JP2009166281A - タイヤ製造用のコア、タイヤ製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ成型時に、タイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、接着剤を塗布することなくタイヤ構成部材を保持する。
【解決手段】一端部がコア1の外面21に開口してコア1の内面22まで貫通する複数の孔Hを、コア1の外面21の全体に亘って開口させて形成する。この各孔Hを介して、コア1の内部から外面21に配置されるタイヤ構成部材Tを吸引して吸着し、タイヤ構成部材Tをコア1の外面21に保持する。その状態で、タイヤ構成部材Tを順次巻き付けて、コア1の外面21の全体に配置し、これにより、インナーライナを形成する等して未加硫のタイヤを所定形状及び構造に形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】一端部がコア1の外面21に開口してコア1の内面22まで貫通する複数の孔Hを、コア1の外面21の全体に亘って開口させて形成する。この各孔Hを介して、コア1の内部から外面21に配置されるタイヤ構成部材Tを吸引して吸着し、タイヤ構成部材Tをコア1の外面21に保持する。その状態で、タイヤ構成部材Tを順次巻き付けて、コア1の外面21の全体に配置し、これにより、インナーライナを形成する等して未加硫のタイヤを所定形状及び構造に形成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、タイヤの内面形状を規定する外面形状を有し、タイヤ成型時にタイヤ構成部材が外面に配置されるタイヤ製造用のコアと、このコアを使用してタイヤを形成するタイヤ製造装置及びタイヤ製造方法に関する。
空気入りタイヤは、一般に、未加硫ゴムからなるインナーライナ等の各種のタイヤ構成部材を組み合わせて未加硫のタイヤ(グリーンタイヤ)を成型し、加硫工程を経て所定の形状に形成される。また、このようなタイヤの製造方法として、従来、タイヤの内面形状を規定する剛体のコア(内型)に、各タイヤ構成部材を順次貼り付けて未加硫のタイヤを成型した後、それらを加硫モールド(外型)内に収納して加硫成型する、いわゆるコア成型・加硫方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このコアを使用して未加硫のタイヤを成型するときに、未加硫のリボン状や帯状のゴム部材をタイヤ構成部材とし、これをコア外面や下層の部材に巻き付けて貼り合わせ、インナーライナやトレッド等を形成することが行われている。その際、ゴム部材同士は粘着性により互いに貼り付くものの、コアの外面にタイヤ構成部材、例えばリボン状ゴムを直接配置してインナーライナを形成する場合等には、コア外面に対してタイヤ構成部材が充分に貼り付かず、タイヤ成型工程の進行が妨げられることがある。そのため、従来は、コアの外面に予めゴムセメント等の接着剤を塗布してタイヤ構成部材の接着性を確保し、その上からタイヤ構成部材を配置して貼付・保持し、タイヤ成型を行うのが一般的である。
しかしながら、このように接着剤を使用すると、そのコア外面に対する塗布作業に手間や時間を要し、タイヤ製造の生産性が低下する傾向がある。また、この接着剤による接着が不充分になり、タイヤ構成部材の一部がコア外面から剥がれる等して、その間にエア等の気体が包まれて残存した場合には、加硫時に、このタイヤ内面側に入り込んだ気体に起因して、タイヤ内面部材が未加硫状態になる等、製品不良や不具合が発生する恐れもある。一方、接着が充分に行われたときでも、タイヤ構成部材とコア外面との間に部分的に空所ができて気体が包み込まれることがあり、この場合にも、上記と同様に製品不良等が発生する恐れがある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたものであって、その目的は、タイヤ成型時に、タイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、接着剤を塗布することなくタイヤ構成部材を保持できるようにし、タイヤ製造の生産性を向上させることである。また、加硫時のタイヤとコア外面との間に気体が入り込んで残るのを抑制し、製品不良や不具合の発生を低減することである。
