JP2018047587A - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、吐出異常に起因する画質の低下を防止するために、吐出部における液体の吐出状態を判定する吐出状態判定処理に係る技術が提案されている。
本実施形態では、インク(「液体」の一例)を吐出して記録用紙P(「媒体」の一例)に画像を形成するインクジェットプリンターを例示して、液体吐出装置を説明する。
図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成の一例を示す機能ブロック図である。また、図2は、インクジェットプリンター1の概略的な内部構造の一例を示す斜視図である。
本実施形態では、図1に例示するように、ヘッドモジュールHMが、4個のヘッドユニットHUを備え、判定モジュールCMが、4個のヘッドユニットHUと1対1に対応する4個の吐出状態判定回路9を備える場合を想定する。
以下では、各記録ヘッドHDに設けられたM個の吐出部Dの各々を区別するために、順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。また、m段の吐出部Dを、吐出部D[m]と称する場合がある(変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数)。また、インクジェットプリンター1の構成要素や信号等が、吐出部D[m]の段数mに対応するものである場合には、当該構成要素や信号等を表わすための符号に、段数mに対応していることをを示す添え字[m]を付して表現することがある。
検出回路20は、駆動信号Comにより駆動された吐出部D[m]から検出した検出信号Vout[m]に基づいて、吐出部D[m]が駆動された後に当該吐出部D[m]において残留している振動(以下、「残留振動」と称する)を示す残留振動信号RVS[m]を生成する。
具体的には、搬送機構7は、図1に示すように、キャリッジ100をY軸方向に往復動するための駆動源となる搬送モーター71と、搬送モーター71を駆動するためのモータードライバー72と、記録用紙Pを搬送するための駆動源となる給紙モーター73と、給紙モーター73を駆動するためのモータードライバー74と、を具備する。また、搬送機構7は、図2に示すように、Y軸方向に延在するキャリッジガイド軸76と、搬送モーター71により回転駆動されるプーリー711と回転自在なプーリー712との間に掛け渡されY軸方向に延在するタイミングベルト710と、を具備する。キャリッジ100は、キャリッジガイド軸76によりY軸方向に往復自在に支持されるとともに、固定具101を介してタイミングベルト710の所定箇所に固定されている。このため、搬送機構7は、搬送モーター71によりプーリー711を回転駆動させることで、キャリッジ100に搭載されたヘッドモジュールHMを、キャリッジガイド軸76に沿ってY軸方向に移動させることができる。
また、図2に示すように、搬送機構7は、キャリッジ100の下側すなわち−Z方向(以下、−Z方向及びその反対の+Z方向を「Z軸方向」と総称する)に設けられたプラテン75と、給紙モーター73の駆動に応じて回転し記録用紙Pを1枚ずつプラテン75上に供給するための給紙ローラ(図示省略)と、給紙モーター73の駆動に応じて回転しプラテン75上の記録用紙Pを排紙口へと搬送する排紙ローラ730と、を備える。このため、搬送機構7は、プラテン75上において記録用紙Pを−X方向(上流側)から+X方向(下流側)へと搬送することができる。
また、本実施形態では、4個のヘッドユニットHUと、4個のインクカートリッジ31とが、1対1に対応して設けられる。そして、各吐出部Dは、当該吐出部Dが設けられたヘッドユニットHUに対応するインクカートリッジ31からインクの供給を受ける。これにより、各吐出部Dは、供給されたインクを内部に充填し、充填したインクをノズルNから吐出することができる。つまり、ヘッドモジュールHMが具備する合計4M個の吐出部Dは、全体としてCMYKの4色のインクを吐出することができる。
制御部6は、駆動信号生成回路2、ヘッドモジュールHM、及び、搬送機構7を制御する駆動制御部61と、メンテナンスユニット4を制御するメンテナンス制御部62と、メンテナンス処理のうち吐出部Dからインクを排出させる処理であるフラッシング処理を実行するか否かを決定するフラッシング実行決定部63(「決定部」の一例)と、を含む。これら、駆動制御部61、メンテナンス制御部62、及び、フラッシング実行決定部63は、制御部6が、記憶部5に記憶されている制御プログラムを実行して当該制御プログラムに従って動作することにより実現する機能ブロックである。
ここで、波形指定信号dComとは、駆動信号Comの波形を規定するデジタルの信号である。また、駆動信号Comとは、吐出部Dを駆動するためのアナログの信号である。駆動信号生成回路2は、DA変換回路を含み、波形指定信号dComが規定する波形を有する駆動信号Comを生成する。なお、本実施形態では、駆動信号Comが、駆動信号Com-Aと駆動信号Com-Bとを含む場合を想定する。
また、印刷信号SIとは、吐出部Dの動作の種類を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、印刷信号SIは、吐出部Dに対して駆動信号Comを供給するか否かを指定することで、吐出部Dの動作の種類を指定する。ここで、吐出部Dの動作の種類の指定とは、例えば、吐出部Dを駆動するか否かを指定したり、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dからインクが吐出されるか否かを指定したり、また、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dから吐出されるインク量を指定したりすることである。
