JP2009090630A - 流体噴射装置のフラッシング方法、及び流体噴射装置 - Google Patents

流体噴射装置のフラッシング方法、及び流体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定期フラッシング処理の頻度等を最適化することができる流体噴射装置のフラッシング方法等を提供する。
【解決手段】流体噴射処理中の設定時間間隔毎に、流体噴射ヘッドのノズル開口面に対して非接触状態で対向配置された流体受部に向けて流体噴射ヘッドのノズルから流体を設定滴数噴射してノズルの目詰まりを防止する流体噴射装置のフラッシング方法において、ノズル開口面と流体受部との間に電界を付与する第一工程と、ノズルから流体受部に向けて流体を噴射する第二工程と、流体受部に向けて流体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する第三工程と、電圧変化に基づいて設定時間及び設定滴数の少なくとも一方を変更する第四工程と、を有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、インクジェット式プリンタ等の流体噴射装置におけるフラッシング方法、及び流体噴射装置に関するものである。
流体噴射装置は、流体を液滴として噴射可能な流体噴射ヘッドを備え、この流体噴射ヘッドから各種の流体を噴射する装置である。
流体噴射装置の代表的なものとして、例えば、流体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズル(開口)から流体状のインクをインク滴として記録紙等の吐出対象物に向けて吐出・着弾させてドットを形成することで記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。
また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造装置等、各種の製造装置にも流体噴射装置が応用されている。
このような画像記録装置では、例えば、インクタンクやインクカートリッジ等の流体貯留部に貯留されたインクを記録ヘッドの圧力室内に導入し、例えば圧電振動子等の圧力発生源に駆動信号を印加してこれを駆動することにより、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動を制御することでノズルからインク滴を吐出するようになっている。
記録ヘッドは、圧力発生源に供給する駆動信号の駆動電圧(最低電圧から最高電圧までの電位差)や、その波形に応じて、ノズルから吐出されるインク滴の液量(重量・体積)が増減するようになっている。
そして、流体噴射装置では、記録ヘッドの各ノズルの状態を好適に保ち、常に所望の液量のインク滴が吐出されてドット抜けが発生しないように、記録(印刷)の開始前、途中又は終了後等に、各ノズルからインクを吐出することでノズル内において増粘したインク等を吐出する、いわゆるフラッシング処理が行われている。
特開平10−181047号公報 特開2001−277543号公報 特開2006−123499号公報
従来の技術では、記録(印字・印刷)処理中に定期的に行われる定期フラッシング処理は、一定時間間隔(例えば10秒間隔)で行われるのが一般的である。この際、使用環境から考えられるワースト条件(例えば、高温低湿である摂氏40度(℃)湿度10パーセント(%))においても増粘インクを除去できるように、吐出回数(例えは数十回)が予め設定される。
したがって、実際には殆どインクが増粘していない場合であっても、無駄にインク滴が吐出されており、インクの無駄が多い、また記録処理の効率低下を招いているという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、定期フラッシング処理の頻度等を最適化することができる流体噴射装置のフラッシング方法、及び流体噴射装置を提供することを目的とする。
本発明に係る流体噴射装置のフラッシング方法、及び流体噴射装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
第1の発明は、流体噴射処理中の設定時間間隔毎に、流体噴射ヘッドのノズル開口面に対して非接触状態で対向配置された流体受部に向けて前記流体噴射ヘッドのノズルから流体を設定滴数噴射して前記ノズルの目詰まりを防止する流体噴射装置のフラッシング方法において、前記ノズル開口面と前記流体受部との間に電界を付与する第一工程と、前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射する第二工程と、前記流体受部に向けて流体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する第三工程と、前記電圧変化に基づいて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更する第四工程と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、ノズルから噴射される流体の粘度が変化した場合に、いわゆる定期フラッシング処理の時間間隔(頻度)や定期フラッシング処理における流体噴射回数を変化させることで、流体の粘度に最適な定期フラッシング処理を行うことができる。したがって、無駄な流体噴射を抑制できたり、流体噴射対象に対する流体噴射処理のスループットを向上させたりすることができる。
また、前記第四工程は、非増粘流体を噴射した際に検出される基準電圧波形と前記第三工程で得られた検出電圧波形を比較する比較工程を有することを特徴とする。
これにより、ノズルから噴射される流体の粘度状態を検出することができる。
また、前記比較工程において、最大電圧、流体噴射から電圧変化発生までの時間、電圧変化発生から最大電圧到達までの時間の少なくとも一つ以上を比較することを特徴とする。
これにより、より確実に、ノズルから噴射される流体の粘度状態を検出することができる。
また、前記第四工程は、前記比較工程において得られた比率に応じて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更する変更工程を有することを特徴とする。
これにより、最適な定期フラッシング処理を実現することができる。
また、前記得られた比率が、想定されている比率よりも低い場合には前記設定時間を長く及び前記設定滴数の少なくとも一方を少なく変更し、想定されている比率よりも高い場合には前記設定時間を短く及び前記設定滴数の少なくとも一方を多く変更することを特徴とする。
これにより、ノズルから噴射される流体の粘度状態を、想定されている粘度と同一またはそれよりも低い状態に維持することができる。
また、前記第二工程では、前記流体受部に向けて流体を噴射するノズルとして、前回のフラッシング処理後に流体噴射のなかったノズル又は複数のノズル列のそれぞれの両端に配置されたノズルのうちのいずれかを用いることを特徴とする。
これにより、最も流体が増粘しやすいノズルが基準となるので、ノズル詰まりを確実に防止することができる。
また、前記四工程を複数回行い、これらの第四工程において得られた検出結果が略一定となった場合に、前記第一工程から前記第四工程を行う頻度を少なくすることを特徴とする。
これにより、廃棄する流体の量を抑制できたり、流体噴射対象に対する流体噴射処理のスループットを向上させたりすることができる。
また、前記ノズル開口面と前記流体受部との間に電界を付与する第一予備工程と、前回のフラッシング処理からの時間を計測しつつ前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射する第二予備工程と、前記流体受部に向けて流体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する第三予備工程と、前記電圧変化に基づいて前記流体噴射ヘッドから噴射される流体が所定粘度になるまでの時間を求める検出する第四予備工程と、前記求めた時間を前記設定時間として設定する第五予備工程と、の各工程を、前記流体噴射処理に先だって行うことを特徴とする。
