JP2018047587A - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出部における液体の吐出状態を判定する吐出状態判定処理を速やかに開始する。【解決手段】ノズルから液体を吐出する吐出部と、ノズルを覆うためのキャップと、吐出部における液体の吐出状態を判定する判定部と、を備え、判定部は、キャップがノズルを覆っている状態において判定を行う第1の判定モードと、キャップがノズルを覆っていない状態において判定を行う第2の判定モードと、による判定の実行が可能である、ことを特徴とする液体吐出装置。【選択図】図6

Description

本発明は、液体吐出装置、及び、液体吐出装置の制御方法に関する。
インクジェットプリンター等の液体吐出装置は、吐出部のキャビティに充填されたインク等の液体を、吐出部のノズルから吐出させることで、記録媒体に画像を形成する印刷処理を実行する。このような液体吐出装置において、キャビティ内の液体の増粘や、吐出部への異物の付着等により、吐出部から液体を正常に吐出できなくなる吐出異常が生じる場合がある。そして、吐出異常が生じると、吐出部から吐出される液体により記録媒体に形成される予定のドットを正確に形成できなくなり、印刷処理において記録媒体に形成される画像の画質が低下する。
特許文献1には、吐出異常に起因する画質の低下を防止するために、吐出部における液体の吐出状態を判定する吐出状態判定処理に係る技術が提案されている。
特開2011−189655号公報
ところで、キャビティに充填された液体の増粘を防止するため、キャップによりノズルが覆われている状態で、吐出状態判定処理が実行される場合がある。しかし、印刷処理の間に吐出状態判定処理を行う場合や、キャビティに充填された液体を排出するフラッシングから印刷処理までの間に吐出状態判定処理を実行する場合等には、印刷処理やフラッシングの後、吐出状態判定処理の開始までの間に、ノズルをキャップで覆う動作が必要となり、吐出状態判定処理の開始までに時間を要するという問題があった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、吐出状態判定処理を速やかに開始することを可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る液体吐出装置は、ノズルから液体を吐出する吐出部と、前記ノズルを覆うためのキャップと、前記吐出部における液体の吐出状態を判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記キャップが前記ノズルを覆っている状態において前記判定を行う第1の判定モードと、前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態において前記判定を行う第2の判定モードと、による判定の実行が可能である、ことを特徴とする。
本発明に係る液体吐出装置は、ノズルがキャップで覆われている状態と、ノズルがキャップで覆われていない状態と、の両方の状態で、吐出状態判定処理を実行可能なため、ノズルがキャップで覆われている状態のみにおいて吐出状態判定処理を実行可能な場合と比較して、吐出状態判定処理を速やかに開始することが可能となる。
上述した液体吐出装置は、前記ノズルから排出された液体を受領するための液体受領部と、前記吐出部に、前記吐出部内の液体を前記液体受領部に対して排出するフラッシングを実行させるか否かを決定する決定部と、を備え、前記判定部は、前記決定部が前記吐出部に前記フラッシングを実行させる旨の決定をした場合、前記吐出部が前記フラッシングを実行した後に、前記第2の判定モードによる判定を行う、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、フラッシングを実行して、ノズルがキャップで覆われていない状態となった後に、ノズルをキャップで覆わない状態のまま吐出状態判定処理を実行するため、ノズルがキャップで覆われている状態で吐出状態判定処理を実行する場合と比較して、吐出状態判定処理を速やかに開始することが可能となる。
上述した液体吐出装置において、前記判定部は、前記決定部が、前記吐出部に前記フラッシングを実行させない旨の決定をした場合に、前記第1の判定モードによる判定を行う、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、ノズルがキャップで覆われている状態で吐出状態判定処理を実行するため、ノズルがキャップで覆われていない状態で吐出状態判定処理を実行する場合と比較して、吐出部内の液体が増粘する可能性を低減させることができる。
上述した液体吐出装置において、前記第2の判定モードによる判定には、前記吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定が含まれ、前記第1の判定モードによる判定には、前記吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定が含まれない、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1の判定モードによる判定において、吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定を行わないため、吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定を行う場合と比較して、処理負荷を軽減させることができる。
上述した液体吐出装置において、前記第2の判定モードによる判定には、前記吐出部に異物が付着しているか否かの判定が含まれ、前記第1の判定モードによる判定には、前記吐出部に異物が付着しているか否かの判定が含まれない、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1の判定モードによる判定において、吐出部に異物が付着しているか否かの判定を行わないため、吐出部に異物が付着しているか否かの判定を行う場合と比較して、処理負荷を軽減させることができる。
上述した液体吐出装置において、前記決定部は、前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態が所定時間以上継続した後に、前記吐出部が前記フラッシングを実行していない場合に、前記吐出部に前記フラッシングを実行させる旨の決定をする、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、キャップがノズルを覆っていない時間が所定時間以上継続し、吐出部内の液体が増粘している可能性が高い場合に、フラッシングを実行するため、吐出部内の液体が増粘した状態のまま、吐出状態の判定が実行される可能性を低減し、吐出状態の判定において、液体の増粘以外の吐出異常を発見する可能性を高くすることが可能となる。
また、本発明に係る液体吐出装置の制御方法は、ノズルから液体を吐出する吐出部と、前記ノズルを覆うためのキャップと、前記吐出部における液体の吐出状態を判定する判定部と、を備える液体吐出装置の制御方法であって、前記判定部が、前記キャップが前記ノズルを覆っている状態において前記判定を行う第1の判定モードと、前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態において前記判定を行う第2の判定モードと、のうち、いずれか一方の判定モードによる判定を実行するように、前記判定部を制御する、ことを特徴とする。
本発明では、ノズルがキャップで覆われている状態と、ノズルがキャップで覆われていない状態と、の両方の状態で、吐出状態判定処理を実行可能なため、ノズルがキャップで覆われている状態のみにおいて吐出状態判定処理を実行可能な場合と比較して、吐出状態判定処理を速やかに開始することが可能となる。
本発明に係るインクジェットプリンター1の構成の一例を示すブロック図である。 インクジェットプリンター1の概略的な内部構造の一例を示す斜視図である。 吐出部Dの構造の一例を説明するための説明図である。 吐出部Dにおけるインクの吐出動作の一例を説明するための説明図である。 ヘッドモジュールHMにおけるノズルN配置の一例を示す平面図である。 インクジェットプリンター1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 インクジェットプリンター1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 インクジェットプリンター1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 ヘッドユニットHUの構成の一例を示すブロック図である。 印刷処理及び吐出状態判定処理の一例を説明するためのタイミングチャートである。 印刷処理及び吐出状態判定処理の一例を説明するためのタイミングチャートである。 接続状態指定回路11の構成の一例を示すブロック図である。 デコーダーDCのデコード内容の一例を示す説明図である。 判定情報Sttの一例を説明するための説明図である。 変形例1に係るインクジェットプリンター1Aの構成の一例を示すブロック図である。 変形例1に係る判定情報Sttの一例を説明するための説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<<A.実施形態>>
本実施形態では、インク(「液体」の一例)を吐出して記録用紙P(「媒体」の一例)に画像を形成するインクジェットプリンターを例示して、液体吐出装置を説明する。
<<1.インクジェットプリンターの概要>>
図1及び図2を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。ここで、図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成の一例を示す機能ブロック図である。また、図2は、インクジェットプリンター1の概略的な内部構造の一例を示す斜視図である。
インクジェットプリンター1には、パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューターから、インクジェットプリンター1が形成すべき画像を示す印刷データImgと、インクジェットプリンター1が形成すべき画像の印刷部数を示す部数情報CPと、が供給される。インクジェットプリンター1は、ホストコンピューターから供給される印刷データImgの示す画像を記録用紙Pに形成するための印刷処理を実行する。
図1に例示するように、インクジェットプリンター1は、インクを吐出する吐出部Dが設けられたヘッドユニットHUを具備するヘッドモジュールHMと、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御する制御部6と、吐出部Dを駆動するための駆動信号Comを生成する駆動信号生成回路2と、ヘッドモジュールHMに対する記録用紙Pの相対位置を変化させるための搬送機構7と、吐出部Dにおけるインクの吐出状態を判定(以下、「吐出状態判定」と称する場合がある)して当該吐出状態判定の結果を示す判定情報Sttを出力する吐出状態判定回路9(「判定部」の一例)を具備する判定モジュールCMと、インクジェットプリンター1の制御プログラム及びその他の情報を記憶する記憶部5と、吐出部Dにおけるインクの吐出状態が異常となった場合に当該吐出部Dのインクの吐出状態を正常に回復させるメンテナンス処理を実行するメンテナンスユニット4と、を備える。
