JPH0640479U - ディスクブレーキ用当り音抑制装置 - Google Patents
ディスクブレーキ用当り音抑制装置Info
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- JPH0640479U JPH0640479U JP8071292U JP8071292U JPH0640479U JP H0640479 U JPH0640479 U JP H0640479U JP 8071292 U JP8071292 U JP 8071292U JP 8071292 U JP8071292 U JP 8071292U JP H0640479 U JPH0640479 U JP H0640479U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 トルクプレートのパッド収容切欠内に収容さ
れたパッドのディスクロータ周方向のがたつきに起因し
て制動時に生ずる当り音を好適に抑制し得かつその当り
音抑制効果を長期間に亘って維持し得るディスクブレー
キ用当り音抑制装置を提供する。 【構成】 金属製板材を渦巻状を成す円筒状に曲成した
ものを径方向に押し潰して成る金属製ばね部材56の中
間部64を構成する複数の平行板部62を、パッド裏板
の側面に突設された突部の先端面とトルクプレートのパ
ッド収容切欠の内壁面に形成されてその突部が挿し入れ
られる切欠の底面との間に設ける。各平行板部62は、
成形時のスプリングバックにより僅かに湾曲しており且
つ制動時に突部先端面と切欠底面との間で互いに弾性的
に密着可能である。
れたパッドのディスクロータ周方向のがたつきに起因し
て制動時に生ずる当り音を好適に抑制し得かつその当り
音抑制効果を長期間に亘って維持し得るディスクブレー
キ用当り音抑制装置を提供する。 【構成】 金属製板材を渦巻状を成す円筒状に曲成した
ものを径方向に押し潰して成る金属製ばね部材56の中
間部64を構成する複数の平行板部62を、パッド裏板
の側面に突設された突部の先端面とトルクプレートのパ
ッド収容切欠の内壁面に形成されてその突部が挿し入れ
られる切欠の底面との間に設ける。各平行板部62は、
成形時のスプリングバックにより僅かに湾曲しており且
つ制動時に突部先端面と切欠底面との間で互いに弾性的
に密着可能である。
Description
【0001】
本考案はディスクブレーキに関し、特に、その制動時においてパッドがトルク プレートに突き当ったときの当り音を抑制する技術に関するものである。
【0002】
裏板を有してディスクロータに押圧されるパッドと、そのパッドをディスクロ ータの径方向において所定のがたつきを有する状態でそのディスクロータの軸心 と平行な方向の移動可能に収容するパッド収容切欠が形成されたトルクプレート とを備え、そのパッドに生じた制動トルクをその裏板のディスクロータの周方向 と対向する側面からそのパッド収容切欠のその側面と対向する内壁面に伝達する 形式のディスクブレーキが従来より提供されている。
【0003】 かかるディスクブレーキにおいては、車両走行中の制動時等においてパッド裏 板の側面がパッド収容切欠の内壁面に突き当ったときに生ずる当り音を抑制する ために、パッド裏板の一方の側面とパッド収容切欠の一方の内壁面との間に一対 の対向部を有するU字状板ばねを設けて、そのU字状板ばねの一対の対向部が互 いに離隔する方向の弾性復帰力に従ってパッドをパッド収容切欠の他方の内壁面 側へ付勢することが行われている。
【0004】
ところで、上記U字状板ばねにより当り音を一層好適に抑制するためには、ば ね力が大きなU字状板ばねを用いることが望まれるが、U字状板ばねのばね力を 大きくするとパッドのディスクロータ軸心と平行な方向の摺動抵抗が増大するた め、U字状板ばねのばね力をそれ程大きくすることはできない。したがって、比 較的高速での車両走行中における急制動時のように高速回転するディスクロータ にパッドが強い押圧力で急激に押し付けられたような場合には、ばね力の小さい U字状板ばねの一対の対向部が互いに瞬時に密着させられてその両対向部を介し てパッド裏板の側面がパッド収容切欠の内壁面に速い速度で突き当てられること により、上記当り音を好適に抑制できない場合があった。
【0005】 これに対し、上記U字状板ばねの一対の対向部のうちの一方とパッド収容切欠 の前記一方の内壁面との間にゴム等の弾性体を設けることが考えられている。し かし、この場合には、繰り返し制動が行われるうちに弾性体が損傷、永久変形、 あるいは熱劣化させられるおそれがあることから、当り音の抑制効果を長期間に 亘って好適に維持し難いという欠点があった。
