JP2009279765A - 液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク検出部におけるインク滴の残留が確実に防止されることで精度の高い検出を繰り返し行うことができる、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射するノズル47を備える噴射ヘッド3と、噴射ヘッド3のノズル開口面に対して非接触状態で対向配置される液体受け部79を有し、ノズル開口面と液体受け部79との間に電界を付与するとともに噴射ヘッド3から液体受け部79に向けて液体Lを噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する液体検出部7と、を備えた液体噴射装置である。液体検出部7は、液体受け部79に噴射された前記液体を蒸発させるように加熱する加熱手段101を含んでいる。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は、液体を噴射可能な噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を被記録材等に向けて噴射する装置である。液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッド(噴射ヘッド)のノズルから液体状のインク(液体)をインク滴として記録紙等の被記録材に向けて吐出・着弾させてドットを形成することで記録を行うインクジェット式記録装置がある。
このようなインクジェット式記録装置において、ノズルからインクを噴射させることで各ノズルにおけるインクの噴射不良を検出するインク検出装置を備えたものがある。このインクジェット式記録装置では、検出部を鉛直方向に対して傾けることで、検出部内に吐出されたインク滴が残留しないようにしている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−43218号公報
しかしながら、上記従来技術のように重力を用いる場合、粘度の高いインクを検出部内から良好に排出させることが難しく、一部のインクが検出部内に残ってしまう。そのため、検出部を連続的に利用する場合、検出部内の残留インクを除去する必要があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、インク検出部におけるインク滴の残留が確実に防止されることで精度の高い検出を繰り返し行うことができる、液体噴射装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射するノズルを備える噴射ヘッドと、該噴射ヘッドの前記ノズルにおけるノズル開口面に対して非接触状態で対向配置される液体受け部を有し、前記ノズル開口面と前記液体受け部との間に電界を付与するとともに前記噴射ヘッドから前記液体受け部に向けて前記液体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する液体検出部と、を備え、前記液体検出部は、前記液体受け部に噴射された前記液体を蒸発させるように加熱する加熱手段を含むことを特徴とする。
本発明の液体噴射装置によれば、加熱手段により液体受け部を加熱することで、液体検出後の液体受け部上から液体が蒸発して除去される。このように液体を除去することで液体受け部を再度利用することが可能となる。したがって、液体受け部における液体の残留を確実に防止することで精度の高い検出を繰り返して行うことができる。
また、上記液体噴射装置においては、前記加熱手段が、前記液体受け部に通電させることにより当該液体受け部自体を加熱する加熱用回路から構成されるのが好ましい。
この構成によれば、加熱用回路により簡便且つ確実に液体受け部を加熱することができ、液体受け部上の液体を蒸発させることができる。
また、上記液体噴射装置においては、前記液体検出部は、前記液体受け部と前記ノズル開口面との間を電気的に接続する液体検出用回路を有し、前記加熱用回路と前記液体検出用回路とが切り替え可能に構成されるのが好ましい。
この構成によれば、液体検出部は加熱用回路と液体検出用回路とを切り替えることで、ノズルから液体受け部に噴射された液体の検出処理と、液体受け部上から液体を除去する処理とを連続的に行うことができる。
また、上記液体噴射装置においては、前記加熱手段が、前記液体受け部における前記液体が噴射される面と反対側の面に設けられるヒータであるのが好ましい。
この構成によれば、例えばヒータを独立して動作させることにより、液体検出部による液体検出を行いつつ、液体受け部上から液体を蒸発させることができる。
また、上記液体噴射装置においては、前記液体検出部は、前記液体受け部の前記液体が噴射される面を払拭する払拭部材を有するのが好ましい。
