JP2009171513A - 位相制御装置、位相制御方法、及び位相制御プログラム - Google Patents

位相制御装置、位相制御方法、及び位相制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】出力信号の欠落や重複が発生するまでの時間を遅らせる位相制御装置、位相制御方法及び位相制御プログラムを提供する。
【解決手段】第1のクロックに同期した第1の信号を第2のクロックに同期させて出力する位相制御装置において、第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、検出した周波数差に基づき、第1の信号の位相を制御する位相制御手段と、位相を制御された第1の信号を、第2のクロックに同期させて出力する出力手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、信号の位相を制御する位相制御装置、位相制御方法及び位相制御プログラムに関し、特に、入力された信号が同期しているクロックと出力する信号が同期するクロックとの周波数の差に基づいて位相を制御する位相制御装置、位相制御方法、及び位相制御プログラムに関する。
従来、あるクロックに同期した信号を外部から入力し、処理し装置内のクロックに同期して出力するような装置がある。例えば、入力された圧縮映像情報を装置内のクロックに同期して伸張処理し出力するような放送局設備や、送信機が送信した信号を装置内のクロックを用いて受信し処理するような受信機がこれに該当する。このような装置では、装置内のクロックの周波数(第2の周波数)には、入力される信号が同期しているクロックの周波数に等しい周波数(第1の周波数)を選択することが多い。
しかし、第1の周波数と第2の周波数の周波数は、厳密には同じではない。なぜなら、各周波数は必ず誤差を持っており、さらに温度依存性や経年変化特性も持っている可能性があるからである。
このような装置では、周波数の誤差に起因して、以下のような問題が発生する。例えば、第1の周波数が第2の周波数よりも高い場合、入力信号によって単位時間当たりに装置に入力される情報量は、装置が処理する情報量よりも多い。そのため、入力された情報の処理が追いつかないという問題が発生する。このとき、入力された情報の一部は、処理されることなく廃棄されることになる。この問題の発生頻度は、2つの周波数の差に依存する。逆に、第1の周波数が第2の周波数よりも低い場合、入力信号によって単位時間当たりに装置に入力される情報量は、装置が処理する情報量よりも少ない。そのため、処理すべき次の情報が未入力のため、処理を停止せざるを得ないという問題が発生する。このとき、次段の装置へ出力する信号は途絶えることになる。この問題の発生頻度も周波数の誤差に依存する。
上記のような、周波数の誤差に起因する問題は、第1の周波数と第2の周波数が同じ周波数に設定されている場合にのみ起こる問題ではない。第1の周波数と第2の周波数が、整数倍、整数分の1倍のような関係にあり、2つのクロックが同期関係を満足するように設定されている場合も、本質的には同じである。このような場合にも、周波数が等しい場合と同じ問題が発生しうる。
周波数の誤差に起因する問題が発生する装置の具体例として、上述した放送局設備の場合について説明する。放送局では、局内の各系統の映像信号は局内の基準同期信号に同期している。そのため、圧縮された映像情報を伸張するためのMPEG2(Moving Picture Expert Group−2)デコーダの出力映像信号も、基準同期信号に同期させて出力している。MPEG2デコーダでは、フレーム同期器(Frame Syncronizer。以降、「FS」という。)を内蔵している。そして、基準同期信号に同期した垂直同期信号(以降、「Vsync」という。)で規定される所定の位相(以降、「V位相」という。)で、映像信号を出力する。
ここで、MPEG2のデコーダ部の基準クロック(以降、「デコーダ・クロック」という。)と基準同期信号の基本クロック(以降、「REFクロック」という。)の周波数は、基本的には等しく、一般的には27MHzである。ところが、この2つの周波数は、厳密には異なる。理由は上述した通りである。
そのため、MPEG2デコーダが映像信号を出力する際に、デコーダ・クロックの周波数をfDと、REFクロックの周波数fRの差に起因して問題が発生する。この問題が発生するメカニズムを、図12のタイミングチャートを用いて説明する。デコーダ出力は、VsyncでFSに取り込まれ、FS出力となり出力される。デコーダ出力とFS出力に付加した数字は、フレームの対応関係を示す番号である。
fD>fRのとき(図12の(a)のケース)では、タイミングt14aでフレーム4の映像信号の出力が完了し、次のフレームの出力タイミングになったときには、既にフレーム5の圧縮映像情報の出力は終了している。t14aでは、既にフレーム6の圧縮映像情報のデコードが完了し、デコード出力として出力されている。そのため、フレーム5の映像情報はFSに取り込まれることがない。従って、FS出力は、フレーム4の次はフレーム6の映像情報となる。このように、fD>fRのときは、スキップが発生することがわかる。
逆に、fD<fRのとき(図12の(b)のケース)では、タイミングt14bでフレーム4の映像信号の出力が完了し、次のフレームの出力タイミングになったときには、まだフレーム4の圧縮映像情報が出力されている。これは、t14bでは、フレーム5の圧縮映像情報のデコードがまだ完了していないためである。そのため、再びフレーム4の映像信号がFSに取り込まれ、FS出力として出力される。このように、fD<fRのときは、リピートが発生することがわかる。
このような問題に対処するために、従来、各種の技術が用いられている。そのような技術の一つに、「リピート」、「スキップ」という処理を行うものがある(例えば、特許文献1参照。)。「リピート」とは、デコーダによる次のフレームの映像出力信号の生成が完了していないときに、前のフレームの映像出力信号を重複して出力する処理をいう。「スキップ」とは、前のフレームの映像出力信号の出力が未完了のときに、次のフレームの映像出力信号を出力せず、フレームを間引いて出力する処理をいう。「リピート」や「スキップ」を行うことにより、デコーダからの映像出力信号の出力を、連続して行うことができる。
