JP2009166824A - 車間維持支援装置および車間維持支援方法 - Google Patents

車間維持支援装置および車間維持支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アクセル操作量が少ないときであっても、アクセルペダル反力によってドライバに的確に注意を喚起できる車間維持支援装置および車間維持支援方法を提供する。
【解決手段】自車両の前方に存在する障害物状況に基づいて第1の車間距離閾値および第2の車間距離閾値を算出し、第1の車間距離閾値および自車両と障害物との位置関係に基づいて、アクセルペダル72に発生させる反力を決定する。また、第2の車間距離閾値および自車両と障害物との位置関係に基づいて、アクセルペダル踏み込み量に対するエンジントルク発生量の関係を減少方向に補正する。エンジントルクの出力量が減少補正されると、アクセルペダル踏み込み量は通常運転者が操作する量より大きくなるため、先行車との車間距離が第1の車間距離閾値を下回った際にアクセルペダル72の操作反力を制御して運転者に適切な操作を促す場合にも、より確実に運転者に伝えることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、車間距離が維持されるように支援する技術に関する。
前方車両との車間距離に応じてアクセルペダルの操作反力を変化させる装置が知られている。この装置では、前方車両との車間距離を検出し、車間距離の減少に伴いアクセルペダルの反力を増大させることによって、運転者の注意を喚起するものである。そして、検出した自車両の走行状況に基づいて、アクセル操作反力をドライバが認識し易くなるようにアクセルペダルの操作量に対して自車両の駆動トルクが少なくなるように関係を補正する。これにより、車速を維持するために運転者がアクセルペダルの操作量を増やすこととなるため、アクセルペダルに反力が与えられたことを運転者に積極的に知らせることができる。先行車両が離れていったり、先行車両が車線変更等をすることにより自車前方からいなくなったりするなど、エンジントルクの出力量を減少補正する必要がなくなると、アクセルペダル踏み込み量に対するエンジントルク発生量の関係を通常の特性に復帰させている(特許文献1参照)。
特開2007―269307号公報
しかしながら、上述したような装置においては、先行車両が離れていったり、先行車両が車線変更等をすることにより自車前方からいなくなったりすると、たとえば運転者がアクセルペダル踏み込み量を一定にしているにも関わらず、自車が加速して、運転者に違和感を与える恐れがある。
(1) 請求項1の発明による車間維持支援装置は、自車両の前方に存在する障害物の状況を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段によって検出された障害物の状況に基づいて第1の車間距離閾値を算出する第1の車間距離閾値算出手段と、第1の車間距離閾値算出手段によって算出される第1の車間距離閾値、および自車両と障害物との位置関係に基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を演算する操作反力演算手段と、操作反力演算手段で演算された操作反力に基づいて操作反力を運転操作機器に発生させる操作反力発生手段と、障害物検出手段によって検出された障害物の状況に基づいて第1の車間距離閾値L*1よりも大きな(L*1<L*2)値である第2の車間距離閾値を算出する第2の車間距離閾値算出手段と、運転操作機器の操作状態を検出する運転操作機器操作状態検出手段と、運転操作機器操作状態検出手段で検出した運転操作機器の操作量に応じてエンジントルクを発生するようエンジンを制御するエンジン制御手段と、障害物検出手段によって検出された障害物との位置関係に基づいて、運転操作機器の操作量に対するエンジントルク発生量の関係を減少方向に補正するエンジントルク制御手段と、運転操作機器操作状態検出手段によって、第2の車間距離閾値算出手段で算出した第2の車間距離閾値よりも、障害物検出手段によって検出された自車両前方に存在する障害物との距離が上回っていた場合であって、運転者が自車両の加速操作を行ったと検出されたときにのみ、エンジントルク制御手段によって運転操作機器の操作量に対して減少補正したエンジントルク発生量を、運転操作機器の操作量に対して増加させるようにさらに補正(増加補正)するエンジントルク補正手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項10の発明による車間維持支援方法は、自車両の前方に存在する障害物の状況を検出し、検出された障害物の状況に基づいて第1の車間距離閾値を算出し、算出される第1の車間距離閾値、および自車両と障害物との位置関係に基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を演算し、演算された操作反力に基づいて操作反力を運転操作機器に発生させ、検出された障害物の状況に基づいて第1の車間距離閾値L*1よりも大きな(L*1<L*2)値である第2の車間距離閾値を算出し、運転操作機器の操作状態を検出し、検出した運転操作機器の操作量に応じてエンジントルクを発生するようエンジンを制御し、検出された障害物との位置関係に基づいて、運転操作機器の操作量に対するエンジントルク発生量の関係を減少方向に補正し、算出した第2の車間距離閾値よりも、検出された自車両前方に存在する障害物との距離が上回っていた場合であって、運転者が自車両の加速操作を行ったと検出されたときにのみ、運転操作機器の操作量に対して減少補正したエンジントルク発生量を、運転操作機器の操作量に対して増加させるようにさらに補正(増加補正)することを特徴とする。
本発明によれば、運転者の感覚に合った車間距離制御を行うことができる。
−−−第1の実施の形態−−−
図1〜17,19,20を参照して、本発明による車間維持支援装置および車間維持支援方法の第1の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による車間維持支援装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車間維持支援装置1を搭載する車両の構成図である。
まず、車間維持支援装置1の構成を説明する。レーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ10は、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、前方車までの車間距離とその存在方向を検出する。検出した車間距離および存在方向はコントローラ50へ出力される。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6deg程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
車速センサ20は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出し、検出した自車速をコントローラ50に出力する。コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、車間維持支援装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、車速センサ20から入力される自車速と、レーザレーダ10から入力される距離情報とから、自車両周囲の障害物状況、たとえば自車両と各障害物との相対距離および相対速度といった障害物に対する走行状態を検出する。コントローラ50は、検出した障害物状況に基づいて、後述する第1の車間距離閾値、および、第2の車間距離閾値を算出する。さらに、コントローラ50は、算出した第1、第2の車間距離閾値に基づいて、以下のような制御を行う。なお、図2において、92はブレーキペダルであり、93は制動力制御装置であり、94は各車輪に設けられたブレーキ(制動装置)である。
本実施の形態の車間維持支援装置1は、アクセルペダル72を操作する際に発生する反力を制御することによって、運転者に周囲の環境を知らせて運転者の運転操作、特に前方障害物との車間距離の維持を適切にアシストするものである。また、アクセルペダル72の踏み込み量に対するエンジントルクの出力量を制御することによって、前方障害物への定常追従時に通常運転者が行うアクセルペダル72の修正操作を減らし、運転者の肉体的負荷を軽減すると共に、アクセルペダル72の踏み込み量を通常よりも大きくすることで、操作反力制御によってアクセルペダルに発生する操作反力を運転者に認識させやすくする。さらにまた、アクセルペダルの踏み込み量に対するエンジントルクの出力量を通常の特性(関係)に復帰させる場合は、運転者のアクセルペダル踏み込み操作に応じて復帰させることによって、アクセルペダル72の踏み込み量が一定にも関わらず加速していくという違和感を低減させるものである。
そこで、コントローラ50は、自車両前方の障害物に対する第1の車間距離閾値を算出し、算出された第1の車間距離閾値に基づいて目標アクセルペダル反力を算出する。コントローラ50は、算出した目標アクセルペダル反力をアクセルペダル反力制御装置70へと出力する。
また、コントローラ50は、自車両前方の障害物に対する第2の車間距離閾値を算出し、算出された第2の車間距離閾値と運転者によるアクセルペダル72の踏み込み量とに基づいて、目標アクセル開度を算出する。また、コントローラ50は、アクセルペダル踏み込み量検知部73で検出される運転者のアクセルペダル72の踏み込み量に基づいて、アクセル72の踏み込み操作が行われているか否かを判定する。コントローラ50は、目標アクセル開度を運転者によるアクセルペダル踏み込み量に復帰させる場合は、アクセルペダル踏み込み操作の有無の判定結果に基づいて目標アクセル開度復帰処理を行った結果をエンジン制御装置74へと出力する。
アクセルペダル反力制御装置70は、コントローラ50から出力される反力制御量である目標アクセルペダル反力に応じてアクセルペダルのリンク機構に組み込まれたサーボモータ71で発生させるトルクを制御する。サーボモータ71は、アクセルペダル操作反力制御装置70からの指令値(目標アクセルペダル反力)に応じて発生させる反力を制御し、運転者がアクセルペダルを操作する際に発生する踏力を任意に制御することができる。また、アクセルペダル72には、リンク機構を介してアクセルペダル踏み込み量検知部73が接続されている。アクセルペダル踏み込み量検知部73は、リンク機構を介してサーボモータ71の回転角に変換されたアクセルペダル72の踏み込み量(操作量)を検出し、コントローラ50へ出力する。
なお、アクセルペダル反力制御を行わない場合の通常のアクセルペダル反力特性は、たとえば、アクセルペダル72の操作量が大きくなるほどアクセルペダル反力がリニアに大きくなるよう設定されている。通常のアクセルペダル反力特性は、たとえばアクセルペダル72の回転中心に設けられたねじりバネ(不図示)のバネ力によって実現することができる。
エンジン制御装置74は、コントローラ50から出力される目標アクセル開度に応じたエンジントルクが発生するよう制御を行う。エンジン制御装置74には、予めアクセルペダル踏み込み量に対応するエンジントルク発生量の関係が設定されている。エンジン制御装置74は、運転者の操作による実際のアクセルペダル踏み込み量に代えて、コントローラ50から出力される目標アクセル開度に基づいてエンジントルク発生量を決定し、たとえばスロットルバルブ開度を調節することでエンジントルク制御を行う。すなわち、目標アクセル開度は、エンジントルクの制御指令値であるといえる。
図3に、コントローラ50の内部および周辺の構成を示すブロック図を示す。コントローラ50は、たとえばCPUのソフトウェア形態により、障害物認識部51、第1の車間距離閾値算出部52、アクセルペダル反力決定部53、勾配推定値算出部54、第2の車間距離閾値算出部55、目標アクセル開度算出部56、アクセルペダル踏み込み操作検出部57、および目標アクセル開度復帰部58を構成する。
障害物認識部51は、レーザレーダ10から入力される信号に基づいて自車両前方の障害物、たとえば先行車との車間距離および相対速度を算出する。さらに、車間距離、相対速度、および車速センサ20から入力される自車速から自車両前方の障害物状況を検出する。第1の車間距離閾値算出部52は、障害物認識部51から入力される障害物状況に基づいて前方障害物に対する第1の車間距離閾値を演算する。アクセルペダル反力決定部53では、第1の車間距離閾値算出部52で算出された第1の車間距離閾値と、障害物認識部51から入力された車間距離とに基づいて、アクセルペダル72に付加するアクセルペダル反力を決定する。