この構成によれば、液体の蒸発によって液体受け部の表面に固形物が付着した場合でも払拭部材により確実に除去することができる。よって、固形物に起因する検出不良を防止することができ、長期に亘って精度の高い検出が可能となる。
以下、本発明に係る液体噴射装置の実施形態について図を参照して説明する。
本実施形態では、本発明に係る液体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、プリンタ1という)を例示する。
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ1の概略構成を示す一部分解図である。
プリンタ1は、サブタンク2及び記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、プリンタ本体5とから構成される。
プリンタ本体5には、キャリッジ4を往復移動させるキャリッジ移動機構65と、不図示の記録紙を搬送する紙送り機構と、記録ヘッド3の各ノズルから増粘したインクLを吸引するクリーニング動作等に用いられるキャッピング機構14と、記録ヘッド3から吐出されるインク滴Dを検出可能なインク滴センサ7と、記録ヘッド3に供給するインクLを貯留したインクカートリッジ6と、が設けられている。
上記インク滴センサ7は、記録ヘッド3から吐出されるインク滴を帯電させ、この帯電したインク滴が飛翔する際の静電誘導に基づく電圧変化を検出信号として出力するように構成されたものであり、その詳細については後述する。インク滴センサ7は、非印字領域に配設されている。この非印字領域は、キャリッジ4の移動範囲内であって記録領域よりも外側の端部領域に設定され、電源オフ時や長時間に亘って記録(液体噴射処理)が行われなかった場合にキャリッジ4が待機する領域である。
また、上記キャッピング機構14は、キャップ部材15、吸引ポンプ16等から構成されている(図4参照)。キャップ部材15は、ゴム等の弾性材をトレイ形状に成型した部材によって構成される。
このキャップ部材15は上記ホームポジションに配設されている。本実施形態においては、図1に示されるように、インク滴センサ7及びキャッピング機構14がホームポジション内に隣接した状態に配置されている。
ホームポジションにキャリッジ4が位置する場合には、キャップ部材15が記録ヘッド3のノズル基板43(図3参照)の表面(即ち、ノズル開口面43a)に当接して封止する。この封止状態で吸引ポンプを作動させると、キャップ部材15の内部(封止空部)が減圧されて、記録ヘッド3内のインクLがノズル47から強制的に排出される。
また、上記キャップ部材15は、記録ヘッド3による記録動作前や記録動作中等において、増粘したインクや気泡等を排出するためにインク滴を吐出するフラッシング処理にも用いられる。
なお、プリンタ1はキャップ部材15による吸引動作或いはフラッシング動作等のメンテナンス処理に先立ち、上記インク滴センサ7に対してインク滴を噴射することで各ノズルにおける目詰まりを検出し、この検出結果に基づいて上記メンテナンス処理を行うようにしている。
上記キャリッジ移動機構65は、プリンタ本体5の幅方向に架設されたガイド軸8と、パルスモータ9と、パルスモータ9の回転軸に接続されてこのパルスモータ9によって回転駆動される駆動プーリー10と、駆動プーリー10とはプリンタ本体5の幅方向の反対側に設けられた遊転プーリー11と、駆動プーリー10と遊転プーリー11との間に掛け渡されてキャリッジ4に接続されたタイミングベルト12と、から構成されている。
そして、パルスモータ9を駆動することで、キャリッジ4がガイド軸8に沿って主走査方向に往復移動するように構成されている。
また、紙送り機構66は、紙送りモータやこの紙送りモータによって回転駆動される紙送りローラ(いずれ不図示)等から構成され、記録紙を記録(印字・印刷)動作に連動させてプラテン13の上に順次送り出す。
図2は記録ヘッド3の構成を説明する断面図、図3は記録ヘッド3の要部断面図である。図4は、記録ヘッド3に接続されるインクカートリッジ6、キャッピング機構14、及びインク滴センサ7の構成を説明する模式図である。
本実施形態における記録ヘッド3は、導入針ユニット17、ヘッドケース18、流路ユニット19及びアクチュエータユニット20を主な構成要素としている。
導入針ユニット17の上面にはフィルタ21を介在させた状態で2本のインク導入針22が横並びで取り付けられている。これらのインク導入針22には、サブタンク2がそれぞれ装着される。また、導入針ユニット17の内部には、各インク導入針22に対応したインク導入路23が形成されている。
このインク導入路23の上端はフィルタ21を介してインク導入針22に連通し、下端はパッキン24を介してヘッドケース18内部に形成されたケース流路25と連通する。
