JP2009170850A - プラズマ処理装置、プラズマ処理装置の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ処理装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【要 約】
【課題】寿命が長く、かつ、ダストの発生し難いプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】本発明のプラズマ処理装置1はプラズマと接触する保護部材14を有している。保護部材14の表面にはイットリアを主成分とする保護層18が露出しており、保護層18はプラズマにエッチングされず、基体16が保護される。保護層18と基体16の間には下地層17が配置されている。下地層17を構成する下地材料は熱膨張係数がイットリアとアルミニウムの中間にあるため、熱膨張や熱収縮がおこっても、保護層18が基体16上から剥離されない。
【選択図】図3

Description

本発明はプラズマ処理装置に関し、特に、プラズマ処理装置に用いる防着板や内壁部材に関する。
従来より、処理対象物のドライエッチングや成膜には、真空槽内部でガスをプラズマ化させるプラズマ処理装置が用いられている。
プラズマ化したガスは活性が高いため、真空槽の内壁面が化学的に変性したり、エッチング(エロージョン)されることがある。このようなダメージは、真空槽の寿命が短くなるだけでなく、ダスト(粉塵)発生の要因となり、処理対象物が汚染されやすい。そのため、防着板のように、真空槽の内壁面を保護する保護部材が従来より用いられている。
保護部材は、アルミニウム基体の表面にアルミナ等の保護層が形成されたものが一般的である。アルミナはアルミニウムに比べてプラズマにエッチングされ難いが、長時間プラズマに曝されると保護層はエッチング除去されてしまい、基体がダメージを受ける。
また、アルミニウムの線膨張率30.2×10-6/Kに対し、アルミナ(酸化アルミニウム、Al23)の線膨張率は5.4×10-6/Kと低く、線膨張率の差が大きいため、熱膨張や熱収縮により、保護層がアルミニウム基体から剥がれるという問題があった。
特開2003−166043号公報 国際公開2002/048421号公報 特開2001−240482号公報
本発明は上記課題を解決するためのものであり、その目的は、寿命が長く、かつ、ダストが発生しにくいプラズマ処理装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は、真空槽と、前記真空槽の内部雰囲気にプラズマを発生させるプラズマ発生装置とを有するプラズマ処理装置であって、前記真空槽の前記内部雰囲気に露出し、前記プラズマと接触する保護部材は、基体と、前記基体表面に配置された下地層と、前記下地層表面に配置された保護層とを有し、前記基体はアルミニウムを主成分とし、前記保護層はイットリアを主成分とし、前記下地層は、熱膨張係数がアルミニウムよりも高く、かつ、熱膨張係数がイットリアよりも低い下地材料を主成分とするプラズマ処理装置である。
本発明はプラズマ処理装置であって、前記下地材料はフッ化アルミニウムであるプラズマ処理装置である。
本発明は、真空槽と、前記真空槽の内部雰囲気にプラズマを発生させるプラズマ発生装置とを有し、前記真空槽の前記内部雰囲気には保護部材が露出し、前記保護部材が前記プラズマと接触するプラズマ処理装置の製造方法であって、アルミニウムを主成分とする基体の表面を、化学構造中にフッ素原子を有するフッ化ガスのプラズマに曝して下地層を形成した後、前記下地層の表面にイットリアを主成分とする保護層を形成して前記保護部材を形成するプラズマ処理装置の製造方法。
尚、本発明で主成分とは、主成分とする材料を50重量%以上含有することである。従って、基体はアルミニウムを50重量%以上含有し、保護層はイットリアを50重量%以上含有する。
