JP2009160538A - 旧塗膜の補修塗装法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂を結合剤とする塗料からなる旧塗膜を全面剥離する必要がなく、チヂミ、クラック、ハガレ等が生じることがなく、防食性、付着力、冷熱サイクル性、柔軟性又は内部応力緩和等に優れた下塗塗膜の補修塗装が可能であり、且つ厚膜型塗料や仕上げ塗料による塗装が可能な、旧塗膜の補修塗装法を提供すること。
【解決手段】熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面に、該旧塗膜を溶解又は膨潤させる溶剤を含有し且つ伸び率が5〜150%の塗膜を形成する下塗塗料を乾燥膜厚で50〜300μmとなるように塗装し、次いで、伸び率が2〜200%の塗膜を形成する厚膜型塗料を乾燥膜厚で200〜1000μmとなるように塗装する、旧塗膜の補修塗装法。
【選択図】 なし

Description

本発明は道路のガードレール、橋梁、トンネル等の各種鋼構造物や、プラント、船舶等に塗装され、長期間暴露された旧塗膜、即ち、日光や風雨に曝された熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の補修塗装法に関する。
従来、屋外の鋼構造物には、その防食や美観対策として、耐水性や耐候性がよく且つ速乾性で厚膜塗装も可能な、熱可塑性樹脂を結合剤とする塗料、例えば塩化ゴム系塗料やビニル系塗料が広く塗装されている。
長期間暴露されて劣化した塩化ゴム系やビニル系の旧塗膜等を補修する場合、旧塗膜の劣化していない部分(活膜部)は活かし、劣化している部分(死膜部)はケレンにより取り除く、いわゆる3種ケレンを行った後、そのケレンにより取り除いた部分を補修塗料で補修し、更に、全面を塗装する補修方法が多用されている。この場合、塩化ゴム系やビニル系の旧塗膜等は、本質的に架橋成分を持たない熱可塑性樹脂を結合剤としているので、塩化ゴム系塗膜やビニル系塗膜等の表面に補修塗料としてエポキシ樹脂系塗料や、ウレタン樹脂系塗料等を塗装すると、補修塗料中の溶剤により塩化ゴム系旧塗膜やビニル系旧塗膜等が一部溶解又は膨潤したり、補修塗料中の溶剤の揮発後、塩化ゴム系旧塗膜やビニル系旧塗膜等が収縮し、それが原因で補修塗膜にチヂミ、クラック、ハガレ等が発生するという問題があった。
更に、塩化ゴム系塗膜は被塗物の温冷繰り返し作用による膨張、収縮に追従しやすいので、耐候性や耐火性等に優れた無機質系塗料を補修塗料として使用すると、無機質系塗膜は柔軟性がないためクラックが生じやすく、それ故、優れた特性を有する無機質系塗料を塩化ゴム系旧塗膜の補修塗料として利用することは無理と考えられていた。従って、従来は塩化ゴム系旧塗膜は、全面剥離し、新規に塗装しており、そのため多くの工数とコストがかかるという問題があった。
塩化ゴム系旧塗膜を全面剥離させる必要がなく、その上にチヂミやクラック等の生じない補修塗装が可能な塩化ゴム系旧塗膜の補修塗装法として、鱗片状充填剤を含有し、塩化ゴム系塗膜を溶解もしくは膨潤させない溶剤を配合した下塗塗料を使用する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
また、塩化ゴム系旧塗膜やビニル系旧塗膜等が補修塗料中の溶剤により一部溶解又は膨潤することにより生じる問題を避ける方法として、旧塗膜を溶解又は膨潤しない溶剤を含有し且つ伸び率が3〜200%の塗膜を形成するする下塗塗料を乾燥膜厚で50〜300μmとなるように塗装する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−334375号公報 特開2005−334759号公報
鱗片状充填剤を含有し、塩化ゴム系塗膜を溶解もしくは膨潤させない溶剤を配合した下塗塗料を使用する方法においては、形成される塗膜は柔軟性が乏しいため、クラックが生じる傾向があり、必ずしも満足できるものではなかった。