JP2011038869A - リチウムイオン濃度の測定方法ならびにそれを利用したリチウム塩の製造方法および製造装置 - Google Patents

リチウムイオン濃度の測定方法ならびにそれを利用したリチウム塩の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン濃度が比較的高くかつ不純物含有量が比較的少ないというリチウム塩製造に適した溶液を見出し、且つその溶液からリチウム塩を製造するにあたりオンラインでリチウムイオン濃度を容易に測定することができる方法、およびそれを利用したリチウム塩の製造方法を提供すること。
【解決手段】リチウムイオン濃度が比較的高くかつ不純物含有量が比較的少ない溶液としてリチウムが溶解した活物質製造排水を採用する。活物質製造排水の電気伝導度を電気伝導度計11からの信号に基づき測定し、当該電気伝導度から活物質製造排水中のリチウムイオン濃度を算出する。すなわち、電気伝導度を利用してリチウムイオン濃度を測定する。この電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき濃縮工程および析出工程を制御してリチウム塩を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムが溶解した溶液のリチウムイオン濃度の測定方法ならびにそれを利用したリチウム塩の製造方法および製造装置に関する。
一般に、リチウム電池の製造工場(または処理工場)で発生するリチウムが溶解した排水の多くは、海洋などに廃棄処分されている。この排水中には、数千mg/Lのリチウムが溶解している。一方、リチウム塩を製造するための原料としては、リチウムイオン濃度が数十〜1000mg/L程度のかん水が用いられることが多い。つまり、リチウム電池の工場などで発生する排水には、かん水に比して高濃度のリチウムが溶解しているにもかかわらず、通常、廃棄処分されているという現状がある。
かん水からリチウム塩を製造するための技術に関しては、例えば、特許文献1〜3に記載されたようなものがある。また、使用済みのリチウム電池から炭酸リチウムとしてリチウムを回収する技術に関して、例えば、特許文献4、5に記載されている。
特開2004−142986号公報 特開2004−25113号公報 特開2003−245542号公報 特開2005−26089号公報 特開2006−57142号公報
特許文献4、5に記載されているリチウムの回収方法は、いずれも、使用済みのリチウム電池からリチウムを回収する技術である。しかしながら、使用済みのリチウム電池からリチウムを分離回収する場合、その分離回収の過程で生じさせるリチウムが溶解した溶液には、リチウム以外に様々な不純物が多く含まれている。リチウムだけでなく様々な不純物が多く含まれている溶液からリチウム塩だけを回収するのは容易でない。
一方、リチウム塩を製造するための原料としてかん水を用いる場合、前記したように、かん水のリチウムイオン濃度は数十〜1000mg/L程度と低いため、濃縮に手間がかかる。また、かん水は天然水のため不純物が多いことも懸念される。
ところで、リチウムが溶解した溶液からリチウム塩を製造するにあたり、当該溶液のリチウムイオン濃度を測定(把握)する必要がある。特許文献1には、溶液中のリチウムイオン濃度の測定方法として、光学検出器(Optical detector)を用いて吸着剤からの流出液のリチウムイオンを検出する方法が挙げられている。また、特許文献3には、吸着カラムクロマトグラフィーを用いたリチウムイオン濃度の測定方法が記載されている。
特許文献1、3に記載された方法で溶液中のリチウムイオン濃度を測定する場合、溶液に対してサンプリング作業が必要になるとともにサンプリング液の分析にも時間を要する。リチウム塩を製造するにあたり、特許文献1、3に記載されたようなリチウムイオン濃度の測定方法を用いると、リチウム塩の製造とは別に、すなわちオフラインでの分析(測定)作業が必要となるので、手間であるとともに時間がかかる。この問題を解決する方法としてオンラインでのリチウムイオン濃度の測定がある。オンラインでリチウムイオン濃度を測定するとは、製造ライン中に測定計器を組み込み、溶液のリチウムイオン濃度をリチウム塩の製造中に当該測定計器で逐次(連続して)、測定することをいう。
