JP2009176853A - 電磁波シールド用積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、可撓性、電磁波シールド特性を有し、フレキシブル配線基板に一体として適用可能な電磁波シールド用積層体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁樹脂層(A)、厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)及び液晶ポリマー層(C)が順次形成されてなる積層構造を有する電磁波シールド用積層体。この電磁波シールド用積層体の製造方法は、支持基材上に剥離層を介して厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)が設けられた支持基材付き極薄導体の極薄導体層上に樹脂溶液を塗工、熱処理し、極薄導体層上に絶縁樹脂層(A)を形成する工程、次いで、前記支持基材を剥離する工程、支持基材の剥離によって露出された極薄導体の表面に液晶ポリマー層(C)を設ける工程を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、配線回路基板に用いられる電磁波シールド用積層体に関するものである。
近年、電子機器の高機能化及びそれに用いる電子回路の高周波数化に伴い、回路から発生する電磁波が人体や他の電子機器へ悪影響を及ぼすとして問題視されてきている。この電磁波対策として注目されているものとして電磁波シールド材があり、例えば、補強フィルム上にベースフィルム/金属薄膜/導電性接着剤/離型フィルムが積層された構造のものが知られており、特許文献1には、カバーフィルムの片面に金属薄膜層と導電性接着剤層とが順次設けられたシールドフレキシブルプリント補強シールドフィルムが示されている。また、プラスチック支持体に樹脂層を介して特定の開口率とした導電性金属箔を積層した電磁波シールド材が特許文献2で知られている。その他、電磁波シールド材用途として用いられるものではないが、液晶ポリマーと極薄導体からなる回路基板用の積層体が特許文献3で知られている。
電磁波シールド材を配線回路基板に適用する場合、通常、配線回路基板の回路形成面側に、カバーレイフィルムを熱圧着し、更にその上から電磁波シールド材を熱圧着している。これまでこのような場合、配線回路基板の回路形成面上に、カバーレイフィルムを形成する工程と、電磁波シールド材の積層とが別々に行われていることから、より簡便にカバーレイの機能と電磁波シールドの機能とを有する層を形成することが出来れば生産効率に大きく寄与するものであることから、このような材料で特に薄く、可撓性に優れた電磁波シールド材が求められていた。
一方、配線回路基板とカバーレイフィルムの接着には通常エポキシ樹脂が多く使用されている。ところが、汎用的に使用されるエポキシ樹脂は安価で接着性に優れる一方、繰返し折り曲げ使用されるフレキシブル配線基板の用途では、耐折性が十分でないことが懸念されており、このような恐れのない接着材層を有した電磁波シールド材が求められている。
特開2000−269632号公報 特開2005−175217号公報 特開2007−129208号公報
本発明は、配線回路基板に電磁波シールド材を適用する場合、カバーレイフィルム、電磁波シールド材をそれぞれ準備し、個別に適用する必要がなく、電磁波シールド機能と通常のカバーレイフィルムの機能を有し、特に、フレキシブル配線基板に一体のまま適用可能な耐熱性、可撓性及び電磁波シールド性に優れた電磁波シールド用積層体とその簡便な製造方法を提供することを目的とする。
上記課題につき鋭意検討した結果、本発明者等は、特定の材料を選定し、その層構成を工夫することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、絶縁樹脂層(A)、厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)及び液晶ポリマー層(C)が順次形成されてなる積層構造を有することを特徴とする電磁波シールド用積層体である。
ここで、1)上記磁波シールド用積層体において、極薄導体層(B)が、支持基材上に剥離層を介して厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)が設けられた支持基材付き極薄導体層(B)に由来するものであること、2)液晶ポリマー層(C)が、融点が250〜350℃、厚み15〜50μmの範囲にあること、3)絶縁樹脂層(A)が、引張弾性率3〜10GPa、厚み5〜25μmの範囲のポリイミド樹脂であることは本発明の好ましい態様の1つとなる。
