JP2009146777A - 直流接続装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】直流電流によるアークがプラグに備えてある一対の接続端子の両方で生じるといった事態を防止することのできる直流接続装置を提供する。
【解決手段】直流駆動される電気機器に使用される一対の接続端子3を有するDC配電用のプラグ2と、上記プラグ2の各接続端子3を挿入する挿入口4と該挿入口4を通じて挿入される各接続端子3が電気接続される一対の接続部5とを有するDC配電用のコンセント1と、から成る直流接続装置である。上記プラグ2の一対の接続端子3の一方と他方とで、上記コンセント1の接続部5から開離するタイミングを相違させる。
【選択図】図1
【解決手段】直流駆動される電気機器に使用される一対の接続端子3を有するDC配電用のプラグ2と、上記プラグ2の各接続端子3を挿入する挿入口4と該挿入口4を通じて挿入される各接続端子3が電気接続される一対の接続部5とを有するDC配電用のコンセント1と、から成る直流接続装置である。上記プラグ2の一対の接続端子3の一方と他方とで、上記コンセント1の接続部5から開離するタイミングを相違させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、DC配電用のプラグ及びコンセントから成る直流接続装置に関する。
従来からAC配電用の接続装置として、電気機器に使用される一対の接続端子を有するAC配電用のプラグと、上記プラグの各接続端子が電気接続される一対の接続部を有するAC配電用のコンセントとから成るものが周知である(例えば特許文献1参照)。
ところで、通電中に上記コンセントから上記プラグを引き抜き、上記プラグの一対の接続端子を上記コンセントの一対の接続部から開離させた場合には、一対の接続端子の両方でアークが生じることになる。ここで生じるアークは交流によるものであって磨耗や安全性確保等に大きな影響を与えないが、上記のAC配電用の直流接続装置をDC配電に適用しようとする場合には、直流電流によるアークが一対の接続端子の両側で発生することとなり、磨耗や安全性確保等の面で大きな影響を与えてしまう。
特開平10−326656号公報
本発明は上記問題点に鑑みて発明したものであって、直流電流によるアークがプラグに備えてある一対の接続端子の両方で生じるといった事態を防止することのできる直流接続装置を提供することを、課題とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、直流駆動される電気機器102に使用される一対の接続端子3を有するDC配電用のプラグ2と、上記プラグ2の各接続端子3を挿入する挿入口4と該挿入口4を通じて挿入される各接続端子3が電気接続される一対の接続部5とを有するDC配電用のコンセント1と、から成る直流接続装置であって、上記プラグ2の一対の接続端子3の一方と他方とで上記コンセント1の接続部5から開離するタイミングを相違させる開離タイミング相違手段を具備する。このようにすることで、通電中にプラグ2をコンセント1から引き抜く場合において、まずプラグ2の一方の接続端子3がコンセント1の接続部5から開離してアークを生じるものの、他方の接続端子3がコンセント1の接続部5から開離する際には電気が遮断された状態になってアークが生じることがなくなる。つまり、直流電流によるアークが両方の接続端子3で生じるといった事態が防止される。
また、上記構成の直流接続装置にあっては、上記開離タイミング相違手段として、一対の接続端子3の一方と他方とで、プラグ2からの突出長さLを相違させることが好適である。このようにすることで、まずプラグ2の短い側の接続端子3がコンセント1の接続部5から開離してアークを生じるものの、長い側の接続端子3がコンセント1の接続部5から開離する際には電気が遮断された状態になってアークが生じることがなくなる。つまり、このようなシンプルな構成により、直流電流によるアークが両方の接続端子3で生じるといった事態が防止される。
更にこのとき、上記プラグ2の突出長さLが短い側の接続端子3の先端から絶縁体13を延設し、該絶縁体13を含む接続端子3の突出長さを、長い側の接続端子3の突出長さLと一致させることも好適である。これにより、絶縁体13までを含んだ一方の接続端子3と、他方の接続端子3とを、コンセント1の挿入口4に対して同一タイミングで安定的に抜き差しすることが可能となる。