オンラインでリチウムイオン濃度を測定できる装置は既に存在する。しかしながら、その装置は汎用装置ではなく非常に高価なものである。このように、オンラインで容易にリチウムイオン濃度を測定できる技術は確立されていない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、リチウムイオン濃度が比較的高くかつ不純物含有量が比較的少ないというリチウム塩製造に適した溶液を見出し、且つその溶液からリチウム塩を製造するにあたりオンラインでリチウムイオン濃度を容易に測定することができる方法、およびそれを利用したリチウム塩の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、不純物含有量が比較的少ない溶液として、例えばリチウムイオン二次電池の製造過程で発生するリチウムが溶解した活物質製造排水に着目した。また、リチウムイオン濃度と電気伝導度との間に相関関係があることを見出した。これらの知見に基づき本発明が完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、リチウムが溶解した活物質製造排水の電気伝導度を測定し、当該電気伝導度から当該活物質製造排水中のリチウムイオン濃度を算出するリチウムイオン濃度の測定方法である。
溶液の電気伝導度は、市販の電気伝導度計で容易に測定することができる。また、電気伝導度計はリチウム塩の製造ライン中に容易に組み込むことができ、製造ラインを流れる溶液の電気伝導度を当該電気伝導度計で測定することができる。すなわち、リチウムイオン濃度と相関関係のある電気伝導度をリチウムイオン濃度の測定に利用することで、リチウム塩を製造するにあたりリチウムイオン濃度をオンラインで容易に測定することができるようになる。
一方、リチウムが溶解した活物質製造排水は、かん水に比してリチウムイオン濃度が高い。かつ、当該活物質製造排水は、使用済みのリチウム電池からリチウムを分離回収する過程で生じる溶液に比して不純物含有量が少ない。すなわち、当該活物質製造排水をリチウム塩の原料とすることで、かん水を原料とする場合に比して濃縮の際の処理量が少なくて済む(濃縮に手間がかからない)。かつ、使用済みのリチウム電池からリチウムを分離回収する過程で生じる溶液を原料とする場合に比して、純度の高いリチウムをリチウム塩として回収することができる。
なお、前記したように、リチウムが溶解した活物質製造排水は不純物含有量が少ない。そのため、不純物含有量の少ない当該活物質製造排水が測定対象であることで、電気伝導度を利用したリチウムイオン濃度の測定においてその測定誤差は小さくなる。
また本発明は、リチウムが溶解した活物質製造排水を濃縮する濃縮工程と、濃縮された前記活物質製造排水に析出剤を添加してリチウム塩を析出させる析出工程と、析出した前記リチウム塩を固液分離して回収する固液分離工程と、を備えるリチウム塩の製造方法であって、前記活物質製造排水の電気伝導度を測定し、当該電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき、前記濃縮工程および前記析出工程のうちの少なくともいずれかを制御する、リチウム塩の製造方法である。
前記したように、リチウムが溶解した活物質製造排水からリチウム塩を製造するにあたり当該リチウムイオン濃度の測定に電気伝導度を利用することでリチウムイオン濃度をオンラインで測定することができるようになる。また、溶液の電気伝導度を市販の電気伝導度計で容易に測定することができる。すなわち、この構成によると、オフラインでの分析(測定)作業を不要とすることができるとともに濃度測定計器に係る費用も抑えることができ、リチウム塩を従来に比して容易にかつ安価に製造することができる。また、オンラインで分析できるので排水性状の変化に対して迅速に運転制御を行うことができる。
また本発明において、前記析出工程において、前記濃縮工程で濃縮された前記活物質製造排水の電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき前記析出剤の添加量を制御することが好ましい。
濃縮前の活物質製造排水のリチウムイオン濃度を電気伝導度から求めて、当該リチウムイオン濃度から析出剤の添加量を制御してもよい。しかしながら、濃縮工程において活物質製造排水中のリチウムの一部が系外に出ていくことがある。この場合、析出剤の添加量が多めになってしまう。一方、本発明の上記構成によると、濃縮工程において系外に出ていくリチウム量を考慮する必要がなく、すなわち、析出剤の添加量をより正確なものとすることができる。
さらに本発明において、前記濃縮工程において、当該濃縮工程で濃縮された前記活物質製造排水の電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき、当該リチウムイオン濃度が一定となるように活物質製造排水の濃縮を制御することが好ましい。
この構成によると、濃縮された活物質製造排水のリチウムイオン濃度が安定する。これにより、リチウム塩の析出が安定する。