また、本発明は、支持基材上に剥離層を介して厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)が設けられた支持基材付き極薄導体の極薄導体上に樹脂溶液を塗工、熱処理し、支持基材付き極薄導体の極薄導体上に絶縁樹脂層(B)を形成する工程、次いで、前記支持基材を剥離する工程、支持基材の剥離によって露出された極薄導体の表面に液晶ポリマー層(C)を設ける工程を有することを特徴とする絶縁樹脂層(A)、厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)及び液晶ポリマー層(C)が順次形成された電磁波シールド用積層体の製造方法である。
本発明によれば、電磁波シールド機能と加熱圧着可能な樹脂層(液晶ポリマー層)を有した電磁波シールド用積層体を比較的簡便な方法で提供することができる。本発明の電磁波シールド用積層体は耐熱性、可撓性にも優れ、特に、フレキシブル配線基板にカバーレイフィルムとして適用することで、電磁波シールド層を1度の処理により同時に形成可能であるためその工業的利用価値の高いものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の電磁波シールド用積層体(積層体と略称することがある)は、絶縁樹脂層(A)、極薄導体層(B)及び液晶ポリマー層(C)が順次形成されてなる積層構造を有する。電磁波シールド用積層体は、この基本積層構造を有せば、絶縁樹脂層(A)や液晶ポリマー層(C)の片側又は両側に他の層を有してもよく、他の層は1層のみからなるものであっても、複数層からなるものであってもよい。通常、他の層には保護フィルムなどが任意に設けられる。
絶縁樹脂層(A)は、特に限定されるものではないが、フレキシブル配線基板に適用されるため耐熱性が高く、可撓性を有しているものが好ましい。絶縁樹脂層(A)に使用される樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、液晶ポリマーなどが例示されるが、耐熱性、可撓性、その他機械的特性など種々の特性を考慮するとポリイミド樹脂が好ましい。絶縁樹脂層(A)の厚みは、10〜100μmの範囲が適している。中でも、引張弾性率が3〜10GPaの範囲にあり、厚みが5〜25μmの範囲のポリイミド樹脂が好ましいものとして挙げられる。絶縁樹脂層(A)は、絶縁の目的の他に、積層体が使用された場合、外層となって主に内部の極薄導体層(B)を保護する機能を有する。そのため、可撓性、機械的強度に優れる樹脂が適する。
極薄導体層(B)は、厚さ1〜5μmの範囲にある金属箔からなる層が適する。好ましくは、支持基材上に剥離層を介して極薄導体層(B)が設けられた支持基材付き極薄導体から剥離されたものであることが好ましい。支持基材付き極薄導体の支持基材は、例えば、銅、ステンレス、鉄、アルミニウム等の金属、それらの金属を主成分とする合金、エンジニアリングプラスチックス等の耐熱性樹脂を挙げることができる。これらの材料の中でも、ハンドリング性に優れ且つ安価であるという観点から、銅又は銅を主成分とする合金が好ましい。また、このような支持基材の厚さとしては、厚みが5〜100μmの範囲であることが好ましく、12〜50μmの範囲であることがより好ましく、12〜30μmの範囲が特に好ましい。前記支持基材の厚みが前記下限未満では、積層体の製造における搬送性が安定しない傾向にあり、他方、前記上限を超えると、後工程において剥離される支持基材の量が増加し、しかもこのような支持基材は再利用の適用が困難であるため、経済的に不利益となる傾向にある。
極薄導体層(B)の材質は、電磁波シールド機能を発現させるため導体層であれば支持基材と同様の材料を用いることができ、導電性と経済性を考慮し、銅が好ましく使用される。極薄導体の厚さとしては、1〜5μmの範囲であるが、好ましくは1〜3μmの範囲である。極薄銅箔の厚みが前記下限未満では、ピンホールが発生し易くなること、取り扱い性が劣ることや電磁波シールド性能が不十分といった問題があり、他方、前記上限を超えると繰り返し折り曲げ使用されるフレキシブル配線基板用途において要求される可撓性が不十分となってしまう。支持基材付き極薄導体における剥離層は、極薄導体と支持基材との剥離を容易にする目的(又は弱接着性を与える目的)で設けられるものである。このような剥離層の厚さとしては可及的に薄いことがよく、0.5μm以下であることが好ましく、50〜100nmの範囲であることがより好ましい。このような剥離層の材料としては、極薄導体と支持基材との剥離を安定して容易にするものであればよく、特に限定はされないが、銅、クロム、ニッケル、コバルト等の金属又はこれらの金属の元素を含む化合物を挙げることができる。また、このような剥離層の材料として、有機系材料も使用でき、必要に応じて弱粘接着剤を使用することができる。