ここで、吐出異常とは、駆動信号Comにより吐出部Dを駆動して吐出部Dからインクを吐出させようとしても、駆動信号Comが規定する態様によりインクを吐出できない状態である。ここで、駆動信号Comが規定するインクの吐出態様とは、吐出部Dが駆動信号Comの波形により規定される量のインクを吐出し、吐出部Dが駆動信号Comの波形により規定される吐出速度でインクを吐出することである。すなわち、駆動信号Comが規定するインクの吐出態様によりインクを吐出できない状態とは、吐出部Dからインクを吐出できない状態の他に、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出量よりも少ない量のインクが吐出部Dから吐出される状態、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出量よりも多くの量のインクが吐出部Dから吐出される状態、または、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出速度と異なる速度でインクが吐出されるために記録用紙P上の所望の着弾位置にインクを着弾させることができない状態、等を含む。
なお、吐出状態判定処理を構成する第1〜第6の処理のうち、第1〜第3の処理が残留振動信号生成処理に該当する。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、閉状態判定モード(「第1の判定モード」の一例)と、開状態判定モード(「第2の判定モード」の一例)と、の2つの判定モードにより、吐出状態判定処理を実行することができる。ここで、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理とは、各ノズルNがキャップ40により覆われている状態において実行される吐出状態判定処理である。また、開状態判定モードによる吐出状態判定処理とは、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態において実行される吐出状態判定処理である。
より具体的には、メンテナンス処理とは、上述したフラッシング処理、吐出部DのノズルN近傍に付着した紙粉等の異物をワイパーにより拭き取るワイピング処理、及び、吐出部D内のインクや気泡等をチューブポンプにより吸引するポンピング処理等、吐出部Dのインクの吐出状態を正常に戻すための処理の総称である。
ワイピング処理において、インクジェットプリンター1は、第1に、駆動制御部61による制御の下で、ヘッドモジュールHMをワイパーの上側に移動させ、第2に、メンテナンス制御部62による制御の下で、ワイパーを駆動させることで、各吐出部Dに付着した異物を拭き取る。
ポンピング処理において、インクジェットプリンター1は、第1に、駆動制御部61による制御の下で、ヘッドモジュールHMをチューブポンプの上側に移動させ、第2に、メンテナンス制御部62による制御の下で、チューブポンプを駆動させることで、ヘッドモジュールHMに設けられた4M個の吐出部D内のインクを吸引する。
図3乃至図5を参照しつつ、記録ヘッドHDと、記録ヘッドHDに設けられる吐出部Dについて説明する。
図3に示すように、吐出部Dは、圧電素子PZと、内部にインクが充填されたキャビティ320(「圧力室」の一例)と、キャビティ320に連通するノズルNと、振動板310と、を備える。
キャビティ320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して、当該吐出部Dに対応するインクカートリッジ31と連通している。
圧電素子PZは、上部電極Zuと、下部電極Zdと、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に設けられた圧電体Zmと、を有する。そして、下部電極Zdが電位VBSに設定された給電線LHd(図9参照)に電気的に接続され、上部電極Zuに駆動信号Comが供給されることで、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子PZが+Z方向または−Z方向に変位し、その結果、圧電素子PZが振動する。なお、本実施形態では、圧電素子PZとして、図3に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用する。なお、圧電素子PZは、ユニモルフ型に限らず、バイモルフ型や積層型等を採用してもよい。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置される。振動板310には、下部電極Zdが接合されている。このため、圧電素子PZが駆動信号Comにより駆動されて振動すると、振動板310も振動する。そして、振動板310の振動によりキャビティ320の容積が変化し、キャビティ320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。インクの吐出によりキャビティ320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。
図5に示すように、ヘッドモジュールHMに設けられた各記録ヘッドHDには、ノズル列Lnが設けられる。ここで、ノズル列Lnとは、所定方向に列状に延在するように設けられた複数のノズルNである。本実施形態では、各ノズル列Lnが、M個のノズルNをX軸方向に列状に延在するように配置して構成される場合を想定する。
以下では、図5に示すように、ヘッドモジュールHMに設けられる4列のノズル列Lnを、ノズル列Ln-BK、Ln-CY、Ln-MG、Ln-YLと称する。ここで、ノズル列Ln-BKは、ブラックのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-CYは、シアンのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-MGは、マゼンタのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-YLは、イエローのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnである。