また、旧塗膜を溶解又は膨潤しない溶剤を含有する下塗塗料を使用する方法においては、防食性、付着力、冷熱サイクル性について必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、熱可塑性樹脂を結合剤とする塗料、例えば塩化ゴム系塗料やビニル系塗料からなる旧塗膜を全面剥離する必要がなく、チヂミ、クラック、ハガレ等が生じることがなく、防食性、付着力、冷熱サイクル性、柔軟性又は内部応力緩和等に優れた下塗塗膜の補修塗装が可能であり、且つ厚膜型塗料や仕上げ塗料による塗装が可能な、旧塗膜の補修塗装法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面に、該旧塗膜を溶解又は膨潤させる溶剤を含有するが特定の伸び率の塗膜を形成する下塗塗料を特定の乾燥膜厚となるように塗装し、次いで、特定伸び率の塗膜を形成する厚膜型塗料を特定の乾燥膜厚となるように塗装することにより、上記の目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の旧塗膜の補修塗装法は、熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面に、該旧塗膜を溶解又は膨潤させる溶剤を含有し且つ伸び率が5〜150%の塗膜を形成する下塗塗料を乾燥膜厚で50〜300μmとなるように塗装し、次いで、伸び率が2〜200%の塗膜を形成する厚膜型塗料を乾燥膜厚で200〜1000μmとなるように塗装することを特徴とする。
本発明の旧塗膜の補修塗装法により、熱可塑性樹脂を結合剤とする塗料からなる旧塗膜を全面剥離する必要がなく、チヂミ、クラック、ハガレ等が生じることがなく、防食性、付着力、冷熱サイクル性、柔軟性又は内部応力緩和等に優れた下塗塗膜の補修塗装が可能であり、且つ厚膜型塗料や仕上げ塗料による塗装が可能であり、長期の耐久性を向上させることが出来る。
本発明の補修塗装法が適用される熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜は、例えば、塩化ゴム系やビニル系等の樹脂から構成されている塗膜である。塩化ゴム系旧塗膜を構成する塩化ゴム系塗膜は、JIS K 5639で規定されている塩化ゴムや塩素化ポリオレフィン等の塩素化樹脂、あるいはこれらの樹脂にアルキド樹脂やアクリル樹脂等を配合した樹脂を結合剤とする塗料から形成された旧塗膜である。ビニル系旧塗膜を構成するビニル系塗膜は、例えば、JIS K 5581で規定されているポリ塩化ビニルを主成分とする塗料から形成された旧塗膜である。
なお、本発明の補修塗装法が適用される旧塗膜について、活膜部は付着性試験(JIS K 5600−5−7)において1.0MPa以上の付着力を有する部分であり、死膜部はそれ未満の付着力を有する部分であり、補修する場合には、死膜部は旧塗膜からケレンにより除去することが望ましい。
次に、本発明で使用する補修塗料について説明する。
本発明で使用する下塗塗料は、その形成される塗膜が被塗物や旧塗膜の膨張、収縮に追従出来る必要があるため、伸び率が5〜150%、好ましくは20〜100%、より好ましくは30〜80%の塗膜を形成する下塗塗料を乾燥膜厚で50〜300μm、好ましくは70〜280μm、より好ましくは90〜250μmとなるように塗装することが必要である。なお、塗膜の伸び率は、例えば、引張り強度試験器(島津製作所製のオートグラフAG2000B)で測定した破断伸び率として表すことができる。
下塗塗膜の伸び率が5%より小さい場合には、そのような塗膜は被塗物や旧塗膜の膨張、収縮に追従しにくく、後にクラックや割れの原因となる。また、下塗塗膜の伸び率が150%を越える場合には、そのような塗膜は架橋密度が小さくなり、溶剤の浸透性が大きくなってチヂミの原因となる。また、下塗塗膜の乾燥膜厚が50μmより薄い場合には、そのような塗膜は耐久性(防食性)が不十分となる。また、下塗塗膜の乾燥膜厚が300μmを越える場合には、そのような塗膜は乾燥性や、作業性、付着性が悪くなる。
このような下塗塗料に使用される好適な塗膜形成樹脂として、例えば、エポキシ樹脂系や、ウレタン樹脂系、油変性アルキド樹脂を挙げることができる。特に、エポキシ樹脂系又はウレタン樹脂系は旧塗膜との密着性が優れているので好ましい。エポキシ樹脂系の合成樹脂の中でも、柔軟性に優れた塗膜を形成し得る合成樹脂が好ましく、好適な市販品として、例えば、東レチオコール(株)製の「FLEP−50」や「FLEP−60」、旭電化工業(株)製のアデカレジン「EPU−4−75」等を挙げることができる。また、そのエポキシ樹脂の硬化剤としては、代表的なものとして、脂肪族ポリアミンや、芳香族ポリアミン、脂環式ポリアミン、ポリアミドアミン化合物、及びこれらの変性物等の公知のエポキシ樹脂硬化剤を挙げることができる。具体的には、好適なものとして、三和化学工業(株)製の「サンマイド308D−65」や、「サンマイド301D」、「サンマイドi−544」等を挙げることができる。