本発明の電磁波シールド用積層体を得るにあたっては、上記支持基材付き極薄導体の極薄導体(B)が用いることが生産性の点から有利である。その製造方法の詳細は、後述するが、支持基材付き極薄導体の極薄導体側にポリイミドなどの絶縁樹脂を形成し、その後、支持基材を剥離除去して、絶縁樹脂層(A)/極薄導体層(B)の構造とし、この極薄導体層側に液晶ポリマー層(C)を設けることにより、絶縁樹脂層(A)、極薄導体層(B)及び液晶ポリマー層(C)が順次形成されてなる積層構造を有する電磁波シールド用積層体とすることができる。
液晶ポリマー層(C)は、熱可塑性樹脂である液晶ポリマーが使用される。そして、加工性の観点から、液晶ポリマーの融点は250〜350℃の範囲にあることが好ましい。液晶ポリマー層(C)は、積層体を配線回路基板に適用する際の接着剤層として機能する他、積層体の耐折り曲げ性等の機械的性質を高める目的を有する。このような液晶ポリマーとしては、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドからなる液晶ポリマーがある。また、液晶ポリマーフィルムとして市販されているものを使用することができ、例えば、(株)クラレより提供されるフィルム(商品名:ベクスター)が好ましい液晶ポリマーフィルムとして挙げられる。
液晶ポリマー層(C)は、光学的異方性の溶融相を形成する液晶ポリマーからなるものである。光学的異方性の溶融相を形成する液晶ポリマーは、サーモトロピック液晶高分子とも呼ばれている。光学的に異方性を形成する溶融相を形成する高分子は、当業者にはよく知られているように加熱装置を備えた偏光顕微鏡直行ニコル下で溶融状態の試料を観察したときに偏光を透過する高分子である。
液晶ポリマーの原料は、特に限定されるものではないが、以下に例示する(1)〜(4)に分類される化合物及びその誘導体から導かれる公知のサーモトロピック液晶ポリエステル及びポリエステルアミドを挙げることができる。但し、液晶ポリマーを形成するためには、各々の原料化合物の組合せに適宜な範囲がある。
(1)芳香族又は脂肪族ジヒドロキシ化合物
(2)芳香族又は脂肪族ジカルボン酸
(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸
(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミンまたは芳香族アミノカルボン酸
これらの原料化合物から得られる液晶ポリマーの代表例として下記式に示す構造単位を有する共重合体を挙げることができる。
Figure 2009176853
なお、本発明でいう液晶ポリマー層(C)の融点とは、示差走査熱量計を用いて、液晶ポリマー樹脂を10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解(吸熱)ピーク温度である。
また、液晶ポリマー層(C)の厚さは、15〜50μmの厚み範囲にあることが好ましい。厚みが15μmに満たないと、導体回路への充填不良や靭性不足が予測され、50μmを超えると屈曲性能及び狭スペースへの収納において不利となる。
次に、本発明の電磁波シールド用積層体の製造方法について説明する。本発明の製造方法は、支持基材上に剥離層を介して厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)が設けられた支持基材付き極薄導体の極薄導体上に樹脂溶液を塗工、熱処理し、極薄導体上に絶縁樹脂層(A)を形成する工程、次いで、前記支持基材を剥離する工程、支持基材の剥離によって露出された極薄導体の表面に液晶ポリマー層(C)を設ける工程を有する。