スキップやリピートの発生を防止するための各種の技術も公開されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2には、MPEGデコーダの出力を他のMPEGエンコーダに入力する記録再生装置が記載されている。この装置は、画像信号に含まれる基準時刻情報(PCR情報。「PCR情報」については、第2の実施形態において説明する。)に同期したクロックを発生させる第1のクロック発生手段と、Vsyncに同期したクロックを発生する第2のクロック発生手段を備える。そして、第1のクロック発生手段からのクロックで処理された信号を、第2のクロック発生手段からのクロックで処理される信号に変換する。これによって、スキップやリピートの発生を防止している。
特開2003−298873号公報 (第7−8頁、図10) 特開2004−343516号公報 (第4−6頁、図2)
上記の各公知技術にはそれぞれ問題がある。
特許文献1のように、リピートやスキップを行う方法では、デコーダからの映像出力信号の出力を、連続して行うことができる。しかし、リピートやスキップを行うということは、それらが行われたときのフレームの情報が、重複して出力されたり、あるいは欠落したりすることを意味する。そのため、リピートやスキップを行ったときには、映像及び音声が一時的に乱れる。従って、リピートやスキップを行う頻度は低い方が望ましい。
ところで、リピートやスキップが行われる頻度は、デコード部で用いられているクロックの周波数と映像出力信号の出力に用いられている基準同期信号の周波数の差に依存する。ところが、放送局設備の使用者には、この周波数の差を制御することはできない。そのため、設備の使用者には、リピートやスキップの発生頻度を低下させることができない。また、必要な期間についてはリピートやスキップが発生しないように、これらの発生を遅延させるといった対策を採ることも不可能である。
また、リピートやスキップが発生する時刻は、2つの信号の周波数の差や位相関係に依存する。しかし、設備の使用者には、この周波数の差及び位相関係は知り得ない。そのため、使用者は、次にスキップ又はリピートが発生する時刻を知ることはできない。従って、スキップやリピートの発生に対応するための何らかの対策を採ることはできない。もし、次にこれらが発生する時刻を知ることができれば、例えば、静止画、無音声部の挿入など、画像、音声の乱れが影響しないような対策を採ることも可能なケースもありえる。
以上のように、特許文献1のリピートやスキップを発生させる方法では、設備の使用者には、リピートやスキップの発生時間間隔の制御や発生時刻の把握ができない。そのため、発生頻度そのものを低下させることも、発生タイミングを知ることによる何らかの対策を採ることもできないという課題がある。
特許文献2記載の技術は、FIFO(First−In First−Out)を用いて2つのクロックの周波数差を吸収している。そのため、FIFOを構成するための2ポートメモリやリード/ライト制御回路など、大きなハードウェアが必要になるという課題がある。
このように、従来の技術には、出力信号の欠落や重複が発生することによって出力信号の連続性に乱れが生じるという課題、あるいは、そのような出力信号の欠落や重複の発生を防止するために大きなハードウェアを要するという課題がある。
(発明の目的)
本発明は上記のような技術的課題に鑑みて行われたもので、出力信号の欠落や重複が発生するまでの時間を遅らせる位相制御装置、位相制御方法及び位相制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の位相制御装置は、第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、周波数差に基づき、第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する位相制御手段と、位相を制御された第1の信号を、第2のクロックに同期させて出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
本発明の位相制御方法は、第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数との周波数差を検出する工程と、周波数差に基づき、第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する工程と、位相を制御された第1の信号を、第2のクロックに同期させて出力する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の位相制御プログラムは、第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数との差を検出する周波数差検出手段と、第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する位相制御手段とを備えた位相制御装置のコンピュータを、周波数差検出手段を用いて、周波数差に基づき位相を制御する手段として機能させる。あるいは、本発明の位相制御プログラムは、第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数を測定する周波数測定手段と、第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する位相制御手段とを備えた位相制御装置のコンピュータを、周波数測定手段を用いて、第1の周波数と第2の周波数との周波数差を検出する手段と、位相制御手段を用いて、周波数差に基づき位相を制御する手段として機能させる。
本発明の位相制御装置、位相制御方法及び位相制御プログラムは、2つのクロックの周波数差を検出し、その周波数差に基づき、入力された信号の位相を制御する。そのため、出力信号の欠落や重複が発生するまでの時間を遅らせることができるという効果がある。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明を実施するための最良の形態(以降、「最良の実施形態」という。」)の位相制御装置の構成を示すブロック図である。図2、図3、図4、図5、図6は最良の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。
図1を用いて、最良の実施形態の位相制御装置の構成について説明する。最良の実施形態の位相制御装置は、位相制御手段1、出力手段2、周波数差検出手段3を備える。
周波数差検出手段3は、第1のクロック11、第2のクロック12の周波数差を検出して周波数差信号13を生成し、位相制御手段1に入力する。