ウレタン樹脂系の合成樹脂の中でも、柔軟性に優れた塗膜を形成し得る合成樹脂が好ましく、例えば、市販品として、主剤としての大日本インキ化学工業(株)製の「アクリディックA−801」等のアクリルポリオールや、ハリマ化成(株)製の「ハリポールF−209」等のポリエステルポリオールと、その硬化剤としての旭化成工業(株)製の「デュラネートE−405−80T」や「デュラネートE−402−90T」等との配合物を挙げることができる。
本発明で使用する下塗塗料は、塗膜形成樹脂、溶剤及び必要に応じて配合される着色顔料や体質顔料、防錆顔料等の顔料、充填剤、硬化剤、更には硬化促進剤や湿潤剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤等で構成される。
本発明で使用する下塗塗料に配合される溶剤は旧塗膜を溶解又は膨潤させる溶剤である。溶剤が旧塗膜を溶解するか又は膨潤するかを評価する場合には、例えば、使用しようとする溶剤を指先に付着させ、その指を旧塗膜に接触させることにより評価することができる。例えば、旧塗膜と接触した時に、指先が旧塗膜に付着すれば、その溶剤は旧塗膜を溶解するものと評価することができる。また、旧塗膜と接触した時に、指先が旧塗膜に付着することはないが、旧塗膜に指の後が残れば、その溶剤は旧塗膜を膨潤するものと評価することができる。このような溶剤は、旧塗膜に使用される熱可塑性樹脂の種類に応じて当業者には容易に選択することができる。
熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜が塩化ゴム系樹脂又はビニル系樹脂で構成されている場合には、旧塗膜を溶解又は膨潤させる溶剤としてキシレンを挙げることができる。上記溶剤の他に、エステル系溶剤や、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤等の強溶剤を用いることもできる。
本発明で使用する下塗塗料は顔料として特に鱗片状顔料を含有することが好ましい。鱗片状顔料は、下塗塗膜の上に塗装される後述の厚膜型塗料を塗装した際に、厚膜型塗料中の溶剤の浸透を遮断し、旧塗膜まで含浸するのを抑制するとともに、被塗物や旧塗膜の膨張、収縮の動きが厚膜塗膜に伝播されるのを緩和し、塗膜におけるクラックの発生を防止する働きを有する。
鱗片状顔料の大きさについては、上述の効果を発揮するとともに、その強度、塗装作業性等を考慮して、通常、その平均厚さが0.3〜10μm、好ましくは、2〜8μmであり、平均長径(面方向の最大長さ)が1〜1700μm、好ましくは2〜500μmであることが適当である。好適な鱗片状顔料として、鱗片状酸化鉄(MIO)や、鱗片状タルク、ガラスフレーク等を挙げることができる。
下塗塗膜の厚膜化や、着色、防食性向上等のために下塗塗料に顔料を任意に配合することができる。具体的には、二酸化チタンや、酸化鉄、カーボンブラック等の着色顔料、シリカや、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料、リン酸亜鉛や、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ハイドロカルマイト等の防錆顔料を代表的なものとして挙げることができる。
本発明で使用する下塗塗料は、塗料固形分基準で、結合剤(硬化剤を使用する場合には硬化剤も含む)を30〜90質量%、好ましくは35〜70質量%、顔料を5〜65質量%、好ましくは25〜60質量%含有し、その顔料の内の(顔料の質量基準で)20〜100質量%、好ましくは30〜80質量%が鱗片状顔料であることが好ましい。
本発明の補修塗装法においては、下塗塗膜を形成した後にその上に塗装される厚膜型塗料は、その形成される塗膜が下塗塗膜の膨張や収縮に追従出来る必要があるため、伸び率が2〜200%、好ましくは3〜200%、より好ましくは5〜150%の塗膜を形成する下塗塗料を乾燥膜厚で200〜1000μm、好ましくは250〜900μm、より好ましくは300〜800μmとなるように塗装することが必要である。
厚膜型塗膜の伸び率が2%より小さい場合には、そのような塗膜は下塗塗膜の膨張、収縮に追従しにくく、後にクラックや割れの原因となる。また、下塗塗膜の伸び率が200%を越える場合には、そのような塗膜は架橋密度が小さくなり、溶剤の浸透性が大きくなってチヂミの原因となり、更に防食性が低下する。また、厚膜型塗膜の乾燥膜厚が200μmより薄い場合には、そのような塗膜は耐久性(防食性)が不十分となる。また、厚膜型塗膜の乾燥膜厚が1000μmを越える場合には、そのような塗膜は乾燥性や、作業性、付着性が悪くなる。
