JP2009174088A - 紙塗工用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】不透明度及びその他の印刷特性が優れる印刷用紙を与える紙塗工用組成物を提供する。
【解決手段】顔料を含有するエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体エマルジョンからなり、顔料の50質量%以上は、平均粒子径が2.3μm未満で、イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウムであり、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体中のエチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は20質量%を超え34質量%未満であり、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体のメチルエチルケトン不溶解分が55質量%を超え95質量%以下であり、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体粒子の平均粒子径は115nm以下である、紙塗工用組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、機械的安定性が高く、表面強度、インキセット性、不透明度及び耐ブロッキング性が高い印刷用紙を与える紙塗工用組成物に関する。
近年、印刷技術のオフセット化、カラー化、高速化及び自動化が進展し、印刷用紙の物性の向上が、作業性及び印刷適性の観点から求められている。
平均粒子径が115nm以下であり、アクリロニトリルの含有量が10質量%以上であり、ゲルの含有量が80質量%以上である合成樹脂ラテックスと澱粉を含む塗工層が設けられた、古紙パルプ又はメカニカルパルプを含むオフセット印刷用新聞紙が検討された(例えば、特許文献1参照)。当該新聞紙のオフセット後の不透明度、インキセット性、印刷作業性及びカラー印刷性は優れている。
更に、顔料とバインダーを含有する塗工層が原紙の片面又は両面に設けられたオフセット印刷用塗工紙であって、当該塗工層に含有される顔料の90質量%以上が平均粒子径1.5μm以上であり、当該塗工層に含有される顔料の60質量%以上がアラゴナイト系柱状軽質炭酸カルシウムが凝集したイガグリ様形状の粒子であり、バインダーは、ゲル量が50〜85%、アクリロニトリル成分が5〜20質量%、平均粒子径が120nm以上の合成樹脂ラテックスである、オフセット印刷用塗工紙が検討された(例えば、特許文献2参照)。当該塗工紙の大豆油インキセット性及び大豆油インキ受理性が優れている。
最近、印刷用紙の不透明度の更なる向上が要求されるようになったが、有効な手段は見出されていなかった。
特開2007−254903号公報 特開2005−273109号公報
本発明が解決しようとする課題は、不透明度及びその他の印刷特性が優れる印刷用紙を与える紙塗工用組成物の提供である。
本発明は、顔料を含有するエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体エマルジョンからなり、顔料の50質量%以上は、平均粒子径が2.3μm未満で、イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウムであり、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体中のエチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は20質量%を超え34質量%未満であり、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体のメチルエチルケトン不溶解分が55質量%を超え95質量%以下であり、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体粒子の平均粒子径は115nm以下である、紙塗工用組成物である。
本発明の好ましい実施態様では、上記紙塗工用組成物に含まれる軽質炭酸カルシウム以外の顔料がカオリンである。
本発明の好ましい別の実施態様では、上記エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体がアクリロニトリル−ブタジエン共重合体である。
本発明の紙塗工用組成物は、表面強度、インキセット性、不透明度及び耐ブロッキング性が高い印刷用紙を与える。
本発明の紙塗工用組成物が顔料として含有するイガグリ様形状の軽質炭酸カルシウムは、特開昭59−232916号公報に記載された方法により製造される。つまり、炭酸ガスを含有する気体が、特定の結晶核炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムを含有する水懸濁液に導入され、炭酸化反応が行われる。当該イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウムは市販されており、その具体例は、(株)イメリスミネラルズ製オプティカルHP、(株)イメリスミネラルズ製オプティカルHBである。本発明の紙塗工用組成物が含有する顔料に対するイガグリ様形状の軽質炭酸カルシウムの含有割合は50質量%以上である。
本発明の紙塗工用組成物は、イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウム以外の無機化合物を顔料として含有し得る。イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウム以外の顔料の具体例は、カオリン、重質炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、シリカである。その中でもカオリンが好ましい。イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウム以外の1種又は2種以上の無機化合物が顔料として使用され得る。