周波数差信号13は、3つの状態を表示する。ここで、「周波数差」を第1のクロック11の周波数(以降、「第1の周波数」という。)から第2のクロック12の周波数(以降、「第2の周波数」という。)を引いた値と定義する。このとき、第1の状態は、周波数差がゼロ、すなわち第1の周波数と第2の周波数とが誤差がなく完全に等しい状態である。第2の状態は、周波数差が正、すなわち第1の周波数が第2の周波数よりも高い状態である。第3の状態は、周波数差が負、すなわち第1の周波数が第2の周波数よりも低い状態である。
なお、周波数差検出手段3による、周波数差信号13の具体的な生成手段は特に限定されない。例えば、第1の周波数及び第2の周波数をそれぞれ求め、それらから周波数差を求め、その極性に従い、周波数差信号13を生成してもよい。あるいは、次のような方法もある。まず、第1のクロック11をn個(nは自然数)カウントすることにより、ある一定の時間を計測する。そして、その時間内に発生する第2のクロック12の個数m個(mは自然数)をカウントする。そして、n−mを求め、周波数差の極性を判別してもよい。
位相制御手段1には、第1のクロック11に同期した入力信号10が入力される。位相制御手段1は、入力信号10を、周波数差信号13に基づいて制御した遅延時間だけ遅延させ、遅延入力信号14として出力手段2へ入力する。なお、入力信号10として入力される信号が保有する情報の種類、内容は任意である。
位相制御手段1における、具体的な位相調整手段は各種の方法がある。例えば、第1のクロック11及び第2のクロック12よりも十分に高速なクロックを用いて、段階的に位相を調整する方法ある。あるいは、遅延時間の異なる遅延素子を複数個備え、遅延させる時間幅に応じてそれらの遅延素子の中から、使用する素子を選択する方法でもよい。
位相制御手段1による位相制御においては、位相制御の有無、制御を行うタイミング、位相制御のために第1の信号が遅延される遅延時間のすべてが、周波数差に依存する。位相制御の詳細内容については、本実施形態の動作として後述する。
出力手段2は、遅延入力信号14を取り込み、第2のクロック12に同期させて、出力信号20として出力する。
(最良の実施形態の動作)
次に、本実施形態の動作について、タイミングチャート図2、図3、図4、図5、図6を用いて説明する。本実施の形態では、入力信号10は第1のクロック11の立ち上がりに同期して変化する。遅延入力信号14は、必要に応じて、入力信号10の一部分又は全体を所定の時間だけ遅延させた信号である。出力信号20は、遅延入力信号14を第2のクロック12の立ち上がりに同期させた信号である。図2、図3、図4、図5、図6において、入力信号10、出力信号20、遅延入力信号14に付した1から始まる数字は、これらの信号間のデータの対応関係を示す番号である。また、入力信号10、出力信号20、遅延入力信号14は多ビットの信号として表示しているが、1ビットの信号であってもよい。本実施形態ではこれらの信号のビット数は特に限定されない。
まず、第1の周波数と第2の周波数が等しい場合の、本実施形態の位相制御装置の動作について説明する。図2は、第1の周波数と第2の周波数が等しい場合における、本位相制御装置の動作を示すタイミングチャートである。
始めに、位相制御手段1は、周波数差信号13によって、第1の周波数と第2の周波数が等しいことを検知する。このとき、位相制御手段1は、入力信号10を遅延させることなく、遅延入力信号14として出力手段2へ出力する。
出力手段2は、遅延入力信号14を第2のクロック12に同期させて、出力信号30として出力する。第1の周波数と第2の周波数が等しいので、出力信号30は、入力信号10の位相を変化させただけの信号となる。
次に、第1の周波数が第2の周波数よりも高い場合における、本実施形態の位相制御装置の動作について説明する。始めに、図3に、位相制御手段1による位相制御を行わなかった場合の動作を示すタイミングチャートを示す。入力信号10と遅延入力信号14の位相は完全に一致している。出力信号20において、データの番号に丸印を付した箇所が、スキップの発生タイミングを示す。本実施形態における「スキップ」とは、本来は信号が、正しい順序で連続して出力されるべきところが、一部の信号が欠落し、連続性を失っている状態をいう。本実施形態では、第2のクロック12の4クロックに1回、スキップが発生する。
スキップが発生する原因は、次の通りである。遅延入力信号14をサンプリングする第2のクロック12の立ち上がりタイミングは、第1のクロック11と第2のクロック12の周波数差のために徐々に相対的に後退する。そして、遂には、第2のクロック12の立ち上がりタイミングが、第1のクロック11の立ち上がりに同期した次の遅延入力信号14の変化タイミングよりも後に達する。このとき、遅延入力信号14の1個のデータが、第2のクロック12の立ち上がりではサンプリングされないことになる。以上がスキップが発生する原因である。
スキップが発生する可能性があるタイミングは、第1のクロック11の立ち下がりに、第2のクロック12のレベルがハイであるときである。その理由を以下に説明する。すなわち、第1のクロック11の立ち下がり時(t31)から半クロック前の立ち上がり時(t32)には、第2のクロック12は既に立ち上っている可能性がある。そして、第1のクロック11の立ち下がり時(t31)から半クロック後の立ち上がり時(t33)には、第2のクロック12がまだ立ち上っていない可能性がある。第1のクロック11と第2のクロック12がこのような位相関係にあるときは、第1のクロック11の立ち上がりに同期して変化する遅延入力信号14が、第2のクロック12の立ち上がりでサンプリングされない可能性がある。図3の場合には、データ”2”がサンプリングされず、スキップが発生している。
図4は、第1の周波数が第2の周波数よりも高いときに、位相制御手段1による位相制御を行ったときの動作を示すタイミングチャートである。このとき、位相差検出手段3は、第1の周波数が第2の周波数よりも高いことを示す周波数差信号13を出力する。位相制御手段1は、周波数差信号13によって、第1の周波数が第2の周波数よりも高いことを検知する。そして、位相制御手段1は、入力信号10を遅延させ、遅延入力信号14として出力手段2へ出力する。
本実施の形態では、スキップが発生する直前(t41)に、位相制御手段1による位相制御を行う。なぜなら、位相制御によるスキップ発生の遅延の効果が最も大きいためである。タイミングt41は、第1のクロック11の立ち下がり時に第2のクロック12のレベルがハイであるタイミングである。このとき、位相制御手段1は、次のデータ”8”を出力する本来のタイミング(t42)を、t43まで遅延させる。タイミングt43とは、t42から2回目の第2のクロックの立ち上がりタイミング(t44)から、所定時間だけ前のタイミングである。ここでの「所定時間」とは、例えば、第2のクロックの立ち上がりタイミングに対する、遅延入力信号14のセットアップ時間とすればよい。