【0006】 本考案は以上の事情を背景にして為されたものであって、その目的とするとこ ろは、トルクプレートのパッド収容切欠内に収容されたパッドのディスクロータ 周方向のがたつきに起因して制動時に生ずる当り音を好適に抑制し得かつその当 り音抑制効果を長期間に亘って維持し得るディスクブレーキ用当り音抑制装置を 提供することにある。
【0007】
上記目的を達成するための本考案の要旨とするところは、裏板を有してディス クロータに押圧されるパッドと、そのパッドをそのディスクロータの径方向にお いて所定のがたつきを有する状態でそのディスクロータの軸心と平行な方向の移 動可能に収容するパッド収容切欠が形成されたトルクプレートとを備え、前記パ ッドに生じた制動トルクを前記裏板の前記ディスクロータの周方向と対向する側 面から前記パッド収容切欠のその側面と対向する内壁面に伝達する形式のディス クブレーキにおいて、前記裏板の側面と前記パッド収容切欠の内壁面との間に設 けられ、制動時にその裏板の側面がそのパッド収容切欠の内壁面に突き当ること により生ずる当り音を抑制する当り音抑制装置であって、金属製円筒状部材を径 方向に押し潰すことにより成形された、互いに所定間隙を隔て且つ制動時には前 記裏板の側面と前記パッド収容切欠の内壁面との間で互いに弾性的に密着可能な 複数の平行板部を、有することにある。
【0008】
かかる構成のディスクブレーキによれば、金属製円筒状部材を径方向に押し潰 すことにより成形されて互いに所定間隙を隔てた複数の平行板部を有する当り音 抑制装置のそれら複数の平行板部が、パッドの裏板のディスクロータ周方向と対 向する側面とパッド収容切欠のその側面と対向する内壁面との間に介挿される。 それら複数の平行板部は、成形時のスプリングバックによりそれぞれ僅かに湾曲 した形状を有しており且つ制動時にはパッドの裏板の側面とパッド収容切欠の内 壁面との間で互いに弾性的に密着可能とされているので、比較的高速での車両走 行中における急制動時のように高速回転するディスクロータにパッドが強い押圧 力で急激に押し付けられたような場合などにおいては、それら湾曲した形状の複 数の平行板部がそれぞれ平板状に弾性変形させられつつ互いに密着させられてそ れら平行板部を介してパッドの裏板の側面がパッド収容切欠の内壁面に突き当て られることとなる。したがって、金属製平板材から曲成され且つばね力が比較的 小さい従来のU字状板ばねのように湾曲していない平板状の一対の対向部が互い に瞬時に密着させられる場合に比べて、湾曲した形状の各平行板部が弾性変形さ せられつつ互いに密着させられるのに要する時間を好適に長く確保し得てパッド の裏板の側面がパッド収容切欠の内壁面に突き当るときの速度を好適に遅くし得 るため、パッドの裏板の側面がパッド収容切欠の内壁面に突き当るときの当り音 を好適に抑制し得る。この場合において、かかる当り音抑制効果は金属製円筒状 部材から成形された当り音抑制装置にて得られるため、ゴム等の弾性体を用いる 場合に比べて当り音抑制効果を長期間に亘って好適に維持し得る。
【0009】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】 図1および図2は本考案の一例である当り音抑制装置を備えたディスクブレー キの要部を示す図である。それらの図において、10はディスクロータ、12は キャリパ、14はトルクプレートである。キャリパ12は、シリンダ部16と、 そのシリンダ部16から一体に延び出してディスクロータ10を間にしてシリン ダ部16と対向する爪部18とを備えており、シリンダ部16内にはピストン2 0が爪部18側への突出し可能に嵌合されている。トルクプレート14は、図示 しない非回転部材にボルト22等により固定された略U字状の固定部24と、デ ィスクロータ10を間にして固定部24と対向する略U字状の対向部26と、そ れら固定部24および対向部26の相対向する両端部を互いに連結し且つディス クロータ10の外周側に位置する連結部28とを一体に備えて構成されていると ともに、U字状の固定部24および対向部26の内側がパッド収容切欠29,3 1とされており、固定部24に突設された一対のスライドピン30,30により キャリパ12をディスクロータ10の軸心と平行な方向の移動可能に支持してい る。
