JP2009176669A - 正極活物質、正極及び非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供することができる正極活物質を実現する。
【解決手段】本発明の正極活物質は、下記一般式(1)
LiFe1−xPO …(1)
(但し、式中、Xは2〜13族の少なくとも1種以上であり、0<a≦0.25、0≦x≦0.25であり、yは(1−a)である)
で表され、一般式(1)におけるyが(1−a)である場合での単位格子の体積に対する、一般式(1)におけるyが(x−a)(但し、x−a<0の場合はyは0)である場合での単位格子の体積の体積変化率が4%以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、正極活物質及び当該正極活物質を用いた正極、並びに当該正極を用いた非水二次電池(リチウム二次電池)、更に詳しくは、サイクル特性に優れた非水二次電池に関するものである。
ポータブル電子機器用の二次電池として、リチウム二次電池が実用化されており、広く用いられている。更に近年、リチウム二次電池はポータブル機器用の小型のものだけでなく、自動車用や電力貯蔵用等の大容量のデバイスとしても注目されている。そのため、より安全性やコスト、寿命等の要求が高くなっている。
一般に正極活物質としては、LiCoOに代表される層状遷移金属酸化物が用いられている。しかしながら、これらの層状遷移金属酸化物は満充電状態において、150℃前後の比較的低温で酸素脱離を起こし易く、当該酸素脱離により電池の熱暴走反応が起こり得る。
このため、安全性という面では、構造の安定したスピネル型構造を有するマンガン酸リチウム(LiMn24)や、リン酸鉄リチウム(LiFePO)が期待されている。
一方、コスト面においては、コバルトは地殻存在度が低く、高価であるという問題がある。このため、ニッケル酸リチウム(LiNiO)や、その固溶体(Li(Co1−xNi)O)、マンガン酸リチウム(LiMn)や、リン酸鉄リチウム(LiFePO)が期待されている。
このような正極活物質として、容量の増加、サイクル能力の増加、可逆性の増加、および価格の低減を目的として、一般式A(XY(式中、Aはアルカリ金属、Mは遷移金属、XYはPO等、ZはOH等)で表される活物質の提案が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特表2005−522009公報(2005年7月21日公開)
しかしながら、上記特許文献1に記載されている具体的な構成では、得られる電池の寿命が短いという問題を生じる。
具体的には、特許文献1に記載されている具体的な構成では、充放電による正極活物質の膨張若しくは収縮が大きいため、サイクル数が増えると、正極活物質が集電体や導電材から物理的に徐々に欠落する。つまり、充放電による膨張収縮の大きい材料では、二次粒子の破壊や、正極活物質と導電材との導電パスの破壊が起こることにより、電池の内部抵抗が増大する。そして、結果として、充放電に寄与しない活物質が増加し、容量の低下が起こり、電池の寿命を短くする。
上述したように、安全性、コスト、寿命の全ての点において優れている活物質が求められているが、安全性及びコスト面に優れたリン酸鉄リチウム、マンガン酸リチウム、並びに特許文献1に記載されている具体的な構成では充放電における体積の膨張収縮率が高いという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供することができる正極活物質、当該正極活物質を用いた正極、並びに当該正極を用いた非水二次電池を実現することにある。
本発明に係る正極活物質は、上記課題を解決するために、下記一般式(1)
LiFe1−xPO …(1)
(但し、式中、Xは2〜13族の少なくとも1種以上であり、0<a≦0.25、0≦x≦0.25であり、yは(1−a)である)
で表され、一般式(1)におけるyが(1−a)である場合での単位格子の体積に対する、一般式(1)におけるyが(x−a)(但し、x−a<0の場合はyは0)である場合での単位格子の体積の体積変化率が4%以下であることを特徴としている。
上記構成によれば、Liサイトが少なくともKにより置換されているため、Li脱離時に生じる体積変化を抑制することができ、当該正極活物質を用いて電池を作製した場合、充放電による正極の膨張収縮を抑制することができる。
正極の膨張収縮を抑制することにより、充放電サイクル数の増加に伴う、二次粒子の破壊や、正極活物質と導電材との導電パスの破壊が起こることによる電池の内部抵抗の増大を抑制することができる。
更には、上記正極活物質では、上記体積変化率が約4.0%より高くなると体積変化率の増加に対する容量維持率の低下の度合いが大きくなるため、容量維持率の低下を抑制することができる。
よって、上記構成によれば、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供し得る正極活物質を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る正極活物質では、一般式(1)におけるxが、0<x≦0.25であることが好ましい。
上記構成によれば、Liサイトの一部をKで置換すると同時にFeサイトの一部を他の原子で置換することなるため、充放電による膨張収縮をより抑制でき、より寿命の長い電池を提供し得る正極活物質を提供することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る正極活物質では、Xが遷移元素であることが好ましい。
