JP2009176126A - バーコード生成システムおよびバーコード生成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザの使用環境の変化によらず、常に使用環境に合った適正なバーコードを生成する。
【解決手段】バーコードを印刷するためのバーコード構成情報を生成するバーコード生成システム900は、バーコード用の黒バーおよび白バーを、それぞれ複数の異なるドット数の幅で印刷したテストチャート600を読み取ったイメージに基づいて、黒バーおよび白バーの幅を測定し、この測定結果に基づいて、印刷後のバーコードの黒バー幅と白バー幅が規定の大きさとなるように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求める。その後、ユーザの使用環境が変わったとき、警告を発して、ユーザに対してテストチャートの印刷および測定に基づく再度のバー幅補正を促す。
【選択図】図9
【解決手段】バーコードを印刷するためのバーコード構成情報を生成するバーコード生成システム900は、バーコード用の黒バーおよび白バーを、それぞれ複数の異なるドット数の幅で印刷したテストチャート600を読み取ったイメージに基づいて、黒バーおよび白バーの幅を測定し、この測定結果に基づいて、印刷後のバーコードの黒バー幅と白バー幅が規定の大きさとなるように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求める。その後、ユーザの使用環境が変わったとき、警告を発して、ユーザに対してテストチャートの印刷および測定に基づく再度のバー幅補正を促す。
【選択図】図9
Description
本発明は、記録ヘッドを用いて画像の記録を行う印刷装置およびこの印刷装置でバーコードを印刷するためのデータを生成するバーコード生成システムに関する。
一般に、インクジェット記録ヘッドを用いたバーコード生成システムでは、さまざまなメディアに対して非接触で画像を形成することができるという利点がある一方、紙面上でインク滴が滲む現象により、バーコードの黒バーが太くなり、それに隣り合う白バー(すなわち白スペース)が細くなる傾向にある。本来、バーコードは黒バーと白バーは同じ幅である必要がある為、このバーの太り細りはバーコードの読取り精度に大きく影響を与え、時には読取り不可能なバーコードになってしまうという問題があった。
この問題を解決するために、予めドットの滲みを見越してバーコードの白バーを大きくした構成にするバーコード補正方法や、黒バー部分を滲みにくくする方法が提案されている(特許文献1)。
また、このインクの滲む度合いは紙の素材に大きく起因する為、紙の種類(紙種)によってバーコードが読めなくなるという問題もあった。
この問題に対しては、紙の種類ごとに黒バーと白バーのドット数を予めテーブルとして用意することにより紙種の違いをカバーする技術が提案されている(特許文献2)。
さらに、インクの滲み具合に関わる要因は紙の素材だけでなく、インクの種類や記録ヘッドの個体差、使用環境など様々な要因が関与し合っており、これら使用条件の違いによってもバーコードが読めなくなる場合があるという問題もあった。
この問題に対しては、補正値の異なるバーコードを幾つも作成して実際に印刷し、バーコード検証機で読み取ることにより個々の使用環境に合ったバーコード生成を可能にする技術が提案されている(特許文献3)。
また、印刷結果を損なう恐れのある記録媒体を自動的に判別した場合、印刷動作は行わずに警告を発する方法も提案されている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献1記載のバーコード生成システムでは、ドットの滲み具合が予め判っている場合は有効な手段であるが、紙種の変更などに対応できないという課題が残っている。
また、特許文献2記載のバーコード生成システムでは、紙種が新規追加される度に、ソフトウエアのバーコード補正テーブルも追加修正しなければならない課題があった。さらに、特許文献3記載のバーコード生成システムでは、実際に使用するバーコードの条件、つまりEAN128やCODE39などのバーコード種類や、バーコード化する数値の桁数やサイズなどの各パラメータに対して補正値を微調整した非常に多くのバーコードを作成して印刷し、検証機による読取り結果を比較する手法であり、適正なバーコード条件を決定する為には印刷に使用する用紙や時間を多く浪費するという課題があった。
1パスで印刷を行うインクジェットプリンタにおいては、吐出されたインクの主滴から切り離されたサテライトによって、同じドット幅でバーコードを構成しようとしても搬送方向に対して並行に構成した場合と、垂直に構成した場合のバー幅が異なってしまう為、各バーコード種類に対して一様な補正値ではバーコードの方向によって本来行うべき補正値とはずれてしまう恐れもあった。
さらに幅の細いバーコード印刷においては、幅の大きいバーコードと比較して許容される寸法が非常に小さく、少しのドット大きさズレや形状の変化、使用環境や印刷用紙の変化でバーコードの品質が大きく悪化してしまうという課題もあった。その為、特に細い幅のバーコードを印刷しようとした場合において、従来の条件と滲み率が大きく異なる用紙が追加されると、補正範囲を広げた検証用バーコードをさらに追加する必要があり、検証パターンのメンテナンス面での課題もあった。その際、ユーザにとってはどの用紙がどのような特性をもつ紙なのか、またどの程度の環境変化がバーコード品位に変化をもたらすのか事前に知っておかないと、たとえ補正の手段を多く用意していたとしても実際に対応することは非常に困難である。
また、特許文献4のように印刷品位が低下する可能性のある用紙を検知した場合において印刷を停止して警告を発するだけでは、ユーザが所望する使用環境におけるバーコード印刷を行うことは困難である。さらに警告が出た場合に再調整する印刷条件をあらかじめ複数用意する手法では上記に述べた通り、すべての使用環境に対して適切に対応するのは現実的には困難であるといえる。
このようにインクジェットプリンタにおいて適切なバーコード印刷を行うにはさまざまな使用環境の変化を想定してユーザが所望する環境条件下にて適切なバーコード印刷を行えるよう補正を行う必要がある。
このような問題に対して、本出願人は特願2007−151371号として、バーコードの構成情報を補正する技術を開示した。この技術では、バーコード用の黒バーおよび白バーを、それぞれ複数の異なるドット数の幅で印刷するためのテストチャート画像(すなわちテストパターン)に基づいて、テストチャートを印刷し、この印刷されたテストチャートをイメージスキャナで読み取る。さらに、この読み取られたイメージを解析して、ドット数と実際の黒バー幅および白スペース幅との関係を示す補正テーブルを生成し、バーコードの種別や細バー幅等の情報に基づき、補正テーブルを参照して、当該バーコードを構成するバー要素の幅の補正値を求める。これにより、ユーザ個々の使用条件に合致した適切なバーコードの生成を、短時間且つ最小限のインクや用紙の消耗で実現することができるようになった。
