50の詳細については後述する。
操作入力部70は、マウスやキーボードなどを介して操作者からの指示の入力を受け付ける。表示出力部72は、スライドやポインタなどを含む画像データを映像信号としてディスプレイやプロジェクタなどに出力する。音声入力部74は、記録時には、マイクロフォンなどを介して音声信号の入力を受け付ける。さらに音声入力部74は、再生時にはスピーカへの音声信号の出力を行う。
続いて、不揮発性メモリ30に記憶されたプログラム40とDB50とについてさらに詳しく説明する。
プレゼンアプリケーション41は、アプリケーションプログラムであり、予め作成されプレゼンファイル蓄積部52に蓄積されているプレゼンファイルに基づいて、当該プレゼンファイルに格納されているスライドの映像を画面に表示し、操作者からの切り替え指示の操作に従い、表示されているスライドのページを切り替える。
音声記録部42は、リアルタイム圧縮方式により、プレゼンアプリケーション41によりプレゼンテーションが実行されている期間、音声入力部74から入力される音声データを圧縮して、音声データ蓄積部54に蓄積していく。より具体的には、音声記録部42は、録音開始指示に応じて、順次入力される音声データを所定の時間幅(所定の圧縮ビットレート(例えば64kbps))でフレーム化(ブロック化)し、フレーム(ブロック)ごとに直交変換等の所定の圧縮アルゴリズム(例えばMP3方式)によって圧縮し、圧縮された各フレームを例えば、表示されるスライド単位で区切り(フラグ)をつけて1つの音声圧縮ファイルとして、音声データ蓄積部54に蓄積していく。なお、音声記録部42は、入力される音声データを圧縮せずに、音声データ蓄積部54に蓄積しても構わない。
ポインタ位置情報取得部43は、所定の時間幅T(例えばT=0.1sec)ごとにプレゼンアプリケーション41に対して、表示されているスライド上のポインタの位置情報(座標情報)を要求する。さらに、ポインタ位置情報取得部43は、要求に応じてプレゼンアプリケーション41から提供されるポインタの位置情報を取得し、位置情報を取得した時点におけるプレゼンテーションの様子の記録開始時点からの時間(以下、「記録時間」と称す)と関連づけて、ポインタ情報テーブルとしてポインタ位置情報蓄積部56に順次記録していく。
スライド解析部44は、記録対象のプレゼンファイルに格納される各スライドを構成する各オブジェクトの位置情報およびオブジェクト属性(文字列あるいは図形)を特定する。さらに、スライド解析部44は、特定された位置情報およびオブジェクト属性を、オブジェクトごとに、各オブジェクトを一意に特定するオブジェクトIDと関連づけてレイアウト情報蓄積部58に記録する。また、スライド解析部44は、文字列オブジェクトの文字列の読み方向を特定し、各オブジェクトIDに関連づけて読み方向をレイアウト情報蓄積部58に記録する。なお、スライド解析部44は、プレゼンテーションソフトなどのアプリケーションプログラムに対してサードパーティなどが独自の機能を追加できる補助プログラムによって実現される。スライド解析部44は、例えばプラグインである。プレゼンアプリケーション41が基本OS(Operating System)の一つであるWindows(登録商標)上で動作する場合、スライド解析部44はDLL(Dynamic Link Library)で実現すればよい。プログラム40に含まれる他の部についても同様であり、各部は、例えばプラグインにより実現できる。
図2は、スライド解析部44が文字列の読み方向を特定する手順を示すフローチャートである。
図2において、スライド解析部44は、まず、文字列オブジェクトの文字列に対して公知の方法により行方向に文字認識処理を行う(S100)。処理の結果、スライド解析部44は、行方向の文字認識の認識率がα(例えば、90%)以上の場合には(ステップS102の判定結果、肯定「Y」)、その文字列オブジェクトは、横書きであると判断して、レイアウト情報蓄積部58に記録されたそのオブジェクトのオブジェクトIDに対応付けて読み方向を「L→R」に設定する(S104)。