本発明は、タイヤ成型時にタイヤ構成部材が外面に配置され、タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアであって、前記外面に一端部が開口し、タイヤ成型時に前記タイヤ構成部材を前記外面に吸引して保持するとともに、加硫時のタイヤと前記外面との間の気体を排気するための複数の孔を有することを特徴とする。
また、本発明は、タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、タイヤ構成部材を配置してタイヤを形成するタイヤ製造装置であって、前記コアが請求項1に記載されたタイヤ製造用のコアであり、タイヤ成型時に該コアの外面に配置されるタイヤ構成部材を、前記複数の孔を介して吸引して該コアの外面に保持させる吸引手段を備えたことを特徴とする。
更に、本発明は、タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、タイヤ構成部材を配置してタイヤを形成するタイヤ製造方法であって、タイヤ成型時に前記コアの外面に前記タイヤ構成部材を配置する工程と、該配置されるタイヤ構成部材を、前記コアの外面に一端部が開口する複数の孔を介して吸引して該コアの外面に保持する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、タイヤ構成部材を配置してタイヤを形成するタイヤ製造装置であって、前記コアが請求項1に記載されたタイヤ製造用のコアであり、タイヤ成型時に該コアの外面に配置されるタイヤ構成部材を、前記複数の孔を介して吸引して該コアの外面に保持させる吸引手段を備えたことを特徴とする。
更に、本発明は、タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、タイヤ構成部材を配置してタイヤを形成するタイヤ製造方法であって、タイヤ成型時に前記コアの外面に前記タイヤ構成部材を配置する工程と、該配置されるタイヤ構成部材を、前記コアの外面に一端部が開口する複数の孔を介して吸引して該コアの外面に保持する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、タイヤ成型時に、タイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、接着剤を塗布することなくタイヤ構成部材を保持でき、タイヤ製造の生産性を向上させることができる。また、加硫時のタイヤとコア外面との間に気体が入り込んで残るのを抑制でき、製品不良や不具合の発生を低減することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のタイヤ製造装置は、タイヤの成型開始から加硫終了までの間に亘ってタイヤ内に配置され、その内面形状を規定するタイヤ製造用のコア(以下、単にコアという)を備えている。また、タイヤ製造装置は、このコアの外面に、タイヤ構成部材を配置等して所定形状及び構造に成型してタイヤ(未加硫タイヤ)を形成し、成型後のタイヤをコアとともに加硫モールド内に収納して加硫(加硫成型)して所定形状の製品タイヤを製造する装置である。
本実施形態のタイヤ製造装置は、タイヤの成型開始から加硫終了までの間に亘ってタイヤ内に配置され、その内面形状を規定するタイヤ製造用のコア(以下、単にコアという)を備えている。また、タイヤ製造装置は、このコアの外面に、タイヤ構成部材を配置等して所定形状及び構造に成型してタイヤ(未加硫タイヤ)を形成し、成型後のタイヤをコアとともに加硫モールド内に収納して加硫(加硫成型)して所定形状の製品タイヤを製造する装置である。
図1は、本実施形態のタイヤ製造装置が備えるコアを模式的に示す平面図であり、コアの軸線方向から見た要部を概略的に示している。
このタイヤ製造装置が備えるコア1は、金属(例えばアルミニウムや鉄基材料)等の剛体からなる剛体コアであり、図示のように、全体として略環状(トロイダル状)をなし、その外面が、形成するタイヤの内面形状に応じた成型面に形成されている。また、コア1は、その径方向に移動可能な2種類の弧状のセグメント10、20が複数ずつ(ここでは5つずつ)、周方向に交互に密着した状態で配置されて構成されている。
このタイヤ製造装置が備えるコア1は、金属(例えばアルミニウムや鉄基材料)等の剛体からなる剛体コアであり、図示のように、全体として略環状(トロイダル状)をなし、その外面が、形成するタイヤの内面形状に応じた成型面に形成されている。また、コア1は、その径方向に移動可能な2種類の弧状のセグメント10、20が複数ずつ(ここでは5つずつ)、周方向に交互に密着した状態で配置されて構成されている。
