JP2009180315A - 動力伝達軸及びシャフトアッセンブリ - Google Patents

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Abstract

【課題】動力伝達軸に工夫を講じることにより、等速自在継手の内輪に動力伝達軸を組み付けた場合における両者間に生じ得る軸方向のガタツキを可及的に抑制する。
【解決手段】軸端部1xの外周面が、等速自在継手の内輪2の内周面に周方向移動を規制されて嵌合されると共に、軸端部1xの軸端寄り位置に、内輪2の軸端側への軸方向移動を規制する抜け止め部材(例えば丸サークリップ)3を装着する周溝1bが形成され、且つ、軸端部1xの軸中央寄り位置に、内輪2の軸中央側への軸方向移動を規制する肩部1cが配設された動力伝達軸1において、周溝1bと、肩部1cの配設部との少なくとも一方が、熱処理後における加工(例えば焼入れ鋼切削加工)により形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達軸及びシャフトアッセンブリに係り、詳しくは、等速自在継手の内輪の内周側に軸端部が嵌合される動力伝達軸、及びその動力伝達軸と等速自在継手とを備えてなるシャフトアッセンブリの改良に関する。
周知のように、等速自在継手は、内周面に軸方向に延びる複数の案内溝が形成された外輪と、外周面に軸方向に延びる複数の案内溝が形成された内輪と、これらの外輪及び内輪の案内溝が協働して形成するボールトラックに配された複数のトルク伝達部材と、該トルク伝達部材を保持する保持器とを備えて構成されているのが一般的である。また、トリポード型の等速自在継手(TJ)は、内周面に複数の軸方向溝が形成された外輪と、該外輪の内部に収容される内輪と、該内輪の外周面に回動自在に保持され且つ内輪及び外輪の相互間でトルクを伝達するトルク伝達部材(ローラ)とを備えている。これらの等速自在継手における内輪の内周側には、駆動軸または従動軸もしくは中間軸などの動力伝達軸の軸端部が、セレーションまたはスプラインなどにより周方向移動(周方向相対移動)を規制されて嵌合されているのが通例である。
詳述すると、等速自在継手と動力伝達軸とを備えてなるシャフトアッセンブリは、内輪の内周面に形成されたセレーションまたはスプライン状などの歯型と、動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーションまたはスプライン状などの歯型とを嵌合させる構造が一般的に採用され、公知の如く、セレーションとスプラインとは歯型形状により区別される。
この種のシャフトアッセンブリにおける内輪の動力伝達軸に対する軸方向移動を規制する両者の結合構造としては、図7及び図8に示すように、動力伝達軸11の軸端部11xにおける軸端寄り位置に形成された周溝11bに丸サークリップ13を装着すると共に、その軸端部1xにおける軸中央寄り位置に肩部11cを一体形成する。そして、内輪12の歯型12aの継手内部側に位置する内部側チャンファ12bを丸サークリップ13に当接させ、且つ内輪12の継手入口側に位置する入口側チャンファ12cを肩部11cに当接させることが一例として挙げられる(特許文献1の図1参照)。この場合、肩部11cは、上記の如く動力伝達軸11に一体形成されるものに限られず、例えば動力伝達軸11の該当する位置に周溝を形成すると共にその周溝に止め輪を装着し、且つその止め輪の軸端側の面部分を肩部として、内輪の入口側端面を当接させる構造であってもよい(特許文献1の図5(b)参照)。
特許第3188001号公報
ところで、従来においては、上記例示の結合構造を採用した場合、等速自在継手の内輪12に動力伝達軸11を組み付けた後に、両者11、12間に軸方向のガタツキが発生するという問題を招来していた。特に、この種のシャフトアッセンブリが自動車のドライブシャフトやプロペラシャフトに適用される場合に、上記の内輪12と動力伝達軸11との間の軸方向のガタツキが大きいと、自動車の振動特性を悪化させる要因となる。
したがって、図8(a)に示す内輪12の内部側チャンファ12bにおける丸サークリップ13との当接基準位置12boから入口側チャンファ12cにおける肩部11cとの当接基準位置12coまでの寸法L1と、同図(b)に示す動力伝達軸11の周溝11bにおける丸サークリップ13との当接基準位置11boから肩部11cにおける入口側チャンファ12cとの当接基準位置11coまでの寸法L2とを、適正に合致させるべく厳しく管理する必要がある。