勾配推定値算出部54は、ブレーキ圧検知部92から入力されるブレーキ圧と、エンジン制御装置74から入力されるエンジントルク推定値、および車速センサ20から入力される自車速とから、自車走行路の勾配を推定する。第2の車間距離閾値算出部55は、障害物認識部51から入力される障害物状況、および勾配推定値算出部54から入力される自車走行路の勾配に基づいて、前方障害物に対する第2の車間距離閾値を算出する。目標アクセル開度算出部56は、第2の車間距離閾値算出部55で算出された第2の車間距離閾値とアクセルペダル踏み込み量検知部73から入力されるアクセルペダル踏み込み量とから最終的に達成すべきエンジントルクの制御指令値として用いる目標アクセル開度(目標アクセル開度最終値)を算出する。
アクセルペダル踏み込み操作検出部57は、アクセルペダル踏み込み量検知部73から入力されるアクセルペダル踏み込み量から、運転者によるアクセルペダル踏み込み操作を検出する。目標アクセル開度復帰部58は、アクセルペダル踏み込み操作検出部57の検出結果に基づいて、アクセル開度算出部56で算出される目標アクセル開度最終値に対して復帰処理を行い、改めて目標アクセル開度を算出する。このアクセル開度復帰部58が本発明の特徴であり、詳細については後述する。
図4〜図17を参照して、本実施の形態による車間維持支援装置1の動作を詳細に説明する。図4は、本実施の形態のコントローラ50における車間維持支援制御処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、本処理内容は、一定間隔、たとえば50msec毎に連続的に行われる。
まず、ステップS100で走行状態を読み込む。ここで、走行状態は、自車前方の障害物状況を含む自車両の走行状況に関する情報である。そこで、レーザレーダ10により検出される前方走行車までの車間距離や存在方向と、車速センサ20によって検出される自車両の走行車速を読み込む。
ステップS200では、ステップS100で読み込み、認識した走行状態データに基づいて、前方障害物の状況を認識する。ここでは、前回の処理周期以前に検出され、コントローラ50のメモリに記憶されている自車両に対する障害物の相対位置やその移動方向・移動速度と、ステップS100で得られた現在の走行状態データとにより、現在の障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度を認識する。そして、自車両の走行に対して障害物が、自車両の前方にどのように配置され、相対的にどのように移動しているかを認識する。
ステップS300では、アクセルペダル反力制御に用いる、前方障害物に対する第1の車間距離閾値を算出する。ここで行う処理を図5に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS301では車間距離閾値(定常項) L*h1を算出する。車間距離閾値(定常項)L*h1は、前方障害物に対する第1の車間距離閾値の算出式において、前方障害物、たとえば先行車の車速が一定であると仮定した場合の車間距離閾値に相当する項である。本実施例では、ステップS100、およびステップS200で認識された自車両の車速VSPおよび障害物(先行車両)との相対速度Vrに応じて設定する。
L*h1=f(VSP,Vr)
ステップS302では、自車速VSP、および先行車両との相対速度Vrとから式(1)により先行車速Vaを算出する。
Va=VSP+Vr (1)
ステップS303では、先行車両の加減速度αaを算出する。
αa=d(Va)/dt (2)
ステップS304では、車間距離閾値(過渡項)L*r1を算出するために用いる車間距離閾値(過渡項)用パラメータTr1を算出/更新するか否かを判定する。車間距離閾値(過渡項)用パラメータTr1の算出/更新の条件として、後述するステップS400において算出される警報フラグFwがセットされているか否かを判断する。
1) 警報フラグがセットされていない(Fw = OFF)場合、ステップS305に進む。 2) 警報フラグがセットされている(Fw = ON)場合、車間距離閾値(過渡項)用パラメータを更新せず、ステップS308へ進む。
ステップS305では先行車両の減速判断を行う。本実施例では、ステップS303で算出した先行車両の加減速度αaが所定値以下であるか否かで判断される。
1) 先行車加減速度が所定値以下(αa≦α0)の場合
先行車減速判断フラグFdec_a = ON とする。
2) 上記以外(αa>α0)の場合
先行車減速判断フラグFdec_a = OFF とする。
ここで、α0は減速判断を行うための閾値である。また、先行車加減速度αa、減速判断閾値α0ともに、加速を正、減速を負の値とする。
ステップS306では、ステップS305において、先行車両が減速したと判断された場合、下記式に従い、車間距離閾値(過渡項)用パラメータTr1を算出、更新する。
Tr1=(L−L*h1)/Vr (3)
(3)式に示すように、車間距離閾値(過渡項)用パラメータTr1は、先行車両が減速を開始した時点での車間距離閾値(定常項)L*h1に対する実車間距離Lの余裕距離相当分(L−L*h1)を相対速係数時間として表わされたものである。
ステップS307では、ステップS305において、先行車両が減速していないと判断された場合、車間距離閾値(過渡項)用パラメータTr1をクリアする。
Tr1=0 (4)
ステップS308では下記式に従い、車間距離閾値(過渡項)L*r1を算出する。
L*r1=Tr1×Vr (5)
車間距離閾値(過渡項)L*r1は、第1の車間距離閾値の算出式において、前方障害物、たとえば先行車が減速していると仮定した場合の車間距離閾値に相当する項である。
ステップS309では第1の車間距離閾値L*1を算出する。本実施の形態では、下記式に従い、車間距離閾値(定常項)L*h1と車間距離閾値(過渡項)L*r1の和で算出される。
L*1=L*h1+L*r1 (6)
ステップS400では警報フラグをセット、クリアする。
1) L*1>Lの場合
警報フラグFw = ON とする。
2) 上記以外(L*1≦L)の場合
警報フラグFw = OFF とする。
ステップS500では、第1の車間距離閾値L*1に応じて、目標アクセルペダル反力FA*を決定する。目標アクセルペダル反力FA*を算出するために、まず、第1の車間距離閾値L*1と実車間距離Lとの差(車間距離偏差)△L1を算出する。
△L1=L*1−L (7)
そして、第1の車間距離閾値L*1と車間距離偏差△L1とから、目標アクセルペダル反力FA*を算出する。
FA*=Kp×△L1 (8)
ここで、Kpは、車間距離偏差△L1から目標アクセルペダル反力を算出するためのゲインである。このステップS500において算出された目標アクセルペダル反力FA*に応じて、アクセルペダル反力制御装置70はアクセルペダル72に発生させる反力を制御する。
ステップS600では、障害物に対する第2の車間距離閾値L*2を算出する。なお、第2の車間距離閾値L*2は、上述した第1の車間距離閾値L*1よりも大きな値(L*1<L*2)である。ステップS600で行う第2の車間距離閾値算出処理を、図6〜図10を用いて詳細に説明する。
このステップS600で行う処理は、図6に示すフローチャートに従って行われる。
ステップS610では、自車走行路の勾配を推定する。
まずエンジントルクトルクコンバータのトルク増幅率をRt、自動変速機ギヤ比をRat、ディファレンシャルギヤ比をRdefとすると、駆動軸トルクTwとエンジントルクTeの関係は次式となる。
Tw=RtRatRdefTe (9)
また、ブレーキ液圧指令値PbrとブレーキトルクTbrとの関係は、ブレーキシリンダー面積をAb、ロータ有効半径をRb、パッド摩擦係数をμbとすると次式のようになる。
Tbr=8AbRbμbPbr (10)
さらにまた、自車両に働く空気抵抗Faと転がり抵抗Frは次式で計算することができる。
Fa=μasvVSP2 (11)
Fr=μrMvg (12)
但し、μaは空気抵抗係数、svは前面投影面積、μrは転がり抵抗係数、Mvは車重、gは重力加速度である。
上記エンジントルク、およびブレーキ液圧によって発生する駆動軸トルクと空気抵抗、転がり抵抗とから自車加速度を推定し、実際の加速度と比較することにより、自車走行路の勾配SLPは下式(11)から推定することができる。
SLP={Tw−Tbr−Rw(Fa+Fr)}/MvRw−s・VSP (13)
但し、s:ラプラス演算子、Rw:勾配算出用の係数
ステップS620では、第2の車間距離閾値L*2を算出する。ステップS620で行う第2の車間距離閾値算出処理を、図7〜図9を用いて詳細に説明する。
ステップS620で行う処理は、図7に示すフローチャートに従って行われる。
ステップS621では、先行車速依存基準距離L*h2を図8に示すマップから算出する。図8に示すように、先行車速Vaが速いほどより遠い距離からアクセルペダル踏み込み量に対するエンジントルクの出力量を制御するように先行車速依存基準距離を算出する。
ステップS622では、勾配依存補正時間T_slpを図9に示すマップから算出する。図9に示すように、勾配が正、すなわち上り坂である場合は勾配依存補正時間を負の値に、逆に勾配が負、すなわち下り坂である場合は正に設定し、また勾配の絶対値が大きいほど勾配依存補正時間の絶対値を大きく設定する。さらにまた、勾配の絶対値が所定値以上になった場合は、勾配依存補正時間の絶対値を所定値に固定する。この補正時間T_slpに障害物との相対速度Vrを乗算することにより、ステップS621で算出した先行車速依存基準距離を補正する。この先行車速依存基準距離を補正する処理は後述する。
ステップS623では、相対速度依存補正距離L*r2を算出する。予め定められた基準時間T1と、ステップS622で算出した勾配依存補正時間T_slpとから、下式に従って相対速度依存補正距離L*r2を算出する。
L*r2=(T1+T_slp)・(−Vr) (14)
ステップS624では、第2の車間距離閾値L*2を算出する。ステップS621で算出した先行車速依存基準距離L*h2と相対速度依存補正距離L*r2とから、下式に従って第2の車間距離閾値L*2を算出する。
L*2=L*h2+L*r2 (15)
ステップS630では、実車間距離Lと第2の車間距離閾値L*2とから、車間距離偏差を算出する。
ステップS630で行う処理は、図10に示すフローチャートに従って行われる。
ステップS631では、実車間距離Lが第2の車間距離閾値L*2よりも小さいか否かを判断する。YESの場合はステップS632へ進み、下式に従って車間距離偏差△L2を算出する。
△L2=L*2−L (16)
ステップS631でNOの場合はステップS633へ進み、車間距離偏差△L2をクリアする。
ステップS700では、ステップS600で算出した第2の車間距離閾値、および車間距離偏差△L2から、運転者のアクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルクの出力量を制御するための目標アクセル開度最終値APO0*を算出する。ステップS700で行う目標アクセル開度最終値算出処理を、図11〜図14を用いて詳細に説明する。
このステップS700で行う処理は、図11に示すフローチャートに従って行われる。ステップS710では、目標アクセル開度最小値APO_minを図12に示すマップから算出する。図12に示すように、運転者のアクセルペダル踏み込み量APOに対して一意に決まるようになっており、運転者のアクセルペダル踏み込み量が大きくなるほど目標アクセル開度最小値APO_minも大きくなるように設定する。
ステップS720では、ステップS630で算出した車間距離偏差△L2と別途定められた車速依存ゲインKvとから、下式に従ってトルクダウンゲインKa0を算出する。
Ka0=100−△L2×Kv (17)
ここで車速依存ゲインKvは、車間距離偏差△L2に対するトルクダウンゲインKa0の変化量であり、図13に示すようなマップから算出する。図13に示すように、自車速VSPが高くなるほど車速依存ゲインKvを小さくすることで、車間距離偏差△L2に対するトルクダウンゲインKa0の変化量を小さくし、自車速VSPが所定値以上となった場合は車速依存ゲインKvを予め定められた値に固定する。