本発明の紙塗工用組成物が含有するエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体エマルジョンは、エチレン性不飽和ニトリル単量体及び共役ジエン単量体を含む単量体混合物の乳化重合により得られる。エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に共重合されたエチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有割合は20質量%を超え34質量%未満、好ましくは24質量%以上、30質量%以下である。
エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−エチルプロペンニトリル、2−プロピルプロペンニトリル、2−クロロプロペンニトリル、2−ブテンニトリルである。1種又は2種以上のエチレン性不飽和ニトリル単量体が使用される。
共役ジエン単量体の具体例は、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンである。1種又は2種以上の共役ジエン単量体が使用される。
エチレン性不飽和酸単量体が、エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に共重合され得る。エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に共重合されたエチレン性不飽和酸単量体単位の含有割合は10質量%以下である。エチレン性不飽和酸単量体の具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のエチレン性不飽和者カルボン酸;フマール酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のエチレン性不飽和多価カルボン酸無水物;マレイン酸ブチル、イタコン酸ブチル等の多価カルボン酸の部分エステルである。1種又は2種以上のエチレン性不飽和酸単量体が使用される。
エチレン性不飽和ニトリル単量体及び共役ジエン単量体を含む単量体混合物の乳化重合は、従来の乳化重合法により実施される。乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、キレート剤、分散剤、pH調整剤、脱酸素剤、粒子径調整剤等の通常使用される重合副資材が、上記乳化重合において使用される。重合副資材の添加方法は特定の方法に限定されず、初期一括添加法、分割添加法、連続添加法のいずれの方法も採用される。
乳化剤は特定の化合物に限定されない。乳化剤の具体例は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤である。好ましい乳化剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤である。1種又は2種以上の乳化剤が使用される。単量体混合物100質量部に対する乳化剤の使用量は、好ましくは0.5〜10質量部であり、更に好ましくは1〜8質量部である。
重合開始剤は特定の化合物に限定されない。好ましい重合開始剤はラジカル開始剤である。ラジカル開始剤の具体例は、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素等の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル等のアゾ化合物である。特に好ましい重合開始剤は無機過酸化物又は有機過酸化物であり、より好ましい重合開始剤は無機過酸化物、特に過硫酸塩である。1種又は2種以上の重合開始剤が使用される。単量体混合物100質量部に対する重合開始剤の使用量は、好ましくは0.01〜2質量部であり、更に好ましくは0.05〜1.5質量部である。
分子量調節剤は特定の化合物に限定されない。分子量調節剤の具体例は、α−メチルスチレンダイマー;t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物である。好ましい分子量調節剤はメルカプタン類であり、より好ましい分子量調節剤はt−ドデシルメルカプタンである。1種又は2種以上の分子量調節剤が使用される。分子量調節剤の使用量は、エチレン性アクリル−脂肪族共役ジエン共重合体のメチルエチルケトン(MEK)不溶解分が所望の範囲となるように適宜決定される。単量体混合物100質量部に対する分子量調節剤の使用量は、好ましくは0.05〜2.0質量部であり、更に好ましくは0.1〜1.0質量部である。
乳化剤、重合開始剤及び分子量調節剤以外の重合副資材も特定の化合物に限定されず、その使用量も特定の範囲に限定されない。
エチレン性不飽和ニトリル単量体及び共役ジエン単量体を含む単量体混合物の乳化重合は、通常水中で実施される。重合温度は限定されないが、通常0〜95℃であり、好ましくは5〜70℃である。重合反応が停止された後、必要に応じて未反応単量体が除去され、固形分濃度及びpHが調整される。
本発明の紙塗工用組成物が含有するエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体のMEK不溶解分は55質量%を超え95質量%以下であり、好ましくは70〜90質量%である。
本発明の紙塗工用組成物は、澱粉、水溶性高分子、分散剤、重合禁止剤、老化防止剤を含有し得る。澱粉の具体例は、生澱粉、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン等のエーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等のエステル化澱粉、疎水基が共重合された澱粉、酵素変性澱粉である。水溶性高分子の具体例は、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性セルロース;アルギン酸、グアーガム、キサンタンガム、プルラン等の天然水溶性高分子誘導体;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の合成水溶性高分子類である。