【0011】 上記ピストン20と爪部18との間には、一対のパッド32,34がディスク ロータ10を挟んだ状態で配設されており、これらパッド32,34は、トルク プレート14のパッド収容切欠29,31にディスクロータ10の軸心と平行な 方向の移動可能にそれぞれ収容されている。パッド32,34は、略矩形状を成 す金属製の裏板36と、その裏板36のディスクロータ10側に位置する面に固 着された摩擦材38とを備えてそれぞれ構成されており、パッド32,34の裏 板36のディスクロータ10周方向と対向する一対の側面40,42のディスク ロータ10径方向における中間部には、互いに離隔する方向へ突き出す突部44 ,46(図2においてパッド32側のみ図示)がそれぞれ突設されている。一方 、トルクプレート14のパッド収容切欠29,31のディスクロータ10周方向 において相対向する一対の内壁面48,50には、互いに離隔する方向へ延びる 切欠52,54(図2においてパッド収容切欠29側のみ図示)がそれぞれ形成 されている。パッド収容切欠29,31の各切欠52,54内には、パッド32 ,34の裏板36の突部40,42がそれぞれ挿し入れられており、それらパッ ド収容切欠29,31の切欠52,54とパッド32,34の裏板36の突部4 0,42との間には、金属製ばね部材56(図2においてパッド収容切欠29側 のみ図示)がそれぞれ介挿されている。
【0012】 上記金属製ばね部材56は、本考案の当り音抑制装置を構成するものであって 、たとえば、ステンレス鋼製の長手状板材を渦巻状を成す円筒状に曲成したもの を更にプレスにて径方向において押し潰すことにより、図3に示すように、互い に所定間隔隔てて対向し且つ複数の板部をそれぞれ有する一対の対向部58,6 0と、それら対向部58,60の各一端部間に位置し且つ互いに所定間隙を隔て て略平行を成す6つの平行板部62を有する中間部64とを備えて全体としてU 字状に成形されている。中間部64の上記U字の最も内側に位置する平行板部6 2の幅方向両側部には対向部58,60と反対側へ突き出す係合爪66,68( 図2においては図示を省略)がそれぞれ突設されている。なお、図2においては 、金属製ばね部材56は、係合爪66,68を削除した状態で且つ概略的に描か れている。また、図3において、平行板部62は、図示はしないが、成形時のス プリングバックにより図3において左右方向へ僅かに湾曲した形状を有している 。
【0013】 このように構成された金属製ばね部材56は、たとえば、中間部64がパッド 収容切欠29,31の切欠52,54のディスクロータ10周方向と対向する底 面70と当接し且つ対向部58,60がそれら切欠52,54のディスクロータ 10径方向と対向する両側面とそれぞれ当接する状態でパッド収容切欠29,3 1の切欠52,54内に嵌め入れられるとともに、係合爪66,68においてト ルクプレート14の固定部24や対向部26の一部を挟むことにより切欠52, 54からの脱落が防止される。そして、パッド収容切欠29,31の切欠52, 54内に取り着けられたU字状の金属製ばね部材56の内側にパッド32,34 の裏板36の突部44,46が嵌め入れられる。これにより、金属製ばね部材5 6の中間部64がパッド収容切欠29,31の切欠52,54の底面70とパッ ド32,34の突部44,46の先端面72との間にたとえば僅かに予圧された 状態で介挿されるとともに、金属製ばね部材56の対向部58,60がパッド収 容切欠29,31の切欠52,54の上記両側面と突部44,46のディスクロ ータ10径方向と対向する両側面との間にたとえば僅かに予圧された状態で介挿 される。
【0014】 以上のように構成されたディスクブレーキにおいては、油圧によりピストン2 0が押し出されると、一方のパッド32がその突部44,46が金属製ばね部材 56と摺動しつつディスクロータ10の一面に押し付けられるとともに、その反 力でキャリパ12がピストン20の突出し方向と反対の方向へ移動させられるこ とにより爪部18により他方のパッド34がその突部44,46が金属製ばね部 材56と摺動しつつディスクロータ10の他面に押し付けられることにより、デ ィスクロータ10が挟圧されてその回転が抑制される。