なお、本実施形態は、2種類のインクを使用する構成であるため、サブタンク2を2つ配設しているが、本発明は3種類以上のインクを使用する構成にも当然に適用されるものである。
サブタンク2は、ポリプロピレン等の樹脂製材料によって成型されている。このサブタンク2には、インク室27となる凹部が形成され、この凹部の開口面に透明な弾性シート26を貼設してインク室27が区画されている。
また、サブタンク2の下部にはインク導入針22が挿入される針接続部28が下方に向けて突設されている。サブタンク2におけるインク室27は、底の浅いすり鉢形状をしており、その側面における上下中央よりも少し下の位置には、針接続部28との間を連通する接続流路29の上流側開口が臨んでおり、この上流側開口にはインクLを濾過するタンク部フィルタ30が取り付けられている。
針接続部28の内部空間にはインク導入針22が液密に嵌入されるシール部材31が嵌め込まれている。このサブタンク2には、図4に示すように、インク室27に連通する連通溝部32′を有する延出部32が形成されており、この延出部32の上面にはインク流入口33が突設されている。
インク流入口33には、インクカートリッジ6に貯留されたインクLを供給するインク供給チューブ34が接続される。従って、インク供給チューブ34を通ってきたインクLは、このインク流入口33から連通溝部32′を通ってインク室27に流入する。
上記の弾性シート26は、インク室27を収縮させる方向と膨張させる方向とに変形可能である。そして、この弾性シート26の変形によるダンパ機能によって、インクLの圧力変動が吸収される。すなわち、弾性シート26の作用によってサブタンク2が圧力ダンパとして機能する。従って、インクLは、サブタンク2内で圧力変動が吸収された状態で記録ヘッド3側に供給される。
ヘッドケース18は、合成樹脂製の中空箱体状部材であり、下端面に流路ユニット19を接合し、内部に形成された収容空部37内にアクチュエータユニット20を収容し、流路ユニット19側とは反対側の上端面にパッキン24を介在した状態で導入針ユニット17を取り付けるようになっている。
このヘッドケース18の内部には、高さ方向を貫通してケース流路25が設けられている。このケース流路25の上端は、パッキン24を介して導入針ユニット17のインク導入路23と連通するようになっている。
また、ケース流路25の下端は、流路ユニット19内の共通インク室44に連通するようになっている。したがって、インク導入針22から導入されたインクLは、インク導入路23及びケース流路25を通じて共通インク室44側に供給される。
ヘッドケース18の収容空部37内に収容されるアクチュエータユニット20は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子38と、この圧電振動子38が接合される固定板39と、プリンタ本体側からの駆動信号を圧電振動子38に供給する配線部材としてのフレキシブルケーブル40とから構成される。各圧電振動子38は、固定端部側が固定板39上に接合され、自由端部側が固定板39の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子38は、所謂片持ち梁の状態で固定板39上に取り付けられている。
また、各圧電振動子38を支持する固定板39は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。そして、アクチュエータユニット20は、固定板39の背面を、収容空部37を区画するケース内壁面に接着することで収容空部37内に収納・固定されている。
流路ユニット19は、振動板(封止板)41、流路基板42及びノズル基板43からなる流路ユニット構成部材を積層した状態で、接着剤で接合して一体化することにより作製されており、共通インク室44からインク供給口45及び圧力室46を通りノズル47に至るまでの一連のインク流路(液体流路)を形成する部材である。圧力室46は、ノズル47の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室44は、ケース流路25と連通し、インク導入針22側からのインクLが導入される室である。そして、この共通インク室44に導入されたインクLは、インク供給口45を通じて各圧力室46に分配供給される。
流路ユニット19の底部に配置されるノズル基板43は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル47を列状に開設した金属製の薄い板材である。本実施形態のノズル基板43は、ステンレス鋼の板材によって作製され、本実施形態においてはノズル47の列(即ち、ノズル列)が、各サブタンク2に対応して合計22列並設されている。そして、1つのノズル列は、例えば、180個のノズル47によって構成される。ノズル基板43と振動板41との間に配置される流路基板42は、インク流路となる流路部、具体的には、共通インク室44、インク供給口45及び圧力室46となる空部が区画形成された板状の部材である。