本実施形態では、図1に例示するように、ヘッドモジュールHMが、4個のヘッドユニットHUを備え、判定モジュールCMが、4個のヘッドユニットHUと1対1に対応する4個の吐出状態判定回路9を備える場合を想定する。
本実施形態において、各ヘッドユニットHUは、M個の吐出部Dを具備する記録ヘッドHDと、切替回路10と、検出回路20と、を備える(本実施形態において、Mは、1≦Mを満たす自然数)。
以下では、各記録ヘッドHDに設けられたM個の吐出部Dの各々を区別するために、順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。また、m段の吐出部Dを、吐出部D[m]と称する場合がある(変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数)。また、インクジェットプリンター1の構成要素や信号等が、吐出部D[m]の段数mに対応するものである場合には、当該構成要素や信号等を表わすための符号に、段数mに対応していることをを示す添え字[m]を付して表現することがある。
切替回路10は、駆動信号生成回路2から出力される駆動信号Comを各吐出部Dに供給するか否かを切り替える。また、切替回路10は、各吐出部Dと検出回路20とを電気的に接続するか否かを切り替える。
検出回路20は、駆動信号Comにより駆動された吐出部D[m]から検出した検出信号Vout[m]に基づいて、吐出部D[m]が駆動された後に当該吐出部D[m]において残留している振動(以下、「残留振動」と称する)を示す残留振動信号RVS[m]を生成する。
吐出状態判定回路9は、残留振動信号RVS[m]に基づいて、吐出部D[m]の吐出状態判定の結果を示す判定情報Stt[m]を生成する。なお、以下では、吐出状態判定回路9による吐出状態判定の対象とされる吐出部Dを、判定対象吐出部D-Hと称する場合がある。また、吐出状態判定回路9が実行する吐出状態判定と、吐出状態判定回路9が吐出状態判定を実行するために判定対象吐出部D-Hを駆動して判定対象吐出部D-Hに残留振動を生じさせたうえで当該残留振動を示す残留振動信号RVSを生成する処理である残留振動信号生成処理とを含む、インクジェットプリンター1において実行される一連の処理を、吐出状態判定処理と称する。
本実施形態では、インクジェットプリンター1が、シリアルプリンターである場合を想定する。具体的には、インクジェットプリンター1は、副走査方向に記録用紙Pを搬送し主走査方向にヘッドモジュールHMを移動させつつ、吐出部Dからインクを吐出することで、印刷処理を実行する。本実施形態では、図2に示すように、+Y方向及び−Y方向(以下、+Y方向及び−Y方向を「Y軸方向」と総称する)が主走査方向であり、+X方向(以下、+X方向及びその反対の−X方向を「X軸方向」と総称する)が副走査方向であることとする。
図2に例示するように、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、筐体200と、筐体200内をY軸方向に往復動可能でありヘッドモジュールHMを搭載するキャリッジ100と、を備える。
搬送機構7は、印刷処理が実行される場合に、キャリッジ100をY軸方向に往復動させるとともに、記録用紙Pを+X方向に搬送することで、記録用紙PのヘッドモジュールHMに対する相対位置を変化させ、記録用紙Pの全体に対してインクが着弾することを可能とする。
具体的には、搬送機構7は、図1に示すように、キャリッジ100をY軸方向に往復動するための駆動源となる搬送モーター71と、搬送モーター71を駆動するためのモータードライバー72と、記録用紙Pを搬送するための駆動源となる給紙モーター73と、給紙モーター73を駆動するためのモータードライバー74と、を具備する。また、搬送機構7は、図2に示すように、Y軸方向に延在するキャリッジガイド軸76と、搬送モーター71により回転駆動されるプーリー711と回転自在なプーリー712との間に掛け渡されY軸方向に延在するタイミングベルト710と、を具備する。キャリッジ100は、キャリッジガイド軸76によりY軸方向に往復自在に支持されるとともに、固定具101を介してタイミングベルト710の所定箇所に固定されている。このため、搬送機構7は、搬送モーター71によりプーリー711を回転駆動させることで、キャリッジ100に搭載されたヘッドモジュールHMを、キャリッジガイド軸76に沿ってY軸方向に移動させることができる。
また、図2に示すように、搬送機構7は、キャリッジ100の下側すなわち−Z方向(以下、−Z方向及びその反対の+Z方向を「Z軸方向」と総称する)に設けられたプラテン75と、給紙モーター73の駆動に応じて回転し記録用紙Pを1枚ずつプラテン75上に供給するための給紙ローラ(図示省略)と、給紙モーター73の駆動に応じて回転しプラテン75上の記録用紙Pを排紙口へと搬送する排紙ローラ730と、を備える。このため、搬送機構7は、プラテン75上において記録用紙Pを−X方向(上流側)から+X方向(下流側)へと搬送することができる。
メンテナンスユニット4は、吐出部DのノズルN(後述する図3参照)が密閉されるように各ヘッドユニットHUを覆うためのキャップ40と、吐出部DのノズルN近傍に付着した紙粉等の異物を拭き取るためのワイパー(図示省略)と、吐出部D内のインクや気泡等を吸引するためのチューブポンプ(図示省略)と、吐出部D内のインクを排出する場合に当該排出されたインクを受けるための排出インク受領部41(「液体受領部」の一例)と、を備える。なお、本実施形態では、キャップ40が、筐体200に取り付けられている態様を例示するが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、キャップ40は、キャリッジ100に取り付けられていてもよいし、ヘッドユニットHUに取り付けられていてもよい。
また、本実施形態では、図2に例示するように、シアン(CY)、マゼンタ(MG)、イエロー(YL)、及び、ブラック(BK)の、4色(CMYK)のインクと1対1に対応する4個のインクカートリッジ31がキャリッジ100に格納されている場合を想定する。なお、図2は一例に過ぎず、インクカートリッジ31は、キャリッジ100の外部に設けられるものであってもよい。
また、本実施形態では、4個のヘッドユニットHUと、4個のインクカートリッジ31とが、1対1に対応して設けられる。そして、各吐出部Dは、当該吐出部Dが設けられたヘッドユニットHUに対応するインクカートリッジ31からインクの供給を受ける。これにより、各吐出部Dは、供給されたインクを内部に充填し、充填したインクをノズルNから吐出することができる。つまり、ヘッドモジュールHMが具備する合計4M個の吐出部Dは、全体としてCMYKの4色のインクを吐出することができる。
記憶部5は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリーと、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、または、PROM(Programmable ROM)等の不揮発性メモリーと、を含んで構成され、ホストコンピューターから供給される印刷データImg、及び、インクジェットプリンター1の制御プログラム等の各種情報を記憶する。
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。但し、制御部6は、CPUの代わりに、FPGA(field-programmable gate array)等のプログラマブルロジックデバイスを備えていてもよい。
制御部6は、駆動信号生成回路2、ヘッドモジュールHM、及び、搬送機構7を制御する駆動制御部61と、メンテナンスユニット4を制御するメンテナンス制御部62と、メンテナンス処理のうち吐出部Dからインクを排出させる処理であるフラッシング処理を実行するか否かを決定するフラッシング実行決定部63(「決定部」の一例)と、を含む。これら、駆動制御部61、メンテナンス制御部62、及び、フラッシング実行決定部63は、制御部6が、記憶部5に記憶されている制御プログラムを実行して当該制御プログラムに従って動作することにより実現する機能ブロックである。
駆動制御部61は、ヘッドモジュールHMを制御するための印刷信号SIと、駆動信号生成回路2を制御するための波形指定信号dComと、搬送機構7を制御するための信号と、を生成する。
ここで、波形指定信号dComとは、駆動信号Comの波形を規定するデジタルの信号である。また、駆動信号Comとは、吐出部Dを駆動するためのアナログの信号である。駆動信号生成回路2は、DA変換回路を含み、波形指定信号dComが規定する波形を有する駆動信号Comを生成する。なお、本実施形態では、駆動信号Comが、駆動信号Com-Aと駆動信号Com-Bとを含む場合を想定する。
また、印刷信号SIとは、吐出部Dの動作の種類を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、印刷信号SIは、吐出部Dに対して駆動信号Comを供給するか否かを指定することで、吐出部Dの動作の種類を指定する。ここで、吐出部Dの動作の種類の指定とは、例えば、吐出部Dを駆動するか否かを指定したり、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dからインクが吐出されるか否かを指定したり、また、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dから吐出されるインク量を指定したりすることである。
印刷処理が実行される場合、駆動制御部61は、まず、ホストコンピューターから供給される印刷データImgを、記憶部5に記憶させる。次に、駆動制御部61は、記憶部5に記憶されている印刷データImg等の各種データに基づいて、印刷信号SI、波形指定信号dCom、及び、搬送機構7を制御するための信号等の各種制御信号を生成する。そして、駆動制御部61は、各種制御信号と、記憶部5に記憶されている各種データに基づいて、ヘッドモジュールHMに対する記録用紙Pの相対位置を変化させるように搬送機構7を制御しつつ、吐出部Dが駆動されるようにヘッドモジュールHMを制御する。これにより、駆動制御部61は、吐出部Dからのインクの吐出の有無、インクの吐出量、及び、インクの吐出タイミング等を調整し、印刷データImgに対応する画像を記録用紙Pに形成する印刷処理の実行を制御する。
なお、印刷データImgの示す1枚の画像を形成するために実行される、1または複数回の印刷処理を、印刷タスクと称する。また、印刷データImgの示す画像を、部数情報CPに対応する部数だけ形成するために実行される、1または複数回の印刷タスクを、印刷ジョブと称する。
