JP2002327780A - ディスクブレーキ - Google Patents
ディスクブレーキInfo
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Abstract
を防止することはもとより、摩擦パッドの移動に起因す
るクロンク音発生をも防止することを可能にする。 【解決手段】 各摩擦パッド3,4の裏板21に装着し
た板ばね30の先端部34をキャリア1に衝合させ、該
板ばね30の付勢力により各摩擦パッド3,4をディス
クロータDから離間させるキャリパ浮動型のディスクブ
レーキにおいて、前記板ばね30は、各摩擦パッド3,
4の裏板21の、ディスクロータ回入側の背面にかしめ
固定される固定部32からディスクロータDの軸方向外
向きに延ばした屈曲部33の折返し端部である先端部3
4をパッドスプリング5を介してキャリア1に衝合さ
せ、前記パッドスプリング5には、前記板ばね30の先
端の起立片36に係合する係止片37を設けて、各摩擦
パッド3,4を常時ディスクロータ回出側へ押圧してキ
ャリア1のトルク受面に当接させる。
Description
られるディスクブレーキに関する。
浮動可能に支持するキャリアに、パッドスプリングを介
して一対の摩擦パッドを摺動可能に支持させ、前記キャ
リパに内装したピストンの推進に応じて前記一対の摩擦
パッドをディスクロータに圧接させると共に、各摩擦パ
ッドの裏板の側面を前記キャリアに設けたトルク受面に
当接させて制動力を発生するようにしたものがある。と
ころで、このようなキャリパ浮動型のディスクブレーキ
においては、制動開始時に摩擦パッドがディスクロータ
回出側へ移動してキャリアのトルク受面に衝突すること
から、いわゆるクロンク音が発生し、さらには、制動後
の摩擦パッドの戻り量が不足すると、摩擦パッドの引き
ずりが生じて、いわゆるジャダが発生するようになる。
ディスクブレーキにおいては、上記ジャダの発生防止に
関しては、例えば、摩擦パッドの裏板に装着した戻しば
ねの先端部をキャリアに衝合させ(特開平5‐2402
74号公報)、あるいはパッドスプリングに設けた板ば
ね部を摩擦パッドに衝合させる(特開平10−2615
7号公報)ことにより、それぞれ摩擦パッドをディスク
ロータから離間させるなど、種々の対策を採っていた
が、上記クロンク音の発生防止に関しては対策を採って
おらず、静粛性の面でいま一つ問題を有するものとなっ
たいた。
れたもので、その課題とするところは、摩擦パッドの引
きずりに起因するジャダ発生を防止することはもとよ
り、摩擦パッドの移動に起因するクロンク音発生をも防
止することを可能にし、もって振動騒音の低減に大きく
寄与するディスクブレーキを提供することにある。
成するため、キャリパを浮動可能に支持するキャリアに
パッドスプリングを介して一対の摩擦パッドを摺動可能
に支持させ、前記キャリパに内装したピストンの推進に
応じて前記一対の摩擦パッドをディスクロータに圧接さ
せると共に、各摩擦パッドの裏板の側面を前記キャリア
に設けたトルク受面に当接させて制動力を発生するディ
スクブレーキであって、各摩擦パッドの裏板に装着した
板ばねの先端部を前記キャリアに衝合させて各摩擦パッ
ドをディスクロータから離間させるものにおいて、前記
板ばねは、各摩擦パッドの裏板の、ディスクロータ回入
側の背面を固定点として配置し、該板ばねの先端部は、
前記裏板の背面からディスクロータの軸方向外向きに延
ばして折返した屈曲部の折返し端部に設定し、前記キャ
リア側には、前記板ばねの先端に係合し、該板ばねを介
して各摩擦パッドを常時ディスクロータ回出側へ押圧す
る係止部を設けたことを特徴とする。このように構成し
たディスクブレーキにおいては、摩擦パッドの戻しばね
としての機能を有する板ばねを介して各摩擦パッドがデ
ィスクロータ回出側へ常時押圧されるので、各摩擦パッ
ドは、キャリアの、ディスクロータ回出側のトルク受面
に当接する状態を維持し、したがって、制動開始時に摩
擦パッドがディスクロータ回転方向に移動することはな
くなる。
られ該キャリアと摩擦パッドとの間に介装されるパッド
スプリングに、キャリアの外壁面に沿って延びて形成さ
れる舌片の先端に設けた構成としてもよいもので、この
場合は、鋳造品として提供されるキャリアに余分な係止
部を設ける必要がなくなる。本発明はまた、上記板ばね
を、各摩擦パッドの裏板の背面に予め設けた突起を利用
してかしめ固定すると共に、該板ばねの、前記裏板に対
する固定部を延長して、該延長端部を、各摩擦パッドの
ライニングの摩耗限界を警報する摩耗センサとして用い
る構成としてもよいもので、この場合は、別途、摩耗セ
ンサを用意する必要がなくなるばかりか、裏板に摩耗セ
ンサを固定する作業も不要となる。
図面に基づいて説明する。図1〜3は、本発明の一つの