このとき、ディスクロー タ10の回転方向が図2において右回りであるときには、パッド32,34に生 じた制動トルクは、それらの裏板36の一方の突部46の先端面72から金属製 ばね部材56を介してパッド収容切欠29,31の一方の切欠54の底面70に 伝達されてトルクプレート14にて受けられるようになっているとともに、ディ スクロータ10の回転方向が図2において左回りであるときには、パッド32, 34に生じた制動トルクは、それらの裏板36の他方の突部44の先端面72か ら金属製ばね部材56を介してパッド収容切欠29,31の他方の切欠52の底 面70に伝達されてトルクプレート14にて受けられるようになっている。この 制動時において、上記制動トルクが比較的大きい場合には、金属製ばね部材56 の中間部64を構成する複数の平行板部62は上記スプリングバックによる湾曲 がなくなって平板状となるまでそれぞれ弾性変形させられて互いに弾性的に密着 させられるようになっている。なお、油圧が解除されると、パッド32,34は 金属製ばね部材56の弾性復帰力に従ってディスクロータ10の周方向に戻され るようになっており、上記弾性的に密着させられるという意味は、油圧が解除さ れたときに各平行板部62が弾性復帰し得る状態で互いに密着させられるという ことを表している。本実施例においては、上記裏板36の突部44,46の先端 面72がクレームにおける側面に相当するとともに、上記パッド収容切欠29, 31の切欠52,54の底面70がクレームにおける内壁面に相当する。
【0015】 このように本実施例によれば、ステンレス製の長手状板材を渦巻状を成す円筒 状に曲成したものを径方向に押し潰すことにより成形された金属製ばね部材56 の、互いに所定間隙を隔て且つ成形時のスプリングバックにより僅かに湾曲した 形状を有する複数の平行板部62を備えた中間部64が、パッド32,34の裏 板36の突部44,46の先端面72とパッド収容切欠29,31の内壁面48 ,50の切欠52,54の底面70との間に介挿されており、比較的高速での車 両走行中における急制動時のように高速回転するディスクロータ10にパッド3 2,34が強い押圧力で急激に押し付けられたような場合などにおいては、湾曲 した形状の複数の平行板部62がそれぞれ平板状に弾性変形させられつつ互いに 弾性的に密着させられてそれら平行板部62を介してパッド32,34の裏板3 6の突部44,46の先端面72がパッド収容切欠29,31の内壁面48,5 0の切欠52,54の底面70に突き当てられるようになっている。したがって 金属製平板材から曲成され且つばね力が比較的小さい従来のU字状板ばねをパッ ド32,34の突部44,46の先端面72とパッド収容切欠29,31の内壁 面48,50の切欠52,54の底面70との間に設ける場合のようにそのU字 状板ばねの湾曲していない平板状の一対の対向部が互いに瞬時に密着させられる 場合に比べて、湾曲した形状の各平行板部62が弾性変形させられつつ互いに密 着させられるのに要する時間を好適に長く確保することができてパッド32,3 4の突部44,46の先端面72がパッド収容切欠29,31の内壁面48,5 0の切欠52,54の底面70に突き当るときの速度を好適に遅くすることがで きるため、その先端面72が底面70に突き当たるときの当り音を好適に抑制す ることができる。
【0016】 また、本実施例によれば、上記のような当り音抑制効果が金属製ばね部材56 にて得られるため、ゴム等の弾性体を用いる場合に比べて当り音抑制効果を長期 間に亘って好適に維持することができる。
【0017】 また、本実施例によれば、金属製ばね部材56のスプリングバックによる湾曲 した形状の各平行板部62が平板状に弾性変形させられつつ互いに密着すること に基づいて当り音が抑制されるので、当り音を抑制するために金属製ばね部材5 6にて予めパッド32,34をディスクロータ10周方向へ付勢する必要が殆ど なく、これにより、U字状板ばねを用いる従来の場合に比べて、パッド32,3 4のディスクロータ10軸心と平行な方向の摺動抵抗を好適に低減できる利点が ある。
【0018】 また、上記平行板部62の数は多い程当り音抑制効果は一層好適に得られるの であるが、本実施例によれば、金属製ばね部材56は金属製板材を渦巻状を成す 円筒状に曲成したものを径方向に押し潰すだけで比較的多く(6つ)の平行板部 62が形成されるため、好適な当り音抑制効果が得られる当り音抑制装置を比較 的容易かつ迅速に成形し得る利点がある。
【0019】 また、本実施例によれば、金属製ばね部材56はステンレス鋼板にて構成され ているので、パッド32,34の裏板36の突部44,46とトルクプレート1 4の切欠52,54の内面との錆付きを防止する効果が充分に得られる。