上述のとおり、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、各吐出部Dからのインクの吐出状態が正常であるか否か、すなわち、各吐出部Dにおいて吐出異常が生じていないか否か、を判定する吐出状態判定処理を実行する。
ここで、吐出異常とは、駆動信号Comにより吐出部Dを駆動して吐出部Dからインクを吐出させようとしても、駆動信号Comが規定する態様によりインクを吐出できない状態である。ここで、駆動信号Comが規定するインクの吐出態様とは、吐出部Dが駆動信号Comの波形により規定される量のインクを吐出し、吐出部Dが駆動信号Comの波形により規定される吐出速度でインクを吐出することである。すなわち、駆動信号Comが規定するインクの吐出態様によりインクを吐出できない状態とは、吐出部Dからインクを吐出できない状態の他に、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出量よりも少ない量のインクが吐出部Dから吐出される状態、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出量よりも多くの量のインクが吐出部Dから吐出される状態、または、駆動信号Comにより規定されるインクの吐出速度と異なる速度でインクが吐出されるために記録用紙P上の所望の着弾位置にインクを着弾させることができない状態、等を含む。
吐出状態判定処理において、インクジェットプリンター1は、第1に、駆動制御部61により、各ヘッドユニットHUに設けられたM個の吐出部Dの中から判定対象吐出部D-Hを選択し、第2に、駆動制御部61による制御の下で、判定対象吐出部D-Hを駆動させることで、判定対象吐出部D-Hに残留振動を生じさせ、第3に、検出回路20により、判定対象吐出部D-Hから検出された検出信号Voutに基づいて残留振動信号RVSを生成し、第4に、吐出状態判定回路9により、残留振動信号RVSに基づいて判定対象吐出部D-Hを対象とする吐出状態判定を行い、当該判定の結果を示す判定情報Sttを生成し、第5に、制御部6により、判定情報Sttを記憶部5に記憶させる、という一連の処理を実行する。
なお、吐出状態判定処理を構成する第1〜第6の処理のうち、第1〜第3の処理が残留振動信号生成処理に該当する。
また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、閉状態判定モード(「第1の判定モード」の一例)と、開状態判定モード(「第2の判定モード」の一例)と、の2つの判定モードにより、吐出状態判定処理を実行することができる。ここで、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理とは、各ノズルNがキャップ40により覆われている状態において実行される吐出状態判定処理である。また、開状態判定モードによる吐出状態判定処理とは、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態において実行される吐出状態判定処理である。
上述のとおり、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、吐出異常となった吐出部Dにおけるインクの吐出状態を正常に回復させるメンテナンス処理を実行する。
より具体的には、メンテナンス処理とは、上述したフラッシング処理、吐出部DのノズルN近傍に付着した紙粉等の異物をワイパーにより拭き取るワイピング処理、及び、吐出部D内のインクや気泡等をチューブポンプにより吸引するポンピング処理等、吐出部Dのインクの吐出状態を正常に戻すための処理の総称である。
フラッシング処理において、インクジェットプリンター1は、第1に、駆動制御部61による制御の下で、ヘッドモジュールHMを排出インク受領部41の上側(+Z方向)に移動させ、第2に、駆動制御部61による制御の下で、ヘッドモジュールHMに設けられた4M個の吐出部Dを駆動させることて、排出インク受領部41に対してインクを吐出(排出)させる。
ワイピング処理において、インクジェットプリンター1は、第1に、駆動制御部61による制御の下で、ヘッドモジュールHMをワイパーの上側に移動させ、第2に、メンテナンス制御部62による制御の下で、ワイパーを駆動させることで、各吐出部Dに付着した異物を拭き取る。
ポンピング処理において、インクジェットプリンター1は、第1に、駆動制御部61による制御の下で、ヘッドモジュールHMをチューブポンプの上側に移動させ、第2に、メンテナンス制御部62による制御の下で、チューブポンプを駆動させることで、ヘッドモジュールHMに設けられた4M個の吐出部D内のインクを吸引する。
<<2.記録ヘッド及び吐出部の概要>>
図3乃至図5を参照しつつ、記録ヘッドHDと、記録ヘッドHDに設けられる吐出部Dについて説明する。
図3は、吐出部Dを含むように記録ヘッドHDを切断した、記録ヘッドHDの概略的な一部断面図である。
図3に示すように、吐出部Dは、圧電素子PZと、内部にインクが充填されたキャビティ320(「圧力室」の一例)と、キャビティ320に連通するノズルNと、振動板310と、を備える。
キャビティ320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して、当該吐出部Dに対応するインクカートリッジ31と連通している。
圧電素子PZは、上部電極Zuと、下部電極Zdと、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に設けられた圧電体Zmと、を有する。そして、下部電極Zdが電位VBSに設定された給電線LHd(図9参照)に電気的に接続され、上部電極Zuに駆動信号Comが供給されることで、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子PZが+Z方向または−Z方向に変位し、その結果、圧電素子PZが振動する。なお、本実施形態では、圧電素子PZとして、図3に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用する。なお、圧電素子PZは、ユニモルフ型に限らず、バイモルフ型や積層型等を採用してもよい。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置される。振動板310には、下部電極Zdが接合されている。このため、圧電素子PZが駆動信号Comにより駆動されて振動すると、振動板310も振動する。そして、振動板310の振動によりキャビティ320の容積が変化し、キャビティ320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。インクの吐出によりキャビティ320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。
図4は、吐出部Dにおけるインクの吐出動作の一例を説明するための説明図である。図4に例示するように、駆動制御部61は、Phase-1の状態において、吐出部Dが備える圧電素子PZに対して供給される駆動信号Comの電位を変化させることで、当該圧電素子PZが+Z方向に変位するような歪を発生させ、当該吐出部Dの振動板310を+Z方向に撓ませる。これにより、図4に示すPhase-2の状態のように、Phase-1の状態と比較して、当該吐出部Dのキャビティ320の容積が拡大する。次に、駆動制御部61は、駆動信号Comの示す電位を変化させることで、当該圧電素子PZが−Z方向に変位するような歪を発生させ、当該吐出部Dの振動板310を−Z方向に撓ませる。これにより、図4に示すPhase-3の状態のように、キャビティ320の容積が急激に収縮し、キャビティ320を満たすインクの一部が、このキャビティ320に連通しているノズルNからインク滴として吐出される。圧電素子PZ及び振動板310が駆動信号Comにより駆動されてZ軸方向に変位した後、振動板310を含む吐出部Dには残留振動が生じる。
図5は、+Z方向または−Z方向からインクジェットプリンター1を平面視した場合の、ヘッドモジュールHMが具備する4個の記録ヘッドHDと、当該4個の記録ヘッドHDに設けられた合計4M個のノズルNの配置の一例を説明するための説明図である。
図5に示すように、ヘッドモジュールHMに設けられた各記録ヘッドHDには、ノズル列Lnが設けられる。ここで、ノズル列Lnとは、所定方向に列状に延在するように設けられた複数のノズルNである。本実施形態では、各ノズル列Lnが、M個のノズルNをX軸方向に列状に延在するように配置して構成される場合を想定する。
以下では、図5に示すように、ヘッドモジュールHMに設けられる4列のノズル列Lnを、ノズル列Ln-BK、Ln-CY、Ln-MG、Ln-YLと称する。ここで、ノズル列Ln-BKは、ブラックのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-CYは、シアンのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-MGは、マゼンタのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-YLは、イエローのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnである。
なお、図5は一例であり、各ノズル列Lnに属するM個のノズルNは、ノズル列Lnの延在する方向と交差する方向に所定の幅を有して配置されていてもよい。つまり、各ノズル列Lnにおいて、+X側から偶数番目のノズルNと奇数番目のノズルNのY軸方向の位置が相違するように、各ノズル列Lnに属するM個のノズルNが例えば千鳥状に配置されてもよい。また、各ノズル列LnはX軸方向とは異なる方向に延在してもよい。また、本実施形態では、各記録ヘッドHDに設けられるノズル列Lnの列数が「1」である場合を例示しているが、各記録ヘッドHDには、2列以上のノズル列Lnが設けられてもよい。
<<3.インクジェットプリンターの動作の概要>>
以下、図6〜図8を参照しつつ、インクジェットプリンター1の各種動作の概要について説明する。
図6は、インクジェットプリンター1が待機状態であるときに、ホストコンピューターから印刷データImgが供給され印刷処理を開始する場合における、インクジェットプリンター1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図6では、インクジェットプリンター1が、印刷処理の前に、吐出状態判定処理を実行する場合を想定する。また、本実施形態では、インクジェットプリンター1が待機状態である場合、インクジェットプリンター1のノズルNがキャップ40により覆われている場合を想定する。
図6に例示するように、インクジェットプリンター1の制御部6が、印刷データImgを取得すると(S10)、インクジェットプリンター1のフラッシング実行決定部63は、フラッシング処理を実行するか否かを決定する(S11)。