一方、行方向の文字認識の認識率がαより小さい場合には(ステップS102の判定結果、否定「N」)、スライド解析部44は、列方向に文字認識処理を行う(S106)。処理の結果、列方向の文字認識の認識率がα以上の場合には(ステップS108の判定結果、肯定「Y」)、スライド解析部44は、その文字列オブジェクトは、縦書きであると判断して、レイアウト情報蓄積部58に記録されたそのオブジェクトのオブジェクトIDに対応付けて読み方向を「U→D」に設定する(S110)。また、列方向の文字認識の認識率もαより小さい場合には(ステップS108の判定結果が、否定「N」)、不明であると判断して、レイアウト情報蓄積部58に記録されたそのオブジェクトのオブジェクトIDに対応付けて読み方向を「Null」に設定する(S112)。
その後、スライド解析部44は、すべての文字列オブジェクトの読み方向の設定が完了したか否かを判定して(S114)、完了していない場合には(ステップS114の判定結果が、否定「N」)、ステップS100以降の処理を繰り返す。一方、すべての文字列オブジェクトの読み方向の設定が完了した場合には(ステップS114の判定結果が、肯定「Y」)、スライド解析部44は、処理を終了する。
例えば図3Aに示すようなスライドについて、図3Bのように各オブジェクトが特定された場合、レイアウト情報蓄積部58には、図4に示すようなレイアウト情報テーブルが記録される。図4に示すように、レイアウト情報テーブルは、オブジェクトID200、オブジェクト属性202、左上座標204、右上座標206、読み方向208を含む。オブジェクト属性202において、「text」は文字列、「fig」は図形を示す。また、左上座標204および右上座標206は、各オブジェクトの領域を特定する座標であり、オブジェクトを内包する矩形領域の4つの頂点のうち、対向する2つの頂点の座標を示す。さらに、読み方向208は、上記の通り、オブジェクトが文字列オブジェクトの場合に、文字列の読み方向を示す。
以上のように、スライド解析部44は、プレゼンファイルの各スライドの各オブジェクトに関する情報を特定し、レイアウト情報テーブルとしてレイアウト情報蓄積部58に記録する。
次に、ポインタ表示判定部45について説明する。
ポインタ表示判定部45は、ポインタ位置テーブルと、レイアウト情報テーブルとを参照して、ポインタ位置テーブルに登録された各ポインタ位置情報について、表示対象とするか非表示対象とするかの判定を行い、その結果を各ポインタ位置情報に関連づけてポインタ位置テーブルに登録する。
図5は、ポインタ表示判定部45が各ポインタ位置情報に対して表示判定を行う手順を示すフローチャートである。
ポインタ表示判定部45は、ポインタ位置テーブルとレイアウト情報テーブルとを参照して、ポインタ位置情報のうち、背景領域に存在するポインタ位置情報を検索し、検索された背景領域のポインタ位置情報を「非表示」に設定する(S200)。
次に、ポインタ表示判定部45は、ポインタ位置情報のうち、図形あるいは文字列オブジェクト領域に存在し、かつ、同一位置に所定の時間(例えば、2秒)以上停留状態が継続しているポインタ位置情報を検索し、検索されたポインタ位置情報を「表示」に設定する(S202)。なお、停留状態か否かは、例えば、ポインタ位置情報に基づいてポインタ移動速度を算出し、速度がゼロあるいは速度が所定の閾値以下の状態が所定の時間以上継続する場合に、停留状態と判断すればよい。なお、移動速度は、例えば、ポインタ位置情報の取得間隔である時間幅Tの間にポインタが座標(x1,y1)から座標(x2,y2)に移動した場合には、座標(x2,y2)の速度を((x2−x1)/T,(y2−y1)/T)と算出すればよい。
また、ポインタ表示判定部45は、図形オブジェクト領域に存在し、かつ、移動状態(移動速度がゼロではないあるいは移動速度が所定の閾値より大きい)のポインタ位置情報を検索し、検索されたポインタ位置情報を「表示」に設定する(S204)。加えて、ポインタ表示判定部45は、文字列オブジェクト領域に存在し、かつ、移動状態のポインタ位置情報のうち、文字列方向とポインタの移動方向が所定の時間以上継続して同一のポインタ位置情報を検索し、検索されたポインタ位置情報を「表示」に設定する(S206)。さらに、ポインタ表示判定部45は、文字列オブジェクト領域に存在し、かつ、移動状態のポインタ位置情報を検索し、さらに、検索されたポインタ位置情報のうち、「連続反転移動状態」のポインタ位置情報を検索し、検索されたポインタ位置情報を「表示」に設定する(S208)。