また本発明は、その第2の態様によれば、リチウムが溶解した活物質製造排水を濃縮する濃縮手段と、濃縮された前記活物質製造排水に析出剤を添加してリチウム塩を析出させる析出手段と、析出した前記リチウム塩を固液分離して回収する固液分離手段と、前記活物質製造排水の電気伝導度を測定し、当該電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき、前記濃縮手段および前記析出手段のうちの少なくともいずれかを制御する制御手段と、を備えるリチウム塩の製造装置である。
リチウムが溶解した活物質製造排水は、かん水に比してリチウムイオン濃度が高い。かつ、当該活物質製造排水は、使用済みのリチウム電池からリチウムを分離回収する過程で生じる溶液に比して不純物含有量が少ない。すなわち、リチウムが溶解した活物質製造排水は、リチウム塩を製造するための原料として適している。また、当該活物質製造排水からリチウム塩を製造するにあたり電気伝導度を利用してリチウムイオン濃度を測定することで、オンラインで且つ容易にリチウムイオン濃度を測定することができるようになる。
本発明に係るリチウム塩の製造装置の一実施形態を示すブロック図である。 リチウムイオン濃度と電気伝導度との相関関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係るリチウム塩の製造装置の一実施形態を示すブロック図である。以下の説明では、図1に示したリチウム塩の製造装置100の構成およびリチウムイオン濃度の測定方法について説明し、その後、リチウム塩の製造方法(製造装置100の動作)について説明する。
なお、本発明に係るリチウムイオン濃度の測定方法は、リチウム塩を製造するためだけの用途で用いることができる測定方法ではない。リチウムが溶解した活物質製造排水中のリチウムイオン濃度を単に測定するだけにでも当然ながら用いることができる。
(製造装置の構成)
本実施形態に係るリチウム塩の製造装置100は、処理工程の上流側から順に、逆浸透膜装置1、反応槽2、および固液分離手段3を備えている。これらの機器は、経路13、14で相互に接続されている。また、製造装置100は、経路12、15〜17、および制御装置4(制御手段)も備えている。経路12〜17は例えば配管からなる。
(濃縮手段)
逆浸透膜装置1(RO膜装置)は、本発明の濃縮手段に相当する。逆浸透膜装置1は、水は透過させイオンなどの水以外の不純物(イオンや塩類など)は透過させない装置である。逆浸透膜装置1は、逆浸透膜(RO膜)を有する本体1aおよび高圧ポンプ1bなどから構成される。高圧ポンプ1bは、経路12に取り付けられ、活物質製造排水を本体1aに供給するためのポンプである。本体1aを構成する逆浸透膜(RO膜)の膜材質は、ポリアミド、酢酸セルロースなどである。
高圧ポンプ1bと逆浸透膜装置1との間の経路12には、上流側から順に、流量計6、電気伝導度計7、および圧力計8が取り付けられている。高圧ポンプ1b、流量計6、電気伝導度計7、および圧力計8は、制御装置4と電気的に接続されている。電気伝導度計7は、市販の電気伝導度計を用いればよい。本実施形態において、流量計6および電気伝導度計7は、経路12を流れる活物質製造排水の流量およびそのリチウムイオン濃度を把握するための測定計器である。なお、流量計6および電気伝導度計7を、逆浸透膜装置1や反応槽2(フィーダ5)の運転制御に用いることもできる。
ここに、活物質製造排水とは、活物質を製造する過程で発生する排水のことをいう。例えば、リチウムイオン二次電池の正極電極を製作するために、コバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物を製造する。このコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物が活物質である。
なお、リチウムイオン二次電池などの活物質製造排水の中には、数千mg/Lのリチウムが溶解している。一方、この活物質製造排水は、使用済みのリチウム電池からリチウムを分離回収する過程で生じる溶液に比して不純物の含有量が少ない。ここでいう不純物とは、リチウムを除く様々な元素・化合物の溶解物(イオンや塩類など)や固形物のことをいい、特に電気伝導計を利用して排水中の電気伝導度を測定する際に電気伝導度に影響を与えるリチウムイオン以外の物質をいい、例えば、コバルト、ニッケルなどが挙げられる。不純物含有量の少ない活物質製造排水からリチウム塩を製造することで、純度の高いリチウム塩を製造することができる。また、活物質製造排水は、かん水に比してリチウムイオン濃度が高いので、例えば同量のリチウムを製造しようとする場合、活物質製造排水を原料とすることで、かん水を用いる場合に比して濃縮の際の処理量が少なくて済む。すなわち、リチウムが溶解した活物質製造排水は、リチウム塩を製造するための原料として好適である。