具体的には、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブの実行時間が所定時間以上であり、且つ、最後に実行された印刷ジョブからステップS11の処理が開始されるまでの期間にフラッシング処理及びポンピング処理のいずれも実行されていない場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定を行う(S11;YES)。また、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、最後に実行された印刷ジョブの処理時間が所定時間未満である場合、または、最後に実行された印刷ジョブからステップS11の処理が開始されるまでの期間にフラッシング処理またはポンピング処理の少なくとも一方が実行された場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定を行う(S11;NO)。
但し、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、フラッシング実行決定部63は、例えば、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブの終了時刻、当該ステップS11の処理の前に最後に実行されたフラッシング処理の終了時刻、または、最後に実行されたポンピング処理の終了時刻から、ステップS11の処理が開始されるまでの時間長が基準時間以上である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、基準時間未満である場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をしてもよい。また、例えば、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブにおける4M個の吐出部Dの各々からのインクの吐出量のうち、最も多くのインクを吐出した吐出部Dからの吐出量と最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量との差分が所定量以上である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、所定量未満である場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をしてもよい。また、例えば、フラッシング実行決定部63は、ステップS11において、当該ステップS11の処理の前に最後に実行された印刷ジョブにおける4M個の吐出部Dの各々からのインクの吐出量のうち、最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量が所定の下限値以下である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、所定の下限値よりも多い場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をしてもよい。
次に、インクジェットプリンター1の制御部6は、ステップS11において、フラッシング処理を実行する旨の決定がなされた場合(S11;YES)、ヘッドモジュールHMに設けられた各ノズルNを覆っているキャップ40をヘッドモジュールHMから外すことで、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S12)。
なお、本実施形態では、キャップ40が筐体200に取り付けられており、メンテナンス制御部62による制御の下で、キャップ40を上下方向(Z軸方向)に移動させることができる場合を想定する。そして、本実施形態では、駆動制御部61による制御の下で、キャリッジ100をキャップ40の上側(+Z側)に移動させた後に、メンテナンス制御部62による制御の下で、キャップ40を上方向(+Z方向)に向けて移動させることで、キャップ40をヘッドモジュールHMに装着する。また、メンテナンス制御部62による制御の下で、キャップ40を下に向けて移動させることで、キャップ40をヘッドモジュールHMから取り外す。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、フラッシング処理が実行されるように、ヘッドモジュールHM及び吐出部Dを制御する(S13)。
次に、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、開状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S14)。
他方、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、ステップS11において、フラッシング処理を実行しない旨の決定がなされた場合(S11;NO)、ヘッドモジュールHMに設けられた各ノズルNがキャップ40により覆われた状態のままで、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S15)。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、キャップ40をヘッドモジュールHMから取り外し、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S16)。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、ステップS14またはS16の後に、印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S17)。
このように、図6に示す例では、ステップS11において、フラッシング処理を実行する旨の決定をした場合に、フラッシング処理から印刷処理までの間に、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態で、開状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、フラッシング処理から印刷処理までの間に閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行する場合と比較して、速やかな吐出状態判定処理の開始が可能となり、また、印刷データImgの供給から印刷処理の開始までの時間を短くすることができる。
また、図6に示す例では、ステップS11において、フラッシング処理を実行しない旨の決定をした場合に、各ノズルNがキャップ40に覆われた状態で、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、吐出状態判定処理において、各吐出部Dのキャビティ320に充填されているインクが増粘することを防止することが可能となる。
図7は、インクジェットプリンター1が1つの印刷ジョブを実行中に、吐出状態判定処理をする場合における、インクジェットプリンター1の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図7では、1つの印刷ジョブを構成する複数の印刷タスクの各々の終了後に、吐出状態判定処理を実行する場合を想定する。
図7に例示するように、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、印刷ジョブにおいて、当該印刷ジョブを構成する印刷タスクを実行する(S20)。そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、当該印刷タスクが終了すると、印刷ジョブが終了したか否かを判定する(S21)。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、ステップS21の判定結果が否定の場合、ヘッドモジュールHMに設けられた各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態のままで、開状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御し(S22)、その後、処理を、ステップS20に進める。
他方、インクジェットプリンター1のフラッシング実行決定部63は、ステップS21の判定結果が肯定の場合、フラッシング処理を実行するか否かを決定する(S23)。なお、ステップS23において、フラッシング実行決定部63は、ステップS20及びS21で実行された印刷ジョブの実行時間が所定時間以上の場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、所定時間未満の場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をする。但し、ステップS23において、フラッシング実行決定部63は、ステップS20及びS21で実行された印刷ジョブにおいて、最も多くのインクを吐出した吐出部Dからの吐出量と最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量との差分が所定量以上である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をしてもよいし、最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量が所定の下限値以下である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をしてもよい。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、フラッシング処理を実行する旨の決定がなされた場合(S23;YES)、処理をステップS24に進め、フラッシング処理を実行しない旨の決定がなされた場合(S23;NO)、処理をステップS25に進める。
インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、フラッシング処理が実行されるように、ヘッドモジュールHM及び吐出部Dを制御する(S24)。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、キャップ40をヘッドモジュールHMに装着し、各ノズルNがキャップ40により覆われた状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S25)。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S26)。但し、制御部6は、ステップS24の終了後に、ステップS25の処理を行うことなく、開状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御してもよい。つまり、駆動制御部61は、フラッシング処理の後に実行される吐出状態判定処理を、開状態判定モードにより実行するようにしてもよい。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、ステップS26の後に、インクジェットプリンター1がが待機状態となるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S27)。