上記支持基材付き極薄導体の極薄導体上に樹脂溶液を塗工、熱処理し、支持基材付き極薄導体の極薄導体上に絶縁樹脂層を形成するが、絶縁樹脂層をポリイミド樹脂層とする場合、使用される樹脂溶液はポリイミド前駆体の樹脂溶液が適する。ポリイミド前駆体とは、ポリイミドの原料となるジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られたポリアミック酸を指し、通常、このポリアミック酸を熱処理してポリイミド樹脂とする。ポリイミド前駆体の樹脂溶液を使用する場合、その原料となるジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物は特に限定されるものではなく、得られるポリイミド樹脂の耐熱性、耐折り曲げ性等の観点から公知のものを選択して用いることができる。
極薄導体上への樹脂溶液(例えば、ポリイミド前駆体溶液)の塗工は、公知の方法で行うことができ、例えば、バーコード方式、グラビアコート方式、ロールコート方式、ダイコート方式等から適宜選択して採用することができる。極薄導体上に塗工された樹脂溶液は、通常、常温液体の溶媒を含むので、加熱、乾燥して絶縁樹脂層(A)とする。樹脂溶液がポリイミド前駆体溶液の場合は、140℃以下の温度で乾燥して全部又は大部分の溶媒を除去した後、更に高温で硬化(イミド化)のための熱処理を行いポリイミド樹脂層からなる絶縁樹脂層(A)とする。硬化のための熱処理条件は、150℃〜360℃で、段階的に15〜20分程度行うことが好ましい。なお、絶縁樹脂層(A)の厚みは特に制限はないが、上記した範囲が好ましい。
このようにして支持基材付き極薄導体の極薄導体層(B)上に絶縁樹脂層(A)が形成された後、支持基材は剥離、除去される。予め極薄銅箔を準備してその上に絶縁樹脂層(A)を形成する方法は、極薄銅箔の厚さが1〜5μmと非常に薄いため搬送が困難で現実的ではない。支持基材が剥離されたものは、絶縁樹脂層(A)/極薄導体層(B)の構造体であるが、極薄導体層(B)の表面に上記剥離層が残っていても実質上問題ない。
液晶ポリマー層(C)は、上記支持基材の剥離によって露出された極薄導体の表面に設けられる。液晶ポリマー層(C)の形成方法としては、特に制限はないが、上述した液晶ポリマーフィルムを別に準備し、絶縁樹脂層(A)/極薄導体層(B)の構造を有する積層体の極薄導体層(B)表面に加熱圧着して積層する方法が好ましい。この際の積層条件としては、液晶ポリマーの融点より10〜100℃低い温度範囲、好ましくは15〜80℃低い温度範囲(例えば、220〜320℃)で加熱・加圧処理することが好ましい。加圧範囲は、4〜12MPaの範囲が適当である。この際、必要に応じて極薄導体や液晶ポリマーに粗化処理を施しても良い。上記温度範囲で液晶ポリマー面と極薄導体層(B)表面とを加熱・加圧処理することにより、液晶ポリマー層が熱変形を開始し、両者は接着して一体化するが、完全には溶融しないので、常温常圧に戻した際に安定した厚みの積層体を得ることができる。積層時の加熱温度が、液晶ポリマーの融点よりも10℃低い温度以上となると、液晶ポリマーが完全に溶融してしまい安定した厚みの液晶ポリマー層(C)が形成できない恐れがある。一方、積層時の加熱温度が、液晶ポリマーの融点よりも100℃以上低いと液晶ポリマーが熱変形を開始しないため、液晶ポリマー層(C)と極薄導体層(B)表面との接着が不十分となる恐れがある。
また、電磁波シールド用積層体は、配線回路の形成された任意の配線回路基板の回路上に、液晶ポリマーが接するように配置して、加熱加圧し電磁波シールド材付き配線回路基板を製造することができる。この際の積層条件としては、上記と同様、液晶ポリマーの融点より10〜100℃低い温度範囲、好ましくは15〜80℃低い温度範囲で加熱・加圧処理することが好ましく、加圧範囲は、4〜12MPaの範囲が適当である。
これらの加圧処理方法は特に限定されるものではなく、一対の加熱ロールによるロールラミネートやベルトプレス、通常もしくは真空タイプのハイドロプレス等を用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
合成例1
ガラス製反応器に、N,N-ジメチルアセトアミド850gを仕込み、続いて撹拌下において63.18gの4,4'-ジアミノ-2,2'-ジメチル ビフェニル及び9.67gの1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンとを添加し、その後、完全に溶解させた。この溶液に、57.12gのピロメリット酸二無水物及び19.26gの3,3'-4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を順次少量ずつ加えていき、添加終了後に引き続いて3時間の室温撹拌を行ない、重合反応を完結させた。この重合反応によって得られたポリイミド前駆体溶液はポリマー濃度15重量%及びB型粘時計による25℃でのみかけ粘度20000mPa・sであった。