なお、本発明を好適に適用できる排水としては、排水中の不純物含有量が少ない排水に適用できるが、例えば、排水中の不純物量/排水中のリチウムイオン濃度=0.1以下の排水に好適に適用することが出来る。
逆浸透膜装置1以外の濃縮手段としては、蒸発濃縮装置を挙げることができる。蒸発濃縮装置とは、沸点の差を利用した濃縮装置のことをいう。蒸発濃縮装置により水分を蒸発させ、水より沸点の高い成分を残すことで当該成分を濃縮する。蒸発濃縮装置には、薄膜蒸発装置、自然循環外部加熱管型装置、自然循環カランドリヤ型装置、強制循環型装置などがある。
(析出手段)
反応槽2は、本発明の析出手段に相当する。反応槽2は攪拌機2a、液位計2b、およびフィーダ5を付属品として備える。フィーダ5は、炭酸水素ナトリウムなどの析出剤を反応槽2に投入するためのものである。攪拌機2aは、反応槽2に投入された濃縮後の活物質製造排水と、析出剤とを混合・攪拌してリチウム塩の析出を促進させるためのものである。液位計2bは、反応槽2内の液位を監視するためのものであり、反応槽2内の液量の把握・攪拌機2aの空運転防止などに用いる。電極式の液位計2bを例示したが、差圧式の液位計などを用いてもよい。なお、析出手段は、図1に示した反応槽2のような装置に限られるものではない。
逆浸透膜装置1と反応槽2とを接続する経路13には、自動弁9、流量計10および電気伝導度計11が上流側から順に取り付けられている。自動弁9は、逆浸透膜装置1の付属品であって電動または空気作動の弁である。自動弁9、流量計10、電気伝導度計11、液位計2b、およびフィーダ5は、制御装置4と電気的に接続されている。電気伝導度計11は、市販の電気伝導度計を用いればよい。
(固液分離手段)
固液分離手段3は、濃縮後の活物質製造排水中に析出したリチウム塩を固液分離により回収するためのものである。固液分離手段3としては、遠心分離機、フィルタープレス、ろ過装置などを挙げることができる。また、これら装置(機械)を組み合せて固液分離手段3を構成してもよい。例えば、析出したリチウム塩を含有する活物質製造排水を遠心分離機に通した後、遠心上澄み水を更にろ過装置にかけるなどして、遠心分離機とろ過装置とで固液分離手段3を構成してもよい。
(リチウムイオン濃度の測定方法)
本発明者らは、溶液のリチウムイオン濃度と電気伝導度との間に相関関係があることを実験により見出した。リチウムイオン濃度の異なる溶液を複数用意し、それぞれの溶液の電気伝導度を電気伝導度計で測定した。図2は、リチウムイオン濃度と電気伝導度との相関関係を示すグラフである。図2に示したように、リチウムイオン濃度と電気伝導度との間には直線関係の相関がある。
これより、リチウムが溶解した活物質製造排水の電気伝導度を測定し、当該電気伝導度から活物質製造排水中のリチウムイオン濃度を算出することで、リチウムイオン濃度を知ることができる。
ここで、溶液の電気伝導度は、市販の電気伝導度計で容易に測定することができる。また、電気伝導度計はリチウム塩の製造ライン中(例えば、経路13中や経路12中)に容易に組み込むことができ、製造ラインを流れる溶液の電気伝導度を電気伝導度計7、11で連続測定することができる。すなわち、リチウムイオン濃度と相関関係のある電気伝導度をリチウムイオン濃度の測定に利用することで、リチウム塩を製造するにあたりリチウムイオン濃度をオンラインで容易に測定することができるようになる。
なお、前記したように、リチウムが溶解した活物質製造排水は不純物含有量が少ない。そのため、不純物含有量の少ない当該活物質製造排水が測定対象であることで、電気伝導度を利用したリチウムイオン濃度の測定においてその測定誤差は小さくなる。
(制御手段)
本実施形態のリチウム塩の製造装置100では、制御装置4内で自動的にリチウムイオン濃度を求める。制御装置4は、析出剤の添加量および活物質製造排水の濃縮(濃度)を制御するための装置である。
析出剤の添加量および活物質製造排水の濃縮(濃度)を制御するための電気回路が、各種スイッチ・リレー(継電器)などを用いて制御盤内で構成されたり、これら制御を行うためのプログラムが入力されたシーケンサが制御盤内に入れられたりする。各種スイッチ・リレー(継電器)などから構成される電気回路が組み込まれた制御盤や、制御プログラムが入力されたシーケンサが入れられた制御盤が、制御装置4であり、本発明の制御手段に相当する。制御装置4は、例えば逆浸透膜装置1の傍らに設置される。
次に、リチウム塩の製造方法(製造装置100の動作)について説明する。
(濃縮工程)
