JP2009168152A - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油圧式の変速用摩擦係合要素を備えた自動変速機において、変速用ソレノイドに溜まった異物を積極的に除去する。
【解決手段】ECUは、異物除去モードが選択されたか否かを判断するステップ(S100)と、異物除去モードが選択されると(S100にてYES)、変速用ソレノイドで調圧された油圧を排出するドレン状態に切換弁を切り換えるステップ(S102)と、変速用ソレノイドをオン/オフ駆動するステップ(S104)と、変速用ソレノイドをオフするステップ(S106)と、ドレン油路内の油の流れ方向がドレン油路から変速用ソレノイドに逆流する方向となるように、退避走行用ソレノイドをオンするステップ(S108)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動変速機の油圧制御に関し、特に、変速用ソレノイドに溜まった異物を除去する際の自動変速機の油圧制御に関する。
複数の油圧式摩擦係合装置が選択的に係合、解放されることにより、変速比が異なる複数の変速段が成立させられる車両用自動変速機にあっては、複数の油圧式摩擦係合装置の油圧を制御する油圧制御装置が設けられる。この油圧制御装置として、たとえば、複数の油圧式摩擦係合装置に対応して配置されて、それ等の対応する油圧式摩擦係合装置を選択的に係合、解放するための複数の変速用ソレノイドバルブを備えた油圧制御装置が知られている。そして、このような油圧制御装置において、コネクタ外れや断線などにより変速用ソレノイドバルブの油圧出力が不可となる場合に所定の変速段を成立させて退避走行を可能とする技術が、たとえば特開2006−46542号公報(特許文献1)に開示されている。
この公報に開示された車両用自動変速機の油圧制御装置は、変速比が異なる複数の変速段を成立させるための複数の油圧式摩擦係合装置に対応して配置され、油圧が供給される入力ポートと、油圧を出力する出力ポートと、作動油を排出するドレンポートとを有し、ソレノイドによりそれ等のポートの連通状態を変化させて対応する油圧式摩擦係合装置を選択的に係合、解放するための複数の変速用ソレノイドバルブを備えている車両用自動変速機の油圧を制御する。この油圧制御装置において、複数の油圧式摩擦係合装置のうち予め定められた退避走行用の変速段を成立させる際に係合させる退避走行時係合側摩擦係合装置に対応して設けられた変速用ソレノイドバルブのドレンポートに接続される退避走行用出力ポートと、油圧が供給される退避走行用入力ポートと、作動油を排出する正常時解放用ドレンポートとを有するとともに、複数の油圧式摩擦係合装置のうち退避走行用の変速段を成立させる際に解放する退避走行時解放側摩擦係合装置に対応して設けられた変速用ソレノイドバルブの入力ポートに接続される正常時係合用出力ポートと、油圧が供給される正常時係合用入力ポートと、作動油を排出する退避走行用ドレンポートとを有するフェールセーフバルブが設けられる。フェールセーフバルブは、退避走行用出力ポートと正常時解放用ドレンポートとを連通させるとともに退避走行用入力ポートを遮断し、且つ正常時係合用出力ポートと正常時係合用入力ポートとを連通させるとともに退避走行用ドレンポートを遮断する正常時連通状態と、退避走行用出力ポートと退避走行用入力ポートとを連通させるとともに正常時解放用ドレンポートを遮断し、且つ正常時係合用出力ポートと退避走行用ドレンポートとを連通させるとともに正常時係合用入力ポートを遮断するフェール時連通状態と、に切り換えられる。
この公報に開示された油圧制御装置によると、変速用ソレノイドバルブの油圧出力が不可となる時に、フェールセーフバルブが正常時連通状態からフェール時連通状態に切り換えられる。これにより、フェールセーフバルブの退避走行用出力ポートから変速用ソレノイドバルブのドレンポートに油圧が供給され、さらに出力ポートから出力されて退避走行時係合側摩擦係合装置が係合させられる。そのため、退避走行用の変速段が成立させられて退避走行が可能となる。
特開2006−46542号公報
ところで、特許文献1に開示された油圧制御装置において、変速用ソレノイドバルブ内部に異物が溜まると、油圧式摩擦係合装置に供給される油圧を適切に調整できずに、油圧式摩擦係合装置を係合または解放できなくなったり、油圧式摩擦係合装置を係合または解放する際の制御応答性が低下したりすることが考えられる。特に、変速用ソレノイドバルブのドレンポート付近に異物が溜まると、退避走行用出力ポートから変速用ソレノイドバルブのドレンポートに油圧を供給できずに退避走行用の変速段を成立させることができなかったりすることが考えられる。