ステップS730では、ステップS720で算出したトルクダウンゲインKa0を自車走行路の勾配SLPに応じて補正する。まず、図14に示すマップから勾配依存補正ゲインKa_slpを算出する。勾配SLPが正、すなわち上り坂(上り勾配)である場合は勾配依存補正ゲインKa_slpを正の値に、逆に勾配SLPが負、すなわち下り坂(下り勾配)である場合は負に設定する。また、勾配SLPの絶対値が大きいほど勾配依存補正ゲインKa_slpの絶対値を大きく設定する。さらにまた、勾配SLPの絶対値が所定値以上(たとえば10%勾配)になった場合は、勾配依存補正ゲインKa_slpの絶対値を所定値(たとえば100)に固定する。たとえば、自車走行路が上り坂でも下り坂でもなかった場合(SLP=0)、勾配依存補正ゲインKa_slpの値をゼロとする。ここで算出した勾配依存補正ゲインKa_slpによって、ステップS720で算出したトルクダウンゲインKa0を補正し、最終的なトルクダウンゲインKaを算出する。トルクダウンゲインKaは下式によって算出する。
Ka=min(max(Ka0+Ka_slp,0),100) (18)
ステップS740では、目標アクセル開度最終値APO0*を算出する。ステップS710で算出した目標アクセル開度最小値APO_minと運転者のアクセルペダル踏み込み量APOを、ステップS730で算出したトルクダウンゲインKaで内分することで、目標アクセル開度最終値APO0*を算出する。
APO0*=APO×(Ka/100)+APO_min×((100−Ka)/100) (19)
このように、ステップS700で目標アクセル開度最終値APO0*を算出した後、ステップS800へ進む。ステップS800では、アクセル踏み込み操作検出処理を行う。このステップS800で行う処理は、図15に示すフローチャートに従って行われる。
ステップS801では、運転者のアクセルペダル踏み込み量APOに微分処理を行うことにより、アクセル開度速度dAPOを算出する。
ステップS802では、アクセル開度速度dAPOが予め定められたアクセル開度速度閾値dAPO1以上であるか否かを判断する。dAPO≧dAPO1の場合は、運転者がアクセルペダル72を踏み込み操作していると判断し、ステップS803へ進んでアクセル踏み込み操作フラグFlg_APOに1をセットする。一方、dAPO<dAPO1の場合は、運転者がアクセルペダル72の踏み込み操作をしていない、すなわち、アクセルペダル72を保持または戻しているか、アクセルペダル72を解放していると判断し、ステップS804へ進んでアクセル踏み込み操作フラグFlg_APOに0をセットしてクリアする。
ステップS900では目標アクセル開度復帰処理を行う。このステップS900で行う目標アクセル開度復帰処理が本発明の特徴の一つであり、ステップS700で算出した目標アクセル開度最終値APO0*を運転者のアクセルペダル踏み込み量APOに近づけるべく増加させる場合は、ステップS800で算出したアクセル踏み込み操作フラグFlg_APOに基づいて、目標アクセル開度復帰処理を行う。ステップS900で行う処理を、図16に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS901では、自車両前方に障害物があるか否かを判断する。レーザレーダ10によって前方障害物が検出されている場合はステップS902へ進み、ステップS730で算出したトルクダウンゲインKaがトルクダウンゲイン出力値の前回値Ka_out_z以下であるか否かを判断する。Ka≦Ka_out_zの場合はステップS903へ進み、トルクダウンゲインKaの変化率リミッタを設定する。ここでは、トルクダウンゲインKaの増加用のリミッタKa_upと減少用のリミッタKa_dnをそれぞれ設定する。そこで、トルクダウンゲイン増加リミッタKa_upにゼロ、トルクダウンゲイン減少リミッタKa_dnに予め設定した所定値Ka_dn1をセットする。
ステップS902でKa>Ka_out_zと判定されるとステップS904へ進み、アクセル操作フラグFlg_APOが1か否かを判断する。アクセル踏み込み操作フラグFlg_APO=1でアクセルペダル72が踏み込み操作されている場合はステップS905へ進む。ステップS905では、トルクダウンゲイン増加リミッタKa_upとして、自車両と障害物との車間距離Lに基づく値Ka_up1を設定するとともに、トルクダウンゲイン減少リミッタKa_dn にゼロをセットする。図17に、車間距離Lと増加リミッタKa_up1との関係を示す。図17に示すように、増加リミッタKa_up1は最小値をKa_up_min、最大値をKa_up2として、車間距離Lが大きくなるほど徐々に大きくなるように設定されている。
ステップS904でアクセル踏み込み操作フラグFlg_APO=0と判断され、アクセルペダル72が踏み込み操作されていない場合は、ステップS906へ進む。ステップS906では、トルクダウンゲイン増加リミッタKa_up、およびトルクダウンゲイン減少リミッタKa_dnにそれぞれゼロをセットする。
ステップS901で前方障害物なしと判断されるとステップS907に進み、アクセル操作フラグFlg_APOが1か否かを判断する。Flg_APO=1の場合はステップS908へ進み、トルクダウンゲイン増加リミッタKa_upとして、図17のマップの最大値に相当するKa_up2を設定する。さらに、トルクダウンゲイン減少リミッタKa_dnにゼロをセットする。
ステップS907でアクセル踏み込み操作フラグFlg_APO=0と判断されると、ステップS909へ進み、トルクダウンゲイン増加リミッタKa_up、およびトルクダウンゲイン減少リミッタKa_dnにそれぞれゼロをセットする。
ステップS910では、ステップS730で算出したトルクダウンゲインKaに対して、増加リミッタKa_upおよび減少リミッタKa_dnを用いて変化率リミッタ処理を行い、トルクダウンゲイン出力値Ka_outを算出する。すなわち、ステップS910では、ステップS730で算出したトルクダウンゲインKaとトルクダウンゲイン出力値の前回値Ka_out_zとに乖離がある場合、算出されるトルクダウンゲイン出力値Ka_outが、設定された増加リミッタKa_upまたは減少リミッタKa_dnの範囲内でトルクダウンゲイン出力値の前回値Ka_out_zからステップS730で算出したトルクダウンゲインKaに近づけた値となるように処理を行う。なお、ステップS730で算出したトルクダウンゲインKaとトルクダウンゲイン出力値の前回値 Ka_out_zとの乖離が設定された増加リミッタKa_upまたは減少リミッタKa_dnの範囲内であれば、ステップS910で算出されるトルクダウンゲイン出力値Ka_outはステップS730で算出したトルクダウンゲインKaと等しくなる。
ステップS911では、ステップS910で算出したトルクダウンゲイン出力値Ka_outに基づいて、エンジン制御装置74への指令値として用いる目標アクセル開度APO*を算出する。
・Ka=Ka_outの場合
下式に示すように、目標アクセル開度APO*にステップS700で算出した目標アクセル開度最終値APO0*をセットする。
APO*=APO0* (20)
・Ka≠Ka_outの場合
下式に従って目標アクセル開度APO*を算出する。
APO*=APO×Ka_out/100+APO_min×(100−Ka_out)/100 (21)
ステップS1000では、ステップS900で算出した目標アクセル開度APO*を、エンジン制御装置74に出力するとともに、ステップS500で算出した目標アクセルペダル反力FA*をアクセルペダル反力制御装置70へ出力する。エンジン制御装置74は、目標アクセル開度APO*に従ってエンジントルク発生量を調節し、エンジントルク制御を行う。アクセルペダル反力制御装置70は、目標アクセルペダル反力FA*に応じてアクセルペダル72に発生させるアクセルペダル操作反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
このように構成した第1の実施の形態の車間維持支援装置を搭載した車両で、先行車に徐々に接近する際の、アクセルペダル踏み込み量APOと目標アクセル開度APO*との関係、および、サーボモータ71が付与するアクセルペダル操作反力の推移の一例を説明する。図19(a)は、先行車両との車間距離(実車間距離)Lの時間推移を示す図である。図19(b)は、アクセルペダル踏み込み量APO(太線)および目標アクセル開度APO*(細線)の時間推移を示す図である。図19(c)は、サーボモータ71が付与するアクセルペダル操作反力の時間推移を示す図である。図19(a)〜(c)では、説明の便宜上、時間の経過に沿ってa1〜e1の区間に分けて説明する。
実車間距離Lが第2の車間距離閾値を上回っていれば(区間a1)、アクセルペダル踏み込み量APO(太線)と目標アクセル開度APO*(細線)とは一致する(図19(a),(b))。実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回ると(区間b1)、運転者のアクセルペダル踏み込み量APOが一定であっても、目標アクセル開度APO*は徐々に低下する。すなわち、運転者のアクセルペダル踏み込み量APOが一定であっても、エンジントルク発生量は徐々に低下する。このときの目標アクセル開度APO*の低下速度は、上述したトルクダウンゲイン減少リミッタKa_dnに依存する。このように、実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回ると、アクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係が減少方向に補正される。
実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回っているときに運転者がアクセルペダル72を踏み増すと(区間c1)、運転者のアクセルペダル72の踏み増し操作に応じて目標アクセル開度APO*が増加する。実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回っていれば、運転者がアクセルペダル72を踏み増しても、アクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*は低下したままとなる(区間b1〜d1)。なお、図示はしていないが、たとえば先行車が加速をして、実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回っているものの増加した際に、運転者がアクセルペダル72の踏み増し操作を行うと、アクセルペダル踏み込み量APOに対して減少補正された目標アクセル開度APO*が元の状態(通常の特性)に戻るように増加補正される。ただし、実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回っている限り、アクセルペダル踏み込み量APOと目標アクセル開度APO*とが一致するところまでは増加補正されない。
さらに先行車両に近づいていって、実車間距離Lが第1の車間距離閾値を下回ると(区間e1)、サーボモータ71がアクセルペダル操作反力を付与する(図19(a),(c))。この操作反力を受けた運転者がアクセルペダル72を戻すと、運転者のアクセルペダル72の戻し操作に応じて目標アクセル開度APO*が低下する。アクセルペダル踏み込み量APOがゼロになれば、目標アクセル開度APO*もゼロとなる。
次に、このように構成した第1の実施の形態の車間維持支援装置を搭載した車両で、先行車に追従して走行しているときに、先行車両または自車両が車線変更するなどして、レーザレーダ10によって先行車両が検出されなくなった際の、アクセルペダル踏み込み量APOと目標アクセル開度APO*との関係の推移の一例を説明する。図20(a)は、先行車両との車間距離(実車間距離)Lの時間推移を示す図である。図20(b)は、アクセルペダル踏み込み量APO(太線)および目標アクセル開度APO*(細線)の時間推移を示す図である。図20(a),(b)では、説明の便宜上、時間の経過に沿ってa2〜i2の区間に分けて説明する。
上述したように、実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回っていれば(区間a2)、運転者のアクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*は低下した状態となっている。ここで、レーザレーダ10によって先行車両が検出されなくなると(先行車両をロストすると)、アクセルペダル72が踏み増されている間だけ(区間d2,f2(実線部分),区間h2(破線部分))、アクセルペダル踏み込み量APOに対して減少補正された目標アクセル開度APO*が元の状態(通常の特性)、すなわち、アクセルペダル踏み込み量APOと目標アクセル開度APO*とが一致するように増加補正される。このときの目標アクセル開度APO*の増加速度は、上述したトルクダウンゲイン増加リミッタKa_upに依存する。