本発明の紙塗工用組成物は、塗工機により原紙の片面又は両面に塗工される。塗工機の具体例は、ロールコーター、ブレードコーター、ドクターブレードコーターエアナイフコーターである。本発明の紙塗工用組成物は、カレンダー法、押出法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法等の方法により原紙の片面又は両面に塗工され得る。原紙に塗工された本発明の紙塗工用組成物は、乾燥され、必要に応じてカレンダー処理される。
本発明の紙塗工用組成物の塗工量は、原紙の片面当たりの乾燥質量で0.05〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜5g/m2であり、更に好ましくは0.15〜3g/m2である。当該塗工量が0.05g/m2未満では、不透明度及びその他の印刷特性が優れる印刷用紙が得られない。
本発明の紙塗工用組成物が塗工される原紙は、特定の紙に限定されない。当該原紙の具体例は、メカニカルパルプと他のパルプ原料との混合物又はメカニカルパルプから抄紙された原紙、故紙パルプから抄紙された原紙である。原紙の質量は特定の範囲に限定されない。当該質量は、通常30〜80g/m2である。
以下、実施例により本発明が詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
各種の物性は以下のように測定された。
(1)重合系内のアクリロニトリルの重合転化率
重合反応液の一部が採取され、未反応アクリロニトリルの量がガスクロマトグラフィー分析により測定された。アクリロニトリルの重合転化率が、未反応アクリロニトリルの量と仕込み時のアクリロニトリルの量から計算された。
(2)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体のMEK不溶解分
5質量%のアンモニア水溶液が、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体エマルジョンのpH8.5、固形分濃度30質量%となるように、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体エマルジョンに添加された。次いで、調整されたアクリロニトリル−ブタジエン共重合体エマルジョンが枠付きガラス板に流延され、温度23℃、相対湿度50%で48時間放置され、厚み1mmの乾燥フィルムが得られた。当該乾燥フィルム0.3gが80メッシュの金網かごに入れられ、次いで、20℃のメチルエチルケトン100mlに48時間浸漬された。その後、金網かごに残るフィルムが100℃で減圧及び乾燥され、フィルムの残存率が計算された。
(3)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体粒子の平均粒子径
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体エマルジョンの電子顕微鏡写真が撮影され、300個のラテックス粒子の粒子径の数平均値が求められた。
(4)炭酸カルシウムの平均粒子径
炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真が撮影され、300個の炭酸カルシウムの粒子径の数平均値が求められた。イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウムの各突起の最外径、その他の炭酸カルシウムの長径が炭酸カルシウムの粒子径とされた。
(5)炭酸カルシウム以外の顔料の一次平均粒子径
炭酸カルシウム以外の顔料の電子顕微鏡写真が撮影され、300個の顔料の粒子径の数平均値が求められた。
(6)被塗紙の表面強度
0.4cm3の印刷インキ(タック値20)が、RIテスター(明石製作所製)のゴムローラーに付着された。その後、4回の重ね刷りが当該RIテスターにより被塗紙に対して行われ、紙面の剥がれ(ピッキング)状態が観察され、5点法で評価された。点数が高いほど、表面強度が高い。
(7)被塗紙のインキセット性
新聞印刷用インキNEWSKING墨(東洋インキ製造(株)製)が、RIテスター(石川島播磨重工業(株)製)により被塗紙にベタ刷りされた直後、コート紙がベタ刷り面に圧着された。コート紙へのインキの転移量が、反射濃度計(Gretag Macbeth AG社製GRETAG D196D19C)により測定された。インキ濃度値が小さいほど、インキセット性が高い。
(8)被塗紙の不透明度
下記の方法により得られた被塗紙の不透明度は、JIS P8138−1976に規定された方法で分光色彩白色度計(日本電色工業(株)製PF10)により測定された。数値が大きいほど、不透明度が高い。
(9)被塗紙の耐ブロッキング性
被塗面に市販の中質紙が重ねられた被塗紙が、60MPaの圧力が加えられたグロスカレンダーに120℃で3回通された。その後、中質紙が被塗紙から剥がされ、被塗紙の被塗面への中質紙の付着度合いが観察された。中質紙が全く付着していない場合が5点、中質紙が全面に付着している場合が1点とされ、当該付着度合いが5段階で評価された。
(10)被塗紙の動摩擦係数
被塗紙の動摩擦係数は、JIS P 8147に準拠し、以下のとおりに測定された。
被塗紙(100mm×250mm)が水平板上に固定される。次いで、ブロック状のおもり(接触部分の面積は60mm×100mm、質量1000g)が上記被塗紙に載せられ、試験機にセットされる。その後、おもりが10mm/m(0.167mm/s)の速度で約50cm移動され、動摩擦係数が下記式(A)により計算された。
μk=Fμk/Fn (A)
μk:動摩擦係数 Fn:垂直荷重(mN) Fμk:平均動摩擦力(mN)
製造例1