なお、「連続反転移動状態」のポインタ位置情報は、x軸方向あるいはy軸方向に一度反転してから(x軸方向あるいはy軸方向の移動速度の正負が変化してから)、所定期間ΔTc内に再度反転するという動きを所定期間Tb以上継続するという条件を満たすポインタ位置情報のことをいう。
最後に、ポインタ表示判定部45は、オブジェクト領域に存在するポインタ位置情報のうち、ステップS200〜ステップS208において「表示」に設定されなかったポインタ位置情報を「非表示」に設定し(S210)、処理を終了する。
図6は、表示判定終了後に、ポインタ位置情報蓄積部56に蓄積されるポインタ位置テーブルの例を示す。図6に示すように、ポインタ位置テーブルには、位置情報の取得時間(記録時間)と、ポインタのX座標、Y座標とに関連づけて、表示フラグ「1」あるいは「0」が登録される。ここで、表示フラグ「1」は、「表示」を示し、表示フラグ「0」は、「非表示」を示す。
図1に戻り、プレゼン再生部46は、スライドおよび音声の再生を行う。さらにプレゼン再生部46は、スライドおよび音声の再生に合わせて、図6に示すようなポインタ位置テーブルに登録されたポインタ位置情報を時系列順に参照して、表示フラグが「1」である再生対象のポインタ位置情報を順次選択して、選択されたポインタ位置情報に対応する画面の位置にポインタを表示する。
以上のように、本実施形態では、ポインタ表示判定部45が、記録されたポインタ位置情報の中から、聞き手側のプレゼン内容の理解を促進する位置情報のみを表示対象として選択する。つまり、聞き手側のプレゼン内容の理解を妨げる可能性があるポインタ位置情報が表示対象から除外される。よって、プレゼンテーション時に記録されたポインタ軌跡を再生する際に、不要なポインタの軌跡が再生されることによる悪影響が低減される。
ところで、オブジェクト領域を指し示すポインタの中には、操作者の乱雑なポインタ操作などで、図7Aに示すように、一時的にオブジェクト領域を逸脱したのち(符号P1)、再度オブジェクト領域に戻る場合がある。このようなポインタ軌跡を描く場合、一時的にオブジェクト領域を逸脱したポインタも再生したほうが好ましい。
しかし、上記の実施形態では、オブジェクト領域に存在しない、つまり、背景領域に存在するポインタ位置情報は、「非表示」に設定される。したがって、一時的にオブジェクト領域を逸脱したポインタは再生されない。
そこで、一時的にオブジェクト領域を逸脱したポインタも再生するために、例えば、スライド解析部44が、実際のオブジェクト領域よりも広い領域がオブジェクト領域になるように、各オブジェクトの領域(左上座標および右下座標)を設定してもよい。例えば、スライド解析部44は、オブジェクトを内包する矩形領域を所定の拡大率(例えば、110%)で拡大し、その拡大された矩形領域の左上座標および右下座標をレイアウト情報テーブルに登録すればよい。このように、オブジェクト領域を実際よりも広くすることで、一時的にオブジェクト領域を逸脱するポインタに対応するポインタ位置情報も、ポインタ表示判定部45が表示対象と判定することができる。また、例えば、図7Bに示すように、ポインタがオブジェクト領域の近傍を移動する軌跡(符号P2)を示す場合にも、上記のようにオブジェクト領域を実際よりも所定拡大率だけ広くすることで、ポインタ表示判定部45が表示対象と判定することができる。
なお、オブジェクト領域を実際よりも所定拡大率だけ広くする以外にも、例えば背景領域に存在する時間が所定の期間以内のポインタ位置情報群であって、前後のポインタ位置情報群が同一のオブジェクト領域に存在するポインタ位置情報群を、ポインタ表示判定部45が検索し、検索されたポインタ位置情報群を、一時的にオブジェクト領域を逸脱するポインタに対応するポインタ位置情報群として、「表示」に設定するようにしてもよい。
さらに、図7Cに示すように、オブジェクト領域上を、ポインタが円弧を描いて移動する場合(符号P3)、聞き手側の関心を集めるために、操作者が意図的にポインタを円弧状に動かしている可能性がある。そのため、オブジェクトが文字列の場合、読み方向と異なるポインタ位置情報であっても、そのポインタ位置情報が円弧状の軌跡を描くポインタの一部である場合には、表示対象とすることが好ましい。そこで、ポインタ表示判定部45は、文字列オブジェクト領域に存在するポインタ位置情報群であって、当該ポインタ位置情報群が円弧状の軌跡を描く場合には、当該ポインタ位置情報群はすべて「表示」に設定するようにしてもよい。