位相制御手段1による位相制御を行うと判断するタイミングは、上記のタイミング(t41)のみには限定されない。第1の周波数が第2の周波数よりも高いときにスキップが生じる原因は、上述のように、第2のクロック12による遅延入力信号14のサンプリングタイミングが、周波数の差に起因して徐々に相対的に後退することにある。そのため、入力信号10を遅延させることにより、第2のクロック12が遅延入力信号14をサンプリングするタイミングを前に移動させればよい。従って、スキップが発生する直前でなくても、入力信号10を遅延させることにより、スキップ発生の遅延効果は得られる。
入力信号10を遅延させる量に関しても、少ない量の遅延であっても、第2のクロック12による入力信号10のサンプリングタイミングが相対的に前に移動するので、やはりスキップ発生の遅延効果は得られる。
出力手段2は、遅延入力信号14を第2のクロック12に同期させて、出力信号30として出力する。図4の場合は、出力信号30に発生するスキップが遅延されることにより、第2のクロック12の8クロックに1回のスキップ発生に収まる。
位相制御手段1による位相制御を行わなかった場合には、図3のように、第2のクロック12の4クロックに1回、スキップが発生する。従って、位相制御手段1の位相制御によって、スキップの発生時刻を、第2のクロック12の4クロック分だけ遅らせることができることがわかる。
次に、第1の周波数が第2の周波数よりも低い場合における、本実施形態の位相制御装置の動作について説明する。始めに、図5に、位相制御手段1による位相制御を行わなかった場合の動作を示すタイミングチャートを示す。入力信号10と遅延入力信号14の位相は完全に一致している。出力信号20において、データの番号に丸印を付した箇所が、リピートの発生タイミングを示す。本実施形態における「リピート」とは、本来は信号が、正しい順序で連続して出力されるべきところが、一部の信号が重複し、連続性が乱れている状態をいう。本実施形態では、第2のクロック12の5クロックに1回、リピートが発生する。
リピートが発生する原因は、次の通りである。遅延入力信号14をサンプリングする第2のクロック12の立ち上がりタイミングは、第1のクロック11と第2のクロック12の周波数差のために徐々に相対的に前進する。そして、遂には、第2のクロック12の立ち上がりタイミングが、第1のクロック11の立ち上がりに同期した次の遅延入力信号14の変化タイミングよりも前に達する。このとき、遅延入力信号14の1個のデータが、第2のクロック12の立ち上がりで2回サンプリングされることになる。以上がリピートが発生する原因である。
リピートが発生する可能性があるタイミングは、第2のクロック12の立ち下がりに、第1のクロック11のレベルがロウであるときである。その理由を以下に説明する。すなわち、第2のクロック12の立ち下がり時(t51)から半クロック前の立ち上がり時(t52)には、第1のクロック11は既に立ち上っている可能性がある。そして、第2のクロック12の立ち下がり時(t51)から半クロック後の立ち上がり時(t53)に対する第1のクロック11の立ち上がりが遅れている可能性がある。このようなときは、第1のクロック11の立ち上がりに同期して変化する遅延入力信号14のデータの切り替わりも遅れる。第1のクロック11と第2のクロック12がこのような位相関係にあるときには、第2のクロック12の立ち上がりで、同じ遅延入力信号14が2回サンプリングされる可能性がある。図5の場合には、データ”3”が2回サンプリングされ、リピートが発生している。
図6は、第1の周波数が第2の周波数よりも低いときに、位相制御手段1による位相制御を行ったときの動作を示すタイミングチャートである。このとき、位相差検出手段3は、第1の周波数が第2の周波数よりも低いことを示す周波数差信号13を出力する。位相制御手段1は、周波数差信号13によって、第1の周波数が第2の周波数よりも低いことを検知する。そして、位相制御手段1は、入力信号10を遅延させ、遅延入力信号14として出力手段2へ出力する。
本実施の形態では、リピートが発生する直前(t61)に、位相制御手段1による位相制御を行う。なぜなら、位相制御によるリピート発生の遅延の効果が最も大きいためである。タイミングt61は、第2のクロック12の立ち下がり時に第1のクロック11のレベルがロウであるタイミングである。このとき、位相制御手段1は、次のデータ”4”を出力する本来のタイミング(t62)を、t63まで遅延させる。タイミングt63とは、t62から2回目の第2のクロックの立ち上がりタイミング(t64)から、所定時間だけ後のタイミングである。ここでの「所定時間」とは、例えば、第2のクロックの立ち上がりタイミングに対する、遅延入力信号14のホールド時間とすればよい。
位相制御手段1による位相制御を行うと判断するタイミングは、上記のタイミング(t61)のみには限定されない。第1の周波数が第2の周波数よりも高いときにリピートが生じる原因は、上述のように、第2のクロック12による遅延入力信号14のサンプリングタイミングが、周波数の差に起因して徐々に相対的に前進することにある。そのため、入力信号10を遅延させることにより、第2のクロック12が遅延入力信号14をサンプリングするタイミングを、何クロックか後の第1のクロック11に対して、前になるように移動させればよい。入力信号10は第1のクロック11に同期して入力される信号であり、入力信号10の位相を第1のクロック11よりも早めることはできない。そのため、入力信号10の位相を遅らせることにより、何クロックか後の第1のクロックに対する、遅延入力信号14の見かけ上の位相を早めるのである。これにより、次にリピートが発生するタイミングを遅らせることができる。従って、リピートが発生する直前でなくても、入力信号10を遅延させることにより、リピート発生の遅延効果は得られる。
入力信号10を遅延させる量に関しても、少ない量の遅延であっても、第2のクロック12による入力信号10のサンプリングタイミングが相対的に後に移動するので、やはりリピート発生の遅延効果は得られる。
出力手段2は、遅延入力信号14を第2のクロック12に同期させて、出力信号30として出力する。図6の場合は、出力信号30に発生するリピートが遅延されることにより、第2のクロック12の11クロックに1回のリピート発生に収まる。
位相制御手段1による位相制御を行わなかった場合には、図5のように、第2のクロック12の5クロックに1回、リピートが発生する。従って、位相制御手段1の位相制御によって、リピートの発生時刻を、第2のクロック12の6クロック分だけ遅らせることができることがわかる。
