JP2009159657A - 直流給電装置および照明器具 - Google Patents

直流給電装置および照明器具 Download PDF

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Abstract

【課題】直流機器の配置の自由度を高めることができる直流給電装置および照明器具を提供する。
【解決手段】正極および負極の直流配線W1,W2は、DC/DCコンバータ2の出力に接続されており壁パネルP内の複数箇所で互いに交差するように壁パネルPの施工面3に沿って敷設される。前記施工面3において正極および負極の直流配線W1,W2の交点に対応する各部位にはそれぞれ、柱状に形成され差込方向の一端側に正極の電極を有し他端側に負極の電極を有した直流機器の差込プラグを差し込み可能な差込口4が開口する。正極および負極の直流配線W1,W2は、差込口4に対応する各部位において施工面3と直交する方向に互いに離間しており、各差込口4に差し込まれる直流機器の差込プラグの両電極に接触することによって当該差込プラグに対して電気的に接続される。
【選択図】図1

Description

本発明は、直流電力により駆動される直流機器に対して直流電力を供給するDC配電システムに用いる直流給電装置および照明器具に関するものである。
従来から、発光ダイオード(LED)を光源として備える照明器具や、パーソナルコンピュータなど直流電力の供給を受けて動作する直流機器が種々提供されている。この種の直流機器のうち、商用電源等からの交流電力を供給する一般的な交流コンセントに接続して使用されるものは、整流回路を含み交流電源を直流電源に変換するAC/DC変換回路を具備(内蔵あるいは外付けのACアダプタに具備)することにより、交流コンセントからの電力供給で動作可能な構成を採用している(たとえば特許文献1参照)。
一方、本願出願人は、たとえば住宅などの分電盤内に配設したAC/DCコンバータによって商用電源等の交流電源を直流電源に変換し、各部屋に設置され正極および負極の一対の給電部を有する直流コンセント等の直流アウトレットに対して分電盤から直流電力を配電するDC配電システムを提案している。このDC配電システムにおいて直流機器を使用する場合、直流機器は直流コンセントに接続されることにより交流電力ではなく直流電力が供給されることとなるため、直流機器に上記AC/DC変換回路が不要になる。
特開2007−59156号公報(第4−5頁)
ところで、直流コンセント等の直流アウトレットは住宅等の建造物に先行配置(建造物の建築時に施工)されるものであって、建造物に先行配線されている正負一対の直流供給線路を介して直流電源に接続される。したがって、建造物の完成後に直流アウトレットの位置を変更することは困難であり、直流機器を設置可能な場所は直流アウトレットの付近に限定されてしまうこととなる。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであって、直流機器の配置の自由度を高めることができる直流給電装置および照明器具を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、直流電力により駆動される直流機器に対して直流電力を供給するDC配電システムに用いる直流給電装置であって、直流電源に接続されており構造物における施工面の面方向に沿って当該構造物内に配設された正極の直流配線と、直流電源に接続されており前記施工面の面方向に沿って配設され前記構造物内において正極の直流配線と複数箇所で交差する負極の直流配線と、前記施工面において前記正極および負極の直流配線の交点に対応する各部位にそれぞれ開口した複数の差込口とを備え、各差込口には、柱状に形成され差込方向の一端側に正極の電極を有し他端側に負極の電極を有し直流機器に電源供給する差込プラグをそれぞれ差し込み可能であって、前記正極および負極の直流配線が、差込口に対応する各部位において前記施工面と直交する方向に互いに離間しており、各差込口に差し込まれる直流機器の差込プラグの両電極に接触することによって当該差込プラグに対して電気的に接続されることを特徴とする。
この構成によれば、構造物の施工面に開口した差込口に直流機器の差込プラグを差し込むことにより、当該差込プラグを介して直流電源から直流機器に直流電力を供給することができる。ここで、差込口は、施工面の複数箇所で互いに交差する正極および負極の直流配線の交点に対応する各部位にそれぞれ開口しているので、複数の差込口の中から任意の差込口を選択して差込プラグを接続することで直流機器の配置の自由度を高めることができるという利点がある。なお、ここでいう構造物はたとえば建造物の壁、床、天井などを含み、施工面は構造物のうち直流機器を配置する空間に面した壁面、床面、天井面などを意味する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記正極および負極の直流配線が、前記施工面への投影像が格子状となるように配設されていることを特徴とする。
