JP2009161794A - リチウムを回収する方法、および該方法を用いたリチウム回収装置 - Google Patents

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迫口明浩
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Abstract

【課題】海水中或いは地熱熱水から、リチウムに対する選択吸着性に優れるとともに吸着速度が高くかつ吸着量の大きく、化学的に安定であり吸着・脱着の繰り返しが可能な吸着剤を用いて少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含む水溶液からリチウムのみを効率良く回収する方法を提供すること。
【解決手段】β−ジケトン、中性有機リン化合物および環状構造を有するビニルモノマーを原料として製造される吸着剤と、少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含有する水溶液とを、水溶液のpHが7以上において接触させて該吸着剤に水溶液中の金属成分を吸着させ、しかる後にpH4±1.5の水と接触させてリチウムを脱着させることからなるリチウムを回収する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム含有水溶液、特にかん水または海水、または廃リチウム電池材料等からのリチウムを回収する方法、および該方法を用いたリチウム回収装置に関するものである。
(リチウムの重要性)
リチウムイオン電池は、動作電圧が高く、サイクル寿命が長い等の長所があり、ノート型パソコン、携帯電話、電気自動車等において広く使用されており、リチウムに対する需要は年々増加している。リチウムは、また、核融合炉のブランケット材料としての利用も期待されている。
現在リチウムは、主にリチウム鉱石、塩湖かん水から抽出されている。リチウム鉱石の埋蔵量は940万トン、そのうち経済的に産出が可能な埋蔵量は370万トンであるとされている。しかし、わが国にはリチウム鉱石も塩湖もないため、資源の確保が望まれている。海水中には170ppb存在しているので、この海水中に低濃度に存在するリチウムを回収する方法の確立が求められている。
また、最近では、地球資源の有効利用の観点からリチウムイオン二次電池等のリチウム含有製品製造上、あるいは使用済み廃棄により発生する産業廃棄物、あるいはリチウム関連工業における炭酸リチウム晶析残液やリン酸リチウム晶析残液、あるいはガラス製造工業におけるリチウム含有排水などから、リチウムを分離、回収する検討が始まっている。
海水等に溶存している低濃度のリチウムを含有する水溶液からリチウムを回収する方法としては、共沈法、溶媒抽出法、クロマトグラフ法、生物濃縮法など様々な方法が考えられるが、工業的に可能性がある方法は、吸着法のみである。このリチウム回収のために用いられる吸着剤としては、無機系吸着剤、および有機系吸着剤が知られている。無機系吸着剤としては、特許文献1に記載されているようなアルミナ−シリカ系吸着剤、あるいは特許文献2や特許文献3に記載されているようなマンガン酸化物系吸着剤が知られており、有機系吸着剤としては、フッ素含有β−ジケトンと中性有機リン化合物であるトリオクチルホスフィンオキシドとを含む素材からなる吸着剤が知られている(非特許文献1)。
特開2001−224957公報 特開2003−245542公報 特開2004−142986公報 「日本イオン交換学会誌」14巻、第2−7ページ(2003年)
吸着法によって海水中のリチウムを採取する場合、海水中でリチウムより高濃度で共存する他のイオン、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等からリチウムのみを選択的に回収することが必要になる。しかしこれまでに公知のリチウムを分離回収するための吸着分離方法では、ナトリウムは一応分離出来ても、他の金属、例えば、マグネシウム、カルシウムを分離し、リチウムのみを選択的に回収するには十分ではなかった。
このように、従来の吸着分離法によるリチウムの分離、回収方法は、技術的及び経済的にも十分に満足できるものではなかったため、リチウムと他の金属が溶存している水溶液から、簡単な操作で効率よくリチウムのみを選択的に吸着分離しうる方法が要望されていた。
本発明は、海水中或いは地熱熱水から、リチウムに対する選択的吸着特性に優れるとともに吸着速度が高くかつ吸着量の大きく、化学的に安定であり吸着・脱着の繰り返しが可能な吸着剤を用いて少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含む水溶液からリチウムのみを効率良く回収する方法を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、リチウム含有産業廃棄物からリチウムのみを効率良く回収する方法を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含む水溶液からリチウムのみを効率良く回収する装置を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、リチウム含有産業廃棄物からリチウムのみを効率良く回収する装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させてリチウム錯体を形成させ、その後、環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させて固体ポリマーを得、ついで該固体ポリマーを酸性リチウム回収液で洗浄して固体ポリマー中に含まれるリチウムを除去することにより製造される吸着剤と、少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含有する水溶液とを、水溶液のpHが7以上において接触させて該吸着剤に水溶液中の金属成分を吸着させ、しかる後にpH4±1.5の水と接触させてリチウムを脱着させることを特徴とするリチウムを回収する方法である。
β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させる方法は、β−ジケトン、中性有機リン化合物および環状構造を有するビニルモノマーの混合物とリチウムイオンを含む水溶液とを混合後、撹拌して油中水型(W/O)のエマルジョンを形成させる方法であることが好ましい。