【0020】 また、本実施例によれば、金属製ばね部材56の一対の対向部58,60は切 欠52,54のディスクロータ10径方向と対向する両側面と突部44,46の ディスクロータ10径方向と対向する両側面との間に予圧状態で設けられている ので、それら対向部58,60によりパッド32,34のディスクロータ10径 方向におけるがたつきを好適に防止することができることから、パッド32,3 4のディスクロータ10径方向のがたつきを防止するためのアンチラトルスプリ ングを別個に設ける必要がない利点がある。
【0021】 次に、本考案の他の実施例を説明する。
【0022】 図4に示す当り音抑制装置は、比較的小径の金属製円筒状部材をそれより大径 の金属製円筒状部材の内側に嵌め入れた状態で両円筒状部材を共に径方向に押し 潰してU字状に成形することにより、そのU字の中間部に互いに所定間隙を隔て た4つの平行板部74を有して構成されており、それら平行板部74のうちの最 も内側に位置するものの幅方向両側部に前述の実施例の係合爪66,68と同様 の係合爪76(一方のみ図示)がそれぞれ突設されている。この場合においても 、各平行板部74は成形時のスプリングバックにより僅かに湾曲しているため、 前述の実施例の金属製ばね部材56と略同様の効果を得ることができる。
【0023】 また、図5に示す当り音抑制装置は、比較的大径の金属製円筒部材を径方向に おいて押し潰してU字状に成形したものの内側に比較的小径の金属製円筒部材を 径方向に押し潰してU字状に成形したものを嵌め入れて互いに組み合わせること により、それらのU字の中間部に4つの平行板部78を有して構成されており、 それら平行板部78のうちの最も内側に位置するものの幅方向両側部に前述の実 施例の係合爪66,68と同様の係合爪80(一方のみ図示)がそれぞれ突設さ れている。この場合においても、各平行板部78は成形時のスプリングバックに より僅かに湾曲しているため、前述の実施例の金属製ばね部材56と略同様の効 果を得ることができる。
【0024】 以上、本考案の一実施例を図面に基づいて説明したが、本考案はその他の態様 においても適用される。
【0025】 たとえば、前記実施例では、金属製ばね部材56は一対の対向部58,60を 有してU字状に構成されているが、かかる対向部58,60は設けられていなく てもよい。
【0026】 また、前記実施例では、当り音抑制装置は6つの平行板部62を有して構成さ れているが、平行板部は少なくとも一対設けられておれば本考案の一応の効果を 得ることができる。
【0027】 また、前記実施例では、金属製ばね部材56の6つの平行板部62のうちの最 も内側に位置するものの幅方向両側部に係合爪66,68が設けられているが、 必ずしもその必要はなく、たとえば、それら平行板部62のうちの最も外側に位 置するものの幅方向両側部に係合爪を設けてもよいし、あるいは、そのような係 合爪を対向部58,60にも設けてもよい。
【0028】 また、前記実施例では、パッド32,34の裏板36の側面40,42に突設 された突部44,46とパッド収容切欠29,31の内壁面48,50の切欠5 2,54との間に当り音抑制装置としての金属製ばね部材56が設けられている が、パッド32,34に生じた制動トルクが裏板36の側面40,42からパッ ド収容切欠29,31の内壁面48,50に伝達されるように構成されている場 合においては、複数の平行板部を有する所定の当り音抑制装置がそれら側面40 ,42と内壁面48,50との間に設けられることとなる。
【0029】 また、前記実施例では、金属製ばね部材56はパッド32,34の裏板36の 側面40,42の両側に共に設けられているが、車両前進走行時におけるパッド 32,34の制動トルクをトルクプレート14へ伝達する側の一方の側面側にの み設けられてもよい。
【0030】 また、前記実施例では、金属製ばね部材56はステンレス鋼板にて構成されて いるが、必ずしもその必要はなく、たとえば、通常のばね鋼板や制振鋼板などに て構成することも可能である。
【0031】 また、前記実施例において、金属製ばね部材56の各平行板部62間や対向部 58,60を構成する各板部間にグリスを介在させるようにしてもよい。