アクリロニトリル24質量部、1,3−ブタジエン71質量部、メタクリル酸5質量部、連鎖移動剤であるt−ドデシルメルカプタン(TDM)0.25質量部、イオン交換水150質量部、乳化剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS−Na)2.5質量部、重合開始剤である過硫酸カリウム0.2質量部及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩0.1質量部が、重合反応器に仕込まれ、重合が開始された。重合温度は37℃に保持された。アクリロニトリルの重合転化率が60%になった時点で、重合温度が40℃に昇温された。アクリロニトリルの重合転化率が95%に達した時点で、重合停止剤であるジエチルヒドロキシルアミン0.1質量部が添加され、重合反応が停止された。未反応単量体が、得られたアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)エマルジョンAから除去され、その後、当該ラテックスAのpHを8、固形分濃度を40質量%に調整し、ラテックスAが得られた。ラテックスAに含有されるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム粒子の平均粒子径は110μm、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムのMEK不溶解分は85質量%であった。製造例1の結果が表1に示されている。
製造例2〜11
アクリロニトリル、1,3−ブタジエン、TDM及びLAS−Naの仕込み量が表1に示されるように変更される以外は、製造例1と同じ操作が行われ、エマルジョンB〜Jが得られた。製造例2〜10の結果が表1に示されている。
Figure 2009174088
実施例1
下記成分がミキサーで攪拌され、次いで、得られた混合物に10質量%アンモニア水溶液が添加され、固形分濃度5質量%、pH10に調整された紙塗工用組成物が得られた。
イガグリ様形状軽質炭酸カルシウム((株)イメリスミネラルズ製オプティカルHP)75質量部(固形分換算)
カオリン(Engelhard社製ウルトラホワイト90)25質量部
エマルジョンA 15質量部
分散剤(東亞合成(株)製アロンT−40)0.2質量部
酸化澱粉(王子コーンスターチ(株製 王子エースB)3質量部
上記紙塗工用組成物が、ワイヤーバー2号を備える枚葉式自動塗工機(エス・エム・テー社製PM9040MC)で新聞原紙の片面に坪量46g/m2となるように、塗工速度60m/minで塗工され、120℃で12秒間乾燥された。その後、得られた被塗紙が20℃、相対湿度65±5%で24時間以上放置され、被塗紙の物性が測定された。結果が表2に示されている。
実施例2
エマルジョンBがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例3
エマルジョンCがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例4
平均粒子径2.0μmのイガグリ様形状軽質炭酸カルシウム((株)イメリスミネラルズ製オプティカルHB)が、実施例1で使用されたイガグリ様形状軽質炭酸カルシウムに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例5
イガグリ様形状軽質炭酸カルシウム及びカオリンの使用量が表2に示されるように変更される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例6
エマルジョンDがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例7
エマルジョンGがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例8
エマルジョンHがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例9
エマルジョンBの使用量が18質量部に変更される以外は、実施例2と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
実施例10
上記イガグリ様形状軽質炭酸カルシウムの使用量が表2に示されるように変更される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例1
粒子径2.3μmのイガグリ様形状軽質炭酸カルシウム(白石工業(株)製カルライトSA)が、上記イガグリ様形状軽質炭酸カルシウムに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例2
紡錘状軽質炭酸カルシウム(株)イメリスミネラルズ製オプティプリント1500)が、上記イガグリ様形状軽質炭酸カルシウムに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例3
針状炭酸カルシウム(奥多摩工業(株)製TP−HGA)が、上記イガグリ様形状軽質炭酸カルシウムに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例4
エマルジョンEがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例5
エマルジョンFがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例6
エマルジョンIがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例7
エマルジョンJがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例8
エマルジョンKがエマルジョンAに代えて使用される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例9
イガグリ様形状軽質炭酸カルシウム及びカオリンの使用量が表2に示されるように変更される以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
