JP2009160916A - 流体噴射装置のクリーニング方法、及び流体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターゲットに流体を噴射する複数の噴射ノズル47と、噴射ノズル47へ流体を供給する共通流体室と、を有する噴射ヘッド3を備える流体噴射装置のクリーニング方法である。ターゲットへの流体噴射に先立ち、噴射ノズル47から流体を排出させる予備排出動作を行う予備排出ステップと、予備排出ステップ終了後の各噴射ノズル47における流体の噴射状況を検出する検出ステップと、検査結果に基づいて、噴射ヘッド3のクリーニング時における処理パラメータを決定するパラメータ決定ステップと、処理パラメータに基づき噴射ヘッド3に対してクリーニングを行うクリーニングステップと、を有する。予備排出ステップにおいては、少なくとも共通流体室の容積に相当する流体を噴射する。
【選択図】図4
Description
この構成によれば、不良ノズルの数に応じた最適なクリーニング処理パラメータとして、例えば吸引時の圧力を設定することで、不良ノズルに応じた強さで吸引動作を行うことができる。不良ノズルの数が多ければ、流路中の気泡によるものであると推測できるので気泡を排出する程度に吸引時の圧力を設定し、不良ノズルの数が少なければ、ノズル部での流体メニスカスの破壊などが原因であると推測できるので、ノズル部の流体を吸引する程度に吸引時の圧力を設定する。これにより噴射ノズルから流体が必要以上に吸引されてしまうといった不具合を防止することができ、信頼性の高いクリーニング処理を行うことができる。
また、上記流体噴射装置のクリーニング方法においては、前記検出ステップと前記パラメータ決定ステップの間において、前記検出結果に基づいて、前記噴射ヘッドのクリーニングを行うか否かを決定するクリーニング決定ステップを有するのが好ましい。
この構成によれば、不良ノズルがなければクリーニングを行う必要がなく、噴射ノズルから流体が無駄に吸引されてしまうといった不具合を防止することができる。
この構成によれば、噴射ノズル毎に流体が良好に噴射できるか否かの流体噴射状況を正確に把握することが可能となる。よって、精度の高い検出結果に基づいてクリーニング処理のパラメータが決定されるので、クリーニング時に噴射ノズルから必要以上に流体が吸引されてしまうといった不具合を防止できる。
そして、パルスモータ9を駆動することで、キャリッジ4がガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動するように構成されている。また、上記紙送り機構66は、紙送りモータやこの紙送りモータによって回転駆動される紙送りローラ(いずれ不図示)等から構成され、記録紙を記録(印字・印刷)動作に連動させてプラテン上に順次送り出すようになっている。
導入針ユニット17の上面にはフィルタ21を介在させた状態で2本のインク導入針22が横並びで取り付けられている。これらのインク導入針22には、サブタンク2がそれぞれ装着される。また、導入針ユニット17の内部には、各インク導入針22に対応したインク導入路23が形成されている。
このインク導入路23の上端はフィルタ21を介してインク導入針22に連通し、下端はパッキン24を介してヘッドケース18内部に形成されたケース流路25と連通する。
なお、本実施形態は、2種類のインクを使用する構成であるため、サブタンク2を2つ配設しているが、本発明は3種類以上のインクを使用する構成にも当然に適用されるものである。
また、サブタンク2の下部にはインク導入針22が挿入される針接続部28が下方に向けて突設されている。サブタンク2におけるインク室27は、底の浅いすり鉢形状をしており、その側面における上下中央よりも少し下の位置には、針接続部28との間を連通する接続流路29の上流側開口が臨んでおり、この上流側開口にはインクLを濾過するタンク部フィルタ30が取り付けられている。針接続部28の内部空間にはインク導入針22が液密に嵌入されるシール部材31が嵌め込まれている。
このヘッドケース18の内部には、高さ方向を貫通してケース流路25が設けられている。このケース流路25の上端は、パッキン24を介して導入針ユニット17のインク導入路23と連通するようになっている。
また、ケース流路25の下端は、流路ユニット19内の共通インク室44に連通するようになっている。したがって、インク導入針22から導入されたインクLは、インク導入路23及びケース流路25を通じて共通インク室44側に供給される。
また、共通インク室44は、ケース流路25と連通し、インク導入針22側からのインクLが導入される室である。
そして、この共通インク室44に導入されたインクLは、インク供給口45を通じて各圧力室46に分配供給される。