実施の形態としてのディスクブレーキを示したものであ
る。これらの図において、1は、ディスクロータDより
車両内側に位置する車両の非回転部(ナックル等)に固
定されたキャリア、2は、キャリア1にディスクロータ
Dの軸方向へ浮動可能に支持されたキャリパ、3,4
は、ディスクロータDの両側に配置された一対の摩擦パ
ッドで、各摩擦パッド3,4は、キャリア1に一対のパ
ッドスプリング5を介してディスクロータDの軸方向に
摺動可能に吊下支持されている。
ル等に対する取付孔10を有する取付部11と、この取
付部11からディスクロータDを跨いで車両外側へ延ば
されたディスクパス部12と、各ディスクパス部12の
先端からディスクロータDの半径内方向へ延ばされた垂
下部13とを備えている。一方、キャリパ2は、ピスト
ン14を内装するシリンダ部15と、シリンダ部15か
らディスクロータDを跨いで延ばされたディスクパス部
16と、ディスクパス部16の先端からディスクロータ
Dの半径内方向へ延ばされた爪部17とを備えている。
キャリパ2は、そのシリンダ部15から左右方向へ延ば
したアーム部18に固定した2本のスライドピン19
(片側は省略)を用いて前記キャリア1のディスクパス
部12に摺動可能に支持されており、前記スライドピン
19の露出部分はブーツ20により覆われている。な
お、キャリパ2は、ここでは2個のピストン14を内装
した2ピストン型として構成されている。また、キャリ
ア1およびキャリパ2のそれぞれは、鋳鉄を用いた鋳造
品として提供されている。
の裏板21に貼着されたライニング22とからなってお
り、その裏板21の両側には、前記キャリア1の取付部
11および垂下部13の各一対の柱状部11a、13a
に対向して設けた凹部23内に嵌入可能な耳部21aが
突設されている。一方、各パッドスプリング5は、キャ
リア1の、ディスクロータ軸方向の形状に合せて門形に
形成されており、その門形を形成する両脚片は、前記キ
ャリア1の凹部23に嵌合され一対の摩擦パッド3,4
の耳部21aを受入れるコ字形のパッド案内部25と、
キャリア1の各一対の柱状部11a、13aに対向して
設けられたトルク受面24に合わされるトルク受部26
と、摩擦パッド3,4を支承するパッド受部27とを連
接した形状となっている。
部25をキャリア1の凹部23に嵌入させてキャリア1
に装着され、この状態でそのトルク受部26がキャリア
1のトルク受面24に密着する。パッドスプリング5は
また、各パッド案内部25の底板の、ディスクロータD
から遠ざかる側の外縁に一対の舌片28を設けており、
各舌片28は、パッドスプリング5をキャリア1に装着
した状態において、キャリア1の取付部11および垂下
部13の各一対の柱状部11a、13aの外壁面に沿っ
て配置され、これによりパッドスプリング5のディスク
ロータ軸方向の移動が規制される。一方、各摩擦パッド
3,4は、その裏板21の両側の耳部21aを上記パッ
ドスプリング5のパッド受部27に摺動可能に嵌入させ
ることによりキャリア1に吊下支持され、この状態で、
パッドスプリング5のパッド受部27により下側から支
承されて直立姿勢を維持するようになっている。なお、
各摩擦パッド3,4の裏板13の背面には鳴き防止用の
シム29(図2)が装着されている。
の、ディスクロータ回入側の背面には異形の板ばね30
がそれぞれ装着されている。各板ばね30は、図1によ
く示されるように、裏板21の背面に予め設けられた突
起31を利用して該背面にかしめ固定された固定部32
と、この固定部32からディスクロータDの軸方向外向
きに延ばして折返した屈曲部33と、この屈曲部33の
折返し端部であって、前記キャリア1の外壁面に延在す
るパッドスプリング5の舌片28に当接する先端部34
とを備えている。板ばね30は、その先端部34をパッ
ドスプリング5の舌片28を介してキャリア1に衝合さ
せることで、各摩擦パッド3,4にディスクロータDの
軸方向外向きの付勢力を作用させる。すなわち、前記し
た固定部32、屈曲部33および先端部34は、各摩擦
パッド3,4をディスクロータDから離間させる戻しば
ね35を構成している。
先端部34は、同じく図1によく示されるように、その
先端側がディスクロータDの軸方向外向きに折り曲げら
れて起立片36となっており、一方、前記パッドスプリ
ング5の」舌片28の先端側には、同じくディスクロー
タDの軸方向外向きに折り曲げられた係止片(係止部)
37が形成されている。板ばね30の起立片36は、舌
片28の係止片37に対してキャリア1の内側から弾発
的に合わされており、これにより各摩擦パッド3,4に
は、該板ばね30を介してディスクロータ回出側(図
1、2の左側)への押圧力が常時作用している。
4のライニング22の摩耗限界を警報する摩耗センサ4
0を兼用している。すなわち、この摩耗センサ40は、