β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させる方法は、β−ジケトン、中性有機リン化合物および環状構造を有するビニルモノマーの混合物とリチウムイオンを含む水溶液とを混合後、撹拌して油中水型(W/O)のエマルジョンを製造し、ついでリチウムイオンを含む水溶液を加えて相転移させてW/O/W型のエマルジョンを形成させる方法であることが好ましい。
環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させて固体ポリマーを得る方法は、β−ジケトン、中性有機リン化合物および環状構造を有するビニルモノマーの混合物中にラジカル重合開始剤を添加しておき、錯体形成後、加熱してラジカル重合開始剤を分解することにより環状構造を有するビニルモノマーを重合させて固体ポリマーを得る方法であることが好ましい。
β−ジケトンは、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,5−ヘキサデカンジオンであることが好ましい。
中性有機リン化合物は、トリオクチルホスフィンオキシドであることが好ましい。
環状構造を有するビニルモノマーは、ジビニルベンゼンであることが好ましい。
リチウム、ナトリウム及びカルシウムを含有する水溶液は、海水、または、かん水であることが好ましい。
本発明は、他の面からみれば、
(1)β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させてリチウム錯体を形成させ、その後、環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させて固体ポリマーを得、ついで該固体ポリマーを酸性洗浄液で洗浄して固体ポリマー中に含まれるリチウムを除去することにより製造される吸着剤1、
(2)吸着剤1を収容する吸着処理容器2、
(3)少なくともリチウム、ナトリウム、カルシウムを含む水溶液を貯蔵し、吸着処理容器2に供給するための、水溶液供給槽7
(4)吸着処理容器2において、水溶液を吸着剤1で吸着処理した処理液を回収するための回収槽11、
(5)pH4±1.5に調整したリチウム回収液を貯蔵し、吸着処理容器2に供給するためのリチウム回収液供給槽12、
(6)吸着処理容器2中の吸着剤1をリチウム回収液で脱着処理した後の処理液を回収するためのリチウム回収液回収槽23、
(7)pH2以下の洗浄液を貯蔵し、吸着処理容器2に供給するための洗浄液供給槽15、
(8)吸着処理容器2中の吸着剤1を、洗浄処理した後の洗浄処理液を回収するための洗浄液回収槽26
を含むリチウム回収装置である。
吸着処理容器2は、カラムであることが好ましい。
本発明はまた、上記リチウム回収装置を用いて、少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含有する水溶液からリチウムを選択的にかつ連続的に回収する方法である。
本発明のリチウムを回収する方法によれば、リチウムのみを選択的に吸着分離できるため、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの共存元素が大量に含まれる溶液からでもリチウムを効率よく回収することができる。また、吸着速度や脱着速度が極めて大きいため、海水等からリチウムを効率よく経済的に回収することができる。更に、本発明方法によると、リチウムを含む水溶液、例えば炭酸リチウム晶析残液、リン酸リチウム晶析残液、使用ずみのリチウム電池からの回収リチウム溶液など、リチウム関連工業における種々のリチウム含有水溶液、あるいはガラス製造工業におけるリチウム含有排水から、高純度のリチウムを効率よく経済的有利に分離・回収することができる。
本発明では、水溶液中に溶存しているリチウムを他の金属から吸着分離するために、β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物において、環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させた固体ポリマー系吸着剤を用いる。
(原料/β−ジケトン)
本発明で吸着剤の原料として用いることのできるβ−ジケトンとは、下記式(1)で示される構造式を有する化合物である。下記式(1)において、R、Rは炭素数が1から20、好ましくは3から16、特に5から14の同一、または異なってもよい直鎖状、分岐状、脂環状、あるいは芳香族環状の炭化水素からなる化合物で、例えば、直鎖状としては、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニル、ウンデカニル、ドデカニル、ラウリル、パルミチル、ステアリル等を挙げることが出来る。
Figure 2009161794
また、置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキル基が挙げられ、より具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルケニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいシクロアルケニル基としては、前記したシクロアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14の単環、多環又は縮合環式の芳香族炭化水素基が挙げられ、より具体的には、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
置換基の電気陰性度を高めるため、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン等を該置換基に導入することができる。これらの中では、電気陰性度が最も高いフッ素が好ましい。
