JP2009163633A - 情報処理装置およびデータ通信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のデバイス5,6に対するトラフィックを異なる仮想チャネルに割り当て、高速シリアルスイッチファブリック2と一のデバイス6との間の物理層のリンクダウンが生じていると判断した場合、ジョブが欠落しないように、他のデバイス5へのジョブの出力配分を再配分する。これにより、複数のデバイス5,6に対するトラフィックを異なる仮想チャネルに割り当てることができるので、一方のデバイス6がエラーによりデータ転送が停止したとしても、高速シリアルスイッチファブリック2内部における通信経路におけるデッドロックを回避しているため、全体での生産性の低下を可能な限り減らすことができる。
【選択図】 図28
Description
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。以下では、PCI Expressの詳細について、[PCI Express規格の概要]〜[PCI Express のアーキテクチャの詳細]の欄で説明し、PCI Expressの技術を活用したAdvanced Switch Interconnectについて、[Advanced Switch Interconnectとは]〜[Advanced Switch Interconnect技術の特徴]の欄で説明し、本実施の形態の情報処理装置について、[情報処理装置の構成]〜[動作例]の欄で説明する。
まず、本実施の形態は高速シリアルバスの一つであるPCI Express(登録商標)を利用するものであり、本実施の形態の前提として当該PCI Express規格の概要について、非特許文献1の一部抜粋により説明する。ここに、高速シリアルバスとは、1本の伝送路を用いてシリアル(直列)伝送により高速(100Mbps程度以上)にデータをやり取りすることができるインタフェースを意味する。
A.ポート(Port)/レーン(Lane)/リンク(Link)
図4に物理層の構造を示す。ポートは、物理的には同一半導体内にあり、リンクを形成するトランスミッタ/レシーバの集合で、論理的にはコンポーネント・リンク間を1対1で接続(ポイント・ツー・ポイント)するインタフェースを意味する。転送レートは、例えば片方向2.5Gbpsとされている。レーンは、例えば0.8Vの差動信号ペアのセットで、送信側の信号ペア(2本)、受信側の信号ペア(2本)からなる。リンクは、2つのポートとその間を結ぶレーンの集まりであり、コンポーネント間のデュアルシンプレックス通信バスである。「xNリンク」はN本のレーンから構成され、現在の規格では、N=1,2,4,8,16,32が定義されている。図示例は、x4リンク例である。例えば、図5に示すように、デバイスA,B間を結ぶこのレーン幅Nを可変することにより、スケーラブルなバンド幅を構成することが可能となる。
ルートコンプレックス112は、I/O構造の最上位に位置し、CPUやメモリサブシステムをI/Oに接続する。ブロック図などでは、図3に示すように、「メモリハブ」と記述されることが多い。ルートコンプレックス112(又は、124)は、1つ以上のPCI Expressポート(ルートポート)(図2中では、ルートコンプレックス112中の四角で示す)を持ち、各々のポートは独立したI/O階層ドメインを形成する。I/O階層ドメインは、単純なエンドポイントである場合(例えば、図2中のエンドポイント115a側の例)や、多数のスイッチやエンドポイントから形成される場合(例えば、図2中のエンドポイント115bやスイッチ117b,115c側の例)がある。
エンドポイント115は、タイプ00hのコンフィグレーション空間ヘッダを持つデバイス(具体的には、ブリッジ以外のデバイス)で、レガシーエンドポイントとPCI Expressエンドポイントとに分けられる。両者の大きな違いは、PCI ExpressエンドポイントはBAR(ベースアドレスレジスタ)でI/Oリソースを要求せず、このためI/Oリクエストを要求しない。また、PCI Expressエンドポイントは、ロックリクエストもサポートしていない。
スイッチ117(又は、134)は、2つ以上のポートを結合し、ポート間でのパケットルーティングを行う。コンフィグレーションソフトウェアからは、当該スイッチは、図6に示すように、仮想PCI-PCIブリッジ141の集合体として認識される。図中、両矢印はPCI Expressリンク114(又は、126)を示し、142a〜142dはポートを示す。このうち、ポート142aはルートコンプレックスに近い方のアップストリームポートであり、ポート142b〜142dはルートコンプレックスから遠い方のダウンストリームポートである。
PCI ExpressからPCI/PCI-Xへの接続を提供する。これにより、既存のPCI/PCI-XデバイスをPCI Expressシステム上で使用することができる。
