JP2009165442A - 椎茸の熟成人工榾木の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】材料を水で練り固めたブロック状の培地に、種菌の増殖により表面が白色ないし霜降り状の被膜で覆われるまで全体的に菌糸を蔓延させる初期培養工程に続いて、適度の温度条件の環境下において裸の培地に間断に散水を施して菌糸の増殖をさらに促進することにより椎茸の発芽手前の状態にまで管理する熟成培養工程を設けた椎茸の熟成人工榾木の製造方法において、その熟成培養工程を、被膜が白色ないし霜降り状から黄土色に変化するまで管理する熟成前期培養工程と、黄土色から茶褐色に変化するまで管理する熟成後期培養工程とに分け、その両工程の間に、洗浄水の吹きつけにより被膜を洗う中間洗浄工程を設け、且つ、培地のセルロース/リグニンの比率を1.8〜3.2に設定することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
人工榾木の主成分となるおが屑(ナラ、クヌギ等)は細目と粗目とを混合して使用するが、従来の配分比率よりも細目を多くし、加水時間を長くした。このことにより、混合時間の短縮、給水率の向上、出来高量が増加した。このおが屑の他、米ぬか、ふすま等を水で練り、プラスチックフィルムの袋1に充填して中に後に熟成人工榾木となる培地Paを円柱形に成形する(図1参照)。これを殺菌トレーに積み込み蒸気釜に入れて加熱殺菌する。また、殺菌工程の前または後において、培地Paの中央に穿設棒(上径21〜34mm、下径15〜20mm)で突いて植菌穴2を形成し、それに種菌を充填して摂取した。なお、図1において、袋1の口は一部5を開口してシール6が施され、その上がミシン糸7により通気可能に縫い合わされる。この状態で、次の袋詰め形態の培養工程に移される。
従来と同様の作業である。しかし、植菌穴2の径および深さを従来よりも大きく取った。これは、菌が人工榾木の内部により浸透し、増殖しやすくするためである。このことの証明として植菌を終えた榾木の品温は従来よりも高く推移していることを確認した。この現象は、菌の活性化が円滑になっていることを示しており、完熟速度の促進にも影響しているのは確かである。また、植菌は、培地品温(中心部温)を22〜27°C(特許文献1では培地品温は20〜25°C)に保った状態にして、菌糸体の活性化が持続しやすくやゝ高めに温度管理した。
培地Paの植菌穴2に種菌を充填して植菌した後の工程であって、袋1に培地Paに詰めたまま菌を培地全体に広がらせることを目的とする。菌糸体が培地に広がると、全体が菌の色である白色に被覆され、表面が霜降り状となる。この状態になったら菌糸体が全体に蔓延し雑菌の進入および繁殖が防止された状態となるので、次の破袋が安全にして可能となる。また、この工程における培養を安定して促進するため、従来の計器(自記記録計、棒温度計)はもとより、温度ロガー、放射温度計等の計器を駆使し、温度管理を厳重に実施する。
この工程では前記特許文献1では33〜43日の工程期間であるので、本願の実施形態ではそれよりも2〜3日短くしたことになる。
袋詰め形態の培養工程を経たことで菌糸体が蔓延しているため、やゝ木質化して形を保持し、且つ、雑菌に対する防備ができているため、前記の如く袋1から培地Paを出しても安全であるが、確実性を確保するため、皮膜室に移動させ裸となった培地Paに0.3ppmの塩素水を噴霧して滅菌を施した。
この工程では、培地Paの表面に菌糸体が蔓延して白色の被膜3が形成されるまで培養する。それには、水を霧状にして噴霧する。しかも、それを一日中間断なく実施することでさらに菌糸を培養することもある。ここでは、白色の被膜3が目に見えて形成され、表面が真っ白に綿に覆われたような状態に変化する。被膜3が形成されると、検品して不良品を選別する。
上記の作業は従来と同様である。ただし、本実施形態では、図2に示すようなコンテナCに培地Pa.Pa,・・を詰め込んで配列し、パレット(又はキャスター)にそのコンテナC,C,・・を積載し(図3参照)、上端には空のコンテナCを逆さにして被せた状態で散水を行った。これは従来なかった新規な試みであるが、散水が勢いや温度、酸素含有率等において和らげられるため、菌糸体の増殖を活性化させることができ、したがって、工程日数も短縮された。その結果、特許文献1の場合(5〜7日間)よりも1〜2日間程度短縮となった。
被膜3が形成された培地Paを間断の散水の実施により白色から黄土色に変化させる工程である。また、ここでは、少なくとも
