JP2009168118A - 防振装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】突起が被締結体に食い込んで共回りを確実性をもって防止することができ、実用化が容易な防振装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】被締結体Pにねじ止めされる金属製の締結座部3の座面3aの周縁部に、共回り方向の前方に臨む尖った頂部13を有する回り止め部8を突設する。この回り止め部8は、下金型21の回り止め形成溝25に締結座部3の周縁のエッジ7が臨むように配置して、その周縁のエッジ7を含む締結座部3の一部が回り止め形成溝25内に入り込むように上金型20で締結座部3を下金型21に押し付けるプレス加工によって形成する。その際、回り止め形成溝25に入り込む締結座部3の一部は回り止め形成溝25の底部25cと接触しないようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性部材が設けられる金属製の締結座部の他方の側面に、被締結体にねじ止めされる締結部を備えた防振装置に関し、その共回り防止技術に関する。
この種の防振装置では、被締結体にねじ止めされる締結座部が柔らかな弾性部材で支持されていることから、締結座部を押え付けずに被締結体のねじ孔に挿通したねじにナット等を強く締め付けると、弾性部材が捩れて締結座部が共回りするという問題があった。
そこで、この共回りを防止するために、締結座部の被締結体側の側面に突起や溝を設けることが提案されている(特許文献1,2)。
例えば、特許文献1では、円柱形状のゴム弾性体の両側に、各々ねじを有する一対の支持板(締結座部)が接合されたマウントにおいて、その座面に、円周方向沿って不連続に配置された四角形状の突起や、放射状に配置された山形形状あるいは略鋸歯状の突起が形成されている。
また、特許文献2では、内部に円筒状のラバー体が嵌着された有底円筒形状のホルダーを有するマウントインシュレータにおいて、そのホルダーの底部(締結座部)に形成された雄ねじの周りに放射状に配置された複数の溝部が形成されている。摩擦抵抗を大きくするために、溝部内にゴム等の高摩擦係数部材を接着することも提案されている。
実開昭63−188351号公報 実用新案登録第2605545号公報
特許文献1や特許文献2のように突起や溝を設けて、締結座部が被締結体と接触したときの抵抗が大きくなれば、共回りを軽減することができる。
しかし、この種の防振装置の締結座部は比較的小さなトルクで容易に回転するものが多く、共回りを確実性をもって阻止するのは難しい。
特に被締結体には、金属板などの、表面が比較的滑らかで硬質なものが多いため、摩擦抵抗で共回りを阻止するのは確実性に欠ける。例えば先の特許文献2のように、接触面に高摩擦係数部材を設ければ確実性を向上させることはできるものの、製造コストが高くつく別の問題が発生する。
一方、特許文献1のように山形形状や略鋸歯形状の突起を設けて被締結体に突起を食い込ますことができれば、摩擦抵抗に比べてより確実性をもって共回りを阻止することができる。
しかし、金属板等の被締結体に突起を食い込ますためには、その先端を切刃のごとく鋭利にしておく必要がある。ところが、このような小さな突起の先端を鋭利に加工するのは難しく、例えばプレス加工によって突起を突設した後に、その先端部分を研磨や切削等の追加工を行って鋭利に加工するなど、工数が増えて製造工程が複雑化し、製造コストや量産性に欠けるという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、突起を被締結体に食い込まして共回りを確実性をもって防止することができ、製造コストや量産性にも優れる防振装置及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、締結される側の締結座部の側面に、頂部の尖った回り止め部を締結座部の周縁のエッジを利用して突設した。
具体的には、一方の側面に弾性部材が設けられる金属製の締結座部の他方の側面の中央部に、被締結体にねじ止めされる締結部を備えた防振装置において、上記締結座部の他方の側面の周縁部に、その周縁のエッジを利用して回り止め部を突設する。そして、上記回り止め部は、共回り方向の前方に臨む尖った頂部を備えるものとする。