したがって、アクセルペダル72が戻されても(区間b2,区間f2(破線部分),区間g2(破線部分))、踏み込み量が一定のままであっても(区間c2,e2)、アクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*は減少補正されたままとなって、増加補正されることがない。このように、アクセルペダル72が踏み増されている間だけ、一旦減少補正を行ったアクセルペダル踏み込み量APOとエンジントルク発生量との関係を通常の特性に復帰させる(増加補正を行う)ように構成した。これにより、アクセルペダル72を戻した場合やアクセルペダル72の踏み込み量が一定の場合のように、運転者に加速の意志がないときに、アクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*が増加補正されて車両が運転者の意に反して加速してしまうのを防止できる。
このように、以上説明した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1) 自車両の前方に存在する障害物状況に基づいて第1の車間距離閾値L*1を算出し、算出した第1の車間距離閾値L*1および自車両と障害物との位置関係に基づいて、アクセルペダル72に発生させる反力を決定する。また、障害物状況に基づいて第2の車間距離閾値L*2を算出し、算出した第2の車間距離閾値L*2および自車両と障害物との位置関係に基づいて、アクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を減少方向に補正する。このように構成することにより、たとえば自車両が前方の障害物に遠くから接近していく場合に、アクセルペダル72の踏み込み量に対してエンジントルクの発生量が低減されることになり、容易に先行車に対する追従走行に移行することができる。また、追従走行中も自車両と障害物との位置関係や第2の車間距離閾値L*2に基づいてエンジントルクが制御されるので、通常、追従走行中に運転者が行うアクセルペダル72の修正操作を減らすことができ、運転者の肉体的負荷を軽減することができる。また、エンジントルクの出力量が減少補正されていることにより、アクセルペダル踏み込み量は通常運転者が操作する量より大きくなるため、先行車との車間距離が第1の車間距離閾値を下回った際にアクセルペダル72の操作反力を制御して運転者に適切な操作を促す場合にも、より確実に運転者に伝えることができる。
(2) エンジントルクの出力量が減少補正されている状態で、先行車両が離れていったり、先行車両が車線変更等をすることにより自車前方からいなくなったりするなど、エンジントルクの出力量を減少補正する必要がなくなると、アクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を通常の特性に復帰させるように構成した。これにより、先行車がいない場合や遠くに先行車がいる場合など、不必要なトルクの低減による加速不良等の違和感を低減することができる。また、アクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を通常の特性に復帰させる際の目標アクセル開度APO*の増加速度がトルクダウンゲイン増加リミッタKa_upに依存するように構成した。これにより、アクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係が急激に変化せず、運転者の意図しない車両挙動の発生を抑止できるので、運転者に違和感を与えない。
(3) エンジントルクの出力量を低下させている状態で、先行車両が離れていったり、先行車両が車線変更等をすることにより自車前方からいなくなったりするなど、減少補正されていたアクセルペダル踏み込み量に対するエンジントルク発生量の関係を通常の関係に復帰させる場合には、運転者がアクセル踏み込み操作を行っている時に徐々に復帰させるように構成した。これにより、たとえば運転者がアクセルを一定にしているにも関わらず、自車が加速していくという違和感を低減させることができる。
(4) 運転者がアクセルペダル72を放した、若しくは運転者がアクセルペダル72の戻し操作を行ったことを検出した場合には、アクセルペダル踏み込み量APOに対する目標アクセル開度APO*の増加補正を終了するように構成した。これにより、運転者の加速終了意図、減速意図を反映した、より運転者の感覚に合った車間距離制御を行うことができる。
(5) 図17に示すように、車間距離Lが大きくなるほど増加リミッタKa_up1を徐々に大きくなるように設定することで、アクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*を増加補正する際の目標アクセル開度APO*の増加速度が、車間距離Lが長くなるほど増加するように構成した。すなわち、アクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を通常の特性に復帰させる場合に、自車両前方の障害物との車間距離が長いほど、車間距離が短い場合に比べて通常の特性に早く復帰させるように構成した。また、自車両前方に障害物が存在しない場合は、存在する場合に比べて通常の特性に早く復帰させるように構成した。これにより、運転者の加速意図に対して車両の挙動をより合致させることができ、違和感を低減できる。また、たとえば先行車を追い越す場合に、車線変更した先に車両が存在しない場合は、車両が存在する場合よりも早く通常の特性に戻すことで、加速不良に対する運転者の違和感をより低減することができる。
(6) 第2の車間距離閾値を算出する際に、勾配依存補正時間T_slpを考慮することで、自車走行路の勾配が上り坂と推定される場合は第2の車間距離閾値が短く、下り坂と推定される場合は第2の車間距離閾値が長く算出されるように構成した。これにより、たとえば上り坂では、勾配のない道路の走行時と比べてエンジントルク発生量の低減補正が開始されるタイミングを遅らせることができる。また、下り坂では、勾配のない道路の走行時と比べてエンジントルク発生量の低減補正が開始されるタイミングを早めることができる。したがって、エンジントルク発生量の低減補正が行われても、道路勾配にかかわらず、運転者に与える違和感を抑制できる。
(7) トルクダウンゲインKa0を自車走行路の勾配SLPに応じて補正することで、エンジントルク発生量の低減補正を行う際に、自車走行路の勾配が上り坂と推定される場合には、下り坂と推定される場合よりも、アクセルペダル踏み込み量に対するエンジントルク発生量の関係を通常の特性に近い特性となるように補正するように構成した。すなわち、自車走行路の勾配が上り坂と推定される場合には、下り坂と推定される場合よりも、アクセルペダル踏み込み量に対するエンジントルク発生量が多くなるように構成した。これにより、たとえば上り坂で、エンジントルク発生量の低減補正によって先行車両に追従しづらくなってしまうという違和感を抑制できる。
−−−第2の実施の形態−−−
図18,21を参照して、本発明による車間維持支援装置および車間維持支援方法の第2の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、一旦減少補正を行ったアクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量を増加補正する際に、アクセルペダル72の踏み増し操作が終了した後も、所定時間の間だけ増加補正を継続する点で、第1の実施の形態と異なる。具体的には、第2の実施の形態の車間維持支援装置1では、第1の実施の形態における車間維持支援制御処理の処理手順を示すフローチャート(図4)の中で、ステップS800における処理内容が第1の実施の形態とは異なっている。以下に、第2の実施の形態の車間維持支援装置1の動作を説明する。
図4に示す、コントローラ50における車間維持支援制御処理の処理手順を示すフローチャートにおいて、ステップS700で目標アクセル開度最終値APO0*を算出した後、ステップS800へ進む。ステップS800では、アクセル踏み込み操作検出処理を行う。このステップS800で行う処理は、図18に示すフローチャートに従って行われる。
ステップS801からステップS803までの処理は、第1の実施の形態と同じである。ステップS802において、dAPO<dAPO1であると判断されると、運転者がアクセルペダル72の踏み込み操作をしていない、すなわち、アクセルペダル72を保持または戻しているか、アクセルペダル72を解放していると判断し、ステップS805に進んで、遅延カウンタCnt_APOをカウントアップする。ステップS806では、遅延カウンタCnt_APOが予め定められた時間T_APO (例えば1秒)以上である否かを判断する。遅延カウンタCnt_APOが予め定められた時間T_APO以上である場合には、ステップS804へ進んでアクセル踏み込み操作フラグFlg_APOに0をセットしてクリアする。
遅延カウンタCnt_APOが予め定められた時間T_APO未満である場合には、ステップS807へ進み、アクセルペダル踏み込み量APOがゼロか否かを判断する。アクセルペダル踏み込み量APOがゼロである場合には、運転者はアクセルペダル72を離したと判断し、ステップS804へ進んでアクセル踏み込み操作フラグFlg_APOに0をセットしてクリアする。
ステップS807で、アクセルペダル踏み込み量APOがゼロでないと判断された場合には、ステップS808に進み、アクセル開度速度dAPOが予め定められたアクセル開度速度閾値-dAPO2以下であるか否かを判断する。アクセル開度速度 dAPOが予め定められたアクセル開度速度閾値-dAPO2以下である場合には、運転者が所定の操作速度以上の速度でアクセルペダル72の戻し操作を行ったと判断し、ステップS804へ進んでアクセル踏み込み操作フラグFlg_APOに0をセットしてクリアする。なお、アクセル開度速度dAPOは、アクセルペダル72を踏み込む際には正の値となり、アクセルペダル72を戻す際には負の値となる。一方、アクセル開度速度dAPOが予め定められたアクセル開度速度閾値-dAPO2よりも大きい場合には、運転者がある程度の操作速度未満でアクセルペダル72の戻し操作を行っている、または、運転者がアクセルペダル72の踏み込み量を略一定に保っていると判断して、そのまま終了する。
このように構成した第2の実施の形態の車間維持支援装置を搭載した車両で、先行車に追従して走行しているときに、先行車両または自車両が車線変更するなどして、レーザレーダ10によって先行車両が検出されなくなった際の、アクセルペダル踏み込み量APOと目標アクセル開度APO*との関係の推移の一例を説明する。図21(a)は、先行車両との車間距離(実車間距離)Lの時間推移を示す図である。図21(b)は、アクセルペダル踏み込み量APO(太線)および目標アクセル開度APO*(細線)の時間推移を示す図である。図21(a),(b)では、説明の便宜上、時間の経過に沿ってa3〜i3の区間に分けて説明する。
上述したように、実車間距離Lが第2の車間距離閾値を下回っていれば(区間a3)、運転者のアクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*は低下した状態となっている。ここで、レーザレーダ10によって先行車両が検出されなくなると(先行車両をロストすると)、アクセルペダル72が踏み増されている間(区間d3,g3)だけではなく、アクセルペダル72の踏み増し操作が終了した後の所定時間の間(区間e3,h3)も、アクセルペダル踏み込み量APOに対する目標アクセル開度APO*の増加補正が行われる。すなわち、アクセルペダル72の踏み増し操作が終了した後も、所定時間の間だけ増加補正が継続される。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態の作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。