しかしながら、特許文献1に開示された油圧制御装置においては、変速用ソレノイドバルブに溜まった異物を除去する技術について何ら開示されていない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、油圧式の変速用摩擦係合要素を備えた自動変速機において、変速用ソレノイドに溜まった異物を積極的に除去することができる油圧制御装置を提供することである。
第1の発明に係る油圧制御装置は、油圧式の変速用摩擦係合要素を備えた自動変速機の油圧を制御する。この油圧制御装置は、ライン圧の油が供給される入力ポートと、供給された油を調圧して摩擦係合要素へ出力する出力ポートと、摩擦係合要素からの油をドレン油路に排出するドレンポートとを有し、ソレノイドにより入力ポート、出力ポートおよびドレンポートの連通状態を変化させて摩擦係合要素を係合状態および解放状態のいずれかの状態に切り換える変速用ソレノイドバルブと、ドレン油路に接続され、ドレンポートからドレン油路に油を排出する排出方向とドレン油路からドレンポートに油を供給する逆流方向との間でドレン油路内の油の流れ方向の切り換えを行なう方向切換手段と、変速用ソレノイド内の異物を除去させる異物除去モードが選択されたことを検出するための手段と、少なくとも変速用ソレノイドバルブおよび方向切換手段を制御するための制御手段とを含む。制御手段は、異物除去モードが選択されたことが検出されると、入力ポートを略遮断するとともに出力ポートとドレンポートとを連通させるように変速用ソレノイドバルブを制御するための手段と、異物除去モードが選択されたことが検出されると、ドレン油路内の油の流れ方向を逆流方向に切り換えるように方向切換手段を制御するための方向制御手段とを含む。
第1の発明によると、異物除去モードが選択されたことが検出された場合、変速用ソレノイドの入力ポートが略遮断されるとともに、出力ポートとドレンポートとが連通する。さらに、ドレンポートからドレン油路に油を排出する排出方向から、ドレン油路からドレンポートに油を供給する逆流方向に、ドレン油路内の油の流れ方向が切り換えられる。そのため、異物除去モードにおいて、排出方向とは異なる逆流方向の油の流れを変速用ソレノイドの内部および各ポート付近に発生させることができる。そのため、変速用ソレノイドの内部および各ポート付近に溜まった異物を積極的に除去することができる。その結果、油圧式の変速用摩擦係合要素を備えた自動変速機において、変速用ソレノイドに溜まった異物を積極的に除去することができる油圧制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る油圧制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、方向切換手段は、ライン圧の油が供給される第1ポートと、変速用ソレノイドバルブのドレンポートに接続される第2ポートと、変速用ソレノイドバルブのドレンポートから第2ポートを経由して入力された油を排出する第3ポートとを含む。方向制御手段は、異物除去モードが選択されたことが検出されると、第3ポートを略遮断するとともに第1ポートと第2ポートとを連通させるように、方向切換手段を制御する。
第2の発明によると、異物除去モードが選択されたことが検出された場合、ライン圧の油が供給される第1ポートと変速用ソレノイドバルブのドレンポートに接続される第2ポートとが連通する。そのため、第1ポートに供給されたライン圧を第2ポートから変速用ソレノイドバルブのドレンポートに出力して、逆流方向の油の流れを変速用ソレノイドに発生させることができる。
第3の発明に係る油圧制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、方向切換手段は、変速用ソレノイドバルブによる油圧調整が不能となった場合に、第1ポートに供給されたライン圧の油をドレンポートおよび出力ポートを経由して摩擦係合要素に供給することにより予め定められた退避走行用の変速段を形成させるための退避走行用ソレノイドバルブである。
第3の発明によると、異物除去モードが選択されたことが検出された場合、退避走行用の退避走行用ソレノイドバルブを利用して、逆流方向の油の流れを変速用ソレノイドに発生させることができる。
第4の発明に係る油圧制御装置は、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、摩擦係合要素と出力ポートとの間に設けられ、出力ポートからの油を摩擦係合要素に出力する出力状態と出力ポートからの油を排出する排出状態との間で切り換えを行なう切換弁をさらに含む。制御手段は、異物除去モードが選択されたことが検出されると、切換弁を排出状態に切り換えるように切換弁を制御するための手段をさらに含む。