ここでは、一日の散水時間を従来より長く設定した。そうすることにより、菌自体の発熱効果が促進され、熟成速度を短縮することが可能となった。室内温度及び散水時間については、特許文献1の場合であると、この期間に相当する日数は23〜25日であって、間断散水は、20〜24°Cにおいて10〜20時間/日であるが、本実施形態であると、24〜28°Cにおいて18〜20時間/日であり、高温且つ長時間である。
先の熟成前期培養工程と次の熟成後期培養工程とにおいて培養室を変えることとし、その移動の際に、検品とともに洗浄することとした。この場合、コンテナ単位で洗浄し、不良品を選別するために、コンテナCの積み上げの8段目から順次下へ検品しながら洗浄し、他のパレットへ天地替えのように下から順に積み上げた。洗浄については、0.3ppm塩素滅菌水を噴霧しながら、被膜3の表面を洗い出すようにする。
特許文献1等の他の発明には当該中間洗浄工程は存在しなく、熟成培養工程は連続的に行われる。本願発明では、この中間洗浄工程が非常に重要である。洗浄によって被膜3はやゝ薄膜となり通気性が良好となり、しかも、この時に、表面の菌糸体が洗い流されることになって、被膜3の表面に新規に菌糸の再生の余地を付与することになり、菌糸体に再び活性化させる機会を与えることになるからである。その結果、完熟に至らない(セルロース/リグニンの値が低い)時点において培養を完了することによって、培地Paの熟成人工榾木Pに活性が維持される。
黄土色に変化した榾木をさらに熟成し、茶褐色に樹皮化させる工程である。それには間断散水が行われる。また、中途において1度天地替えを行う。
特許文献1の場合であると、この工程に相当する日数は22〜28日である。室温は20〜24°Cであるが、本願実施形態の場合であると、24〜28°Cとして高めに設定するとともに、間断散水時間を長く14〜18時間/日(特許文献1の場合は2〜8時間/日)と長く取った。しかし、この高温・高湿条件下においても培地Paに腐敗を招く不都合もなく、菌糸の活性化を促進させることができた。その結果、19〜24日の短い熟成期間(特許文献の場合、22〜28日相当)となる。なお、特許文献1の場合も、一度天地替えを行う。
不具合のない製品として出荷するために検査する工程である。ここまでに至る熟成培養期間、つまり、熟成前期培養工程(16〜21日)と熟成後期培養工程(19〜24日)を合わせた期間35日〜45日を経た当日または翌日に行われる。
特許文献1の場合であると、(23〜25日)+(22〜28日)として熟成期間45〜53日経過時点で出荷検品がなされる。したがって、本実施形態によれば単純計算で8〜10日の熟成期間の短縮となる。
・本発明実施例:本発明工程で生産され、セルロース/リグニン比が1.8〜3.2以下の完熟型榾木
・従来実施例:従来工程で生産され、セルロース/リグニン比が3.3以上の完熟型榾木
Pa 培地
1 袋
2 植菌穴
3 被膜
Claims (2)
- 材料を水で練り固めたブロック状の培地に、種菌の増殖により表面が白色ないし霜降り状の被膜で覆われるまで全体的に菌糸を蔓延させる初期培養工程に続いて、適度の温度条件の環境下において裸の培地に間断に散水を施して菌糸の増殖をさらに促進することにより椎茸の発芽手前の状態にまで管理する熟成培養工程を設けた椎茸の熟成人工榾木の製造方法において、その熟成培養工程を、被膜が白色ないし霜降り状から黄土色に変化するまで管理する熟成前期培養工程と、黄土色から茶褐色に変化するまで管理する熟成後期培養工程とに分け、その両工程の間に、洗浄水の吹きつけにより被膜を洗う中間洗浄工程を設け、且つ、培地のセルロース/リグニンの比率を1.8〜3.2に設定することを特徴とする椎茸の熟成人工榾木の製造方法。
- オガ粉に栄養素を加え、水で練り固めレトルト容器に充填しブロック状にし殺菌処理を施した培地に種菌を接種した後、温度管理を施し菌を増殖させ表面が霜降り状ないし白色に変化した後にレトルト容器から取り出すまでの初期(熟成前期)培養工程に続いて、表面に膜を形成させる皮膜工程と、さらに散水、温度管理を施し表面を黄土色から茶褐色に樹皮化させる熟成(後期)培養工程を設けた椎茸の熟成人工榾木の製造方法において、初期培養工程に生産工数削減と規則正しい日数及び温度管理を実施すべく自動倉庫システムを併用し、レトルトから取り出す際に洗浄工程を設け、また皮膜工程においても皮膜化を促進させるため最上段に空コンテナを配置して適切な水分補給と温度摂取を可能にさせ、皮膜した後に、再度、検品洗浄工程を設け、さらに熟成を促進させるために状況に応じて数段階に温度及び散水量を変化させ、榾の表面を黄土色から茶褐色に樹皮化させる熟成後期培養工程に分け、熟成した培地のセルロース/リグニンの比率を1.8〜3.2に設定することを特徴とする椎茸の熟成人工榾木の製造方法。
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