以下、図6〜図8を参照しつつ、インクジェットプリンター1の各種動作の概要について説明する。
具体的には、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブの実行時間が所定時間以上であり、且つ、最後に実行された印刷ジョブからステップS11の処理が開始されるまでの期間にフラッシング処理及びポンピング処理のいずれも実行されていない場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定を行う(S11;YES)。また、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、最後に実行された印刷ジョブの処理時間が所定時間未満である場合、または、最後に実行された印刷ジョブからステップS11の処理が開始されるまでの期間にフラッシング処理またはポンピング処理の少なくとも一方が実行された場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定を行う(S11;NO)。
但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、フラッシング実行決定部63は、例えば、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブの終了時刻、当該ステップS11の処理の前に最後に実行されたフラッシング処理の終了時刻、または、最後に実行されたポンピング処理の終了時刻から、ステップS11の処理が開始されるまでの時間長が基準時間以上である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、基準時間未満である場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をしてもよい。また、例えば、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブにおける4M個の吐出部Dの各々からのインクの吐出量のうち、最も多くのインクを吐出した吐出部Dからの吐出量と最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量との差分が所定量以上である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、所定量未満である場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をしてもよい。また、例えば、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブにおける4M個の吐出部Dの各々からのインクの吐出量のうち、最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量が所定の下限値以下である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、所定の下限値よりも多い場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をしてもよい。
なお、本実施形態では、キャップ40が筐体200に取り付けられており、メンテナンス制御部62による制御の下で、キャップ40を上下方向(Z軸方向)に移動させることができる場合を想定する。そして、本実施形態では、駆動制御部61による制御の下で、キャリッジ100をキャップ40の上側(+Z側)に移動させた後に、メンテナンス制御部62による制御の下で、キャップ40を上方向(+Z方向)に向けて移動させることで、キャップ40をヘッドモジュールHMに装着する。また、メンテナンス制御部62による制御の下で、キャップ40を下に向けて移動させることで、キャップ40をヘッドモジュールHMから取り外す。
次に、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、開状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S14)。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、キャップ40をヘッドモジュールHMから取り外し、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S16)。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、ステップS14またはS16の後に、印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S17)。
また、図6に示す例では、ステップS11において、フラッシング処理を実行しない旨の決定をした場合に、各ノズルNがキャップ40に覆われた状態で、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、吐出状態判定処理において、各吐出部Dのキャビティ320に充填されているインクが増粘することを防止することが可能となる。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、ステップS21の判定結果が否定の場合、ヘッドモジュールHMに設けられた各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態のままで、開状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御し(S22)、その後、処理を、ステップS20に進める。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、フラッシング処理を実行する旨の決定がなされた場合(S23;YES)、処理をステップS24に進め、フラッシング処理を実行しない旨の決定がなされた場合(S23;NO)、処理をステップS25に進める。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、キャップ40をヘッドモジュールHMに装着し、各ノズルNがキャップ40により覆われた状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S25)。