また、上記開離タイミング相違手段として、上記コンセント1の一対の接続部5の一方と他方とで、挿入口4から接続部5までの挿入深さDを相違させることも好適である。このようにすることで、通電中にプラグ2をコンセント1から引き抜く場合において、まず挿入深さDが深い側の挿入口4に挿入してある接続端子3がコンセント1の接続部5から開離してアークを生じるものの、挿入深さDが浅い側の挿入口4に挿入してある接続端子3がコンセント1の接続部5から開離する際には電気が遮断された状態になってアークが生じることがなくなる。つまり、一対の接続端子3の突出長さLを相違させることなく(若しくは大きくは相違させることなく)、直流電流によるアークが両方の接続端子で生じるといった事態が防止される。
請求項1に係る発明は、通電中にプラグをコンセントから引き抜く場合において、まずプラグの一方の接続端子がコンセントの接続部から開離してアークを生じるものの、他方の接続端子がコンセントの接続部から開離する際には電気が遮断された状態になってアークが生じることがなくなり、直流電流によるアークが両方の接続端子で生じるといった事態が防止されるという効果を奏する。
また請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加えて、プラグ側の接続端子の突出長さを相違させるというシンプルな構成により、直流電流によるアークが両方の接続端子で生じるといった事態を防止することができるという効果を奏する。
また請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明の効果に加えて、絶縁体まで含んだ一方の接続端子と他方の接続端子の突出長さを一致させることができ、両方の接続端子をコンセントの挿入口に対して同一タイミングで安定的に抜き差しすることができるという効果を奏する。
また請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加えて、一対の接続端子の突出長さを相違させることなく(若しくは大きくは相違させることなく)、直流電流によるアークが両方の接続端子で生じるといった事態を防止することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態における一例の直流接続装置を図に基づいて説明する。まず、本例の直流接続装置を用いて構成した直流配電システム全体について図3に基づいて説明し、次いで、直流接続装置について図1、図2に基づいて更に詳述する。
以下に説明する直流配電システムの実施形態は、本発明を適用する建物として戸建て住宅の家屋を想定して説明するが、本発明の技術思想を集合住宅に適用することを妨げるものではない。家屋Hには、図3に示すように、直流電力を出力する直流電力供給部101と、直流電力により駆動される負荷としての電気機器102とが設けられ、直流電力供給部101の出力端部に接続した直流供給線路Wdcを通して電気機器102に直流電力が供給される。直流電力供給部101と電気機器102との間には、直流供給線路Wdcに流れる電流を監視し、異常を検知したときに直流供給線路Wdc上で直流電力供給部101から電気機器102への給電を制限ないし遮断する直流ブレーカ114が設けられる。
直流供給線路Wdcは、直流電力の給電路であるとともに通信路としても兼用されており、高周波の搬送波を用いてデータを伝送する通信信号を直流電圧に重畳することにより直流供給線路Wdcに接続された機器間での通信を可能にしている。この技術は、交流電力を供給する電力線において交流電圧に通信信号を重畳させる電力線搬送技術と類似した技術である。
直流供給線路Wdcは、直流電力供給部101を介して宅内サーバ116に接続される。宅内サーバ116は、宅内の通信網(以下、「宅内網」という)を構築する主装置であり、宅内網において電気機器102が構築するサブシステムなどと通信を行う。
図示例では、サブシステムとして、パーソナルコンピュータ、無線アクセスポイント、ルータ、IP電話機のような情報系の電気機器102からなる情報機器システムK101、照明器具のような照明系の電気機器102からなる照明システムK102,K105、来客対応や侵入者の監視などを行う電気機器102からなる玄関システムK103、火災感知器のような警報系の電気機器102からなる住警器システムK104などがある。各サブシステムは、自立分散システムを構成しており、サブシステム単独でも動作が可能になっている。