尚、回り止め部は少なくとも1箇所あればよいが、複数箇所に形成するのが効果的である。また、締結部は雄ねじ、雌ねじのいずれでもよい。締結座部の側面形状としては、一般には円形が考えられるが、四角形や多角形であってもよい。
ここでいう共回り方向とは、ねじ止め時における雄ねじと雌ねじの回転抵抗によって締結座部が回転する方向をいい、例えば、締結部が雄ねじの場合であれば、これにねじ込むナットが回転する方向に相当する。
この構成によれば、締結座部の被締結体にねじ止めされる側の側面には回り止め部が突設されているので、ねじを締め付けていくと、被締結体は回り止め部に突き当る。この回り止め部は尖った頂部を有するので、その頂部は被締結体に点接触して被締結体に効率よく食い込ますことができる。しかも、その頂部は共回り方向の前方に臨んでいるので、ねじ止め時には被締結体に食い込み易くなっている。
更には、この回り止め部は締結座部の周縁のエッジを利用して突設しているので、研磨や切削等をすることなく鋭利にすることができ、工数が省けて製造コストや量産性に優れる。また、締結座部の最外周部分に回り止め部の頂部が形成されるため、比較的小さな食い込みであっても、他の部分に形成するのに比べて相対的に大きな回転抵抗を得ることができ、共回りを効果的に防止できる。
具体的には、上記回り止め部の頂部は、締結座部の周縁のエッジをその周縁と交差する方向にせん断することによって形成できる。
そうすれば、せん断された部分と周縁のエッジとが交差する部位に尖った頂部が形成される。尚、ここでいうせん断とは、締結座部の表面を部分的にせん断することも含む概念であり、一般的なせん断加工のように完全に断ち切ることには限られない。
また、上記回り止め部は、締結座部の周縁部から中央部に向かって延びるように形成されていて、上記頂部を通る横断面が略台形形状をなすとともに、上記頂部側が高くなるように、その上底が傾斜しているのが好ましい。
そうすれば、ねじ止め時には、回り止め部の尖った頂部を被締結体に確実性を持って点接触させることができ、被締結体に精度高く食い込ますことができる。また、回り止め部の頂部の周りが確りとしているので、接触時に頂部が折れたり曲がったりするおそれがなく、確実性をもって被締結体に食い込ますことができる。
ところで、上記回り止め部を形成する場合、従来のプレス加工による成型では、金型の成形面に締結座部の側面が密着するように成型していたことから、上記のような鋭利な突起を形成するためには研磨や切削等の二次加工が必要となっていた。従って、安価な量産品であるこの種の防振装置では突起を形成することはできても、現実的にはその突起を被締結体に食い込むほどに鋭利に加工することはコスト面で困難であり、実用化する上で大きな障害となっていた。
それに対し、上金型と下金型とを用いて締結座部に回り止め部を突設する次のようなプレス工程を備える方法を用いることで、プレス工程だけで、被締結体に食い込む鋭利な突起の形成が可能になる。
まず、上記下金型の上面に、回り止め部に対応した回り止め形成溝を設けておく。そして、締結座部の周縁のエッジがその回り止め形成溝に臨むように、締結座部をこれら上金型と下金型との間に配置する(第1工程)。
この第1工程では、締結座部の周縁のエッジを回り止め形成溝に臨ますところが重要である。周縁のエッジを利用して尖った頂部を形成するからである。
次に、その周縁のエッジを含む締結座部の一部が回り止め形成溝内に入り込むように上金型で締結座部を下金型に押し付ける(第2工程)。
そうすると、上金型によって下金型に押し付けられる締結座部は、その側面が下金型の上面と回り止め形成溝との境目でせん断され、周縁のエッジを含む一部が回り止め形成溝内に入り込んでいく。
この第2工程では、回り止め形成溝に入り込む締結座部の一部と回り止め形成溝の底部とが接触しないように、換言すれば回り止め形成溝内では締結座部の一部と回り止め形成溝の底部との間に隙間が残るように行うところが重要である。
隙間を残すことによって、回り止め形成溝に入り込んで締結座部の周縁に形成される尖った頂部が潰れることなく維持されるからである。
仮に従来のプレス成型のように、隙間が残らないように回り止め形成溝の底部に接触するまで締結座部を押し込むと、尖った頂部が潰れて消失する。つまり、隙間を残すことで鋭利なエッジの形状をそのまま活すことができ、プレス加工だけで確実性をもって尖った頂部を形成することができるようになる。
またこの場合、上記回り止め形成溝の横断面は、底部に向かって窄まる形状とし、上記回り止め形成溝の一対の側面のうち、上記回り止め部の頂部に対応する側面を、他方の側面よりも下金型の上面に対して大きく傾斜させるのが好ましい。