なお、ポインタ表示判定部45が円弧を描くポインタ位置情報群を特定する手法は、例えば、以下のように行えばよい。
まず、ポインタ表示判定部45は、各ポインタ位置情報を、スライド上をX軸正方向かつY軸正方向(以下「正・正方向」という)に移動するポインタ、X軸正方向かつY軸負方向(以下、「正・負方向」という)に移動するポインタ、X軸負方向かつY軸負方向(以下、「負・負方向」という)に移動するポインタ、およびX軸負方向かつY軸正方向(以下、「負・正方向」という)に移動するポインタの4つに分類して、ポインタ位置テーブルに各ポインタ位置情報と関連づけて各方向を登録する。続いて、ポインタ表示判定部45は、文字列オブジェクト領域上に継続して存在するポインタ位置情報を抽出する。ポインタ表示判定部45は、抽出されたポインタ位置情報群のポインタの移動方向のパターンを特定し、その特定したパターンが円弧状のパターンに該当する場合には、当該ポインタ位置情報群は円弧を描くと判断する。図8に示すように、ポインタが右回り(符号R)の円弧を描く場合、移動方向のパターンは、「負・負→負・正→正・正→正・負→負・負→・・・」となり、左回り(符号L)の円弧を描く場合には、「正・負→正・正→負・正→負・負→正・負→・・・」となる。よって、ポインタ表示判定部45は、文字列オブジェクト領域上に存在するポインタ位置情報群の移動方向のパターンが上記の2つのパターンのうちのいずれか一方に該当する場合には、当該ポインタ位置情報群はすべて「表示」に設定する。これにより、操作者が意図的に文字列オブジェクト領域でポインタを円弧状に動かした場合でも、そのポインタが再現される。
加えて、ポインタの軌跡をより見やすく再生するために、表示対象のポインタ位置情報を適宜修正してもよい。
例えば、文字列オブジェクト領域上で読み方向に移動するポインタの場合、読み方向に直線状に移動するようにポインタ位置情報を修正してもよい。あるいは、オブジェクト領域上をポインタが略円弧を描く場合には、例えばオブジェクトの中心(重心)を円心とする円弧を描くようにポインタ位置情報を修正してもよい。また、文字列オブジェクト領域上に移動するポインタであって、文字列に重なって移動するポインタの場合には、横書きであればその文字列の下方、縦書きであればその文字列の右側あるいは左側を移動するようにポインタ位置情報を修正して、ポインタが文字列に重ならないようにしてもよい。加えて、オブジェクト領域上に停留するポインタの場合には、オブジェク領域の縁側に寄せて表示されるようにポインタ位置情報を修正してもよい。例えば、文字列オブジェクト領域のポインタ位置情報の場合には、文字列の先頭側(箇条書きマーカー部分や、箇条書きの番号部分)に停留するように、ポインタ位置情報を修正してもよい。加えて、ポインタ位置情報の移動速度が一定になるように、ポインタ位置情報を修正してもよい。
本実施形態に係る情報処理装置の機能ブロックを示す図である。 スライド解析部が文字列の読み方向を特定する手順を示すフローチャートである。 スライドのレイアウト情報について説明するための図である。 スライドのレイアウト情報について説明するための図である。 レイアウト情報蓄積部に蓄積されるレイアウト情報テーブルの一例を示す図である。 ポインタ表示判定部が各ポインタ位置情報に対して表示判定を行う手順を示すフローチャートである。 ポインタ表示判定部による表示判定終了後に、ポインタ位置情報蓄積部に蓄積されるポインタ位置テーブルの一例を示す図である。 スライド上を移動するポインタの軌跡の一例を示す図である。 スライド上を移動するポインタの軌跡の一例を示す図である。 スライド上を移動するポインタの軌跡の一例を示す図である。 ポインタ位置情報群の移動方向のパターンについて説明するための図である。
符号の説明