これらの炭化水素基の中では、RかRの一方がアリール基またはペルフルオロアルキル基であり、もう一方が直鎖状アルキル基である化合物が好ましく、具体的には、1−フェニル−1,3−テトラデカンジオン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,5−ヘキサデカンジオンが好ましく、中でも1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,5−ヘキサデカンジオンが最も好ましい。
(ホスフィンオキシド)
本発明で吸着剤の1成分として用いることのできる中性有機リン化合物としては、下記式(2)により示されるトリアルキルホスフィンオキシド、または、下記式(3)で示されるリン酸トリアルキルエステルを挙げることができる。
Figure 2009161794
[式中、R、R、Rは独立して置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、またはアリール基である]
Figure 2009161794
[式中、R、R、Rは独立して置換基を有してもよいアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルケニル基、またはアリール基である]
上記式(2)、および式(3)において、置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、炭素数が1〜20、好ましくは3〜12、より好ましくは6〜10の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、デカニル基などが挙げられる。
また、置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキル基が挙げられ、より具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルケニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいシクロアルケニル基としては、前記したシクロアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の三重結合を有するものが挙げられ、より具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14の単環、多環又は縮合環式の芳香族炭化水素基が挙げられ、より具体的には、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキル基としては、例えば、炭素数7〜30、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜15の単環、多環又は縮合環式のアラルキル基が挙げられ、より具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
これらの中では、炭素数が8程度のアルキル基が疎水性と親水性とのバランスがとれているため好ましい。トリアルキルホスフィンオキシドの具体的な化合物としては、トリオクチルホスフィンオキシドが、トリアルキルリン酸エステルの具体的な化合物としては、トリス−2−エチルヘキシルリン酸エステルが好ましく、中でもトリオクチルホスフィンオキシドが、錯体としての効果が高く最も好ましい。
本発明で用いる吸着剤では、β−ジケトンと中性有機リン化合物は1対でリチウムに対する錯体を形成するため、その配合割合(モル比)は、1:2〜2:1、特に1.5:1〜1:1.5の範囲とすることが好ましい。
(環状構造を有するビニルモノマー)
本発明において吸着剤用原料として用いることのできる環状構造を有するビニルモノマーとしては、置換基を有していてもよいシクロアルキル基を有する脂環族炭化水素系ビニルモノマー、あるいは置換基を有していてもよいアリール基を有する芳香族炭化水素系ビニルモノマーを挙げることができる。
置換基を有していてもよいシクロアルキル基としては、例えば、炭素数3〜30、好ましくは3〜20、より好ましくは3〜10の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキル基が挙げられ、より具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデカニル基、ジシクロペンタジエニル基、エチリデンノルボルニル基等を挙げることができる。
脂環族炭化水素系ビニルモノマーとしては、具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等を挙げることができる。
芳香族炭化水素系ビニルモノマーとしては、具体的には、スチレン、ジビニルベンゼン、α‐メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン、ビニルキシレン、ジビニルキシレン、p‐メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジビニルナフタレン等を挙げることができる。これらの中では剛性が高い点でジビニルベンゼンが最も好ましい。
(ラジカル重合開始剤)
本発明では吸着剤を製造するには、β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーの混合物中の環状構造を有するビニルモノマーを、ラジカル重合させて、固体ポリマーを形成する。環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させるためには、好ましくはβ−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーの混合物に予めラジカル重合開始剤を配合し、ラジカル重合を開始することが好ましい。