ところでユーザ個々の使用条件は種々の要因によって変化しうる。したがって、一旦、補正テーブルを作成した後は、永続的にその補正テーブルを使用し続ければよいというものではない。
しかし、実際には、ユーザが補正テーブルの更新の必要性自体を認識していなかったり、認識していてもそのような変化要因の発生に気づかない場合がありうる。
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は、ユーザの使用環境の変化によらず、常に使用環境に合った適正なバーコードを生成することが可能なバーコード生成システムを提供することにある。
本発明によるバーコード生成システムは、バーコードを印刷するためのバーコード構成情報を生成するバーコード生成システムであって、バーコード用の黒バーおよび白バーを、それぞれ複数の異なるドット数の幅で印刷するためのテストチャートの画像データを記憶する手段と、前記テストチャートの画像データに基づいて特定の印刷装置で印刷されたテストチャートのイメージに基づいて、前記バーコード用の黒バーおよび白バーの幅を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果に基づいて、印刷後のバーコードの黒バー幅と白バー幅が規定の大きさとなるように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求めるバー幅補正手段と、ユーザの使用環境情報を取得する環境情報取得手段と、前記環境情報取得手段にて取得された環境情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段によって記憶された環境情報と現在の環境情報とを比較する比較解析手段と、解析結果によってユーザに対してテストチャートの印刷および測定に基づく再度のバー幅補正を促す警告手段とを備えたことを特徴とする。
前記測定手段により、ある印刷装置およびある種類の用紙等の条件下でテストパターンを印刷して得られたテストチャートから、さまざまなドット幅(指示値)で印刷したバー要素(黒バーおよび白バー)の実際の幅の実測値を得ることにより、その条件下での各バーのドット幅と実際の幅の関係が把握される。この関係から、例えば、5ドットで構成された黒バー幅と8ドットで構成された白スペース幅が、紙面上の実サイズとしては同じになる、というような事実が判明する。そこで、バー幅補正手段は、印刷後のバーコードの黒バー幅と白バー幅が規定の大きさとなるように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求めることができる。このバーコード補正値を用いて、当該条件下でバーコードを印刷すれば、バーコードの要素幅にドットの滲み等の幅変動要因があっても、適正な要素幅でのバーコードを印刷することが可能となる。さらに、使用環境情報を適宜取得することにより、所定の使用環境が変化したとき再度のバー幅補正をユーザに促す。
本発明によるバーコード生成プログラムは、バーコードを印刷するためのバーコード構成情報を生成するバーコード生成プログラムであって、バーコード用の黒バーおよび白バーを、それぞれ複数の異なるドット数の幅で印刷するためのテストチャートの画像データに基づいて特定の印刷装置で印刷されたテストチャートのイメージから、前記バーコード用の黒バーおよび白バーの幅を測定するステップと、この測定結果に基づいて、前記テストチャートに含まれないドット数の黒バー幅および白バー幅を前記測定結果に基づいて予測し、それぞれ導き出し、所定ドット数範囲内で1ドットきざみのドット数と前記黒バーおよび白バーの幅との関係を定めた補正テーブルを作成するステップと、バーコードの種類および基準となるバーの幅情報の入力を受け付けるステップと、前記受け付けたバーコードの種類および基準となるバーの幅情報に基づいて、前記補正テーブルを参照し、当該種類の印刷後のバーコードのすべての黒バーおよび白バーの幅が規定の大きさに一致または近づくように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求めるステップと、ユーザの使用環境情報を取得するステップと、取得された環境情報を記憶するステップと、記憶された環境情報と現在の環境情報とを比較するステップと、解析結果によってユーザに対してテストチャートの印刷および測定に基づく再度のバー幅補正を促すステップと をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、印刷装置の設置環境や装置の個体差、紙の種類などユーザ個々の使用環境に合致した適正なバーコードの生成が可能な適正バーコード生成システムにおいて、バーコード品位に大きな影響を与えるユーザの使用環境のさまざまな変化を検知し再補正を促すことでインクジェット印刷装置でのバーコード印刷の品位低下を未然に防止することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1に、本実施の形態におけるバーコードを印刷するためのバーコード構成情報を生成するためのバーコード生成システムの概略図を示す。このシステムは、情報処理装置100と、イメージスキャナ110と、印刷装置200とを備える。
本実施の形態における印刷装置200は、熱エネルギーを利用したインク吐出方式を採用したインクジェット印刷装置であり、記録媒体の一種としての用紙103を搬送する搬送ユニット106と、用紙103の搬送速度を検出するエンコーダ104と、テストパターンを記録するインクジェット記録方式の記録ユニット101で構成される。この記録ユニット101は、USBなどのインタフェースケーブル102を介して情報処理装置100と接続されている。情報処理装置100はパーソナルコンピュータ(PC)などの装置であり、この装置から印刷装置200に対して、テストパターンの転送やクリーニングなどの制御コマンドの転送が行われる。情報処理装置100には、その周辺装置の一つとして、後述するテストパターンを記録したテストチャートを光学的に読み取るためのテストチャート読み取り部としてのイメージスキャナ110が接続される。
記録ユニット101によるテストパターンの記録は、搬送ユニット106における用紙センサ(図示せず)からの用紙検出信号をトリガにして、エンコーダ104の用紙速度信号に同期しながら、搬送された用紙103に対してインク滴を吐出することにより行われる。記録内容は、任意であるが、図1の例では1次元バーコード105である。
なお、エンコーダ104を用いずに、記録ユニット101とは独立した搬送装置により用紙等の記録媒体をユーザが指定する任意の速度で搬送する構成であってもよい。
図2は、図1のシステムにおける情報処理装置100と印刷装置200の制御ハードウェアの構成例を示すブロック図である。