このように、図7に示す例では、印刷ジョブの実行中は、開状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行する場合と比較して、印刷ジョブの円滑な実行が可能となる。
また、図7に示す例では、印刷ジョブの終了後は、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、各吐出部Dのキャビティ320に充填されているインクが増粘することを防止することが可能となる。
図8は、インクジェットプリンター1が複数の印刷ジョブを実行中に、吐出状態判定処理をする場合における、インクジェットプリンター1の動作の一例を示すフローチャートである。具体的には、図8では、複数の印刷ジョブのうち、一の印刷ジョブ、及び、一の印刷ジョブに後行する他の印刷ジョブと、一の印刷ジョブの終了後であって他の印刷ジョブの開始前に実行される吐出状態判定処理と、に着目する。
図8に例示するように、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、まず、一の印刷ジョブが実行されるようにインクジェットプリンター1の各部を制御する(S30)。
一の印刷ジョブの終了後、インクジェットプリンター1の制御部6は、他の印刷ジョブの開始までに所定の時間的猶予があるか否かを判定し(S31)、当該判定の結果が否定の場合、処理をステップS34に進める。ここで、他の印刷ジョブの開始までに所定の時間的猶予がある場合とは、例えば、インクジェットプリンター1が、他の印刷ジョブに関する印刷データImgの受信を完了していない場合等、一の印刷ジョブの終了から他の印刷ジョブの開始までに時間的な余裕がある場合である。
そして、インクジェットプリンター1のフラッシング実行決定部63は、ステップS31の判定結果が肯定の場合、フラッシング処理を実行するか否かを決定する(S32)。なお、ステップS32において、フラッシング実行決定部63は、ステップS30で実行された一の印刷ジョブの実行時間が所定時間以上の場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をし、所定時間未満の場合に、フラッシング処理を実行しない旨の決定をする。但し、ステップS32において、フラッシング実行決定部63は、ステップS30で実行された一の印刷ジョブにおいて、最も多くのインクを吐出した吐出部Dからの吐出量と最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量との差分が所定量以上である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をしてもよいし、最も少なくインクを吐出した吐出部Dからの吐出量が所定の下限値以下である場合に、フラッシング処理を実行する旨の決定をしてもよい。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、フラッシング処理を実行する旨の決定がなされた場合(S32;YES)、フラッシング処理が実行されるように、ヘッドモジュールHM及び吐出部Dを制御し(S33)、開状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S34)。
他方、インクジェットプリンター1の制御部6は、フラッシング処理を実行しない旨の決定がなされた場合(S32;NO)、キャップ40をヘッドモジュールHMに装着し、各ノズルNがキャップ40により覆われた状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S35)。
そして、インクジェットプリンター1の駆動制御部61は、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する(S36)。
その後、インクジェットプリンター1の制御部6は、キャップ40をヘッドモジュールHMから取り外し、各ノズルNがキャップ40により覆われていない状態となるように、キャリッジ100及びキャップ40を制御する(S37)。
そして、インクジェットプリンター1の制御部6は、ステップS34またはS37後に、他の印刷ジョブが実行されるようにインクジェットプリンター1の各部を制御する(S38)。
このように、図8に示す例では、2つの印刷ジョブ間に所定の時間的猶予が無い場合には、開状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行する場合と比較して、複数の印刷ジョブの円滑な実行が可能となる。
また、図8に示す例では、ステップS32において、フラッシング処理を実行する旨の決定をした場合に、フラッシング処理から印刷処理までの間に、開状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行する場合と比較して、速やかな吐出状態判定処理の開始が可能となり、印刷ジョブの実行間隔を短くすることができる。
また、図8に示す例では、ステップS32において、フラッシング処理を実行しない旨の決定をした場合に、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理を実行するため、各吐出部Dのキャビティ320に充填されているインクが増粘することを防止することが可能となる。
<<4.ヘッドユニットの構成>>
以下、図9を参照しつつ、各ヘッドユニットHUの構成について説明する。
図9は、ヘッドユニットHUの構成の一例を示すブロック図である。上述のように、ヘッドユニットHUは、記録ヘッドHDと、切替回路10と、検出回路20と、を備える。また、ヘッドユニットHUは、駆動信号生成回路2から駆動信号Com-Aが供給される内部配線LHaと、駆動信号生成回路2から駆動信号Com-Bが供給される内部配線LHbと、吐出部Dから検出される検出信号Voutを検出回路20に供給するための内部配線LHsと、を備える。
図7に示すように、切替回路10は、M個のスイッチSWa(SWa[1]〜SWa[M])と、M個のスイッチSWb(SWb[1]〜SWb[M])と、M個のスイッチSWs(SWs[1]〜SWs[M])と、各スイッチの接続状態を指定する接続状態指定回路11と、を備える。なお、各スイッチとしては、例えば、トランスミッションゲートを採用することができる。
接続状態指定回路11は、制御部6から供給される印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、期間指定信号Tsigの少なくとも一部の信号に基づいて、スイッチSWa[1]〜SWa[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLa[1]〜SLa[M]と、スイッチSWb[1]〜SWb[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLb[1]〜SLb[M]と、スイッチSWs[1]〜SWs[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SLs[1]〜SLs[M]と、を生成する。
スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]に応じて、内部配線LHaと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWa[m]は、接続状態指定信号SLa[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
スイッチSWb[m]は、接続状態指定信号SLb[m]に応じて、内部配線LHbと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]との、導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWb[m]は、接続状態指定信号SLb[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
なお、駆動信号Com-A及びCom-Bのうち、スイッチSWa[m]またはSWb[m]を介して、吐出部D[m]の圧電素子PZ[m]に実際に供給される信号を、供給駆動信号Vin[m]と称する場合がある。
スイッチSWs[m]は、接続状態指定信号SLs[m]に応じて、内部配線LHsと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSWs[m]は、接続状態指定信号SLs[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。
検出回路20には、判定対象吐出部D-Hとして駆動された吐出部D[m]の圧電素子PZ[m]から出力される検出信号Vout[m]が、内部配線LHsを介して供給される。そして、検出回路20は、当該検出信号Vout[m]に基づいて残留振動信号RVS[m]を生成する。
<<5.ヘッドユニットの動作>>
以下、図10〜図13を参照しつつ、各ヘッドユニットHUの動作について説明する。
本実施形態において、インクジェットプリンター1の動作期間は、1または複数の単位期間Tuを含む。本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、各単位期間Tuにおいて、印刷処理における各吐出部Dの駆動と、吐出状態判定処理における判定対象吐出部D-Hの駆動及び残留振動の検出と、の一方を実行する場合を想定する。
なお、一般的に、インクジェットプリンター1は、連続的または間欠的な複数の単位期間Tuに亘り印刷処理を繰り返し実行して各吐出部Dから1または複数回ずつインクを吐出させることで、印刷データImgの示す画像を形成する印刷タスクを実行する。また、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、連続的または間欠的に設けられたM個の単位期間Tuにおいて、M回の吐出状態判定処理を実行することで、M個の吐出部D[1]〜D[M]の各々を判定対象吐出部D-Hとした吐出状態判定処理を実行する。
図10は、インクジェットプリンター1の単位期間Tuにおける動作を説明するためのタイミングチャートである。
図10に示すように、制御部6は、パルスPlsLを有するラッチ信号LATと、パルスPlsCを有するチェンジ信号CHと、を出力する。これにより、制御部6は、パルスPlsLの立ち上がりから次のパルスPlsLの立ち上がりまでの期間として、単位期間Tuを規定する。また、制御部6は、パルスPlsCにより、単位期間Tuを2つの制御期間Tu1及びTu2に区分する。
印刷信号SIは、各単位期間Tuにおける吐出部D[1]〜D[M]の駆動の態様を指定する個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む。そして、制御部6の駆動制御部61は、単位期間Tuにおいて印刷処理及び吐出状態判定処理の少なくとも一方が実行される場合、図8に示すように、当該単位期間Tuの開始に先立って、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む印刷信号SIを、クロック信号CLに同期させて接続状態指定回路11に供給する。この場合、接続状態指定回路11は、当該単位期間Tuにおいて、個別指定信号Sd[m]に基づいて、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、SLs[m]を生成する。