また、図7に示す例では、印刷ジョブの終了後は、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、各吐出部Dのキャビティ320に充填されているインクが増粘することを防止することが可能となる。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S36)。
その後、インクジェットプリンター1の制御部6は、キャップ40をヘッドモジュールHMから取り外し、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S37)。
また、図8に示す例では、ステップS32において、フラッシング処理を実行する旨の決定をした場合に、フラッシング処理から印刷処理までの間に、開状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行する場合と比較して、速やかな吐出状態判定処理の開始が可能となり、印刷ジョブの実行間隔を短くすることができる。
また、図8に示す例では、ステップS32において、フラッシング処理を実行しない旨の決定をした場合に、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、各吐出部Dのキャビティ320に充填されているインクが増粘することを防止することが可能となる。
以下、図9を参照しつつ、各ヘッドユニットHUの構成について説明する。
接続状態指定回路11は、制御部6から供給される印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、期間指定信号Tsigの少なくとも一部の信号に基づいて、スイッチSWa[1]〜SWa[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLa[1]〜SLa[M]と、スイッチSWb[1]〜SWb[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLb[1]〜SLb[M]と、スイッチSWs[1]〜SWs[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLs[1]〜SLs[M]と、を生成する。
スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]に応じて、内部配線LHaと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
スイッチSWb[m]は、接続状態指定信号SLb[m]に応じて、内部配線LHbと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]との、導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWb[m]は、接続状態指定信号SLb[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
なお、駆動信号Com-A及びCom-Bのうち、スイッチSWa[m]またはSWb[m]を介して、吐出部D[m]の圧電素子PZ[m]に実際に供給される信号を、供給駆動信号Vin[m]と称する場合がある。
スイッチSWs[m]は、接続状態指定信号SLs[m]に応じて、内部配線LHsと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWs[m]は、接続状態指定信号SLs[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
以下、図10〜図13を参照しつつ、各ヘッドユニットHUの動作について説明する。
なお、一般的に、インクジェットプリンター1は、連続的または間欠的な複数の単位期間Tuに亘り印刷処理を繰り返し実行して各吐出部Dから1または複数回ずつインクを吐出させることで、印刷データImgの示す画像を形成する印刷タスクを実行する。また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、連続的または間欠的に設けられたM個の単位期間Tuにおいて、M回の吐出状態判定処理を実行することで、M個の吐出部D[1]〜D[M]の各々を判定対象吐出部D-Hとした吐出状態判定処理を実行する。
図10に示すように、制御部6は、パルスPlsLを有するラッチ信号LATと、パルスPlsCを有するチェンジ信号CHと、を出力する。これにより、制御部6は、パルスPlsLの立ち上がりから次のパルスPlsLの立ち上がりまでの期間として、単位期間Tuを規定する。また、制御部6は、パルスPlsCにより、単位期間Tuを2つの制御期間Tu1及びTu2に区分する。