従来のPCIのアーキテクチャは、図7−1に示すように、プロトコルとシグナリングが密接に関連する構造であり階層という考え方はなかったが、PCI Expressでは、図7−2に示すように、一般的な通信プロトコルやInfiniBandのように、独立した階層構造とされ、各層に分けて仕様が定義されている。即ち、最上位のソフトウェア151、最下位の機構(メカニカル)部152間に、トランザクション層153、データリンク層154、物理層155を持つ構造とされている。これにより、各層のモジュール性が確保され、スケーラビリティを持たせることやモジュールの再利用が可能となる。例えば、新たな信号コーディング方式や伝送媒体を採用する場合、物理層を変更するだけでデータリンク層やトランザクション層は変更せずに対応できる。
トランザクション層153は、最上位に位置し、トランザクションレイヤパケット(TLP)の組み立て、分解機能を持つ。トランザクションレイヤパケット(TLP)は、リード/ライト、各種イベントといったトランザクションの伝達に用いられる。また、トランザクション層153は、トランザクションレイヤパケット(TLP)のためのクレジットを用いたフロー制御を行う。各層153〜155におけるトランザクションレイヤパケット(TLP)の概要を図9に示す(詳細は、後述する)。
データリンク層154の主な役割は、エラー検出/訂正(再送)によりトランザクションレイヤパケット(TLP)のデータ完全性を保証することと、リンク管理である。データリンク層154間では、リンク管理やフロー制御のためのパケットのやり取りを行う。このパケットは、トランザクションレイヤパケット(TLP)と区別するために、データリンクレイヤパケット(DLLP)と呼ばれる。
物理層155は、ドライバ、入力バッファ、パラレル−シリアル/シリアル−パラレル変換器、PLL、インピーダンス整合回路といったインタフェース動作に必要な回路を含んでいる。また、論理的な機能としてインタフェースの初期化・保守の機能を持つ。物理層155は、データリンク層154/トランザクション層153を実際のリンクで使用される信号技術から独立させる役目も持っている。
PCI Expressは、従来のPCIと同様にコンフィグレーション空間を持つが、その大きさは従来のPCIが256バイトであるのに対して、図10に示すように、4096バイトへと拡張されている。これにより、多数のデバイス固有レジスタセットを必要とするデバイス(ホストブリッジなど)に対しても、将来的に十分な空間が確保されている。PCI Expressでは、コンフィグレーション空間へのアクセスは、フラットなメモリ空間へのアクセス(コンフィグレーションリード/ライト)で行われ、バス/デバイス/機能/レジスタ番号はメモリアドレスにマップされている。
PCI Express のアーキテクチャの中心となっているトランザクション層153、データリンク層154、物理層155について、各々詳細に説明する。
トランザクション層153の主な役割は、前述したように、上位のソフトウェア層151と下位のデータリンク層154との間でトランザクションレイヤパケット(TLP)の組み立てと分解を行うことである。
PCI Expressでは、従来のPCIでサポートされていたメモリ空間(メモリ空間とのデータ転送用)、I/O空間(I/O空間とのデータ転送用)、コンフィグレーション空間(デバイスのコンフィグレーションとセットアップ用)に加えて、メッセージ空間(PCI Expressデバイス間のインバンドでのイベント通知や一般的なメッセージ送信(交換)用…割り込み要求や確認は、メッセージを「仮想ワイヤ」として使用することにより伝達される)が追加され、4つのアドレス空間が定義されている。各々の空間に対してトランザクションタイプが定義されている(メモリ空間、I/O空間、コンフィグレーション空間は、リード/ライト、メッセージ空間は基本(ベンダ定義含む))。
PCI Expressは、パケット単位で通信を行う。図9に示したトランザクションレイヤパケット(TLP)のフォーマットにおいて、ヘッダのヘッダ長は3DW(DWはダブルワードの略;合計12バイト)又は4DW(16バイト)で、トランザクションレイヤパケット(TLP)のフォーマット(ヘッダ長とペイロードの有無)、トランザクションタイプ、トラフィッククラス(TC)、アトリビュートやペイロード長などの情報が含まれる。パケット内の最大ペイロード長は1024DW(4096バイト)である。
上位のソフトウェアは、トラフィッククラス(TC)を使用することによりトラフィックの差別化(優先度をつける)を行うことができる。例えば、映像データをネットワークのデータよりも優先して転送する、といったことが可能となる。トラフィッククラス(TC)はTC0からTC7まで8つある。
受信バッファのオーバーフローを避け、伝送順序を確立するためにフロー制御(FC:Flow Control)が行われる。フロー制御は、リンク間のポイントツーポイントで行われ、エンドツーエンドではない。従って、フロー制御により最終的な相手(コンプリータ)にパケットが届いたことを確認することはできない。