第4の発明によると、異物除去モードが選択されたことが検出された場合、切換弁が出力状態から排出状態に切り換えられるため、除去された異物を摩擦係合要素に供給することなく適切に排出することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る油圧制御装置を搭載した車両10について説明する。この車両10は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、FF以外の車両であってもよい。
車両10は、エンジン100と、トルクコンバータ210と、オートマチックトランスミッション200と、駆動輪12と、ディファレンシャルギヤ14と、ドライブシャフト16と、ECU(Electronic Control Unit)400とを含む。
エンジン100は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。
オートマチックトランスミッション200は、プラネタリギヤユニット220と、油圧回路300とを含む。オートマチックトランスミッション200は、トルクコンバータ210を経由してエンジン100に連結される。油圧回路300は、プラネタリギヤユニット220内部のクラッチ要素およびブレーキ要素の作動状態を、ECU400からの信号に応じて制御する。これにより、オートマチックトランスミッション200は、所望のギヤ段を形成し、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。
オートマチックトランスミッション200の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ14と噛合っている。ディファレンシャルギヤ14にはドライブシャフト16がスプライン嵌合などによって連結される。ドライブシャフト16を経由して、左右の駆動輪12に動力が伝達される。
ECU400には、車速センサ50と、シフトレバー52のポジションスイッチ54と、アクセルペダル56のアクセル開度センサ58と、ブレーキペダル60のストロークセンサ62と、電子スロットルバルブ114のスロットル開度センサ64と、エンジン回転数センサ66と、入力軸回転数センサ70と、出力軸回転数センサ72とが、ハーネスなどを介在させて接続されている。
車速センサ50は、ドライブシャフト16の回転数から車両10の車速Vを検出する。ポジションスイッチ54は、シフトレバー52の位置(シフトポジション)SPを検出する。アクセル開度センサ58は、アクセルペダル56の開度(アクセル開度)ACCを検出する。ストロークセンサ62は、ブレーキペダル60のストローク量(ブレーキストローク量)BSを検出する。スロットル開度センサ64は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ114の開度(スロットル開度)を検出する。エンジン回転数センサ66は、エンジン100の出力軸(クランクシャフト)の回転数(エンジン回転数)NEを検出する。入力軸回転数センサ70は、オートマチックトランスミッション200の入力軸回転数NINを検出する。出力軸回転数センサ72は、オートマチックトランスミッション200の出力軸回転数NOUTを検出する。これらの各センサは、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。
さらに、ECU400には、異物除去モード検出センサ80が、ハーネスなどを介在させて接続されている。異物除去モード検出センサ80は、油圧回路300内部に設けられた変速用ソレノイドに詰まった異物を除去するモード(以下、異物除去モードと記載する)を車両10の運転者が選択したか否かを検出し、検出結果を表わす信号をECU400に送信する。なお、変速用ソレノイドについては後に詳述する。
ECU400は、車速センサ50、ポジションスイッチ54、アクセル開度センサ58、ストロークセンサ62、スロットル開度センサ64、エンジン回転数センサ66、入力軸回転数センサ70、出力軸回転数センサ72、異物除去モード検出センサ80などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両10が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
ECU400は、シフトレバー52がD(ドライブ)ポジションに位置することにより、オートマチックトランスミッション200のシフトレンジにD(ドライブ)レンジが選択された場合、1速〜6速段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、油圧回路300を制御する。1速〜6速段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション200は駆動輪12に駆動力を伝達し得る。