【0032】 また、前記実施例では、両パッド32,34の制動トルクが共にトルクプレー ト14にて直接的に受けられる形式のディスクブレーキに本考案の当り音抑制装 置が適用されてパッド32,34の両側に共に設けられているが、パッド32に 相当するインナパッドの制動トルクはトルクプレートにて直接的に受け且つパッ ド34に相当するアウタパッドの制動トルクはキャリパ等を介してトルクプレー トにて間接的に受ける形式のディスクブレーキにおいてはインナパッド側にのみ 本考案の当り音抑制装置が設けられることとなる。
【0033】 その他、本考案はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得る ものである。
【図1】本考案の一例である当り音抑制装置が適用され
たディスクブレーキの要部を示す断面図である。
たディスクブレーキの要部を示す断面図である。
【図2】図1におけるII−II視断面図であって、当
り音抑制装置としての金属製ばね部材を概略的に示す図
である。
り音抑制装置としての金属製ばね部材を概略的に示す図
である。
【図3】図3の金属製ばね部材を拡大して詳細に示す斜
視図である。
視図である。
【図4】本考案の当り音抑制装置の他の例を示す側面図
であって、断面にして示す図である。
であって、断面にして示す図である。
【図5】本考案の当り音抑制装置の更に他の例を示す側
面図であって、断面にして示す図である。
面図であって、断面にして示す図である。
10:ディスクロータ 14:トルクプレート 29,31:パッド収容切欠 32,34:パッド 36:裏板 56:金属製ばね部材(当り音抑制装置) 62,74,78:平行板部 70:底面(内壁面) 72:先端面(側面)
Claims (1)
- 【請求項1】 裏板を有してディスクロータに押圧され
るパッドと、該パッドを該ディスクロータの径方向にお
いて所定のがたつきを有する状態で該ディスクロータの
軸心と平行な方向の移動可能に収容するパッド収容切欠
が形成されたトルクプレートとを備え、前記パッドに生
じた制動トルクを前記裏板の前記ディスクロータの周方
向と対向する側面から前記パッド収容切欠の該側面と対
向する内壁面に伝達する形式のディスクブレーキにおい
て、前記裏板の側面と前記パッド収容切欠の内壁面との
間に設けられ、制動時に該裏板の側面が該パッド収容切
欠の内壁面に突き当ることにより生ずる当り音を抑制す
る当り音抑制装置であって、 金属製円筒状部材を径方向に押し潰すことにより成形さ
れた、互いに所定間隙を隔て且つ制動時には前記裏板の
側面と前記パッド収容切欠の内壁面との間で互いに弾性
的に密着可能な複数の平行板部を、有することを特徴と
するディスクブレーキ用当り音抑制装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992080712U JP2573321Y2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | ディスクブレーキ用当り音抑制装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992080712U JP2573321Y2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | ディスクブレーキ用当り音抑制装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0640479U true JPH0640479U (ja) | 1994-05-31 |
JP2573321Y2 JP2573321Y2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=13725957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992080712U Expired - Lifetime JP2573321Y2 (ja) | 1992-10-28 | 1992-10-28 | ディスクブレーキ用当り音抑制装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2573321Y2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006177443A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-07-06 | Toyota Motor Corp | ディスクブレーキ装置 |
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