JP5463207B2 - 正極活物質、正極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
リチウム二次電池は、その主たる構成要素として正極、負極、電解液、セパレータ、及び外装材を有する。また、上記正極は、正極活物質、導電材、集電体及びバインダー(結着剤)により構成される。
このため、構造が安定し異常時に酸素を放出せず、LiCoO2より安価なオリビン型構造を有するリン酸鉄リチウム(LiFePO4)が期待されている。
体積変化率=(A−B)×100/A
Aはリチウム脱離前の結晶格子体積
Bはリチウム脱離後の結晶格子体積
また、高温においては非水電解質と正極界面との間で生成する反応物により、容量が劣化することも知られている。
例えば、特開2005−340056号公報(引用文献1)では、正極中に充放電に寄与しないAl2O3を入れて、容量劣化を抑制する試みがなされている。
また、特開2008−166207号公報(引用文献2)では、正極中に充放電に寄与しない無機物を入れて、正極活物質の分散性を上げることで、容量劣化を抑制する試みもなされている。
(i)LiFePO4のPサイトの一部をSiで置換するとともに、Feサイトの一部を置換すること
(ii)XO4(X=P、Si)を構成する4個のX−Oの結合中、最短のX−O結合の距離と最長のX−O結合の距離との関係(最短のX−O結合距離/最長のX−O結合距離)が、0.95以下であること
でリチウム含有金属酸化物の体積変化率を抑制でき、その結果、充放電による容量劣化を抑制できることを見出し、本発明に至った。
LiFe1-xMxXO4 …(1)
(但し、式中、MはZr、Sn、Y、及びAlから選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0<x<1であり、XはP1-ySiyであり、yは0<y<1である)
で表される組成を有し、
前記一般式(1)中のXO4において、最短のX−O結合距離/最長のX−O結合距離の関係が0.95以下となる4個のX−Oの結合から構成されることを特徴とする正極活物質が提供される。
更に、本発明によれば、上記正極活物質を含む正極と、負極と、電解質と、セパレータとを有することを特徴とする非水電解質二次電池が提供される。
正極活物質が、5%以下の体積変化率を有するリチウム含有金属酸化物を含む場合、充放電サイクルの繰返しによる容量劣化をより抑制できる。
正極活物質は、MがZrである組成を有する場合、充放電サイクルの繰返しによる容量劣化をより抑制できる。
正極活物質が、0.15≦y<0.50の範囲のyで規定される組成を有する場合、充放電サイクルの繰返しによる容量劣化をより抑制できる。
正極活物質が、2x=yの組成を有する場合、充放電サイクルの繰返しによる容量劣化をより抑制できる。
(I)正極活物質
正極活物質は、下記一般式(1)
LiFe1-xMxXO4 …(1)
(但し、式中、MはZr、Sn、Y、及びAlから選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0<x<1であり、XはP1-ySiyであり、yは0<y<1である)
で表される組成を有するリチウム含有金属酸化物である。
(i)LiFePO4を構成するPの一部をSiで置換し、かつFeの一部を他の原子で置換することでリチウムの挿入及び脱離により生じる体積変化が抑制されること、言い換えると体積変化率(測定法は実施例に記載)を低減できること
(ii)一般式(1)中のXO4において、最短のX−O結合距離/最長のX−O結合距離の関係が0.95以下となる4個のX−Oの結合から構成される。この関係を有するXO4を含む正極活物質は、特に、リチウムの挿入及び脱離により生じる体積変化が抑制されること、言い換えると体積変化率を低減できること
を意外にも見い出した。そのため上記一般式(1)のリチウム含有金属酸化物は、充放電による膨張収縮が抑制されている。
また、XO4から構成される体積は1.85Å3より小さいことが好ましい。1.85Å3より小さいことで、より体積変化の少ないリチウム含有金属酸化物を提供できる。より好ましい体積は、1.70〜1.85Å3の範囲である。
一般式(1)の組成を有するほとんどのリチウム含有金属酸化物はオリビン型構造を有するが、オリビン型構造を有さない構成であってもよい。