このような固体ポリマーを形成することのできるラジカル重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロペルオキシド、p−メンタンハイドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロペルオキシド、t−ヘキシルハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、α、α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、桂皮酸ペルオキシド、m−トルオイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、α、α’−ビス(ネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチ−ルエチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、t−ブチルペルオキシマレイックアシッド、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、t−ブチルペルオキシアリルモノカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のペルオキシエステル、ジアルキルペルオキシド、アルキルヒドロペルオキシド、パーサルフェート、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリルおよび2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)等のアゾ系開始剤等を挙げることができる。
これらの中では、ジベンゾイルペルオキシド等のアルキルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド等のアルキルヒドロペルオキシド、およびアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤が好ましい。使用されるラジカル重合開始剤の量は、通常モノマー全重量の0.05〜10重量%である。
(有機溶媒)
また、本発明の方法においては、本発明で用いる吸着剤を製造する工程で、β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーの混合を容易にするために、該混合物に更に有機溶媒を配合することが好ましい。このような目的で使用しうる有機溶媒としては、β−ジケトン、中性有機リン化合物および環状構造を有するビニルモノマーとを溶解し、かつ水と非混和性のものであれば特に限定されず、例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、トルエン、キシレン、ケロシン等を挙げることができる。これらの中では、トルエンが最も好ましい。
(鋳型ゲスト)
本発明で用いる吸着剤は、β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させてリチウム錯体を形成させた後に、固体化し、次いで酸性水で処理することにより吸着剤表面からリチウムイオンを脱着させて製造したものである。このように錯体を形成した後に脱着させる、いわゆる鋳型ゲストとして使用するリチウムイオンを含む化合物としては、例えば、炭酸リチウム、リン酸リチウム、硫酸リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム等を挙げることができる。これらの中では、塩化リチウムが好ましい。このような鋳型ゲスト用リチウム化合物は予め水相に添加してイオン化しておくことが好ましい。
本発明で用いる吸着剤は、β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させて錯体を形成するが、このリチウムイオンを含む水溶液を接触させて錯体を形成する方法としては、具体的には、β−ジケトン、中性有機リン化合物及び環状構造を有するビニルモノマーの混合物と、リチウムイオンを含む水溶液とを混合後、撹拌して油中水型(W/O)のエマルジョンを形成させる方法が好ましい。
(親油性界面活性剤)
このW/O型エマルジョンを安定して調製するためには、油中に親油性界面活性剤を存在させる。このような目的で用いられる親油性の界面活性剤としては、例えば、グリフィン式のHLBをもとに、値が7以下の親油性界面活性剤で、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセロールモノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル類、グルタミン酸オレイルアルコールエステル等のグルタミン酸高級アルコールエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエーテル変性シリコーン活性剤、ポリグリセリン変性シリコーン活性剤等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
親油性界面活性剤は、油相に配合し、その配合量は、組成物全量に対して0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%である。
(W/O型エマルジョンの調製)
W/O型エマルジョンの調製は、常法に従って行うことができる。まず、β−ジケトン、中性有機リン化合物、環状構造を有するビニルモノマー、好ましくは溶剤、好ましくはラジカル重合開始剤、および親油性界面活性剤を十分に撹拌混合後、その中に少量のリチウムイオンを含む水を添加し、ホモジナイザーで撹拌混合することにより調製することができる。
W/O/W型エマルジョンを製造する際の内水相量は、通常、組成物全量に対して、0.01〜45重量%、好ましくは0.1〜40重量%、さらに好ましくは0.5〜30重量%の範囲である。
β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物にリチウムイオンを含む水溶液を接触させる方法としては、上記油中水型(W/O)のエマルジョンを製造し、更に油中水型(W/O)のエマルジョンを、第2のリチウムイオンを含む水溶液と混合して相転移させてW/O/W型のエマルジョンを形成させて製造したものであることが好ましい。
(親水性界面活性剤)
このようなW/O/W型エマルジョンを形成するための第2のリチウムイオンを含む水溶液、すなわち外水相には、エマルジョンの粒子径を小さくし、安定性を増すために、好ましくは水に親水性界面活性剤を配合する。この外水相に配合する親水性界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤から適宜選択することができる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・プロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