(1) アクセルペダル72が踏み増されている間だけでなく、アクセルペダル72の踏み増し操作が終了した後も所定時間の間だけ、アクセルペダル踏み込み量APOに対する目標アクセル開度APO*の増加補正が行われるように構成した。これにより、たとえばアクセル踏み込み操作しながら前方車両を追い越すシーンなどで、加速不良による違和感を低減することができる。また、アクセルペダル72を戻した場合やアクセルペダル72の踏み込み量が一定の場合のように、運転者に加速の意志がないときに、アクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*が増加補正されて車両が運転者の意に反して加速してしまうのを防止しつつ、アクセルペダル踏み込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を通常の特性により早く復帰でき、運転者の加速操作における違和感を抑制できる。
−−−第3の実施の形態−−−
図22〜37を参照して、本発明による車間維持支援装置および車間維持支援方法の第3の実施の形態を説明する。以下の説明では、第1および第2の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1および第2の実施の形態と同じである。本実施の形態では、障害物が自車両の前方に存在し続けるという確信度を算出し、算出した確信度に基づいてエンジントルクの減少補正をさらに補正する点で、第1および第2の実施の形態と異なる。以下に、第3の実施の形態の車間維持支援装置1の動作を説明する。
車間維持支援装置1のレーザレーダ10は、上述のように、前方にある複数の反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、複数の前方車までの車間距離とその存在方向を検出する。本実施の形態において、前方物体の存在方向は、自車両に対する相対角度として表すことができる。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、車間維持支援装置1全体の制御を行う。コントローラ50は、レーザレーダ10から入力される距離情報と、車速センサ20から入力される自車速から、自車両周囲の障害物状況、例えば自車両と各障害物との相対距離および相対速度といった障害物に対する走行状態を認識する。コントローラ50は、障害物状況に基づいて、自車両の前方に存在する障害物の確信度、第1の車間距離閾値、および第2の車間距離閾値を算出する。そして、算出した確信度、第1の車間距離閾値、および第2の車間距離閾値に基づいて、以下のような制御を行う。
車間維持支援装置1では、さらに、前方障害物の確信度に応じてアクセルペダル操作反力やエンジントルク出力量を補正する。ここで、前方障害物の確信度は、現在、自車両の前方に存在し、操作反力やエンジントルクの制御の対象となっている前方障害物が自車両の前方に存在している確実性を表す値、すなわち前方障害物が自車両の先行車として判断できる確実性を表す値として定義される。このように、前方障害物の確信度に応じて補正を行うことにより、自車両が前方障害物を追い越すシーンなど、自車両と前方障害物との横位置にずれが生じる場合は、より早いタイミングで制御を解除することにより、運転者の違和感を低減するようにする。
具体的に、コントローラ50は、自車両と自車両前方の障害物との横方向(左右方向)の位置関係から、前方障害物の確信度を算出する。そして、自車両前方の障害物に対する第1の車間距離閾値に基づいて目標アクセルペダル反力を算出し、算出した目標アクセルペダル反力を確信度に応じて補正する。算出した目標アクセルペダル反力補正値は、アクセルペダル反力制御装置70へと出力される。
さらに、コントローラ50は、上述した第1および第2の実施の形態と同様に、自車両前方の障害物に対する第2の車間距離閾値と、運転者によるアクセルペダル踏込み量とに基づいて、目標アクセル開度を算出する。そして、算出した目標アクセル開度を確信度に応じて補正し、エンジン制御装置74へと出力する。また、コントローラ50は、アクセルペダル踏込み量検知部73で検出される運転者のアクセルペダル踏込み量に基づいて、アクセルペダル72の踏込み操作が行われているか否かを判定する。コントローラ50は、目標アクセル開度を運転者によるアクセルペダル踏込み量に復帰させる場合は、判定されたアクセルペダル踏込み操作に基づいて目標アクセル開度復帰処理を行った結果をエンジン制御装置74へと出力する。
図22に、コントローラ50の内部および周辺の構成を示すブロック図を示す。コントローラ50は、例えばCPUのソフトウェア形態により、障害物認識部151、確信度算出部152、第1の車間距離閾値算出部153、アクセルペダル反力決定部154,ドライバ操作判断部155、アクセルペダル反力補正部156、勾配推定値算出部157、第2の車間距離閾値算出部158、目標アクセル開度算出部159、アクセルペダル踏込み操作検出部160、および目標アクセル開度復帰部161を構成する。
障害物認識部151は、レーザレーダ10から入力される信号に基づいて自車両前方の障害物、例えば先行車との車間距離および相対速度を算出する。さらに、車間距離、相対速度、および車速センサ20から入力される自車速から自車両前方の障害物状況を検出する。確信度算出部152は、障害物認識部151から入力される障害物状況に基づいて、現在、自車両の前方に存在する障害物の確信度を算出する。
第1の車間距離閾値算出部153は、障害物認識部151から入力される障害物状況に基づいて前方障害物に対する第1の車間距離閾値を演算する。アクセルペダル反力決定部154は、第1の車間距離閾値算出部153で算出された第1の車間距離閾値と障害物認識部151から入力された車間距離とに基づいて、アクセルペダル72に付加するアクセルペダル反力を決定する。ドライバ操作判断部155は、アクセルペダル踏込み量検知部73から入力されるアクセルペダル踏込み量と確信度算出部152から算出される確信度に基づいて運転者がアクセルペダル72を踏み増し操作しているか否かを判断する。アクセルペダル反力補正部156は、アクセルペダル反力決定部154で算出されたアクセルペダル反力を、ドライバ操作判断部155の判断結果および確信度算出部152で算出された確信度によって補正し、補正したアクセルペダル反力をアクセルペダル反力制御装置70へ出力する。
第2の車間距離閾値算出部158は、障害物認識部151から入力される障害物状況に基づいて前方障害物に対する第2の車間距離閾値を算出する。目標アクセル開度算出部159は、第2の車間距離閾値算出部158で算出された第2の車間距離閾値、アクセルペダル踏込み量検知部73から入力されるアクセルペダル踏込み量、および確信度算出部152で算出される確信度に基づいて、最終的に達成すべきエンジントルクの制御指令値として用いる目標アクセル開度(目標アクセル開度最終値)を算出する。
アクセルペダル踏込み操作検出部160は、アクセルペダル踏込み量検知部73から入力されるアクセルペダル踏込み量と確信度算出部152で算出される確信度から、運転者によるアクセルペダル踏込み操作を検出する。目標アクセル開度復帰部161は、アクセルペダル踏込み操作検出部160の検出結果、及び確信度算出部152で算出される確信度に基づいて、目標アクセル開度算出部159で算出される目標アクセル開度最終値に対して復帰処理を行い、改めて目標アクセル開度を算出する。
以下に、本実施の形態による車間維持支援装置1の動作を詳細に説明する。図22に、本実施の形態のコントローラ50における車間維持支援制御処理の処理手順のフローチャートを示す。本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
まず、ステップS100で走行状態を読み込む。図22のステップS100は、第1の実施の形態における図4のステップS100と同じである。すなわち、レーザレーダ10により検出される前方障害物、例えば先行車までの車間距離やその存在方向、および車速センサ20によって検出される自車両の走行車速を読み込む。
ステップS200は、第1の実施の形態における図4のステップS200と同じである。
ステップS1300では、現在、自車両の前方に存在し、操作反力制御やエンジントルク制御の対象となっている前方障害物が、これからも制御の対象として自車両の前方に存在するという確実性を表す値として、障害物の確信度を算出する。確信度算出処理を、図24のフローチャートを用いて説明する。
図25に、自車両が直線路走行中に自車両前方に障害物がある場合、図26に自車両がカーブ路走行中に自車両前方に障害物がある場合の、自車両と障害物との相対的な位置関係を模式的に示す。図25および図26に示すように自車両中心の進路と障害物の中心との横方向にずれが生じている場合に、この横方向のずれをオフセット値αとして算出し、算出した横方向オフセット値αから確信度を算出する。
そこで、まずステップS1310において、自車両と前方障害物との横方向オフセット値αを算出する。直線路走行中に自車両の前方に障害物がある場合を例として、図27を用いて横方向オフセット値αの算出方法を説明する。
図27において、自車両の中心位置をA、自車両前方の障害物の中心位置、左エッジ、右エッジをそれぞれB、C、Dと表す。自車両の中心位置Aから障害物の中心位置B、左エッジC、右エッジDの距離はL、L1、L2、角度はθ、θ1、θ2と表される。また、自車両幅はD0,障害物の幅はD1と表す。また、自車両が障害物の現在位置に達したときの自車両の中心位置をEとし、位置Eと障害物の中心位置Bとの距離を横方向オフセット値αとする。
以下に、自車両から障害物の左右エッジまで距離L1,L2,および角度θ1、θ2等を用いて、横方向オフセット値αを求める方法を説明する。図27中の各ベクトルはそれぞれ以下の(22)式〜(24)式で表される。
Figure 2009166824
・・・(22)
Figure 2009166824
・・・ (23)
Figure 2009166824
・・・ (24)
また、ベクトルAEは、以下の(25)式で表すことができる。
Figure 2009166824
・・・(式4)(25)
したがって、ベクトルAEは、
Figure 2009166824
・・・(26)
となる。横方向オフセット値αは、上記(24)式及び(26)式を用いて、以下の(27)式より算出できる。
Figure 2009166824
・・・(27)
また、障害物の幅D1は、以下の(28)式から算出できる。
Figure 2009166824


Figure 2009166824
・・・(28)
次に、図26に示すように自車両がカーブ路を走行中に自車両の前方に障害物がある場合について、図28を用いて横方向オフセット値αの算出方法を説明する。
図28において、それぞれカーブ路の中心位置をO、自車両と障害物とのなす中心角をθRとする。自車両が障害物の現在位置に達したときの自車両の中心位置をEとし、位置Eと障害物の中心位置Bとの距離を横方向オフセット値αとする。また、カーブ路の曲率半径はRとする。
以下に、障害物の左右エッジの距離L1,L2、角度θ1、θ2、及び自車速V等を用いて、横方向オフセット値αを幾何学的に求める方法を説明する。図28中の各ベクトルはそれぞれ以下の(29)式〜(37)式で表される。
Figure 2009166824
・・・(29)
Figure 2009166824
・・・(30)
Figure 2009166824
・・・(31)
Figure 2009166824
・・・(32)
Figure 2009166824
・・・(33)
Figure 2009166824
・・・(34)
Figure 2009166824
・・・(35)
Figure 2009166824
・・・(36)
Figure 2009166824
・・・(37)
カーブ路の曲率半径Rは、ステアリングギヤ比STR_GR、ホイールベースl、スタビリティファクタAを用いて、(38)式より求まる。
Figure 2009166824
・・・(38)
また、障害物の幅D1は上記(28) 式により直線路走行中と同様に求めることができる。障害物の幅D1を用いて、障害物の中心までの距離Lは、(39)式から算出できる。
Figure 2009166824


Figure 2009166824
・・・(39)
障害物の中心位置Bと自車両の前後方向中心線とのなす角θは、ベクトルCB=ベクトルBDであるため、(40)式で表される。
Figure 2009166824
・・・(40)
また、ベクトルOBとベクトルOEは平行なので、自車両と障害物とのなす中心角θRは、以下の(41)式で表される。