上記構成によれば、Xのレドックス電位の範囲を利用して充放電を行うことができる。これにより、電池を作製した場合、充放電における平均電位を向上させることや、元素置換による容量低下を抑制することが可能となる。よって、より容量低下が抑制された電池を提供し得る正極活物質を提供することができるという更なる効果を奏する。
この場合、本発明に係る正極活物質では、Xが+2価であることが好ましい。
上記構成によれば、電荷の補償を行う必要がないため、正極活物質を容易に合成することができるという更なる効果を奏する。具体的には、例えば、Xが+3価の場合では、Liを欠損させることや、FeサイトをXと同量だけ1価の元素で置換することが必要となる。
また、本発明に係る正極活物質では、XがMn、Co、又はNiであることが好ましい。
上記構成によれば、寿命のより長い電池を提供し得る正極活物質を提供することができる。
更には、本発明に係る正極活物質では、XがMnであることが好ましい。
上記構成によれば、寿命のより長い電池を提供し得る正極活物質を提供することができる。
更には、本発明に係る正極活物質では、一般式(1)において、a≦xであることが好ましい。
上記構成によれば、Xの酸化還元反応までを利用して充放電を行うことができる。よって、より容量低下が抑制された電池を提供し得る正極活物質を提供することができるという更なる効果を奏する。
本発明に係る正極活物質では、Xが典型元素であることが好ましい。
上記構成によれば、Xの価数の変化を生じないため、正極活物質を安定して合成することができるという更なる効果を奏する。
この場合、本発明に係る正極活物質では、Xが+2価であることが好ましい。
上記構成によれば、電荷の補償を行う必要がないため、正極活物質を容易に合成することができるという更なる効果を奏する。例えば、Xが+3価の場合では、Liを欠損させることや、FeサイトをXと同量だけ1価の元素で置換することが必要となる。しかし、Liを欠損させることや、Feを1価の元素で置換することは2価の元素で置換することよりも困難である。
また、本発明に係る正極活物質では、XがMgであることが好ましい。
上記構成によれば、寿命のより長い電池を提供し得る正極活物質を提供することができる。
更には、本発明に係る正極活物質では、一般式(1)において、a=xであることが好ましい。
上記構成によれば、同一の理論容量において、より膨張収縮を抑制することができるという更なる効果を奏する。
具体的には、Liサイトの置換量が増加すると理論的な放電容量が直線的に減少する。一方、Liサイト及びFeサイト共に置換量を増加させると、膨張収縮が抑制される傾向がある。このため、Liサイトをaだけ置換した場合、同一の理論容量において、a=xのときが最も膨張収縮を抑制できると考えられる。
本発明に係る正極は、上記課題を解決するために、上記本発明に係る正極活物質と、導電材と、バインダーとを含むことを特徴としている。
上記構成によれば、本発明に係る上記正極活物質を含むため、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供し得る正極を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る非水二次電池は、上記課題を解決するために、本発明に係る上記正極と、負極と、電解質と、セパレータとを有することを特徴としている。
上記構成によれば、本発明に係る上記正極を含むため、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る正極活物質は、以上のように、下記一般式(1)
LiFe1−xPO …(1)
(但し、式中、Xは2〜13族の少なくとも1種以上であり、0<a≦0.25、0≦x≦0.25であり、yは(1−a)である)
で表され、一般式(1)におけるyが(1−a)である場合での単位格子の体積に対する、一般式(1)におけるyが(x−a)(但し、x−a<0の場合はyは0)である場合での単位格子の体積の体積変化率が4%以下であることを特徴としている。
このため、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供し得る正極活物質を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る正極は、以上のように、上記本発明に係る正極活物質と、導電材と、バインダーとを含むことを特徴としている。
このため、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供し得る正極を提供することができるという効果を奏する。
更には、本発明に係る非水二次電池は、以上のように、本発明に係る上記正極と、負極と、電解質と、セパレータとを有することを特徴としている。
このため、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明について詳しく説明する。尚、本明細書では、範囲を示す「A〜B」は、A以上B以下であることを示す。また、本明細書で挙げられている各種物性は、特に断りの無い限り後述する実施例に記載の方法により測定した値を意味する。
(I)正極活物質
本実施の形態に係る正極活物質は、下記一般式(1)
LiFe1−xPO …(1)
(但し、式中、Xは2〜13族の少なくとも1種以上であり、0<a≦0.25、0≦x≦0.25であり、yは(1−a)である)
で表される。
一般にオリビン型のリン酸鉄リチウムの場合、充電により初期の構造よりLiが脱離するときに、体積が収縮する。この構造変化において、a軸とb軸とが収縮し、c軸が膨張する。このため、本発明者は、何らかの置換によりa軸とb軸との収縮率を低減し、c軸の膨張率を増大させることによって、体積変化を抑制することができると考えた。