情報処理装置100は、中央処理装置(CPU)等により構成される制御部111を備え、この制御部111により記憶部112に格納されている制御プログラム(本発明のバーコード生成プログラムを含む)を実行し、各部を制御する。記憶部112は、ROM,RAM,HDD等を含みうる。表示部113はLCD,CRT等のディスプレイを含み、ユーザに対して表示画面上に情報を提示する。操作部114は、キーボード、マウス等を含み、ユーザからの操作や情報の入力を受け付ける。USBインタフェース115は、情報処理装置100を印刷装置200と接続するためのプリンタインタフェースの一例として示してある。但し、プリンタインタフェースはUSBに限るものではない。
印刷装置200の制御部201は、中央処理装置(CPU)202を備え、このCPU202により不揮発性メモリ(ROM)203に格納されている制御プログラムを実行し、各部を制御する。また、制御部201は、CPU202により各種データ処理のワークエリアや受信バッファとして使用されるメモリ(RAM)204や、制御回路209を介して、画像展開部として使用されるイメージメモリ205を備える。更に、CPU202は、制御回路209を介して、記録ユニット101内の複数の記録ヘッド214〜217を駆動するヘッド駆動回路210や、各記録ヘッドを記録に適した状態に保つためのクリーニング動作や記録動作を制御する各種モータ206を駆動するモータドライバ211、記録ヘッド下に給紙を行うための搬送制御I/F207の入出力インタフェース制御部(I/O)212を制御する構成となっている。本例では、図1内のエンコーダ104は搬送制御I/F207に含まれているものとする。
また、印刷装置200は、基本的に、外部装置である情報処理装置100から送信された画像データやクリーニングコマンドなどをインタフェースケーブル102を介して受信するUSBコントローラ208を有し、この受信した各種コマンドに従って動作する。
図3は、記録ユニット101で、バーコードのような黒バーと白バーにて構成されるパターンを記録した場合の概略図である。黒バーは黒インクで記録された直線要素であり、白バーは記録の空白部で構成される直線要素であり、白スペースともいう。この図において、ライン21,22,23の順で、記録を行ったものである。以下、バーコードの記録部である黒バーを単にバーと呼び、隣接する黒バーと黒バーの間の間隙(非記録部)である白スペースを単にスペースとも呼ぶ。図3の例では、ライン21により細バーを構成し、ライン22,23により太バーを構成している。
インクジェット印刷装置では、記録されるドットのサイズは、インクという液体を吐出させて画像を形成するという特性上、使用環境や記録ヘッドの個体差、インクの種類などの条件に依存するインクの吐出量と、用紙の素材に依存する滲み率によって変化する。通常、ある範囲内の使用環境を想定し、対記録媒体との関係から吐出量を設定し、インクのドットサイズを決定している。しかし、産業用途等の過酷な記録条件や設置環境、ヘッドの個体差、紙種などの影響で、にじみ、吐出量が変化する。その結果、図3にケース1、ケース2として示すように印刷されたドットサイズが変化することがある。ドットサイズが変化すると、ドット間のスペースが規定値に対し増減することとなり、その結果、バーコードの読取り不良や、最悪ケースでは読めなくなるといった場合が生じる。
また、仮に上記のようなにじみ方のばらつき要因がないとしても、インクをにじませて画像を形成している以上、同じドット数で黒バーと白スペースを形成しても両者は同じ幅にはならない。インクジェット印刷装置におけるバーコードの生成になんらかの補正が必要なのはこの為である。
図4はインクジェット印刷装置におけるサテライトが用紙に着弾するまでの時間経過に応じた状態を表した模式図である。記録ヘッド(ここでは記録ヘッド214)からインクが吐出されるとき、画像を形成するインクの主滴40が用紙103に着弾した後に、インク主滴40から遅れてインク主滴40の残りである副滴(サテライトともいう)41が用紙に着弾する。この副滴41は主滴40よりもサイズが小さい。記録ヘッド214に対して相対的に用紙103が一方向(図の→方向)に搬送されるとき、副滴41は主滴40の着弾に対して必ず用紙搬送方向の後ろ側に形成されてしまう。ここでは用紙の全幅に亘って並んだノズル列を有するライン型の記録ヘッド(いわゆるラインヘッド)を想定しているが、いわゆる用紙の搬送方向と直交する方向に主走査されるシリアル型の記録ヘッドにおいても同様のサテライトによる影響がありうる。すなわち、サテライトは主滴40の着弾に対して必ずヘッド走査方向の後ろ側に形成されてしまう。
図5(a)は、インクジェット印刷装置においてノズル列223に対して平行のバーを有するバーコードを構成した際に発生するサテライトの状態を図にしたものである。これはライン型の記録ヘッドに対して用紙をA方向に搬送した場合を示している。上述のように、サテライト41は主滴40の着弾に対して必ず用紙搬送方向の後ろ側に形成されてしまう為、用紙搬送方向に対して垂直(すなわちノズル列に対して平行)のバーで構成されるバーコードは、主滴ドット列221に隣接するサテライトドット列220の影響により黒バーの幅が白スペースの幅に対して極端に大きくなってしまうおそれがあった。図5(b)は、インクジェット印刷装置において用紙搬送方向に平行(すなわちノズル列223に対して垂直)のバーを有するバーコードを構成した際に発生するサテライトの状態を図にしたものである。図5(a)に場合に比べて図5(b)のバーコードは、サテライトドット列が主滴ドット列の線上に重なり、大半のサテライトは主滴ドット列に重なり相殺されてしまう。また、この場合のサテライトが主滴に対してずれる方向はバー幅に影響しない方向である。その為、サテライトが発生しても、黒バー幅が白スペース幅よりも極端に大きくなってしまうということはない。
このようにサテライトが発生するインクジェット印刷装置においてバーコードを印刷する場合は、バーコードの向きによっても黒バー幅と、白スペース幅が異なる為、それぞれの場合に対して適正なバーコードの生成を行う必要がある。
本発明は、このような問題に対応すべく、バーコードを構成するバー、スペースのドット数と実記録されたバーおよびスペースの幅との関係を簡単に得られるテストパターンを用い、その読取結果をもとにバーコードを補正することにより、記録環境が変化しても安定して読取り可能なバーコードを記録可能とした。
次に、本実施の形態による、バーコード補正値を決定するために用いるテストチャートおよび、バーコード幅の補正の方法について説明する。
基本的には、各分割エリア毎にテストパターンの記録および測定を行い、その測定結果に基づいて、印刷後のバーコードの黒バー幅と白バー幅が規定の大きさとなるように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求める。
図6および図7にそれぞれ、本実施の形態における、黒バーおよび白スペースの太り細りの状態が確認可能なテストパターンの構成例を示す。