そうすれば、各壁面から受ける荷重の違いによって、頂部を通る回り止め部の横断面形状を、上記頂部側が高くなるようにその上底が傾斜した略台形形状とすることができ、先に述べたような作用効果を得ることができるようになる。
また、上記上金型の下面における締結座部の周縁部に接する部分が、その締結座部の中央部から周縁部に向う方向に下り傾斜する傾斜面となっていれば、上記第2工程時には、締結座部の周縁部の中でも中央部側よりも周縁部側に大きな荷重が加わるため、周縁部側に位置するエッジをより大きく突出させることができ、尖った頂部を確実性をもって形成させることができる。
以上説明したように、本発明の防振装置及びその製造方法によれば、回り止め部の尖った頂部を被締結体に確りと食い込ますことができるため、ねじ止め時の共回りを確実性をもって防止することができるとともに、プレス加工だけでその尖った頂部を形成することができるため、製造コストや量産性に優れ、容易に実用化できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1に、本実施形態における防振装置の全体像を示す。この防振装置は、一対の締結部材1,1と、これら締結部材1,1を連結する弾性部材2とで構成されている。例えば、この防振装置は、一方の締結部材1を振動源(被締結体P)に締結し、他方の締結部材1を支持体(被締結体P)に締結して使用する。そうすることで、振動源から発生する振動を弾性部材2で吸収することができ、支持体に伝わる振動を軽減させることができる。
弾性部材2は、その長手方向中間部分が括れた略円柱形状をしており、比較的軟らかな特性を備えたゴムからなる。弾性部材2は、接着剤による接着や加硫成型などによって各締結部材1と一体化されている。
締結部材1は、いずれも同一の金属加工品からなり、図2に示すように、円盤状の締結座部3と、これの一方の側面3a(座面3aともいう)の中央部に垂直に突設された雄ねじ4(締結部)とを一体に有している。締結座部3の他方の側面3b(背面3bともいう)の周縁部には、全周にわたって半径方向外側に下り傾斜する環状の傾斜部5が形成されている。締結座部3の周端面3cは、僅かに外方に膨出するように湾曲していて、座面3a及び背面3bに連なるその両側の周縁は尖ったエッジ7,7となっている。雄ねじ4の外周面には、螺旋状にねじ溝が形成されている。本実施形態の締結座部3の直径は、例えば25mm程度の大きさである。
一方、座面3aの周縁部には、16個の回り止め部8,8,・・・が円周方向に等間隔で突設されている。この座面3aの周縁部の裏側は、傾斜部5となっている。
回り止め部8の座面3aからの最大高さ寸法は、実用的には0.05mm〜0.4mm、より好ましくは0.1mm〜0.3mmの範囲で設定すればよく、例えば本実施形態では0.15mm程度の大きさに設定されている。また、回り止め部8の個数は、少なくとも1個以上あればよいが、このように複数設けるのが好ましい。特に、中心部に対して点対称に偶数個配置すれば、その機能を効率よく発揮させることができるためより好ましい。
これら回り止め部8,8,・・・は、締結座部3の周縁と略直交状に交差する方向、つまり、本実施形態では半径方向に延びるように放射状に形成されていて、図3に示すように、半径方向内側にその先端が位置する横臥した略四角錐形状のような形態をしている。
詳しくは、回り止め部8は、締結座部3の周端面3cに連なる角壁部10と、この角壁部10の上端縁から半径方向内側に延びる略三角形状の上壁部11と、これら角壁部10及び上壁部11の周方向の両側にそれぞれ連なる一対の側壁部12,12とを備えている。
この角壁部10の上端縁は、元は締結座部3の座面3a側の周縁のエッジ7の一部分であり、詳細は後述するが、回り止め部8は、締結座部3の周縁の座面3a側のエッジ7を含む一部が半径方向にせん断されることによって形成される。一方、各側壁部12,12の上端縁は、半径方向内側に向かって下側に凹むように緩やかに湾曲していて、それに対応して上壁部11も傾斜している。
上記一対の側壁部12,12のうち、ねじ止め時に締結座部3が共回りする方向、つまり、本実施形態では、雄ねじ4に対して雌ねじを回転させたときにその雌ねじの回転抵抗によって相対的に締結座部3が回転する方向(共回り方向ともいう)の前方に臨む側壁部12a(前側壁部12aともいう)は、その後方に臨む側壁部12b(後側壁部12bともいう)よりも座面3aに対する高さが相対的に大きくなっていて、角壁部10の上端縁の前側壁部12aに連なる一端が鋭く尖る頂部13(座面3aから最も高い点)となっている。