イットリアの保護層はプラズマにエッチングされ難く、また、熱変化により保護層が剥離され難いため、プラズマ処理装置の寿命が長い。真空槽内のダスト発生が少なく、処理対象物が汚染されない。
図1の符号1は本発明のプラズマ処理装置の第一例を示しており、プラズマ処理装置1は、真空槽10と、プラズマ発生装置20と、下部電極40とを有している。真空槽10は容器本体11と、電極支持アース(天板)12とを有している。容器本体11には、天井側と底面側に開口が設けられている。
電極支持アース12は板状であって、オーリング29を介して、容器本体11と同電位になるよう、容器本体11の天井側開口周囲に密着して取り付けられており、該天井側開口は気密に塞がれている。
下部電極40は絶縁物45によって、容器本体11から電気的に絶縁されるように、容器本体11の底面側開口周囲に取り付けられており、該底面側開口は下部電極40で気密に塞がれている。
プラズマ発生装置20は1又は複数の高周波電極30を有している。電極支持アース12には、高周波電極30と同じ数の貫通孔22が設けられている。電極支持アース12の容器本体11と反対側の面(裏面)には、各貫通孔22の周囲にリング形状の絶縁板32が、その中央の穴部分が貫通孔22と連通するように気密に取り付けられている。
各高周波電極30は、円盤状のフランジ部31と、フランジ部31上に立設された棒状電極部35とを有している。各高周波電極30は、電極支持アース12の裏面側から、棒状電極部35が、絶縁板32の中央穴部分に挿通された後、フランジ部31と絶縁板32とが、オーリング39を介して気密に固定され、棒状電極部35は電極支持アース12と非接触な状態で、貫通孔22内に配置されている。従って、各高周波電極30は電極支持アース12から電気的に絶縁されている。
貫通孔22の電極支持アース12裏面側の端部はフランジ部31と絶縁板32によって気密に塞がれ、上述したように、容器本体11の底面側開口と天井側開口はそれぞれ電極支持アース12と下部電極40とで気密に塞がれているから、容器本体11と電極支持アース12と下部電極40とで囲まれた真空槽10の内部雰囲気は外部雰囲気から遮断されている。
各高周波電極30は高周波電源36に接続され、電極支持アース12は容器本体11と同じ接地電位に置かれており、従って、高周波電源36を起動して、各高周波電極30に高周波電圧を印加すると、電極支持アース12と棒状電極部35の間に電圧が印加される。
真空槽10にはガス導入系28が接続され、真空槽10の内部雰囲気にガス導入系28からエッチングガスが導入されるように構成されている。ここでは、エッチングガスは、各貫通孔22内部に供給される。
真空槽10には真空排気系19が接続されており、真空排気系19により、真空槽10の内部雰囲気を真空排気し、真空雰囲気を形成した後、エッチングガスを導入しながら、各高周波電極30に高周波電圧を印加すると、各貫通孔22内でエッチングガスのプラズマが生成される。
以下に、本発明のプラズマ処理装置1を用いてエッチングや成膜等のプラズマ処理を行う工程について説明する。
先ず、真空槽10の内部に所定圧力の真空雰囲気を形成し、その真空雰囲気を維持しながら、処理対象物である基板7を真空槽10内に搬入して、下部電極40上に載置し、クランプ(固定部材)41で固定する。
真空排気を続けながら、ガス導入系28により、化学構造中にフッ素原子を含有するフッ素系ガスをエッチングガスとして各貫通孔22内に導入し、各高周波電極30と電極支持アース12との間に、高周波電圧を印加して放電を発生させると、各貫通孔22内でエッチングガスがプラズマ化し、プラズマ化したエッチングガスが貫通孔22の下端から容器本体11内部に放出され、基板7表面上に到達する。
基板7表面には、SiO2等フッ素系ガスのプラズマでエッチングされる処理対象物が露出しており、プラズマが基板7表面上に到達すると、処理対象物がエッチング除去される。