これらセグメント10、20は互いに形状が異なり、一方のセグメント10の平面視形状が、径方向外側に向かって次第に広がる略扇形状であるのに対し、他方のセグメント20の平面視形状は、径方向外側に向かって次第に縮小する、又は実質的に変化しない略矩形状に形成されている。このようにして、各セグメント10、20には、コア1の組み立て及び、その加硫後のタイヤからの取り出しができるように、互いの当接面に勾配(抜き勾配)が設けられている。
即ち、コア1は、組み立て時には、各セグメント10、20を、当接面の勾配に合わせて径方向に相対的に移動させる等して互いに当接させ、略環状に形成される。一方、コア1を加硫後のタイヤの内側から取り出すときには、まず、前記他方のセグメント20を順次径方向内側へ移動させて中央孔2から軸線方向に抜き出し、その後、前記一方の各セグメント10を同様に順次径方向内側へ移動させて軸線方向に抜き出し、コア1の取り出しが行われる。
以上のように、このコア1は、タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定する外面形状を有しており、タイヤ成型時にタイヤ構成部材が外面に配置され、かつタイヤ加硫時にタイヤの内面形状を型付けする内型として機能する。また、コア1は中空構造になっており、各セグメント10、20が組み立てられると、その内部に、中央孔2側に向かって開口する略環状の空間ができ、加硫時には、この空間内に加熱媒体を供給・循環させ、内側から加熱してタイヤの加硫成型を進行させる。加えて、このコア1は、外面のタイヤ構成部材が配置される範囲の全体に、主に、タイヤ成型時にタイヤ構成部材を保持し、かつ加硫時にタイヤ構成部材との間の気体(例えばエア)を内部に排気するために使用する複数の孔を有する。
図2は、コア1の一部のセグメントを抜き出して模式的に示す斜視図であり、ここでは、平面視略矩形状のセグメント20を拡大して示しているが、もう一方のセグメント10も同様に構成されている。
本実施形態では、図示のように、コア1の各セグメント10、20に、その外面(ここでは、セグメント20の外面21)の全体に亘って開口する複数の孔(吸引孔及び排気孔)Hを略均等に形成し、これにより、タイヤ成型時に、その外面21に配置されるタイヤ構成部材Tを吸引して保持する。また、成型した未加硫のタイヤを加硫する際には、この複数の孔Hにより、加硫時のタイヤとコア1外面との間の気体を排気するようになっている。
本実施形態では、図示のように、コア1の各セグメント10、20に、その外面(ここでは、セグメント20の外面21)の全体に亘って開口する複数の孔(吸引孔及び排気孔)Hを略均等に形成し、これにより、タイヤ成型時に、その外面21に配置されるタイヤ構成部材Tを吸引して保持する。また、成型した未加硫のタイヤを加硫する際には、この複数の孔Hにより、加硫時のタイヤとコア1外面との間の気体を排気するようになっている。
具体的には、コア1に形成される各孔Hは、タイヤ構成部材Tが配置されるコア1の外面21に一端部が開口し、中央孔2側の内面22まで貫通する略円形孔であり、それぞれコア1の内外を連通させて、内外間での気体の流通を可能にしている。タイヤ成型時には、これら複数の孔Hは、コア1の内面22に開口する他端部側から吸引(吸気)され、外面21側の一端部にタイヤ構成部材Tの対向面を吸い付け、これにより、外面21側の各開口が密封されてタイヤ構成部材Tを吸着し、コア1の外面21に密着させて保持する吸引孔(吸着孔)として機能する。これに対し、タイヤの加硫時には、複数の孔Hは、コア1の外面21側に残存するエア等、コア1の外面21と加硫中のタイヤの内面との間の気体を、外面21側から内面22側に排出して排気するための排気孔として機能する。
従って、このコア1を使用して未加硫のタイヤを成型する本実施形態のタイヤ製造装置は、タイヤ成型時にコア1の外面に配置されるタイヤ構成部材Tを、複数の孔Hを介して吸引してコア1の外面に保持させるための吸引(バキューム)手段(図示せず)を備えている。この吸引手段は、例えばコア1の両側の中央孔2を密封する等して、コア1の内部空間を密封する手段や、密封されたコア1内を真空引きする真空ポンプ等から構成され、コア1内の全体を低圧にして各孔Hを介してタイヤ構成部材Tを内側から吸引する。また、吸引手段は、例えば真空ポンプの吸引配管を複数に分岐させてコア1内に挿入し、各配管の先端を1又は複数個の孔Hの内面22側の開口部に各々接続してつなげ、それらを介してタイヤ構成部材Tを吸引してコア1外面に吸着・保持するものであってもよい。