図2を参照して、本実施の形態に係る油圧制御装置について説明する。この油圧制御装置は、変速用ソレノイド310と、切換弁320と、電磁弁330と、退避走行用ソレノイド340と、異物除去モード検出センサ80と、ECU400とを含む。変速用ソレノイド310、切換弁320、電磁弁330、および退避走行用ソレノイド340は、油圧回路300の内部に設けられる。
変速用ソレノイド310は、プラネタリギヤユニット220内部のクラッチ要素(以下、単にクラッチとも記載する)に供給する油圧を調整する、ノーマルクローズ型(非通電時に出力される油圧が最小(「0」)になる)のソレノイドバルブである。なお、変速用ソレノイド310は、ノーマルオープン型(非通電時に出力される油圧が最大になる)であってもよい。また、変速用ソレノイド310は、ブレーキ要素に油圧を供給するソレノイドバルブであってもよい。
変速用ソレノイド310は、入力ポート312と、出力ポート314と、制御圧入力ポート316と、ドレンポート318とを含む。入力ポート312には、エンジン100のクランクシャフトに連結されたオイルポンプ(図示せず)からの油圧が調圧されたライン圧が供給される。
変速用ソレノイド310は、ECU400からの制御信号(通電量)に応じて変化するソレノイドの磁力と、制御圧入力ポート316に入力される制御圧と、スプリングの付勢力とにより制御される。
変速用ソレノイド310は、通電時(オン時)に調圧状態となり、入力ポート312と出力ポート314とを連通させるとともに、ドレンポート318を略遮断する。なお、ここでいう「略遮断」とは、流路断面を最小にすることを意味し、流路断面を「0」にすることに必ずしも限定されない。以下に記載する「略遮断」についても同様である。
この調圧状態においては、入力ポート312に供給されたライン圧は変速用ソレノイド310で調圧されて出力ポート324を経由して油路350に出力される。油路350に出力された油圧は、油路352を経由して切換弁320の入力ポート322に供給されるとともに、油路354を経由して変速用ソレノイド310の制御圧入力ポート316に制御圧として戻される。
変速用ソレノイド310は、非通電時(オフ時)にドレン状態となり、入力ポート312を略遮断するとともに、ドレンポート318を大きく開いて(たとえば流路断面を最大化して)、出力ポート314とドレンポート318とを連通させる。
このドレン状態においては、油路350からの油が出力ポート314に戻され、出力ポート314に戻された油はドレンポート318を経由してドレン油路380に排出される。
切換弁320は、クラッチが設けられたメイン回路と変速用ソレノイド310との間に設けられる。切換弁320は、入力ポート322と、出力ポート324と、ドレンポート326と、切換圧入力ポート328とを含む。入力ポート322には、変速用ソレノイド310で調圧された油圧が油路352を経由して供給される。切換圧入力ポート328には、電磁弁330からの切換圧が油路370を経由して入力される。
電磁弁330は、ECU400によりオンオフされる。電磁弁330は、オンされると切換圧を切換圧入力ポート328に供給し、オフされると切換圧の供給を停止する。
切換弁320は、電磁弁330から供給される切換圧とスプリングの付勢力とにより、制御される。
切換弁320は、切換圧が供給されていない場合、供給状態となり、入力ポート322と出力ポート324とを連通させるとともに、ドレンポート326を略遮断する。この供給状態においては、入力ポート322に供給された油圧(変速用ソレノイド310で調圧された油圧)が出力ポート324から油路360に出力され、メイン回路(クラッチ)に供給される。
切換弁320は、切換圧入力ポート328に切換圧が供給された場合、ドレン状態となり、入力ポート322とドレンポート326とを連通させるとともに、出力ポート324を略遮断する。このドレン状態では、入力ポート322に供給された油圧がドレンポート326を経由してドレン油路362に排出されてオイルパンに戻される。
退避走行用ソレノイド340は、ECU400により制御されるノーマルオープン型のソレノイドバルブである。退避走行用ソレノイド340は、ドレン油入力ポート342と、ドレン油出力ポート344と、ライン圧入力ポート346とを含む。ライン圧入力ポート346には、ライン圧が供給されている。ドレン油入力ポート342は、ドレン油路380で変速用ソレノイド310のドレンポート318と接続される。
たとえば断線、コネクタ外れ、ECU400の電源遮断などによりECU400と変速用ソレノイド310とが電気的に遮断されると、変速用ソレノイド310による油圧調整が不能となる。このような場合に、退避走行用ソレノイド340は、ドレン油路380側から変速用ソレノイド310を経由してメイン回路に油圧を供給することにより、予め定められた退避走行用の変速段を形成させる。