これにより、流体噴射処理の最初から、前記設定時間を最適な値に設定にすることができる。
また、前記第二予備工程では、前記流体噴射ヘッドの各ノズルから時間を異ならせて順々に流体を噴射することを特徴とする。
これにより、流体噴射処理前に、短時間のうちに前記設定時間の最適設定を実現することができる。
第2の発明は、流体噴射処理中の設定時間間隔毎に、流体噴射ヘッドのノズル開口面に対して非接触状態で対向配置された流体受部に向けて前記流体噴射ヘッドのノズルから流体を設定滴数噴射して前記ノズルの目詰まりを防止するフラッシング処理を行う流体噴射装置において、前記ノズル開口面と前記流体受部との間に電界を付与すると共に前記流体噴射ヘッドから流体受部に向けて流体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する流体検出部と、前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射すると共に前記流体検出部の検出結果に基づいて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更するフラッシング処理部と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、ノズルから噴射される流体の粘度が変化した場合に、いわゆる定期フラッシング処理の時間間隔(頻度)や定期フラッシング処理における流体噴射回数を変化させることで、流体の粘度に最適な定期フラッシング処理を行うことができる。したがって、無駄な流体噴射を抑制できたり、流体噴射対象に対する流体噴射処理のスループットを向上させたりすることができる。
また、前記フラッシング処理部は、前記流体噴射ヘッドから非増粘流体を噴射した際に前記流体受部により検出される基準電圧波形と増粘流体を噴射した際に検出される検出電圧波形を比較することを特徴とする。
これにより、ノズルから噴射される流体の粘度状態を検出することができる。
また、前記フラッシング処理部は、最大電圧、流体噴射から電圧変化発生までの時間、電圧変化発生から最大電圧到達までの時間の少なくとも一つ以上を比較することを特徴とする。
これにより、より確実に、ノズルから噴射される流体の粘度状態を検出することができる。
また、前記フラッシング処理部は、得られた比率に応じて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更する変更することを特徴とする。
これにより、最適な定期フラッシング処理を実現することができる。
また、前記フラッシング処理部は、得られた比率が、想定されている比率よりも低い場合には前記設定時間を長く及び前記設定滴数の少なくとも一方を少なく変更し、想定されている比率よりも高い場合には前記設定時間を短く及び前記設定滴数の少なくとも一方を多く変更することを特徴とする。
これにより、ノズルから噴射される流体の粘度状態を、想定されている粘度と同一またはそれよりも低い状態に維持することができる。
また、前記流体受部に向けて流体を噴射するノズルとして、前回のフラッシング処理後に流体噴射のなかったノズル又は複数のノズル列のそれぞれの両端に配置されたノズルのうちのいずれかを用いることを特徴とする。
これにより、最も流体が増粘しやすいノズルが基準となるので、ノズル詰まりを確実に防止することができる。
また、前記フラッシング処理部は、得られた複数の検出結果が略一定となった場合に、前記流体検出部を機能させる頻度を少なくすることを特徴とする。
これにより、廃棄する流体の量を抑制できたり、流体噴射対象に対する流体噴射処理のスループットを向上させたりすることができる。
また、前記フラッシング処理部は、前記流体噴射処理に先だって、前回のフラッシング処理からの時間を計測しつつ前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射させると共に、前記流体検出部の検出結果に基づいて前記ノズルから噴射される流体が所定粘度になるまでの時間を求め、該求めた時間を前記設定時間として設定することを特徴とする。
これにより、流体噴射処理の最初から、前記設定時間を最適な値に設定にすることができる。
また、前記フラッシング処理部は、前記流体噴射ヘッドの各ノズルから時間を異ならせて順々に流体を噴射させることを特徴とする。
これにより、流体噴射処理前に、短時間のうちに前記設定時間の最適設定を実現することができる。
以下、本発明に係る流体噴射装置のフラッシング方法、及び流体噴射装置の実施形態について図を参照して説明する。
本実施形態では、本発明に係る流体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、プリンタ1という)を例示する。
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ1の概略構成を示す一部分解図である。
プリンタ1は、サブタンク2及び記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、プリンタ本体5とから概略構成される。
プリンタ本体5には、キャリッジ4を往復移動させるキャリッジ移動機構65(図5参照)と、不図示の記録紙(流体噴射対象)を搬送する紙送り機構66(図5参照)と、記録ヘッド3の各ノズルから増粘したインクLを吸引するクリーニング動作等に用いられるキャッピング機構14と、記録ヘッド3に供給するインクLを貯留したインクカートリッジ6とが設けられている。
また、プリンタ1は、記録ヘッド3から吐出されるインク滴Dを検出可能なインク滴センサ7(図4,5参照)を備えている。このインク滴センサ7は、記録ヘッド3から吐出されるインク滴Dを帯電させ、この帯電したインク滴Dが飛翔する際の静電誘導に基づく電圧変化を検出信号として出力するように構成されたものである。
このインク滴センサ7の詳細については、後述する。
キャリッジ移動機構65は、プリンタ本体5の幅方向に架設されたガイド軸8と、パルスモータ9と、パルスモータ9の回転軸に接続されてこのパルスモータ9によって回転駆動される駆動プーリー10と、駆動プーリー10とはプリンタ本体5の幅方向の反対側に設けられた遊転プーリー11と、駆動プーリー10と遊転プーリー11との間に掛け渡されてキャリッジ4に接続されたタイミングベルト12と、から構成されている。
そして、パルスモータ9を駆動することで、キャリッジ4がガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動するように構成されている。
また、紙送り機構66は、紙送りモータやこの紙送りモータによって回転駆動される紙送りローラ(いずれ不図示)等から構成され、記録紙を記録(印字・印刷)動作に連動させてプラテン13の上に順次送り出す。
キャッピング機構14は、キャップ部材15、吸引ポンプ16等から構成されている。キャップ部材15は、ゴム等の弾性材をトレイ形状に成型した部材によって構成してあり、ホームポジションに配設されている。このホームポジションは、キャリッジ4の移動範囲内であって記録領域よりも外側の端部領域に設定され、電源オフ時や長時間に亘って記録(流体噴射処理)が行われなかった場合にキャリッジ4が位置する場所である。
ホームポジションにキャリッジ4が位置する場合には、キャップ部材15が記録ヘッド3のノズル基板43(図3参照)の表面(即ち、ノズル開口面43a)に当接して封止する。この封止状態で吸引ポンプを作動させると、キャップ部材15の内部(封止空部)が減圧されて、記録ヘッド3内のインクLがノズル47から強制的に排出される。