この構成によれば、施工面に対して複数の差込口を効率良く配置することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の直流給電装置の前記差込口に差し込まれる差込プラグと、当該差込プラグが突設されており差込プラグで直流電力を受けることにより光源を点灯させる器具本体とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、差込プラグが器具本体に突設されているから、差込プラグを直流給電装置の差込口に差し込むことで器具本体を施工面に取り付けることができる。
本発明は、複数の差込口の中から任意の差込口を選択して差込プラグを接続することで直流機器の配置の自由度を高めることができるという利点がある。
以下の実施形態で説明する直流給電装置は、図2に示すように、たとえば住宅などの分電盤110内に配設したAC/DCコンバータ112によって商用電源等の交流電源ACを直流電源に変換し、各部屋に設置され正極および負極の一対の給電部を有する直流コンセント131等の直流アウトレットに対して分電盤110から直流電力を配電するDC配電システムに用いられるものである。
ここで、DC配電システムについて以下に図2を参照して簡単に説明する。
以下の説明では、DC配電システムを適用する建物として戸建て住宅の家屋を想定して説明するが、DC配電システムの技術思想を集合住宅に適用することを妨げるものではない。家屋Hには、図2に示すように、直流電力を出力する直流電力供給部101と、直流電力により駆動される負荷としての直流機器102とが設けられ、直流電力供給部101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して直流機器102に直流電力が供給される。直流電力供給部101と直流機器102との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流給電線路Wdc上で直流電力供給部101から直流機器102への給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ114が設けられる。
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
直流供給線路Wdcは、直流電力供給部101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において直流機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の直流機器102からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の直流機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う直流機器102からなるインターホンシステムK103、火災感知器のような警報系の直流機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102およびインターホンシステムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて4個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102とインターホンシステムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)される直流コンセント131に接続される直流機器102からなる情報機器システムK101が設けられる。
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(直流機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(直流機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、または家人自身が照明器具を取り付ける。
照明システムK102を構成する直流機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は直流機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の直流機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
上述した直流コンセント131、引掛シーリング132には、任意の直流機器102を接続することができ、接続された直流機器102に直流電力を出力するから、以下では直流コンセント131、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「直流アウトレット」と呼ぶ。
これらの直流アウトレットは、直流機器102に直接設けた接触子(図示せず)または接続線を介して設けた接触子(図示せず)が差し込まれる差込式の接続口(給電部)が器体に開口し、接続口に差し込まれた接触子に直接接触する接触子受けが器体に保持された構造を有している。すなわち、直流アウトレットは接触式で給電を行う。直流アウトレットに接続された直流機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。直流機器102だけではなく直流アウトレットにも通信機能が設けられている。