Figure 2009166824
・・・(41)
以上より、自車両と障害物との横方向オフセット値αは、自車前方左方向の角度を正とすると、以下の(42)式、(43)式で算出できる。
・θ>0のとき
Figure 2009166824
・・・(42)
・θ<0のとき
Figure 2009166824
・・・(43)
このように、ステップS1310で自車両が直線路を走行している場合、あるいはカーブ路を走行している場合の横方向オフセット値αを算出した後、ステップS1320へ進む。ステップS1320では、算出した横方向オフセット値αを用いて障害物の確信度Probを算出する。図29に、横方向オフセット値αと確信度Probとの関係を示す。
図29に示すように横方向オフセット値α=0のとき、すなわち自車両が前方障害物の位置に達したときに自車両の中心位置Aと前方障害物の中心位置Bが一致する場合は、その前方障害物が将来的にも確実に制御対象であると判断し、確信度Prob=1とする。すなわち、前方障害物がこれからも自車両の前方に存在する確実性が高いほど確信度Probを大きな値に設定する。横方向オフセット値αが大きくなるほど、自車両あるいは前方障害物が車線変更等を行って、現在、自車両の前方に存在している前方障害物が将来的にいなくなる可能性が高くなる。そこで、現在の前方障害物が将来的にも制御対象であるという確信度 Probを徐々に小さくする。α>(D0/2+D1/2)あるいはα<(−D0/2−D1/2)で、自車両と前方障害物との横方向の重なり量がなくなると、確信度Prob=0とする。
このように、ステップS1300で障害物の確信度Probを算出した後、ステップS300へ進む。ステップS300は、第1の実施の形態における図4のステップS300と同じである。
このように、ステップS300で第1の車間距離閾値L1*を算出した後、ステップS400へ進む。ステップS400では警報フラグFwの算出処理を行う。ステップS400は、第1の実施の形態における図4のステップS400と同じである。
つづくステップS500では、第1の車間距離閾値L*1に基づいて、アクセルペダル72に付加するための目標アクセルペダル反力FA*を決定する。目標アクセルペダル反力FA*を算出するために、まず、上述の(7)式から第1の車間距離閾値L*1と実車間距離Lとの差(車間距離偏差)ΔL1を算出する。
ΔL1=L*1−L ・・・(7)
そして、第1の車間距離閾値L*1と車間距離偏差ΔL1とから、上述の(8)式に従って目標アクセルペダル反力FA*を算出する。
FA*=Kp×ΔL1 ・・・(8)
(8)式において、Kpは車間距離偏差ΔL1から目標アクセルペダル反力FA*を算出するためのゲインであり、本実施の形態では、ステップS1300で算出した障害物の確信度Probに基づいて設定する。図30に、確信度ProbとゲインKpとの関係を示す。図30に示すように、確信度Probが小さくなるほどゲインKpは小さくなるように設定されている。目標アクセルペダル反力FA*は、第1の車間距離閾値L*1に対して実車間距離Lが小さくなるほど大きくなるように算出されるとともに、確信度Probに基づいて算出されたゲインKpが小さくなるほど小さくなるように算出される。なお、自車両の真正面に障害物が存在する場合に、確信度Prob=1となり、自車両と障害物の半分程度が重なる場合に確信度Prob=0.8となる。また、例えば自車両の右端と障害物の左端が一致するような場合に確信度Prob=0.6となる。
このように、ステップS500で目標アクセルペダル反力FA*を算出した後、ステップS1700へ進む。ステップS1700では、運転者がアクセルペダル72の踏み増し操作を行ったか否かを判断する。ここで行う処理を図31に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1701では、アクセル開度保存値Acchを更新するための条件として、ステップS400において算出した警報フラグFwがセットされているか否かを判断する。警報フラグFwがセットされていない(Fw=OFF)場合はステップS1702に進み、警報フラグFwがセットされている(Fw=ON)場合は、ステップS1703へ進む。
ステップS1702では、アクセルペダル踏込み量検知部73で検出される運転者によるアクセルペダル72の踏込み量APOをアクセル開度保存値Acchとしてセットする。さらに、アクセルペダル72の踏増し量ΔAccをクリアする(ΔAcc=0)。アクセルペダル踏増し量ΔAccは、アクセル開度保存値Acchからさらにどれだけアクセルペダル72が踏み込まれたか、すなわち踏増しされたかを表す値である。
ステップS1703では、アクセルペダル踏込み量検知部73で検出されたアクセルペダル踏込み量APOがアクセル開度保存値Acchよりも小さいか否かを判断する。アクセルペダル踏込み量APOがアクセル開度保存値Acchよりも小さい場合は、ステップS704へ進み、アクセルペダル踏込み量APOがアクセル開度保存値Acch以上の場合は、ステップS1705へ進む。
ステップS1704では、アクセル開度保存値Acchとして、アクセルペダル踏込み量検知部73で検出されたアクセルペダル踏込み量APOをセットするとともに、アクセルペダル踏増し量ΔAccをクリアする(ΔAcc=0)。一方、ステップS1705では、アクセルペダル踏込み量APOとアクセル開度保存値Acchを用いて、以下の(44)式からアクセルペダル踏増し量ΔAccを算出する。
ΔAcc=APO−Acch ・・・(44)
このように、ステップS1700でドライバ操作判断処理、すなわち運転者がアクセルペダル72の踏増し操作を行ったか否かを判断した後、ステップS1800へ進む。ステップS1800では、ステップS1700で判断した運転者のアクセルペダル操作に基づいて、ステップS500で算出した目標アクセルペダル反力FA*を補正する。ここで行う処理を図32に示すフローチャートを用いて説明する。
まずステップS1801では、ステップS1700で算出したアクセルペダル踏増し量ΔAccに基づいて、目標アクセルペダル反力FA*を補正するために用いる目標ペダル反力補正係数K_faを以下の(45)式に従って算出する。
K_fa = 100−(ΔAcc×Kacc) ・・・(45)
ここで、Kaccはアクセルペダル踏増し量ΔAccから目標ペダル反力補正係数K_faを算出するためのゲインであり、ステップS1300で算出した障害物の確信度Probに基づいて設定する。図33に、確信度ProbとゲインKaccとの関係を示す。図33に示すように、確信度Probが1に近い場合、ゲインKaccは最小値に設定され、確信度Probが小さくなるほどゲインKaccが大きくなるように設定されている。なお、目標ペダル反力補正係数K_faの最大値は100、最小値は0とする。
ステップS1802では、ステップS1801で算出した目標ペダル反力補正係数K_faとステップS500で算出した目標アクセルペダル反力FA*とを用いて、以下の(46)式から目標アクセルペダル反力補正値FA*hoseiを算出する。
FA*hosei=K_fa×FA*/100 ・・・(46)
このように、確信度Probが小さくなるほどゲインKaccが大きくなり、アクセルペダル踏増し量ΔAccに対する目標アクセルペダル反力FA*の補正量が大きくなる。すなわち、目標アクセルペダル反力補正値FA*hoseiが小さくなってアクセルペダル72が踏み込みやすくなる。また、アクセルペダル踏増し量ΔAccが大きくなるほど目標ペダル反力補正係数K_faが小さくなり、目標アクセルペダル反力補正値FA*hoseiが小さくなる。
このように、ステップS1800で目標アクセルペダル反力補正値FA*hoseiを算出した後、ステップS600へ進む。ステップS600は、第1の実施の形態における図4のステップS600と同じである。
このように、ステップS600で第2の車間距離閾値算出処理を行った後、ステップS700へ進む。ステップS700では、ステップS600で算出した第2の車間距離閾値L2*、及び車間距離偏差ΔL2から、運転者のアクセルペダル踏込み量APOに対するエンジントルクの出力量を制御するための目標アクセル開度最終値APO0*を算出する。ステップS700で行う目標アクセル開度最終値算出処理を、図34のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まず、ステップS710では、アクセルペダル踏込み量APOに対する目標アクセル開度最小値APO_minを算出する。ステップS710は、第1の実施の形態における図11のステップS710と同じである。
ステップS720では、トルクダウンゲインKa0を算出する。ステップS720は、第1の実施の形態における図11のステップS720と同じである。
ステップS730では、ステップS720で算出したトルクダウンゲインKa0を自車走行路の勾配SLPに応じて補正する。まず、第1の実施の形態の図12に示すマップから勾配依存補正ゲインKa_slpを算出する。
自車走行路の勾配SLPに基づいて算出した勾配依存補正ゲインKa_slpによって、ステップS720で算出したトルクダウンゲインKa0を補正し、改めてトルクダウンゲインKa1を算出する。トルクダウンゲインKa1は以下の(47)式から算出する。
Ka1=Ka0+Ka_slp ・・・(47)
なお、トルクダウンゲインKa1の最大値は100、最小値は0とする。
ステップS740では、ステップS1300で算出した確信度Probに基づいて、ステップS730で算出したトルクダウンゲインKa1を補正する。まず、図35に示すマップから、確信度Probに応じたトルクダウンゲイン最小値Ka_minを算出する。図35に示すように、障害物の確信度Probが小さくなるほどトルクダウンゲイン最小値Ka_minは大きくなるように設定されている。確信度Probに基づいて算出されたトルクダウンゲイン最小値 Ka_minを用いて、ステップS730で算出したトルクダウンゲインKa1を制限することにより、最終的なトルクダウンゲインKaを算出する。具体的には、以下の(48)式に示すようなトルクダウンゲインKa1とトルクダウンゲイン最小値Ka_minとのセレクトハイにより、トルクダウンゲインKaを算出する。
Ka=max(Ka1,Ka_min) ・・・(48)
ステップS750では、目標アクセル開度最終値APO0*を算出するステップS710で算出した目標アクセル開度最小値APO_minと運転者のアクセルペダル踏込み量APOを、ステップS1040で算出したトルクダウンゲインKaで内分することで、目標アクセル開度最終値APO0*を算出する。算出式は第1の実施の形態における(19)式と同じである。
このように、ステップS700で目標アクセル開度最終値APO0*を算出した後、ステップS1100へ進む。ステップS1100では、アクセル踏込み操作検出処理を行う。このステップS1100で行う処理を図36に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1101では、アクセルペダル踏込み量検知部73で検出される運転者のアクセルペダル踏込み量APOに微分処理を行うことにより、アクセルペダル72の踏込み操作速度、すなわちアクセルペダル開度速度dAPOを算出する。
ステップS1102では、自車両前方に障害物があるか否かを判断する。レーザレーダ10によって前方障害物が検知されている場合はステップS1103に進む。ステップS1103では、アクセルペダル72の踏込み操作を判断するためのしきい値であるアクセル開度速度閾値dAPO0に、確信度Probに基づいて算出したアクセル開度速度閾値dAPO1をセットする。図37に、障害物の確信度Probとアクセル開度速度閾値dAPO1との関係を示す。図37に示すように、確信度Probが大きいほどアクセル開度速度閾値dAPO1は大きくなり、確信度Probが小さくなるに従ってアクセル開度速度閾値dAPO1が小さくなるように設定されている。したがって、障害物の確信度Probが小さいほどより早く運転者のアクセルペダル踏み込み操作を検出できることになる。
ステップS1102で前方障害物が存在しないと判断されると、ステップS1104に進み、アクセル開度速度閾値dAPO0として予め定められた値dAPO2をセットする。ここで、前方障害物が存在しない場合の値dAPO2は、図37に示す確信度Probとアクセル開度速度閾値dAPO1のマップにおいて、アクセル開度速度閾値dAPO1の最小値に相当する。