(最良の実施形態の効果)
以上のように、本発明の位相制御装置は、第1のクロック11と第2のクロック12の周波数差に基づいて、第1のクロック11に同期した入力信号を遅延させる。そして、出力部が遅延させた入力信号を第2のクロック12でサンプリングし、第2のクロック12に同期して出力する。このように、第2のクロック12が入力信号をサンプリングするタイミングを周波数差に応じて変化させることにより、スキップ、あるいはリピートの発生を遅延させることができるという効果がある。
(第2の実施形態)
最良の実施形態の位相制御装置では、位相制御手段1は、入力信号10を遅延させ、位相を制御するのみである。従って、その動作は、入力信号10が持つ情報自体には何ら依存しない。本発明の第2の実施形態の位相制御装置は、入力した信号に第1のクロック11に同期した所定の処理を行って第1の信号を生成し、その後、位相制御手段1による位相制御を行う。図7は、本発明の第2の実施形態の位相制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の位相制御装置は、図7のように、図1の最良の実施形態の構成に加え、第1のクロックに同期した処理を行う処理手段4を備える。処理手段4は、外部から外部信号15を取り込み、第1のクロック11に同期して所定の処理を行った後、処理後の信号を入力信号10として位相制御手段1に入力する。
位相制御手段1は、第1のクロックと第2のクロックの周波数差に基づき、入力信号10を遅延させて遅延入力信号14とし、出力部2に入力する。位相制御手段1による処理の内容は、図1に示した最良の実施形態の場合とまったく同じであるので、説明は省略する。
そして、出力部2が、遅延入力信号14を、第2のクロックに同期させて出力信号20として出力する。
処理手段4が行う処理の例には、画像伸張処理などがある。すなわち、処理手段4は、画像の圧縮情報を含む外部信号15から圧縮情報を抽出し、第1のクロック11に同期して伸張処理を行う。そして、得られた画像信号を入力信号10として、位相制御手段1に入力する。このとき、入力信号10は第1のクロック11に同期している。位相制御手段1の処理内容は、処理手段4における伸張処理の内容には依存しない。画像の伸張処理を行う場合の実施形態については、第4の実施形態として、さらに具体的に説明する。
このように、第2の実施形態の位相制御装置は、入力した信号に第1のクロック11に同期した処理を行った後、位相制御を行い、第2のクロック12に同期させて出力する。そのため、信号に対する処理を行うためのクロックと、出力時に同期させるべきクロックが異なる場合において、スキップ、あるいはリピートの発生を遅延させることができるという効果がある。
(第3の実施形態)
最良の実施形態及び第2の実施形態では、周波数差検出手段3を用いて、第1の周波数と第2の周波数の周波数差を検出した。第3の実施形態では、CPUを用いて周波数差を算出し、位相制御を行う。図8は、本発明の第3の実施形態の位相制御装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態の位相制御装置は、図8のように、周波数差を算出し、位相制御を行うCPU6を備える。また、図1の最良の実施形態の構成における周波数差検出手段3に代わり、第1の周波数及び第2の周波数を個別に測定する周波数測定手段5を備える。
周波数測定手段5は、第1のクロック11の周波数及び第2のクロック12の周波数を測定し、周波数情報17をCPUに入力する。
CPU6は、周波数情報17から第1のクロック11と第2のクロック12の周波数差を算出する。そして、周波数差に応じて遅延量を求め、遅延量情報16として位相制御手段7に設定する。CPU6が遅延量情報16を位相制御手段7に設定するタイミングは、最良の実施形態と同様に、特定のタイミングには限定されないが、最も大きな効果が得られるのは、スキップ又はリピートが発生するタイミングの直前に位相制御を行った場合である。
最良の実施形態の動作において説明したように、スキップ又はリピートが発生するタイミングは、第1のクロック11と第2のクロック12の、立ち上がりエッジ又は立ち下がりエッジとクロックのレベルの関係で検出できる。従って、例えば、周波数測定手段5にスキップ又はリピートが発生するタイミングの検出手段を追加し、CPU6に通知すればよい。CPU6は、周波数測定手段5からの通知に基づき、遅延量情報16を位相制御手段7に設定することができる。
位相制御手段7は、CPU6から設定された遅延量だけ、入力信号10を遅延させて遅延入力信号14とし、出力部2に入力する。位相制御手段7は、最良の実施形態及び第2の実施形態の位相制御手段1とは異なり、周波数差に基づく遅延時間制御は行わない。
出力部2は、遅延入力信号14を、第2のクロックに同期させて出力信号20として出力する。
このように、第3の実施形態では、第1のクロック11の周波数及び第2のクロック12の周波数の測定をハードウェアを用いて行い、他の処理はCPU6を用いてプログラム制御する。位相制御のためには、単純に、設定された遅延量だけ信号を遅延させる位相制御手段を備えればよい。従って、特に他の制御用にCPU6を備える場合にはCPUを位相測定用にも兼用することによって、少ないハードウェア追加により、スキップ、あるいはリピートの発生を遅延させることができるという効果がある。
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体的なシステムに適用した実施形態の例を示す。第4の実施形態は、MPEG−2システムで定義されているストリームを用いた映像情報のデコード・システムに本発明を適用した場合の実施形態である。
本実施形態の説明に入る前に、MPEG−2システムについて簡単に説明する。 MPEG−2システムでは、映像、音声情報を多重化し、伝送するためのストリームとして、2種類の形式を定義している。一つはプログラムストリーム(Program Stream。以降、「PS」という。)であり、他の一つはトランスポート・ストリーム(Transport Stream。以降、「TS」という。)である。本実施形態では、TSを用いて多重化された映像情報のデコード・システムを対象とするので、始めにTSについて説明する。
TSには、複数の映像のプログラムが、時分割で多重化されている。さらに、映像以外の付加情報を含む複数種類のパケットも多重化されている。付加情報のパケットには、プログラム・クロック・リファレンス(Program Clock Reference。以降、「PCR」という。)・パケット及びビデオ・パケッタイズド・エレメンタリー・ストリーム(Packetized Elementary Stream。以降、「PES」という。)・パケットがある。その他に、オーディオのPESパケット、システム・データを送るためのトランスポート・パケットなどがある。