データリンク層154の主な役割は、前述したように、リンク上の2つのコンポーネント間での信頼性の高いトランザクションレイヤパケット(TLP)交換機能を提供することである。
トランザクション層153から受け取ったトランザクションレイヤパケット(TLP)に対しては、先頭に2バイトのシーケンス番号、末尾に4バイトのリンクCRC(LCRC)を付加して、物理層155に渡す(図9参照)。トランザクションレイヤパケット(TLP)は、リトライバッファに保管され、相手から受信確認(ACK)が届くまで再送される。トランザクションレイヤパケット(TLP)の送信に失敗が続いた場合は、リンク異常であると判断して物理層155に対してリンクの再トレーニングを要求する。リンクのトレーニングが失敗した場合、データリンク層154の状態はインアクティブに遷移する。
トランザクションレイヤパケット(TLP)は、物理層から送信されるときに自動的に図12に示すようなデータリンクレイヤパケット(DLLP)に分割されて各レーンに送信される。データリンク層154が生成するパケットは、データリンクレイヤパケット(DLLP)と呼ばれ、データリンク層154間でやり取りされる。データリンクレイヤパケット(DLLP)には、
・Ack/Nak:TLPの受信確認、リトライ(再送)
・InitFC1/InitFC2/UpdateFC:フロー制御の初期化とアップデート
・電源管理のためのDLLP
なる種類がある。
図8中に示す物理層155の論理サブブロック156での主な役割は、データリンク層154から受け取ったパケットを電気サブブロック157で送信できる形式に変換することである。また、物理層155を制御/管理する機能も有する。
PCI Expressは、連続した“0”や“1”が続かないように(長い期間、クロス・ポイントが存在しない状態が続かないようにするため)、データ符号化に8B/10B変換を用いる。変換されたデータは、図13中に示すように、シリアル変換され、LSBからレーン上に送信される。ここに、レーンが複数ある場合は(図13はx4リンクの場合を例示している)、符号化の前にデータがバイト単位で各レーンに割り振られる。この場合、一見パラレル・バスのようにみえるが、レーン毎に独立した転送を行うので、パラレル・バスで問題となるスキューが大幅に緩和される。
リンクの消費電力を低く抑えるために、図14に示すように、L0/L0s/L1/L2というリンクステートが定義されている。
物理層155の電気サブブロック157での主な役割は、論理サブブロック156でシリアル化されたデータをレーン上に送信することと、レーン上のデータを受信して論理サブブロック156に渡すことである。
リンクの送信側では、ACカップリング用のコンデンサが実装される。これにより、送信側と受信側のDCコモンモード電圧が同一である必要がなくなる。このため、送信側と受信側で異なる設計、半導体プロセス、電源電圧を使用することが可能となる。
PCI Expressでは、前述したように、8B/10Bエンコーディングによってできるだけ連続した“0”や“1”が続かないように処理されるが、連続した“0”や“1”が続くこともある(最大5回)。この場合、送信側はデエンファシス転送を行わなければならないことが規定されている。同一極性のビットが連続する場合は、2つ目のビットからは差動電圧レベル(振幅)を3.5±0.5dB落とすことで、受信側で受け取る信号のノイズ・マージンを稼ぐ必要がある。これを、デエンファシスという。伝送路の周波数依存性減衰のため、変化するビットの場合は高周波成分が多く、減衰により受信側の波形が小さくなるが、変化しないビットの場合は高周波成分が少なく、相対的に受信側の波形が大きくなる。このため、受信側での波形を一定とするためにデエンファシスを行う。
次に、本実施の形態は上述したPCI Expressの技術を活用したAdvanced Switch Interconnectを利用するものであり、本実施の形態の前提として当該Advanced Switch Interconnectの概要について説明する。
次に、Advanced Switch Interconnect技術の概要について説明する。
ASI(Advanced Switching Interconnect)はPCI Expressの特徴である、高速性、バンド幅のスケーラビリティ、階層構造による物理層の拡張性、データの信頼性等に加えて、以下に示すようなASI(Advanced Switching Interconnect)独自の特徴がある。
・動画等のunreliable(lossy)パケット伝送への対応
・マルチキャスト、ブロードキャストパケットへの対応
・カプセル化によるマルチプロトコル伝送
・高速な独自のパスルーティング方式の採用
・輻輳管理機能のサポート
・ファブリック構造への対応
BVC(Bypass Capable Unicast) : VC Ids 0−7
OVC(Ordered-Only Unicast) : VC Ids 8−15
MVC(Multicast) : VC Ids 16−19