印刷信号SIは、各単位期間Tuにおける吐出部D[1]〜D[M]の駆動の態様を指定する個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む。そして、制御部6の駆動制御部61は、単位期間Tuにおいて印刷処理及び吐出状態判定処理の少なくとも一方が実行される場合、図8に示すように、当該単位期間Tuの開始に先立って、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む印刷信号SIを、クロック信号CLに同期させて接続状態指定回路11に供給する。この場合、接続状態指定回路11は、当該単位期間Tuにおいて、個別指定信号Sd[m]に基づいて、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、SLs[m]を生成する。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、中ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1においてハイレベルに、制御期間Tu2においてローレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて中程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには中ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、小ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1においてローレベルに、制御期間Tu2においてハイレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて小程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには小ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、インクの非吐出を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]とSLb[m]とSLs[m]とを、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、インクを吐出せず、記録用紙Pにドットを形成しない。
また、制御部6は、パルスPlsT1及びパルスPlsT2を有する期間指定信号Tsigを出力する。これにより、制御部6は、単位期間Tuを、パルスPlsLの開始からパルスPlsT1の開始までの制御期間TSS1と、パルスPlsT1の開始からパルスPlsT2の開始までの制御期間TSS2と、パルスPlsT2の開始から次のパルスPlsLの開始までの制御期間TSS3と、に区分する。
この場合、判定対象吐出部D-Hは、制御期間TSS1において波形PSの駆動信号Com-Bにより駆動される。具体的には、判定対象吐出部D-Hが有する圧電素子PZは、制御期間TSS1において波形PSの駆動信号Com-Bにより変位させられる。その結果、判定対象吐出部D-Hにおいて振動が生じ、この振動は、制御期間TSS2においても残留する。そして、制御期間TSS2において、判定対象吐出部D-Hの圧電素子PZが有する上部電極Zuは、判定対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に応じて電位を変化させる。換言すれば、制御期間TSS2において、判定対象吐出部D-Hの圧電素子PZが有する上部電極Zuは、判定対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に起因する圧電素子PZの起電力に応じた電位を示す。よって、検出回路20は、当該上部電極Zuの電位を、制御期間TSS2において、検出信号Voutとして検出することができる。
図11に示すように、単位期間Tuにおいて吐出部D[m]が印刷駆動吐出部D-Pとして動作する場合、吐出部D[m]は個別指定信号Sd[m]に従って駆動され、印刷処理の用に供されることになる。
図11に示すように、単位期間Tuにおいて吐出部D[m]が判定対象吐出部D-Hとして動作する場合、スイッチSWa-HであるスイッチSWa[m]は単位期間Tuに亘りオフし、スイッチSWb-HであるスイッチSWb[m]は制御期間TSS1及び制御期間TSS3においてオンし、スイッチSWs-HであるスイッチSWs[m]は制御期間TSS2においてオンする。この場合、制御期間TSS1において判定対象吐出部D-Hである吐出部D[m]が具備する圧電素子PZ[m]が駆動信号Com-Bにより駆動されて変位し、制御期間TSS2において吐出部D[m]に残留振動が生じている状態が作り出される。そして、制御期間TSS2において、吐出部D[m]における残留振動に基づく検出信号Vout[m]が、内部配線LHsを介して検出回路20に供給される。
具体的には、接続状態指定回路11は、吐出部D[1]〜D[M]と1対1に対応するように、転送回路SR[1]〜SR[M]と、ラッチ回路LT[1]〜LT[M]と、デコーダーDC[1]〜DC[M]と、を有する。このうち、転送回路SR[m]には、個別指定信号Sd[m]が供給される。なお、この図では、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]がシリアルで供給され、例えば、m段に対応する個別指定信号Sd[m]が、転送回路SR[1]から転送回路SR[m]へと、クロック信号CLに同期して順番に転送される場合を例示している。また、ラッチ回路LT[m]は、ラッチ信号LATのパルスPlsLがハイレベルに立ち上がるタイミングにおいて、転送回路SR[m]に供給された個別指定信号Sd[m]をラッチする。また、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、期間指定信号Tsigに基づいて、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]を生成する。