体積変化率の抑制効果が大きいという観点から、Mは3価又は4価の金属元素であることが好ましく、4価のZrであることがより好ましい。
より具体的には、xの値が大きい(FeサイトのMでの置換量が多い)及び/又はyの値が大きい場合、体積変化率が小さくなり、放電容量が小さくなる傾向がある。従って、選択したMの種類と、所望する体積変化率及び放電容量と、からx及びyの値を決めることができる。
体積変化率を5%以下にする観点から、xは0.1≦x≦0.25の範囲及び/又はyは0.2≦y≦0.5の範囲であることが特に好ましい。この範囲内であれば、電池とした場合の放電容量を大きく減少させることなく、リチウム挿入脱離時に生じる体積変化を抑制できる。
反対にxが大きいほど及び/又はyの値が大きいほど、初回容量が減少することがある。例えば、FeをZrで置換する場合、100mAh/g以上の初回容量を得る観点から、xは0.35以下及び/又はyは0.7以下であることが好ましく、110mAh/g以上の初回容量を得る観点から、xが0.3以下及び/又はyは0.6以下であることがより好ましく、120mAh/g以上の初回容量を得る観点から、xが0.25以下及び/又はyは0.5以下であることが更に好ましい。
FeをYで置換する場合、100mAh/g以上の初回容量を得る観点から、xは0.35以下及び/又はyは0.35以下であることが好ましく、110mAh/g以上の初回容量を得る観点から、xが0.3以下及び/又はyは0.3以下であることがより好ましく、120mAh/g以上の初回容量を得る観点から、xが0.25以下及び/又はyは0.25以下であることが更に好ましい。
Feを3価の金属原子で置換し、Feが全て2価である場合は、電気的中性を保つためにSiはFeの置換量と同量とできる。この場合、体積変化率を4%以下とする観点から、置換量としてはそれぞれ、Alでは0.35以上が好ましく、Yでは0.2以上が好ましい。
LiFe1-xZrxP1-ySiyO4(0.075≦x≦0.25、0.15≦y≦0.5)
LiFe1-xSnxP1-ySiyO4(0.075≦x≦0.25、0.15≦y≦0.5)
LiFe1-xYxP1-ySiyO4(0.0125≦x≦0.25、0.125≦y≦0.25)
LiFe1-xAlxP1-ySiyO4(0.0125≦x≦0.25、0.125≦y≦0.25)
LiFe1-x(Zr,Sn)xP1-ySiyO4
(0.075≦x≦0.25、0.15≦y≦0.5、ZrとSnの原子比1:1〜100:1)
LiFe1-x(Zr,Y)xP1-ySiyO4
(0.075≦x≦0.25、0.15≦y≦0.5、ZrとYの原子比1:1〜100:1)
LiFe1-x(Zr,Al)xP1-ySiyO4
(0.075≦x≦0.25、0.15≦y≦0.5、ZrとAlの原子比1:1〜100:1)
LiFe1-x(Sn,Y)xP1-ySiyO4
(0.075≦x≦0.25、0.075≦y≦0.5、SnとYの原子比1:100〜100:1)
LiFe1-x(Sn,Al)xP1-ySiyO4
(0.075≦x≦0.25、0.075≦y≦0.5、SnとAlの原子比1:100〜100:1)
LiFe1-x(Y,Al)xP1-ySiyO4
(0.075≦x≦0.25、0.075≦y≦0.25、YとAlの原子比1:100〜100:1)
が挙げられる。
リチウム含有金属酸化物は、原料として、各元素の炭酸塩、水酸化物、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩等の組合せを用いることにより製造できる。原料には水和水が含まれていてもよい。製造方法としては、焼成法、固相法、ゾルゲル法、溶融急冷法、メカノケミカル法、共沈法、水熱法、噴霧熱分解法等の方法を用いることができる。これら方法の内、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)下での焼成法(焼成条件は、400〜650℃で1〜24時間)が簡便である。
正極活物質は、導電性を向上するために、その表面が炭素で被覆されていてもよい。被覆は、正極活物質全面でもよく、一部でもよい。
被覆する炭素の割合は、正極活物質100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.5重量部未満の場合、炭素を被覆する効果が十分に得られないことがある。10重量部より多い場合、電池の容量が低下することがある。より好ましい割合は、1〜5重量部の範囲である。