しかしながら、従来の結合構造では、周溝1bや肩部1cを含む大半の切削加工を完了した後に、鋼からなる動力伝達軸1に高周波熱処理や浸炭熱処理等の熱処理を施し、その後、図7(a)に示す状態となるように内輪12に動力伝達軸11を組み付けているのが通例であった。そのため、動力伝達軸11における上記の当接基準位置11bo、11co間の寸法L2が、熱処理変形に起因してバラツキが生じることにより適正でなくなることから、図7(b){図7(a)に符号A2を付した箇所の拡大図}に示すように丸サークリップ13と内輪12の内部側チャンファ12bとの間の隙間Sも大きくなり、その結果、内輪12と動力伝達軸11との間に、許容しがたい軸方向のガタツキが生じ得ることになる。
本発明は、上記事情に鑑み、動力伝達軸に工夫を講じることにより、等速自在継手の内輪に動力伝達軸を組み付けた場合における両者間に生じ得る軸方向のガタツキを可及的に抑制することを技術的課題とする。
上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る動力伝達軸は、軸端部の外周面が、等速自在継手の内輪の内周面に周方向移動を規制されて嵌合されると共に、前記軸端部の軸端寄り位置に、前記内輪の軸端側への軸方向移動を規制する抜け止め部材を装着する周溝が形成され、且つ、前記軸端部の軸中央寄り位置に、前記内輪の軸中央側への軸方向移動を規制する肩部が配設された動力伝達軸において、前記周溝と、前記肩部の配設部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることに特徴づけられる。ここで、上記の「肩部が配設された」とは、動力伝達軸に肩部が一体形成されている場合に限られず、例えば動力伝達軸に周溝を形成し且つその周溝に肩部の役割を果たす止め輪を装着した場合等をも含む(以下、同様)。したがって、上記の「肩部の配設部」とは、動力伝達軸に一体形成された肩部そのものを意味するに限られず、動力伝達軸に肩部の役割を果たす止め輪を装着するための周溝をも意味している(以下、同様)。
このような構成によれば、動力伝達軸(好ましくは動力伝達軸の必要箇所)の熱処理後に、内輪の軸端側への軸方向移動を規制する抜け止め部材を装着する周溝と、内輪の軸中央側への軸方向移動を規制する肩部の配設部との少なくとも一方が、切削(例えば焼入れ鋼切削)等の加工によって形成されていることから、熱処理変形による悪影響を受けることなく、周溝と肩部の配設部との相互間寸法を極めて正確にして高精度化を図ることができる。これにより、周溝に装着される抜け止め部材と内輪との当接箇所、及び肩部と内輪との当接箇所に不当な大きさの隙間が生じなくなり、内輪への動力伝達軸の組み付け後に、両者間に不当な軸方向のガタツキが生じるという不具合を可及的に抑止することが可能となる。そして、この動力伝達軸が等速自在継手の内輪に組み付けられてなるシャフトアッセンブリを自動車に適用すれば、自動車の振動特性を改善することができる。なお、抜け止め部材及び肩部に当接可能な内輪の部位は、後述する内輪の両端チャンファに限られず、内輪のチャンファではない両端部であってもよく、また内輪の歯型の両端部(チャンファである場合を含む)であってもよい。
この場合、前記軸端部の外周面に、前記等速自在継手の内輪の内周面に形成されたセレーション又はスプライン状の歯型に嵌合可能なセレーション又はスプライン状の歯型が形成されると共に、前記周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファが当接可能とされ、且つ、前記肩部に、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファが当接可能とされるように構成することができる。
このようにすれば、動力伝達軸の軸端部が、セレーション又はスプライン状の歯型の嵌合により、内輪に対して周方向移動(周方向相対移動)を規制された上で、動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材に内輪の内部側チャンファが適正に当接し、且つ動力伝達軸の肩部に内輪の入口側チャンファが適正に当接して、両者の軸方向位置決めが正確且つガタツキなく行われることになる。
上記の動力伝達軸は、前記周溝と、前記肩部の配設部とが、熱処理後の切削により同時加工されていることが好ましい。
このようにすれば、熱処理後における切削加工時の作業性或いは作業能率が向上すると共に、周溝と肩部との両者を軸方向の理想位置に形成することが可能となる。
上記の動力伝達軸は、材質が鋼であり、前記熱処理は、高周波熱処理、或いは、浸炭熱処理であることが好ましい。ここで、上記の「高周波熱処理」としては、高周波焼入れ焼き戻しまたは高周波焼入れを代表例として挙げることができ、また上記の「浸炭熱処理」としては、浸炭焼入れ焼き戻し、浸炭焼入れ、浸炭窒化焼入れ焼き戻しまたは浸炭窒化焼入れを代表例として挙げることができる。