リチウムが溶解した活物質製造排水を逆浸透膜装置1により濃縮する。図1に示すように、リチウムが溶解した活物質製造排水を高圧ポンプ1bから逆浸透膜装置1の本体1aへ供給して当該活物質製造排水を濃縮する。本体1aの逆浸透膜(RO膜)を透過した透過水は排水などとして排出される。一方、逆浸透膜(RO膜)を透過しなかった活物質製造排水、すなわち、濃縮された活物質製造排水は、反応槽2に投入される。
(活物質製造排水の濃縮制御)
制御装置4内の例えばシーケンサには、電気伝導度からリチウムイオン濃度を求めるための算出式(例えば図2に基づく一次式)が予め入力されている。制御装置4は、逆浸透膜装置1により濃縮された活物質製造排水の電気伝導度に係る電気信号を電気伝導度計11から受け取る。制御装置4は、この電気信号から上記算出式に基づきリチウムイオン濃度D1(mg/L)を算出するとともに算出したリチウムイオン濃度D1に基づき活物質製造排水の濃縮を制御する。
具体的には、制御装置4は、濃縮液(濃縮された活物質製造排水)のリチウムイオン濃度D1(mg/L)が所定の濃度で一定となるように、活物質製造排水の濃縮を制御する。これにより、濃縮液のリチウムイオン濃度が安定する。その結果、リチウム塩の析出が安定する。
例えば、濃縮液のリチウムイオン濃度D1(mg/L)に基づき、制御装置4は自動弁9の開度を制御する。リチウムイオン濃度D1が所定の値よりも高い場合は自動弁9の開度を大側に制御し、所定の値よりも低い場合は開度を小側に制御する。自動弁9の開度が大きくなると経路13を流れる流量が増加し、逆浸透膜で濃縮されずに経路13を流れる流量が増加するのでリチウムイオン濃度D1は低下する。一方、自動弁9の開度が小さくなると経路13を流れる流量が減少し、抵抗が大きくなり逆浸透膜装置1の本体1aを通過する透過水の流量が増加するのでリチウムイオン濃度D1は上昇する。
また、濃縮液のリチウムイオン濃度D1(mg/L)に基づき、高圧ポンプ1bの回転数を制御してもよい。リチウムイオン濃度D1が所定の値よりも高い場合は高圧ポンプ1bの回転数を下げ側に制御し、所定の値よりも低い場合は回転数を上げ側に制御する。高圧ポンプ1bの回転数が下がると、ろ過圧が低下し透過水が減少するのでリチウムイオン濃度D1は低下する。一方、高圧ポンプ1bの回転数が上がると、ろ過圧が上昇し透過水が増加するのでリチウムイオン濃度D1は上昇する。ろ過圧は圧力計8で把握することができる。高圧ポンプ1bの回転数を制御するためには例えばインバータを使用する。
なお、自動弁9の開度制御および高圧ポンプ1bの回転数制御のうちのいずれかを制御装置4で行ってもよいし、これら2つの制御を組み合せてもよい。
次に、表1に、各種リチウム塩の溶解度およびこの溶解度から換算したリチウム溶解度(リチウムイオン濃度)を示す。いずれの溶解度も25℃、1atm(気圧)での溶解度である。
Figure 2011038869
本発明の製造対象であるリチウム塩としては、表1に示した炭酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、硫酸リチウムなどが挙げられる。ここで、製造対象であるリチウム塩は炭酸リチウムであることが好ましい。表1に示したように、炭酸リチウムの溶解度(25℃、1atm)は、1.29g/100mLであり、他のリチウム塩に比して溶解度が小さい。すなわち、塩としてリチウムが析出しやすい。つまり、炭酸リチウムを製造することで、より多くのリチウムを回収しやすい。以下の説明では、製造対象であるリチウム塩を炭酸リチウムとして説明する。
前記したように、濃縮液のリチウムイオン濃度D1(mg/L)が所定の濃度で一定となるように、活物質製造排水の濃縮を制御することが好ましいが、さらに、5000mg/L以上20000mg/L以下の範囲の中での所定の一定濃度となるように濃縮を制御することが好ましい。
表1より、炭酸リチウムのリチウム溶解度(リチウムイオン濃度)は、2440mg/L(25℃、1atm))である。これに対して、リチウムとしての溶解度が2番目に低い硫酸リチウムのリチウム溶解度は、21900mg/L(25℃、1atm))である。さらに、炭酸リチウムおよび硫酸リチウム以外の表1に示したリチウム塩のリチウム溶解度は、いずれも硫酸リチウムのリチウム溶解度よりも大きい。
したがい、リチウムイオン濃度D1を20000mg/L以下にすることで、硫酸リチウムなどのその他の塩の析出を防止できる。すなわち、硫酸リチウムなどの不純物の析出を抑制することができ、結果として、純度の高い炭酸リチウムを製造することができる。また、リチウムイオン濃度D1を5000mg/L以上にすることで、炭酸リチウムの析出を確実なものとすることができるとともに、後段の析出工程および固液分離工程での処理量を少なくできる。