そして、本発明者は、Liサイトについて置換を行うことにより、特に好ましくはLiサイトの一部をKで置換すると同時にFeサイトの一部を他の原子で置換することにより、Li脱離時に生じる体積変化を抑制することができ、充放電による膨張収縮を抑制できることを見出した。このとき、初期の構造の格子定数が大きいほど、Liの脱離時にその構造を維持する傾向がある。
具体的には、置換後の構造のa軸は10.40Å以上であることが好ましく、10.45Å以上であることがより好ましい。b軸は6.05Å以上であることが好ましく、6.10Å以上であることがより好ましい。c軸は4.70Å以上であることが好ましく、4.80Å以上であることがより好ましい。尚、一般的なオリビン型のリン酸鉄リチウムの格子定数は、a軸が10.347Å、b軸が6.0189Å、c軸が4.7039Åである。
尚、上記一般式(1)の組成を有するほとんどの物質はオリビン型構造を有するが、本発明の範囲は、オリビン型構造を有する構成には限定されず、オリビン型構造を有さない構成であっても、本発明の範囲に含まれる。
LiサイトをKにて置換した場合、置換によりLi量が減少するため、Liサイトの置換量に比例して、電池とした場合の放電容量が減少する。このため、後述する実施例における結果を表す図2に示すように、K置換量はLiサイトの1/4までが好ましい。つまり、本実施の形態に係る正極活物質は、一般式(1)におけるaは0.25以下である。
一方で、LiサイトにおけるK置換量が多いほど、充放電による体積の膨張収縮を抑制する効果が大きくなるため、本実施の形態に係る正極活物質では、一般式(1)におけるaは0より大きく、0.0625以上であることがより好ましい。
Feサイトを置換する元素Xとしては、典型金属元素若しくは遷移金属元素を用いることができる。Xとしては+2価の元素が特に好ましい。当該+2価の元素として具体的には、Ca、Mg、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn等を用いることができる。
Feサイトを置換する元素Xが遷移金属である場合、Xのレドックス電位の範囲を利用して充放電を行うことができる。これにより、充放電における平均電位の向上や、元素置換による容量の低下を抑制することが可能となる。
Xとしては、6配位での原子半径がFeよりも大きい元素が好ましく、特にMnが好ましい。
尚、Feサイトのみの置換を行った場合ではMnでの置換が最も効果があり、一般式(1)においてx=0.25の割合でMnを置換した場合、充放電による体積膨張収縮は4.26%となる。
本実施の形態では、一般式(1)におけるyが(1−a)である場合での単位格子の体積に対する、一般式(1)におけるyが(x−a)(但し、x−a<0の場合はyは0)である場合での単位格子の体積の体積変化率が4%以下であることが好ましい。
これは、後述する実施例における結果を表す図1に示すように、本実施形態に係る正極活物質では、単位格子の体積の体積変化率が約4%を境に容量維持率の体積変化率に対する傾きが変化するためである。つまり、体積変化率が約4%より高くなると、体積変化率の増加に対する容量維持率の低下の度合いが大きくなる。よって、上記体積変化率が4%以下であれば、容量維持率の低下をより抑制することができる。
上記体積変化率を4%以下にする観点から、一般式(1)におけるxは、0<x≦0.25であることが好ましく、0.0625≦x≦0.25であることがより好ましい。つまり、LiサイトとFeサイトとを同時に置換することが好ましく、これにより、置換による容量低下を最小限に抑えながら、充放電による体積の膨張収縮を抑制することができる。
LiサイトとFeサイトとを同時に置換する際にXが典型金属元素である場合、Liサイトの置換量とFeサイトの置換量とが同じであることが好ましい。Liサイトの置換量の方が、Feサイトの置換量よりも多い場合、価数変化の起こらないFe原子が増加するため好ましくない。Liサイトの置換量の方が、Feサイトの置換量よりも少ない場合、典型金属元素は価数変化を利用できないため、好ましくない。
具体的には、Liサイトの置換量を増加させると、理論的な放電容量が直線的に減少する。一方、Liサイト及びFeサイト共に置換量を増加させると、膨張収縮が抑制される傾向がある。このため、Liサイトをaだけ置換した場合、同一の理論容量において、a=xのときが最も膨張収縮を抑制できると考えられる。
一方、LiサイトとFeサイトとを同時に置換する際にXが遷移金属元素である場合、Liサイトの置換量がFeサイトの置換量以下であることが好ましい。Feサイトの置換量よりもLiサイトの置換量が少ない場合、Feサイトに置換した原子の価数変化を利用することができ、原子置換による容量の低下を抑制するだけではなく、平均電位を上げることが可能となる。このような場合、Xとして具体的には、Ti,V,Cr,Mn,Co,Niを用いることができる。平均電位を高めることを考慮すると、これらの中ではMn,Co,Niが好ましい。
尚、LiサイトとFeサイトとを同時に置換するとき、2原子の位置関係により構造の安定性を変化させることができるため、2原子の位置関係を一定として、超格子構造とすることが可能である。
尚、LiサイトをKで置換し、FeサイトをMnで置換する場合、Kを中心とする6配位のOによる8面体と、Mnを中心とする6配位のOによる8面体とが稜共有しないLiサイト及びFeサイトにおいて優先的にK及びMnの置換が起こり易いことが分かった。