このようにすれば、動力伝達軸における必要箇所の表層部を硬質にして耐久性の向上を図ることが可能となる。
上記の熱処理後の加工は、焼入れ鋼切削加工であることが好適である。ここで、「焼入れ鋼切削加工」とは、切削油を使用することなく、セラミック、サーメット、CBNなどの専用チップを用いて、焼入れ後の高硬度鋼を旋削等で仕上げる加工のことを意味する。
このようにすれば、切削油を使用することなく加工できることから、環境面で有利になると共に、切削加工後の面性状も優れたものとなる。
また、前記抜け止め部材は、丸サークリップ、或いは、スナップリングであることが好ましい。
このようにすれば、動力伝達軸の周溝に装着された丸サークリップまたはスナップリングにより、内輪の軸端側への軸方向移動を確実且つ適切に規制することが可能となる。
一方、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係るシャフトアッセンブリは、等速自在継手の内輪の内周面と動力伝達軸の軸端部の外周面とを周方向移動を規制して嵌合させると共に、前記動力伝達軸の軸端部の軸端寄り位置に周溝を形成して、該周溝に装着された抜け止め部材が、前記内輪の軸端側への軸方向移動を規制するように構成し、且つ、前記動力伝達軸の軸端部の軸中央寄り位置に配設した肩部が、前記内輪の軸中央側への軸方向移動を規制するように構成したシャフトアッセンブリにおいて、前記動力伝達軸の周溝と、肩部の配設部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることに特徴づけられる。
このようなシャフトアッセンブリによっても、動力伝達軸の熱処理後に、内輪の軸端側への軸方向移動を規制する抜け止め部材を装着する周溝と、内輪の軸中央側への軸方向移動を規制する肩部の配設部との少なくとも一方が、切削(例えば焼入れ鋼切削)等の加工によって形成されていることから、このような構成に対応する既述の作用効果が同様にして得られる。
この場合、前記等速自在継手の内輪の内周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型と、前記動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型とを嵌合させると共に、前記動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファが当接し、且つ、前記動力伝達軸の肩部に、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファが当接した構成とすることができる。
このようにした場合にも、動力伝達軸の軸端部が、セレーション又はスプライン状の歯型の嵌合により、内輪に対して周方向移動(周方向相対移動)を規制された上で、動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材に内輪の内部側チャンファが適正に当接し、且つ動力伝達軸の肩部に内輪の入口側チャンファが適正に当接して、両者の軸方向位置決めが正確且つガタツキなく行われることになる。
また、このシャフトアッセンブリは、ドライブシャフトアッセンブリまたはプロペラシャフトアッセンブリに使用することが好適である。
このようにすれば、自動車用のシャフトアッセンブリとして有効利用され、自動車の振動特性を効果的に改善することが可能となる。
以上のように本発明によれば、動力伝達軸に対して高周波熱処理や浸炭熱処理等の熱処理を施した後に、内輪の軸方向移動を規制する抜け止め部材が装着される周溝と、肩部の配設部との少なくとも一方を、切削(例えば焼入れ鋼切削)等の加工により形成していることから、熱処理変形による悪影響を受けることなく、周溝と肩部の配設部との相互間寸法を極めて正確にして高精度化を図ることができ、内輪への動力伝達軸の組み付け後に、両者間に不当な軸方向のガタツキが生じるという不具合を可及的に抑止することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る動力伝達軸及びこれを用いたシャフトアッセンブリを図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る動力伝達軸1が等速自在継手の内輪2に組み付けられてなるシャフトアッセンブリ10の要部を示す概略縦断側面図、図1(b)は、図1(a)の符号Aで示す箇所の拡大図、図2(a)は、上記の内輪2を単体として示す概略縦断側面図、図2(b)は、上記の動力伝達軸1を単体として示す概略側面図である。なお、この第1実施形態では、等速自在継手が、BJ(ボールフィックスドジョイント)に係る場合を例示している。