退避走行用ソレノイド340は、通電時にオフ状態となり、ドレン油入力ポート342とドレン油出力ポート344とを連通させるとともに、ライン圧入力ポート346を略遮断する。通常、退避走行用ソレノイド340はECU400により通電されており、オフ状態に維持される。
このオフ状態においては、ドレン油入力ポート342に供給された油圧がドレン油出力ポート344を経由してドレン油路390に出力され、オイルパンに戻される。
退避走行用ソレノイド340は、非通電時にオン状態となり、ドレン油出力ポート344を略遮断するとともに、ライン圧入力ポート346とドレン油入力ポート342とを連通させる。
このオン状態においては、ライン圧入力ポート346に供給されたライン圧がドレン油入力ポート342からドレン油路380に出力され、変速用ソレノイド310のドレンポート318に供給される。
すなわち、退避走行用ソレノイド340は、オフ状態からオン状態に切り換えられると、ドレン油路380内の油の流れ方向を、変速用ソレノイド310のドレンポート318からドレン油路380に油を排出する方向(以下、排出方向とも記載する)から、ドレン油路380からドレンポート318に油を供給する方向(以下、逆流方向とも記載する)に切り換える。
ECU400は、クラッチを係合させる際には、変速用ソレノイド310を調圧状態に制御するとともに、切換弁320を供給状態に制御する。これにより、変速用ソレノイド310で調圧された油圧が切換弁320を経由してメイン回路に供給される。
ECU400は、クラッチを解放させる際には、切換弁320を供給状態に制御したまま、変速用ソレノイド310をドレン状態に制御する。これにより、クラッチに供給されていた油圧が切換弁320および変速用ソレノイド310を経由してドレン油路380に排出される。
一方、たとえばECU400の電源が遮断された場合、変速用ソレノイド310は非通電状態(ドレン状態)となり、出力ポート314とドレンポート318とが連通される。また、電磁弁330がオフされるため、切換弁320が供給状態となり、入力ポート322と出力ポート324とが連通される。また、退避走行用ソレノイド340は、オン状態となり、ライン圧入力ポート346とドレン油入力ポート342とが連通される。
これにより、退避走行用ソレノイド340に供給されていたライン圧がドレン油路380を経由して変速用ソレノイド310に供給され、供給された油圧が切換弁320経由して退避走行用のクラッチに供給される。そのため、ECU400の電源が遮断され、変速用ソレノイド310による油圧調整が不能となった場合であっても、退避走行用の変速段での退避走行が可能となる。
このような本実施の形態に係る油圧制御装置おいて、変速用ソレノイド310内部に異物が溜まると、クラッチに供給される油圧を適切に調整できずに、クラッチを係合または解放できなくなったり、クラッチを係合または解放する際の制御応答性が低下したりすることが考えられる。特に、変速用ソレノイド310のドレンポート318付近に異物が溜まると、退避走行時に退避走行用ソレノイド340から変速用ソレノイド310に油圧を供給できずに、退避走行用の変速段を成立させることができなくなることが考えられる。
そこで、本実施の形態に係る油圧制御装置を構成するECU400は、異物除去モードが選択された場合に、通常とは異なる油の流れを発生させて変速用ソレノイド310の内部および各ポート(特にドレンポート318)付近の異物を除去するように、変速用ソレノイド310、電磁弁330および退避走行用ソレノイド340を制御する機能を備える。
なお、以下の説明においては、このような機能がECU400に記憶されたプログラムを実行することにより(すなわちソフトウェアにより)実現されるものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図3を参照して、本実施の形態に係る油圧制御装置を構成するECU400が実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU400は、異物除去モードが選択されたか否かを判断する。たとえば、ECU400は、異物除去モード検出センサ80が異物除去モードを運転者が選択したことを検出した場合に、異物除去モードが選択されたと判断する。なお、異物除去モードが選択されたか否かの判断方法はこれに限定されない。たとえば、予め定められた条件に基づいて異物除去モードを自動選択する機能をECU400内に設け、この自動選択する機能により異物除去モードが選択されたか否かを判断するようにしてもよい。異物除去モードが選択されると(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU400は、電磁弁330をオンして、切換弁320をドレン状態に切り換える。