実施例1
厚み18μmの銅箔からなる支持基材上に剥離層を介して厚み3μmの極薄銅箔が設けられた支持基材付き極薄銅箔を準備した。この極薄銅箔の表面に合成例1で得られたポリイミド前駆体を塗布し、乾燥、熱処理を行い、厚み25μmのポリイミド樹脂層を形成した。ここで、乾燥は、130℃で4分、イミド化のための熱処理は130〜340℃の温度範囲で昇温しながら約12分行った。形成されたポリイミド樹脂層の引張弾性率は9GPaであった。ここで得られた積層物は、支持基材/極薄銅箔/ポリイミド樹脂層からなり、支持基材と極薄銅箔間は剥離層を有し、容易に分離可能なものである。次に、支持基材を極薄銅箔から剥離除去し、剥離面側の銅箔面に市販の液晶ポリマーフィルム(商品名:べクスター、融点:280℃、厚み:25μm、芳香族ポリエステル型)を260℃で10分間熱圧着させて、ポリイミド層、極薄銅箔層、液晶ポリマー層が順次形成されてなる積層体を得た。
実施例2
厚み18μmの銅箔による支持基材上に剥離層を介して厚み2μmの極薄銅箔が設けられた実施例1と極薄銅箔の厚みのみ異なる支持基材付き極薄銅箔を準備した。この極薄銅箔の表面に合成例1で得られたポリイミド前駆体を塗布し、実施例1と同様の条件で乾燥、熱処理を行い、厚み6μmのポリイミド樹脂層を形成した。形成されたポリイミド樹脂層の引張弾性率は9GPaであった。ここで得られた積層物は、支持基材/極薄銅箔/ポリイミド樹脂層からなり、支持基材と極薄銅箔間は剥離層を有し、容易に分離可能なものである。次に、支持基材の銅箔を剥離除去し、剥離面側の銅箔面に市販の25μmの液晶ポリマーフィルム(クラレ製、商品名べクスター、融点:280℃)を260℃で10分間熱圧着させて、ポリイミド層、極薄銅箔層、液晶ポリマー層が順次形成されてなる積層体を得た。
実施例1及び2で得た積層体について、MIT耐折性試験(屈曲速度:175r.p.m.、屈曲半径:0.8 mm)を実施したところ、いずれの積層体も破断に至るまで20000回を超える屈曲回数を示した。この結果より同積層体は、充分な可撓性を有することが確認され、フレキシブルプリント配線板の電磁波シールドフィルムに好適に用いられると言える。

Claims (6)

  1. 絶縁樹脂層(A)、厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)及び液晶ポリマー層(C)が順次形成されてなる積層構造を有することを特徴とする電磁波シールド用積層体。
  2. 極薄導体層(B)が、支持基材上に剥離層を介して厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)が設けられた支持基材付き極薄導体層(B)に由来するものである請求項1記載の電磁波シールド用積層体。
  3. 液晶ポリマー層(C)が、融点が250〜350℃、厚み15〜50μmの範囲にある請求項1又は2に記載の電磁波シールド用積層体。
  4. 絶縁樹脂層(A)が、引張弾性率3〜10GPa、厚み5〜25μmの範囲のポリイミド樹脂である請求項1〜3何れかに記載の電磁波シールド用積層体。
  5. 支持基材上に剥離層を介して厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)が設けられた支持基材付き極薄導体の極薄導体層上に樹脂溶液を塗工、熱処理し、極薄導体層上に絶縁樹脂層(A)を形成する工程、次いで、前記支持基材を剥離する工程、支持基材の剥離によって露出された極薄導体の表面に液晶ポリマー層(C)を設ける工程を有することを特徴とする絶縁樹脂層(A)、厚さ1〜5μmの極薄導体層(B)及び液晶ポリマー層(C)が順次形成された電磁波シールド用積層体の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の電磁波シールド用積層体を、配線回路基板の回路上に、液晶ポリマー層(C)が接するように配置し、液晶ポリマー層(C)の融点より10〜100℃低い温度範囲で加熱加圧して接着することを特徴とする電磁波シールド材付き配線回路基板の製造方法。
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