ステップS1105では、ステップS1101で算出したアクセル開度速度dAPOが、ステップS1103またはS1104で設定したアクセル開度速度閾値dAPO0以上であるか否かを判断する。dAPO≧dAPO0の場合は、運転者がアクセルペダル72を踏込み操作していると判断し、ステップS1106へ進んでアクセル踏込み操作フラグFlg_APOに1をセットする。一方、dAPO<dAPO0の場合、運転者はアクセルペダル72の踏込み操作をしていない、すなわち、アクセルペダル72を保持または戻しているか、アクセルペダル72を解放していると判断し、ステップS1107へ進んでアクセル踏込み操作フラグFlg_APOに0をセットしてクリアする。
このように、ステップS1100でアクセルペダル72の踏込み操作検出処理を行った後、ステップS900へ進む。ステップS900は、第1の実施の形態における図4のステップS900と同じである。
ステップS1000では、ステップS900で算出した目標アクセル開度APO*を、エンジン制御装置74に出力するとともに、ステップS1800で算出した目標アクセルペダル反力補正値FA*hoseiをアクセルペダル反力制御装置70へ出力する。エンジン制御装置74は、目標アクセル開度APO*に従ってエンジントルク発生量を調節し、エンジントルク制御を行う。アクセルペダル反力制御装置70は、目標アクセルペダル反力補正値FA*hoseiに応じてアクセルペダル72に発生させるアクセルペダル操作反力を制御する。これにより、今回の処理を終了する。
このように、以上説明した第3の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)自車両の前方に存在する障害物状況に基づいて第1の車間距離閾値L1*を算出し、算出した第1の車間距離閾値L1*および自車両と障害物との位置関係に基づいて、アクセルペダル72に発生させる反力を決定する。また、障害物状況に基づいて第2の車間距離閾値L2*を算出し、算出した第2の車間距離閾値L2*および自車両と障害物との位置関係に基づいて、アクセルペダル踏込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を減少方向に補正する。このように構成することにより、例えば自車両が前方の障害物に遠くから接近していく場合に、アクセルペダル72の踏込み量に対してエンジントルクの発生量が低減されることになり、容易に先行車に対する追従走行に移行することができる。また、追従走行中も自車両と障害物との位置関係や第2の車間距離閾値L2*に基づいてエンジントルクが制御されるので、通常、追従走行中に運転者が行うアクセルペダル72の修正操作を減らすことができ、運転者の肉体的負荷を軽減することができる。さらに、障害物が自車両の前方に存在し続けるという確信度を算出し、算出した確信度に基づいてエンジントルクの減少補正をさらに補正するので、例えば前方障害物を追い越そうとする場合に、アクセルペダル72を踏み込んでいるにも関わらず期待するほどの加速が得られないという加速不良などの違和感を低減することができる。
(2)確信度に基づいてアクセルペダル反力を補正することにより、例えば前方障害物を追い越そうとする場合に、アクセルペダル72の反力が重いことによるアクセルペダル操作のしづらさを軽減することができる。
(3)自車両と障害物との位置関係に応じて減少方向に補正されていたアクセルペダル踏込み量に対するエンジントルク発生量の関係を通常の関係に復帰させる場合に、確信度に基づいて復帰制御を補正する。例えば、前方障害物を追い越そうとするようなシーンにおいて、アクセルペダル踏込み量に対するエンジントルク発生量の関係を適切に復帰させることができる。
(4)コントローラ50は、確信度Probが小さくなるほどアクセルペダル踏込み量に対するエンジントルク発生量が大きくなるように補正する。具体的には、図35に示すように確信度Probが小さくなるほど大きくなるトルクダウンゲイン最小値Ka_minを設定し、目標アクセル開度最終値APO0*を算出する。これにより、例えば前方障害物を追い越そうとするようなシーンにおいて、運転者によるアクセルペダル操作に応じた加速を実現することが可能となる。
(5)コントローラ50は、確信度Probが小さくなるほどアクセルペダル反力が小さくなるように補正する。具体的には、図30に示すように確信度Probが小さくなるほど小さくなるゲインKpを設定し、ゲインKpを用いて目標アクセルペダル反力FA*を算出する。これにより、例えば前方障害物を追い越そうとするようなシーンにおいて、アクセルペダル反力が重いことによるアクセルペダル72の操作のしづらさを改善することができる。
(6)アクセルペダル72の踏増し操作が検出されると、確信度Probが小さくなるほどアクセルペダル反力が小さくなるようにさらに補正を行う。具体的には、図33に示すように確信度Probが小さくなるほど大きくなるゲインKaccを設定し、ゲインKaccとアクセルペダル踏増し量ΔAccとに基づいて目標アクセルペダル反力補正値FA*hoseiを算出する。これにより、前方障害物に接近するシーンではアクセルペダル反力によって確実に運転者へ適切な操作を促すことができる。さらに、前方障害物を追い越すようなシーンではより早いタイミングでアクセルペダル反力を小さくするように補正することができ、アクセルペダル72の反力が重いことによるアクセルペダル72の操作のしづらさを軽減することができる。
(7)コントローラ50は、アクセルペダル72の踏込み操作が検出された場合に、アクセルペダル踏込み量に対するエンジントルク発生量の関係を通常の関係に復帰させる。これにより、例えば運転者がアクセルペダル72を保持しているにも関わらず、アクセルペダル踏込み量に対するエンジントルク発生量の関係が復帰することで自車両が加速していくという違和感を低減することができる。
(8)確信度Probが小さくなるほどアクセルペダル72の踏込み操作の検出タイミングを早くするように補正する。具体的には、図37に示すように、アクセルペダル72の踏込み操作速度dAPOの閾値dAPO1を確信度Probが小さくなるほど小さくなるように設定する。これにより、運転者がアクセルペダル72を踏み込む場合に早いタイミングで運転者の踏込み操作を検出することができる。
(9)コントローラ50は、確信度Probが小さくなるほどアクセルペダル踏込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を通常の関係に早く復帰させる。具体的には、図35に示すマップに従って確信度Probに応じて設定したトルクダウンゲイン最小値Ka_minを用いてトルクダウンゲイン出力値Ka_outを算出し、目標アクセル開度APO*を算出する。これにより、例えば前方障害物を追い越すようなシーンにおいて、より早いタイミングでアクセルペダル踏込み量に対するエンジントルク発生量の関係を通常の関係に復帰させることができ、加速不良による違和感を低減することができる。
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、図17に示すように、車間距離Lが大きくなるほど増加リミッタKa_up1を徐々に大きくなるように設定することで、アクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*を増加補正する際の目標アクセル開度APO*の増加速度が、車間距離Lが長くなるほど増加するように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、アクセルペダル踏み込み量APOに対して目標アクセル開度APO*を増加補正する際の目標アクセル開度APO*の増加速度が、自車速VSPや先行車両との相対速度Vrが高くなるほど増加するように構成してもよい。
(2) 上述の説明では、エンジン制御装置74へ出力する制御指令値としてコントローラ50で目標アクセル開度APO*を算出した。ただし、これには限定されず、たとえばエンジン制御指令値としてスロットルバルブ開度を算出するようにしてもよい。また、自車走行路の勾配SLPを検出する勾配検出センサを設けて、ステップS610の勾配推定値算出処理を省略することもできる。
(3) 上述の説明では、運転操作機器としてアクセルペダル72を例に挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、いわゆるジョイスティックや操作レバーのように、操作量に応じて車両の加速を、または加速および減速を制御する各種の運転操作機器に対して本発明を適用してもよい。
(4) 上述した第3の実施の形態においては、図30,33,35,37に示すように確信度Probに応じたマップを設定した。ただし、確信度Probに対するゲインや閾値の特性はこれらの図に示すものには限定されず、例えば曲線的に変化するように設定する等、若干の変更が可能である。また、上記一実施の形態では、確信度Probに応じて目標アクセルペダル反力FA*の算出処理、アクセルペダル踏込み操作検出処理、エンジントルク制御処理、およびエンジントルク復帰処理の補正を行ったが、これらの少なくともいずれかを行うように構成してもよい。例えば、確信度Probに応じて、アクセルペダル踏込み量APOに対するエンジントルク発生量の関係を補正する処理のみを行うようにして、確信度に応じてその他の補正処理を省略するように構成することもできる。
(5) 以上説明した第3の実施の形態においては、エンジン制御装置74へ出力する制御指令値としてコントローラ50で目標アクセル開度APO*を算出した。ただし、これには限定されず、例えばエンジン制御指令値としてスロットルバルブ開度を算出するようにしてもよい。また、自車走行路の勾配SLPを検出する勾配検出センサを設け、ステップS910の勾配推定値算出処理を省略することもできる。
(6) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
上述の実施の形態およびその変形例において、たとえば、レーザレーダ10および車速センサ20が障害物検出手段として機能し、第1の車間距離閾値算出部52,153が第1の車間距離閾値算出手段として機能し、アクセルペダル反力決定部53,154が操作反力演算手段として機能し、アクセルペダル反力制御装置70が操作反力発生手段として機能し、第2の車間距離閾値算出部55,158が第2の車間距離閾値算出手段として機能することができる。また、エンジン制御装置74がエンジン制御手段として機能し、目標アクセル開度算出部56,159がエンジントルク制御手段として機能し、目標アクセル開度復帰部58,161がエンジントルク補正手段として機能し、アクセルペダル踏み込み量検知部73およびアクセルペダル踏込み操作検出部160が運転操作機器操作状態検出手段として機能し、勾配推定値算出部54が勾配推定値算出手段として機能することができる。確信度算出部152が確信度算出手段として機能し、アクセルペダル反力補正部156が操作反力補正手段として機能し、ドライバ操作判断部155が操作量増加検出手段として機能することができる。ただし、これらには限定されず、障害物検出手段として、レーザレーダ10の代わりにたとえば別方式のミリ波レーダを用いたり、車車間通信等を用いて障害物状況を検出することも可能である。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
