JP2009180257A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数が減少でき、加工も容易であって、ディスクの周方向に微小変位することを防止できるディスクブレーキ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】板バネ片16の中間部に摩擦材15を取着して、摩擦板ユニットUを構成し、2枚の摩擦板ユニットU,Uを平行対面状に配設して、背面から加圧手段にて押圧してディスク3を挾圧して制動する。
【選択図】図9

Description

本発明は、ディスクブレーキ装置に関する。
従来、本出願人は、図11に示すようなクランプ装置(制動装置)を提案している(例えば、特許文献1参照)。
即ち、従来のクランプ装置(制動装置)では、図11に示すように、円盤状ディスク40の外周縁の両面を挾圧するように、2枚の摩擦板ユニット41, 41(図11では1枚のみが図示)が、ボディ42の矩形状凹窪部43に、図11の紙面と直交方向に往復動可能として、嵌着され、油圧ピストン44にて、摩擦板ユニット41が背面から押圧されて、ディスク40の外周縁に圧接して、制動を行う構造であるが、摩擦材45と矩形プレート46とから成る上記摩擦板ユニット41が、ディスク40の周方向M,M′に移動しないように、矩形プレート46の(ラジアル方向の)辺47, 47を上記凹窪部43の(ラジアル方向の)辺43A,43Aに当接させる必要があった。
なお、図11では、ディスク40の厚みの中央面にて切断して見た正面図でありボディ42は一対のボディ半体42a,42aから成り、図11には、その内の一方のみが図示され、その一対のボディ半体42a,42aはボルト48, 48にて連結され一体構造に組立てられる。
図11に示したように、ボディ42の凹窪部43に摩擦板ユニット41を嵌込んで組立てる構造であるため、周方向(回転方向)M、又はM′の回転トルクを受ける辺43Aと辺47の間には、僅かな隙間Gを要する。つまり、隙間Gが無ければ、摩擦板ユニット41を凹窪部43に組立て不可能であり、さらに、制動ON−OFFのために、図11の紙面と直交方向に摩擦板ユニット41が進退(往復動)できなくなる。
このような僅かな隙間G分だけディスク40が回転方向(周方向)M,M′に動くという、古くからの問題があった。
そこで、上記特許文献1にて本出願人が提案した発明では、線状スプリング49を、ボディ半体42aの凹溝50, 50に嵌め込み、かつ、この線状スプリング49は自由状態下では2点鎖線49A,49Aにて示すように周方向Mに偏位し、組立てた状態にて実線の状態となるように、セットすることで、摩擦板ユニット41を常時、───周方向Mへ弾発付勢して、図11の左側の辺43Aと辺47の隙間Gを零として、───周方向Mへのガタツキ(微小回転)を防止していた。さらに、図11では図面に表されていない他方のボディ半体42aに於て、別の線状スプリングを凹溝に嵌め込んで、自由状態下で周方向M′に偏位し、組立てた状態では、図11に実線で示された線状スプリング49と同様にセットすることで、摩擦板ユニットを常時、周方向M′へ弾発付勢して、周方向M′へのガタツキ(微小回転)を防止していた。このように、一方の摩擦板ユニット41は一方向Mの回転のガタツキを防止し、他方の摩擦板ユニットは他方向M′の回転のガタツキを防止し、もって、全体として両方向M,M′へのガタツキ(微小回転)を防止する構造であった。
特許第3519692号公報
しかし、図11に示したようなクランプ装置───ディスクブレーキ装置───では、次のような問題がある。即ち、 (i) 凹溝50の加工を要しボディ42の形状が複雑化する点、
(ii) 凹窪部43の両辺43A, 43Aの機械加工が面倒であり、しかも、両辺43A, 43Aの間
隔寸法精度を高める必要がある点、(iii) 矩形プレート46の両辺47, 47の高精度の表面仕上げ加工、及び、間隔寸法精度を高める必要がある点、 (iv) 複雑な形状の線状スプリング49を要し、部品点数が多くなる点、 (v) 一方向Mの回転トルクに対しては、一対の矩形プレート46の内の一方がガタツキを阻止し、他方向M′の回転トルクに対しては他方がガタツキを阻止するので、阻止力が半分となる点、以上のような問題点があった。