板ばね30の固定部28からディスクロータDの半径内
方向へ延ばされた延長部41(図2)と、この延長部4
1から裏板21の下側を折曲させてライニング22の側
方に延出させたセンサ部42とを備えている。この摩耗
センサ40のセンサ部42は、ライニング22が所定量
摩耗することによりその先端がディスクロータDに接触
し、異音を発生してライニング22が摩耗限界に達した
ことを警報する。
ーキの作用を説明する。いま、運転者がブレーキ操作を
行うと、キャリパ2のシリンダ部15内にブレーキ液が
供給され、ピストン14が推進して、車両内側の摩擦パ
ッド3がディスクロータDの片側の面に押圧される。す
ると、その反動でキャリパ2がスライドピン19を介し
て摺動して、ピストン14の推進方向と反対方向へ移動
し、車両外側の摩擦パッド4がキャリパ2の爪部17に
押されてディスクDの他側の面に押圧され、その時の反
力がパッドスプリング5のトルク受部26を介してキャ
リア1のトルク受面24に伝達され、所定の制動力が発
生する。
0を介してディスクロータ回出側への押圧力が常時作用
しているので、各摩擦パッド3,4は、キャリア1の、
ディスクロータ回出側のトルク受面24にパッドスプリ
ング5を介して当接する状態を維持している。したがっ
て、制動開始時に各摩擦パッド3,4が横移動して前記
トルク受面24に衝突することはなくなり、結果として
クロンク音の発生が未然に防止される。一方、各摩擦パ
ッド3,4には、前記板ばね30に設定された戻しばね
35からディスクロータDの軸方向外向きの付勢力が作
用しているので、ブレーキ操作の解除に応じて各摩擦パ
ッド3,4がディスクロータDから円滑に離間し、この
結果、引きずりもほとんどなくなって、ジャダの発生が
著しく抑制される。また、長期的に各摩擦パッド3,4
のライニング22が所定量以上摩耗すると、前記板ばね
0に設定された摩耗センサ40が異音を発生し、摩耗限
界に達したことを確認できる。
30に、戻しばね35の機能と、クロンク音防止機能
と、摩耗センサ40の機能との3つの機能を持たせてい
るので、それぞれを別途設ける場合に比べて、部品点数
が削減するばかりか、それらを裏板21に固定する余分
な作業も不要となる。なお、上記実施の形態において
は、パッドスプリング5の舌片28の先端に係止片37
(係止部)を設けて、この係止片37に板ばね30のに
先端の起立片36を係止させるようにしたが、本発明
は、この係止部をキャリア1側、例えばその取付部11
および垂下部13の各一対の柱状部11a、13aの外
壁面に、鋳造と同時に設けるようにしてもよいものであ
る。
ゝるディスクブレーキによれば、摩擦パッドの戻しばね
として機能する板ばねに、摩擦パッドの移動に起因する
クロンク音の防止機能を持たせたので、簡単な構成でジ
ャダ発生とクロンク音発生とを防止できるようになり、
その利用価値は大なるものがある。また、板ばねの一部
を摩耗センサとして共用した場合は、より一層利用価値
が増大する。
レーキの要部構造を示す断面図である。
図である。
して示す平面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 キャリパを浮動可能に支持するキャリア
にパッドスプリングを介して一対の摩擦パッドを摺動可
能に支持させ、前記キャリパに内装したピストンの推進
に応じて前記一対の摩擦パッドをディスクロータに圧接
させると共に、各摩擦パッドの裏板の側面を前記キャリ
アに設けたトルク受面に当接させて制動力を発生するデ
ィスクブレーキであって、各摩擦パッドの裏板に装着し
た板ばねの先端部を前記キャリアに衝合させて各摩擦パ
ッドを前記ディスクロータから離間させるものにおい
て、前記板ばねは、各摩擦パッドの裏板の、ディスクロ
ータ回入側の背面を固定点として配置し、該板ばねの先
端部は、前記裏板の背面からディスクロータの軸方向外
向きに延ばして折返した屈曲部の折返し端部に設定し、
前記キャリア側には、前記板ばねの先端に係合し、該板
ばねを介して各摩擦パッドを常時ディスクロータ回出側
へ押圧する係止部を設けたことを特徴とするディスクブ
レーキ。 - 【請求項2】 前記係止部は、前記キャリアに設けられ
該キャリアと前記摩擦パッドとの間に介装されるパッド
スプリングに、キャリアの外壁面に沿って延びて形成さ
れる舌片の先端に設けたことを特徴とする請求項1に記
載のディスクブレーキ。 - 【請求項3】 板ばねを、各摩擦パッドの裏板の背面に
予め設けた突起を利用してかしめ固定すると共に、該板
ばねの、前記裏板に対する固定部を延長して、該延長端
部を、各摩擦パッドのライニングの摩耗限界を警報する
摩耗センサとして用いたことを特徴とする請求項1また
は2に記載のディスクブレーキ。
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