このような厚膜型塗料に使用される塗膜形成樹脂として、例えば、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ビニル樹脂系、ポリエステル樹脂系、フッ素樹脂系、無機質系等を挙げることができる。
本発明で使用する厚膜型塗料は、上記塗膜形成樹脂、溶剤及び必要に応じて配合される着色顔料や体質顔料、防錆顔料等の顔料、充填剤、硬化剤、更には硬化促進剤や湿潤剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤等で構成される。必要に応じて配合される顔料等の添加剤については上記下塗塗料に関連して説明したものと同様のものを好適に使用することができる。
本発明で使用する厚膜型塗料に配合される溶剤として、塗料用に普通に使用されているエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤等の強溶剤や弱溶剤等のいかなるものでも使用可能である。
本発明で使用する厚膜型塗料は、塗料固形分基準で、結合剤(硬化剤を使用する場合には硬化剤も含む)を30〜90質量%、好ましくは35〜70質量%、顔料を5〜65質量%、好ましくは25〜60質量%含有することが好ましい。無論、顔料として鱗片状顔料を含有することもできる。
次に、本発明の旧塗膜の補修塗装法について説明する。
まず、旧塗膜に発錆や、フクレ、割れといった劣化部がある場合や、旧塗膜の付着力が著しく低くなっている劣化部(死膜部)がある場合には、それらの劣化部をケレンにより除去する。表面にチョーキングが発生している場合、あるいは旧塗膜表面に汚物が付着している場合には、予めサンドペーパー等による研磨処理等により目荒らしすることが好ましい。このようにして表面処理した旧塗膜の表面に前述の下塗塗料を、スプレー塗装や、ローラー塗装、ハケ塗装等の手段により、乾燥膜厚で50〜300μmになるように塗装し、自然乾燥させて下塗塗膜を形成する。
次いで、下塗塗膜の表面に厚膜型塗料を、スプレー塗装や、ローラー塗装、ハケ塗装等の手段により、乾燥膜厚で200〜1000μmになるように塗装し、自然乾燥させて厚膜塗膜を形成する。
本発明の旧塗膜の補修塗装法においては、厚膜塗膜を形成した後、更に、その上に仕上げ塗料を塗装することが好ましい。この仕上げ塗料を塗装する目的は、耐候性や、耐水性、耐汚染性、意匠性等を補修塗膜に付与するためである。
本発明で任意に使用される仕上げ塗料は、ウレタン樹脂系、ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、ポリエステル樹脂系、フッ素樹脂系、無機質系等の塗料であることが好ましい。また、仕上げ塗料に配合される溶剤溶剤として、塗料用に普通に使用されているエステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤等の強溶剤や弱溶剤等のいかなるものでも使用可能である。仕上げ塗装としては、厚膜塗膜表面に、中塗塗料や上塗塗料をスプレー塗装、ローラー塗装、ハケ塗装等の手段により塗装し、自然乾燥させ、仕上げ塗膜を形成する。
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明を説明する。なお、実施例及び比較例中の「部」や、「%」は、特に断らない限り質量基準で示す。
実施例1〜6及び比較例1〜5
<下塗塗料、厚膜型塗料の配合>
実施例及び比較例で用いた下塗塗料及び厚膜型塗料の組成(部)を第1表に示す。
Figure 2009160538
第1表において、柔軟性エポキシ樹脂ワニスAは東レチオコール(株)製、FLEP−50(エポキシ当量330、固形分100%)であり、柔軟性エポキシ樹脂ワニスBは東レチオコール(株)製、FLEP−60(エポキシ当量280、固形分100%)であり、エポキシ樹脂ワニスCはジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828(エポキシ当量190、固形分100%)であり、ポリアミドアミン溶液は三和化学工業(株)製、サンマイド308D−65(活性水素当量177、固形分65%)であり、変性脂環ポリアミン化合物は三和化学工業(株)製、サンマイド301D(活性水素当量380、固形分100%)であり、塗膜の伸び率は島津製作所製のオートグラフAG2000B(引張り強度試験器)で測定した破断伸び率である。
<試験片の作製>