図1及び図2に示すように、等速自在継手の内輪2は、外周面に軸方向に延びる複数の案内溝2xが形成されると共に、内周面にセレーション2a(またはスプライン)が形成されている。このセレーション2aの継手内部側の端部(同図の左端部)には、内部側チャンファ2bが形成されると共に、継手入口側の端部(同図の右端部)には、入口側チャンファ2cが形成されている。
この場合、入口側チャンファ2cは、含軸断面形状が、継手入口側に移行するに連れて直線状に外周側に移行する直線部2caのみからなるテーパ状とされている。これに対して、内部側チャンファ2bは、含軸断面形状が、継手内部側に移行するに連れて直線状に外周側に移行する直線部2baと、この直線部2baの外周側を継手内部側に向かって中心軸と平行に延びる直線部2bbと、この両直線部2ba、2bbを滑らかに繋ぐ凹状の湾曲線部2bcとを有する部分テーパ状とされている(図1(b)参照)。なお、内部側チャンファ2bの直線部2baは、入口側チャンファ2cの直線部2caよりも中心軸を基準として勾配が大きくなっている。
一方、図1及び図2に示すように、動力伝達軸1は、軸端部1xの外周面にセレーション1a(またはスプライン)が形成されている。そして、この動力伝達軸1の軸端部1xにおける軸端寄り位置(同図の左寄り位置)には、抜け止め部材としての断面が円形の丸サークリップ3を装着する周溝1bが、セレーション1aを切除して形成されている。なお、この周溝1bの底面の含軸断面形状は、軸方向中央が窪む円弧とされると共に、この周溝1bの対向する両側面はそれぞれ軸直角面と平行な平面とされている。
また、この動力伝達軸1の軸端部1xにおける軸中央寄り位置(同図の右寄り位置)には、既述の内輪2の入口側チャンファ2cと同一の方向性及び同一の含軸断面形状を有する肩部1cが形成されている。この場合、肩部1cの中心軸に対する傾斜角度は、15度以上で且つ32.5度以下に設定されている(入口側チャンファ2cについても同様)。この肩部1cは、セレーション1aの軸中央側端部から軸中央側に離隔した位置に存在すると共に、同方向に離隔して形成された大径部1dの軸端側のテーパ部として形成されている。
更に、この動力伝達軸1は材質が鋼であって、高周波熱処理または浸炭熱処理等の熱処理を施した後に、周溝1bと肩部1cとが焼入れ鋼切削により同時加工して形成されている。この場合、図3(a)に示す動力伝達軸1における鎖線Bの外周側領域(全周に亘る領域)に、熱処理による硬化層が形成され、この硬化層は、周溝1bには至っておらず、その僅か手前までの領域に形成されている。なお、図3(b){図3(a)に符号A1を付した箇所の拡大図}に示すように、動力伝達軸1の肩部1cは、点線Cで示す熱処理前の形態が、熱処理後の焼入れ鋼切削加工を行うことにより実線で示す形態となる。
そして、図1(a)に示すように、内輪2に動力伝達軸1の軸端部1xを組み付けた状態では、内輪2のセレーション2aと動力伝達軸1のセレーション1aとが嵌合することにより、両者1、2の周方向相対移動が規制されている。更に、動力伝達軸1の周溝1bに装着した丸サークリップ3に内輪2の内部側チャンファ2bが当接し、且つ動力伝達軸1に形成された肩部1cに内輪2の入口側チャンファ2cが当接することにより、両者1、2の軸方向相対移動が規制されている。
この状態の下では、動力伝達軸1の熱処理後に周溝1bと肩部1cとが焼入れ鋼切削加工されているので、既述の図8(a)に示す内輪2の内部側チャンファ2bにおける丸サークリップ3との当接基準位置2boから入口側チャンファ2cにおける肩部1cとの当接基準位置2coまでの寸法L1と、同図(b)に示す動力伝達軸1の周溝1bにおける丸サークリップ3との当接基準位置1boから肩部1cにおける入口側チャンファ2cとの当接基準位置1coまでの寸法L2とが適正に合致する。これにより、動力伝達軸1の肩部1cに、内輪2の入口側チャンファ2cが当接した状態で、図1(b)に示すように、動力伝達軸1の周溝1bに装着された丸サークリップ3に、内輪2の内部側チャンファ2bが適正に当接する。なお、丸サークリップ3には、内部側チャンファ2bの一方の直線部2baが当接するのみならず他方の直線部2bbも当接もしくは略当接した状態となる。以上の結果、内輪2の動力伝達軸1に対する軸方向のガタツキが可及的に抑制される。