本実施形態において、流路基板42は、結晶性を有する基材であるシリコンウェハーを異方性エッチング処理することによって作製されている。振動板41は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板41の圧力室46に対応する部分には、エッチングなどによって支持板を環状に除去することで、圧電振動子38の先端面が接合される島部48が形成されており、この部分はダイヤフラム部として機能する。即ち、この振動板41は、圧電振動子38の作動に応じて島部48の周囲の弾性フィルムが弾性変形するように構成されている。また、振動板41は、流路基板42の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部49としても機能する。このコンプライアンス部49に相当する部分についてはダイヤフラム部と同様にエッチングなどにより支持板を除去して弾性フィルムだけにしている。
そして、上記の記録ヘッド3において、フレキシブルケーブル40を通じて駆動信号が圧電振動子38に供給されると、この圧電振動子38が素子長手方向に伸縮し、これに伴い島部48が圧力室46に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力室46の容積が変化し、圧力室46内のインクLに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル47からインク滴Dが吐出される。
インクカートリッジ6は、図4に示すように、中空箱形状に形成されたケース部材51と、可塑性材料によって形成されたインクパック52とから構成されており、ケース部材51内の収容室にインクパック52を収容している。このインクカートリッジ6は、インク供給チューブ34の一端部と連通しており、記録ヘッド3のノズル開口面43aとの水頭差によってインクパック52内のインクLを記録ヘッド3側に供給するように構成されている。具体的には、インクカートリッジ6と記録ヘッド3との重量方向の相対的な位置関係がノズル47のメニスカスに対し、僅かに負圧がかかるような状態に設定されている。そして、圧電振動子38を駆動することによる圧力変化によって、圧力室46へのインクLの供給と、この圧力室46内のインクLの吐出を行う。
キャップ部材15は、上面が開放されたトレイ状の部材であり、エラストマー等の弾性部材により作製されている。このキャップ部材15の内部にはインク吸収体77が配設されている。インク吸収体77は、インクLを保持可能(吸収可能)なスポンジ状部材、あるいは多孔部材等で形成されている。本実施形態においては、インク吸収体77は、フェルトなどの不織布で形成されている。例えば非記録中には、インク吸収体77に吸収されたインクがノズル開口面43aとキャップ部材15とが当接することによって形成された空間内を保湿し、ノズル47内のインクが乾燥するのを抑制可能としている。また、キャップ部材15の底にはチューブ15aを介して吸引ポンプ16が接続されており、チューブ15aを介してインク吸収体77に吸収されたインク滴Dが外部に排出されるようになっている。
インク滴センサ7は、図4に示されるように記録ヘッド3のノズル開口面43aと所定ギャップを介して対向するように配置され、ノズル47から吐出されたインクを受ける検出電極(インク受け部)79と、この検出電極79と上記ノズル基板43の噴射面(ノズル開口面43a)との間に電圧を印加する電圧印加器75と、上記検出電極79の検出部(上面)78の電圧を検出する電圧検出器76と、を備えている。
上述のように、ノズル基板43はステンレス鋼等の金属で形成されている。また、上記検出電極79は例えばアルミニウムから構成されている。電圧印加器75は、検出電極79が正極、ノズル基板43が負極となるように、直流電源と抵抗素子とを介して、検出電極79とノズル基板43とを電気的に接続している。これにより、電圧印加器75は、ノズル開口面43aと検出電極79との間に電圧を印加可能となっている。
また、電圧検出器76は、検出電極79の電圧信号を積分して出力する積分回路、この積分回路から出力された信号を反転増幅して出力する反転増幅回路、及びこの反転増幅回路から出力された信号をA/D変換して出力するA/D変換回路等を含むものである。
本実施形態においては、インク滴センサ7は、ノズル開口面43aと検出電極79との間に電界を与えて、ノズル47から検出部78にインクが噴射されるときの静電誘導に基づく電圧値の時間的変化を検出波形として、プリンタ1の動作を制御する処理装置(不図示)に出力する。処理装置は、検出電極79の出力を演算処理可能であり、検出電極79から出力された検出波形に基づいて、インクの重量に関する情報を取得可能となっている。