上述したように、下部電極40は容器本体11から絶縁されている。エッチングの際に、電源49から下部電極40に高周波電圧を印加すれば、基板7表面に入射するイオンやラジカル等の入射エネルギーを制御できる。例えば、これにより入射エネルギーを小さくしてダメージを低減させたり、逆に入射エネルギーを大きくしてエッチング速度を大きくする等の制御を行うことができる。
エッチングガスのプラズマは活性が高いため、基板7が表面処理されると同時に、真空槽10もダメージを受けやすい。
第一例のプラズマ処理装置1は防着板15を有しており、防着板15は真空槽10の内部の基板7周囲に配置され、基板7表面上の空間は防着板15で取り囲まれている。
上述したように、エッチングガスのプラズマは貫通孔22内で発生し、貫通孔22から基板7表面上に到達するから、貫通孔22の内壁面と、防着板15の基板7表面上の空間に向けられた面が、真空雰囲気に露出してプラズマと接触する。真空槽10内部の真空雰囲気に露出し、プラズマと接触する部材は、図3の保護部材14で構成されている。
例えば、電極支持アース12は板状の基体16に貫通孔22が形成され、該貫通孔22の内壁面に下地層17と、保護層18とが記載した順番に積層されて構成されている。防着板15は板状の基体16表面に下地層17と保護層18とが積層されて構成され、保護層18が形成された面が、基板7表面上の空間に向けられている。従って、いずれの場合も保護層18が真空雰囲気に露出し、プラズマと接触する。
保護層18はイットリア(酸化イットリウム、Y23)を主成分としており、イットリアはプラズマにエッチングされ難く、基体16はダメージを受けない。しかも、イットリアはフッ素系ガスとの反応性が低いため、ダストの原因となるパーティクル(粒状の不純物)も形成されない。電極支持アース12と防着板15はプラズマにより損傷しない。しかも、容器本体11は防着板15で覆われ、プラズマに直接曝されないから、容器本体11も損傷せず、真空槽10の寿命が長い。
イットリアの線膨張率は8.2×10-6/Kであり、アルミニウムの線膨張率は30.2×10-6/Kであり、線膨張率(熱膨張係数)の差が大きいため、保護層18を基体16表面に直接設けると、熱収縮や熱膨張により、保護層18が基体16から剥離しやい。
本発明では、保護層18と基体16との間に下地層17が設けられ、該下地層17はフッ化アルミニウム(AlF、線膨張率が10×10-6/K以上20×10-6/K以下)等、熱膨張係数がイットリアよりも高く、かつ、アルミニウムよりも低い下地材料を主成分とする。従って、基体16や保護層18が熱膨張や熱収縮しても、体積変化による応力が下地層17で緩和されるから、保護層18が基体16上から剥離し難い。
以上は真空槽10内部に防着板15を設ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。図2は本発明第二例のプラズマ処理装置5を示している。このプラズマ処理装置5は防着板15を有しておらず、容器本体11の内壁面が基板7の表面上の空間を取り囲んでいるため、その内壁面が真空雰囲気に露出し、プラズマと接触する。
第二例のプラズマ処理装置5では、容器本体11の少なくとも基板7の表面上を取り囲む側壁が、図3に示すような保護部材14で構成されている。即ち、容器本体11の側壁は、基体16と、基体16表面上に配置された下地層17と、下地層17表面に配置された保護層18とを有しており、保護層18が形成された面が、真空槽10の内側に向けられている。従って、容器本体11の内壁面には保護層18が露出し、プラズマと接触するため、容器本体11はダメージを受けず、パーティクルも形成され難い。
このように、保護部材14の設置場所は、真空雰囲気に露出し、プラズマに接触する場所であれば特に限定されないが、パーティクルが基板7表面に落下するのを防止するためには、真空槽10の内部空間のうち、基板7の表面上の空間と対面する部材を本発明の保護部材14で構成することが望ましい。
例えば、電極支持アース12は基板7上方に位置するから、電極支持アース12の貫通孔22内壁面だけでなく、電極支持アース12の真空槽10の内部雰囲気と面する面全部に、下地層17と保護層18を積層することが望ましい。
