JP2009173188A - 内装材 - Google Patents

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Masashi Tsukamoto
真史 塚本
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Abstract

【課題】ワイヤーハーネスを容易に取り外せる内装材を提供する。
【解決手段】内装材10は、車体に対面する第1層11と、第1層11に積層され、車内に対面する第2層12と、第1層11を厚み方向に貫通するとともに面方向に沿って連続する切込15と、切込15に連通するとともに第1層11および第2層12のうちの少なくとも一方に設けられてワイヤーハーネス14を埋設可能な収納部16とを備えている。第1層11および第2層12のうちの少なくとも一方に対して面方向に沿って熱収縮が生じるような加熱処理が加えられた際における第2層12の第2熱収縮率が第1層11の第1熱収縮率よりも大きく設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤーハーネスを配索するための切込が形成され、切込を用いてワイヤーハーネスを埋設可能な内装材に関する。
例えば、自動車等の車両におけるドア用のワイヤーハーネスを配索する手段としては、ドアフレームに内装された防水シート(独立気泡発泡プラスチックシート)等の内装材にワイヤーハーネスを埋設する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、内装材にワイヤーハーネスの配線パターンに応じた切込が形成され、形成された切込にワイヤーハーネスが埋設されて配索されている。
実開平5−46608号公報
しかし、特許文献1の内装材は、内装材の切込にワイヤーハーネスが埋設されて配索されているので、ワイヤーハーネスと内装材とを分別するにあたっては、切込を開いてワイヤーハーネスを取り出す必要がある。
このため、特許文献1の内装材は、廃棄時の分別性が悪く、リサイクル性が劣るといわれていた。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ワイヤーハーネスを容易に取り外せる内装材を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る内装材は、下記(1)ないし(3)を特徴としている。
(1) 第1層と、第2層と、を備え、前記第1層と前記第2層が互いに厚み方向に接着されて積層された内装材であって、前記第1層をその厚み方向に貫通するとともに当該厚み方向に交差する前記第1層の面方向に沿って連続する切込と、前記切込に連通し、該切込に沿って延長し、且つ前記第1層および前記第2層のうちの少なくとも一方に設けられた、ワイヤーハーネスの線状体を埋設可能な収納部と、を更に備え、前記収納部からの前記線状体の離脱を容易にするために前記第1層および前記第2層に変形処理が施されることにより前記切込が口開きするように、前記第1層を形成する材料の前記変形処理による第1変形率と、前記第2層を形成する材料の前記変形処理による第2変形率とが異なること。
(2) 上記1の構成の内装材であって、
前記変形処理が、一定以上の温度で前記第1層および前記第2層を加熱する加熱処理であるとともに、前記第1層の前記第1変形率である第1熱収縮率が、前記第2層の前記第2変形率である第2熱収縮率よりも大きいこと。
(3) 上記1の構成の内装材であって、
前記変形処理が、一定以上の温度で前記第1層および前記第2層を加熱する加熱処理であるとともに、前記第1層の前記第1変形率である第1熱膨張率が、前記第2層の前記第2変形率である第2熱膨張率よりも小さいこと。
上記(1)の構成の内装材では、第1層の第1変形率と、第2層の第2変形率とが異なるため、例えば変形処理に伴う変形が収縮である場合、第2層の第2収縮率が、第1層の第1収縮率よりも大きいか、あるいは変形処理に伴う変形が膨張である場合、第1層の第1膨張率が、第2層の第2膨張率よりも大きければ、変形処理を施すと切込が口開きすることになる。
従って、上記(1)の構成の内装材では、口開きしたワイヤーハーネスを容易に取り外すことができ、これにより、廃棄時に良好な分別性が得られ、リサイクル性が向上する。
上記(2)の構成の内装材では、第2層の第2熱収縮率が第1層の第1熱収縮率よりも大きいため、加熱処理を施すと切込が口開きして、ワイヤーハーネスを容易に取り外すことができる。