アニオン界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルリン酸エステル塩、モノアルキルスルホコハク酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル酢酸エステル塩、脂肪酸石鹸、ポリオキシエチレンアルキルモノエタノールアミド硫酸エステル塩等を挙げることができる。
カチオン性界面活性剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタイン等を挙げることができる。
上記した親水性界面活性剤の中では、安価でアニオン系界面活性剤、中でもアルキル硫酸エステル、中でもドデシルベンゼン硫酸ナトリウムが最も好ましい。
(W/O/W型エマルジョンの調製)
W/O/W型エマルジョンは、例えば、W/O型エマルジョンと、親水性界面活性剤を含有する水とを、ホモジナイザーに投入し、高速撹拌して微細化させる等の方法により調製することができる。
上記方法によりW/O/W型エマルジョンから調製される吸着剤の粒子径は、通常1〜500μm、好ましくは10〜100μmである。
(担体)
本発明で用いる有機系吸着剤は、上記のようにW/O/W型のエマルジョンから製造した球状の吸着剤を用いることもできるが、O/W型のエマルジョンあるいはW/O/W型のエマルジョンを製造した後、該混合物を担体と混合、担体に被覆、または含浸させることにより、担体の表面に固体ポリマー吸着剤が存在する芯鞘構造を有する吸着剤としてもよい。このような目的で使用される担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム等を挙げることができる。これらの中では、安価で耐酸性のあるアルミナが好ましい。
本発明で用いる吸着剤は、β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に上記方法でリチウムイオンを含む水溶液を接触させてリチウム錯体を形成させた後に該混合物を加熱して、ラジカル重合開始剤を分解させて環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させ、混合物を固体化し、固体ポリマーを製造する。
(リチウムの除去)
本発明で用いる吸着剤では、上記方法で得られた固体ポリマーを、酸性洗浄液で洗浄して固体ポリマー中に含まれるリチウム除去する。この目的で使用される酸性洗浄液としては、例えば、塩酸、過塩素酸、硝酸、硫酸等の水溶液を挙げることができる。かくして、本発明のリチウムの回収方法で用いる吸着剤を得ることができる。
(Li水溶液)
本発明において、リチウムを回収するため対象とするリチウム含有水溶液は、リチウムを含むものであればよく特に限定されないが、具体的には、海水、かん水、または廃リチウム電池材料を処理する際発生するリチウム含有水溶液等であり、好ましくは海水、またはかん水、より好ましくはかん水である。なお、かん水は、海水から塩を製造するためのプロセスまたは海水からの純水製造プロセスから得られる。本発明の方法が対象とするリチウム含有水溶液は、他の吸着剤、例えば酸化マンガン系吸着剤等を用いてリチウムが濃縮された濃縮液であってもよい。本発明では、リチウム、ナトリウム以外の他の金属、例えば、カリウム、カルシウム及びマグネシウム等の多くのイオンが混在する水溶液(以下「多金属イオン含有水」という。)を好ましくは対象とする。
(吸着方法)
本発明のリチウムを回収する方法において、多金属イオン含有水からリチウムを回収するには、まず多金属イオン含有水を上記説明した方法で調製した吸着剤に接触させる。具体的には、吸着剤が充填されたカラムに多金属イオン含有水を導入し、リチウム等の金属を吸着剤に吸着させる。この際、本発明の方法で用いる吸着剤はナトリウムとカリウムはほとんど吸着しない。従って、多金属イオン含有水を本発明の方法で用いる吸着剤が充填されたカラムに導入した場合、リチウム、カルシウム、マグネシウムは吸着されるが、ナトリウムとカリウムは吸着されることなく流下する。このため、吸着操作において、リチウム、カルシウム、マグネシウムとナトリウム、カリウムとを分離することができる。
多金属イオン含有水は、この接触処理の前に、予めpHを7以上、より好ましくは9〜11に調整させておくことが必要である。多金属イオン含有水のpH値は、アルカリ化合物の多金属イオン含有水への配合量を変更することにより調節することがきる。
このような目的で使用されるアルカリ化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、アンモニア、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、ほう酸ナトリウム、ほう酸カリウムなどが挙げられる。これらのうち、特に好ましくはリン酸カリウム、リン酸ナトリウム、ほう酸ナトリウム、ほう酸カリウム等の弱アルカリ化合物である。
(脱着操作)
本発明の方法においては、上記したようにして多金属イオン含有水が導入されてリチウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンを吸着した吸着剤を、pH4±1.5、好ましくは、pH4±1.0、特に好ましくは、pH4±0.5に調整された水溶液でリチウム脱着処理する。
この操作により、リチウムのみが吸着剤から脱着し、カルシウムイオンとマグネシウムイオンは吸着剤に吸着されたまま脱着しない。このことによりリチウムイオンのみを選択的に回収することができる。このようなpH4±1.5に調整された水溶液は、例えば、リン酸とリン酸水素ナトリウム、酢酸と酢酸ナトリウム、蓚酸、クエン酸等の水への配合比を調整する公知の方法により調製することができる。
(カルシウム、マグネシウムの脱着)
本発明では、吸着剤はリチウムイオンの脱着を行った後に、さらにpHが2以下の酸性水と接触させ、洗浄されて、吸着剤により強く吸着されたカルシウムイオンとマグネシウムイオンを脱離させ、吸着剤から金属イオンを全て除去することが好ましい。このように金属イオンを全て脱着した吸着剤は再びリチウム含有水溶液からリチウムイオンを吸着し、選択的に回収するために使用することができる。この用途で使用される酸性水としては、例えば、塩酸、過塩素酸、硝酸、硫酸等を挙げることができる。