そこで、本発明は、このような従来の問題点を解決して、ボディの形状及び全体の形状が簡素であり、摩擦板ユニット(摩擦材)の辺の仕上が粗くても良く、寸法精度も荒くても使用可能であって、製造し易く、さらに、ボディには高い寸法精度の凹窪部の加工が省略可能であり、全体の部品点数も減少できて、大きな制動力を(コンパクトでありながらも)発揮するディスクブレーキ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るディスクブレーキ装置は、板バネ片の中間部に摩擦材を取着した2枚の摩擦板ユニットが、ディスクの両側に平行対面状に配設され、かつ、上記板バネ片の両端を固定部材に固着し、反摩擦材側から進退自在な加圧手段にて上記摩擦板ユニットを押圧した制動状態で上記ディスクの周方向への微小変位を、上記板バネ片の張力によって抑制するように構成したものである。
また、上記ディスクは、複合旋盤の主軸に固着されていて、上記主軸が回転方向に微小変位しないように停止保持するように複合旋盤に付設されている。
本発明に係るディスクブレーキ装置によれば、部品点数が減少できて、コンパクト化と構造簡素化を図ることができ、また、機械加工箇所が減少できて、加工精度も余り必要なくなって、製造が容易となる。さらに、ディスクのいずれの方向への回転に対しても、各々、十分に大きい制動力を作用させ得る。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1〜図10は、本発明の実施の一形態を示す。1は、一対の半体1a,1aを、センターピース30を間に介装して、ボルト等の締結具2にて連結一体化されるボディである。
3は、被制動部材としての円板状のディスクであり、このディスク3は軸心(点)L3 廻りに回転自在であり、上記センターピース30及びボディ1をもって、このディスク3の外周縁が嵌込まれる凹部4が形成される。
この凹部4内へ(図1,図4,図5では下方から)嵌込まれたディスク3に対し、その外周縁の両面から押圧自在として、摩擦板ユニットU,U、及び、このユニットU,Uを背面側から押圧する加圧手段P,Pが、設けられる。即ち、ボディ1の半体1a,1aには有底円形孔が凹設され、シリンダ室6,6とされ、このシリンダ室6内にピストン5が移動可能に嵌合され、油圧や空圧がピストン5に作用すれは、ピストン5は前進し、摩擦板ユニットUを、ディスク3の外周縁の両面に押圧されて、ディスク3の回動にブレーキ(制動力)を付与する。なお、31はシール材である。
摩擦板ユニットUは細長状板バネ片16と、この板バネ片16の中央部にカシメ具等の固着具32にて取着した摩擦材15とを、具備する。
2枚の摩擦板ユニットU,Uが、ディスク3の両側に平行対面状に配設される。そして、摩擦材15がディスク3の外周縁の両面に対向状として、直接的に摺接(当接)自在として配設される。
板バネ片16の形状は、(図6と図9のように)平坦面板状であって、(図7と図10のように)中央乃至中間領域は帯板状(細長矩形)で、その両端から、先端が幅狭となると共に幅方向(上方へ)傾斜状の延伸片部16A,16Aを有する正面視形状である。この延伸片部16Aに取付用孔33が貫設され、センターピース30のバネ片取付孔34と、取付用孔33を串挿状に挿通したボルト35と、ナット36とワッシャ(スペーサリング)等にて、板バネ片16,16の両端はセンターピース30に固着される。
なお、板バネ片16,16の両端は、センターピース30等の固定部材Sに固着されれば良いのであって、(図示省略するが)ボディ1をやや大きくして、ボディ1に固着するも自由である。
図9と図10及び図1に略図で示すように、反摩擦材側(背面側)Bから、進退自在な加圧手段Pにて摩擦板ユニットUを押圧した制動状態───摩擦材15, 15がディスク3の両面を押圧したブレーキ作動状態───で、ディスク3の周方向(回転方向)M,M′への微小変位(微小回転移動)を、両端が固定部材Sにて固着された前記板バネ片16の張力T───平坦面状板バネ片16の面方向の張力T───によって抑制(阻止)する。
図2,図3,図10等からも明らかなように、矩形板状の摩擦材15は、直接的に、ボディ1には接触せず、従来例の図11に於ける辺43Aと辺47の当接が全く省略されている。従って、本発明では、摩擦材15の両辺15A,15Aの機械仕上げは省略できて、粗いものでも十分であり、かつ、両辺15A,15A間の幅寸法も、寸法精度が荒くとも良く、加工(製作)が極めて容易となる。さらに、本発明では、従来例の図11に於ける凹窪部43の加工も省略できるので、ボディ1の機械仕上げも大幅に省略される。
図9に於て、矢印Fは加圧手段P(図1参照)による反摩擦材側(背面側)Bからの押圧力を示し、これによって摩擦材15,15はディスク3の外周縁両面を強く押圧して、制動状態(図1参照)となる。加圧手段Pを切換えて、矢印F方向の押圧力を零とすると、板バネ片16の弾発付勢力(復元力)F′によって、ディスク3の外周縁両面とは微小間隙が形成され、ディスク3が自由回転可能な非制動状態に復元する。このように板バネ片16は、その平面と直交方向へは変位するが、その平面内では変位しないので、矢印M,M′にて示した周方向へ、前記制動状態で、確実に周方向のガタツキなく(周方向微小変位なく)ディスク3の微小な回転を防止できる。