また、キャップ部材15は、記録ヘッド3による記録動作前や記録動作中等において、増粘したインクLや気泡等を排出するためにインク滴Dを吐出するフラッシング処理においてインク滴Dを受ける。
図2は記録ヘッド3の構成を説明する断面図、図3は記録ヘッド3の要部断面図である。図4は、記録ヘッド3、インクカートリッジ6及びインク滴センサ7の構成を説明する模式図である。
本実施形態における記録ヘッド3は、導入針ユニット17、ヘッドケース18、流路ユニット19及びアクチュエータユニット20を主な構成要素としている。
導入針ユニット17の上面にはフィルタ21を介在させた状態で2本のインク導入針22が横並びで取り付けられている。これらのインク導入針22には、サブタンク2がそれぞれ装着される。また、導入針ユニット17の内部には、各インク導入針22に対応したインク導入路23が形成されている。
このインク導入路23の上端はフィルタ21を介してインク導入針22に連通し、下端はパッキン24を介してヘッドケース18内部に形成されたケース流路25と連通する。
なお、本実施形態は、2種類のインクを使用する構成であるため、サブタンク2を2つ配設しているが、本発明は3種類以上のインクを使用する構成にも当然に適用されるものである。
サブタンク2は、ポリプロピレン等の樹脂製材料によって成型されている。このサブタンク2には、インク室27となる凹部が形成され、この凹部の開口面に透明な弾性シート26を貼設してインク室27が区画されている。
また、サブタンク2の下部にはインク導入針22が挿入される針接続部28が下方に向けて突設されている。サブタンク2におけるインク室27は、底の浅いすり鉢形状をしており、その側面における上下中央よりも少し下の位置には、針接続部28との間を連通する接続流路29の上流側開口が臨んでおり、この上流側開口にはインクLを濾過するタンク部フィルタ30が取り付けられている。
針接続部28の内部空間にはインク導入針22が液密に嵌入されるシール部材31が嵌め込まれている。このサブタンク2には、図4に示すように、インク室27に連通する連通溝部32′を有する延出部32が形成されており、この延出部32の上面にはインク流入口33が突設されている。
インク流入口33には、インクカートリッジ6に貯留されたインクLを供給するインク供給チューブ34が接続される。従って、インク供給チューブ34を通ってきたインクLは、このインク流入口33から連通溝部32′を通ってインク室27に流入する。
上記の弾性シート26は、インク室27を収縮させる方向と膨張させる方向とに変形可能である。そして、この弾性シート26の変形によるダンパ機能によって、インクLの圧力変動が吸収される。すなわち、弾性シート26の作用によってサブタンク2が圧力ダンパとして機能する。従って、インクLは、サブタンク2内で圧力変動が吸収された状態で記録ヘッド3側に供給される。
ヘッドケース18は、合成樹脂製の中空箱体状部材であり、下端面に流路ユニット19を接合し、内部に形成された収容空部37内にアクチュエータユニット20を収容し、流路ユニット19側とは反対側の上端面にパッキン24を介在した状態で導入針ユニット17を取り付けるようになっている。
このヘッドケース18の内部には、高さ方向を貫通してケース流路25が設けられている。このケース流路25の上端は、パッキン24を介して導入針ユニット17のインク導入路23と連通するようになっている。
また、ケース流路25の下端は、流路ユニット19内の共通インク室44に連通するようになっている。したがって、インク導入針22から導入されたインクLは、インク導入路23及びケース流路25を通じて共通インク室44側に供給される。
ヘッドケース18の収容空部37内に収容されるアクチュエータユニット20は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子38と、この圧電振動子38が接合される固定板39と、プリンタ本体側からの駆動信号を圧電振動子38に供給する配線部材としてのフレキシブルケーブル40とから構成される。各圧電振動子38は、固定端部側が固定板39上に接合され、自由端部側が固定板39の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子38は、所謂片持ち梁の状態で固定板39上に取り付けられている。
また、各圧電振動子38を支持する固定板39は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。そして、アクチュエータユニット20は、固定板39の背面を、収容空部37を区画するケース内壁面に接着することで収容空部37内に収納・固定されている。
流路ユニット19は、振動板(封止板)41、流路基板42及びノズル基板43からなる流路ユニット構成部材を積層した状態で接着剤で接合して一体化することにより作製されており、共通インク室44からインク供給口45及び圧力室46を通りノズル47に至るまでの一連のインク流路(流体流路)を形成する部材である。圧力室46は、ノズル47の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室44は、ケース流路25と連通し、インク導入針22側からのインクLが導入される室である。
そして、この共通インク室44に導入されたインクLは、インク供給口45を通じて各圧力室46に分配供給される。
流路ユニット19の底部に配置されるノズル基板43は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル47を列状に開設した金属製の薄い板材である。本実施形態のノズル基板43は、ステンレス鋼の板材によって作製され、本実施形態においてはノズル47の列(即ち、ノズル列)が、各サブタンク2に対応して合計22列並設されている。そして、1つのノズル列は、例えば、180個のノズル47によって構成される(図7参照)。
ノズル基板43と振動板41との間に配置される流路基板42は、インク流路となる流路部、具体的には、共通インク室44、インク供給口45及び圧力室46となる空部が区画形成された板状の部材である。
本実施形態において、流路基板42は、結晶性を有する基材であるシリコンウェハーを異方性エッチング処理することによって作製されている。振動板41は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板41の圧力室46に対応する部分には、エッチングなどによって支持板を環状に除去することで、圧電振動子38の先端面が接合される島部48が形成されており、この部分はダイヤフラム部として機能する。即ち、この振動板41は、圧電振動子38の作動に応じて島部48の周囲の弾性フィルムが弾性変形するように構成されている。また、振動板41は、流路基板42の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部49としても機能する。このコンプライアンス部49に相当する部分についてはダイヤフラム部と同様にエッチングなどにより支持板を除去して弾性フィルムだけにしている。
そして、上記の記録ヘッド3において、フレキシブルケーブル40を通じて駆動信号が圧電振動子38に供給されると、この圧電振動子38が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部48が圧力室46に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力室46の容積が変化し、圧力室46内のインクLに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル47からインク滴Dが吐出される。
インクカートリッジ6は、図4に示すように、中空箱形状に形成されたケース部材51と、可塑性材料によって形成されたインクパック52とから構成されており、ケース部材51内の収容室にインクパック52を収容している。