非水電解質二次電池は、正極と負極と非水電解質とセパレータとを有する。以下、各構成材料について説明する。
(a)正極
正極は、正極活物質と導電材とバインダーと集電体とを含み、例えば、活物質と導電材とバインダーとを有機溶剤と混合したスラリーを集電体に塗布する等の公知の方法によって作製できる。
導電材としては、アセチレンブラック、カーボン、グラファイト、天然黒鉛、人造黒鉛、ニードルコークス等を用いることができる。
有機溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
正極の厚さは、0.01〜20mm程度が好ましい。厚すぎると導電性が低下し、薄すぎると単位面積当たりの容量が低下するので好ましくない。なお、塗布並びに乾燥によって得られた正極は、活物質の充填密度を高めるためローラープレス等により圧縮してもよい。
負極は公知の方法により作製できる。具体的には、正極の作製法で説明した方法と同様にして作製できる。つまり、正極の作製法で説明した公知の結着剤と公知の導電材とを負極活物質と混合した後、この混合粉末をシート状に成形し、当該成形体をステンレス、銅等の導電体網(集電体)に圧着すればよい。また、上記混合粉末を正極作製法で説明した公知の有機溶剤と混合して得られたスラリーを銅等の金属基板上に塗布することにより作製することもできる。
負極活物質としては公知の材料を用いることができる。高エネルギー密度電池を構成するためには、リチウムの挿入/脱離する電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものが好ましい。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状等)の天然もしくは人造黒鉛のような炭素材料である。
また、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物、酸化シリコン等も負極活物質として使用可能である。これらの中で、Li4Ti5O12は電位の平坦性が高く、かつ充放電による体積変化が小さいためより好ましい。
非水電解質としては、例えば、有機電解液、ゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いることができる。非水電解質を注入した後に二次電池の容器の開口部を封止する。封止の前に通電し発生したガスを取り除いてもよい。
有機電解質を構成する有機溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン等のラクトン類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられ、これらの1種以上を混合して用いることができる。
また、PC、EC及びブチレンカーボネート等の環状カーボネート類は高沸点溶媒であるため、GBLとの混合する溶媒として好適である。
セパレータとしては、多孔質材料又は不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、上述した、電解質中に含まれる有機溶媒に対して溶解したり膨潤したりしないものが好ましい。具体的には、ポリエステル系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)、エーテル系ポリマー、ガラスのような無機材料等が挙げられる。
(e)他の部材
電池容器のような他の部材についても従来公知の非水電解質二次電池に使用される各種材料を使用でき、特に制限はない。
非水電解質二次電池は、例えば、正極と負極と、それらの間に挟まれたセパレータとからなる積層体を備えている。積層体は、例えば短冊状の平面形状を有していてもよい。また、円筒型や扁平型の電池を作製する場合は、積層体を巻き取ってもよい。
積層体は、その1つ又は複数が電池容器の内部に挿入される。通常、正極及び負極は電池の外部導電端子に接続される。その後に、正極、負極及びセパレータを外気より遮断するために電池容器を密閉する。
〔実施例1〕