また、予備フラッシング処理によって多ノズル抜けが誘発されなかった場合、クリーニングは行われないことになる。その後の印字中に気泡が成長し、比較的多くのインク量を使用する高DUTY印字をされたときに多ノズル抜けを発生してしまうのでは意味がない。そこで、予備フラッシング処理によって流すインク量は、印字時にありうる高DUTY印字で流れるインク量より多くし、印字中に気泡が成長しても多ノズル抜けにならないようにする。どの程度インク量を多くするかは、予備フラッシング処理の間隔をどの程度の頻度で設定するかによる。例えば、朝から夜までプリンタを稼動する場合、約1日で気泡が成長する分を見込めばよい。しかし、毎日予備フラッシング処理を行うと、それによって消費されるインク量が多くなり、その分、印字に使うインク量が少なくなってしまう。そこで、タイマにより1週間毎に予備フラッシング動作をするようにし、1週間分の気泡成長分を見込んでインク量を設定すれば、予備フラッシング動作は1週間に1度になり、インク消費量を削減できる。もともと1日での気泡成長は微量であり、インク量として差を確実に出すためにも少なくとも1週間以上が必要となる。なお、印字処理の前に予備フラッシング処理をしないときは、気泡以外の原因で吐出不良がないかを確認するために、従来のような数滴のフラッシングでの吐出検査を行っても良い。
このインクカートリッジ6は、インク供給チューブ34の一端部と連通しており、記録ヘッド3のノズル開口面43aとの水頭差によってインクパック52内のインクLを記録ヘッド3側に供給するように構成されている。具体的には、インクカートリッジ6と記録ヘッド3との重量方向の相対的な位置関係がノズル47のメニスカスに対して極僅かに負圧がかかるような状態に設定されている。
そして、圧電振動子38を駆動することによる圧力変化によって、圧力室46にインクLを供給すると共に、上述したように圧力室46内からインク滴Dを吐出させるようになっている。
続いて、上記インク滴センサ7の構成について詳細に説明する。インク滴センサ7は、図4に示されるように記録ヘッド3のノズル開口面43aと所定ギャップを介して対向するように配置され、ノズル47から吐出されたインクが供給される検出部78を有し、ノズル47から吐出されたインクに応じた検出波形を出力することで各ノズル47におけるインクの吐出状況を検出可能とする検出装置76と、検出装置76から出力された検出波形に基づいて、インクの重量に関する情報を取得する処理装置82とを備える。上記処理装置82は、検出装置76の検出結果に基づき、クリーニング処理のパラメータを決定する機能を有する。
これにより、ノズル基板43と電極部材79との間の電圧は、静電誘導によって生じる誘導電圧により、インク滴Dを吐出しない状態における当初の電圧値よりも高くなる。
その後、図5(b)に示すように、インク滴Dが電極部材79に着弾すると、インク滴Dの負電荷により電極部材79の正電荷が中和される。このため、ノズル基板43と電極部材79との間の電圧は当初の電圧値を下回る。
そして、その後に、ノズル基板43と電極部材79との間の電圧は当初の電圧値に戻る。
したがって、図6に示すように、インク滴センサ7から出力される検出波形は、一旦電圧が上昇した後に、当初の電圧値を下回るまで下降し、その後当初の電圧値に戻る波形となる。
このようにして、インク滴センサ7により各ノズル47からインク滴Dを吐出した際の電圧変化が検出される。
そして、本実施形態のクリーニング処理は、ノズル47からインクを吐出させる予備フラッシング動作を行う予備フラッシングステップと、この予備フラッシングステップ終了後の各ノズル47におけるインクの噴射状況を検出する検出ステップと、この検出結果に基づいて、記録ヘッド3のクリーニング時における処理パラメータを決定する検査ステップと、この処理パラメータに基づき記録ヘッド3に対しクリーニングを行うクリーニングステップと、を含む。
まず、クリーニング処理の準備工程について図8を参照にしながら説明する。この準備工程では、昇降機構(不図示)によってキャップ部材15が下降して、記録ヘッド3がキャップ部材15の上方に位置付けられ、記録ヘッド3のノズル開口面43aと電極部材79とが非接触状態で対向させ、これによりインク滴センサ7が待機状態とされる(ステップS1)。なお、インク滴センサ7を利用しない場合、プリンタ1は通常印字処理状態を継続する(ステップS2)。
例えば、抜けノズルが0〜2個の場合において、抜けノズルが隣接する2ノズルの場合、第一クリーニングパラメータCL1が設定される(ステップS14、ステップS15)。この第一クリーニングパラメータCL1は、一般的な強さの吸引力で吸引ポンプ16を駆動させるもので、ノズル開口のインクメニスカスを回復させたり、ノズル開口部の増粘インクや付着ゴミを除去することができるようノズル近傍のインクを吸引排出する。なお、抜けノズルが隣接しない2個の場合、及び抜けノズルが1個の場合、及び不良ノズルが無い(ゼロ)場合、本実施形態ではこれらを許容し、原則的にはパラメータ決定ステップを行うことなく、クリーニングステップを中止して印字可能状態に戻す(ステップS20)。この理由として、本実施形態に係るプリンタ1は、上述したようにビジネス用途(文書作成)に用いられることから、1個の抜けノズル又は隣接しない2個の抜けノズルの場合、であっても表示品位を大きく損なうといったことはなく問題とならない。よって、本実施形態によれば、実使用上問題とならない場合にまで、クリーニング処理が必要以上に行われてしまうといった不具合の発生を防止している。なお、クリーニングパラメータ設定ステップによりクリーニングを行うかどうかが決められるので、このステップが本願の請求項ではクリーニング決定ステップに相当する。