10 CPU、20 揮発性メモリ、30 不揮発性メモリ、40 プログラム、41 プレゼンアプリケーション、42 音声記録部、43 ポインタ位置情報取得部、44 スライド解析部、45 ポインタ表示判定部、46 プレゼン再生部、50 データベース、52 プレゼンファイル蓄積部、54 音声データ蓄積部、56 ポインタ位置情報蓄積部、58 レイアウト情報蓄積部、70 操作入力部、72 表示出力部、74 音声入力部、90 バスライン、100 情報処理装置。

Claims (6)

  1. 少なくとも1つのオブジェクト領域と背景領域とを含むスライド上に表示されるポインタの位置情報を順次取得し、位置情報蓄積装置に記録する位置情報記録部と、
    前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、再生対象となるポインタの位置情報に対応するスライド上の位置に時系列にポインタを順次表示する再生部であって、前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、オブジェクト領域内に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報として選択し、背景領域に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報としては選択しない再生部と、
    を備える記録再生装置。
  2. 請求項1に記載の記録再生装置において、
    前記再生部は、文字列を含むオブジェクト領域に存在するポインタの位置情報群については、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報として選択し、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有さないポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報としては選択しない、
    ことを特徴とする記録再生装置。
  3. 請求項2に記載の記録再生装置において、
    文字列を含むオブジェクト領域に存在するポインタの位置情報群であって、少なくとも1方向に対して、所定期間以上、継続して移動速度が反転するポインタの位置情報群については、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有さないポインタの位置情報であっても、再生対象のポインタの位置情報として選択する、
    ことを特徴とする記録再生装置。
  4. 請求項2に記載の記録再生装置において、
    文字列を含むオブジェクト領域に存在するポインタの位置情報群であって、円弧状に移動するポインタの位置情報群については、当該文字列の読み方向と同一方向の速度成分を有さないポインタの位置情報であっても、再生対象のポインタの位置情報として選択する、
    ことを特徴とする記録再生装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の記録再生装置において、
    前記再生部は、背景領域に所定の短期間のみ存在するポインタの位置情報群であって、当該ポインタの位置情報群の時系列の前後のポインタの位置情報が、同一のオブジェクト領域に存在する場合には、当該背景領域に所定の短期間のみ存在するポインタの位置情報群も、再生対象のポインタの位置情報として選択する、
    ことを特徴とする記録再生装置。
  6. 少なくとも1つのオブジェクト領域と背景領域とを含むスライド上に表示されるポインタの位置情報を順次取得し、位置情報蓄積装置に記録する位置情報記録部と、
    前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、再生対象となるポインタの位置情報に対応するスライド上の位置に時系列にポインタを順次表示する再生部であって、前記位置情報蓄積装置に記録された各ポインタの位置情報の中から、オブジェクト領域内に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報として選択し、背景領域に存在するポインタの位置情報を再生対象のポインタの位置情報としては選択しない再生部と、
    してコンピュータを機能させるためのプログラム。
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