(リチウム回収装置)
本発明のリチウム回収装置について、図1に基づいて説明する。吸着処理容器2,2’には上記方法で製造した吸着剤1、1’が充填されている。吸着処理容器2,2’は好ましくは、リチウム含有液が均一に流下するように垂直、円筒状、すなわちカラム状であることが好ましい。また、充填剤に充填圧がかかりすぎないよう内部に棚段が設けられていてもよい。
吸着処理容器2,2’には、それぞれライン3,3‘が設けられており、多金属イオン含有水を、貯蔵、供給するタンク7からポンプ8によりバルブ5,5’を経由して吸着処理容器2,2’内に供給できるようになっている。
吸着処理容器2,2’の下流側にはライン4,4’、バルブ6,6’が設けられており、更にライン10を経て、多金属イオン含有水の処理済液を処理液回収槽11に回収できるようになっている。また、ライン4,4’は途中で分岐していて、リチウム回収液供給槽12からポンプ13により、pH4±1.5のリチウム回収液を、吸着処理容器2,2’に供給できるようライン14が設けられている。また、ライン4,4’は途中で更に分岐していて、洗浄液供給槽15からポンプ16により、pHが2以下の洗浄液を、吸着処理容器2,2’に供給できるようライン17が設けられている。ライン3,3’は途中で分岐していて、吸着処理容器2,2’からのpH4±1.5のリチウム回収済液をリチウム回収液回収槽23に回収できるようライン22が設けられている。また、ライン3,3’は途中で更に分岐していて、吸着処理容器2,2’からのpHが2以下の洗浄液を洗浄液回収槽26に回収できるようライン25が設けられている。
本発明の装置の一例である図1に例示した装置を用いて多金属イオン含有水からリチウムを回収する方法について説明する。予め、バルブ5を「開」、バルブ5’を「閉」、バルブ6を「開」、バルブ18を「開」、バルブ19を「閉」、バルブ20を「閉」、バルブ21を「閉」、バルブ24を「閉」としておく。まず多金属イオン含有水供給槽7からポンプ8を駆動させて吸着処理容器2に多金属イオン含有水を供給する。多金属イオン含有水に含有されている金属イオンのうち、ナトリウムイオン、およびカリウムイオンを除く金属イオンが吸着処理容器2に充填されている吸着剤1に吸着される。ナトリウムイオンおよびカリウムイオンを含んだ処理水は吸着処理容器2からライン4により排出され、ライン10を経て、処理液回収槽11に回収される。
ライン4に設けられたリチウムイオン濃度計により処理液中のリチウムイオンの濃度が増加する傾向が認められたら、ポンプ8を停止する。バルブ5を「閉」、バルブ18を「閉」、バルブ5’を「開」、バルブ6’を「開」、バルブ18’を「開」にし、更にバルブ19’、20’、21’、24’を「閉」にした後に、ポンプ8を再駆動させて吸着処理容器2’に多金属イオン含有水を供給する。一方、バルブ19を「開」、バルブ21を「開」にするとともに、ポンプ13を駆動させてリチウム回収液供給槽12から吸着処理容器2にpHが4±1.5のリチウム回収液を供給する。吸着剤1に吸着されている金属イオンのうち、リチウムイオンのみがリチウム回収液により吸着剤1から脱着される。リチウムイオンを含んだリチウム回収液は吸着処理容器2からライン3により排出され、ライン22を経て、リチウム回収液回収槽23に回収される。
ライン3に設けられたリチウムイオン濃度計により測定されたリチウム回収液中のリチウムイオンの濃度が低下する傾向が認められたら、ポンプ13を停止する。バルブ19を「閉」、バルブ21を「閉」、バルブ20を「開」、バルブ24を「開」にする。次にポンプ16を駆動させて洗浄液供給槽15から吸着処理容器2にpHが2以下の洗浄液を供給する。吸着剤に吸着されている金属イオンのうち、リチウムイオン以外のカルシウムやマグネシウム等の金属イオンが洗浄液により吸着剤1から脱着される。リチウムイオン以外の金属イオンを含んだ処理水は吸着処理容器2からライン3により排出され、ライン25を経て、処理液回収槽26に回収される。
ライン3に設けられたカルシウムイオンあるいは、マグネシウムイオン濃度計により測定されたリチウム、ナトリウム以外の金属の濃度が低下し、検出されなくなったらポンプ16を停止するとともにバルブ20を「閉」、バルブ24を「閉」にして洗浄工程を終了する。一方、吸着処理容器2’での吸着が飽和に達したら、ポンプ8を停止後、バルブ5’を「閉」、バルブ5を「開」、バルブ18’を「閉」、バルブ18を「開」にして、ポンプ8を再駆動させて再び吸着処理容器2に多金属イオン含有水を供給する。以下、前述の工程を繰り返す。
上記本発明の装置によれば、多金属イオン含有水からリチウムイオンのみを連続的に回収することができる。
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例になんら制約されるものではない。
(製造例1)
(使用原料)
β−ジケトン:1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,5−ヘキサデカンジオン(以下「FDK」という。)
中性有機リン化合物:トリオクチルホスフィンオキシド(以下、「TOPO」という。)
環状構造を有するビニルモノマー:ジビニルベンゼン(以下、「DVB」という。)
ラジカル重合開始剤:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN」という。)
親油性界面活性剤:L−グルタミン酸ジオレイルリビトール(以下、「CGE」という。)
親水性界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(以下、「SDS」という。)
有機溶媒:トルエン
(吸着剤の製造)
図2に示した工程で製造した。すなわち、FDK240mM、TOPO240mM、トルエン15mL、DVB15mL、CGE5mM、およびAIBN38mMを十分に混合、溶解させ有機溶液相を調整した。一方、30mLのイオン交換水に0.1Mのリン酸二水素カリウム、0.05Mの四ホウ酸ナトリウム・10水和物でpH9.0に調整した水に、鋳型ゲストとして塩化リチウム90mMを添加、溶解させて、内水相とした。