ここで、コア1の外面に吸着して保持するタイヤ構成部材Tは、タイヤ成型時に、コア1の外面に最初に供給されて配置される部材であり、ここでは、タイヤの内面を構成するインナーライナを保持する。また、このタイヤ製造装置では、タイヤ構成部材Tとして、所定幅で長尺に形成したリボン状のゴム部材を使用し、これを、コア1の周方向に沿って螺旋状に巻き付けて保持しつつ、コア1の外面の略全体に亘って1層又は複数層積層し、インナーライナを形成するようになっている。ただし、タイヤ構成部材Tは、コア1の周方向に沿って1回巻き付けることで、その外面の必要な範囲を覆える大きさのシート状や帯状のゴム部材等、他の形状の部材であってもよい。
また、コア1に形成される複数の孔Hは、配置されるタイヤ構成部材Tの幅等に応じて、その保持が適切に行えるように、互いに適宜間隔を開けて配置される。加えて、孔Hの開口部も、タイヤ構成部材Tを吸引して保持可能で、かつ、その表面の吸着部に開口部の跡(吸着痕)が大きく付かない程度の大きさに形成され、例えば、タイヤ構成部材Tの幅方向に沿って、複数の孔Hが位置して、タイヤ構成部材Tを確実に吸引・保持できるように形成される。
次に、本実施形態のタイヤ製造装置により、未加硫のタイヤを成型して加硫し、製品タイヤを形成及び製造する手順等について説明する。
このタイヤ製造装置では、従来のタイヤ成型工程と同様に、コア1の外面に、インナーライナ等の各種タイヤ構成部材を順次配置して積層する等し、所定形状及び構造の未加硫のタイヤを成型する。その際、ここでは、タイヤ成型時に最初にコア1の外面にタイヤ構成部材Tを直接配置するときに、上記した吸引手段により吸引することで、コア1の外面に開口する複数の孔Hを介して、配置されるタイヤ構成部材Tを吸引してコア1の外面に吸着して保持する。
このタイヤ製造装置では、従来のタイヤ成型工程と同様に、コア1の外面に、インナーライナ等の各種タイヤ構成部材を順次配置して積層する等し、所定形状及び構造の未加硫のタイヤを成型する。その際、ここでは、タイヤ成型時に最初にコア1の外面にタイヤ構成部材Tを直接配置するときに、上記した吸引手段により吸引することで、コア1の外面に開口する複数の孔Hを介して、配置されるタイヤ構成部材Tを吸引してコア1の外面に吸着して保持する。
この孔Hを介した吸引・保持を、少なくともタイヤ構成部材Tの配置開始から終了まで継続し、配置されるタイヤ構成部材Tを配置位置に応じて順次吸着し、コア1の外面に密着させて、対向するタイヤ構成部材Tの全体をコア1で保持する。続いて、その外面側の所定位置に、カーカスやビードコア、ベルト等の他のタイヤ構成部材を順に配置して組み合わせ、更に、外周面や側面にリボン状ゴムを積層してトレッドゴムやサイドウォールを形成する等して、未加硫のタイヤを形成(成型)する。
また、タイヤ製造装置は、このコア1の外面に形成したタイヤを、コア1とともに加硫機(図示せず)の加硫モールド(外型)内に収納し、加硫モールド内面とコア1外面との間に形成されるキャビティ内に配置する。その状態で、未加硫のタイヤを、コア1及び加硫モールド側の内外面から加熱しつつ両面により型付けして加硫を進行させ、その内外面を、外周部のトレッドパターンを含む所定の製品形状に形成して加硫成型する。併せて、このタイヤ製造装置では、上記したように、加硫時のタイヤとコア1の外面との間の気体を、コア1に形成した複数の孔Hを介してコア1内に排気し、その外面とタイヤ内面との密着度を高めた状態で加硫成型を行う。
その後、所定時間が経過する等してタイヤの加硫が完了したことを条件に、加硫後のタイヤとコア1とを加硫モールド内から取り出し、タイヤ内からコア1の各セグメント10、20を上記のようにして取り出し、検査等の後工程を経て製品タイヤの製造が完了する。
以上説明したように、本実施形態では、コア1にタイヤ構成部材Tを吸引して保持するための複数の孔Hを設け、タイヤ成型時に、各孔Hを介して吸引することで、コア1の外面にタイヤ構成部材Tを吸着する。これにより、コア1の外面に、接着剤を塗布することなく、配置されるタイヤ構成部材Tを吸着して確実に保持できるため、接着剤の塗布作業の手間や時間等を削減できるとともに、タイヤの成型を円滑に行うこともでき、タイヤ製造の生産性を高めることができる。同時に、タイヤ構成部材Tとコア1外面との密着性が高くなり、それらの間に気体が入り込んで残存するのを抑制することもできる。その結果、この両面間の気体に起因して、加硫時にタイヤ内面部材が未加硫状態になる等、上記した製品タイヤに生じる不良や不具合の発生を抑制することもできる。