また、前側壁部12a及び後側壁部12bはそれぞれ周方向に傾斜しており、頂部13を通る回り止め部8の横断面形状は、図4の拡大図に示すように略台形形状をしていて、その上底に相当する上壁部11は共回り方向の前側の相当する頂部13側が高くなるように傾斜している。
従って、図4に示すように、被締結体Pのねじ孔hに挿通されて突出する雄ねじ4にナットNの雌ねじをねじ込んで、矢印線が示す方向(共回り方向に相当する)にナットNを回転させていくと、回り止め部8の尖った頂部13が被締結体Pに突き当たる。このとき、頂部13は、拡大図中の矢印で示すような、ねじの回転量とピッチ量とで規定される方向にその尖った先端を向けた状態で被締結体Pに突き当たるため、頂部13を被締結体Pに確実性を持って点接触させることができ、被締結体Pに精度高く食い込ますことができる。
また、その頂部13は上壁部11や前側壁部12aなどによって確りと支持されているので、被締結体Pに強く突き当たっても頂部13が折れたり曲がったりするおそれがない。
また、頂部13は、締結座部3の最外周部分に形成されているため、比較的小さな食い込みであっても他の部分に形成する場合に比べて相対的に大きな回転抵抗を得ることができ、効果的である。
このように、小さな突起でありながらも被締結体Pに確りと食い込ますことができる回り止め部8は、上金型20と下金型21とを用いたプレス成型工程によって形成することができる。
例えば、図5にそのプレス成型工程の概略を示す。図に示すように、回り止め部8の形成されていない締結部材1a(元締結部材1aともいう)を、そのねじ軸方向である上下方向から上金型20と下金型21とで挟んでプレスして成型する。尚、元締結部材1aの周縁のエッジ7は、成形した時の尖った状態のままでよく、面取り等の必要はない。以下、便宜上この上下の方向に従って説明する。
上金型20の下面には、元締結部材1aの締結座部3を受け入れるように、締結座部3の外径よりも大径の円形の底面22aを有する凹部22が設けられている。その底面22aの周縁部には、全周にわたって半径方向外側に向かって下り傾斜する傾斜面22bが形成されている。
一方、下金型21の上面には、上金型20の凹部22内に嵌り込むように、その内径よりも僅かに小径で、且つ、締結座部3の外径よりも僅かに大径の平らな円形の天面23aを有する凸部23が突設されている。そして、その凸部23の天面23aの中央部には、元締結部材1aの雄ねじ4を受け入れるために、雄ねじ4の外径よりも一回り大きい内径のねじ受入孔24が上下方向に貫通形成されている。
また、凸部23の天面23aの周縁部には、締結座部3の回り止め部8に対応して、図6に示すように、凸部23の上端縁を切欠いたような回り止め形成溝25,25,・・・が、周方向に等間隔で16個凹設されている。
詳しくは、回り止め形成溝25は、いずれも凸部23の天面23aの半径方向内方の一点から外方に向かって拡がるように凸部23の周面まで延びていて、その横断面形状は、底部25cに向かって窄まるV字形状となっている。そして、その回り止め形成溝25の両側は、一対の三角形状をした側面25a,25bで区画されていて、凸部23の周面側の面は開放されている。これら一対の側面25a,25bのうち、一方の側面25aは凸部23の天面23aと略直交するように90度傾斜し、他方の側面25bは凸部23の天面23aから約45度傾斜している。そして、傾斜の大きい前者の側面25aは、締結部材1の共回り方向の前側となるように配置される。回り止め形成溝25の天面23aからの最大深さ寸法としては、例えば0.5mm程度である。
次に、プレス工程の詳細について、図5及び図7を参照しながら順を追って説明する。
まず最初は、元締結部材1aの締結座部3が上金型20と下金型21の間に配置されるように、元締結部材1aの雄ねじ4を下金型21のねじ受入孔24に挿入して、その締結座部3を下金型21の天面23aに載置する(第1工程)。このとき、その周縁のエッジ7を含む締結座部3の一部は、上金型20の回り止め形成溝25の上方に臨んでいる。