上記方法で得た有機溶液相と内水相をホモジナイザーに投入し、氷冷下で、24000rpmで5分間高速撹拌してW/O型のエマルジョンを製造した。
一方、250mLのイオン交換水に、15mMのSDS、0.1Mのリン酸二水素カリウム、0.05Mの四ホウ酸ナトリウム・10水和物を添加してpH9.0に調整した水に、鋳型ゲストとして塩化リチウム180mMを添加、溶解させて、外水相とした。
上記方法で得たホモジナイザー中のW/O型のエマルジョンに外水相を加え、氷冷下で、24000rpmで10分間高速撹拌してW/O/W型のエマルジョンを製造した。
このW/O/W型エマルジョンを恒温槽で60度に加熱し、窒素雰囲気下で5時間スターラーにより撹拌することによりエマルジョン中のAIBNを分解させてDVBをラジカル重合させた。その後、濾紙で濾別して、固体球状ポリマーを得た。
以上の方法で得た固体球状粉末ポリマーを、真空乾燥して水、及び溶剤のトルエンを除去し、粒径10μm以下の白色粒子状ポリマーを得た。
この白色粒子状ポリマーを0.1N塩酸水溶液の入った容器に入れ、撹拌してリチウムを溶出処理させた。この処理した白色粒子状ポリマーをイオン交換水で2回洗浄後真空乾燥して粒径10μm以下の固体ポリマー吸着剤を得た。
(吸着試験)
(実施例1)
上記方法で得た固体ポリマー吸着剤の吸着特性を調べる目的で、以下の試験を行った。サンプル瓶に、イオン交換水10mL、0.5mMの塩化リチウム、0.1Mのアンモニアと0.1Mの塩化アンモニウムによりpH8に調製したリチウムイオン含有水溶液を調製した。次に固体ポリマー吸着剤0.5gを精秤し、該水溶液中に浸漬させた。その後、該サンプル瓶を30℃に設定した恒温槽中で、24時間振盪させた。その後、該水溶液を濾過し、濾液を回収した。この濾液中の残存リチウムイオン濃度C(μmol/L)を原子吸光分光光度計(AA-6200、島津製作所製)を用いて測定した。この測定イオン濃度(C)と、予め測定しておいた吸着処理前の水溶液中のイオン濃度(C)から水溶液中のリチウムイオンに対する吸着率E(%)を、下記式(4)により求めた。結果を表1、図3に示す。
式1
Figure 2009161794
(参考例1)
リチウムイオンをナトリウムイオンに変更する以外は実施例1と同様に行い固体ポリマー吸着剤の水溶液中のナトリウムイオンに対する吸着率E(%)を求めた。結果を表1、図3に示す。
(参考例2)
リチウムイオンをカリウムイオンに変更する以外は実施例1と同様に行い固体ポリマー吸着剤の水溶液中のカリウムイオンに対する吸着率E(%)を求めた。結果を表1、図3に示す。
(参考例3)
リチウムイオンをマグネシウムイオンに変更する以外は実施例1と同様に行い固体ポリマー吸着剤の水溶液中のマグネシウムイオンに対する吸着率E(%)を求めた。結果を表1、図3に示す。
(参考例4)
リチウムイオンをカルシウムイオンに変更する以外は実施例1と同様に行い固体ポリマー吸着剤の水溶液中のカルシウムイオンに対する吸着率E(%)を求めた。結果を表1、図3に示す。
Figure 2009161794
(実施例2)
実施例1において、0.1Mのアンモニアと0.1Mの塩化アンモニウムの代わりに0.1Mリン酸二水素カリウムと0.05M四ホウ酸ナトリウムの配合比を調整することにより、水溶液のpHを8.0から7.5に変更する以外は実施例1と同様に行った。得られたリチウムの吸着率を図4に示す。
(実施例3)
実施例1において、0.1Mのアンモニアと0.1Mの塩化アンモニウムの代わりに0.1Mリン酸二水素カリウムと0.05M四ホウ酸ナトリウムの配合比を調整することにより、水溶液のpHを8.0から7.0に変更する以外は実施例1と同様に行った。得られたリチウムの吸着率を図4に示す。
(実施例4)
実施例1において、0.1Mのアンモニアと0.1Mの塩化アンモニウムの代わりに0.1Mリン酸二水素カリウムと0.05M四ホウ酸ナトリウムの配合比を調整することにより、水溶液のpHを8.0から6.5に変更する以外は実施例1と同様に行った。得られたリチウムの吸着率を図4に示す。
(参考例5)
参考例4において、0.1Mのアンモニアと0.1Mの塩化アンモニウムの代わりに0.1M酢酸と0.1M酢酸ナトリウムの配合比を調整することにより、水溶液のpHを8.0から4.0に変更する以外は参考例4と同様に行った。得られたカルシウムの吸着率を図4に併記する。
(参考例6)
参考例4において、0.1Mのアンモニアと0.1Mの塩化アンモニウムの代わりに0.1M酢酸と0.1M酢酸ナトリウムの配合比を調整することにより、水溶液のpHを8.0から3.5に変更する以外は参考例4と同様に行った。得られたカルシウムの吸着率を図4に併記する。
(参考例7)
参考例4において、0.1Mのアンモニアと0.1Mの塩化アンモニウムの代わりに0.1M酢酸と0.1M酢酸ナトリウムの配合比を調整することにより、水溶液のpHを8.0から3.0に変更する以外は参考例4と同様に行った。得られたカルシウムの吸着率を図4に併記する。
(実施例5)
(吸着試験)
佐賀大学海洋エネルギー研究センターより提供を受けたリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムの含有比が表2の割合である海水から得られた晶析物(以下、「海水濃縮塩」という。)0.025gを秤量し、サンプル瓶に投入後、0.1Mアンモニアと0.1M塩化アンモニウムを用いてpHを10.7に調整した緩衝液200mLを加えた。その後、該サンプル瓶を30℃に設定した恒温槽中で、24時間振盪させた後、該水溶液を濾過し、濾液を回収し、水溶液(以下、「濃縮海水」という。)を作製した。
Figure 2009161794
次に固体ポリマー吸着剤0.5gを精秤し、サンプル瓶に注入された該濃縮海水10mLに浸漬させた。その後、該サンプル瓶を30℃に設定した恒温槽中で、24時間振盪させた。その後、該水溶液を濾過し、濾液を回収した。この濾液中の残存カルシウムおよびリチウムイオン濃度C(μmol/L)を原子吸光分光光度計(AA-6200、島津製作所製)を用いて測定した。この測定イオン濃度(C)と、予め測定しておいた吸着処理前の水溶液のイオン濃度(C)から水溶液中のカルシウムおよびリチウムイオンに対する吸着率E(%)を、実施例1、及び参考例1−4と同様にして求めた。結果を図5に示す。
(実施例6)