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として直流機器102であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的に片方向のポーリング通信を行うことにより、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
宅内サーバ116における宅内網との通信機能のうち重要な機能は、宅内網を構成する機器の検出と管理である。宅内サーバ116では、UPnP(Universal Plug and Play)を応用して宅内網に接続された機器を自動的に検出する。宅内サーバ116はブラウザ機能を有する表示器117を備え、検出した機器の一覧を表示器117に表示する。この表示器117はタッチパネル式もしくは操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、たとえば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
ところで、直流電力供給部101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
直流電力供給部101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給部101を構成する主電源および分散電源から直流機器102への電力の配分を制御する直流電力制御部として機能する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
直流機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(もしくは1台の直流ブレーカ114に接続された直流機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源および分散電源や直流機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、直流機器2に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給部101を設けることができるから、直流電力供給部101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する直流機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111および分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
以下では、上述したDC配電システムにおいて照明システムK102を構築する照明器具を直流機器102の一例として説明する。ここで、直流アウトレットから直流機器102に印加される直流電圧の大きさは、交流の商用電源に比較して低く(たとえば24V、50Vなど)設定されている。
(実施形態)
本実施形態の直流給電装置1は、図1に示すように、直流電源となる後述のDC/DCコンバータ2の出力に接続された正極および負極の直流配線W1,W2が、建造物の壁を形成する構造物としての壁パネルP内に敷設された構成を有する。ここでは、壁パネルPにおいて室内に面した一表面を、前記壁パネルPの施工面3とする。なお、図1では直流配線W1,W2を図示しているが、直流配線W1,W2は実際には施工面3の裏側(壁パネルP内)に設けられており施工面3の表面側に露出するものではない。
図示例において、AC/DCコンバータ112は、交流電源ACから交流電力が供給されることによりダイオードD1を介して平滑用のコンデンサC1の両端に直流電圧を発生するものであって、コンデンサC1の両端電圧を第1の基準電圧Vref1に維持するようにコンパレータComp1の出力を用いてフィードバック制御される。コンデンサC1の両端に生じる直流電圧は、直流供給線路Wdcを介して直流機器102や直流給電装置1のDC/DCコンバータ2に供給される。なお、図示例では、ダイオードD1およびコンデンサC1をAC/DCコンバータ112と別に示しているが、ダイオードD1およびコンデンサC1をAC/DCコンバータ112に含めてもよい。
DC/DCコンバータ2は、直流電力が供給されることによりダイオードD2を介して平滑用のコンデンサC2の両端に直流電圧を発生するものであって、コンデンサC2の両端電圧を第2の基準電圧Vref2に維持するようにコンパレータComp2の出力を用いてフィードバック制御される。ここに、DC/DCコンバータ2は直流給電装置1ごとに設けられており、それぞれ施工面3の裏側(たとえば壁パネルP内)に収容されるものとする。なお、図示例では、ダイオードD2およびコンデンサC2をDC/DCコンバータ2と別に示しているが、ダイオードD2およびコンデンサC2をDC/DCコンバータ2に含めてもよい。