まず、サンプル瓶に溶媒としてエタノールを40ml量りとった。出発原料にリチウム源としてLiCH3COOを1.3196g量りとり、鉄源としてFe(NO3)3・9H2O、ジルコニウム源としてZrCl4、リン源としてH3PO4(純度85%)、シリコン源としてSi(OC2H5)4をそれぞれモル比でLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.9:0.1:0.8:0.2となるように量りとり、溶媒中に順に溶解させていった。すべての原料を溶媒に溶解後、室温でスターラーにて1週間攪拌し、次いで、40℃の大気雰囲気下の恒温槽内にて24時間放置することでエタノールを蒸発させて、茶褐色の粉末を得た。
試料A1をメノウ乳鉢にて粉砕し、理学社製X線解析装置MiniFlexIIにより図1に示す粉末X線回折パターンを得た。測定条件は2θの範囲が10°〜90°、1ステップ0.02°で1ステップ当りの計測時間を3sのFTモードとした。
次に、得られた粉末X線回折パターンについて、「RIETAN−2000」(F.IzumI AND T.Ikeda,Mater.Sci.Forum,321−324(2000)198−203)を用いて、表1に示すパラメータを初期値として使用するリートベルト解析による構造解析を行った。
まず、サンプル瓶に溶媒としてエタノールを40ml量りとった。出発原料にリチウム源としてLiCH3COOを1.3196g量りとり、鉄源としてFe(NO3)3・9H2O、ジルコニウム源としてZrCl4、リン源としてH3PO4(純度85%)、シリコン源としてSi(OC2H5)4をそれぞれモル比でLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.9:0.1:0.8:0.2となるように量りとり、溶媒中に順に溶解させていった。すべての原料を溶媒に溶解後、室温でスターラーにて1週間攪拌し、次いで、40℃の大気雰囲気下の恒温槽内にて24時間放置することでエタノールを蒸発させて、茶褐色の粉末を得た。
まず、サンプル瓶に溶媒としてエタノールを40ml量りとった。出発原料にリチウム源としてLiNO3を1.3196g量りとり、鉄源としてFe(NO3)3・9H2O、ジルコニウム源としてZrOCl2、リン源としてH3PO4(純度85%)、シリコン源としてSi(OC2H5)4をそれぞれモル比でLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.85:0.15:0.7:0.3となるように量りとり、溶媒中に順に溶解させていった。すべての原料を溶媒に溶解後、室温でスターラーにて1週間攪拌し、次いで、40℃の大気雰囲気下の恒温槽内にて24時間放置することでエタノールを蒸発させて、茶褐色の粉末を得た。
まず、サンプル瓶に溶媒としてエタノールを40ml量りとった。出発原料にリチウム源としてLiCH3COOを1.3196g量りとり、鉄源としてFe(NO3)3・9H2O、リン源としてH3PO4(純度85%)を使用し、それぞれモル比でLi:Fe:P=1:1:1となるように量りとり、溶媒中に順に溶解させていった。すべての原料を溶媒に溶解後、室温でスターラーにて1週間攪拌し、次いで、40℃の大気雰囲気下の恒温槽内にて24時間放置することでエタノールを蒸発させて、茶褐色の粉末を得た。
まず、サンプル瓶に溶媒としてエタノールを40ml量りとった。出発原料にリチウム源としてLiCH3COOを1.3196g量りとり、鉄源としてFe(NO3)3・9H2O、ジルコニウム源としてZrCl4、リン源としてH3PO4(純度85%)、シリコン源としてSi(OC2H5)4をそれぞれモル比でLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.95:0.05:0.9:0.1となるように量りとり、溶媒中に順に溶解させていった。すべての原料を溶媒に溶解後、室温でスターラーにて1週間攪拌し、次いで、40℃の大気雰囲気下の恒温槽内にて24時間放置し、茶褐色の粉末を得た。
まず、サンプル瓶に溶媒としてエタノールを40ml量りとった。出発原料にリチウム源としてLiCH3COOを1.3196g量りとり、鉄源としてFe(NO3)3・9H2O、ジルコニウム源としてZrCl4、リン源としてH3PO4(純度85%)、シリコン源としてSi(OC2H5)4をそれぞれモル比でLi:Fe:Zr:P:Si=1:0.75:0.25:0.5:0.5となるように量りとり、溶媒中に順に溶解させていった。すべての原料を溶媒に溶解後、室温でスターラーにて1週間攪拌し、次いで、40℃の大気雰囲気下の恒温槽内にて24時間放置し、茶褐色の粉末を得た。