下地層17の下地材料は、熱膨張係数がアルミニウムの熱膨張係数未満であり、かつ、イットリアの熱膨張係数を超えるものであれば特に限定されず、例えば、ステンレス鋼(線膨張率14.7)を用いることができる。
しかし、ステンレス鋼はCr等の重金属を含むため、重金属汚染源となりうる。従って、本発明のプラズマ処理装置1、5を半導体のような電子デバイスの製造に用いる場合には、ステンレス鋼の下地層17は適さない。
下地層17の膜厚が厚すぎると剥離の原因となるので、下地層17の膜厚は100nm以下の薄膜とするのが望ましい。そのような薄膜の下地層17の形成方法の一例を述べると、基体16が配置された真空雰囲気中で、化学構造中にフッ素原子を有するフッ化ガスをプラズマ化し、そのフッ化ガスのプラズマに基体16の表面を短時間(3分以下)曝す。基体16表面部分のアルミニウムがフッ化し、フッ化アルミニウムを主成分とする薄膜(下地層17)が形成される。
フッ化ガスは、CF4と、CHF3と、NF3と、SF6とからなるフッ素系ガス群より選択される少なくとも1種以上のフッ素系ガスを用いることができる。
上記のようにして形成した下地層17の表面に、イットリアを主成分とする保護層18を形成すれば、保護部材14が得られる。
保護層18の成膜方法は特に限定されないが、燃焼又は電気エネルギーを用いて、溶融又はそれに近い状態にしたイットリア粒子を、下地層17表面に吹き付ける溶射法にて成膜することができる。
溶射法は、フレーム溶射、爆発溶射等のガス式溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、線爆溶射、レーザ溶射等の電気式溶射を用いることができる。
以上は、保護部材14の片面(表面)だけに保護層18を露出させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、基体16の表面だけでなく、裏面にも下地層17と、保護層18を記載した順番に積層し、保護部材14の両面に保護層18を露出させてもよい。
本発明のプラズマ処理装置1、5の用途はエッチングに限定されず、クリーニングガス(例えばフッ素系ガス)のプラズマを発生させて、処理対象物表面の汚染物質を除去するクリーニングに用いることもできる。
本発明のプラズマ処理装置1、5に用いるエッチングガスとクリーニングガスは特に限定されず、CF4と、CHF3と、NF3と、SF6とからなるフッ素系ガス群より選択される少なくとも1種以上のフッ素系ガスを用いることができる。フッ素系ガスと一緒に、Arと、Neと、Xeと、Krとからなる群より選択されるいずれか1種類以上の不活性ガスをキャリアガスとして導入してもよい。
更に、エッチングガスやクリーニングガスの代わりに原料ガスをプラズマ発生装置20に供給し、原料ガスをプラズマ化させて、原料ガス、又は原料ガスの反応生成物を基板表面に析出させる成膜処理にも用いることができる。
<保護層材料の選定>
アルミナと、窒化アルミニウム(AlN)と、炭化ケイ素(SiC)と、イットリアと、石英の各材料をエッチングし、エッチング速度を求めた。尚、各材料は、主成分純度が95%以上のものを用いた。エッチング条件を下記に示す。
圧力:10mTorr
ガス流量(単位sccm):Ar/SF6/CHF3=100/10/150
アンテナパワー:2500W
バイアスパワー:1500W
温度:10℃
エッチング時間:1時間
尚、アンテナパワーは高周波電極30への印加電力のことであり、バイアスパワーは下部電極40への印加電力のことである。
エッチング速度は、アルミナが約500Å/分、窒化アルミニウムが400−1000Å/分、炭化ケイ素が約600Å/分、石英が2800Å/分であったのに対し、イットリアのエッチング速度は200Å/分未満と特に遅かった。
<放電試験>
上記保護層材料の中から、エッチング速度が遅いという点に着目して、アルミナ(アルピカと硬質アルマイトの二種類)と、イットリアを選択した。尚、「アルピカ」は封孔処理アルミナの登録商標である。
