JP2009166540A - バックドアの補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バックドア2のインナパネル4と、アウタパネル3とを備え、キーシリンダ6に対応するアウタパネル3の裏面側には車両上下方向に延在する第1のリンフォース10が配設され、ドアラッチ8に対応するインナパネル4の裏面側には第2のリンフォース11が取付けられているバックドア2の補強構造において、第1のリンフォース10の上端部10cが、インナパネル4とアウタパネル3とにより挟持され、第1のリンフォース10の下端部10dが、第2のリンフォース11を間に挟んでインナパネル4に溶接され、第1のリンフォース10の中間部10aが、アウタパネル4の裏面側に緩衝材12を介して当接している。
【選択図】図4
Description
特許文献1では、アウタパネルの中央部には、キーシリンダが取付けられるとともに、キーシリンダに対応するアウタパネルの裏面側には、車両上下方向に延在するアウターリンフォース(キーシリンダリンフォース)が配設されている。また、インナパネルの下部は、車両後方に向かって略水平に延在しており、このインナパネルの下部には、ドアラッチが取付けられるとともに、ドアラッチに対応するインナパネルの裏面側には、インナパネルに沿って車両前後方向に延在するドアラッチリンフォースが取付けられている。
加えて、アウタパネルとインナパネルとにそれぞれリンフォースが取付けられた状態で位置合わせ作業を行わなければならないため、位置合わせの作業に時間がかかり、作業効率が良くないという問題もあった。
加えて、第1のリンフォースの上端部が、インナパネルとアウタパネルとにより挟持される一方、第1のリンフォースの下端部が、第2のリンフォースを間に挟んでインナパネルに溶接されているため、第1のリンフォースの上下端部に高い強度を与えながら第1のリンフォースを固定することができる。
また、第1のリンフォースの下部が、車両前方方向に向かって湾曲しているため、第1のリンフォースをインナパネルに溶接する際に、この湾曲した部分を利用して第1のリンフォースをインナパネルに溶接することができる。このように湾曲した部分を利用することで、第1のリンフォースと溶接スポットガンとが接触することがなくなり、溶接作業が容易になり、組み付けラインにおける作業効率が向上する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両を後方から見た正面図であり、図2は、本発明の実施形態に係る車両のキーシリンダの構造を示している図である。また、図3は、本発明の実施形態に係る車両のバックドアを車室内側から見た正面図であり、図4は、図3におけるA−A線断面図である。
バックドア2は、車室外側を形成するアウタパネル3と、このアウタパネル3の内側に装着されるインナパネル4(図3参照)とを備えている。また、バックドア2は、リヤコンビランプ(図示せず)の外周に沿って車両中心側に向かって弧を描きながら車幅方向の幅が狭められて形成されている。そして、バックドア2の上部には、矩形に囲まれた開口部2aが設けられており、バックドア2には、開口部2aを覆うようにウィンドウガラス5が固着されている。また、バックドア2の中央部には、バックドア2に鍵をかけたり解除したりするためのキーシリンダ6が取付けられている。
バックドア2は、アウタパネル3とインナパンル4とを溶接することにより、バックドア2の内部に空間Pを設けるようにシェル状に形成されている。
キーシリンダ6の本体6bには、回転軸に対して半径方向に延在するレバー部6cが設けられており、このレバー部6cの先端部がドアラッチ8に連結されている。このキーシリンダ6のレバー部6cは、キーシリンダ6のキー操作で入力された力をドアラッチ8に伝達するようになっている。
ドアラッチ8は、キーシリンダ6への閉鍵動作により、車両側に取付けられたストライカ9に係合し、バックドア2をロック状態にするようになっている。また、ドアラッチ8は、キーシリンダ6への開錠動作により、ストライカ9に係合したドアラッチ8を解除し、バックドア2のロック状態を解除するようになっている。
また、インナパネル4の下面部4cの裏面側には、ラッチリンフォース11が取付けられている。ラッチリンフォース11は、インナパネル4の裏面側に沿って車両上方に延びる上端部11aと、インナパネル4の裏面側に沿って車両下方に延びる下端部11bとを有している。
そして、アウターリンフォース10の上端部10cが、アウタパネル3のフランジ部3bとインナパネル4のフランジ部4aとにより挟持され、アウターリンフォース10の下端部10dが、ラッチリンフォース11の上端部11aにおいてラッチリンフォース11を間に挟んでインナパネル4に溶接されている。また、アウターリンフォース10の中間部10aは、アウタパネル3の裏面側に熱硬化性のシーラー(緩衝材)12を介して当接している。
図5は、本発明の実施形態に係るアウターリンフォース及びラッチリンフォースを示した斜視図であり、図6は、本発明の実施形態に係るバックドアの分解斜視図である。図7は、本発明の実施形態に係る車両のバックドアを車室内側から見た図であり、スポット溶接の工程を説明した図である。また、図8は、図3におけるA−A線断面図であり、スポット溶接の工程を説明した図である。
次に、図6及び図7に示すように、作成したリンフォースコンプ13とインナパネル4とを3点(W2)で溶接する。この際、図8に示すように、アウターリンフォース10の下部10bの湾曲した部分にスポット溶接ガン14を入れて、リンフォースコンプ13とインナパネル4との溶接を行う。