正極および負極の直流配線W1,W2は、壁パネルP内の複数箇所で互いに交差するように施工面3の面方向に沿って敷設されている。本実施形態で用いる直流配線W1,W2は、金属材料(たとえば銅)からなる単芯の裸線とする。
具体的に説明すると、正極の直流配線W1は、それぞれ施工面3の上下方向に沿って敷設された複数本(図1では4本)の主導線W10〜W13を有し、これら主導線W10〜W13に関して左右方向に隣接するもの同士を上端部あるいは下端部において連結導線W14〜W16で1本に連結することで構成されている。一方、負極の直流配線W2は、それぞれ施工面3の左右方向に沿って敷設された複数本(図1では4本)の主導線W20〜W23を有し、これら主導線W20〜W23に関して上下方向に隣接するもの同士を左端部あるいは右端部において連結導線W24〜W26で一本に連結することで構成されている。詳しくは後述するが、本実施形態では負極の直流配線W2を構成する各主導線W20〜W23は、それぞれ上下方向に対向する一対の導線片W2a,W2b(図3参照)に分岐されている。
ここにおいて、正極の直流配線W1を構成する主導線W10〜W13と、負極の直流配線W2を構成する主導線W20〜W23とは、施工面3への投影像が格子状となるように互いに交差する形で敷設されている。そのため、主導線W10〜W13の各々における各主導線W20〜W23との交点において、それぞれ正極および負極の直流配線W1,W2が交差する。ここで、直流配線W1,W2の交点において直流配線W1,W2同士が接触することがないように、正極および負極の直流配線W1,W2は、施工面3と直交する方向に互いに離間して配置される(図3参照)。
ところで、本実施形態の直流給電装置1は、施工面3において正極および負極の直流配線W1,W2の交点に対応する各部位にそれぞれ開口した複数の差込口4を備えている。図1の例では、4本の主導線W10〜W13と4本の主導線W20〜W23との各交点にそれぞれ差込口4が設けられるので、施工面3には合計16箇所の差込口4が設けられている。
各差込口4には、図3に示すように柱状に形成され長手方向の一端側(図3の右端側)に正極の電極51を有し他端側(図3の左端側)に負極の電極52を有した直流機器102の差込プラグ5がそれぞれ差込可能となっている。要するに、直流機器102の差込プラグ5は所謂フォーンプラグのように、先端側(チップ)と基端側(スリーブ)とのそれぞれに互いに異極性となる電極を有するものである。ここでは、図3のように基端側(正極の電極51)の外径が先端側(負極の電極52)の外径よりも大きく設定された円柱状の差込プラグ5を採用することとし、差込口4は差込プラグ5の基端側の部位の外径と略同じ内径を有する円形状に開口している。差込プラグ5における正極の電極51と負極の電極52との間には、両者を絶縁する絶縁リング53が介設されている。
正極および負極の直流配線W1,W2は、施工面3と直交する方向において、施工面3に近い方に正極の直流配線W1、施工面3から遠い方に負極の直流配線W2が位置するように配置されており、各差込口4に差し込まれる差込プラグ5の両電極51,52に接触することによって当該差込プラグ5に対して電気的に接続されるようになっている。
すなわち、差込口4に差し込まれた差込プラグ5は、図3に示すように先端側の電極52が負極の直流配線W2を構成する主導線W20〜W23(図3ではW20)に接触することで当該直流配線W2と接触し、基端側の電極51が正極の直流配線W1を構成する主導線W10〜W13(図3ではW10)に接触することで当該直流配線W1と接触する。ここで、負極の直流配線W2の各主導線W20〜W23を構成する一対の導線片W2a,W2bは、差込口4に差し込まれた差込プラグ5の電極52を挟み込むように、差込口4に対応する位置に配線されている。また、正極の直流配線W1の各主導線W10〜W13は、差込口4に差し込まれた差込プラグ5の電極51に側方から弾接するように、差込口4に対応する位置に配線されている。
以上説明した構成の直流給電装置1によれば、施工面3に形成された差込口4に対し直流機器102の差込プラグ5を差し込むことで、差込プラグ5を介してDC/DCコンバータ2から直流機器102に直流電源が供給されることになる。ここで、差込口4は、施工面3に沿って格子状に敷設された直流配線W1,W2の交点に対応する各位置にそれぞれ設けられているから、複数の差込口4の中から任意の差込口4を選択して直流機器102の差込プラグ5を接続することにより、直流機器102の配置の自由度を高めることができる。
なお、上記構成は一例に過ぎず、たとえば直流配線W1,W2の極性は上述の例と反対(つまり、施工面3に近い方が負極、施工面3から遠い方が正極)であってもよく、この場合、差込プラグ5の電極51,52の極性も当然ながら反対となる。
上述の直流給電装置1は、直流配線W1,W2が配線され且つ差込口4が開口した壁パネルPを予め作製し、当該壁パネルPを用いて建造物の壁を形成することで建造物に容易に設置できるようにしてある。既設の建造物の壁に直流配線W1,W2の敷設を行う場合には、直流配線W1,W2をインサートした樹脂シートを壁パネルPに貼り付けて壁パネルPと一体化することにより直流配線W1,W2の敷設を簡略化することも考えられる。