本実施形態に係るインク滴センサ7は、上記検出電極79とノズル開口面43aとの間を電気的に接続するインク検出用回路(液体検出用回路)100と、上記検出電極79に通電させることにより検出電極79自体を加熱する加熱用回路(加熱手段)101と、を含んでいる。加熱用回路101は、上記検出電極79に電気的に接続される電源装置90を含む。
電源装置90は、例えば検出電極79に交流電圧を印加するものである。この構成により、加熱用回路101は、内部抵抗を利用することで検出電極79自体を加熱することが可能となっている。このように検出電極79自体を加熱することで、インク検出後の検出部78上に噴射されているインク滴Dを蒸発させることができる。
また、インク滴センサ7は、上記インク検出用回路100と、上記加熱用回路101と、を切り替え可能とするスイッチS1、S2を備えている。具体的には、インク滴センサ7は、スイッチS2をON状態(閉じる)とし、スイッチS1をOFF状態(開く)とすることで、ノズル47から噴射されるインク滴Dの検出を行うことができる。一方、インク滴センサ7は、上記インク滴Dの検出を行った後、スイッチS2をOFF状態(開く)とし、スイッチS1をON状態(閉じる)とすることで、上述したように検出電極79を加熱して検出部78上のインク滴Dを蒸発させることができる。
続いて、インク滴センサ7の原理、すなわち静電誘導によって誘導電圧が生じる原理について図面を参照しながら説明する。図5は、静電誘導によって誘導電圧が生じる原理を説明する模式図であり、同図(a)はインク滴Dが吐出された直後の状態を示し、同図(b)はインク滴Dが検出電極79の検出部78に着弾した状態を示している。図6は、インク滴センサ7から出力される検出信号(インク1滴分)の波形の一例を示す図である。ノズル基板43と検出電極79との間に電圧が印加した状態で、吐出パルスDPを用いて圧電振動子38を駆動させて、任意の一つノズル47からインク滴Dを吐出させる。
この際、ノズル基板43は負極となっているため、図5(a)に示すように、ノズル基板43の一部の負電荷がインク滴Dに移動し、吐出されたインク滴Dは負に帯電する。そして、このインク滴Dが検出電極79に対して近づくに連れ、静電誘導によって検出部78の表面では正電荷が増加する。
これにより、ノズル基板43と検出電極79との間の電圧は、静電誘導によって生じる誘導電圧により、インク滴Dを吐出しない状態における当初の電圧値よりも高くなる。
その後、図5(b)に示すように、インク滴Dが検出電極79に着弾すると、インク滴Dの負電荷により検出電極79の正電荷が中和される。このため、ノズル基板43と検出電極79との間の電圧は当初の電圧値を下回る。
そして、その後に、ノズル基板43と検出電極79との間の電圧は当初の電圧値に戻る。
したがって、図6に示すように、インク滴センサ7から出力される検出波形は、一旦電圧が上昇した後に、当初の電圧値を下回るまで下降し、その後当初の電圧値に戻る波形となる。
このようにして、インク滴センサ7により各ノズル47からインク滴Dを吐出した際の電圧変化が検出される。
ところが、例えばノズルの詰まりが生じている場合、同一の吐出パルスDPを用いたとしても、インク滴Dが着弾しないために上述の波形が得ることができない。よって、ノズル抜けが生じたノズル47を良好に検出することができる。また、内部のインクが増粘したノズル47は、吐出量(液量)が正常時に比べて減少する。このため、図6において、実線で示すように、インク滴センサ7から出力される検出信号(検出波形Z)の振幅Aは、正常時の検出信号(理想波形Z0:図6の破線)の振幅A0に比べて小さくなる(振幅差ΔA)。また、吐出パルスDPを印加してからインク滴Dがノズル基板43から離間するまでの時間も、正常時に比べて遅くなる(電圧上昇するタイミングが時間差ΔTだけずれる)。
したがって、インク滴センサ7から出力される検出波形Zの有無や、その振幅A、電圧上昇のタイミングを理想波形Z0のそれらと比較(ΔA,ΔTを検出)することで、記録ヘッド3の各ノズル47内におけるインクLの噴射状況を検出することができる。このとき、インクを正常に吐出できないノズル47は目詰まりノズルとして検出される。
図7は吐出パルスの構成を説明する図である。図7において、吐出パルスDPは、基準電位VMから最高電位VHまで所定の勾配で電位を上昇させる第1充電要素PE1と、最高電位VHを一定時間維持する第1ホールド要素PE2と、最高電位VHから最低電位VLまで所定の勾配で電位を降下させる放電要素PE3と、最低電位VLを短い時間維持する第2ホールド要素PE4と、最低電位VLから基準電位VMまで電位を復帰させる第2充電要素PE5とを含む。ノズル47から噴射されるインクの滴の量が設計値と一致するように、吐出パルスDPのうち、最高電位VHと最低電位VLとの電位差である駆動電圧VDが設定される。なお、図7に示す吐出パルスDPは一例であり、種々の波形のものを用いることができる。