上述した本実施の形態に係る正極活物質は、原料として、各元素の炭酸塩、水酸化物、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等任意の組合せを用いることにより製造することができる。製造方法としては、固相法、共沈法、水熱法、噴霧熱分解法等の方法を用いることができる。また、オリビン型のリン酸鉄リチウムにおいて一般的に行われている、炭素皮膜を正極活物質に付けることにより、導電性の向上を行ってもよい。
(II)非水二次電池
本実施の形態に係る非水二次電池は、正極と負極と電解質とセパレータとを有する。以下、各構成材料について説明する。
(a)正極
上記正極は、本実施の形態に係る上記正極活物質と導電材とバインダーとからなり、例えば、活物質と導電材と結着剤とを有機溶剤と混合したスラリーを集電体に塗布する等の公知の方法によって作製することができる。
上記バインダー(結着材)としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等を用いることができる。
上記導電材としては、アセチレンブラック、カーボン、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、ニードルコークス等を用いることができる。
上記集電体としては、連続孔を持つ発泡(多孔質)金属、ハニカム状に形成された金属、焼結金属、エキスパンドメタル、不織布、板、箔、孔開きの板、箔等を用いることができる。
上記有機溶剤としては、N−メチルピロリドン、トルエン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
電極の厚さは、0.01〜20mm程度が好ましい。厚すぎると導電性が低下し、薄すぎると単位面積当たりの容量が低下するので好ましくない。尚、塗布並びに乾燥によって得られた電極は、活物質の充填密度を高めるためローラープレス等により圧密してもよい。
(b)負極
上記負極は公知の方法により作製することができる。具体的には、正極の作製法で説明した方法と同様にして作製することができる。つまり、正極の作製法で説明した公知の結着材と公知の導電材とを負極活物質と混合した後、この混合粉末をシート状に成形し、当該成形体をステンレス、銅等の導電体網(集電体)に圧着すればよい。また、上記混合粉末を正極作製法で説明した公知の有機溶剤と混合して得られたスラリーを銅等の金属基板上に塗布することにより作製することもできる。
上記負極活物質としては公知の材料を用いることができる。高エネルギー密度電池を構成するためには、リチウムの挿入/脱離する電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものが好ましい。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状等)の天然若しくは人造黒鉛のような炭素材料である。
上記人造黒鉛としては、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等を黒鉛化して得られる黒鉛が挙げられる。また、非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子も使用することができる。これらの中で、天然黒鉛は、安価でかつリチウムの酸化還元電位に近く、高エネルギー密度電池が構成できるためより好ましい。
また、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物、酸化シリコン等も負極活物質として使用可能である。これらの中では、LiTi12は電位の平坦性が高く、かつ充放電による体積変化が小さいためより好ましい。
(c)電解質
上記電解質としては、例えば、有機電解液、ゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることができる。電解質を注入した後に電池の開口部を封止する。封止の前に通電し発生したガスを取り除いてもよい。
上記有機電解液を構成する有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられ、これらの1種以上を混合して用いることができる。
これらの中では、特に、GBLは高誘電率と低粘度とを兼ね備えた性質を有し、しかも、耐酸化性に優れ、高沸点、低蒸気圧、高引火点である等の利点があり、従来の小型リチウム二次電池に比べて非常に安全性を要求される大型リチウム二次電池の電解液用溶媒として好適である。
また、PC、EC及びブチレンカーボネート等の環状カーボネート類は高沸点溶媒であるため、GBLとの混合する溶媒として好適である。
上記有機電解液を構成する電解質塩としては、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、トリフルオロ酢酸リチウム(LiCF3COO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(LiN(CF3SO22)等のリチウム塩が挙げられ、これらの1種以上を混合して用いることができる。電解液の塩濃度は、0.5〜3mol/lが好適である。
(d)セパレータ
上記セパレータとしては、多孔質材料又は不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、上述した、電解質中に含まれる有機溶媒に対して溶解したり膨潤したりしないものが好ましい。具体的には、ポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エーテル系ポリマー、ガラスのような無機材料等が挙げられる。
尚、本実施の形態に係る電池では、セパレータ、電池ケース他、構造材料等の要素についても従来公知の非水電解質二次電池に使用される各種材料を使用することができ、特に制限はない。