なお、本実施形態に係る個別指定信号Sd[m]は、各単位期間Tuにおいて、吐出部D[m]に対して、大ドットに相当する量(大程度の量)のインクの吐出(「大ドットの形成」と称する場合がある)、中ドットに相当する量(中程度の量)のインクの吐出(「中ドットの形成」と称する場合がある)、小ドットに相当する量(小程度の量)のインクの吐出(「小ドットの形成」と称する場合がある)、インクの非吐出、及び、吐出状態判定処理における判定対象としての駆動(「判定対象吐出部D-Hとしての駆動」と称する場合がある)、の5つの駆動態様のうち、何れか一つの駆動態様を指定する信号である。なお、本実施形態では、一例として、個別指定信号Sd[m]が、3ビットのデジタル信号である場合を想定する(図11参照)。
図10に示すように、駆動信号生成回路2は、制御期間Tu1に設けられた波形PXと、制御期間Tu2に設けられた波形PYと、を有する駆動信号Com-Aを出力する。本実施形態では、波形PXの最高電位VHXと最低電位VLXとの電位差が、波形PYの最高電位VHYと最低電位VLYとの電位差よりも大きくなるように、波形PX及び波形PYを定める。具体的には、波形PXを有する駆動信号Com-Aにより吐出部D[m]を駆動する場合、吐出部D[m]から中程度の量のインクが吐出されるように、波形PXの波形を定める。また、波形PYを有する駆動信号Com-Aにより吐出部D[m]を駆動する場合、吐出部D[m]から小程度の量のインクが吐出されるように、波形PYの波形を定める。なお、波形PX及び波形PYは、開始時及び終了時の電位が基準電位V0に設定されている。
そして、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、大ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1及びTu2においてハイレベルに設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、制御期間Tu1において波形PXの駆動信号Com-Aにより駆動されて中程度の量のインクを吐出し、また、制御期間Tu2において波形PYの駆動信号Com-Aにより駆動されて小程度の量のインクを吐出する。これにより、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、合計で大程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには大ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、中ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1においてハイレベルに、制御期間Tu2においてローレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて中程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには中ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、小ドットの形成を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、制御期間Tu1においてローレベルに、制御期間Tu2においてハイレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLb[m]及びSLs[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて小程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには小ドットが形成される。
また、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]に対して、インクの非吐出を指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]とSLb[m]とSLs[m]とを、単位期間Tuにおいてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、インクを吐出せず、記録用紙Pにドットを形成しない。
図10に示すように、駆動信号生成回路2は、単位期間Tuに設けられた波形PSを有する駆動信号Com-Bを出力する。本実施形態では、波形PSの最高電位VHSと最低電位VLSとの電位差が、波形PYの最高電位VHYと最低電位VLYとの電位差よりも小さくなるように、波形PSを定める。具体的には、波形PSを有する駆動信号Com-Bを吐出部D[m]に供給する場合、吐出部D[m]からインクが吐出されない程度に吐出部D[m]が駆動されるように、波形PSの波形を定める。なお、波形PSは、開始時及び終了時の電位が基準電位V0に設定されている。
また、制御部6は、パルスPlsT1及びパルスPlsT2を有する期間指定信号Tsigを出力する。これにより、制御部6は、単位期間Tuを、パルスPlsLの開始からパルスPlsT1の開始までの制御期間TSS1と、パルスPlsT1の開始からパルスPlsT2の開始までの制御期間TSS2と、パルスPlsT2の開始から次のパルスPlsLの開始までの制御期間TSS3と、に区分する。
そして、個別指定信号Sd[m]が吐出部D[m]を、判定対象吐出部D-Hとして指定する場合、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[m]を、単位期間Tuにおいてローレベルに設定し、接続状態指定信号SLb[m]を、制御期間TSS1及びTSS3においてハイレベルに、制御期間TSS2においてローレベルに、それぞれ設定し、接続状態指定信号SLs[m]を、制御期間TSS1及びTSS3においてローレベルに、制御期間TSS2においてハイレベルに、それぞれ設定する。
この場合、判定対象吐出部D-Hは、制御期間TSS1において波形PSの駆動信号Com-Bにより駆動される。具体的には、判定対象吐出部D-Hが有する圧電素子PZは、制御期間TSS1において波形PSの駆動信号Com-Bにより変位させられる。その結果、判定対象吐出部D-Hにおいて振動が生じ、この振動は、制御期間TSS2においても残留する。そして、制御期間TSS2において、判定対象吐出部D-Hの圧電素子PZが有する上部電極Zuは、判定対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に応じて電位を変化させる。換言すれば、制御期間TSS2において、判定対象吐出部D-Hの圧電素子PZが有する上部電極Zuは、判定対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に起因する圧電素子PZの起電力に応じた電位を示す。よって、検出回路20は、当該上部電極Zuの電位を、制御期間TSS2において、検出信号Voutとして検出することができる。
図11は、単位期間Tuにおける切替回路10の動作を説明するための説明図である。なお、以下では、判定対象吐出部D-Hに対応して設けられるスイッチSWa、SWb、SWsを、それぞれ、スイッチSWa-H、SWb-H、SWs-Hと称することがある。また、以下では、印刷処理において駆動される吐出部Dを印刷駆動吐出部D-Pと称し、印刷駆動吐出部D-Pに対応して設けられるスイッチSWa、SWb、SWsを、それぞれ、スイッチSWa-P、SWb-P、SWs-Pと称することがある。
図11に示すように、単位期間Tuにおいて吐出部D[m]が印刷駆動吐出部D-Pとして動作する場合、吐出部D[m]は個別指定信号Sd[m]に従って駆動され、印刷処理の用に供されることになる。
図11に示すように、単位期間Tuにおいて吐出部D[m]が判定対象吐出部D-Hとして動作する場合、スイッチSWa-HであるスイッチSWa[m]は単位期間Tuに亘りオフし、スイッチSWb-HであるスイッチSWb[m]は制御期間TSS1及び制御期間TSS3においてオンし、スイッチSWs-HであるスイッチSWs[m]は制御期間TSS2においてオンする。この場合、制御期間TSS1において判定対象吐出部D-Hである吐出部D[m]が具備する圧電素子PZ[m]が駆動信号Com-Bにより駆動されて変位し、制御期間TSS2において吐出部D[m]に残留振動が生じている状態が作り出される。そして、制御期間TSS2において、吐出部D[m]における残留振動に基づく検出信号Vout[m]が、内部配線LHsを介して検出回路20に供給される。
図12は、本実施形態に係る接続状態指定回路11の構成をの一例を示す図である。図12に示すように、接続状態指定回路11は、接続状態指定信号SLa[1]〜SLa[M]、SLb[1]〜SLb[M]、及び、SLs[1]〜SLs[M]を生成する。
具体的には、接続状態指定回路11は、吐出部D[1]〜D[M]と1対1に対応するように、転送回路SR[1]〜SR[M]と、ラッチ回路LT[1]〜LT[M]と、デコーダーDC[1]〜DC[M]と、を有する。このうち、転送回路SR[m]には、個別指定信号Sd[m]が供給される。なお、この図では、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]がシリアルで供給され、例えば、m段に対応する個別指定信号Sd[m]が、転送回路SR[1]から転送回路SR[m]へと、クロック信号CLに同期して順番に転送される場合を例示している。また、ラッチ回路LT[m]は、ラッチ信号LATのパルスPlsLがハイレベルに立ち上がるタイミングにおいて、転送回路SR[m]に供給された個別指定信号Sd[m]をラッチする。また、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び、期間指定信号Tsigに基づいて、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]を生成する。
図13は、デコーダーDC[m]における接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]の生成を説明するための説明図である。デコーダーDC[m]は、図13に従って、個別指定信号Sd[m]をデコードし、接続状態指定信号SLa[m]、SLb[m]、及び、SLs[m]を生成する。