図13に示すように、本実施形態に係る個別指定信号Sd[m]は、大ドットの形成を指定する値(1,1,0)、中ドットの形成を指定する値(1,0,0)、小ドットの形成を指定する値(0,1,0)、インクの非吐出を指定する値(0,0,0)、または、判定対象吐出部D-Hとしての駆動を指定する値(1,1,1)の何れかの値を示す。そして、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]が(1,1,0)を示す場合、制御期間Tu1及びTu2において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(1,0,0)を示す場合、制御期間Tu1において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(0,1,0)を示す場合、制御期間Tu2において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(1,1,1)を示す場合、制御期間TSS1及びTSS3において接続状態指定信号SLb[m]をハイレベルとするとともに、制御期間TSS2において接続状態指定信号SLs[m]をハイレベルとし、以上に該当しない場合において各信号をローレベルとする。
検出回路20は、例えば、検出信号Voutを増幅させるための負帰還型のアンプと、検出信号Voutの高域周波数成分を減衰させるためのローパスフィルターと、インピーダンスを変換してローインピーダンスの残留振動信号RVSを出力するボルテージフォロアと、を含む構成等であってもよい。
次に、吐出状態判定回路9について説明する。
また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320に気泡が混入しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、キャビティ320に気泡が混入していない場合と比較して、残留振動の周波数が高くなる。また、一般的に、吐出部DのノズルN付近に紙粉等の異物が付着しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、異物が付着していない場合と比較して、残留振動の周波数が低くなる。また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320に充填されたインクが増粘しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、インクが増粘していない場合と比較して、残留振動の周波数が低くなる。また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320に充填されたインクが増粘しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、吐出部DのノズルN付近に紙粉等の異物が付着している場合と比較して、残留振動の周波数が低くなる。また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320にインクが充填されていないために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合や、圧電素子PZが故障して変位できないために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、残留振動の振幅が小さくなる。
また、吐出状態判定回路9は、吐出状態判定において、残留振動信号RVSが所定の振幅を有しているか否かを示す振幅情報Info-Sを生成する。具体的には、吐出状態判定回路9は、残留振動信号RVSの1周期の時間長NTcを測定している期間において、残留振動信号RVSの電位が、残留振動信号RVSの振幅中心レベルの電位Vth-Cよりも高電位の閾値電位Vth-O以上となり、且つ、電位Vth-Cよりも低電位の閾値電位Vth-U以下となるか否かを判定する。そして、当該判定の結果が肯定の場合には、振幅情報Info-Sに、残留振動信号RVSが所定の振幅を有していることを示す値、例えば「1」を設定し、当該判定の結果が否定の場合には、振幅情報Info-Sに、残留振動信号RVSが所定の振幅を有していないことを示す値、例えば「0」を設定する。
そして、吐出状態判定回路9は、周期情報Info-T及び振幅情報Info-Sに基づいて、判定対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態の判定結果を示す判定情報Sttを生成する。
図14に示すように、吐出状態判定回路9は、周期情報Info-Tの示す時間長NTcを、閾値Tth1、閾値Tth2、閾値Tth3の一部または全部と比較することで、判定対象吐出部D-Hにおける吐出状態を判定し、当該判定の結果を示す判定情報Sttを生成する。
ここで、閾値Tth1は、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期の時間長と、キャビティ320に気泡が混入した場合における残留振動の1周期の時間長と、の境界を示すための値である。また、閾値Tth2は、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期の時間長と、ノズルN付近に異物が付着した場合における残留振動の1周期の時間長と、の境界を示すための値である。また、閾値Tth3は、判定対象吐出部D-HのノズルN付近に異物が付着した場合における残留振動の1周期の時間長と、キャビティ320内のインクが増粘した場合における残留振動の1周期の時間長と、の境界を示すための値である。なお、閾値Tth1〜閾値Tth3は、「Tth1<Tth2<Tth3」を満たすこととする。
また、振幅情報Info-Sの値が「1」であり、且つ、周期情報Info-Tの示す時間長NTcが「NTc<Tth1」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおいて気泡による吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて気泡による吐出異常が発生していることを示す値「2」を設定する。