なお、必ずしもリチウムイオン濃度D1(mg/L)が所定の濃度で一定となるように制御する必要はなく、5000mg/L以上20000mg/L以下の範囲に入るようにリチウムイオン濃度D1(mg/L)を制御してもよい。
(RO濃縮実験結果)
リチウムイオン濃度:3690mg/Lの溶液を逆浸透膜装置1に供給して濃縮実験を行った。実験結果は、濃縮水および透過水のリチウムイオン濃度が、それぞれ9490mg/L、57.6mg/Lというものであった。なお、逆浸透膜装置1を構成する高圧ポンプは、揚程(圧力):4MPaのポンプを用いた。このように、逆浸透膜装置1を用いて活物質製造排水を濃縮することにより、少ないロスで活物質製造排水を濃縮することができる。すなわち、リチウムの回収率を高めることができる。なお、透過水に含まれるリチウム(透過水の量(L)×57.6mg/L)がロスとなるが、ロスする量は非常に少なく1%以下であるため、リチウムの回収率にほとんど影響しない。また、逆浸透膜装置1を用いることで、容易に活物質製造排水を濃縮することができる。
なお、前記した薄膜蒸発装置などの蒸発濃縮装置も、濃縮手段として好適である。蒸発濃縮装置を用いることで、逆浸透膜装置1の場合に必要となる高圧運転が不要となる。また、後述する析出工程では活物質製造排水を加温する場合があるが、蒸発濃縮装置によると、濃縮工程の段階で活物質製造排水の温度が上昇するため、析出工程における加温が不要となる。
(酸の添加)
図1に示したように、活物質製造排水に酸を添加して当該活物質製造排水のpHを7以上10以下とし、その後、逆浸透膜装置1を用いてこのpH調整した活物質製造排水を濃縮することが好ましい。添加する酸としては、塩酸、硫酸などを挙げることができる。なお、添加する酸は特に限定されるものではなく、その他の酸であってもよい。
リチウムが溶解した活物質製造排水のpHは12以上であることが多い。この活物質製造排水に酸を添加して当該活物質製造排水のpHを7以上10以下とすることで、逆浸透膜(RO膜)の劣化を防止することができる。なお、活物質製造排水のpHを7よりも下に低下させたとしても、逆浸透膜(RO膜)の劣化防止効果が飛躍的に高まるわけではない。逆に、酸(薬品)の使用量が多くなる、というデメリットがある。また、活物質製造排水への酸の添加により、活物質製造排水中の塩濃度(リチウム以外の塩濃度)が上昇する。ここで、リチウム以外の塩は、逆浸透膜装置1により濃縮された活物質製造排水中に不純物として残存することになる。つまり、pHを7よりも下に低下させることは好ましくない。このため、pHを7以上にすることが好ましく、更にはpH9以上とすることが好ましい。
また、後述する析出工程では、濃縮された活物質製造排水に析出剤として炭酸塩または二酸化炭素を添加して炭酸リチウムを析出させる。ここで、酸性状態の活物質製造排水に炭酸塩などを添加すると、一部の炭酸が空気中に逃げてしまう。その結果、添加する炭酸塩または二酸化炭素の量が多くなってしまう。つまり、アルカリ状態で炭酸リチウムを析出させることが好ましい。この観点からも、pHを7よりも下に低下させることは好ましくなく、活物質製造排水のpHを7以上10以下、更にはpHを9以上とすることが好ましい。
(析出工程)
析出工程では、濃縮工程で逆浸透膜装置1により濃縮された活物質製造排水に析出剤として炭酸塩または二酸化炭素(炭酸ガス)を添加して炭酸リチウムを析出させる。逆浸透膜装置1から反応槽2へ供給された濃縮液(濃縮された活物質製造排水)に、例えば炭酸水素ナトリウムをフィーダ5から添加して攪拌機2aで攪拌する。これにより、炭酸リチウムが析出する。
さらに具体的には、反応槽2へ濃縮液を供給し、反応槽2内の液量が所定量(例えばV(m)、液位H(m))に達したら濃縮液の供給をいったん停止する。そして、添加した炭酸水素ナトリウムと濃縮液とを十分に攪拌させて炭酸リチウムを析出させる。その後、析出した炭酸リチウムを含む攪拌液(活物質製造排水)を反応槽2から抜いて固液分離手段3に送る(このような運転をバッチ運転と呼ぶ)。
なお、反応槽2が大きい場合、反応槽2が長い場合(濃縮液の流入位置と抜出位置とが遠く離れている場合)などは、リチウム塩の析出をバッチ運転で行わず、連続運転で行ってもよい。連続運転とは、反応槽2へ濃縮液を供給しつつ反応槽2から濃縮液を抜き出す運転のことをいう。
(析出剤の添加量制御)
濃縮液(濃縮された活物質製造排水)の電気伝導度を利用した制御装置4によるリチウムイオン濃度D1(mg/L)の算出については前記したとおりである。制御装置4は、このリチウムイオン濃度D1から析出剤の添加量を算出する。そして、算出した添加量となるようにフィーダ5に対して指令を出す。このようにして、制御装置4により析出剤の添加量を制御する。
(析出剤添加量の算出)