このインクカートリッジ6は、インク供給チューブ34の一端部と連通しており、記録ヘッド3のノズル開口面43aとの水頭差によってインクパック52内のインクLを記録ヘッド3側に供給するように構成されている。具体的には、インクカートリッジ6と記録ヘッド3との重量方向の相対的な位置関係がノズル47のメニスカスに対して極く僅かに負圧がかかるような状態に設定されている。
そして、圧電振動子38を駆動することによる圧力変化によって、圧力室46へのインクLの供給と、この圧力室46内のインクLの吐出を行う。
インク滴センサ7は、図4に示すように、ホームポジションに配置された液滴受部としてのキャップ部材15と、このキャップ部材15の内部に設けられた検査領域74と、この検査領域74と記録ヘッド3のノズル基板43との間に電圧を印加する電圧印加回路75と、検査領域74の電圧を検出する電圧検出回路76とから構成される。
キャップ部材15は、上面が開放されたトレイ状の部材であり、エラストマー等の弾性部材により作製されている。このキャップ部材15の内部にはインク吸収体77が配設されている。インク吸収体77は、インクLの保持力が高いものであり、例えば、フェルトなどの不織布によって作製されている。
そして、インク吸収体77の上面には、メッシュ状の電極部材78が配設されている。この電極部材78の表面が検査領域74に相当する。電極部材78は、ステンレス鋼等の金属からなる格子状のメッシュとして形成されている。このため、電極部材78上に着弾したインク滴Dは、格子状の電極部材78の隙間を通って下側に配置された吸収体77に吸収・保持されるようになっている。
電圧印加回路75は、電極部材78が正極となり、記録ヘッド3のノズル基板43が負極となるように直流電源(例えば400V)と抵抗素子(例えば1MΩ)とを介して両者を電気的に接続している。
電圧検出回路76は、電極部材78の電圧信号を増幅して出力する増幅回路81と、この増幅回路81から出力された信号をA/D変換してプリンタコントローラ55側へ出力するA/D変換回路82とを備えている。増幅回路81は、所定の増幅率で電極部材78の電圧信号を増幅して出力するものである。A/D変換回路82は、増幅回路81から出力されたアナログ信号をディジタル信号に変換して、検出信号としてプリンタコントローラ55側に出力するようになっている。
図5はプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図、図6は吐出パルスの構成を説明する図である。
本実施形態におけるプリンタ1は、プリンタコントローラ55と、プリントエンジン56と、インク滴センサ7とで概略構成されている。
プリンタコントローラ55は、ホストコンピュータ等の外部装置からの印刷データ等が入力される外部インタフェース(外部I/F)57と、各種データ等を記憶するRAM58と、各種制御のための制御プログラム等を記憶したROM59と、ROM59に記憶されている制御プログラムに従って各部の統括的な制御を行う制御部60と、クロック信号を発生する発振回路61と、記録ヘッド3へ供給する駆動信号を発生する駆動信号発生回路62と、印刷データをドット毎に展開することで得られた吐出データや駆動信号等を記録ヘッド3に出力するための内部インタフェース(内部I/F)63と、を備えている。
プリントエンジン56は、記録ヘッド3と、キャリッジ移動機構65と、紙送り機構66とから構成されている。
記録ヘッド3は、吐出データがセットされるシフトレジスタ67と、シフトレジスタ67にセットされた吐出データをラッチするラッチ回路68と、ラッチ回路68からの吐出データを翻訳してパルス選択データを生成するデコーダ69と、電圧増幅器として機能するレベルシフタ70と、圧電振動子38に対する駆動信号の供給を制御するスイッチ回路71と、圧電振動子38とを備えている。
制御部60は、外部装置から送信された印刷データをドットパターンに対応した吐出データに展開して記録ヘッド3に送信する。そして、記録ヘッド3では、受信した吐出データに基づき、インク滴Dの吐出が行われるようになっている。
また、制御部60は、ROM59に記憶されたフラッシング条件に基づいてフラッシング処理を実施させるフラッシング処理部としても機能する。フラッシング処理は、記録ヘッド3の各ノズル47内から増粘したインクLや気泡を排出することでノズル詰まりを防止する処理であって、各ノズル47からキャップ部材15に向けて所定回数のインク滴Dの吐出を行う。
フラッシング処理としては、プリンタ1に電源が投入されて記録ヘッド3による記録動作を開始する前に行われる、いわゆる印字開始前フラッシングがある。印字開始前フラッシングにおいては、例えば、全てのノズル47から3000〜5000回のインク滴Dの吐出を行うように設定されている。なお、フラッシング条件は、ROM59に記憶される。
印字開始前フラッシングにおける吐出回数としては、プリンタ1への電源投入が数ヶ月間行われなかった場合(最悪の条件)を想定し、その場合であっても全てのノズル47から増粘したインクLを排出することでノズル詰まりを解消できる程度の吐出回数が設定されている。
なお、上述した吐出回数(フラッシング条件)は、プリンタ1に電源が投入された際に設定される初期値であって、実際にフラッシング処理が行われる際には、最適な吐出回数となるよう変更されるようになっている。
また、印字開始前フラッシングの他には、記録ヘッド3による記録動作中に行われる、いわゆる定期フラッシングがある。更に、記録ヘッド3に向けて記録紙を供給する際に行われる給紙時フラッシング及び記録紙を排出した直後に行われる排紙時フラッシングがある。
定期フラッシング、給紙時フラッシング及び排紙時フラッシングにおいては、吐出回数(フラッシング条件)の初期値は、数十回〜数百回程度(例えば、144回)に設定されている。
また、定期フラッシングの場合には、定期フラッシング処理を行う時間間隔(定期フラッシング時間間隔)も予めフラッシング条件として設定される。初期値としては、例えば10秒等である。
駆動信号発生回路62は、記録ヘッド3の圧電振動子38に供給する吐出パルスの電圧値の変化量を示すデータと吐出パルスの電圧を変化させるタイミングを規定するタイミング信号とが入力され、これらのデータ及びタイミング信号に基づいて、例えば、図6に示すような吐出パルスDPを含む駆動信号を発生する。
吐出パルスDPは、基準電位VMから最高電位VHまで比較的穏やかな勾配で電位を上昇させる第1充電要素PE1と、最高電位VHを一定の時間維持する第1ホールド要素PE2と、最高電位VHから最低電位VLまで急峻な勾配で電位を降下させる放電要素PE3と、最低電位VLを短い時間維持する第2ホールド要素PE4と、最低電位VLから基準電位VMまで電位を復帰させる第2充電要素PE5とにより構成されている。
そして、この吐出パルスDPは、ノズル47から吐出されるインク滴Dの液量が設計液量に一致するような駆動電圧VD(最高電位VHと最低電位VLとの電位差)に設定されている。なお、勿論、吐出パルスDPは、例示した波形のものには限られず、種々の波形のものを用いることができる。
上記吐出パルスDPを圧電振動子38に印加すると、次のようにしてインク滴Dが吐出される。即ち、第1充電要素PE1が供給されると、圧電振動子38が収縮して圧力室46が膨張する。この圧力室46の膨張状態が極く短い間維持された後、放電要素PE3が印加されて圧電振動子38が急激に伸長する。これに伴って、圧力室46の容積が基準容積(圧電振動子38に基準電位VMを印加したときの圧力室46の容積)以下に収縮し、ノズル47に露出したメニスカスが外側に向けて急激に加圧される。これにより、所定の液量のインク滴Dがノズル47から吐出される。その後、第2ホールド要素PE4及び第2充電要素PE5が圧電振動子38に順次供給され、インク滴Dの吐出に伴うメニスカスの振動を短時間で収束させるべく、圧力室46が基準容積に復帰する。