また、振幅情報Info-Sの値が「1」であり、且つ、周期情報Info-Tの示す時間長NTcが「Tth2<NTc≦Tth3」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおいて異物付着による吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて異物付着による吐出異常が発生していることを示す値「3」を設定する。
また、振幅情報Info-Sの値が「1」であり、且つ、周期情報Info-Tの示す時間長NTcが「Tth3<NTc」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおいて増粘による吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて増粘による吐出異常が発生していることを示す値「4」を設定する。
また、振幅情報Info-Sの値が「0」の場合においても、判定対象吐出部D-Hにおいて吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて吐出異常が発生していることを示す値「5」を設定する。
以上のように、吐出状態判定回路9は、周期情報Info-Tと振幅情報Info-Sとに基づいて、判定情報Sttを生成する。
そして、制御部6は、吐出状態判定回路9が生成する判定情報Sttを、当該判定情報Sttに対応する判定対象吐出部D-Hの段数mと対応付けて、記憶部5に記憶させる。これにより、制御部6は、吐出部D[1]〜D[M]に対応する判定情報Stt[1]〜Stt[M]を管理する。
なお、本実施形態では、判定情報Sttが「1」から「5」までの5値の情報である場合を例示しているが、判定情報Sttは、時間長NTcが「Tth1≦NTc≦Tth2」を満たすか否かを示す2値の情報であってもよい。少なくとも、判定情報Sttは、判定対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態が正常であるか否かを示す情報を含めばよい。
以上において説明したように、本実施形態によれば、吐出状態判定処理を、閉状態判定モードと、開状態判定モードとの2つの判定モードにより実行できるため、閉状態判定モードまたは開状態判定モードの一方の判定モードのみで実行可能な場合と比較して、吐出状態判定処理をより速やかに開始することが可能となり、また、吐出状態判定処理に後続する印刷処理等の各種処理をより速やかに開始することが可能となる。これにより、吐出状態判定処理の実行に伴う、インクジェットプリンター1の利用者の利便性の低下の程度を小さく抑えることが可能となる。
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
上述した実施形態において、吐出状態判定回路9は、図14に示すように、閉状態判定モード及び開状態判定モードの双方において、吐出状態判定として、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常であるか否かの判定(以下「正常判定」と称する)と、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が気泡混入に起因した吐出異常であるか否かの判定(以下「気泡判定」と称する)と、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が異物付着に起因した吐出異常であるか否かの判定(以下「異物判定」と称する)と、判定対象吐出部D-Hの吐出状態がインク増粘に起因した吐出異常であるか否かの判定(以下「増粘判定」と称する)と、の4種類の吐出状態判定が可能であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、判定モードに応じて、実行可能な吐出状態判定の種類が異なっていてもよい。
例えば、吐出状態判定回路9は、開状態判定モードにおいては、当該4種類の吐出状態判定が可能である一方で、閉状態判定モードにおいては、当該4種類の吐出状態判定のうち、正常判定及び気泡判定のうち少なくとも一方が実行可能であることとしてもよい。
判定制御部64は、吐出状態判定処理が実行される場合に、吐出状態判定処理の判定モードを示す判定制御信号Ctrを出力する。そして、吐出状態判定回路9Aは、判定制御信号Ctrの示す判定モードが「開状態判定モード」である場合には、図14に示すように、正常判定、気泡判定、異物判定、及び、増粘判定の中から必要な吐出状態判定を行うことが可能であり、判定制御信号Ctrの示す判定モードが「閉状態判定モード」である場合には、後述する図16に示すように、正常判定、及び、気泡判定を行うことが可能である。
上述した実施形態及び変形例では、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理、及び、開状態判定モードにより吐出状態判定処理において、判定対象吐出部D-Hを駆動するための駆動信号Comの波形は、同一の波形PSであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、判定対象吐出部D-Hを駆動するための駆動信号Comの波形を、判定モードに応じて変化させてもよい。例えば、閉状態判定モードにおいては、インクが吐出されない程度に判定対象吐出部D-Hを駆動する波形の駆動信号Comを判定対象吐出部D-Hに供給し、開状態判定モードにおいては、インクが吐出されるように判定対象吐出部D-Hを駆動する波形の駆動信号Comを判定対象吐出部D-Hに供給してもよい。
上述した実施形態及び変形例において、印刷処理が実行される単位期間Tu(厳密には、印刷処理のために各吐出部Dが駆動される単位期間Tu)と、吐出状態判定処理が実行される単位期間Tu(厳密には、判定対象吐出部D-Hが駆動される単位期間Tu)と、は異なるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、印刷処理が実行される単位期間Tuと、吐出状態判定処理が実行される単位期間Tuとは、同一の単位期間Tuであってもよい。すなわち、印刷処理の実行中に、吐出状態判定処理が実行されてもよい。