炭酸リチウムの化学式はLiCOであるので、活物質製造排水に溶解しているリチウムに対して等量のCOを添加する場合、LiとCOとのモル比は2:1となる。すなわち、1モルのLiに対して1/2モルのCOを添加することになる。以下に、炭酸水素ナトリウムを析出剤として用いた場合の添加量の算出例を示す。
(濃縮液のリチウムイオン濃度一定制御、かつバッチ運転の場合)
反応槽2の容量、すなわち1バッチでの処理量をV(m)とすると、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)の添加量q(g/1バッチ)は次式により算出される。この場合、リチウムイオン濃度D1が一定であるため、添加量q(g/1バッチ)も一定となる。
q=V×D1×1/2×84/7
84:炭酸水素ナトリウムの分子量
7:リチウムの原子量
(濃縮液のリチウムイオン濃度を一定制御しない、かつバッチ運転の場合)
1バッチ中の時刻tでのリチウムイオン濃度をD1(mg/L)とすると、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)の添加量q(g/1バッチ)は次式により算出される。この場合、制御装置4による電気伝導度計11からの信号取得間隔は短いほうが好ましい。
q=V×ΣD1×1/2×84/7
84:炭酸水素ナトリウムの分子量
7:リチウムの原子量
(連続運転の場合)
流量計10からの電気信号より求めた濃縮液の流量をQ1(m/秒)とすると、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)の添加量q(g/秒)は次式により算出される。なお、制御装置4により、流量Q1およびリチウムイオン濃度D1の値は所定間隔で更新されていく。更新間隔は短いほうが好ましい。
q=Q1×D1×1/2×84/7
84:炭酸水素ナトリウムの分子量
7:リチウムの原子量
炭酸塩(析出剤)としては、炭酸水素ナトリウム以外に、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムなどがある。表2に、これら炭酸塩の炭酸含有率を示す。なお、炭酸塩または二酸化炭素以外の析出剤として、硫酸塩、硝酸塩などを用いてもよい。
Figure 2011038869
表2に示したように、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸マグネシウムの炭酸含有率が、他の炭酸塩の炭酸含有率よりも高い。すなわち、炭酸塩の使用量(薬品使用量)を少なくするには、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸マグネシウムの使用が適している。炭酸水素ナトリウムと炭酸マグネシウムとを比較するに、炭酸マグネシウムよりも炭酸水素ナトリウムのほうが一般的に安価である。したがい、炭酸マグネシウムよりも炭酸水素ナトリウムのほうが添加する炭酸塩としてより適している。
(固液分離工程)
固液分離工程では、析出工程で析出した炭酸リチウムを固液分離して回収する。反応槽2で十分に攪拌された攪拌液(活物質製造排水)は、固液分離手段3に送られる。当該攪拌液中に析出している炭酸リチウムは固液分離手段3により捕捉されて回収される。
固液分離をろ過装置で行うことにより、安定した固液分離が可能となる。また、固液分離を遠心分離機で行うことにより、ろ過装置の場合に比して安価な固液分離が可能となる。また、固液分離をフィルタープレスで行うことにより、ろ過装置の場合に比して容易にかつ安価に固液分離を行うことができ、かつ安定した固液分離が可能となる。
また、固液分離をろ過装置で行う前に遠心分離機で行ってもよい。遠心分離機で固液分離を行った後、遠心上澄み水をろ過装置でさらに固液分離することにより、ろ過装置の負荷を低減することができ、ろ過装置単体で固液分離する場合に比して、ろ過装置の維持管理費を抑えることができる。
以上説明したように、本発明のリチウム塩の製造方法によると、オフラインでの分析(測定)作業を不要とすることができるとともに濃度測定計器に係る費用も抑えることができ(市販の電気伝導度計を用いればよいため)、リチウム塩を従来に比して容易にかつ安価に製造することができる。また、オンライン測定をすることにより、リチウムイオン濃度に大きな変動があったとしても、析出剤の添加量を容易に最適化することができる。換言すれば、リチウム塩の製造を停止することなく析出剤の添加量を最適化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
上記した実施形態では、濃縮工程で濃縮された活物質製造排水(濃縮液)の電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき析出剤の添加量を制御する例を示したが、濃縮前の活物質製造排水のリチウムイオン濃度D0(mg/L)を電気伝導度計7からの信号から求めて、当該リチウムイオン濃度D0から析出剤の添加量を制御装置4により制御してもよい。