(e)非水二次電池の製造方法
本実施の形態に係る非水二次電池は、例えば、正極と負極とを、それらの間にセパレータを挟んで積層することにより作製することができる。積層した電極は、例えば短冊状の平面形状を有していてもよい。また、円筒型や扁平型の電池を作製する場合は、積層した電極を巻き取ってもよい。
積層した電極は、その1つ又は複数が電池容器の内部に挿入される。通常、正極及び負極は電池の外部導電端子に接続される。その後に、電極及びセパレータを外気より遮断するために電池容器を密閉する。
密封の方法は、円筒型の電池の場合、電池容器の開口部に樹脂製のパッキンを有する蓋をはめ込み、容器をかしめる方法が一般的である。また、角型電池の場合、金属性の封口板と呼ばれる蓋を開口部に取りつけ、溶接を行う方法が使用することができる。これらの方法以外に、結着材で密封する方法、ガスケットを介してボルトで固定する方法も使用できる。更に、金属箔に熱可塑性樹脂を貼り付けたラミネート膜で密封する方法も使用できる。尚、密封時に電解質注入用の開口部を設けてもよい。
尚、以上説明した本発明は、以下のように言い換えることもできる。即ち、
(1)正極と負極と電解質とセパレータを有し、前記正極が正極活物質と導電材とバインダーとからなる非水二次電池において、正極活物質がLi1−a−bFe1−xPO(0<a≦0.25、0≦x≦0.25)で表され、Xは2〜12族の少なくとも1種以上であり、充放電による体積変化率がb=0での単位格子の体積に対する、b=1−x(但し、x<aの場合は、b=1−a)での単位格子の体積の体積変化率が4%以下となる正極活物質を用いた電池。
(2)上記(1)に記載の電極活物質において、Xが典型元素である電池。
(3)上記(2)に記載の電極活物質において、Xが+2価である電池。
(4)上記(3)に記載の電極活物質において、XがMgとなる電池。
(5)上記(4)に記載の電極活物質において、a=xとなる電池。
(6)上記(1)に記載の電極活物質において、Xが遷移元素である電池。
(7)上記(6)に記載の電極活物質において、Xが+2価である電池。
(8)上記(7)に記載の電極活物質において、XがMn,Co,Niである電池。
(9)上記(8)に記載の電極活物質において、XがMnである電池。
(10)上記(9)に記載の電極活物質において、a≦xとなる電池。
以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。尚、実施例で使用した試薬等は、特に断りのない限りキシダ化学社製の特級試薬を用いた。
また、各実施例及び比較例にて得られた正極活物質は、ICP発光分光分析を行い、目標とした組成(元素の比率)となっていることを確認した。
<正極活物質の膨張収縮率>
正極活物質を乳鉢ですり潰して微粉化し、室温にて、Cu管球を用いて10°〜90°までX線測定を行い、格子定数を求めた。
また、Liの脱離後の活物質における格子定数を求めるため、Li脱離後の正極活物質として、充電容量により確認したLiの脱離状態と同じ組成の正極活物質を用い、室温にてX線測定を行った。具体的には、後述の電池の作製法で電池を作製し、完全に充電を行った状態で正極を取り出し、エタノールで電極を洗浄後、上記Li脱離後の正極活物質のXRD測定を実施した。
充放電による膨張収縮率(%)は、充電時の構造の格子定数と放電時の構造格子定数とより、各体積を求め、下記式
体積膨張率(%)=(1−充電時の構造の体積/放電時の構造の体積)×100
により求めた。
尚、ここで充電時の構造はLi脱離時の構造とし、放電時の構造は合成時の初期の構造とする。
<電池の作製法>
正極活物質とアセチレンブラック(商品名:「デンカブラック」、電気化学工業社製)とPVdF(ポリビニリデンフルオライド)(商品名:「KFポリマー」、クレハ社製)とを100:5:5の比率で混合後、N−メチルピロリドン(キシダ化学社製)と混合することによりスラリー状にし、厚さ20μmのアルミ箔に厚さが50μm〜100μmとなるように塗布して正極を得た。尚、正極の電極サイズは2cm×2cmとした。
上記正極の乾燥後、正極として上記の電極を用い、100mlのガラス容器中に50mlの電解液を入れ、対極にLi金属を用いた。電解液(キシダ化学社製)としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとが体積比で7:3となるように混合した溶媒に、濃度が1.4mol/lになるようにLiPFを溶解したものを用いた。
<容量維持率>
容量維持率を求めるため、作製した上記電池を用いて、電流密度0.2mA/cmで充放電を行うことによりサイクル試験を実施した。充電は、3.8Vにて定電流充電モードから定電圧充電モードに切り替え、電流値が定電流充電時の電流値の10分の1になるまで充電を行った。放電に関しては、2.25Vまで定電流にて行った。容量維持率は、300サイクル後の容量を用いて評価し、下記式
容量維持率(%)=(300サイクル後の放電容量)/(初期の放電容量)
により求めた。