駆動信号発生器(不図示)より吐出パルスDPが圧電振動子38に入力されると、ノズル47よりインクの滴が吐出される。第1充電要素PE1が供給されると、圧電振動子38が収縮して圧力室46が膨張する。この圧力室46の膨張状態が短時間維持された後、放電要素PE3が供給されて圧電振動子38が急激に伸長する。これに伴って、圧力室46の容積が基準容積(圧電振動子38に基準電位VEを印加したときの圧力室46の容積)以下に収縮し、ノズル47に露出したメニスカスが外側に向けて急激に加圧される。これにより、所定量のインクの滴がノズル47から吐出される。その後、第2ホールド要素PE4、及び第2充電要素PE5が圧電振動子38に順次供給され、インクの滴の吐出に伴うメニスカスの振動を短時間で収束させるように、圧力室46が基準容積に復帰する。
このようなインク滴センサ7を用いることで、ノズル47毎にインクが良好に吐出されているか否かといったインク吐出状況を正確に把握することが可能となる。本実施形態に係るプリンタ1は、上記インク滴センサ7の検出結果(目詰まりノズル数)に基づいて、上記キャッピング機構14における吸引動作時の吸引ポンプ16の駆動条件およびフラッシング動作時におけるインクの噴射数等のメンテナンスパラメータを決定するようにした。
続いて、上記プリンタ1の動作について説明する。本実施形態では、上記インク滴センサ7の動作方法を中心に説明する。プリンタ1は、必要に応じて上記キャッピング機構14を用いることでメンテナンス処理を行う。このメンテナンス処理に先立ち、プリンタ1は上記インク滴センサ7を用いて各ノズル47におけるインクの噴射状況を検出する検出ステップを行う。
この検出ステップを行う場合には、キャリッジ4を駆動して、記録ヘッド3をホームポジションに移動させて、検出電極79の上方に位置づける。そして、不図示の昇降機構によって検出電極79を上昇させて、記録ヘッド3のノズル開口面43aと検出部78とを非接触状態で対向させる。このとき、インク滴センサ7は、スイッチS2をON状態(閉じる)とし、スイッチS1をOFF状態(開く)とする。このような状態で電圧印加器75によって、ノズル基板43と検出電極との間に電圧が印加される。
そして、ノズル基板43と検出電極79との間に電圧が印加した状態で、吐出パルスDPを用い、ノズル47に対応する圧電振動子38を駆動させて、各ノズル47から順次インク滴Dを吐出させる。
この際、ノズル基板43は負極となっているため、図5(a)に示したように、ノズル基板43の一部の負電荷がインク滴Dに移動し、吐出されたインク滴Dは負に帯電する。このインク滴Dが検出電極79に着弾すると、インク滴Dの負電荷により検出電極79の正電荷が中和されるようになる。このとき、電圧検出器76は各ノズル47からインク滴Dを吐出した際の電圧変化を検出することが可能となる。よって、インク滴センサ7は、各ノズル47におけるインクの噴射状況を検出することができる。本実施形態では、後述するようにインク滴センサ7の検出結果に基づき、メンテナンス処理のパラメータを決定している。
上記インク滴センサ7による検出が終了した後、プリンタ1は、上記インク滴Dの検出を行った後、スイッチS2をOFF状態(閉じる)とし、スイッチS1をON状態(閉じる)とする。これにより、加熱用回路101は閉じられた状態となる。そして、電源装置90により検出電極79に交流電圧を印加する。このように通電された検出電極79は、図8(a)に示されるように、その内部抵抗により発熱する。よって、検出電極79自体が加熱されることで、図8(b)に示されるように検出部78上のインク滴Dが蒸発し、図8(c)に示されるように、検出部78上からインク滴Dを除去できる。
このようにインクを蒸発させることで検出電極79を再度利用することが可能となる。したがって、検出電極79におけるインクの残留を確実に防止することで精度の高い検出を繰り返して行うことができる。
続いて、プリンタ1は、上述のようにインク滴センサ7の検出結果に基づいて決定されたパラメータにより上記キャッピング機構14を駆動させることで、定期フラッシング或いは吸引動作を行う。
ところで、従来、定期フラッシングの頻度、定期フラッシング時における各ノズルからのインク吐出滴数、或いは吸引動作時における吸引ポンプの駆動力は、ノズル内のインクLの増粘状態が最も悪い場合を想定して、予め設定されている。しかしながら、実際のインクの増粘状態は、最悪の状態に至っていない場合が殆どである。