図25は、本発明の第1の実施の形態の情報処理装置1の構成例を示す概略ブロック図である。本実施の形態にかかる情報処理装置1は、例えばMFP(Multi Function Peripheral)等の機器に適用されるもので、高速シリアルスイッチファブリックであるASI(Advanced Switching Interconnect)2を介して各種のエンドポイントデバイスやスイッチ出力ポート(以下、デバイスという)をそれぞれ接続している。ここでは、ASI2に接続される各種のデバイスとして、システムコントローラ3、画像入力デバイスであるスキャナ4、画像出力デバイスである第1のプロッタ5および第2のプロッタ6、記憶デバイスである画像メモリ7、画像処理ユニット8、外部I/O9、オペレーションパネル10を接続している。
次に、本発明の第2の実施の形態を図29および図30に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
2 高速シリアルスイッチファブリック
5,6 デバイス
Claims (8)
- トラフィックの差別化を行うことができるトラフィッククラスを仮想チャネルに対してマッピング可能な高速シリアルスイッチファブリックを介して複数のデバイスを接続した情報処理装置において、
前記複数のデバイスに対するトラフィックを異なる前記仮想チャネルに割り当てる仮想チャネル割当手段と、
前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクダウンが生じたか否かを判断する第1判断手段と、
前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクダウンが生じていると判断した場合、ジョブが欠落しないように、他の前記デバイスへのジョブの出力配分を再配分する第1再配分手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記第1再配分手段は、一の前記デバイスに割り当てられていたジョブを、他の前記デバイスに対して投入する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。 - 前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクが正常復帰したか否かを判断する第2判断手段と、
前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクが正常復帰したと判断した場合、他の前記デバイスへのジョブの出力配分を再配分する第2再配分手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。 - 前記第2再配分手段は、他の前記デバイス用に残存しているジョブの半分を、リンクが正常復帰した一の前記デバイスに割り当て、一の前記デバイスと他の前記デバイスに対して投入する、
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。 - トラフィックの差別化を行うことができるトラフィッククラスを仮想チャネルに対してマッピング可能な高速シリアルスイッチファブリックを介して複数のデバイスを接続した情報処理装置で実行されるデータ通信方法であって、
前記情報処理装置は、制御部を備え、
前記制御部において実行される、
仮想チャネル割当手段が、前記複数のデバイスに対するトラフィックを異なる前記仮想チャネルに割り当てるステップと、
第1判断手段が、前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクダウンが生じたか否かを判断するステップと、
第1再配分手段が、前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクダウンが生じていると判断した場合、ジョブが欠落しないように、他の前記デバイスへのジョブの出力配分を再配分するステップと、
を含むことを特徴とするデータ通信方法。 - 前記第1再配分手段は、一の前記デバイスに割り当てられていたジョブを、他の前記デバイスに対して投入する、
ことを特徴とする請求項5記載のデータ通信方法。 - 前記制御部において実行される、
第2判断手段が、前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクが正常復帰したか否かを判断するステップと、
第2再配分手段が、前記高速シリアルスイッチファブリックと一の前記デバイスとの間の物理層のリンクが正常復帰したと判断した場合、他の前記デバイスへのジョブの出力配分を再配分するステップと、
を含むことを特徴とする請求項5または6記載のデータ通信方法。 - 前記第2再配分手段は、他の前記デバイス用に残存しているジョブの半分を、リンクが正常復帰した一の前記デバイスに割り当て、一の前記デバイスと他の前記デバイスに対して投入する、
ことを特徴とする請求項7記載のデータ通信方法。
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