図6のテストパターン600pは、黒バー群を含むポジ(正)のテストパターンであり、それぞれ、各バーがノズル列223に平行な方向(横方向)に延びる複数の黒バーからなる黒バー群601pと、ノズル列に垂直な方向(縦方向)に延びる複数の黒バーからなる黒バー群602pとを含む。この例では、いずれの黒バー群も3,4,5,6,10,15,20の各ドット数の7種類の異なるバー幅で構成されている。但し、バー幅は必ずしもこのような7種類が必要なわけではなく、このテストパターンにおける黒バー幅の種類は少なくとも2種類あればよい。ドット列603pの各ドットは孤立した単一ドット(黒ドット)により構成され、各ドット径の確認等に利用されるものであるが、本実施の形態における動作には直接関係しない。
図7のテストパターン600nは、白スペース群を含むネガ(負)のテストパターンであり、それぞれ、各バーがノズル列223に平行な方向に延びる複数の白バーからなる白バー群601nと、ノズル列に垂直な方向に延びる複数の白バーからなる白バー群602nとを含む。この例では、いずれの白バー群も3,4,5,6,10,15,20の各ドット数の7種類の異なるバー幅で構成されている。白バーについても、バー幅は必ずしもこのような7種類が必要なわけではなく、このテストパターンにおける白バー幅の種類は少なくとも2種類あればよい。ドット列603nの各ドットは孤立した単一ドット(白ドット)により構成され、各ドット径の確認等に利用されるものであるが、本実施の形態における動作には直接関係しない。
図6、図7で説明したテストパターン600p、600nを記録したテストチャート600(後述する図9)は、実際にバーコードの印刷に使用される用紙に印刷されたテストチャートの面上の各バーの幅を実測することにより、印刷されたドット数と紙面上の実バー幅の関係を掌握することができる構成である。つまり、実際の使用条件(装置、環境、用紙)で本発明のテストチャートを印刷すれば、記録ヘッドの個体差に起因する吐出量の違いや、用紙の種類に起因する滲み率の違いを考慮した実バー幅を知ることができ、その実バー幅に応じて黒バー/白スペースのサイズを補正したバーコードを生成することが可能である。テストチャートを読み取って得られるイメージの解析手法に関しては後述する。
本例の7種類のバー幅(ドット数3、4、5、6、10、15、20)のように、テストチャートを比較的多くの種類のドット幅で構成する場合は、図示のように比較的細い幅のバーを構成するドット数をより多く入れ込むのが望ましい。実際のバーコードの寸法許容値はバーが細いものほど寸法許容範囲が小さく、少しの寸法のずれでも品質低下が発生する恐れがある。一方、バーが太いものほど寸法許容範囲が大きい為、寸法がある程度ずれていても読取ランクに影響はない。よって、テストパターンに複数種類のドット列を入れる場合は細いドット列を多く入れることにより、細いバーコードの生成精度をアップさせ、バーコードの品質をより高めることが可能となる。
用紙の大きさによって複数の種類のテストチャートを有する場合も、バーの占有面積の見地からも、太い幅のドット列よりも細い幅のドット列の数を優先して配置する方が有利である。バーコードの寸法許容値は細いものほど寸法許容が小さく、少しの寸法のずれでも品質低下が発生する恐れがある。一方、太いものほど寸法許容が大きくなっている為、寸法がある程度ずれていてもランクに影響はない。よって、テストチャートに複数種類のドット列を入れる場合は細いドット列を多く入れることにより、細いバーコードの生成精度をアップさせ、バーコードの品質をより高めることが可能となる。
用紙の大きさによって複数の種類のテストチャートを持つ場合も、上記の理由から太い幅のドット列よりも細い幅のドット列の数を優先して配置した方が望ましい。
図8は、本実施の形態におけるバーコード生成システムの外観構成例を示す。
図6、図7に示したようなテストパターンを記録したテストチャート600を得るためには、情報処理装置100の記憶部112に格納された、テストパターンに対応するテストチャート画像データ806が、情報処理装置100からインタフェースケーブル102を介して印刷装置200に転送される。印刷装置200における記録ユニット101(図1)によるテストチャート600の記録は、前述したように、実際の使用条件(印刷装置、記録環境、使用用紙種類等)と同じ条件下で行うことによって、最大限の効果が得られる。また、印刷装置200には記録ヘッドの識別情報(ID)が書き込まれており、その情報はインタフェースケーブル102を介して情報処理装置100に取得される。同様に、印刷装置内部に備え付けられている温度センサによる印刷装置の環境温度や、タイマーによる電源OFF時間(最終使用時点からの経過時間)、プリンタドライバによって選択された使用用紙種類の情報も情報処理装置100に転送される。
用紙上に記録出力されたテストチャート600はイメージスキャナ110にセットされて読み取られる。情報処理装置100はこの読み取られたイメージ情報をインタフェースケーブル805を介して受信し、制御部111(図2)が、テストチャート600の各幅のバー要素の記録による実バー幅情報を得る。制御部111はまた、バー幅補正部として、この実バー幅情報に基づいて後述するバーコード補正値1100を生成し、記憶部112に格納する。記憶部112には、後述する補正テーブル1200も記憶される。バー幅補正部は、バーコードの種類および基準となるバーの幅情報の入力を受け付ける手段を有し、この受け付けたバーコードの種類および基準となるバーの幅情報に基づいて、補正テーブルを参照し、当該種類の印刷後のバーコードのすべての黒バーおよび白バーの幅が規定の大きさに一致または近づくように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数を選定する。
図9は、本実施の形態のバーコード生成システム900の機能ブロック図を示す。このシステムは情報処理装置100と印刷装置200とにより構成される。
印刷装置200には印刷をおこなう為の記録ヘッド902(図2の214〜217に対応)の他、図2には明記しなかったが、印刷装置内部の環境温度を取得する温度センサ915、設定された用紙種類の情報を取得する用紙情報取得部916、タイマー917が内蔵されている。用紙情報取得部916は例えばプリンタドライバにより構成されうる。印刷装置200によって印刷されたテストチャート600はイメージスキャナ110によって情報処理装置100内に取り込まれる。テストチャート600の読み取り結果に基づき、解析部905によって各バーのドット数と幅の測定がおこなわれ、最終的に1ドットおきのドット幅が黒バー、白スペース、各方向ごとに作成され記憶部112に記憶される。
印刷装置200内には印刷装置の環境温度を測定する温度センサ915が設けられている。テストチャート作成時において、この温度センサによって取得された環境温度が記憶部112に記憶される。同様に、用紙情報取得部916による用紙設定の情報や、印刷装置200内のタイマーによって測定された電源OFF時間も記憶部112に記憶される。