その後、図7に示すように、リンフォースコンプ13の上端部10c(アウターリンフォース10の上端部10c)とインナパネル4とを1点(W3)で溶接し、一方、リンフォースコンプ13の下端部11b(ラッチリンフォース11の下端部11b)とインナパネル4とを3点(W4)で溶接する。
最後に、シーラー12をアウタパネル3の裏面側でリンフォースコンプ13とアウタパネル3とが近接する部分に取り付け、アウタパネル3をインナパネル4にかぶせ、アウタパネル3のフランジ部3bとインナパネル4のフランジ部4aとを2点(W5)で溶接する。
以上により、アウターリンフォース10及びラッチリンフォース11を取付けて、バックドア2を製造する作業が完了することになる。
従来ではアウタパネルの裏面側にアウターリンフォースを配設する場合にアウターリンフォースをアウタパネルに溶接していたため、アウタパネルの意匠面に残ったスポット溶接痕を覆うための部材が必要となり、シンプルな外観を得ることができなかった。
これに対して、本実施形態では、アウターリンフォース10の中間部10aが、アウタパネル3の裏面側に熱硬化性のシーラー12を介して当接するように構成しているため、アウタパネル3の意匠面に溶接痕が生じることがなくなり、外観性の高いアウタパネル3の意匠面を得ることができる。これにより、アウタパネル3の意匠面や取付部品の構成の自由度が増すという利点がある。
これに対して、本実施形態では、アウターリンフォース10をアウタパネル3に溶接する必要がなくなるため、全てのリンフォースをインナパネル4に取付けた状態でアウタパネル3を合わせる作業を行うことができ、作業効率が向上する。
これに対して、本実施形態では、アウターリンフォース10の中間部10aが、車両後方方向に向かって湾曲するとともに、アウターリンフォース10の下部10bが、車両前方方向に向かって湾曲しており、ラッチリンフォース11が、インナパネル4の裏面側において車両前後方向に延在するとともに、インナパネル4の裏面側に沿って車両上方に延びる上端部11aを有しており、アウターリンフォース10の下端部10dが、ラッチリンフォース11の上端部11aにおいてラッチリンフォース11を間に挟んでインナパネル4に溶接されているため、アウターリンフォース10がアウタパネル3の裏面側からインナパネル4の裏面側へ架け渡されるように配置されることになり、バックドア2の空間Pの上下に2つの大きな閉断面が形成される。これにより、従来に比べてバックドア2の強度を高めることができる。
例えば、本実施形態では、アウターリンフォース10とラッチリンフォース11とを別々に形成しているが、アウターリンフォース10とラッチリンフォース11とを一体成形してもよい。これにより、アウターリンフォース10とラッチリンフォース11とを固着してリンフォースコンプ13を作成する作業がなくなり、組み付けラインの工数が削減され、作業効率が向上する。
2 バックドア
2a バックドアの開口部
3 アウタパネル
3a アウタパネルの孔
3b,3c アウタパネルのフランジ部
4 インナパネル
4a,4b インナパネルのフランジ部
4c インナパネルの下面部
5 ウィンドウガラス
6 キーシリンダ
6a 差込口
6b 本体
6c レバー部
7 リンフォース
8 ドアラッチ
9 ストライカ
10 アウターリンフォース(第1のリンフォース)
10a 中間部
10b 下部
10c 上端部
10d 下端部
11 ラッチリンフォース(第2のリンフォース)
11a 上端部
11b 下端部
12 シーラー
13 リンフォースコンプ
14 スポット溶接ガン
Claims (4)
- 車両のバックドアを構成する車室内側のインナパネルと、車室外側のアウタパネルとを備え、前記アウタパネルにはキーシリンダが取付けられるとともに、前記キーシリンダに対応する前記アウタパネルの裏面側には車両上下方向に延在する第1のリンフォースが配設され、前記インナパネルの下部にはドアラッチが取付けられるとともに、前記ドアラッチに対応する前記インナパネルの裏面側には第2のリンフォースが取付けられているバックドアの補強構造において、
前記第1のリンフォースの上端部が、前記インナパネルと前記アウタパネルとにより挟持され、前記第1のリンフォースの下端部が、前記第2のリンフォースを間に挟んで前記インナパネルに溶接され、前記第1のリンフォースの中間部が、前記アウタパネルの裏面側に緩衝材を介して当接していることを特徴とするバックドアの補強構造。 - 前記第1のリンフォースの前記中間部が、車両後方方向に向かって湾曲するとともに、前記第1のリンフォースの下部が、車両前方方向に向かって湾曲しており、前記第2のリンフォースが、前記インナパネルの裏面側において車両前後方向に延在するとともに、前記インナパネルの裏面側に沿って車両上方に延びる上端部を有しており、前記第1のリンフォースの前記下端部が、前記第2のリンフォースの前記上端部において前記第2のリンフォースを間に挟んで前記インナパネルに溶接されていることを特徴とする請求項1に記載のバックドアの補強構造。
- 前記第1のリンフォースと前記第2のリンフォースとを固着することによりリンフォースコンプを形成した状態で、前記リンフォースコンプを前記インナパネルに固定するとともに、前記インナパネルと前記アウタパネルとを溶接して前記バックドアを形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のバックドアの補強構造。
- 前記第1のリンフォースと前記第2のリンフォースとが、一体成形されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバックドアの補強構造。
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