アルミニウムからなる基体16の表面にイットリア膜を成膜した保護部材を実施例1とし、イットリア膜に代え、アルピカと硬質アルマイトをそれぞれ形成したものを比較例1、2とした。
実施例1、比較例1、2の保護部材を、図1のプラズマ処理装置1の防着板15表面にネジ止めし、SiO2をエッチングする時の条件で放電を起こし、フッ素系ガスのプラズマを発生させた。10分間の連続放電と、5分間の放電停止とを繰り返し、連続放電した時間の合計を放電時間とした。
実施例1、比較例1、2について、50時間放電後の保護層18表面をSEM(Scanning Electron Microscope、走査電子顕微鏡) で観察し、EDX(Energy Dispersive X-ray spectrometer:エネルギー分散型X線分析装置)により、保護層18表面の元素質量濃度(%)と、原子数濃度(%)を求めた。
実施例1と比較例2については、イニシャル(放電前)と、100時間放電後についても、SEM観察と元素質量濃度、原子数濃度の測定を行い、実施例1については、200時間放電後についても、SEM観察と元素質量濃度、原子数濃度の測定を行った。
<比較例1:アルピカ>
50時間放電後のSEM写真を図4に示す。尚、図4の(a)〜(c)のSEM写真は、倍率がそれぞれ300倍、1000倍、5000倍である。図4から、放電後には、比較例1の防着板表面にパーティクルが形成されていることが分かる。50時間放電後の元素質量濃度と原子数濃度を下記表1にそれぞれ示す。
上記表1から明らかなように、50時間放電後は防着板15表面に酸素が検出されておらず、アルピカ、即ち、アルミナ(酸化アルミニウム)の保護層がエッチング除去されたと推測される。また、フッ素含有量が高いことから、パーティクルは基体16のアルミニウムとフッ素系ガスとの反応物(フッ化アルミニウム、AlF)であると推測される。
<比較例2:硬質アルマイト>
放電前のSEM写真を図5に示し、50時間放電後のSEM写真を図6に示し、100時間放電後のSEM写真を図7に示す。尚、図5(a)〜(c)と、図6(a)〜(c)のSEM写真は、倍率がそれぞれ300倍、1000倍、5000倍であり、図7のSEM写真の倍率は5000倍である。
図5〜7を見ると、放電前では防着板表面が平滑であるが、放電後は表面にパーティクルが形成され、放電時間が長くなるとパーティクルが成長している。
元素質量濃度と原子数濃度の測定結果を下記表2〜4に示す。表2は放電前の測定結果であり、表3は50時間放電後の測定結果であり、表4は100時間放電後の測定結果である。
上記表2〜4を見ると明らかなように、放電により酸素の量が減少し、放電時間100時間では酸素が検出されないことから、放電によって硬質アルマイトの保護層がエッチング除去されたと推測される。また、放電によってF濃度が増加しており、パーティクルはフッ化アルミニウムのようなフッ素系ガスの反応生成物であると推測される。
比較例1、2の結果から、アルミナの保護層は50時間以上の長時間放電には耐えられず、除去されてしまうことが分かる。また、比較例1、2共に、不純物が粒状に成長するから、その粒(パーティクル)がダストの原因となる。
<実施例1:イットリア>
放電前のSEM写真を図8に示し、50時間放電後のSEM写真を図9に示し、100時間放電後のSEM写真を図10に、200時間放電後のSEM写真を図11に示す。尚、図8(a)〜(c)と、図9(a)〜(c)と、図11(a)〜(c)のSEM写真は、倍率がそれぞれ300倍、1000倍、5000倍であり、図10のSEM写真の倍率は5000倍である。
図8を見ると、放電前のイットリアの保護層18は表面に凹凸が形成されている。図9〜図11を見ると、放電後はイットリアの保護層18の凹凸を覆うように不純物が成長しており、比較例1、2に見られたようなパーティクルは成長せず、ダストが発生し難いことがわかる。