上記(3)の構成の内装材では、第1層の第1熱膨張率が第2層の第2熱膨張率よりも大きいため、加熱処理を施すと切込が口開きして、ワイヤーハーネスを容易に取り外すことができる。
本発明の内装材によれば、第1層および第2層のうちの少なくとも一方に変形処理を施して第1層の切込を口開きさせることにより、切込からワイヤーハーネスを容易に取り外すことができ、廃棄時にリサイクルを考慮した分別も容易に行えるという効果を有する。
以下、本発明の実施形態に係る内装材について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1〜3に示すように、第1実施形態の内装材10は、一例として、自動車等の車両におけるドアフレームに内装された防水シート(独立気泡発泡プラスチックシート)である。
この内装材10は、車体に対面する第1層11と、第1層11に積層されるとともに車内に対面する第2層12と、第1層11に形成されてワイヤーハーネス14の線状体が通過可能な切込15と、切込15に連通されてワイヤーハーネス14が収納される収納部16とを備えている。
ここで、ワイヤーハーネス14の線状体としては、例えば電線、光ファイバー、ウォッシャーホース等が含まれる。
第1層11はポリオレフィン等により形成され、第2層12はポリプロピレン等により形成されている。
第1層11の第1熱収縮率と第2層12の第2熱収縮率との関係は、第1層11および第2層12のうちの少なくとも一方に対して面方向に沿って熱収縮(変形)が生じるような加熱処理(変形処理)が一定以上の温度で加えられた際に、第1熱収縮率が第2熱収縮率よりも大きく設定され、要するに加熱されると第1層11が第2層12よりも大きく縮むようになっている。
切込15は、第1層11を厚み方向に貫通するとともに面方向に沿って連続するように形成されている。
この切込15は、常時閉鎖(すなわち、両側の切込面15Aが密着)されていることが好ましいが、収納部16に収納されたワイヤーハーネス14の線状部が収納部16から脱落しない程度に口開きしていてもよい。
収納部16は、ワイヤーハーネス14を埋設可能に断面略円形の空間に形成され、この空間の上半部位16Aが第1層11に形成され、下半部位16Bが第2層12に形成されている。上半部位16Aの上端部に相当する部位に切込15が形成されている。
以上のような内装材10は、切込15にワイヤーハーネス14を載せて厚み方向に沿って押し込むことにより、切込15の両側の部位が弾性変形してワイヤーハーネス14の線状部を収納部16に導くことが可能である。
次に、図4に基づいて、第1実施形態の内装材10からワイヤーハーネス14を取り外す例を説明する。
内装材10を第1層11の上方から加熱手段17で加熱することにより、第1層11および第2層12がそれぞれ面方向に沿って熱収縮する。
ここで、第1層11の第1熱収縮率は、第2層12の第2熱収縮率より大きいので、第1層11が充分に熱収縮する。
よって、切込15の両側の部位18が湾曲状に上方にめくり上がり、両方の切込面15Aの間隔(すなわち、切込15の間隔)S1を大きく口開きする。
これにより、間隔を広げた切込15からワイヤーハーネス14を容易に取り外すことができる。
なお、加熱手段17としては、温風、炎、加熱蒸気等が適用される。
ここで、図4では切込15の両側の部位18をめくり上げることにより切込15の間隔を大きく広げる例について説明したが、これに限らないで、図5のように切込15の間隔を広げることも可能である。
すなわち、内装材10を第1層11の上方から加熱手段17で加熱することにより、第1層11が面方向に沿って矢印方向に十分に熱収縮する。
よって、切込15の両方の切込面15Aの間隔(すなわち、切込15の間隔)S2を大きく口開きできる。
これにより、間隔を広げた切込15からワイヤーハーネス14を容易に取り外すことができる。
次に、第2実施形態〜第7実施形態の内装材を図4〜図12に基づいて説明する。なお、第2実施形態〜第7実施形態の内装材において第1実施形態の内装材10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
(第2実施形態)
図6に示すように、第2実施形態の内装材30は、第1層11および第2層12を第1層31および第2層32に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の内装材10と同じである。
第1層31はポリオレフィン等により形成され、第2層32はポリプロピレン等により形成されている。