図7は、ノズル開口面43aに形成されたノズル47を示す模式図である。
ノズル開口面43aには、6列×180個のノズル47(合計1080個)が形成されている。なお、ノズル列をA〜Fで、ノズル列におけるノズル番号を1〜180で示す。
1080個のノズル47は、全てインク滴Dを吐出可能に構成されている。このうち、各ノズル列A〜Fの両端(#1,#180)に位置するノズル47(#A1,A180,B1,B180・・・F1,F180:以下、これらを対象ノズル47Xと呼ぶ)からインク滴センサ7(キャップ部材15)に向けて吐出されたインク滴D(各対象ノズル47Xから1滴づづ)により、インク滴Dの増粘状態が検出される。
対象ノズル47Xから吐出されるインク滴DによりインクLの増粘状態を検出するのは、対象ノズル47Xが全てのノズル47のうちで最もインクLが増粘(乾燥)しやすいからである。
ノズル開口面43aの中心領域では、その周りに他のノズル47(インクLのメニスカス)が多数存在するので湿度が高くなり乾燥しづらいが、外周側領域では、対象ノズル47Xよりも外側に他のノズル47が存在しないので、中心領域等に比べて湿度が低くなって乾燥しやすくなる。
以上の構成を備えるプリンタ1は、記録紙に対する記録(印字・印刷)処理中に、所定時間毎にフラッシング処理(定期フラッシング処理)を行うようになっている。
この定期フラッシング処理を行う際には、まず、対象ノズル47XにおけるインクL(インク滴D)の増粘状態を検出する。その検出結果に基づいて、定期フラッシング処理のフラッシング条件(定期フラッシング処理を行う時間間隔、定期フラッシング処理の際に各ノズル47から吐出する液滴数)を変更する。
そして、その後に、全てのノズル47からインク滴Dを連続吐出(フラッシング処理)するように制御される。
以下、定期フラッシング処理を行う場合について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係るフラッシング方法、すなわちインク滴センサ7を用いたフラッシング処理を説明するフローチャートである。
図9は、静電誘導によって誘導電圧が生じる原理を説明する模式図であり、(a)はインク滴Dが吐出された直後の状態を示す図、(b)はインク滴Dがキャップ部材15の検査領域74に着弾した状態を示す図である。
図10は、インク滴センサ7から出力される検出信号の波形の一例を示す図である。
図11は、フラッシング条件の変更内容を示す対応テーブルである。
まず、外部装置から印刷データが送信されると、制御部60は、ドットパターンに対応した吐出データに展開して記録ヘッド3に送信する。そして、記録ヘッド3では、受信した吐出データに基づき、記録(印字・印刷)処理、すなわち記録紙に対するインク滴Dの吐出(流体噴射処理)を実行する(ステップS1)。
そして、記録処理中に、予め設定されている時間(設定時間:定期フラッシング処理を行う時間間隔)が経過すると(ステップS2)、記録処理を中断して定期フラッシング処理を開始する。
定期フラッシング処理では、まず、ノズル47から吐出されるインク滴D(インクL)の増粘状態の検出を行うか否かを判断する(ステップS3)。初期設定(記録処理開始時)では、増粘状態の検出を行うように予め設定されており、所定の条件が満たされた場合にのみ増粘状態の検出を行わないようになっている。
増粘状態の検出を行う場合には、キャリッジ4を駆動して、記録ヘッド3をホームポジションに移動させて、キャップ部材15の上方に位置づける。そして、不図示の昇降機構によってキャップ部材15を上昇させて、記録ヘッド3のノズル開口面43aと検査領域74(電極部材78)とを非接触状態で近接対向させる(ステップS4)。
そして、電圧印加回路75によって、ノズル基板43と電極部材78との間に電圧が印加される(ステップS5)。
そして、ノズル基板43と電極部材78との間に電圧が印加した状態で、吐出パルスDPを用い、対象ノズル47Xの圧電振動子38を駆動させて、対象ノズル47Xのうちの任意の一つのノズル(例えば、#A1)からインク滴Dを吐出する(ステップS6)。
この際、ノズル基板43は負極となっているため、図9(a)に示すように、ノズル基板43の一部の負電荷がインク滴Dに移動し、吐出されたインク滴Dは負に帯電する。そして、このインク滴Dがキャップ部材15の検査領域74に対して近づくに連れ、静電誘導によって検査領域74(電極部材78の表面)では正電荷が増加する。
これにより、ノズル基板43と電極部材78との間の電圧は、静電誘導によって生じる誘導電圧により、インク滴Dを吐出しない状態における当初の電圧値よりも高くなる。
その後、図9(b)に示すように、インク滴Dが電極部材78に着弾すると、インク滴Dの負電荷により電極部材78の正電荷が中和される。このため、ノズル基板43と電極部材78との間の電圧は当初の電圧値を下回る。
そして、その後に、ノズル基板43と電極部材78との間の電圧は当初の電圧値に戻る。
したがって、図10に示すように、インク滴センサ7から出力される検出波形は、一旦電圧が上昇した後に、当初の電圧値を下回るまで下降し、その後当初の電圧値に戻る波形となる。
このようにして、インク滴センサ7により、対象ノズル47Xからインク滴Dを吐出した際の電圧変化が検出される(ステップS7)。
ところが、インク滴Dが増粘している場合には、同一の吐出パルスDPを用いたとしても、正常時(非増粘時)に比べて、吐出量(液量)が減少したり、インク滴Dの吐出タイミングが遅れたり、インク滴Dの吐出速度が低下したりしてしまう。
このため、図10に示すように、非増粘時の検出信号(基準電圧波形Z0)に比べて、増粘時の検出信号(検出電圧波形Z1,Z2)は、波形の振幅や波形変化のタイミングが異なったものとなる。
なお、基準電圧波形Z0は、あらかじめ非増粘時の検出信号を記憶させておいてもよいし、図示しない吸引手段によってノズル47から増粘インクを吸引した後のインク噴射時における検出信号をその都度記憶させてもよく、非増粘時の検出信号であれば、他の方法でもよい。
具体的には、増粘により吐出量(液量)が減少すると、インク滴センサ7から出力される検出電圧波形Z1,Z2の最大電圧E1,E2は、基準電圧波形Z0の最大電圧E0に比べて小さくなる。
また、増粘によりインク滴Dの吐出タイミングが遅れると、吐出パルスDPを印加して(時間0)からインク滴Dがノズル基板43から離間する(電圧変化発生)までの時間t1,t2も、非増粘時の時間t0に比べて遅れる。
更に、増粘によりインク滴Dの吐出速度が低下すると、インク滴Dを吐出して(電圧変化発生:時間t0,t1,t2)から着弾する(最大電圧到達:時間t01,t11,t21)までの時間△t1,△t2も、非増粘時の時間△t0に比べて長くなる。
したがって、インク滴センサ7から出力される検出電圧波形Z1,Z2を基準電圧波形Z0と比較することで、インクL(インク滴D)の増粘状態を把握することができる。
具体的には、基準電圧波形Z0に対する検出電圧波形Z1,Z2の差分比率を求める。検出電圧波形Z1を例にして説明すると、
比率RE=(E1−E0)/E0
比率Rt=(t1−t0)/t0
比率R△t=(△t1−△t0)/△t0
を求める。
なお、この3つの比率の全てを求めるのが好ましいが、必須条件ではなく、任意の比率のみを求めても良い。インクLの種類に応じて、検出精度を確保しやすいものを選択すればよい。
このようにして、対象ノズル47XのインクLの増粘状態を求めることができる(ステップS8)。
上述したように、記録ヘッド3には、対象ノズル47Xが全部で12個(6列×2個)存在するので、各対象ノズル47Xから順々にインク滴Dを一滴ずつインク滴センサ7に向けて吐出することで、全ての対象ノズル47XにおけるインクLの増粘状態を求めてもよい。
全ての対象ノズル47XにおけるインクLの増粘状態を求めた場合には、そのうちで最も増粘しているインクL(インク滴D)を選択し、最悪の増粘状態であるインクLの情報をその後の処理に用いるようにする。