また、本実施形態で例示する照明器具(直流機器102)は、光源(図示せず)や点灯回路(図示せず)を収容した器体6を具備する器具本体7を備えており、当該器具本体7から上記差込プラグ5が突設された構成を有する。しかして、差込プラグ5を直流給電装置1の差込口4に差し込むことにより、器具本体7を施工面3に取り付けることができる。ただし、器具本体7を施工面3に取り付けるための手段を差込プラグ5とは別に設けてもよい。差込プラグ5は器体6の内部で点灯回路に接続されており、差込プラグ5を直流給電装置1の差込口4に差し込んで直流配線W1,W2に接続することで光源を点灯させることが可能となる。ここで、点灯回路にスイッチを設け、当該スイッチのオンオフにより光源の点灯・消灯を切り替えるようにしてもよい。
なお、図3に示す例において差込口4の開口周縁には、差込口4に差し込まれた差込プラグ5を正極および負極の直流配線W1,W2のそれぞれと接触する位置に案内する円筒状のガイド筒41が設けられている。さらにまた、差込プラグ5を差込口4に差し込む際に、両電極51,52の境界部分がガイド筒41や直流配線W1に引っ掛からないように、絶縁リング53の外表面は差込プラグ5の先端側ほど外径が小さくなるテーパ状に形成されている。
ところで、上述の実施形態では、建造物の壁を形成する壁パネルPを構造物の一例として説明したが、構造物は壁に限らず、たとえば建造物の天井や床等であってもよい。ここで、いずれの場合も構造物のうち直流機器2を配置する側の空間に面した一表面が施工面3となり、たとえば構造物を部屋の天井とした場合、この部屋の天井面が施工面3となる。
壁と天井との両方に同様の直流給電装置1を配設した場合、図4に示すように、壁に取り付けられて室内を照明する照明器具(直流機器102)と、天井に取り付けられて室内を照明する照明器具(直流機器102)とのそれぞれに対して、別々の直流給電装置1から直流電源を供給することが可能になる。ここで、DC/DCコンバータ2を直流給電装置1ごとに設けているから、各DC/DCコンバータ2にそれぞれ通信機能を設けることにより、直流供給線路Wdcを通信路として用いる通信を利用して、直流給電装置1ごとに直流機器102への電力供給を制御することができ、たとえばDC/DCコンバータ2の出力電圧を決定する基準電圧Vref2を調節することで、各直流給電装置1から大きさの異なる直流電圧をそれぞれ出力することも可能となる。さらに、DC/DCコンバータ2に保護機能を付加することで、直流給電装置1ごとに回路保護動作を行わせることが可能となり、たとえば、ある直流給電装置1に接続されている直流機器102に異常が生じた場合に、当該異常が他の直流給電装置1に接続された直流機器102に影響することを防止できる。
なお、上記実施形態では、直流配線W1,W2として単芯の裸線を用いる例を示したが、この例に限らず、直流配線W1,W2としてたとえば絶縁被覆付きの電線を用いたり、金属板を用いたりしてもよい。ただし、絶縁被覆付きの電線を用いる場合、当該電線のうち少なくとも差込プラグ5と接触する部位、つまり差込口4に対応する各部位においては、絶縁被覆を剥離して芯線を露出させておく必要がある。
本発明の実施形態の構成を示す概略図である。 同上の直流給電装置が用いられるDC配電システムを示すシステム構成図である。 同上の要部を示す断面図である。 同上の全体構成を示す概略システム構成図である。
符号の説明
1 直流給電装置
3 施工面
4 差込口
5 差込プラグ
7 器具本体
51,52 電極
102 直流機器
P 壁パネル(構造物)
W1,W2 直流配線

Claims (3)

  1. 直流電力により駆動される直流機器に対して直流電力を供給するDC配電システムに用いる直流給電装置であって、直流電源に接続されており構造物における施工面の面方向に沿って当該構造物内に配設された正極の直流配線と、直流電源に接続されており前記施工面の面方向に沿って配設され前記構造物内において正極の直流配線と複数箇所で交差する負極の直流配線と、前記施工面において前記正極および負極の直流配線の交点に対応する各部位にそれぞれ開口した複数の差込口とを備え、各差込口には、柱状に形成され差込方向の一端側に正極の電極を有し他端側に負極の電極を有し直流機器に電源供給する差込プラグをそれぞれ差し込み可能であって、前記正極および負極の直流配線は、差込口に対応する各部位において前記施工面と直交する方向に互いに離間しており、各差込口に差し込まれる直流機器の差込プラグの両電極に接触することによって当該差込プラグに対して電気的に接続されることを特徴とする直流給電装置。
  2. 前記正極および負極の直流配線は、前記施工面への投影像が格子状となるように配設されていることを特徴とする請求項1記載の直流給電装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の直流給電装置の前記差込口に差し込まれる差込プラグと、当該差込プラグが突設されており差込プラグで直流電力を受けることにより光源を点灯させる器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。
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