図4(a)及び図4(b)はそれぞれ、本発明の第2、第3実施形態に係る動力伝達軸1を例示している。これらの動力伝達軸1は何れも、主として、DOJ(ダブルオフセット型ジョイント)、LJ(クロスグルーブ型ジョイント)またはTJ(トリポード型ジョイント)からなる等速自在継手に適用されるものである。図4(a)に示す動力伝達軸1が、上述の第1実施形態に係る動力伝達軸1と相違する点は、断面が四角形のスナップリング4を装着する周溝1bが形成され、この周溝1bの底面が平面とされ且つセレーション1aの端部の軸端側に隣接する位置に形成されている点である。また、図4(b)に示す動力伝達軸1は、同じく断面が四角形のスナップリング4を装着する周溝1bを、セレーション1aの軸方向途中に形成したものである。そして、この両者の場合、スナップリング4に当接する内輪2の部位は、内輪2に形成されたセレーション2aの内部側チャンファでなくてもよく、そのセレーション2aを除外した内輪2の軸方向端面であってもよい。なお、この第2、第3実施形態に係る動力伝達軸1におけるこれら以外の構成は、上述の第1実施形態と同一であるので、共通する構成要件については同一符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の第4実施形態に係る動力伝達軸1を例示している。この動力伝達軸1が、上述の第1実施形態に係る動力伝達軸1と相違する点は、肩部1cが中心軸に直角な平面として形成されている点である。この場合、肩部1cに当接する内輪2の部位は、内輪2に形成されたセレーション2aの入口側チャンファでなくてもよく、そのセレーション2aを除外した内輪2の軸方向端面であってもよい。そして、この第4実施形態に係る動力伝達軸1におけるこれら以外の構成は、上述の第1実施形態と同一であるので、共通する構成要件については同一符号を付してその説明を省略する。
図6(a)、図6(b)及び図6(c)はそれぞれ、本発明の第5、第6、第7実施形態に係る動力伝達軸1を例示している。これらのうち、図6(a)に示す動力伝達軸1は、主として、BJからなる等速自在継手に適用され、図6(b)、(c)に示す動力伝達軸1は何れも、主として、DOJ、LJまたはTJからなる等速自在継手に適用されるものである。図6(a)に示す動力伝達軸1が、上述の第1実施形態に係る動力伝達軸1と相違する点は、肩部の役割を果たす止め輪5が装着される第2の周溝1eが、セレーション1aの軸方向途中に形成されている点である。すなわち、止め輪5の軸端側の面5aが、内輪2の入口側の端面が当接する肩部とされている。したがって、この動力伝達軸1は、熱処理が施された後に、丸サークリップが装着される周溝1bと、肩部の配設部としての止め輪5装着用の第2の周溝1eとが、焼入れ鋼切削加工(好ましくは同時加工)されている。また、図6(b)に示す動力伝達軸1は、同じく止め輪5が装着される第2の周溝1eを形成した上で、丸サークリップを装着する周溝に代えて断面が四角形のスナップリングを装着する周溝1bを、セレーション1aの端部の軸端側に隣接する位置に形成したものであり、図6(c)に示す動力伝達軸1は、断面が四角形のスナップリングを装着する周溝1bを、セレーション1aの軸方向途中に形成したものである。そして、この第5、第6、第7実施形態に係る動力伝達軸1におけるこれら以外の構成は、上述の第1実施形態と同一であるので、共通する構成要件については同一符号を付してその説明を省略する。
なお、以上の実施形態では、動力伝達軸1についてのみ熱処理後に加工(焼入れ鋼切削加工)したものを例示したが、これに加えて、内輪2についても同様に材質が鋼であり、高周波熱処理または浸炭熱処理等の熱処理を施した後に、内部側チャンファ2b及び入口側チャンファ2cに例示されるように内輪2の動力伝達軸1に対する軸方向位置決めに必要な箇所を加工(焼入れ鋼切削加工)したものであってもよい。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る動力伝達軸と等速自在継手の内輪とを組み付けてなるシャフトアッセンブリを示す概略縦断側面図、図1(b)は、その要部を示す拡大縦断側面図である。 図2(a)は、前記シャフトアッセンブリの内輪を示す概略縦断側面図、図2(b)は、前記シャフトアッセンブリの動力伝達軸を示す概略側面図である。 図3(a)は、前記シャフトアッセンブリの動力伝達軸を示す概略側面図、図3(b)は、その要部を示す概略側面図である。 図4(a)は、本発明の第2実施形態に係る動力伝達軸を示す概略側面図、図4(b)は、本発明の第3実施形態に係る動力伝達軸を示す概略側面図である。 本発明の第4実施形態に係る動力伝達軸を示す概略側面図である。 図6(a)は、本発明の第5実施形態に係る動力伝達軸を示す概略側面図、図6(b)は、本発明の第6実施形態に係る動力伝達軸を示す概略側面図、図6(c)は、本発明の第7実施形態に係る動力伝達軸を示す概略側面図である。 図7(a)は、従来の動力伝達軸と等速自在継手の内輪とを組み付けてなるシャフトアッセンブリを示す概略縦断側面図、図7(b)は、その要部を示す拡大縦断側面図である。 図8(a)は、従来の問題点を説明するための内輪の概略縦断側面図、図8(b)は、従来の問題点を説明するための動力伝達軸の概略側面図である。