バーコード入力部910によって入力された条件に基づいて、記憶部内にある補正テーブル1200から条件にあった黒バー、白スペースのドット数を参照し、バーコード生成部909によってバーコードの生成を行い、その結果を出力する。バーコードの生成はビットマップとして完成されたバーコードでもよいし、バーコードの構成情報でもよい。
バーコード入力部910によって バーコードの条件を入力し、バーコードの生成を行う際、環境情報取得部における各条件と、記憶部112に記憶されている補正テーブル1200を作成した時のヘッドID、用紙種類、環境温度、電源OFF時間等の使用環境情報908を比較解析部911によって比較し、いずれかが異なる場合において警告部911によってユーザに対してテストチャートの再解析を促す。
図10は、テストチャート600の読取および解析から得られた、ドット数と黒バー幅および白スペース幅との関係を示す測定結果テーブル1000を例示したものである。ノズル列に平行な黒バーおよび白スペースの測定結果と、ノズル列に垂直な黒バーおよび白スペースについての測定結果とを含む。このデータは、テストチャート600をイメージスキャナ110で読み取ることにより得られた画像データ上の、指示値としての各バー幅のドット数(整数)に対して、実際に紙面上に着弾し滲んだ黒バー幅および白スペース幅の実バー幅(単位はマイクロメートル)を測定することによって得られた結果を示している。したがって、測定結果テーブル1000は実際の異なる使用条件毎に作成される。ここでは、上述した例に対応して、3、4、5、6、10、15、20の各ドット数の測定結果が得られている。具体的には、例えば、6ドットで構成したノズル列方向に垂直な黒バー幅は、紙面上で295μmであり、同じ6ドットの白スペース幅は165μmになっていることが示されている。
図11(a)(b)は、テストチャートのバーおよびスペースの印刷時のドット数と、それに対応する実際の印刷結果のバーおよびスペースの幅の測定値をそれぞれグラフ化したものである。これはテストチャートから得られた各値から、テストチャートに含まれないドット数とバーおよびスペースとの関係を推測する為のものである。それぞれバーコードのバーの向きがノズル列に「平行」の場合と「垂直」の場合の測定結果を示している。この図から分かるように、同じドット数でもバーの方が白スペースより実サイズが大きい。また、「垂直」と「平行」では、バーの場合は「平行」の方が大きく、スペースの場合は「垂直」の方が大きくなっている。
このようなグラフの作成によりテストチャートに入れる黒バーと白スペースはグラフを作成する為の最小限のスペースで済むことになり、大きなバーコードを作成することまで考慮してテストチャートを大きく取る必要もなくなる。よって本実施の形態では20ドットまで作成したが、テストチャートに入れる黒バーおよび白スペースは上記グラフを描く為に少なくとも幅の違うものが2、3種類あればよい。もちろん印刷用紙のスペースに余裕がある場合は、精度を高める為により多くの種類で構成しても構わないが、前述した通り、複数のドット幅を構成する場合は細いドット幅の種類を増やして測定精度を高めることが望ましい。
なお、図10に示したデータは図11に示したグラフの結果と一致すべきものであるが、本例では便宜上、その整合を図ってはいない。
図12は、図11に示したグラフから推測したドット数と、黒バーおよび白スペースの関係を、所定ドット数範囲内(ここではドット数1ドットから25ドットまで)で1ドットきざみで記述した補正テーブル1200である。この例では3、4、5、6、10、15、20の各ドット数についての幅値が実測値で、それ以降は既知のデータを補間して得た推定値である。ノズル列に対して垂直な黒バーおよび白スペースのパターンについてのテーブルと、平行な黒バーおよび白スペースのパターンについてのテーブルを含む。
図13(a)(b)は、図8のバーコード補正値1100の例として、種類の異なるバーコードについてのバーコード構成情報を格納したバーコード構成情報テーブル1301,1302を示している。
1次元バーコードは、大きく分けてバイナリレベルとマルチレベルの2種類に分類できる。バイナリレベルのバーコードとは、2種類の幅の黒バーと2種類の幅の白スペースで構成されたバーコードであり、両種類の幅は1:2の比率で構成される。代表的なバーコードとしては、Code39、ITFなどがある。マルチレベルのバーコードとは、4種類の幅の黒バーと4種類の幅の白スペースで構成されたバーコードであり、全種類の幅は1:2:3:4の比率で構成される。代表的なバーコードとして、JAN、EAN128、Code128などがある。例えば、マルチレベルのバーコードを補正する場合、図11に示した黒バーと白スペースの補正テーブル1200から、実際の幅サイズが1:2:3:4となる黒バーの各ドット数を選び、且つ白スペースについては黒バーと実サイズ幅が同じとなるドット数を選ぶことによって、適正なバーコードの補正値を決定し、読取り品位の高い適正なバーコードを生成することが可能である。
以下、バイナリレベルのバーコードCode39及びマルチレベルのバーコードEAN128のノズル列に対して垂直に構成されるバーから構成されるバーコードの補正値決定方法を具体的に説明する。
図13(a)に示したバーコード構成情報テーブル1301は、規格上、細バー幅(NB)5ドットの場合のCode39の補正されたドット構成を示し、「垂直」「平行」の両方の向きについてのデータを有する。この補正ドット構成は次のようにして得られる。細バー幅5ドットは、図11に示した補正テーブル1200から、その黒バー幅は250μmである。細スペースは、細バーと同じ250μmとなるドット数を補正テーブル1200から探し出すことにより、8ドットと決定される。これにより、5ドットで構成された黒バー幅と8ドットで構成された白スペース幅が、紙面上の実サイズとしては同じになる。太バーおよび太スペースは、細太比1:2により、250μm×2=500μmに最も近い幅に対応するドット数を補正テーブル1200から探し出し、実際の黒バー幅が500μmに最も近い505μmである太バー11ドット、実際の白スペース幅が500μmに最も近い505μmである太スペース14ドットと決定される。これにより、バーコード読取り率の重要ファクターの一つである『細バー×2=太バー』および『黒バー幅=白スペース』という規格条件を紙面上の実サイズで保証することができる。