図13に示すように、本実施形態に係る個別指定信号Sd[m]は、大ドットの形成を指定する値(1,1,0)、中ドットの形成を指定する値(1,0,0)、小ドットの形成を指定する値(0,1,0)、インクの非吐出を指定する値(0,0,0)、または、判定対象吐出部D-Hとしての駆動を指定する値(1,1,1)の何れかの値を示す。そして、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]が(1,1,0)を示す場合、制御期間Tu1及びTu2において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(1,0,0)を示す場合、制御期間Tu1において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(0,1,0)を示す場合、制御期間Tu2において接続状態指定信号SLa[m]をハイレベルとし、個別指定信号Sd[m]が(1,1,1)を示す場合、制御期間TSS1及びTSS3において接続状態指定信号SLb[m]をハイレベルとするとともに、制御期間TSS2において接続状態指定信号SLs[m]をハイレベルとし、以上に該当しない場合において各信号をローレベルとする。
検出回路20は、上述のとおり、検出信号Voutに基づいて残留振動信号RVSを生成する。残留振動信号RVSとは、検出信号Voutの振幅を増幅し、また、検出信号Voutからノイズ成分を除去する等することで、検出信号Voutを吐出状態判定回路9における処理に適した波形に整形した信号である。
検出回路20は、例えば、検出信号Voutを増幅させるための負帰還型のアンプと、検出信号Voutの高域周波数成分を減衰させるためのローパスフィルターと、インピーダンスを変換してローインピーダンスの残留振動信号RVSを出力するボルテージフォロアと、を含む構成等であってもよい。
<<6.吐出状態判定回路>>
次に、吐出状態判定回路9について説明する。
一般的に、吐出部Dに生じる残留振動は、ノズルNの形状、キャビティ320に充填されたインクの重量、及び、キャビティ320に充填されたインクの粘度、等により決定される固有振動周波数を有する。
また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320に気泡が混入しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、キャビティ320に気泡が混入していない場合と比較して、残留振動の周波数が高くなる。また、一般的に、吐出部DのノズルN付近に紙粉等の異物が付着しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、異物が付着していない場合と比較して、残留振動の周波数が低くなる。また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320に充填されたインクが増粘しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、インクが増粘していない場合と比較して、残留振動の周波数が低くなる。また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320に充填されたインクが増粘しているために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、吐出部DのノズルN付近に紙粉等の異物が付着している場合と比較して、残留振動の周波数が低くなる。また、一般的に、吐出部Dのキャビティ320にインクが充填されていないために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合や、圧電素子PZが故障して変位できないために吐出部Dにおいて吐出異常が生じている場合には、残留振動の振幅が小さくなる。
上述のとおり、残留振動信号RVSは、判定対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動に応じた波形を示す。具体的には、残留振動信号RVSは、判定対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動の周波数に応じた周波数を示し、判定対象吐出部D-Hにおいて生じている残留振動の振幅に応じた周波数を示す。このため、吐出状態判定回路9は、残留振動信号RVSに基づいて、判定対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態を判定する吐出状態判定を行うことができる。
吐出状態判定回路9は、吐出状態判定において、残留振動信号RVSの1周期の時間長NTcを測定し、当該測定結果を示す周期情報Info-Tを生成する。
また、吐出状態判定回路9は、吐出状態判定において、残留振動信号RVSが所定の振幅を有しているか否かを示す振幅情報Info-Sを生成する。具体的には、吐出状態判定回路9は、残留振動信号RVSの1周期の時間長NTcを測定している期間において、残留振動信号RVSの電位が、残留振動信号RVSの振幅中心レベルの電位Vth-Cよりも高電位の閾値電位Vth-O以上となり、且つ、電位Vth-Cよりも低電位の閾値電位Vth-U以下となるか否かを判定する。そして、当該判定の結果が肯定の場合には、振幅情報Info-Sに、残留振動信号RVSが所定の振幅を有していることを示す値、例えば「1」を設定し、当該判定の結果が否定の場合には、振幅情報Info-Sに、残留振動信号RVSが所定の振幅を有していないことを示す値、例えば「0」を設定する。
そして、吐出状態判定回路9は、周期情報Info-T及び振幅情報Info-Sに基づいて、判定対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態の判定結果を示す判定情報Sttを生成する。
図14は、吐出状態判定回路9における、判定情報Sttの生成を説明するための説明図である。
図14に示すように、吐出状態判定回路9は、周期情報Info-Tの示す時間長NTcを、閾値Tth1、閾値Tth2、閾値Tth3の一部または全部と比較することで、判定対象吐出部D-Hにおける吐出状態を判定し、当該判定の結果を示す判定情報Sttを生成する。
ここで、閾値Tth1は、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期の時間長と、キャビティ320に気泡が混入した場合における残留振動の1周期の時間長と、の境界を示すための値である。また、閾値Tth2は、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期の時間長と、ノズルN付近に異物が付着した場合における残留振動の1周期の時間長と、の境界を示すための値である。また、閾値Tth3は、判定対象吐出部D-HのノズルN付近に異物が付着した場合における残留振動の1周期の時間長と、キャビティ320内のインクが増粘した場合における残留振動の1周期の時間長と、の境界を示すための値である。なお、閾値Tth1〜閾値Tth3は、「Tth1<Tth2<Tth3」を満たすこととする。
図14に示すように、本実施形態では、振幅情報Info-Sの値が「1」であり、且つ、周期情報Info-Tの示す時間長NTcが「Tth1≦NTc≦Tth2」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態が正常であると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常であることを示す値「1」を設定する。
また、振幅情報Info-Sの値が「1」であり、且つ、周期情報Info-Tの示す時間長NTcが「NTc<Tth1」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおいて気泡による吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて気泡による吐出異常が発生していることを示す値「2」を設定する。
また、振幅情報Info-Sの値が「1」であり、且つ、周期情報Info-Tの示す時間長NTcが「Tth2<NTc≦Tth3」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおいて異物付着による吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて異物付着による吐出異常が発生していることを示す値「3」を設定する。
また、振幅情報Info-Sの値が「1」であり、且つ、周期情報Info-Tの示す時間長NTcが「Tth3<NTc」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおいて増粘による吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて増粘による吐出異常が発生していることを示す値「4」を設定する。
また、振幅情報Info-Sの値が「0」の場合においても、判定対象吐出部D-Hにおいて吐出異常が生じていると看做す。そして、この場合、吐出状態判定回路9は、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて吐出異常が発生していることを示す値「5」を設定する。
以上のように、吐出状態判定回路9は、周期情報Info-Tと振幅情報Info-Sとに基づいて、判定情報Sttを生成する。
そして、制御部6は、吐出状態判定回路9が生成する判定情報Sttを、当該判定情報Sttに対応する判定対象吐出部D-Hの段数mと対応付けて、記憶部5に記憶させる。これにより、制御部6は、吐出部D[1]〜D[M]に対応する判定情報Stt[1]〜Stt[M]を管理する。
なお、本実施形態では、判定情報Sttが「1」から「5」までの5値の情報である場合を例示しているが、判定情報Sttは、時間長NTcが「Tth1≦NTc≦Tth2」を満たすか否かを示す2値の情報であってもよい。少なくとも、判定情報Sttは、判定対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態が正常であるか否かを示す情報を含めばよい。
<<7.実施形態の結論>>
以上において説明したように、本実施形態によれば、吐出状態判定処理を、閉状態判定モードと、開状態判定モードとの2つの判定モードにより実行できるため、閉状態判定モードまたは開状態判定モードの一方の判定モードのみで実行可能な場合と比較して、吐出状態判定処理をより速やかに開始することが可能となり、また、吐出状態判定処理に後続する印刷処理等の各種処理をより速やかに開始することが可能となる。これにより、吐出状態判定処理の実行に伴う、インクジェットプリンター1の利用者の利便性の低下の程度を小さく抑えることが可能となる。
<<B.変形例>>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<<変形例1>>