符号の説明
1 動力伝達軸
1a 歯型(セレーションまたはスプライン)
1b 周溝
1c 肩部
2 内輪
2a 歯型(セレーションまたはスプライン)
2b 内部側チャンファ
2c 入口側チャンファ
3 丸サークリップ(抜け止め部材)
4 スナップリング
5 肩部(止め輪)
B 熱処理後の硬化層

Claims (10)

  1. 軸端部の外周面が、等速自在継手の内輪の内周面に周方向移動を規制されて嵌合されると共に、前記軸端部の軸端寄り位置に、前記内輪の軸端側への軸方向移動を規制する抜け止め部材を装着する周溝が形成され、且つ、前記軸端部の軸中央寄り位置に、前記内輪の軸中央側への軸方向移動を規制する肩部が配設された動力伝達軸において、
    前記周溝と、前記肩部の配設部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることを特徴とする動力伝達軸。
  2. 前記軸端部の外周面に、前記等速自在継手の内輪の内周面に形成されたセレーション又はスプライン状の歯型に嵌合可能なセレーション又はスプライン状の歯型が形成されると共に、前記周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファが当接可能とされ、且つ、前記肩部に、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファが当接可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達軸。
  3. 前記周溝と、前記肩部の配設部とが、熱処理後の切削により同時加工されていることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達軸。
  4. 材質が鋼であり、前記熱処理が、高周波熱処理または浸炭熱処理であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の動力伝達軸。
  5. 前記熱処理後の加工が、焼入れ鋼切削加工であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の動力伝達軸。
  6. 前記抜け止め部材が、丸サークリップであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の動力伝達軸。
  7. 前記抜け止め部材が、スナップリングであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の動力伝達軸。
  8. 等速自在継手の内輪の内周面と動力伝達軸の軸端部の外周面とを周方向移動を規制して嵌合させると共に、前記動力伝達軸の軸端部の軸端寄り位置に周溝を形成して、該周溝に装着された抜け止め部材が、前記内輪の軸端側への軸方向移動を規制するように構成し、且つ、前記動力伝達軸の軸端部の軸中央寄り位置に配設した肩部が、前記内輪の軸中央側への軸方向移動を規制するように構成したシャフトアッセンブリにおいて、
    前記動力伝達軸の周溝と、肩部の配設部との少なくとも一方が、熱処理後における加工により形成されていることを特徴とするシャフトアッセンブリ。
  9. 前記等速自在継手の内輪の内周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型と、前記動力伝達軸の軸端部の外周面に形成されたセレーションまたはスプライン状の歯型とを嵌合させると共に、前記動力伝達軸の周溝に装着された抜け止め部材に、前記内輪の継手内部側に位置する内部側チャンファが当接し、且つ、前記動力伝達軸の肩部に、前記内輪の継手入口側に位置する入口側チャンファが当接していることを特徴とする請求項8に記載のシャフトアッセンブリ。
  10. ドライブシャフトアッセンブリまたはプロペラシャフトアッセンブリに使用されることを特徴とする請求項8または9に記載のシャフトアッセンブリ。
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