比較例10
エマルジョンAが使用されない以外は、実施例1と同じ操作が行われた。結果が表2に示されている。
Figure 2009174088
実施例1〜10の紙塗工用組成物が新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、インキセット性、不透明度、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は高かった。
粒子径2.3μmのイガグリ様形状軽質炭酸カルシウムが使用された比較例1の紙塗工用組成物が新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は低かった。
紡錘状炭酸カルシウムが使用された比較例2の紙塗工用組成物、針状が使用された比較例3の紙塗工用組成物が、それぞれ新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、インキセット性、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は低かった。
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム中のアクリロニトリルの含有量が20%以下のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムエマルジョンが使用された比較例4の紙塗工用組成物が新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、インキセット性、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は低かった。
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム中のアクリロニトリルの含有量が34質量%以上のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムエマルジョンが使用された比較例5の紙塗工用組成物が新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、インキセット性、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は低かった。
平均粒子径が115nmを超えるアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム粒子を含有するエマルジョンが使用された比較例6の紙塗工用組成物が新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の不透明度及び耐ブロッキング性は低かった。
MEK不溶解分が55質量%以下のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムエマルジョンが使用された比較例7及び8の紙塗工用組成物が、それぞれ新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は低かった。MEK不溶解分が0のアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムエマルジョンが使用された比較例8の紙塗工用組成物が塗工されて得られた被塗紙の不透明度は低かった。
顔料に対するイガグリ様形状軽質炭酸カルシウムの質量割合が50質量%未満である比較例9の紙塗工用組成物が新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、インキセット性、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は低かった。
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムエマルジョンが使用されなかった比較例10の紙塗工用組成物が新聞原紙に塗工されて得られた被塗紙の表面強度、インキセット性、不透明度、耐ブロッキング性及び動摩擦係数は低かった。
本発明の紙塗工用組成物は、不透明度、耐ブロッキング性及び機械的安定性が高い印刷用紙を与える。従って、本発明の紙塗工用組成物は、長期間沈殿を発生させない。更に、本発明の紙塗工用組成物が原紙に塗工されて得られた被塗紙は、高速大量印刷に好適であり、被塗紙の印刷面の裏面から印刷状況が透けて見える程度が極めて低い。

Claims (3)

  1. 顔料を含有するエチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体エマルジョンからなり、
    顔料の50質量%以上は、平均粒子径が2.3μm未満で、イガグリ様形状の軽質炭酸カルシウムであり、
    エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体中のエチレン性不飽和ニトリル単量体単位の含有量は20質量%を超え34質量%未満であり、
    エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体のメチルエチルケトン不溶解分が55質量%を超え95質量%以下であり、
    エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体粒子の平均粒子径は115nm以下である、紙塗工用組成物。
  2. 当該軽質炭酸カルシウム以外の顔料がカオリンである、請求項1に記載された紙塗工用組成物。
  3. エチレン性不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体がアクリロニトリル−ブタジエン共重合体である、請求項1又は2に記載された紙塗工用組成物。
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