(脱着試験1)
実施例5で金属を吸着処理した吸着剤からの金属の脱着を、次のようにして行った。実施例5で金属を吸着処理した固体ポリマー吸着剤0.5gをサンプル瓶に入れ、それにイオン交換水に0.1M酢酸と0.1M酢酸ナトリウムを添加してpH5.0に調整した緩衝液10mLを注入し、浸漬させた。その後、該サンプル瓶を30℃に設定した恒温槽中で、24時間振盪させた。その後、該水溶液を濾過し、濾液を回収した。濾液中に含まれるリチウムイオンとカルシウムイオンの量を原子吸光分光分析法により定量した。結果を図5に併記する。
(実施例7)
(脱着試験2)
実施例6で脱着処理した固体ポリマー吸着剤0.5gをサンプル瓶に入れ、それにイオン交換水に0.1N塩酸水溶液10mLを注入し、浸漬させた。その後、該サンプル瓶を30℃に設定した恒温槽中で、24時間振盪させた。その後、該水溶液を濾過し、濾液を回収した。濾液中に含まれるカルシウムイオンの量を原子吸光分光分析法により定量した。結果を図5に併記する。
図1は、本発明のリチウム回収装置の1例を示した概略図である。 図2は、本発明の実施例において用いる吸着剤の製造工程の1例を示した図である。 図3は、本発明の実施例における種々の金属カチオンの吸着試験結果を示したグラフである。 図4は、本発明の実施例におけるリチウムとカルシウムの吸着性能のpH依存性を示したグラフである。 図5は、本発明の実施例における海水濃縮塩の吸着脱着試験の結果を示したグラフである。

Claims (11)

  1. β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させてリチウム錯体を形成させ、その後、環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させて固体ポリマーを得、ついで該固体ポリマーを酸性洗浄液で洗浄して固体ポリマー中に含まれるリチウムを除去することにより製造される吸着剤と、少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含有する水溶液とを、水溶液のpHが7以上において接触させて該吸着剤に水溶液中の金属成分を吸着させ、しかる後にpH4±1.5の水と接触させてリチウムを脱着させることを特徴とするリチウムを回収する方法。
  2. β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させる方法が、β−ジケトン、中性有機リン化合物および環状構造を有するビニルモノマーの混合物とリチウムイオンを含む水溶液とを混合後、撹拌して油中水型(W/O)のエマルジョンを形成させる方法であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムを回収する方法。
  3. β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させる方法が、β−ジケトン、中性有機リン化合物および環状構造を有するビニルモノマーの混合物とリチウムイオンを含む水溶液とを混合後、撹拌して油中水型(W/O)のエマルジョンを製造し、ついでリチウムイオンを含む水溶液を加えて相転移させてW/O/W型のエマルジョンを形成させる方法であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムを回収する方法。
  4. 環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させて固体ポリマーを得る方法が、混合物中にラジカル重合開始剤を添加しておき、錯体形成後、加熱してラジカル重合開始剤を分解することにより環状構造を有するビニルモノマーを重合させて固体ポリマーを得る方法であることを特徴とする請求項1〜3に記載のリチウムを回収する方法。
  5. β−ジケトンが、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−3,5−ヘキサデカンジオンであることを特徴とする請求項1〜4に記載のリチウムを回収する方法。
  6. 中性有機リン化合物が、トリオクチルホスフィンオキシドであることを特徴とする請求項1〜5に記載のリチウムを回収する方法。
  7. 環状構造を有するビニルモノマーが、ジビニルベンゼンであることを特徴とする請求項1〜6に記載のリチウムを回収する方法。
  8. リチウム、ナトリウム及びカルシウムを含有する水溶液が、海水、またはかん水であることを特徴とする請求項1〜7に記載のリチウムを回収する方法。
  9. (1)β−ジケトン、中性有機リン化合物、および環状構造を有するビニルモノマーを含む混合物に、リチウムイオンを含む水溶液を接触させてリチウム錯体を形成させ、その後、環状構造を有するビニルモノマーをラジカル重合させて固体ポリマーを得、ついで該固体ポリマーを酸性洗浄液で洗浄して固体ポリマー中に含まれるリチウムを除去することにより製造される吸着剤1、
    (2)吸着剤1を収容する吸着処理容器2、
    (3)少なくともリチウム、ナトリウム、カルシウムを含む水溶液を貯蔵し、吸着処理容器2に供給するための、水溶液供給槽7、
    (4)吸着処理容器2において、水溶液を吸着剤1で吸着処理した処理液を回収するための回収槽11、
    (5)pH4±1.5に調整したリチウム回収液を貯蔵し、吸着処理容器2に供給するためのリチウム回収液供給槽12、
    (6)吸着処理容器2中の吸着剤1をリチウム回収液で脱着処理した後の処理液を回収するためのリチウム回収液回収槽23、
    (7)pH2以下の洗浄液を貯蔵し、吸着処理容器2に供給するための洗浄液供給槽15、
    (8)吸着処理容器2中の吸着剤1を、洗浄処理した後の洗浄処理液を回収するための洗浄液回収槽26
    を含むリチウム回収装置。
  10. 吸着処理容器2が、カラムであることを特徴とする請求項9に記載のリチウム回収装置。
  11. 請求項9または、請求項10のリチウム回収装置を用いて、少なくともリチウム、ナトリウム及びカルシウムを含有する水溶液からリチウムを選択的にかつ連続的に回収する方法。




















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