ところで、定期フラッシングの頻度(定期フラッシング時間間隔)や、定期フラッシング時における各ノズル47からの吐出滴数は、ノズル47内のインクLの増粘状態が最も悪い場合を想定して、予め設定されている。
しかし、実際のインクLの増粘状態は、最悪の状態に至っていない場合が殆どである。このため、実際のインクLの増粘状態を検出し、検出した増粘状態に応じて、定期フラッシング時間間隔や吐出滴数等のフラッシング条件を変更することで、定期フラッシング処理により捨てられてしまうインクLの量を最小限に抑えることが可能となる。
そこで、ステップS8において求められた各対象ノズル47XのインクLの増粘状態のうち、最も増粘していたインクLの増粘状態に応じて、フラッシング条件を変更する(ステップS9)。
フラッシング条件の変更内容を決定する方法としては、図11に示す対応テーブルをROM59に予め記憶しておき、ステップS8において求められた差分比率(比率RE、比率Rt、比率R△t)の大きさに応じて、定期フラッシング時間や吐出滴数を増減する。なお、図11に示す対応テーブルの具体的数値は、例示である。
そして、フラッシング条件が変更されると、新たなフラッシング条件に基づいて、全てのノズル47からインク滴Dを同時に連続的に吐出するフラッシング処理が行われる(ステップS10)。
そして、定期フラッシング処理が完了すると、再び記録処理に戻る。記録処理では、記録処理が完了するか否か(ステップS10)、定期フラッシング処理を行うか否か(ステップS2)の判断を繰り返し行う。つまり、この間に、定期フラッシング処理(ステップS3〜S10)は複数回行われる。
上述したように、定期フラッシング時間(設定時間)や吐出滴数(設定滴数)は、インクLが想定された最悪の増粘状態であっても、増粘したインクLを除去できるような値に予め設定されている。例えば、設定時間は10秒程度、設定滴数は30滴程度に設定されている。
インクカートリッジ6を交換した直後のように、インクLの増粘が殆どない場合には、ステップS8において求められる差分比率(比率RE、比率Rt、比率R△t)は例えば5%未満となる。したがって、ステップS9において、設定時間が10.5秒に延長され、設定滴数が29滴に減少される。
時間の経過に伴って、インクLの粘度が上昇した場合であっても、ステップS8において求められる差分比率が5%未満の場合には、設定時間は徐々に延長され、例えば、数分程度にまで徐々に延長可能となっている。また、設定滴数も徐々に減少して、最小の1滴まで減少可能となっている。
更にインクLの粘度が上昇して、ステップS8において求められる差分比率が、例えば5%以上〜10%未満となると、ステップS9における設定時間・設定滴数の変更はなく、直前の設定時間・設定滴数がそのまま維持される。つまり、直前の設定時間,設定滴数が、例えば、22.5秒,5滴となっていたら、次に求められる差分比率が例えば5%以上〜10%未満である限り、その設定は維持される。
そして更にインクLの粘度が上昇して、ステップS8において求められる差分比率が10%以上となると、ステップS9において、設定時間を0.5秒短縮し、設定滴数を1滴増加させる。
このようにして、インクLの増粘状態に応じて定期フラッシング処理のフラッシング条件変更(定期フラッシング時間・吐出滴数)を変化させる。
なお、差分比率が5%以上〜10%未満の場合に、設定時間・設定滴数が維持されるようになっているのは、求められる差分比率が5%以上〜10%未満の間に収束することが経験的に推定されているからである。この5%〜10%が、本発明における「想定されている比率」であり、この比率内であれば、定期フラッシング処理により増粘状態を解消でき、インクの消費量も少なく、かつ、増粘により印字・印刷の品質が劣ることがなく、良好な印字・印刷を継続できる。
したがって、ステップS8において求められる差分比率が、5%以上〜10%未満の状態が所定時間続くようになったら、インクLの増粘検出・フラッシング条件変更の処理(ステップS4〜S9)を行う頻度を減らしても良い。つまり、定期フラッシング処理毎に、インクLの増粘検出・フラッシング条件変更を行うことなく、例えば、定期フラッシング処理の5回に1回程度の割合で、インクLの増粘検出・フラッシング条件変更の処理(ステップS4〜S9)を行うように変更してもよい。
定期フラッシング処理の際に、インクLの増粘検出・フラッシング条件変更の処理(ステップS4〜S9)を行うか否かの判断は、ステップS3にて行われる。
以上のように、本実施形態のプリンタ1のフラッシング方法によれば、最悪の状態ではなく想定される粘度状態に適したフラッシング条件により定期フラッシング処理を行うことが可能となる。
すなわち、従来の定期フラッシング処理では、最もインクLが増粘した状態(例えば差分比率が10%以上の増粘状態)を想定したフラッシング条件に基づいて行われていたが、本実施形態のプリンタ1では、ノズル47から吐出されるインク滴D(インクL)の粘度が変化した場合に、定期フラッシング処理の時間間隔(設定時間)や定期フラッシング処理における吐出滴数(設定滴数)を変化させるので、インクLの粘度に最適な定期フラッシング処理を行うことができる。
したがって、ノズル詰まりの発生を確実に回避しつつ、無駄なフラッシング処理により捨てられてしまうインクLの量を抑制できたり、定期フラッシング処理の頻度等の低減に伴って記録処理のスループットを向上させたりすることができる。
なお、上記実施形態では、フラッシング条件として、定期フラッシング処理の時間間隔と吐出滴数の両方を変更(最適化)する場合について説明したが、いずれか一方のみであってもよい。
また、吐出パルスDPを変更するようにしてもよい。つまり、吐出パルスDPは、初期値として、記録(印字・印刷)処理時の吐出パルスDPが設定される。そして、フラッシング処理において対象ノズル47Xから吐出されるインク滴Dの増粘状態(インク滴センサ7の検出信号)に応じて吐出パルスDPの駆動電圧VDを変更する(上述のステップS9)。ステップS8で求められる差分比率が5%以上〜10%未満の場合には、駆動電圧VDを小さく変更し、10%以上の場合には、駆動電圧VDを大きくするよう変更する。
これにより、定期フラッシング処理時に捨てられてしまうインクLの量を最小限に抑えることができる。また、ノズル詰まりの発生も防止できる。
次に、記録処理(流体噴射処理)に先だって、定期フラッシング処理の時間間隔を予め最適化する処理について説明する。
図12は、本発明の第二実施形態に係るフラッシング方法、すなわちインク滴センサ7を用いたフラッシング処理を説明するフローチャートである。
図8に示したフラッシング方法では、定期フラッシング処理の時間間隔は、予め設定時間は10秒程度に設定されていた。一方、図12に示すフラッシング方法では、この設定時間を記録処理に先だって最適化するようにしている。
すなわち、電源投入後或いは長時間に亘って非記録(印刷)状態であった後に、外部装置から印刷データが送信されると、制御部60は、記録処理に先だって、以下に示す設定時間の最適化設定処理を行う。
まず、設定時間の最適化設定処理では、記録ヘッド3をキャップ部材15の上方に位置づけ、記録ヘッド3のノズル開口面43aと検査領域74(電極部材78)とを非接触状態で近接対向させる(ステップS21)。
次に、記録ヘッド3の全てのノズル47からキャップ部材15に向けてインク滴Dを所定回数吐出して、増粘したインクLを排出する印字前フラッシング処理を行う。そして、この印字前フラッシング処理が完了したと同時に、制御部60内のタイマにより計時を開始する(ステップS22)。
そして、電圧印加回路75によって、ノズル基板43と電極部材78との間に電圧が印加され(ステップS23)、電圧が印加した状態で、吐出パルスDPを用いて任意の一つのノズル47の圧電振動子38を駆動させてノズル47からインク滴Dを吐出する(ステップS24)。