第1層31の第1熱膨張率と第2層32の第2熱膨張率との関係は、第1層31および第2層32のうちの少なくとも一方に対して面方向に沿って熱膨張(変形)が生じるような加熱処理(変形処理)が一定以上の温度で加えられた際に、第2熱膨張率が第1熱膨張率よりも大きく設定され、要するに加熱されると第2層32が第1層31よりも大きく延びるようになっている。
次に、図7に基づいて、第2実施形態の内装材30からワイヤーハーネス14を取り外す例を説明する。
内装材30を第2層32の下方から加熱手段17で加熱することにより、第2層32および第1層31がそれぞれ面方向(矢印方向)に沿って熱膨張する。
ここで、第2層32の第2熱膨張率は、第1層31の第1熱膨張率より大きい、すなわち第2層32が充分に熱膨張する。
第2層32が十分に矢印方向に熱膨張することにより、第1層31の両方の切込面15Aが離れて間隔S3を広げ、これにより切込15が口開きする。口開きした切込15からワイヤーハーネス14を容易に取り外すことができる。
すなわち、第2実施形態の内装材30によれば、第1実施形態の内装材10と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
図8に示すように、第3実施形態の内装材40は、第1層11および第2層12を第1層41および第2層42に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の内装材10と同じである。
第2層42は、ワイヤーハーネス14を埋設可能な断面略U字状の収納部44が形成されている。
従って、第3実施形態の内装材40は、第1層41にワイヤーハーネス14を埋設させるための凹部を形成する必要がない。これにより、第1層41として単なるシートを用いることが可能になり、コストを抑えることができる。
ここで、第1層41および第2層42は、第1実施形態や第2実施形態で説明した熱収縮や熱膨張のいずれか一方が適用される。
すなわち、第3実施形態の内装材40によれば、コストを抑えることができ、かつ、第1、第2の実施形態の内装材10,30と同様の効果が得られる。
なお、第3実施形態においては、第2層42にのみ断面略U字状の収納部44が形成されていたが、第1層41にのみ断面略U字状の収納部を形成しておき、第2層42として単なるシートを用いてもよい。
(第4実施形態)
図9に示すように、第4実施形態の内装材50は、第3実施形態の第1層41を第1層51に代えたもので、その他の構成は第3実施形態の内装材40と同じである。
第1層51は、収納部44の一方の壁面44Aに沿って切込15が形成されている。
収納部44は、第4実施形態と同様に、第2層42に形成されている。
収納部44の一方の壁面44Aに沿って切込15を形成することにより、切込15の近傍のフラップ53の寸法Lを大きく設定できる。
これにより、想像線で示すように、フラップ53を大きくめくり上げることができるので、ワイヤーハーネス14を収納部44に入れる際に容易に収納することができ、さらに、ワイヤーハーネス14を収納部44から取り出す際に容易に取り出すことができる。
加えて、第4実施形態の内装材50によれば、第3実施形態の内装材40と同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
図10に示すように、第5実施形態は、第1実施形態の内装材10同じもので、加熱手段17に代えて、UV光の照射手段56を用いたもので、その他は第1実施形態の内装材10と同じである。
照射手段56は、一例として、波長が300nm未満のUV光を照射するものである。
第5実施形態によれば、内装材10を第1層11の上方から照射手段56で照射することにより、第1層11が面方向に沿って熱収縮する。
よって、切込15の両方の切込面15Aの間隔(すなわち、切込15の間隔)を口開きでき、これによりワイヤーハーネス14を容易に取り外すことができる。
すなわち、第5実施形態によれば、第1実施形態の内装材10と同様の効果が得られる。
(第6実施形態)
図11に示すように、第6実施形態は、第1実施形態の内装材10同じもので、加熱手段17に代えて、電磁波の電磁波発生手段57を用いたもので、その他は第1実施形態の内装材10と同じである。
第6実施形態によれば、内装材10を第1層11の上方から電磁波発生手段57で電磁波を当てることにより、第1層11が面方向に沿って熱収縮する。