上述した直流ブレーカ114は、サブシステムに関連付けて設けられており、図示例では、情報機器システムK101、照明システムK102および玄関システムK103、住警器システムK104、照明システムK105に関連付けて4個の直流ブレーカ114を設けている。1台の直流ブレーカ114に複数個のサブシステムを関連付ける場合には、サブシステムごとに直流供給線路Wdcの系統を分割する接続ボックス121が設けられる。図示例においては、照明システムK102と玄関システムK103との間に接続ボックス121が設けられている。
情報機器システムK101としては、壁コンセントあるいは床コンセントの形態で家屋Hに先行配置(家屋Hの建築時に施工)されるDC配電用のコンセント1に接続される電気機器102からなる情報機器システムK101が設けられる。コンセント1の更に詳細な構成については後述する。
照明システムK102、K105としては、家屋Hに先行配置される照明器具(電気機器102)からなる照明システムK102と、天井に先行配置される引掛シーリング132に接続する照明器具(電気機器102)からなる照明システムK105とが設けられる。引掛シーリング132には、家屋Hの内装施工時に施工業者が照明器具を取り付けるか、または家人自身が照明器具を取り付ける。
照明システムK102を構成する電気機器102である照明器具に対する制御の指示は、赤外線リモコン装置を用いて与えるほか、直流供給線路Wdcに接続されたスイッチ141から通信信号を用いて与えることができる。すなわち、スイッチ141は電気機器102とともに通信の機能を有している。また、スイッチ141の操作によらず、宅内網の別の電気機器102あるいは宅内サーバ116から通信信号により制御の指示がなされることもある。照明器具への指示には、点灯、消灯、調光、点滅点灯などがある。
上述したコンセント1、引掛シーリング132には、任意の電気機器102を接続することができ、接続された電気機器102に直流電力を出力するから、以下ではコンセント1、引掛シーリング132を区別する必要がない場合には「直流アウトレット」と呼ぶ。
これらの直流アウトレットは接触式で給電を行う。直流アウトレットに接続された電気機器102が通信機能を有する場合には、直流供給線路Wdcを通して通信信号を伝送することが可能になる。電気機器102だけではなく直流アウトレットにも通信機能が設けられている。
宅内サーバ116は、宅内網に接続されるだけではなく、インターネットを構築する広域網NTに接続される接続口を有している。宅内サーバ116が広域網NTに接続されている場合には、広域網NTに接続されたコンピュータサーバであるセンタサーバ200によるサービスを享受することができる。
センタサーバ200が提供するサービスには、広域網NTを通して宅内網に接続された機器(主として電気機器102であるが通信機能を有した他の機器も含む)の監視や制御を可能にするサービスがある。このサービスにより、パーソナルコンピュータ、インターネットTV、移動体電話機などのブラウザ機能を備える通信端末(図示せず)を用いて宅内網に接続された機器の監視や制御が可能になる。
宅内サーバ116は、広域網NTに接続されたセンタサーバ200との間の通信と、宅内網に接続された機器との間の通信との両方の機能を備え、宅内網の機器に関する識別情報(ここでは、IPアドレスを用いるものとする)の取得の機能を備える。
宅内サーバ116は、センタサーバ200との通信機能を用いることにより、広域網NTに接続された通信端末からセンタサーバ200を通して宅内の機器の監視や制御を可能にする。センタサーバ200は、宅内の機器と広域網NT上の通信端末とを仲介する。
通信端末から宅内の機器の監視や制御を行う場合は、監視や制御の要求をセンタサーバ200に記憶させ、宅内の機器は定期的に片方向のポーリング通信を行うことにより、通信端末からの監視や制御の要求を受信する。この動作により、通信端末から宅内の機器の監視や制御が可能になる。
また、宅内の機器において火災検知など通信端末に通知すべきイベントが生じたときには、宅内の機器からセンタサーバ200に通知し、センタサーバ200から通信端末に対して電子メールによる通知を行う。