実施例及び比較例について、#240サンドペーパーで研磨した1L丸缶の内外面に、エポキシ樹脂系下塗塗料(大日本塗料(株)製「エポオール♯40下塗」)、塩化ゴム中塗塗料(大日本塗料(株)製「ラバータイト♯100中塗」)、及び塩化ゴム上塗塗料(大日本塗料(株)製「ラバータイト♯100上塗」)を23℃、相対湿度50%の恒温室にて24時間間隔で順次塗り重ね、1週間同室にて乾燥させた後、50℃で5日間強制乾燥し、更に[−20℃×2時間]→[50℃×2時間](移行時間:各1時間、4サイクル/1日)の冷熱サイクル試験を100サイクルしたものを旧塗膜の試験片とした。
該旧塗膜の試験片を#240サンドペーパーで研磨した後、上記各下塗塗料(A〜E)を乾燥膜厚が所定の厚さになるように刷毛塗りし、23℃、相対湿度50%の恒温室で2日間自然乾燥させた。次いで上記各厚膜型塗料(X)を乾燥膜厚が所定の厚さになるように刷毛塗りし、同室にて2日間乾燥させた。これを更に、室温23℃、相対湿度50%の恒温室にて1週間養生させ、試験片とした。
各試験片に使用した下塗塗料の種類、下塗塗膜の伸び率及び乾燥膜厚、並びに厚膜型塗料の種類、厚膜塗膜の伸び率及び乾燥膜厚は第2表に示す通りであった。
実施例1〜6及び比較例1〜5の試験片について下記の特性を下記の方法で試験し、下記の評価基準で評価した。それらの評価結果も第2表に示す。
<冷熱サイクル試験>
得られた試験片を、[−20℃×2時間]→[50℃×2時間](移行時間:各1時間、4サイクル/1日)の冷熱サイクル試験を行い、試験片の塗膜にクラックやワレが生じるまでのサイクル数を測定した。
<耐湿性試験>
JIS K 5600−8−2の「塗膜劣化の評価」「膨れの等級」の「膨れの密度の数値による等級」に準拠して下記の評価基準に従って評価した。
◎: 膨れの密度の数値による等級 0
○: 膨れの密度の数値による等級 1〜2
△: 膨れの密度の数値による等級 3
×: 膨れの密度の数値による等級 4〜5
<耐湿性試験後の接着力試験及び接着力試験での凝集破壊剥離位置>
JIS K 5600−5−6の「塗膜の機械的性質」「付着性(クロスカット法)」の表1の試験結果の分類に準拠して下記の評価基準に従って評価した。
○: 試験結果の分類 0〜1
△: 試験結果の分類 2〜3
×: 試験結果の分類 4〜5
Figure 2009160538
第2表中のデータから明らかなように、実施例1〜6の本発明の補修塗装法により、耐湿性、接着力に優れ、冷熱サイクル性にも優れた補修塗膜を得ることができる。これに対して、下塗塗料の溶剤として旧塗膜を溶解しない溶剤を用いた比較例1及び2においては、耐湿性、接着力が不十分であった。厚膜塗膜の膜厚が本発明で規定している厚みより薄い比較例3の場合には耐湿性、接着力が不十分であり、厚膜塗膜の膜厚が本発明で規定している厚みより厚い比較例4の場合には冷熱サイクル性が不十分であった。また、下塗塗膜の膜厚が本発明で規定している厚みより薄い比較例5の場合には冷熱サイクル性が不十分であった。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面に、該旧塗膜を溶解又は膨潤させる溶剤を含有し且つ伸び率が5〜150%の塗膜を形成する下塗塗料を乾燥膜厚で50〜300μmとなるように塗装し、次いで、伸び率が2〜200%の塗膜を形成する厚膜型塗料を乾燥膜厚で200〜1000μmとなるように塗装することを特徴とする旧塗膜の補修塗装法。
  2. 熱可塑性樹脂を結合剤とする旧塗膜の表面に、該旧塗膜を溶解又は膨潤させる溶剤を含有し且つ伸び率が20〜100%の塗膜を形成する下塗塗料を乾燥膜厚で70〜280μmとなるように塗装し、次いで、伸び率が3〜200%の塗膜を形成する厚膜型塗料を乾燥膜厚で280〜900μmとなるように塗装することを特徴とする旧塗膜の補修塗装法。
  3. 更に、前記厚膜型塗料の塗膜上に仕上げ塗料を塗装する請求項1又は2記載の旧塗膜の補修塗装法。
  4. 前記下塗塗料がエポキシ樹脂系又はウレタン樹脂系の塗料である請求項1〜3の何れか1項に記載の旧塗膜の補修塗装法。
  5. 前記下塗塗料がエポキシ樹脂系又はウレタン樹脂系の塗料であり且つ鱗片状顔料を含有している請求項4記載の旧塗膜の補修塗装法。
  6. 前記鱗片状顔料が鱗片状酸化鉄(MIO)、鱗片状タルク又はガラスフレークである請求項5記載の旧塗膜の補修塗装法。
  7. 前記厚膜型塗料がエポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ビニル樹脂系又はポリエステル樹脂系の塗料である請求項1〜6の何れか1項に記載の旧塗膜の補修塗装法。
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