上述した実施形態において、吐出状態判定回路9は、図14に示すように、閉状態判定モード及び開状態判定モードの双方において、吐出状態判定として、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常であるか否かの判定(以下「正常判定」と称する)と、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が気泡混入に起因した吐出異常であるか否かの判定(以下「気泡判定」と称する)と、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が異物付着に起因した吐出異常であるか否かの判定(以下「異物判定」と称する)と、判定対象吐出部D-Hの吐出状態がインク増粘に起因した吐出異常であるか否かの判定(以下「増粘判定」と称する)と、の4種類の吐出状態判定が可能であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、判定モードに応じて、実行可能な吐出状態判定の種類が異なっていてもよい。
例えば、吐出状態判定回路9は、開状態判定モードにおいては、当該4種類の吐出状態判定が可能である一方で、閉状態判定モードにおいては、当該4種類の吐出状態判定のうち、正常判定及び気泡判定のうち少なくとも一方が実行可能であることとしてもよい。
図15は、本変形例に係るインクジェットプリンター1Aの構成を示すブロック図である。インクジェットプリンター1Aは、制御部6の代わりに、制御部6Aを備える点と、吐出状態判定回路9の代わりに、吐出状態判定回路9Aを備える点とを除き、インクジェットプリンター1と同様に構成されている。制御部6Aは、判定制御部64を備える点を除き、制御部6と同様に構成されている。吐出状態判定回路9Aは、判定モードに応じて、実施可能な吐出状態判定の種類を変化させることができる点を除き、吐出状態判定回路9と同様である。
判定制御部64は、吐出状態判定処理が実行される場合に、吐出状態判定処理の判定モードを示す判定制御信号Ctrを出力する。そして、吐出状態判定回路9Aは、判定制御信号Ctrの示す判定モードが「開状態判定モード」である場合には、図14に示すように、正常判定、気泡判定、異物判定、及び、増粘判定の中から必要な吐出状態判定を行うことが可能であり、判定制御信号Ctrの示す判定モードが「閉状態判定モード」である場合には、後述する図16に示すように、正常判定、及び、気泡判定を行うことが可能である。
図16は、本変形例に係る吐出状態判定回路9Aが、閉状態判定モードにおいて行う吐出状態判定の内容を示す図である。この図に示すように、本変形例に係る吐出状態判定回路9は、まず、残留振動信号RVSに基づいて生成した周期情報Info-Tの1周期の時間長NTcと、閾値Tth1とを比較する。次に、時間長NTcが「Tth1≦NTc」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおけるインクの吐出状態が正常であると判定し、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hの吐出状態が正常であることを示す値「1」を設定する。また、時間長NTcが「NTc<Tth1」を満たす場合には、判定対象吐出部D-Hにおいて気泡による吐出異常が生じていると判定し、判定情報Sttに、判定対象吐出部D-Hにおいて気泡による吐出異常が発生していることを示す値「2」を設定する。
図6等で説明したように、フラッシング処理が不要な場合等において選択される閉状態判定モードによる吐出状態判定処理が実行される場合、各吐出部Dのキャビティ320内部のインクが増粘している可能性は低く、また、各吐出部Dに異物が付着している可能性も低い。このため、本変形例に係る吐出状態判定回路9Aは、発生確率の低い吐出異常に係る判定の実行を回避し、処理負荷を軽減することができる。
<<変形例2>>
上述した実施形態及び変形例では、閉状態判定モードによる吐出状態判定処理、及び、開状態判定モードにより吐出状態判定処理において、判定対象吐出部D-Hを駆動するための駆動信号Comの波形は、同一の波形PSであるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、判定対象吐出部D-Hを駆動するための駆動信号Comの波形を、判定モードに応じて変化させてもよい。例えば、閉状態判定モードにおいては、インクが吐出されない程度に判定対象吐出部D-Hを駆動する波形の駆動信号Comを判定対象吐出部D-Hに供給し、開状態判定モードにおいては、インクが吐出されるように判定対象吐出部D-Hを駆動する波形の駆動信号Comを判定対象吐出部D-Hに供給してもよい。
<<変形例3>>
上述した実施形態及び変形例において、印刷処理が実行される単位期間Tu(厳密には、印刷処理のために各吐出部Dが駆動される単位期間Tu)と、吐出状態判定処理が実行される単位期間Tu(厳密には、判定対象吐出部D-Hが駆動される単位期間Tu)と、は異なるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、印刷処理が実行される単位期間Tuと、吐出状態判定処理が実行される単位期間Tuとは、同一の単位期間Tuであってもよい。すなわち、印刷処理の実行中に、吐出状態判定処理が実行されてもよい。
更には、一の単位期間Tuにおいて、一の吐出部Dを、印刷処理のために駆動するとともに、判定対象吐出部D-Hとして駆動してもよい。この場合、一の吐出部Dを駆動する駆動信号Comの波形は、例えば、一の吐出部Dからインクを吐出させることのできる波形であり、且つ、一の吐出部Dに残留振動を生じさせて当該残留振動の検出を可能とする波形であってもよい。これにより、一の吐出部Dは、一の単位期間Tuにおいて、印刷処理の用に供すると共に、吐出状態判定処理の用に供することになる。
<<変形例4>>
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、4個のヘッドユニットHUと、4個のインクカートリッジ31と、が1対1に対応するように設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、1個以上のヘッドユニットHUと、1個以上のインクカートリッジ31と、を備えていればよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1には、4個のヘッドユニットHUに1対1に対応して4個の吐出状態判定回路9が設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1には、複数のヘッドユニットHUに対して1個の吐出状態判定回路9が設けられてもよく、1個のヘッドユニットHUに対して複数の吐出状態判定回路9が設けられてもよい。
<<変形例5>>
上述した実施形態及び変形例において、吐出状態判定回路9(または吐出状態判定回路9A)は、制御部6(または制御部6A)とは別個の回路として設けられるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、吐出状態判定回路9のうちの一部または全部は、制御部6のCPU等が制御プログラムに従って動作することにより実現される機能ブロックとして実装されてもよい。
<<変形例6>>
上述した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、ヘッドモジュールHMにおいて、複数のノズルNが記録用紙Pの幅よりも広く延在するように設けられた、所謂ラインプリンターであってもよい。
1…インクジェットプリンター、2…駆動信号生成回路、4…メンテナンスユニット、5…記憶部、6…制御部、7…搬送機構、9…吐出状態判定回路、10…切替回路、20…検出回路、61…駆動制御部、62…メンテナンス制御部、63…フラッシング実行決定部、CM…判定モジュール、D…吐出部、HD…記録ヘッド、HM…ヘッドモジュール、HU…ヘッドユニット。

Claims (7)

  1. ノズルから液体を吐出する吐出部と、
    前記ノズルを覆うためのキャップと、
    前記吐出部における液体の吐出状態を判定する判定部と、
    を備え、
    前記判定部は、
    前記キャップが前記ノズルを覆っている状態において前記判定を行う第1の判定モードと、
    前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態において前記判定を行う第2の判定モードと、
    による判定の実行が可能である、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記ノズルから排出された液体を受領するための液体受領部と、
    前記吐出部に、前記吐出部内の液体を前記液体受領部に対して排出するフラッシングを実行させるか否かを決定する決定部と、
    を備え、
    前記判定部は、
    前記決定部が前記吐出部に前記フラッシングを実行させる旨の決定をした場合、
    前記吐出部が前記フラッシングを実行した後に、
    前記第2の判定モードによる判定を行う、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記判定部は、
    前記決定部が、前記吐出部に前記フラッシングを実行させない旨の決定をした場合に、
    前記第1の判定モードによる判定を行う、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記第2の判定モードによる判定には、
    前記吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定が含まれ、
    前記第1の判定モードによる判定には、
    前記吐出部内の液体が増粘しているか否かの判定が含まれない、
    ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記第2の判定モードによる判定には、
    前記吐出部に異物が付着しているか否かの判定が含まれ、
    前記第1の判定モードによる判定には、
    前記吐出部に異物が付着しているか否かの判定が含まれない、
    ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記決定部は、
    前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態が所定時間以上継続した後に、
    前記吐出部が前記フラッシングを実行していない場合に、
    前記吐出部に前記フラッシングを実行させる旨の決定をする、
    ことを特徴とする、請求項2または3に記載の液体吐出装置。
  7. ノズルから液体を吐出する吐出部と、
    前記ノズルを覆うためのキャップと、
    前記吐出部における液体の吐出状態を判定する判定部と、
    を備える液体吐出装置の制御方法であって、
    前記判定部が、
    前記キャップが前記ノズルを覆っている状態において前記判定を行う第1の判定モードと、
    前記キャップが前記ノズルを覆っていない状態において前記判定を行う第2の判定モードと、のうち、
    いずれか一方の判定モードによる判定を実行するように、前記判定部を制御する、
    ことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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