PCRパケットに含まれるPCRは、デコーダへの出力タイミングを示す情報である。より詳細には、PCRは、MPEG方式のデコーダにおける時刻基準となる同期信号情報を、エンコーダ側で意図した値にセット、校正するための情報である。このデコーダにおける同期信号情報は、システム・タイム・クロツク(System Time Clock。以降、「STC」という。)と呼ばれる。
ビデオPESパケットには、プレゼンテーション・タイム・スタンプ(Presentation Time Stamp。以降、「PTS」という。)及びデコード・タイム・スタンプ(Decode Time Stamp。以降、「DTS」という。)が含まれる。PTSは、デコードされたデータの出力タイミングを表す時間情報である。DTSは、画像データのデコード・タイミングを表す時間情報である。すなわち、デコーダは、DTSが示す時刻で画像データを復号し、PTSが示す時刻で復号された画像を出力する。
MPEG−2デコーダでは、PCR、STC、PTS、DTS等の付加情報を参照して、多重化ストリームのデコード・タイミング及び出力タイミングを制御する。以上が、TSの概要である。
PSは、単一のプログラムを想定したストリームである。PSには、ストリーム・クロック・リファレンス(Stream Clock Reference。以降、「SCR」という。」)という基準時間情報が付加されている。以降説明するように、本実施形態のMPEG−2デコーダは、TSを用いているが、本発明はTSに限られず、ストリームがPSである場合にも適用することができる。PSの場合、MPEG−2デコーダは、PCRに代えてSCRを参照し、制御を行う。
(第4の実施形態の構成)
図9は、本発明の第4の実施形態の、MPEG−2デコーダの全体構成を示すブロック図である。本実施形態のMPEG2デコーダは、信号分離部91、映像デコーダ92、STCカウンタ93、PTS抽出部94、STC_PLL95、Vsync検出部96、Vsync−STC変換部97、REF_PLL98、映像遅延時間算出部99、周波数比較部100、映像信号遅延部101、映像FS102を備える。
信号分離部91は、TS形式の映像入力信号110から、映像PESパケット112信号とPCRパケット信号114を分離する。
映像デコーダ92は、映像PESパケット信号112中の、圧縮画像情報を伸張し、デコーダ出力信号113を生成する。
STCカウンタ93は、PCRパケット信号114中に含まれるSTCを検出し、その個数を継続してカウントする。STCは映像入力信号110の送信側の27MHzのクロック(送信側クロック)に同期して送信される情報なので、STCカウンタ93のカウントアップは送信側クロックに同期する。
STC_PLL95は、27MHzのクロック(STCクロック)121を生成する。その際、STC_PLL95は、STCカウンタ93のカウント値であるSTCカウント値115を参照する。STCカウンタ93のカウントアップは送信側クロックに同期している。そのため、STCクロック121の周波数は、映像信号の送信側クロックの周波数に等しくなる。
PTS抽出部94は、映像PESパケット信号112から映像のPTS値116を抽出する。
Vsync検出部96は、基準同期信号111からVsyncタイミング信号117を検出する。基準同期信号111とは、本MPEG−2デコーダ内で使用する所定のタイミングを規定するための同期用信号である。
Vsync−STC変換部97は、Vsyncタイミング信号117にその時点でのSTCカウント値を対応付け、STC値信号118として出力する。STC値信号118は、映像デコーダ92の動作タイミングに対応した情報なので、デコーダ出力信号113の映像のフレームにも対応している。従って、Vsyncタイミング信号117に同期して映像FS102から出力されるフレームに、デコーダ出力信号113のフレームが対応付けられる。つまり、デコードの結果、生成された映像信号フレームの映像信号と、再生される映像信号のフレームとが対応付けられる。
REF_PLL98は、Vsyncタイミング信号117に同期した27MHzのクロック(REFクロック)122を生成する。REFクロック122の周波数も27MHzであるが、REFクロック122は映像信号を元に生成されたクロックではない。そのため、REFクロック122の周波数は、STCクロック121の周波数とは厳密には異なる。
クロック周波数比較部100は、STCクロック121とREFクロック122の、周波数差を求め、周波数差信号123を生成する。
映像遅延時間算出部99は、周波数差信号123、STC値信号118、及び映像PTS信号116に基づいて、デコーダ出力信号113を遅延させるための遅延時間を算出する。
映像遅延時間算出部99における遅延時間の算出方法の例を以下に説明する。映像デコーダ92からのデコーダ出力信号113は、映像PTS信号116に同期している。従って、映像PTS信号116は、その時点で出力されているデコーダ出力信号113の映像のフレームに対応している。一方、STC値信号118は、Vsyncタイミング信号117に同期している。
そこでまず、映像遅延時間算出部99は、同じフレームを示す、映像PTS信号116とSTC値信号118との位相差を測定する。これにより、デコーダ出力信号113のフレームの位相と、STC値信号118が示すフレームの位相のずれを検知することができる。位相のずれの測定には、STCクロック121あるいはREFクロック122を使用すればよい。
次に、映像遅延時間算出部99は、求めた位相のずれと周波数差信号123に基づき、遅延時間を算出する。位相のずれと周波数差信号123とから遅延時間を算出する方法の詳細については、動作の説明と併せて後述する。映像遅延時間算出部99は、遅延制御信号120によって、求めた遅延時間を映像信号遅延部101に設定する。
映像信号遅延部101は、デコーダ出力信号113を、設定された遅延時間だけ遅延させて、遅延映像信号119として出力する。
映像FS102は、遅延映像信号119を、Vsyncタイミング信号117に同期させて、映像出力信号124として出力する。
(第4の実施形態の動作)
次に、第4の実施形態のMPEG2デコーダの動作について説明する。
図10は、STCクロックの周波数がREFクロックの周波数よりも高い場合の動作を示すタイミングチャートである。この場合は、デコーダ出力信号113に対する遅延処理を行わなければ、映像FS102においてスキップが発生する。