更には、一の単位期間Tuにおいて、一の吐出部Dを、印刷処理のために駆動するとともに、判定対象吐出部D-Hとして駆動してもよい。この場合、一の吐出部Dを駆動する駆動信号Comの波形は、例えば、一の吐出部Dからインクを吐出させることのできる波形であり、且つ、一の吐出部Dに残留振動を生じさせて当該残留振動の検出を可能とする波形であってもよい。これにより、一の吐出部Dは、一の単位期間Tuにおいて、印刷処理の用に供すると共に、吐出状態判定処理の用に供することになる。
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、4個のヘッドユニットHUと、4個のインクカートリッジ31と、が1対1に対応するように設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、1個以上のヘッドユニットHUと、1個以上のインクカートリッジ31と、を備えていればよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1には、4個のヘッドユニットHUに1対1に対応して4個の吐出状態判定回路9が設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1には、複数のヘッドユニットHUに対して1個の吐出状態判定回路9が設けられてもよく、1個のヘッドユニットHUに対して複数の吐出状態判定回路9が設けられてもよい。
上述した実施形態及び変形例において、吐出状態判定回路9(または吐出状態判定回路9A)は、制御部6(または制御部6A)とは別個の回路として設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、吐出状態判定回路9のうちの一部または全部は、制御部6のCPU等が制御プログラムに従って動作することにより実現される機能ブロックとして実装されてもよい。
上述した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、ヘッドモジュールHMにおいて、複数のノズルNが記録用紙Pの幅よりも広く延在するように設けられた、所謂ラインプリンターであってもよい。
Claims (7)
- ノズルから液体を吐出する吐出部と、
前記ノズルを覆うためのキャップと、
前記吐出部における液体の吐出状態を判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、
前記キャップが前記ノズルを覆っている状態において前記判定を行う第1の判定モードと、
前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態において前記判定を行う第2の判定モードと、
による判定の実行が可能である、
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 前記ノズルから排出された液体を受領するための液体受領部と、
前記吐出部に、前記吐出部内の液体を前記液体受領部に対して排出するフラッシングを実行させるか否かを決定する決定部と、
を備え、
前記判定部は、
前記決定部が前記吐出部に前記フラッシングを実行させる旨の決定をした場合、
前記吐出部が前記フラッシングを実行した後に、
前記第2の判定モードによる判定を行う、
ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記判定部は、
前記決定部が、前記吐出部に前記フラッシングを実行させない旨の決定をした場合に、
前記第1の判定モードによる判定を行う、
ことを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出装置。 - 前記第2の判定モードによる判定には、
前記吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定が含まれ、
前記第1の判定モードによる判定には、
前記吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定が含まれない、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の液体吐出装置。 - 前記第2の判定モードによる判定には、
前記吐出部に異物が付着しているか否かの判定が含まれ、
前記第1の判定モードによる判定には、
前記吐出部に異物が付着しているか否かの判定が含まれない、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液体吐出装置。 - 前記決定部は、
前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態が所定時間以上継続した後に、
前記吐出部が前記フラッシングを実行していない場合に、
前記吐出部に前記フラッシングを実行させる旨の決定をする、
ことを特徴とする、請求項2または3に記載の液体吐出装置。 - ノズルから液体を吐出する吐出部と、
前記ノズルを覆うためのキャップと、
前記吐出部における液体の吐出状態を判定する判定部と、
を備える液体吐出装置の制御方法であって、
前記判定部が、
前記キャップが前記ノズルを覆っている状態において前記判定を行う第1の判定モードと、
前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態において前記判定を行う第2の判定モードと、のうち、
いずれか一方の判定モードによる判定を実行するように、前記判定部を制御する、
ことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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