〔実施例1〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、マンガン源としてMnO、リン酸源として(NH2HPO4をLi:K:Fe:Mn:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.750.25Fe0.75Mn0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔実施例2〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO、マンガン源としてMnO、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Mn:P=0.875:0.125:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.8750.125Fe0.75Mn0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔実施例3〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、マンガン源としてMnO、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Mn:P=0.875:0.125:0.875:0.125:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.8750.125Fe0.875Mn0.125PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔実施例4〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、マグネシウム源としてMgO、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Mg:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.750.25Fe0.75Mg0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔実施例5〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、ニッケル源としてNiO、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Ni:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.750.25Fe0.75Ni0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔実施例6〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、コバルト源としてCo、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Co:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.750.25Fe0.75Co0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔実施例7〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、銅源としてCuO、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Cu:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.750.25Fe0.75Cu0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔実施例8〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、マンガン源としてMnO、ニッケル源としてNiOを、リン酸源として(NH2HPO4をLi:K:Fe:Mn:Ni:P=0.75:0.25:0.75:0.125:0.125:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.750.25Fe0.75Mn0.125Ni0.125PO単相粉末を合成した。各種測定結果については表1に示す。
〔実施例9〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:P=0.75:0.25:1:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.750.25FePO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔比較例1〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、マグネシウム源としてMgO、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Mg:P=0.875:0.125:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.8750.125Fe0.75Mg0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔比較例2〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、ナトリウム源としてNaOH、鉄源としてFePO4、マンガン源としてMnO、リン酸源として(NHHPOをLi:Na:Fe:Mn:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.75Na0.25Fe0.75Mn0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔比較例3〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