ステップS24では、制御部60内のタイマにより計時を開始した直後から、全てのノズル47のうちの任意の一つ(対象ノズル47Xに限らない)から、インク滴Dを一滴ずつ、一定の時間間隔で順々に吐出する。
例えば、ノズル47の#A1,#A2,#A3・・・の順番に、0.5秒間隔で、インク滴Dを一滴ずつ吐出する。つまり、ノズル47#A1からは印字前フラッシング処理が完了から0.5秒後に、#A2からは印字前フラッシング処理が完了から1.0秒後に、#A3からは印字前フラッシング処理が完了から1.5秒後に、インク滴Dを一滴ずつ吐出する。この際の時間計測は、制御部60内のタイマにより行われる。
このようにして、インク滴センサ7からは、インク滴D毎の電圧波形Zが得られる(ステップS25)。
印字前フラッシング処理完了直後は、ノズル47内のインクL(インク滴D)は非増粘(正常時)となっている。つまり、インク滴センサ7からは、上述した基準電圧波形Z0が得られる。
ところが、印字前フラッシング処理完了から例えば10秒以上経過すると、非吐出のノズル47内のインクLの粘度が徐々に上昇するので、ノズル47#A20等から吐出されたインク滴Dによるインク滴センサ7の検出電圧波形は、増粘時の波形(例えば、検出電圧波形Z1,Z2等)となる。
このようにして、印字前フラッシング処理からの経過時間を計測しつつ、ノズル47から吐出されたインク滴D(インクL)の増粘状態が検出される(ステップS26)。
言い換えれば、ノズル47から吐出されたインク滴D(インクL)の増粘状態が、所定の増粘状態(例えば差分比率が5〜10%)となるまでの所要時間が求められる。なお、差分比率の算出は、ステップS8と同一である。
したがって、インク滴D(インクL)の増粘状態、すなわち差分比率が例えば7%になるまでの時間を計測し、この時間をフラッシング条件の定期フラッシング時間(設定時間)として設定する(ステップS28)。
例えば、ノズル47#A40からのインク滴Dが、差分比率7%となった場合には、定期フラッシング時間として20.0秒が設定される。
このように、記録処理の開始に先だって、インク滴D(インクL)の増粘状態が所定状態となるまでの経過時間を計測しその時間を定期フラッシング時間として設定するので、記録処理の最初から定期フラッシング時間を最適な設定とすることができる。したがって、上述したステップS3〜S9では、その後の環境変化(温度変化等)に対応すれば足りることになり、更に効率的な記録処理・定期フラッシング処理が実現可能となる。
また、印字前フラッシング処理直後から、任意のノズル47から、インク滴Dを一滴ずつ、一定の時間間隔で順々に吐出するので、短時間のうちに定期フラッシング時間の最適設定を実現することができる。
なお、上記実施形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明はこれに限定されるものではない。特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、定期フラッシングの場合について説明したが、これに限らず、他のフラッシング処理であってもよい。記録(印字・印刷)開始前に行われる印字開始前フラッシング、給紙時や排紙時に行われる給紙時フラッシング処理、排紙時フラッシング処理においても、本発明を適用することができる。
上記実施形態においては、複数の対象ノズル47Xのうち最もインクLが増粘しているものを選択して、その後の処理(フラッシング条件の変更)を行う場合ついて説明したが、これに限らない。
各ノズル列A〜F毎に、フラッシング条件を変更するようにしてもよい。ノズル列毎に異なるインク(例えば、6色分のカラーインク)を吐出する場合には、そのインクの種類に合わせて最適なフラッシング処理を行うことが可能となる。色毎にインクの組成が異なるため、増粘状態も色毎に異なってしまう。したがって、ノズル列毎にフラッシング条件を最適化することで、複数のインクを吐出する場合であっても、捨てられてしまうインクの量を最小限に抑えつつ、ノズル詰まりの発生も防止可能となる。
また、上記実施形態では、各ノズル列A〜Fの両端のノズル47を対象ノズル47Xとする場合について説明したが、これに限らない。
例えば、直前の定期フラッシング処理の後に一滴もインク滴Dを吐出していないノズル47が存在する場合には、そのノズル47を対象ノズルにしてもよい。つまり、定期フラッシング処理毎に対象ノズルが変更される場合であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明における液滴受部として、キャッピング機構14のキャップ部材15を用いる構成を例示したが、これには限らず、吐出検査専用に独立した液滴受部を設けるようにしても良い。
また、上記実施形態では、電極部材78が正極、記録ヘッド3のノズル基板43が負極となるように両者を電気的に接続した例を示したが、両者の正負を逆転させる構成とすることも可能である。
また、上記実施形態では、本発明における圧力発生源として所謂縦振動モードの圧電振動子38を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、電界方向(圧電体と内部電極との積層方向)に振動可能な圧電振動子であってもよい。また、ノズル列毎にユニット化されているものに限らず、所謂撓み振動モードの圧電振動子のように、圧力室46毎に設けられるものであってもよい。さらに、圧電振動子に限らず、発熱素子等の他の圧力発生素子を用いることもできる。
上記実施形態では、流体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(記録装置)に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の流体(機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に具体化することもできる。
例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置であってもよい。
そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置において、噴射される流体(液体、液状体、流状体)が、乾燥等により増粘する可能性があれば、本発明を適用することができる。
本発明の実施形態に係るプリンタの構成を説明する図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。 記録ヘッド、インクカートリッジ、インク滴センサの構成を説明する模式図である。 プリンタの電気的構成を説明するブロック図である。 吐出パルスの構成を説明する図である。 ノズル開口面に形成されたノズルを示す模式図である。 本発明の実施形態に係るフラッシング方法を説明するフローチャートである。 静電誘導によって誘導電圧が生じる原理を説明する模式図であり、(a)はインク滴が吐出された直後の状態を示す図、(b)はインク滴がキャップ部材の検査領域に着弾した状態を示す図である。 インク滴センサから出力される検出信号の波形の一例を示す図である。 フラッシング条件の変更内容を示す対応テーブルである。 本発明の第二実施形態に係るフラッシング方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
1…プリンタ(流体噴射装置)、 3…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、 7…インク滴センサ(流体検出部)、 14…キャッピング機構、 15…キャップ部材(流体受部)、 43…ノズル基板、 43a…ノズル開口面、 47…ノズル、 47X…対象ノズル、 55…プリンタコントローラ、 60…制御部(フラッシング処理部)、 L…インク(流体)、 D…インク滴(流体)、 Z0…基準電圧波形、 Z1,Z2…検出電圧波形、 E0,E1,E2…最大電圧、 t0,t01,t1,t11,t2,t21…時間、 RE,Rt,R△t…比率