そこで、本実施形態では、不良ノズルが11〜100個の場合に、第三クリーニングパラメータCL3を設定するようにしている(ステップS17)。この第三クリーニングパラメータCL3は、チョーククリーニングに対応する。チョーククリーニングとは、インク流路の上流側の弁を閉じた状態(チョーク状態)とし、ノズル側から吸引ポンプにより吸引する。そして、記録ヘッド3内を負圧にして気泡を膨張させ、この状態で、弁を開いて高流速にてインクを流して気泡を排出させるものである。例えばフィルタ上に付着した気泡は、第二クリーニングパラメータCL2の吸引力ではフィルタを通過することができない。そこで、チョーククリーニングにより確実に気泡を排出することが可能となる。
また、本実施形態においては、各クリーニング処理において、上記クリーニングステップの後、検出ステップを再度行い、該検出結果に応じてパラメータ決定ステップ及びクリーニングステップを繰り返すようにしている。具体的には、クリーニング後に上記検査ステップを実行し、不良ノズルが検出されなかった場合、クリーニング処理が終了となる。クリーニング処理が失敗した場合、上記検出ステップ、パラメータ決定ステップ、及びクリーニングステップが順に繰り返される。これにより、クリーニングにおける失敗の可否を判定することで信頼性を向上している。なお、上述の吸引動作後、ノズル基板43の表面(即ち、ノズル開口面43a)にワイピング処理を施すようにしてもよい。
例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。
そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置において、噴射される液体(液状体、流状体)が、例えば乾燥等により増粘し吐出不良を引き起こす可能性があれば、本発明を適用することができる。
Claims (5)
- ターゲットに流体を噴射する複数の噴射ノズルと、該噴射ノズルへ前記流体を供給する共通流体室と、を有する噴射ヘッドを備える流体噴射装置のクリーニング方法において、
前記ターゲットへの流体噴射に先立ち、前記噴射ノズルから前記流体を排出させる予備排出動作を行う予備排出ステップと、
該予備排出ステップ終了後の前記各噴射ノズルにおける前記流体の噴射状況を検出する検出ステップと、
該検査結果に基づいて、前記噴射ヘッドのクリーニング時における処理パラメータを決定するパラメータ決定ステップと、
前記処理パラメータに基づき前記噴射ヘッドに対してクリーニングを行うクリーニングステップと、を有し、
前記予備排出ステップにおいては、少なくとも前記共通流体室の容積に相当する前記流体を噴射することを特徴とする流体噴射装置のクリーニング方法。 - 前記検出ステップは、前記流体の噴射不良を引き起こす不良ノズルを検出し、前記パラメータ決定ステップは、前記不良ノズルの数に基づいて前記パラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置のクリーニング方法。
- 前記検出ステップと前記パラメータ決定ステップの間において、前記検出結果に基づいて、前記噴射ヘッドのクリーニングを行うか否かを決定するクリーニング決定ステップを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の流体噴射装置のクリーニング方法。
- 前記検出ステップにおいては、前記噴射ヘッドにおける前記噴射ノズルが形成されたノズル開口面と、該ノズル開口面に対して非接触状態で対向配置される流体受部との間に電界を付与すると共に、前記噴射ノズルから前記流体受部に向けて前記流体を噴射させ、前記流体受部に向けて前記流体を噴射した際の静電誘導に基づく電圧変化により、前記ノズルの噴射状況を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の流体噴射装置のクリーニング方法。
- ターゲットに流体を噴射する複数の噴射ノズルと、該噴射ノズルへ前記流体を供給する共通流体室と、を有する噴射ヘッドを備える流体噴射装置において、
前記ターゲットへの流体噴射に先立ち、前記噴射ノズルから前記流体を排出させる予備排出動作を行う排出装置と、
前記予備排出動作後の前記各噴射ノズルにおける前記流体の噴射状況を検出すると共に、該検出結果に基づいて前記噴射ヘッドに対してクリーニングを行う際の処理パラメータを決定する流体検出部と、
前記フラッシング装置及び前記流体検出部に電気的に接続され、前記処理パラメータに基づいて前記噴射ヘッドに対するクリーニング処理を実行する制御装置と、を備え、
該制御装置は、少なくとも前記共通流体室の容積に相当する量の前記流体を噴射させるように前記予備排出動作を行うことを特徴とする流体噴射装置。
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JP2019084760A (ja) * | 2017-11-07 | 2019-06-06 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射装置、液体噴射装置のメンテナンス方法 |
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