図13(b)に示したバーコード構成情報テーブル1302は、規格上、細バー幅(NB)4ドットの場合のEAN128の補正されたドット構成を示し、「垂直」「平行」の両方の向きについてのデータを有する。例えば「垂直」の場合、補正ドット構成は次のようにして得られる。細バー幅4ドットは、補正テーブル1200から実際の黒バー幅で210μmなので、1:2:3:4となる4値の各黒バーのバー幅は、計算上、それぞれ210μm、420μm、630μm、840μmである。そこで、上記と同様の手法で、図12の補正テーブル1200から各々のバー幅となるドット数は、4ドット、9ドット、14ドット、19ドットと決定される。同様に、210μm、420μm、630μm,840μmのスペース幅は、7ドット、12ドット、17ドット、22ドットと決定できる。これにより、バーコード読取り率の重要ファクターの一つである『1:2:3:4の比率』および『黒バー幅=白スペース』という規格条件を、紙面上の実サイズで保証することができる。「平行」の場合にも同様である。
情報処理装置100の記憶部112に、これらのバーコード構成情報テーブル1301,1302はバーコードの種別情報とともに保存される。
図14は、本実施の形態のバーコード生成システムの動作を説明する為の画面例を示している。
情報処理装置100上で実行されるバーコード生成アプリケーションの入力画面1400は、バーコードの種類を選択肢の中から選択するバーコード種類選択欄1401と、基準となるバーの幅情報としての細バー(ナローバー)のドット数を入力するドット数入力欄1402と、テストチャート600を読み取ることを指示する「チャート読込」ボタン1403と、少なくともバーコードの構成情報を生成するための「バーコード生成」ボタン1404と、用紙サイズを選択するための「用紙サイズ選択」ラジオボタン1405と、終了指示を受けるための「終了」ボタン1407とで構成される。
バーコード生成アプリケーションは、「チャート読込」ボタン1403がユーザにより指示されたとき、イメージスキャナ110にセットされたテストチャート600の記録出力を読み取り、読み取ったイメージに基づく各要素幅のドット数と実測値に基づいて図12に示したような補正テーブル1200を作成する。その後、「バーコード生成」ボタン1404が操作可能となる。「バーコード生成」ボタン1404がユーザにより指示されると、入力画面1400でユーザが指定したバーコード種類と細バーのドット数に合致した適正なバーコード補正値を求めて、バーコード構成情報画面1410を出力する。バーコード構成情報画面1410は、バイナリレベルのバーコードの場合は、バーの方向の選択結果に応じて、その細バー(ナローバー)1411、細スペース(ナロースペース)1413、太バー(ワイドバー)1412、太スペース(ワイドスペース)1414の各表示欄に適正な構成ドット数を表示する。「バーコード方向」選択メニュー1417でバーコードのバーの方向(ノズル列に垂直または平行)を選択することができる。バーコードの方向を選択させるのは、ノズル列に対して平行か垂直かで、同じドット数でもバー幅が異なることが多い為、バーコードの方向に対してもそれぞれ補正テーブルを持つようにしたからである。
「OK」ボタン1415により情報処理装置100内の記憶部112に当該バーコードの構成情報(適正な構成ドット数等)が記憶される。記憶された情報は以降のバーコード記録に利用される。また、バーコード構成情報画面1410上の各表示欄はユーザによる修正入力を受け付けるようにしてもよい。例えば、バーコードの品位は低下するが、バーコードの小サイズ化のためにユーザがドット幅を例えば1ドット小さくするような微調整入力を行えるようにしてもよい。また、「バーコード方向」選択メニュー1417を設けずに「垂直」「平行」の両方のデータを同時に表示するようにしてもよい。
なお、バーコード生成アプリケーションがバーコード記録機能を備えない場合には、バーコード構成情報画面1410はユーザが補正値を確認するために利用することができる。確認した後は、一般的なバーコード生成ソフトウェアのドット構成入力欄(図示せず)に、それらのバー幅およびスペース幅の値を設定することができる。その結果、読取り率の高い適正なバーコード生成が可能となる。
マルチレベルのバーコードの場合には、図示しないが同様のバーコード構成情報画面1410に、4値の各バー/スペースの表示欄に適正な構成ドット数を表示する。
同様にノズル列に対して平行なバーコードを生成する場合は、それに対応した補正テーブルを参照してバーコードの生成を行うことにより、バーコードの方向に対応したバーコードの生成を行うことが可能になる。
バーコードの方向については、両方向の処理を行って、バーコード構成情報画面1410ではいずれかの方向を選択して表示する構成とした。この変形例として、画面1400でバーコード方向の選択を受け付け、バーコード構成情報画面1410では選択されたバーコード方向のみの結果表示を行うようにしてもよい。
図15は、本実施の形態のバーコード生成システムによるバーコード生成フローを示す。このフローチャートの処理の実行手順を表すプログラムは記憶部112(図2)内に格納され、制御部111がこれを解釈実行することにより、この処理が実現される。後述する他の処理についても同様である。
本発明のバーコード生成フローは、ユーザの指示に応じて、実使用環境におけるテストチャートの印刷ステップ(S11)と、印刷したテストチャートをスキャナで読み取るステップ(S12)と、バーコード生成アプリケーションソフトウエア入力画面からバーコードの種類や細バーの条件の設定を受けるステップ(S13)と、ユーザによるバーコード生成ボタンの押下を受けるステップ(S14)と、指定した条件のバーコードが読取り可能な品位として生成可能かどうか判断するステップ(S15)と、生成したバーコードの読取り品位があるレベル以下になってしまう場合に、その旨をマーキングし、警告を発するステップ(S16)とから成る。
図16は、本実施の形態のバーコード生成システムにおける補正テーブル1200の作成までのより具体的な処理を表したフローチャートである。
図16の処理の前にユーザは所定の操作によりテストチャート600を印刷装置200で印刷しているものとする。ユーザにより印刷済みのテストチャートがイメージスキャナ110にセットされた状態で、「用紙サイズ選択」ラジオボタン1405での用紙サイズ選択操作を受け(S21)、「チャート読込」ボタン1403の押下に応じて(S22)、テストチャート600を読み取る(S23)。テストチャート600に印刷された各ドット数に対する黒バーおよび白スペースの幅(μm)をその読取イメージに基づいて測定し(S24)、測定結果テーブル1000(図10)の作成を行う(S25)。ついで、この測定結果テーブル1000からドット数とその幅の長さの関係式を求めグラフを作成する(S26)。さらにこのグラフから、1ドットきざみで各ドット数に対応する黒バー、白スペースの幅の値(μm)を算出し(S27)、ドット数と幅の補正テーブル1200(図12)を作成する(S28)。実測値があるドット数についてはグラフによらずそのまま利用してもよい。これで先に作成した測定結果テーブル1000の不足ポイントが補間された形で新たに補正テーブル1200が作成される。作成された補正テーブル1200は記憶部112に記憶され(S29)、実際のバーコード生成の際に使用される。また、「バーコード生成」ボタン1404(図14)が有効化される。さらに、このテーブル作成時の各使用環境情報を記憶する(S30)。