Claims (18)

  1. 流体噴射処理中の設定時間間隔毎に、流体噴射ヘッドのノズル開口面に対して非接触状態で対向配置された流体受部に向けて前記流体噴射ヘッドのノズルから流体を設定滴数噴射して前記ノズルの目詰まりを防止する流体噴射装置のフラッシング方法において、
    前記ノズル開口面と前記流体受部との間に電界を付与する第一工程と、
    前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射する第二工程と、
    前記流体受部に向けて流体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する第三工程と、
    前記電圧変化に基づいて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更する第四工程と、
    を有することを特徴とする流体噴射装置のフラッシング方法。
  2. 前記第四工程は、非増粘流体を噴射した際に検出される基準電圧波形と前記第三工程で得られた検出電圧波形を比較する比較工程を有することを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  3. 前記比較工程において、最大電圧、流体噴射から電圧変化発生までの時間、電圧変化発生から最大電圧到達までの時間の少なくとも一つ以上を比較することを特徴とする請求項2に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  4. 前記第四工程は、前記比較工程において得られた比率に応じて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更する変更工程を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  5. 前記得られた比率が、想定されている比率よりも低い場合には前記設定時間を長く及び前記設定滴数の少なくとも一方を少なく変更し、想定されている比率よりも高い場合には前記設定時間を短く及び前記設定滴数の少なくとも一方を多く変更することを特徴とする請求項4に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  6. 前記第二工程では、前記流体受部に向けて流体を噴射するノズルとして、前回のフラッシング処理後に流体噴射のなかったノズル又は複数のノズル列のそれぞれの両端に配置されたノズルのうちのいずれかを用いることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  7. 前記四工程を複数回行い、これらの第四工程において得られた検出結果が略一定となった場合に、前記第一工程から前記第四工程を行う頻度を少なくすることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  8. 前記ノズル開口面と前記流体受部との間に電界を付与する第一予備工程と、
    前回のフラッシング処理からの時間を計測しつつ前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射する第二予備工程と、
    前記流体受部に向けて流体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する第三予備工程と、
    前記電圧変化に基づいて前記流体噴射ヘッドから噴射される流体が所定粘度になるまでの時間を求める検出する第四予備工程と、
    前記求めた時間を前記設定時間として設定する第五予備工程と、
    の各工程を、前記流体噴射処理に先だって行うことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  9. 前記第二予備工程では、前記流体噴射ヘッドの各ノズルから時間を異ならせて順々に流体を噴射することを特徴とする請求項8に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  10. 流体噴射処理中の設定時間間隔毎に、流体噴射ヘッドのノズル開口面に対して非接触状態で対向配置された流体受部に向けて前記流体噴射ヘッドのノズルから流体を設定滴数噴射して前記ノズルの目詰まりを防止するフラッシング処理を行う流体噴射装置において、
    前記ノズル開口面と前記流体受部との間に電界を付与すると共に前記流体噴射ヘッドから流体受部に向けて流体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する流体検出部と、
    前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射すると共に前記流体検出部の検出結果に基づいて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更するフラッシング処理部と、
    を備えることを特徴とする流体噴射装置。
  11. 前記フラッシング処理部は、前記流体噴射ヘッドから非増粘流体を噴射した際に前記流体受部により検出される基準電圧波形と増粘流体を噴射した際に検出される検出電圧波形を比較することを特徴とする請求項10に記載の流体噴射装置。
  12. 前記フラッシング処理部は、最大電圧、流体噴射から電圧変化発生までの時間、電圧変化発生から最大電圧到達までの時間の少なくとも一つ以上を比較することを特徴とする請求項11に記載の流体噴射装置。
  13. 前記フラッシング処理部は、得られた比率に応じて前記設定時間及び前記設定滴数の少なくとも一方を変更する変更することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の流体噴射装置。
  14. 前記フラッシング処理部は、得られた比率が、想定されている比率よりも低い場合には前記設定時間を長く及び前記設定滴数の少なくとも一方を少なく変更し、想定されている比率よりも高い場合には前記設定時間を短く及び前記設定滴数の少なくとも一方を多く変更することを特徴とする請求項13に記載の流体噴射装置のフラッシング方法。
  15. 前記流体受部に向けて流体を噴射するノズルとして、前回のフラッシング処理後に流体噴射のなかったノズル又は複数のノズル列のそれぞれの両端に配置されたノズルのうちのいずれかを用いることを特徴とする請求項10から請求項14のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  16. 前記フラッシング処理部は、得られた複数の検出結果が略一定となった場合に、前記流体検出部を機能させる頻度を少なくすることを特徴とする請求項10から請求項15のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  17. 前記フラッシング処理部は、前記流体噴射処理に先だって、前回のフラッシング処理からの時間を計測しつつ前記流体噴射ヘッドから前記流体受部に向けて流体を噴射させると共に、前記流体検出部の検出結果に基づいて前記ノズルから噴射される流体が所定粘度になるまでの時間を求め、該求めた時間を前記設定時間として設定することを特徴とする請求項10から請求項16のうちいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  18. 前記フラッシング処理部は、前記流体噴射ヘッドの各ノズルから時間を異ならせて順々に流体を噴射させることを特徴とする請求項17に記載の流体噴射装置。
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