そこで、本実施形態では、クロック周波数比較部100を用いて、STCクロックの周波数とREFクロックの周波数を比較し、映像FS102がスキップを発生する可能性があることを検知する。それにより、Vsyncに対応付けて換算したSTC値(STC1)と映像PTS1から、映像遅延部への遅延時間tDをSTC1−PTS1−αと設定する。「STC1−PTS1」は前述の映像PTS信号116とSTC値信号118との位相差に相当する。αを減算する理由は、映像FS102におけるセットアップ時間を確保するためである。
tDを映像信号遅延部101に設定することにより、映像FS102への遅延映像信号119の入力タイミングはVsyncタイミングの直前になる。従って、映像FS102は、変化直後の遅延映像信号119をVsyncタイミングで取り込み、STC1の時刻に映像出力信号124が出力される。
なお、STCクロックの周波数はREFクロックの周波数よりも高いので、映像FS102への遅延映像信号119の入力タイミングは徐々に前へ移動し、最終的には映像のスキップが発生する。
しかし、本実施形態のMPEG2デコーダでは、映像FS102への遅延映像信号119の入力タイミングをVsyncの直前に設定することにより、映像スキップが発生するまでの時間を最大限遅らせている。
次に、図11は、STCクロックの周波数がREFクロックの周波数よりも低い場合の動作を示すタイミングチャートである。この場合は、デコーダ出力信号113に対する遅延処理を行わなければ、映像FS102においてリピートが発生する。
そこで、本実施形態では、クロック周波数比較部100を用いて、STCクロックの周波数とREFクロックの周波数を比較し、映像FS102がリピートを発生する可能性があることを検知する。それにより、Vsyncに対応付けて換算したSTC値(STC1)と映像PTS1から、映像遅延部への遅延時間tDをSTC1−PTS1+αと設定する。上記のように、「STC1−PTS1」は映像PTS信号116とSTC値信号118との位相差に相当する。αを加算する理由は、映像FS102におけるホールド時間を確保するためである。
tDを映像信号遅延部101に設定することにより、映像FS102への遅延映像信号119の入力タイミングはVsyncタイミングの直後になる。従って、映像FS102は、変化直前の遅延映像信号119をVsyncタイミングで取り込み、STC1の時刻に映像出力信号124が出力される。
なお、STCクロックの周波数はREFクロックの周波数よりも低いので、映像FS102への遅延映像信号119の入力タイミングは徐々に後に移動し、最終的には映像のリピートが発生する。
しかし、本実施形態のMPEG2デコーダでは、映像FS102への遅延映像信号119の入力タイミングをVsyncの直後に設定することにより、映像リピートが発生するまでの時間を最大限遅らせている。
本実施形態の目的について、補足説明する。本実施形態では、STCクロック121の周波数とREFクロック122の周波数とは等しくないことを前提とした。両者の周波数が等しい場合は、そもそも本実施形態のような制御は不要である。STCクロック121の周波数とREFクロック122の周波数が等しくない場合は、映像FS102への遅延映像信号119の入力タイミングが、徐々に前、又は後に移動する。そのため、最終的には映像のリピート又はスキップが発生する。このように、本発明ではスキップの発生自体を防止する効果を得るのではなく、スキップの発生を遅らせることを目的としている。すなわち、本実施形態のMPEG2デコーダでは、映像FS102への映像信号の入力タイミングとVsyncのタイミングの相対関係を変化させることにより、リピートやスキップが発生するまでの時間を最大限遅らせることを目的としている。
(第4の実施形態の効果)
以上のように、本実施形態のMPEG−2デコーダは、STCクロック121とREFクロック122のクロックの周波数の差の有無を検出し、出力映像におけるスキップあるいはリピートの発生の有無を判断する。そして、判断結果に従って、映像FS102への映像信号の入力タイミングを遅延させる。
従って、スキップやリピートが発生するまでの時間を遅延させることができるという効果がある。
また、第4の実施形態のMPEG−2デコーダでは、映像信号の入力タイミングの遅延量を算出する際に、映像PTS信号116とSTC値信号118を使用し、STCクロック121とREFクロック122の位相差を求める。そのため、映像信号遅延部101においてデコーダ出力信号113を遅延させるときの、効果的な遅延量を算出することができるという効果もある。
なお、以上の実施形態は、各々他の実施形態と組み合わせることができる。例えば、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせ、処理手段とCPUを備え、プログラム制御による位相制御装置を実現することもできる。あるいは、第4の実施形態に第3の実施形態を組み合わせ、プログラム制御による位相制御を行うMPEG−2デコーダを実現することもできる。
本発明の最良の実施形態の位相制御装置の構成を示すブロック図である。 第1のクロックと第2のクロックの周波数が等しい場合の、本発明の最良の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 第1のクロックの周波数が第2のクロックの周波数よりも高い場合に、位相制御を行わなかったときの、タイミングチャートである。 第1のクロックの周波数が第2のクロックの周波数よりも高い場合の、本発明の最良の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 第1のクロックの周波数が第2のクロックの周波数よりも低い場合に、位相制御を行わなかったときの、タイミングチャートである。 第1のクロックの周波数が第2のクロックの周波数よりも低い場合の、本発明の最良の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態の位相制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態の位相制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態の、MPEG−2デコーダの構成を示すブロック図である。 STCクロックの周波数がREFクロックの周波数よりも高い場合の、本発明の第4の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 STCクロックの周波数がREFクロックの周波数よりも低い場合の、本発明の第4の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。 従来のMPEG−2デコーダの動作を示すタイミングチャートである。