元素質量濃度と原子数濃度の測定結果を下記表5〜8に示す。表5は放電前の測定結果であり、表6〜8は放電時間がそれぞれ、50時間、100時間、200時間の測定結果である。
上記表6ではAlがYよりも低濃度であり、50時間以下の放電ではフッ化アルミニウムが形成されないことがわかる。表7、8を見ると、Yが検出されず、Al濃度が高くなっていることから、表面にフッ化アルミニウムが形成されたと推測される。200時間放電後に、表面を引っかいた後のSEM写真(5000倍)を図12に示し、その表面の元素質量濃度と原子数濃度を下記表9に示す。
上記表9から分かるように、引っかき後の表面はY濃度が回復しており、200時間連続放電した場合もイットリアがエッチング除去されずに残り、その下層の基体16が保護されていることが分かる。従って、200時間以上の長時間連続放電した場合であっても、表面のフッ化アルミニウムを剥離、除去すれば、再利用が可能である。
試験に用いたプラズマ処理装置1は容器本体11がアルミニウムで構成されており、容器本体11の内壁面は一部が露出している。従って、放電により生成されたフッ化アルミニウムのAl原子は、保護部材14の基体16由来ではなく、容器本体11の露出部分がエッチングされて放出されたものと推測される。また、オーリング29、39はゴムで構成されているため、表6、7中の「C」と「S」はオーリング29、39由来と推測される。
上記実施例1、比較例1、2は、基体16の表面に直接保護層18を形成したが、基体16と保護層18との間にAlFの下地層17を設けた場合も同様の実験結果が得られた。従って、基体16と保護層18の間に下地層を設けた場合も、保護層18はエッチングされ難く、パーティクルも形成され難いことが分かる。
本発明第一例のプラズマ処理装置を説明するための断面図 本発明第二例のプラズマ処理装置を説明するための断面図 保護部材の拡大断面図 (a)〜(c):比較例1のSEM写真(50時間放電後) (a)〜(c):比較例2のSEM写真(放電前) (a)〜(c):比較例2のSEM写真(50時間放電後) 比較例2のSEM写真(100時間放電後) (a)〜(c):実施例1のSEM写真(放電前) (a)〜(c):実施例1のSEM写真(50時間放電後) 実施例1のSEM写真(100時間放電後) (a)〜(c):実施例1のSEM写真(200時間放電後) 実施例1のSEM写真(200時間放電、引っかき後)
符号の説明
1、5……プラズマ処理装置 10……真空槽 14……保護部材 16……基体 17……下地層 18……保護層 20……プラズマ発生装置

Claims (3)

  1. 真空槽と、前記真空槽の内部雰囲気にプラズマを発生させるプラズマ発生装置とを有するプラズマ処理装置であって、
    前記真空槽の前記内部雰囲気に露出し、前記プラズマと接触する保護部材は、基体と、前記基体表面に配置された下地層と、前記下地層表面に配置された保護層とを有し、
    前記基体はアルミニウムを主成分とし、
    前記保護層はイットリアを主成分とし、
    前記下地層は、熱膨張係数がアルミニウムよりも高く、かつ、熱膨張係数がイットリアよりも低い下地材料を主成分とするプラズマ処理装置。
  2. 前記下地材料はフッ化アルミニウムである請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 真空槽と、前記真空槽の内部雰囲気にプラズマを発生させるプラズマ発生装置とを有し、
    前記真空槽の前記内部雰囲気には保護部材が露出し、前記保護部材が前記プラズマと接触するプラズマ処理装置の製造方法であって、
    アルミニウムを主成分とする基体の表面を、化学構造中にフッ素原子を有するフッ化ガスのプラズマに曝して下地層を形成した後、
    前記下地層の表面にイットリアを主成分とする保護層を形成して前記保護部材を形成するプラズマ処理装置の製造方法。
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