図17は、適正な補正が施されたバーコードを生成する際に、バーコード生成システム内で行う処理のフローチャートである。
ユーザによる任意のナローバーの選択もしくは入力を受け(S31)、さらにバーコード種類の選択を受け付ける(S32)。上述した変形例ではバーコードの方向の選択も受け付ける。ユーザによりバーコード生成ボタンが指示されると(S33)、前述した補正テーブル1200を参照し(S34)、バーコード種類、各方向に適した黒バー、白バーの適正なドット数を決定する(S35)。決定されたドット数は図14に示したようなバーコード構成情報画面1410上に表示される(S36)。
図18は、本実施の形態のバーコード生成システムにおいて、補正テーブル1200を作成した時点の使用環境が変化した場合において、ユーザに再補正を促す警告(ここではメッセージ)1801を画面1400上に出力した状態を示している。この警告を発する目的は、ユーザの使用環境の変化に応じて補正テーブルを更新することである。使用環境の変化を無視してそのままの補正テーブルを使い続けた場合、バーコード品位が低下する恐れがある。したがって、このようにユーザの使用環境の変化に合わせて、適切に補正テーブルを更新することにより常にバーコード品位が安定することになる。
図19は、環境変化の一例としてヘッドIDの変更が検出された場合におけるテストチャート再解析の警告を発する処理のフローチャートである。
バーコード生成システムを立ち上げて(S41)、環境情報取得部913(図9)により現在印刷装置に内蔵されている記録ヘッド902のヘッドIDを取得し(S42)、記憶部内に記憶されている補正テーブル作成時のヘッドID(使用環境情報908の一つ)と比較して変更があった場合、再解析が必要である旨の警告を発する(S44)。
ユーザが使用している印刷装置の記録ヘッドになんらかの不具合があった場合、記録ヘッドのみを交換する場合がある。その際、記録ヘッドから吐出されるインク滴の大きさは設計のばらつきの範囲内で変化する為、交換前に使っていた記録ヘッドと全く同じインク滴でインクが吐出されない場合が多々ある。その場合、交換前に使っていた補正テーブルが特に細い幅のバーコードにおいてずれてしまう恐れがある為、記録ヘッドが交換された場合(ヘッドIDが変化した場合)において、ユーザに対して再補正を促す警告を発することで、新しい記録ヘッドにおける適正な補正テーブルの作成を行い、バーコードの品質低下を未然に防ぐことが可能となる。
図20は、環境変化の一例として補正テーブル作成時と環境温度が大きく変化した場合におけるテストチャート再解析の警告を発する処理のフローチャートである。
バーコード生成システムを立ち上げ(S51)、環境情報取得部913により印刷装置200内の温度センサ915から温度を取得し(S52)、現在の環境温度の区分を決定する(S53)。この環境温度の区分が補正テーブル作成時の環境温度の区分と比較して異なる場合(S54,Yes)、1吐出当たりのインク吐出量が変化している可能性があることから再解析の警告を発する(S55)。
図21(a)は記録ヘッド902のインク吐出量と温度の関係の一例を表すグラフである。
インクジェット印刷装置における記録ヘッドのインク吐出量はある一定の温度領域内(30〜45℃)でほぼ一定範囲内に制御が可能である。このような温度領域を領域Bとする。この領域外の温度については吐出量を制御することはできず、温度によって吐出量は変化してしまう。領域Bの低温側を領域Aとし、高温側を領域Cとする。図21(b)は各領域と温度の範囲の対応関係を示したテーブル2100を示している。
このように補正テーブル作成時の環境温度領域と現在の環境温度領域が異なる場合、インク吐出量が変わることで、ドット数とバー幅の関係が補正テーブル作成時と異なる恐れがある。したがって新しい環境下においてチャートの再読み取りを行い、補正テーブル1200を作り直すことでバーコード品位の低下を未然に防ぐことが可能となる。
図22は、環境変化の一例として使用用紙種類の変更があった場合におけるテストチャート再解析の警告を発する処理のフローチャートである。
バーコード生成システムを立ち上げ(S61)、プリンタドライバから使用用紙情報を取得する(S62)、記憶部内に記憶されている補正テーブル作成時の用紙情報と比較して変更がある場合(S63,Yes)、用紙種類の変更によりインクのにじみ方に大きさ差が現れる可能性がある為、再解析の警告を発する(S64)。
一般的にインクジェット印刷装置は紙にインクを吐出させ、インク滴をにじませることによって画像を形成する。このにじみ方は用紙種類によって大きく変化する為、用紙種類の変更により以前印刷して読めたバーコードが、読めなくなる恐れがある。よってインクのにじみ方の変化によってバーコード品位の低下が起きないように、用紙種類変更がされた際にチャートの再読み取りを行い、新たな使用用紙種類にて補正テーブル1200を作成することで用紙種類変更におけるバーコード品位の低下を未然に防止することが可能になる。
図23は、環境変化の一例として、印刷装置の電源がOFFされた状態が一定期間以上であった場合におけるテストチャート再解析の警告を発する処理のフローチャートである。
バーコード生成システムを立ち上げ(S71)、印刷装置内部のタイマー917)から印刷装置本体の電源がOFFされた時間を取得する(S72)。この時間が一定期間(本例では30日)を経過した場合(S73,Yes)、放置によって本体内部の状態が変化している(インクの粘度、記録ヘッドの状態等)可能性がある為、再解析の警告を発する(S74)。
印刷装置の電源が連続して長時間OFFの状態にある場合には、新たな使用用紙種類にて補正テーブルを作成することで用紙種類変更におけるバーコード品位の低下を未然に防止することが可能になる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、記録ヘッドを固定し、用紙が移動することにより画像を形成する場合の印刷装置について述べたが、用紙が固定されて記録ヘッドが移動することにより画像を形成するタイプの印刷装置であってもよい。
バーコードは1次元バーコードについてのみ説明したが、2次元バーコードであてもよい。
100…情報処理装置
101…記録ユニット
103…用紙
105…1次元バーコード
106…搬送ユニット
110…イメージスキャナ
111…制御部
112…記憶部
113…表示部
114…操作部
200…印刷装置
201…制御部
205…イメージメモリ
206…各種モータ
208…コントローラ
209…制御回路
214〜217…記録ヘッド
600…テストチャート
600n…テストパターン
600p…テストパターン
806…テストチャート画像データ
900…バーコード生成システム
902…記録ヘッド