これに対し、本実施形態に係るプリンタ1は、上述のようにインク滴センサ7により各ノズル47における実際のインクLの増粘状態を検出し、その検出結果に応じて、定期フラッシングの間隔や吐出滴数等のフラッシング条件を変更することで、定期フラッシング処理により捨てられてしまうインクLの量を最小限に抑えることが可能となる。また、目詰まりが生じたノズル47の数に応じて、吸引動作時における吸引ポンプ16の駆動条件(吸引力)を調整することで吸引により捨てられてしまうインクLの量を最小限に抑えることも可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、液体噴射装置として、インクジェット式プリンタに具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体(機能材料の粒子が分散されている液状体、ジェルのような流状体)を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化することもできる。
また、プリンタ1が、上記インク滴センサ7におけるインク受け部として機能する検出電極79のインクが噴射される面を払拭するワイパー部材(払拭部材)を設けるようにしてもよい。この構成によれば、インクの蒸発によって検出電極79の表面にインク固形物が付着した場合でもワイパー部材により確実に除去することができる。よって、固形物に起因する検出不良を防止でき、より長期に亘って精度の高い検出が可能となる。
また、上記実施形態では、加熱用回路101により検出電極79自体に通電させることで加熱したが、図9に示されるように検出電極79自体を直接加熱するヒータ91を直接設けるようにしてもよい。この場合、上記ヒータ91を独立して動作させながらノズル基板43と検出電極79との間に電圧を印加することでインク滴センサ7による検出動作を行いつつ、検出電極79上からインクを蒸発させることができる。
また、上記実施形態ではキャリッジ4に搭載された記録ヘッド3が記録紙上を移動可能に構成された、所謂シリアル方式のインクジェット式プリンタに適用した場合について説明したが、本発明は印刷紙の幅員(最大記録紙幅)以上の長さに亘ってノズルが多数配列された、所謂ラインヘッド方式のインクジェット式プリンタについても適用可能である。
液体噴射装置の一実施例に係る構成を示す斜視図である。 液体噴射装置の平面図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 インク滴センサの周辺構成を説明する模式図である。 (a)、(b)は、インク滴センサの原理を説明するための図である。 インク滴センサから出力される検出信号の波形の一例を示す図である。 吐出パルスの構成を説明する図である。 加熱用回路により検出電極上からインク滴が蒸発する過程の説明図である。 インク滴センサにおける変形例に係る構成を示す図である。
符号の説明
1…プリンタ(液体噴射装置)、3…記録ヘッド(噴射ヘッド)、7…インク滴センサ(液体検出部)、79…検出電極(液体受け部)、43a…ノズル開口面、47…ノズル、91…加熱手段、100…インク検出用回路(液体検出用回路)、101…加熱用回路(加熱手段)

Claims (5)

  1. 液体を噴射するノズルを備える噴射ヘッドと、
    該噴射ヘッドの前記ノズルにおけるノズル開口面に対して非接触状態で対向配置される液体受け部を有し、前記ノズル開口面と前記液体受け部との間に電界を付与するとともに前記噴射ヘッドから前記液体受け部に向けて前記液体を噴射したときの静電誘導に基づく電圧変化を検出する液体検出部と、を備え、
    前記液体検出部は、前記液体受け部に噴射された前記液体を蒸発させるように加熱する加熱手段を含むことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記加熱手段が、前記液体受け部に通電させることにより当該液体受け部自体を加熱する加熱用回路から構成されることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記液体検出部は、前記液体受け部と前記ノズル開口面との間を電気的に接続する液体検出用回路を有し、前記加熱用回路と前記液体検出用回路とが切り替え可能に構成されることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記加熱手段が、前記液体受け部における前記液体が噴射される面と反対側の面に設けられるヒータであることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  5. 前記液体検出部は、前記液体受け部の前記液体が噴射される面を払拭する払拭部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
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