また、濃縮前の活物質製造排水のリチウムイオン濃度D0(mg/L)を電気伝導度計7からの信号から求めて、当該リチウムイオン濃度D0から濃縮後の活物質製造排水のリチウムイオン濃度D1を制御してもよい。
また、本発明において、図2に示す相関式を用いて測定した電気伝導度からリチウムイオン濃度を求めるようにしてもよく、必要に応じて、事前に処理対象となる排水の濃度を変えて、オフライン分析により、それぞれの濃度における電気伝導度とリチウムイオン濃度を測定し、当該排水における電気伝導度とリチウムイオン濃度の相関式を求めておき、この相関式を用いて、当該排水における電気伝導度の測定値からリチウムイオン濃度を求めるようにしても良い。もともと不純物含有量が少ない排水であるため、図2に示す相関式によりリチウムイオン濃度を求めることができるが、排水毎に相関式を求めて、当該相関式を利用することで、より正確に個別の排水中のリチウムイオン濃度を求めることができる。
また、濃縮制御について、電気伝導度計7の後段から経路13の流量計10の前段との間をバイパス経路で接続し、ここに自動弁を設けるようにしても良い。例えば、濃縮液のリチウムイオン濃度D1(mg/L)に基づき、制御装置4はバイパス経路に設けた自動弁の開度を制御する。リチウムイオン濃度D1が所定の値よりも高い場合は自動弁の開度を大側に制御し、所定の値よりも低い場合は開度を小側に制御する。自動弁の開度が大きくなるとバイパス経路を流れる流量が増加し、濃縮されずにバイパスされる流量が増加するのでリチウムイオン濃度D1は低下する。一方、自動弁の開度が小さくなるとバイパス経路を流れる流量が減少し、逆浸透膜装置1の本体1aを通過する流量が増加するのでリチウムイオン濃度D1は上昇する。このように制御することで経路13を流れる濃縮液中のリチウムイオン濃度と流量を略一定に制御することもできる。また、自動弁9も併せて設置し、前記バイパス経路を自動弁9と流量計10の間に接続するようにしてもよい。
上記した実施形態では、析出剤の添加量制御および活物質製造排水の濃縮制御の両方を制御装置4で行う例を示したが、析出剤の添加量制御および活物質製造排水の濃縮制御のうちのいずれか一方のみを制御装置4で行ってもよい。
1:逆浸透膜装置
1a:逆浸透膜装置の本体
1b:高圧ポンプ
2:反応槽
3:固液分離手段
4:制御装置
6、10:流量計
7、11:電気伝導度計
100:リチウム塩の製造装置

Claims (5)

  1. リチウムが溶解した活物質製造排水の電気伝導度を測定し、当該電気伝導度から当該活物質製造排水中のリチウムイオン濃度を算出する、リチウムイオン濃度の測定方法。
  2. リチウムが溶解した活物質製造排水を濃縮する濃縮工程と、
    濃縮された前記活物質製造排水に析出剤を添加してリチウム塩を析出させる析出工程と、
    析出した前記リチウム塩を固液分離して回収する固液分離工程と、
    を備えるリチウム塩の製造方法であって、
    前記活物質製造排水の電気伝導度を測定し、当該電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき前記濃縮工程および前記析出工程のうちの少なくともいずれかを制御する、リチウム塩の製造方法。
  3. 前記析出工程において、前記濃縮工程で濃縮された前記活物質製造排水の電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき前記析出剤の添加量を制御する、請求項2に記載のリチウム塩の製造方法。
  4. 前記濃縮工程において、当該濃縮工程で濃縮された前記活物質製造排水の電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき、当該リチウムイオン濃度が一定となるように活物質製造排水の濃縮を制御する、請求項2または3に記載のリチウム塩の製造方法。
  5. リチウムが溶解した活物質製造排水を濃縮する濃縮手段と、
    濃縮された前記活物質製造排水に析出剤を添加してリチウム塩を析出させる析出手段と、
    析出した前記リチウム塩を固液分離して回収する固液分離手段と、
    前記活物質製造排水の電気伝導度を測定し、当該電気伝導度から算出したリチウムイオン濃度に基づき前記濃縮手段および前記析出手段のうちの少なくともいずれかを制御する制御手段と、
    を備える、リチウム塩の製造装置。
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