よって、切込15の両方の切込面15Aの間隔(すなわち、切込15の間隔)を口開きでき、これによりワイヤーハーネス14を容易に取り外すことができる。
すなわち、第6実施形態によれば、第1実施形態の内装材10と同様の効果が得られる。
(第7実施形態)
図12に示すように、第7実施形態は、第1実施形態の内装材10同じもので、加熱手段17に代えて、薬剤58に浸漬するもので、その他は第1実施形態の内装材10と同じである。
一例として、薬剤58にはフッ素樹脂等が用いられ、第1層11にはシリコーンゴム等が用いられる。
第7実施形態によれば、内装材10を薬剤58に浸漬することにより、第1層11が面方向に沿って熱収縮する。
よって、切込15の両方の切込面15Aの間隔(すなわち、切込15の間隔)を口開きでき、これによりワイヤーハーネス14を容易に取り外すことができる。
すなわち、第7実施形態によれば、第1実施形態の内装材10と同様の効果が得られる。
なお、第7実施形態では、薬剤18に付ける例として、薬剤58に浸漬する場合を説明したが、これに限らないで、薬剤18を噴霧、塗布することにより付けることも可能である。
なお、第1実施形態〜第7実施形態で示した内装材、第1層、第2層、ワイヤーハーネス、切込、収納部等の形状は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
本発明は、ワイヤーハーネスを配索するための切込が形成され、切込を用いてワイヤーハーネスを埋設可能な内装材への適用に好適である。
本発明に係る内装材(第1実施形態)を示す斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 第1実施形態の内装材の要部を示す断面図である。 第1実施形態の内装材からワイヤーハーネスを取り外す例を示す断面図である。 第1実施形態の内装材からワイヤーハーネスを取り外すもう一つの例を示す断面図である。 本発明に係る内装材(第2実施形態)を示す断面図である。 第2実施形態の内装材からワイヤーハーネスを取り外す例を示す断面図である。 本発明に係る内装材(第3実施形態)を示す断面図である。 本発明に係る内装材(第4実施形態)を示す断面図である。 本発明に係る内装材(第5実施形態)を示す断面図である。 本発明に係る内装材(第6実施形態)を示す断面図である。 本発明に係る内装材(第7実施形態)を示す断面図である。
符号の説明
10,30,40,50 内装材
11,31,41,51 第1層
12,32,42 第2層
14 ワイヤーハーネス
15 切込
16,44 収納部
17 加熱手段
56 照射手段
57 電磁波発生手段
58 薬剤

Claims (3)

  1. 第1層と、第2層と、を備え、前記第1層と前記第2層が互いに厚み方向に接着されて積層された内装材であって、
    前記第1層をその厚み方向に貫通するとともに当該厚み方向に交差する前記第1層の面方向に沿って連続する切込と、
    前記切込に連通し、該切込に沿って延長し、且つ前記第1層および前記第2層のうちの少なくとも一方に設けられた、ワイヤーハーネスの線状体を埋設可能な収納部と、
    を更に備え、
    前記収納部からの前記線状体の離脱を容易にするために前記第1層および前記第2層に変形処理が施されることにより前記切込が口開きするように、前記第1層を形成する材料の前記変形処理による第1変形率と、前記第2層を形成する材料の前記変形処理による第2変形率とが異なることを特徴とする内装材。
  2. 請求項1に記載の内装材であって、
    前記変形処理が、一定以上の温度で前記第1層および前記第2層を加熱する加熱処理であるとともに、
    前記第1層の前記第1変形率である第1熱収縮率が、前記第2層の前記第2変形率である第2熱収縮率よりも大きいことを特徴とする内装材。
  3. 請求項1に記載の内装材であって、
    前記変形処理が、一定以上の温度で前記第1層および前記第2層を加熱する加熱処理であるとともに、
    前記第1層の前記第1変形率である第1熱膨張率が、前記第2層の前記第2変形率である第2熱膨張率よりも小さいことを特徴とする内装材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022210819A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 住友電装株式会社 ホース付き配線部材

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