加えて、このタイヤ製造装置では、加硫時までタイヤとコア1外面との間に気体が残存し、或いは、加硫中に気体が発生した場合であっても、加硫時に、このような気体を、コア1の複数の孔Hを介して外部(コア1の内部空間)に排気する。そのため、加硫時にも、コア1とタイヤ間に気体が入り込むのを抑制でき、この気体に伴う上記した各問題の発生を、より確実かつ効果的に抑制することができる。
従って、本実施形態によれば、タイヤ成型時に、コア1の外面に、接着剤を塗布することなくタイヤ構成部材Tを保持でき、タイヤ製造の生産性を向上させることができる。また、加硫時のタイヤとコア1外面との間に気体が入り込んで残るのを抑制でき、製品不良や不具合の発生を低減することができる。
ここで、本実施形態では、加硫中のタイヤとコア1間の気体を、熱膨張するタイヤからの圧力等で複数の孔Hから排気するが、この気体は、例えば、コア1に上記した吸引手段と同様に構成される吸引手段を設ける等して、複数の孔Hを介してコア1の内側から吸引して排気するようにしてもよい。このようにすることで、加硫時のタイヤとコア1外面との間の気体を、より確実に排気して上記した各問題の発生を、より一層低減することができる。
また、このタイヤ製造装置では、コア1の複数の孔Hを、全て略円形に形成したが、この孔Hは、楕円形状や三角形状、又は略矩形状等の、コア1の内外面間を連通させる他の形状に形成してもよい。
図3は、このように、孔Hを他の形状に形成したコア1’の例を模式的に示す斜視図であり、図2に対応して1つのセグメント20を拡大して示している。
図3は、このように、孔Hを他の形状に形成したコア1’の例を模式的に示す斜視図であり、図2に対応して1つのセグメント20を拡大して示している。
ここでは、図示のように、複数の孔Hを、それぞれ略矩形状に形成して、コア1’の外面(ここでは、セグメント20の外面21)に開口させ、コア1’のタイヤ構成部材Tが配置される範囲の全体に亘って、所定間隔で略均等に配置している。このように、複数の孔Hは、タイヤ構成部材Tの幅等、配置されるタイヤ構成部材Tに応じて、他の形状に形成してもよく、或いは、コア1’の外面への開口位置に応じて、適宜異なる形状に形成する等、複数形状の孔Hにより構成してもよい。
1・・・コア、1’・・・コア、2・・・中央孔、10・・・セグメント、20・・・セグメント、21・・・外面、22・・・内面、H・・・孔、T・・・タイヤ構成部材。
Claims (5)
- タイヤ成型時にタイヤ構成部材が外面に配置され、タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアであって、
前記外面に一端部が開口し、タイヤ成型時に前記タイヤ構成部材を前記外面に吸引して保持するとともに、加硫時のタイヤと前記外面との間の気体を排気するための複数の孔を有することを特徴とするタイヤ製造用のコア。 - タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、タイヤ構成部材を配置してタイヤを形成するタイヤ製造装置であって、
前記コアが請求項1に記載されたタイヤ製造用のコアであり、
タイヤ成型時に該コアの外面に配置されるタイヤ構成部材を、前記複数の孔を介して吸引して該コアの外面に保持させる吸引手段を備えたことを特徴とするタイヤ製造装置。 - タイヤ成型時及び加硫時にタイヤの内面形状を規定するタイヤ製造用のコアの外面に、タイヤ構成部材を配置してタイヤを形成するタイヤ製造方法であって、
タイヤ成型時に前記コアの外面に前記タイヤ構成部材を配置する工程と、
該配置されるタイヤ構成部材を、前記コアの外面に一端部が開口する複数の孔を介して吸引して該コアの外面に保持する工程と、
を有することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項3に記載されたタイヤ製造方法において、
前記コアの外面に形成したタイヤを該コアとともに加硫モールド内に収納して加硫する工程と、
該加硫時のタイヤと前記コアの外面との間の気体を前記複数の孔を介して排気する工程と、
を有することを特徴とするタイヤ製造方法。 - 請求項4に記載されたタイヤ製造方法において、
前記排気する工程は、前記タイヤとコアの外面との間の気体を前記複数の孔を介して吸引して排気する工程であることを特徴とするタイヤ製造方法。
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