そうして、上金型20の凹部22に下金型21の凸部23を嵌め入れて押し込んでいくと、図7に示すように、上金型20の凹部22の底面22aの周縁部には傾斜面22bが形成されていて、締結座部3の周縁部に大きな荷重が加わるため、締結座部3の各回り止め形成溝25に臨んでいる部分が、その回り止め形成溝25の各側面25a,25bの上端縁、つまり凸部23の天面23aとの境目に沿ってせん断され、回り止め形成溝25内に入り込む(第2工程)。
この第2工程では、回り止め形成溝25に入り込む締結座部3の一部が、回り止め形成溝25の底部25cと接触しないように、つまり、回り止め形成溝25内では締結座部3の一部と回り止め形成溝25の底部25cとの間に隙間26が残るように行われる。そうすることで、回り止め形成溝25に入り込んで締結座部3の最外周部分に形成される尖った頂部13を潰すことなく維持できる。
詳しくは、図7の(a)に示すように、締結座部3の周縁部側に大きな荷重が加わることにより、エッジ7のある周縁部側が大きくずれる。また、回り止め形成溝25の側面25a、25bの傾斜の大きさが異なっているため、締結座部3が側面25a,25bから受ける荷重の違いによって、同図の(b)に示すように傾斜の大きい側面25aの側のずれた部分(前側壁部12aに相当する)の入り込み量が大きくなる。尚、側面25aが天面23aと略直交している点は、せん断作用に関して有効であると思われる。
そうなると、このせん断された部分とエッジ7とが交差する部位に尖った頂部13が形成され、先に説明したような形態の回り止め部8が形成される。その後は、頂部13が潰れて消失してしまわないよう、隙間26を残して第2工程を終了する。尚、実際の第2工程はプレス処理を一回実行するだけであり、極めて短時間で処理される。
例えば0.05mm〜0.4mm、より好ましくは0.1mm〜0.3mmの範囲で入り込むように一気にプレスすればよい。0.05mmを下回ると、回り止め部8の突出量が不足して被締結体Pへの食い込み不足が生じるおそれがあり、0.4mmを上回ると、頂部13の先端の鋭さがばらついて被締結体Pへの食い込み不足を生じるおそれがあるからである。
一方、締結座部3の背面3bには、プレス跡として凹部22の傾斜面22bに対応する部位に傾斜部5が形成される。後は、こうして得られる締結部材1を加硫成型等して弾性部材2と一体化すれば(一体化工程)、冒頭で示したような防振装置が得られる。
(回り止め試験)
本発明の防振装置の共回り防止性能を検証するために、回り止め試験を行った。回り止め試験には、比較例として、回り止め部8の形成されていない締結部材(比較例1)と、座面にそれぞれ異なった形態の溝が形成された締結部材(比較例2〜4)と、従来のプレス加工によって座面全体に小さな突起が多数形成された締結部材(比較例5)とを用い、実施例として、上記実施形態の締結部材1を用いた。
回り止め試験は、これら締結部材を所定形状のゴム弾性部材に取り付けて各々同一条件でねじ止めを行い、共回り発生の有無を調べた。尚、共回りの発生の有無は、ゴム弾性部材が所定のねじれ量を超えるか否かにより判定した。
その回り止め試験の結果を図8に示す。図中、分母は試験に用いた各締結部材の数であり、分子はその内、共回りが発生した締結部材の数である。図から明らかなように、実施例では全く共回りの発生は認められなかったが、比較例ではいずれも共回りの発生が認められた。
図示はしないが、実施例における被締結体Pの締結面には、締結座部3の回り止め部8に対応する16箇所に点状の小さな窪みが認められ、回り止め部8の頂部13が被締結体Pに確りと食い込んでいることが確認された。
また、被締結体Pの種類を変えて、鉄板(例えば、SPCC,SECC)やステンレス板(例えば、SUS304)、アルミ板(例えば、A5052)、プラスチック板(例えば、POM)などを用いて回り止め試験を行ったところ、実施例はいずれの被締結体Pにも確りと食い込むことが確認され、被締結体Pの種類が変わっても共回りを精度高く防止できることがわかった。
以上説明したように、本発明の防振装置及びその製造方法によれば、簡単なプレス加工をするだけで、被締結体Pに確りと食い込む尖った頂部13を備えた回り止め部8を形成することができる。従来のような研磨や切削等の追加工も不要であり、製造コストや量産性に優れ、実用化も容易である。また、その突起も極めて小さなものであるから、作業者も手を切る心配をせずに安心して取り扱うことができる。
なお、本発明にかかる防振装置等は、前記の実施の形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