S104にて、ECU400は、変速用ソレノイド310の調圧状態とドレン状態との切り替えが予め定められた回数だけ繰り返されるように、変速用ソレノイド310をオン/オフ駆動する(オンとオフとを繰り返す)。なお、ECU400は、予め定められた時間が経過するまで、変速用ソレノイド310をオン/オフ駆動するようにしてもよい。
S106にて、ECU400は、変速用ソレノイド310がドレン状態となるように、変速用ソレノイド310をオフする。
S108にて、ECU400は、ドレン油路380内の油の流れ方向が逆流方向となるように、退避走行用ソレノイド340をオン(退避走行用ソレノイド340への通電を停止)する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る油圧制御装置を構成するECU400により制御される油の流れについて、図4を参照しつつ説明する。
異物除去モードが選択されていない場合(S100にてNO)、退避走行用ソレノイド340はオフ状態となり、変速用ソレノイド310からドレン油路380に排出された油は、退避走行用ソレノイド340を経由してオイルパンに戻される。すなわち、ドレン油路380内の油の流れ方向は排出方向(図4の矢印Aに示す方向)となる。
一方、異物除去モードが選択されると(S100にてYES)、電磁弁330がオンされて切換弁320がドレン状態に切り換えられる(S102)とともに、変速用ソレノイド310がオン/オフ駆動されて、調圧状態とドレン状態との切り替えが繰り返される(S104)。
これにより、変速用ソレノイド310内部の油が脈動し、内部に詰まった異物の除去が促進される。除去された異物は、切換弁320を経由してドレン油路362に排出される。
しかしながら、変速用ソレノイド310をオン/オフ駆動するだけでは、ドレンポート318には排出方向(図4の矢印Aに示す方向)にしか油が流れない。さらに、ドレンポート318は変速用ソレノイド310がドレン状態である場合に大きく開かれるが、この状態ではライン圧が供給される入力ポート312が遮断されており、ドレンポート318にはクラッチから排出される油が流れるのみである。そのため、ドレンポート318が大きく開かれた状態では、クラッチから排出された油の圧力よりも高いライン圧をかけることができない。これらを考慮すると、変速用ソレノイド310をオン/オフ駆動するだけでは、ドレンポート318付近に溜まった異物を有効に排出できない場合が考えられる。
そこで、変速用ソレノイド310をオン/オフ駆動した後、変速用ソレノイド310がオフされてドレン状態とされるとともに(S106)、退避走行用ソレノイド340がオンされる(S108)。
これにより、退避走行用ソレノイド340のライン圧入力ポート346に供給されたライン圧がドレン油入力ポート342からドレン油路380に出力され、変速用ソレノイド310のオン/オフでは生じ得ない逆流方向(図4の矢印Bに示す方向)の油の流れをドレンポート318に発生させることができる。さらに、ドレンポート318が大きく開かれた状態でドレンポート318にライン圧をかけることができる。そのため、異物除去専用のソレノイドを新たに設けることなく、変速用ソレノイド310のドレンポート318付近の異物を積極的に除去することができる。なお、除去された異物は、切換弁320を経由してドレン油路362に排出されるため、クラッチに溜まることはない。
以上のように、本実施の形態に係る油圧制御装置によれば、異物除去モードが選択された場合、変速用ソレノイドがドレン状態とされ、退避走行用ソレノイドがオンされる。これにより、ドレン油路からライン圧の油が変速用ソレノイドのドレンポートに逆流する。そのため、変速用ソレノイドのオン/オフ駆動では生じ得ない油の流れをドレンポートに発生させて、変速用ソレノイドのドレンポート付近の異物を積極的に除去することができる。
なお、本実施の形態においては、変速用ソレノイドをオン/オフ駆動した後に退避走行用ソレノイドをオンしたが、たとえば、変速用ソレノイドをオン/オフ駆動することなく退避走行用ソレノイドをオンするようにしてもよく、また、変速用ソレノイドのオン/オフ駆動を継続させ、その継続中に退避走行用ソレノイドをオンするようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、退避走行用ソレノイド340を利用してドレン油路380からライン圧の油を変速用ソレノイド310のドレンポート318に逆流させたが、たとえば、退避走行用ソレノイド340とは別に、各クラッチ要素および各ブレーキ要素ごとに異物除去専用のソレノイドを設けるようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る油圧制御装置が搭載される車両の構造を示す図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置を示す図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置を構成するECUの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置を構成するECUで制御される油の流れを示す図である。