本発明に係るこのようなディスクブレーキ装置の好適な用途について説明すると、複合旋盤の主軸の停止後に、停止保持を目的に使用できる。即ち、ディスク3を、複合旋盤の主軸に一体状に固着し、ボディ1を固着したセンターピース30は、その両端の貫孔10, 10にボルト等を挿通して、旋盤ベッド等の固定部11に固着し(図4参照)、複合旋盤の主軸が回転方向に微小変位しないように停止保持させることが可能となる。さらに具体的に説明すると、上記主軸を回転させてワークを通常の旋盤による切削加工を行った後に、主軸を停止し、ワークをそのままで、引続き、フライスカッター等を接近させて、別加工をする際、本発明に係るディスクブレーキ装置によって、主軸が回転方向にふらふらする(微小回転する)ことがないので、別加工時のワーク加工精度が著しく向上できることとなる。このように複合旋盤の主軸の回転方向の位置保持に有効な働きを期待できる。
なお、図1に於て、8は作動流体供給孔であり、図示省略の流体圧発生源と配管と切換弁類と接続され、流路12, 13, 14等によって、一対のシリンダ室6,6へ同時に作動流体(油やエア)が供給され、ピストン5,5が、板バネ片16,16の背面から押圧して、摩擦材15, 15をディスク3へ強く押圧して、制動状態に切換自在である。なお、図示省略したが、流体圧を利用した(図示の)加圧手段Pに限らず、電磁作動の加圧手段Pに変更するも自由である。
なお、図8と図4に示すように、センターピース30は緩い凹曲線状の円弧面18を有し、ディスク3の外周面と微小間隔を形成しつつ対向配置される(干渉を避けている)。また、バネ取付孔34, 34の間隔寸法よりも小さな間隔寸法にて、2個の孔19, 19が貫設されており、この孔19, 19に締結具2,2を挿通して、半体1a,1aとセンターピース30とを、一体状に締結できる。なお、摩擦板ユニットUに於て、摩擦材15と板バネ片16とを接着剤やその他の手段にて固着しても自由であり、図示の固着具32と併用するも自由である。
上述のように、本願発明は、板バネ片16の中間部に摩擦材15を取着した2枚の摩擦板ユニットU,Uが、ディスク3の両側に平行対面状に配設され、かつ、上記板バネ片16の両端を固定部材Sに固着し、反摩擦材側Bから進退自在な加圧手段Pにて上記摩擦板ユニットU,Uを押圧した制動状態で上記ディスク3の周方向M,M′への微小変位を、上記板バネ片16の張力Tによって抑制するように構成したので、図9と図10に示したように、ディスク3の周方向(回転方向)M,M′の微小変位防止のための保持(制動)作用を、2枚の摩擦板ユニットU,Uが同時に行うので、従来の図11の場合に比較して、2倍の力を発揮できる。言い換えると、同一の保持力ならば、小型化を図り得ると言える。さらに、図11に示した従来例の凹溝50の加工等も不安で、構造がシンプル(簡素)であって、製造し易く、コスト低減も図り得る。特に、摩擦材15の両辺の加工を省略でき、これを受ける(図11の)凹窪部43も省略できて、切削や研削等の機械加工面が著しく少なくて済む。また、部品点数も少なくて済む。
本発明の実施の一形態を示す断面要部断面である。 要部断面平面図である。 平面図である。 正面図である。 側面図である。 摩擦板ユニットUの断面平面図である。 摩擦板ユニットUの正面図である。 センターピースの説明図である。 作用説明のための断面平面図である。 作用説明のための正面図である。 従来例を示す要部説明図である。
符号の説明
1 ボディ
3 ディスク
15 摩擦材
16 板バネ片
B 反摩擦材側(背面側)
M,M′ 周方向(回転方向)
P 加圧手段(加圧装置)
S 固定部材
T 張力
U 摩擦板ユニット

Claims (2)

  1. 板バネ片(16)の中間部に摩擦材(15)を取着した2枚の摩擦板ユニット(U)(U)が、ディスク(3)の両側に平行対面状に配設され、かつ、上記板バネ片(16)の両端を固定部材(S)に固着し、反摩擦材側(B)から進退自在な加圧手段(P)にて上記摩擦板ユニット(U)(U)を押圧した制動状態で上記ディスク(3)の周方向(M)(M′)への微小変位を、上記板バネ片(16)の張力(T)によって抑制するように構成したことを特徴とするディスクブレーキ装置。
  2. 上記ディスク(3)は、複合旋盤の主軸に固着されていて、上記主軸が回転方向に微小変位しないように停止保持するように複合旋盤に付設された請求項1記載のディスクブレーキ装置。
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