905…解析部
908…使用環境情報
909…バーコード生成部
911…比較解析部
913…環境情報取得部
915…温度センサ
916…用紙情報取得部
917…タイマー
1000…測定結果テーブル
1100…バーコード補正値
1200…補正テーブル
1301,1302…バーコード構成情報テーブル
1400…入力画面
1410…バーコード構成情報画面
101…記録ユニット
103…用紙
105…1次元バーコード
106…搬送ユニット
110…イメージスキャナ
111…制御部
112…記憶部
113…表示部
114…操作部
200…印刷装置
201…制御部
205…イメージメモリ
206…各種モータ
208…コントローラ
209…制御回路
214〜217…記録ヘッド
600…テストチャート
600n…テストパターン
600p…テストパターン
806…テストチャート画像データ
900…バーコード生成システム
902…記録ヘッド
905…解析部
908…使用環境情報
909…バーコード生成部
911…比較解析部
913…環境情報取得部
915…温度センサ
916…用紙情報取得部
917…タイマー
1000…測定結果テーブル
1100…バーコード補正値
1200…補正テーブル
1301,1302…バーコード構成情報テーブル
1400…入力画面
1410…バーコード構成情報画面
Claims (13)
- バーコードを印刷するためのバーコード構成情報を生成するバーコード生成システムであって、
バーコード用の黒バーおよび白バーを、それぞれ複数の異なるドット数の幅で印刷するためのテストチャートの画像データを記憶する手段と、
前記テストチャートの画像データに基づいて特定の印刷装置で印刷されたテストチャートのイメージに基づいて、前記バーコード用の黒バーおよび白バーの幅を測定する測定手段と、
前記測定手段の測定結果に基づいて、印刷後のバーコードの黒バー幅と白バー幅が規定の大きさとなるように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求めるバー幅補正手段と、
ユーザの使用環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境情報取得手段にて取得された環境情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶された環境情報と現在の環境情報とを比較する比較解析手段と、
解析結果によってユーザに対してテストチャートの印刷および測定に基づく再度のバー幅補正を促す警告手段と
を備えたことを特徴とするバーコード生成システム。 - 前記バー幅補正手段は、前記テストチャートに含まれないドット数について、当該バーが印刷された場合の黒バー幅および白バー幅を前記測定結果に基づいて予測して求める請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記テストチャートの印刷は、実際の使用条件と同じ条件下で行うことを特徴とする請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記バー幅補正手段は、前記テストチャートに印刷した黒バーおよび白バーの幅のドット数と前記黒バーおよび白バーの幅の実測値との関係に基づいて、ドット数と前記黒バーおよび白バーの幅とを対応づけた補正テーブルを生成する請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記バー幅補正手段は、バーコードの種類および基準となるバーの幅情報の入力を受け付ける手段を有し、前記受け付けたバーコードの種類および基準となるバーの幅情報に基づいて、前記補正テーブルを参照し、当該種類の印刷後のバーコードのすべての黒バーおよび白バーの幅が規定の大きさに一致または近づくように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数を選定する請求項4に記載のバーコード生成システム。
- 前記印刷装置はインクジェット記録方式を採用した印刷装置である請求項1〜5のいずれかに記載のバーコード生成システム。
- 前記黒バーは、縦方向に互いに平行に伸びる複数の黒バーと、横方向に互いに平行に伸びる複数の黒バーとを含み、前記補正テーブルおよびバーコード補正値は縦方向と横方向とで別個に生成することを特徴とする請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記テストチャートに記録される黒バーおよび白バーは、各々、少なくとも2種類の幅を有する請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記環境情報は、印刷装置の環境温度である請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記環境情報は、印刷装置の記録ヘッドの識別情報であることを特徴とする請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記環境情報は、印刷装置に使用される用紙種類である請求項1に記載のバーコード生成システム。
- 前記環境情報は、印刷装置の最終使用時点からの経過時間である請求項1に記載のバーコード生成システム。
- バーコードを印刷するためのバーコード構成情報を生成するバーコード生成プログラムであって、
バーコード用の黒バーおよび白バーを、それぞれ複数の異なるドット数の幅で印刷するためのテストチャートの画像データに基づいて特定の印刷装置で印刷されたテストチャートのイメージから、前記バーコード用の黒バーおよび白バーの幅を測定するステップと、
この測定結果に基づいて、前記テストチャートに含まれないドット数の黒バー幅および白バー幅を前記測定結果に基づいて予測し、それぞれ導き出し、所定ドット数範囲内で1ドットきざみのドット数と前記黒バーおよび白バーの幅との関係を定めた補正テーブルを作成するステップと、
バーコードの種類および基準となるバーの幅情報の入力を受け付けるステップと、
前記受け付けたバーコードの種類および基準となるバーの幅情報に基づいて、前記補正テーブルを参照し、当該種類の印刷後のバーコードのすべての黒バーおよび白バーの幅が規定の大きさに一致または近づくように、印刷時に設定されるべき黒バー幅と白バー幅のドット数をバーコード補正値として求めるステップと、
ユーザの使用環境情報を取得するステップと、
取得された環境情報を記憶するステップと、
記憶された環境情報と現在の環境情報とを比較するステップと、
解析結果によってユーザに対してテストチャートの印刷および測定に基づく再度のバー幅補正を促すステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするバーコード生成プログラム。
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