、カリウム源としてKOH、鉄源としてFePO4、マンガン源としてMnO、リン酸源として(NHHPOをLi:K:Fe:Mn:P=0.7:0.3:0.7:0.3:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.70.3Fe0.7Mn0.3PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔比較例4〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、ナトリウム源としてNaOH、鉄源としてFePO4、マンガン源としてMgO、リン酸源として(NHHPOをLi:Na:Fe:Mg:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.75Na0.25Fe0.75Mg0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
〔比較例5〕
出発原料にリチウム源としてLiOH、ナトリウム源としてNaOH、鉄源としてFePO4、マンガン源としてNiO、リン酸源として(NHHPOをLi:Na:Fe:Ni:P=0.75:0.25:0.75:0.25:1となるように混合した後、窒素雰囲気中で650℃、6時間の焼成を行い、オリビン型の正極活物質であるLi0.75Na0.25Fe0.75Ni0.25PO単相粉末を合成した。各種測定結果について表1に示す。
Figure 2009176669
図1は、本実施例で作製した各正極活物質の体積膨張収縮率に対する容量維持率の変化を示すグラフである。
図1に示すように、体積膨張収縮率は約4%を超えると急激に容量維持率が低下する。従って、本実施の形態に係る正極活物質では体積膨張収縮率は約4%以下であることが好ましいことが確認できた。
また、表1に示すように、X=Mnである実施例1〜3は、X=Mnであるがa=0.3である比較例3と比較して、体積膨張収縮率の低下に対する初期放電容量の低下が抑制されている。
ここで、X=Mnである場合におけるaの変化に対する体積膨張収縮率及び初期放電容量の変化を示すグラフを図2に示す。
図2に示すように、体積膨張収縮率はK置換量であるaと直線的に変化しているのに対して、K置換量であるaが0.25を超えると急激に初期放電容量が低下している。このことから、一般式(1)におけるaは0.25以下であることが好ましいことが確認できた。
また、実施例1の正極活物質におけるKをNaとした比較例2は、実施例1と比較して、初期放電容量の低下割合に対する膨張収縮率の低下割合が小さいことが確認でき、実施例1の正極活物質の方が比較例2の正極活物質よりも優れていた。
X=Mn以外の実施例4〜9についても、実施例1〜3と同様に優れた容積維持率及び初期放電容量を示した。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の正極活物質は、安全性、コスト面において優れるのみならず、寿命の長い電池を提供することができる。このため、リチウムイオン電池等の非水二次電池における正極活物質として好適に使用することができる。
実施例で作製した正極活物質の体積膨張収縮率に対する容量維持率の変化を示すグラフである。 X=Mn、x=0.25である場合におけるK置換量に対する体積膨張収縮率及び初期放電容量の変化を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)
    LiFe1−xPO …(1)
    (但し、式中、Xは2〜13族の少なくとも1種以上であり、0<a≦0.25、0≦x≦0.25であり、yは(1−a)である)
    で表され、
    一般式(1)におけるyが(1−a)である場合での単位格子の体積に対する、一般式(1)におけるyが(x−a)(但し、x−a<0の場合はyは0)である場合での単位格子の体積の体積変化率が4%以下であることを特徴とする正極活物質。
  2. 一般式(1)におけるxが、0<x≦0.25であることを特徴とする請求項1に記載の正極活物質。
  3. Xが遷移元素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の正極活物質。
  4. Xが+2価であることを特徴とする請求項3に記載の正極活物質。
  5. XがMn、Co、又はNiであることを特徴とする請求項4に記載の正極活物質。
  6. XがMnであることを特徴とする請求項5に記載の正極活物質。
  7. 一般式(1)において、a≦xであることを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の正極活物質。
  8. Xが典型元素であることを特徴とする請求項1又は2に記載の正極活物質。
  9. Xが+2価であることを特徴とする請求項8に記載の正極活物質。
  10. XがMgであることを特徴とする請求項9に記載の正極活物質。
  11. 一般式(1)において、a=xであることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の正極活物質。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の正極活物質と、導電材と、バインダーとを含むことを特徴とする正極。
  13. 請求項12に記載の正極と、負極と、電解質と、セパレータとを有することを特徴とする非水二次電池。
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