符号の説明
10 車両、12 駆動輪、14 ディファレンシャルギヤ、16 ドライブシャフト、50 車速センサ、52 シフトレバー、54 ポジションスイッチ、56 アクセルペダル、58 アクセル開度センサ、60 ブレーキペダル、62 ストロークセンサ、64 スロットル開度センサ、66 エンジン回転数センサ、70 入力軸回転数センサ、72 出力軸回転数センサ、80 異物除去モード検出センサ、100 エンジン、114 電子スロットルバルブ、200 オートマチックトランスミッション、210 トルクコンバータ、220 プラネタリギヤユニット、300 油圧回路、310 変速用ソレノイド、312,316,322,328 入力ポート、314,324,332 出力ポート、318,326 ドレンポート、320 切換弁、330 電磁弁、340 退避走行用ソレノイド、342 ドレン油入力ポート、344 ドレン油出力ポート、346 ライン圧入力ポート、350,352,354,360,370 油路、362,380,390 ドレン油路、400 ECU。

Claims (4)

  1. 油圧式の変速用摩擦係合要素を備えた自動変速機の油圧制御装置であって、
    ライン圧の油が供給される入力ポートと、前記供給された油を調圧して前記摩擦係合要素へ出力する出力ポートと、前記摩擦係合要素からの油をドレン油路に排出するドレンポートとを有し、ソレノイドにより前記入力ポート、前記出力ポートおよび前記ドレンポートの連通状態を変化させて前記摩擦係合要素を係合状態および解放状態のいずれかの状態に切り換える変速用ソレノイドバルブと、
    前記ドレン油路に接続され、前記ドレンポートから前記ドレン油路に油を排出する排出方向と前記ドレン油路から前記ドレンポートに油を供給する逆流方向との間で前記ドレン油路内の油の流れ方向の切り換えを行なう方向切換手段と、
    前記変速用ソレノイドバルブ内の異物を除去させる異物除去モードが選択されたことを検出するための手段と、
    少なくとも前記変速用ソレノイドバルブおよび前記方向切換手段を制御するための制御手段とを含み、
    前記制御手段は、
    前記異物除去モードが選択されたことが検出されると、前記入力ポートを略遮断するとともに前記出力ポートと前記ドレンポートとを連通させるように前記変速用ソレノイドバルブを制御するための手段と、
    前記異物除去モードが選択されたことが検出されると、前記ドレン油路内の油の流れ方向を前記排出方向から前記逆流方向に切り換えるように前記方向切換手段を制御するための方向制御手段とを含む、油圧制御装置。
  2. 前記方向切換手段は、
    ライン圧の油が供給される第1ポートと、
    前記変速用ソレノイドバルブの前記ドレンポートに接続される第2ポートと、
    前記変速用ソレノイドバルブの前記ドレンポートから前記第2ポートを経由して入力された油を排出する第3ポートとを含み、
    前記方向制御手段は、前記異物除去モードが選択されたことが検出されると、前記第3ポートを略遮断するとともに前記第1ポートと前記第2ポートとを連通させるように、前記方向切換手段を制御する、請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記方向切換手段は、前記変速用ソレノイドバルブによる油圧調整が不能となった場合に、前記第1ポートに供給されたライン圧の油を前記ドレンポートおよび前記出力ポートを経由して前記摩擦係合要素に供給することにより予め定められた退避走行用の変速段を形成させるための退避走行用ソレノイドバルブである、請求項2に記載の油圧制御装置。
  4. 前記油圧制御装置は、前記摩擦係合要素と前記出力ポートとの間に設けられ、前記出力ポートからの油を前記摩擦係合要素に出力する出力状態と前記出力ポートからの油を排出する排出状態との間で切り換えを行なう切換弁をさらに含み、
    前記制御手段は、前記異物除去モードが選択されたことが検出されると、前記切換弁を前記排出状態に切り換えるように前記切換弁を制御するための手段をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の油圧制御装置。
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JP2016125568A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 ダイハツ工業株式会社 油圧回路

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