すなわち、上記実施形態では、弾性部材2の両側に各々締結部材1,1が連結されているが、弾性部材2の片側だけに締結部材1を連結したものであってもよい。締結部材1も、その周縁にエッジ7があるものであれば、その形状は限定されない。特に、弾性部材2が設けられる締結座部3の背面3bは、必要に応じて任意に形状を変更することができる。締結部は、一方が雄ねじで他方が雌ねじであってもよく、もちろん、両方が雌ねじであってもよい。締結座部3に接合する弾性部材2の形態も特には限定されない。例えば、円柱形状や角柱形状、板形状などが考えられる。弾性部材2の素材も特に限定されるものではなく、例えば、金属ばねやプラスチック等も考えられる。金型は一度に複数形成できるものであってもよい。下金型21の凸部23は必須ではなく、下金型21の上面に直接回り止め形成溝25を形成してもよい。回り止め形成溝25の形状は任意に設定でき、特にその底部25cの形状は自由に設定できる。
本発明の防振装置の全体を示す斜視図である。 (a)は締結部材の正面図であり、(b)はその底面図である。 回り止め部を説明するための図である。 ねじ止め時における回り止め部の動作を説明するための図である。 本発明の製造方法を説明するための図である。 下金型の要部を示す斜視図である。 回り止め部の成形工程を説明するための概念図である。(a)は半径方向の断面図であり、(b)はその矢視X方向から見た図である。 回り止め試験の結果を示す図である。
符号の説明
1 締結部材
2 弾性部材
3 締結座部
4 雄ねじ(締結部)
7 エッジ
8 回り止め部
13 頂部
20 上金型
21 下金型
22b 傾斜面
25 回り止め形成溝
25c 底部
P 被締結体

Claims (6)

  1. 一方の側面に弾性部材が設けられる金属製の締結座部の他方の側面の中央部に、被締結体にねじ止めされる締結部を備えた防振装置であって、
    上記締結座部の他方の側面の周縁部に、その周縁のエッジを利用して回り止め部が突設されていて、
    上記回り止め部が、共回り方向の前方に臨む尖った頂部を備えていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1に記載の防振装置であって、
    上記回り止め部の頂部は、締結座部の周縁のエッジが、その周縁と交差する方向にせん断されることによって形成されていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項2に記載の防振装置であって、
    上記回り止め部は、締結座部の周縁部から中央部に向かって延びるように形成されていて、上記頂部を通る横断面が略台形形状をなすとともに、上記頂部側が高くなるように、その上底が傾斜していることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1に記載の防振装置の製造方法であって、
    上金型と下金型とを用いて上記締結座部に上記回り止め部を突設するプレス工程を備え、
    上記下金型の上面には、回り止め部に対応して回り止め形成溝が設けられていて、
    上記プレス工程は、締結座部の周縁のエッジが上記回り止め形成溝に臨むように、締結座部をこれら上金型と下金型との間に配置する第1工程と、その周縁のエッジを含む締結座部の一部が、上記回り止め形成溝内に入り込むように上金型で締結座部を下金型に押し付ける第2工程と、を有し、
    上記回り止め形成溝に入り込む締結座部の一部が、回り止め形成溝の底部と接触しないように、上記第2工程が行われることを特徴とする防振装置の製造方法。
  5. 請求項4に記載の防振装置の製造方法であって、
    上記回り止め形成溝の横断面が底部に向かって窄まる形状となっていて、
    上記回り止め形成溝の一対の側面のうち、上記回り止め部の頂部に対応する側面が、他方の側面よりも下金型の上面に対して大きく傾斜していることを特徴とする防振装置の製造方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の防振装置の製造方法であって、
    上記上金型の下面における締結座部の周縁部に接する部分が、その締結座部の中央部から周縁部に向かう方向に下り傾斜する傾斜面となっていることを特徴とする防振装置の製造方法。
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