各試料について以下の方法で、体積変化率測定用のセルを作製した。
A1〜A3及びB1〜B2(B3は単相が得られていないので測定せず)をそれぞれ約1g秤量しメノウ乳鉢にて粉砕し、これに導電材として約10wt%のアセチレンブラック(電気化学工業社製デンカブラック)と、結着剤として約10wt%のフッ素系樹脂粉末(クレハ社製KFポリマー)とを混合した。
50mlのビーカーに、1モル/リットルのLiPF6を溶解させた50体積%のエチレンカーボネートと50体積%のジエチルカーボネートとからなる約30mlの電解質を注入した。電解質に、正極と、負極活物質としての金属リチウムを対極として浸漬することで、セルを得た。
セルを更に、0.1mAの電流で4Vまで充電を行い、リチウムを脱離させた状態とした。この状態の正極を取り出しCuKα線を用いた粉末X線回折測定を行い、リチウム脱離前後の正極活物質の格子定数(a軸、b軸及びc軸)を求めた。
充電前後の格子定数、格子体積及び体積変化率を表3に示す。
得られた試料について以下の方法で、二次電池を作成した。A1〜A3及びB1〜B2(B3は単相が得られていないので測定せず)をそれぞれ約1g秤量しメノウ乳鉢にて粉砕し、これに導電材として約10wt%のアセチレンブラックと、結着剤として約10wt%のフッ素系樹脂粉末とを混合した。
この混合物をN−メチル−2−ピロリドンに溶解してスラリー状にし、これを厚さ20μmのアルミニウム箔の両面にドクターブレード法で塗布した。塗布量としては約5mg/cm2となるようした。この塗膜を乾燥した後に、プレスを行って正極を作製した。
上記のようにして作製した正極と負極をそれぞれ30mm×30mmの大きさに切り抜き、電池の電流導入端子として正極には幅3mm、長さ50mmのアルミニウム製タブを、負極には幅3mm、長さ50mm銅製タブを溶接した。
開口部に1モル/リットルのLiPF6を溶解させた50体積%のエチレンカーボネートと50体積%のジエチルカーボネートとを電解質として含浸させた。次いで、開口部を封止して図3に示す二次電池を得た。図3は二次電池の概略断面図である。図3中、1は正極、2は負極、3はセパレータ、4は正極及び負極タブ、5はラミネートを意味する。
容量保持率=100回目の放電容量/初回の放電容量
2:負極
3:セパレータ
4:正極及び負極タブ
5:ラミネート
Claims (9)
- 下記一般式(1)
LiFe1-xMxXO4 …(1)
(但し、式中、MはZr、Sn、Y、及びAlから選択される少なくとも1種の金属元素であり、xは0<x<1であり、XはP1-ySiyであり、yは0<y<1である)
で表される組成を有し、
前記一般式(1)中のXO4において、最短のX−O結合距離/最長のX−O結合距離の関係が0.95以下となる4個のX−Oの結合から構成されることを特徴とする正極活物質。 - 前記正極活物質が、1.85Å3より小さい体積のXO4を含む請求項1に記載の正極活物質。
- 前記正極活物質が、5%以下の体積変化率を有する請求項1又は2に記載の正極活物質。
- 前記正極活物質は、MがZrである組成を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の正極活物質。
- 前記正極活物質が、0.075≦x<0.25の範囲のxで規定される組成を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の正極活物質。
- 前記正極活物質が、0.15≦y<0.50の範囲のyで規定される組成を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の正極活物質。
- 前記正極活物質が、2x=yの組成を有する請求項1〜6のいずれか1つに記載の正極活物質。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の正極活物質と、導電材と、バインダーとを含むことを特徴とする正極。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の正極活物質を含む正極と、負極と、電解質と、セパレータとを有することを特徴とする非水電解質二次電池。
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