符号の説明
10 入力信号
11 第1のクロック
12 第2のクロック
13 周波数差信号
14 遅延入力信号
15 外部信号
16 周波数情報
17 遅延制御信号
20 出力信号
110 映像入力信号
111 基準同期信号
112 映像PESパケット信号
113 デコーダ出力信号
114 PCRパケット信号
115 STCカウント値
116 映像PTS信号
117 Vsyncタイミング信号
118 STC値信号
119 遅延映像信号
120 遅延制御信号
121 STCクロック
122 REFクロック
123 周波数差信号
124 映像出力信号

Claims (14)

  1. 第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、
    前記周波数差に基づき、前記第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する位相制御手段と、
    前記位相を制御された第1の信号を、前記第2のクロックに同期させて出力する出力手段と
    を備えることを特徴とする位相制御装置。
  2. 前記位相制御手段は、
    前記第1の周波数が前記第2の周波数よりも高いときは、前記位相を所定の遅延量だけ遅延させ、前記位相を前記第2のクロックの所定のエッジで規定される第2のクロック・タイミングよりも所定の第1の時間だけ早いタイミングに同期させ、
    前記第1の周波数が前記第2の周波数よりも低いときは、前記位相を所定の遅延量だけ遅延させ、前記位相を前記第2のクロック・タイミングよりも所定の第2の時間だけ遅いタイミングに同期させる
    ことを特徴とする請求項1記載の位相制御装置。
  3. 前記位相制御手段は、
    前記第1の周波数が前記第2の周波数よりも高いときは、前記第1の信号の変化タイミングを前記第2のクロック・タイミングよりも所定の第1の時間だけ早いタイミングまで遅延させる前記遅延量だけ遅延させ、
    前記第1の周波数が前記第2の周波数よりも低いときは、前記変化タイミングを前記第2のクロック・タイミングよりも所定の第2の時間だけ遅いタイミングまで遅延させる前記遅延量だけ遅延させる
    ことを特徴とする請求項2記載の位相制御装置。
  4. 前記位相制御手段は、
    前記第1の周波数が前記第2の周波数よりも高いときは、前記変化タイミングを前記遅延量だけ遅延させた後に、前記変化タイミングを前記第1のクロックの所定のエッジで規定される第1のクロック・タイミングに同期させ、
    前記第1の周波数が前記第2の周波数よりも低いときは、前記変化タイミングを前記遅延量だけ遅延させた後に、前記変化タイミングを前記第1のクロック・タイミングに同期させる
    ことを特徴とする請求項3記載の位相制御装置。
  5. 前記位相制御手段は、前記周波数差に基づき、前記遅延量を算出する遅延量算出部を備える
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の位相制御装置。
  6. 前記遅延量算出部は、前記周波数差、及び前記第1の信号と前記第2の信号との位相差に基づき、前記遅延量を算出する
    ことを特徴とする請求項5記載の位相制御装置。
  7. 前記第1の信号に含まれる、前記第1の信号の位相を示すタイミング情報を抽出するタイミング情報抽出部と、
    前記第2の信号に同期させて所定の時刻情報を出力する時刻情報出力部を備え、
    前記遅延量算出部は、前記周波数差、並びに前記タイミング情報及び前記時刻情報に基づいて求めた前記位相差に基づき、前記遅延量を算出する
    ことを特徴とする請求項6記載の位相制御装置。
  8. 第2の信号に対して、前記第1のクロックに同期して所定の処理を行い、前記第1の信号を生成する処理手段を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の位相制御装置。
  9. 前記第2の信号は、画像データに所定の圧縮処理を行った圧縮情報を含み、
    前記処理は、前記圧縮情報に対して行う所定の伸張処理である
    ことを特徴とする請求項8記載の位相制御装置。
  10. 請求項9記載の位相制御装置を備えることを特徴とする画像再生装置。
  11. 第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数との周波数差を検出する工程と、
    前記周波数差に基づき、前記第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する工程と、
    前記位相を制御された第1の信号を、前記第2のクロックに同期させて出力する工程と
    を備えることを特徴とする位相制御方法。
  12. 第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数との差を検出する周波数差検出手段と、前記第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する位相制御手段とを備えた位相制御装置のコンピュータを、
    前記周波数差検出手段を用いて、前記周波数差に基づき前記位相を制御する手段
    として機能させるための位相制御プログラム。
  13. 第1のクロックの周波数である第1の周波数と第2のクロックの周波数である第2の周波数を測定する周波数測定手段と、前記第1のクロックに同期した第1の信号の位相を制御する位相制御手段とを備えた位相制御装置のコンピュータを、
    前記周波数測定手段を用いて、前記第1の周波数と前記第2の周波数との周波数差を検出する手段と、
    前記位相制御手段を用いて、前記周波数差に基づき前記位相を制御する手段
    として機能させるための位相制御プログラム。
  14. 請求項12又は13のいずれかに記載の位相制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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JP2017130898A (ja) * 2016-01-22 2017-07-27 サイレックス・テクノロジー株式会社 再生装置、再生システム、及び、再生装置の制御方法

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