第1の実施の形態による車間維持支援装置1の構成を示すシステム図。 車間維持支援装置1を搭載する車両の構成図。 コントローラ50の内部および周辺の構成を示すブロック図。 コントローラ50における車間維持支援制御処理の処理手順を示すフローチャート。 第1の車間距離閾値算出処理の処理手順を示すフローチャート。 第2の車間距離閾値算出処理の処理手順を示すフローチャート。 第2の車間距離閾値算出処理の処理手順を示すフローチャート。 先行車速と先行車速依存基準距離との関係を示す図。 自車走行路の勾配と勾配依存補正時間との関係を示す図。 車間距離偏差算出処理の処理手順を示すフローチャート。 目標アクセル開度最終値算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 アクセルペダル踏込み量と目標アクセル開度最小値との関係を示す図。 車速と車速依存ゲインとの関係を示す図。 自車走行路の勾配と勾配依存補正ゲインとの関係を示す図。 アクセル踏込み操作検出処理の処理手順を示すフローチャート。 目標アクセル開度復帰処理の処理手順を示すフローチャート。 車間距離と増加リミッタとの関係を示す図。 第2の実施の形態における、アクセル踏込み操作検出処理の処理手順を示すフローチャート。 先行車両との車間距離(実車間距離)L、アクセルペダル踏み込み量APO、目標アクセル開度APO*、およびサーボモータ71が付与するアクセルペダル操作反力の時間推移をそれぞれ示す図。 先行車両との車間距離(実車間距離)L、アクセルペダル踏み込み量APO、および目標アクセル開度APO*の時間推移をそれぞれ示す図である。 第2の実施の形態における、先行車両との車間距離(実車間距離)L、アクセルペダル踏み込み量APO、および目標アクセル開度APO*の時間推移をそれぞれ示す図。 第3の実施の形態のコントローラ内部の構成を説明するブロック図。 第3の実施の形態の車間維持支援装置における車間維持支援制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。 確信度算出処理の処理手順を示すフローチャート。 直線路を走行する場合の横方向オフセット値の算出方法を説明する図。 カーブ路を走行する場合の横方向オフセット値の算出方法を説明する図。 直線路を走行する場合の横方向オフセット値の算出方法を説明する図。 カーブ路を走行する場合の横方向オフセット値の算出方法を説明する図。 横方向オフセット値と確信度との関係を示す図。 確信度とゲインKpとの関係を示す図。 ドライバ操作判断処理の処理手順を示すフローチャート。 目標ペダル反力補正処理の処理手順を示すフローチャート。 確信度とゲインKaccとの関係を示す図。 目標アクセル開度最終値算出処理の処理手順を示すフローチャート。 確信度とトルクダウンゲイン最小値との関係を示す図。 アクセル踏込み操作検出処理の処理手順を示すフローチャート。 確信度とアクセル開度速度閾値との関係を示す図。
符号の説明
1:車間維持支援装置、10:レーザレーダ、20:車速センサ、50:コントローラ、51,151:障害物認識部、52,153:第1の車間距離閾値算出部、53,154:アクセルペダル反力決定部、54,157:勾配推定値算出部、55,158:第2の車間距離閾値算出部、56,169:目標アクセル開度算出部、57,160:アクセルペダル踏込み操作検出部、58,161:目標アクセル開度復帰部、70:アクセルペダル反力制御装置、71:サーボモータ、72:アクセルペダル、73:アクセルペダル踏込み量検知部、74:エンジン制御装置、152:確信度算出部、155:ドライバ操作判断部、156:アクセルペダル反力補正部

Claims (19)

  1. 自車両の前方に存在する障害物の状況を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物検出手段によって検出された障害物の状況に基づいて第1の車間距離閾値を算出する第1の車間距離閾値算出手段と、
    前記第1の車間距離閾値算出手段によって算出される前記第1の車間距離閾値、および前記自車両と前記障害物との位置関係に基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を演算する操作反力演算手段と、
    前記操作反力演算手段で演算された前記操作反力に基づいて前記操作反力を前記運転操作機器に発生させる操作反力発生手段と、
    前記障害物検出手段によって検出された障害物の状況に基づいて前記第1の車間距離閾値L*1よりも大きな(L*1<L*2)値である第2の車間距離閾値を算出する第2の車間距離閾値算出手段と、
    前記運転操作機器の操作状態を検出する運転操作機器操作状態検出手段と、
    前記運転操作機器操作状態検出手段で検出した前記運転操作機器の操作量に応じてエンジントルクを発生するようエンジンを制御するエンジン制御手段と、
    前記障害物検出手段によって検出された障害物との位置関係に基づいて、前記運転操作機器の操作量に対するエンジントルク発生量の関係を減少方向に補正するエンジントルク制御手段と、
    前記運転操作機器操作状態検出手段によって、前記第2の車間距離閾値算出手段で算出した前記第2の車間距離閾値よりも、前記障害物検出手段によって検出された自車両前方に存在する障害物との距離が上回っていた場合であって、運転者が自車両の加速操作を行ったと検出されたときにのみ、前記エンジントルク制御手段によって前記運転操作機器の操作量に対して減少補正したエンジントルク発生量を、前記運転操作機器の操作量に対して増加させるようにさらに補正(増加補正)するエンジントルク補正手段とを備えることを特徴とする車間維持支援装置。
  2. 請求項1に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記運転操作機器操作状態検出手段によって運転者の自車両の加速操作が終了したと検出されてから所定時間経過するまで、前記増加補正を継続することを特徴とする車間維持支援装置。
  3. 請求項2に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記運転操作機器操作状態検出手段によって、前記運転操作機器が操作されなくなったこと、または、所定の操作速度以上の操作速度で前記運転操作機器が自車両の加速操作を終了するように操作されたことを検出した場合に、前記増加補正を終了することを特徴とする車間維持支援装置。
  4. 請求項1〜3に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記障害物検出手段によって検出された障害物の状況に基づいて、前記運転操作機器の操作量に対してエンジントルク発生量を増加させる際のエンジントルク発生量の増加速度を変更することを特徴とする車間維持支援装置。
  5. 請求項4に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記障害物検出手段によって自車両前方の障害物が検出されない場合には、前記障害物検出手段によって自車両前方の障害物が検出された場合と比べて、前記運転操作機器の操作量に対してエンジントルク発生量を増加させる際のエンジントルク発生量の増加速度を高くすることを特徴とする車間維持支援装置。
  6. 請求項4に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記障害物検出手段によって検出した自車両前方の障害物との車間距離が長い場合には、前記障害物検出手段によって検出した自車両前方の障害物との車間距離が短い場合と比べて、前記運転操作機器の操作量に対してエンジントルク発生量を増加させる際のエンジントルク発生量の増加速度を高くすることを特徴とする車間維持支援装置。
  7. 請求項1〜6に記載の車間維持支援装置において、
    自車両の走行路の勾配を推定する勾配推定値算出手段をさらに備え、
    前記第2の車間距離閾値算出手段は、前記勾配推定値算出手段の推定結果に基づいて、前記第2の車間距離閾値を算出することを特徴とする車間維持支援装置。
  8. 請求項7に記載の車間維持支援装置において、
    前記第2の車間距離閾値算出手段は、前記勾配推定値算出手段によって自車両の走行路が上り勾配であると推定される場合には、自車両の走行路が上り勾配でも下り勾配でもないと推定される場合と比べて前記第2の車間距離閾値が短くなるように算出し、前記勾配推定値算出手段によって自車両の走行路が下り勾配であると推定される場合には、自車両の走行路が上り勾配でも下り勾配でもないと推定される場合と比べて前記第2の車間距離閾値が長くなるように算出することを特徴とする車間維持支援装置。
  9. 請求項1〜6に記載の車間維持支援装置において、
    自車両の走行路の勾配を推定する勾配推定値算出手段をさらに備え、
    前記エンジントルク制御手段は、前記勾配推定値算出手段によって自車の走行路が上り勾配であると推定される場合は、下り勾配であると推定される場合と比べて、前記運転操作機器の操作量に対してエンジントルク発生量を増加させる際のエンジントルク発生量の増加量を多くすることを特徴とする車間維持支援装置。
  10. 自車両の前方に存在する障害物の状況を検出し、
    検出された障害物の状況に基づいて第1の車間距離閾値を算出し、
    算出される前記第1の車間距離閾値、および前記自車両と前記障害物との位置関係に基づいて、運転者が自車両を運転操作するための運転操作機器に発生させる操作反力を演算し、
    演算された前記操作反力に基づいて前記操作反力を前記運転操作機器に発生させ、
    検出された障害物の状況に基づいて前記第1の車間距離閾値L*1よりも大きな(L*1<L*2)値である第2の車間距離閾値を算出し、
    前記運転操作機器の操作状態を検出し、
    検出した前記運転操作機器の操作量に応じてエンジントルクを発生するようエンジンを制御し、
    検出された障害物との位置関係に基づいて、前記運転操作機器の操作量に対するエンジントルク発生量の関係を減少方向に補正し、
    算出した前記第2の車間距離閾値よりも、検出された自車両前方に存在する障害物との距離が上回っていた場合であって、運転者が自車両の加速操作を行ったと検出されたときにのみ、前記運転操作機器の操作量に対して減少補正したエンジントルク発生量を、前記運転操作機器の操作量に対して増加させるようにさらに補正(増加補正)することを特徴とする車間維持支援方法。
  11. 請求項1に記載の車間維持支援装置において、
    前記障害物検出手段によって検出される障害物の状況に基づいて、自車両の先行車としての確信度を算出する確信度算出手段をさらに備え、
    前記エンジントルク補正手段は、前記確信度算出手段で算出される前記確信度に基づいて、前記エンジントルク制御手段における減少補正をさらに補正することを特徴とする車間維持支援装置。
  12. 請求項11に記載の車間維持支援装置において、
    前記確信度算出手段で算出される前記確信度に基づいて、前記操作反力演算手段で演算される前記操作反力を補正する操作反力補正手段をさらに備えることを特徴とする車間維持支援装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記確信度算出手段で算出される前記確信度に基づいて、前記増加補正を行うことを特徴とする車間維持支援装置。
  14. 請求項11に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記確信度算出手段で算出される前記確信度に基づいて、前記エンジントルク制御手段における減少補正をさらに補正する際に、前記確信度が小さくなるほど、前記運転操作機器の操作量に対するエンジントルク発生量が大きくなるように補正することを特徴とする車間維持支援装置。
  15. 請求項12に記載の車間維持支援装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記確信度が小さくなるほど、前記操作反力が小さくなるように補正することを特徴とする車間維持支援装置。
  16. 請求項15に記載の車間維持支援装置において、
    前記運転操作機器の操作量の増加を検出する操作量増加検出手段をさらに備え、
    前記操作反力補正手段は、前記操作量増加検出手段によって前記運転操作機器の操作量の増加が検出されると、前記操作反力演算手段で演算される前記操作反力を前記確信度が小さくなるほど小さくなるようにさらに補正することを特徴とする車間維持支援装置。
  17. 請求項13に記載の車間維持支援装置において、
    前記確信度算出手段で算出される前記確信度に基づいて、前記確信度が小さくなるほど
    前記運転操作機器操作状態検出手段における運転者による自車両の加速操作の有無の検出タイミングを早くするよう補正する運転操作機器操作状態検出補正手段をさらに備えることを特徴とする車間維持支援装置。
  18. 請求項13または請求項17に記載の車間維持支援装置において、
    前記エンジントルク補正手段は、前記確信度が小さくなるほど前記運転操作機器の操作量に対するエンジントルク発生量の関係を通常の関係に早く復帰させるように増加補正することを特徴とする車間維持支援装置。
  19. 請求項10に記載の車間維持支援方法において、
    検出された障害物の状況に基づいて、自車両の先行車としての確信度をさらに算出し、
    算出された前記確信度に基づいて、前記エンジントルクの減少補正をさらに補正することを特徴とする車間維持支援方法。
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