宅内サーバ116における宅内網との通信機能のうち重要な機能は、宅内網を構成する機器の検出と管理である。宅内サーバ116では、UPnP(Universal Plug and Play)を応用して宅内網に接続された機器を自動的に検出する。宅内サーバ116はブラウザ機能を有する表示器117を備え、検出した機器の一覧を表示器117に表示する。この表示器117はタッチパネル式もしくは操作部が付設された構成を有し、表示器117の画面に表示された選択肢から所望の内容を選択する操作が可能になっている。したがって、宅内サーバ116の利用者(施工業者あるいは家人)は、表示器117の画面上で機器の監視ないし制御が可能になる。表示器117は宅内サーバ116とは分離して設けてもよい。
宅内サーバ116では、機器の接続に関する情報を管理しており、宅内網に接続された機器の種類や機能とアドレスとを把握する。したがって、宅内網の機器を連動動作させることができる。機器の接続に関する情報は上述のように自動的に検出されるが、機器を連動動作させるには、機器自身が保有する属性により自動的に関係付けを行うほか、宅内サーバ116にパーソナルコンピュータのような情報端末を接続し、情報端末のブラウザ機能を利用して機器の関係付けを行うこともできる。
機器の連動動作の関係は各機器がそれぞれ保持する。したがって、機器は宅内サーバ116を通すことなく連動動作することができる。各機器について、連動動作の関係付けを行うことにより、たとえば、機器であるスイッチの操作により、機器である照明器具の点灯あるいは消灯の動作を行うことが可能になる。また、連動動作の関係付けはサブシステム内で行うことが多いが、サブシステムを超える関係付けも可能である。
ところで、直流電力供給部101は、基本的には、商用電源のように宅外から供給される交流電源ACの電力変換により直流電力を生成する。図示する構成では、交流電源ACは、分電盤110に内器として取り付けられた主幹ブレーカ111を通して、スイッチング電源を含むAC/DCコンバータ112に入力される。AC/DCコンバータ112から出力される直流電力は、協調制御部113を通して各直流ブレーカ114に接続される。
直流電力供給部101には、交流電源ACから電力が供給されない期間(たとえば、商用電源ACの停電期間)に備えて二次電池162が設けられている。また、直流電力を生成する太陽電池161や燃料電池163を併用することも可能になっている。交流電源ACから直流電力を生成するAC/DCコンバータ112を備える主電源に対して、太陽電池161や二次電池162や燃料電池163は分散電源になる。なお、図示例において、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163は出力電圧を制御する回路部を含み、二次電池162は放電だけではなく充電を制御する回路部も含んでいる。
分散電源のうち太陽電池161や燃料電池163は必ずしも設けなくてもよいが、二次電池162は設けるのが望ましい。二次電池162は主電源や他の分散電源により適時充電され、二次電池162の放電は、交流電源ACから電力が供給されない期間だけではなく必要に応じて適時に行われる。二次電池162の充放電や主電源と分散電源との協調は、協調制御部113により行われる。すなわち、協調制御部113は、直流電力供給部101を構成する主電源および分散電源から電気機器102への電力の配分を制御する直流電力制御部として機能する。なお、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163の出力を交流電力に変換し、AC/DCコンバータ112の入力電力として用いる構成を採用してもよい。
電気機器102の駆動電圧は機器に応じた複数種類の電圧から選択されるから、協調制御部113にDC/DCコンバータを設け、主電源および分散電源から得られる直流電圧を必要な電圧に変換するのが望ましい。通常は、1系統のサブシステム(もしくは1台の直流ブレーカ114に接続された電気機器102)に対して1種類の電圧が供給されるが、1系統のサブシステムに対して3線以上を用いて複数種類の電圧を供給するように構成してもよい。あるいはまた、直流供給線路Wdcを2線式とし、線間に印加する電圧を時間経過に伴って変化させる構成を採用することも可能である。DC/DCコンバータは、直流ブレーカと同様に複数に分散して設けてもよい。
上述の構成例では、AC/DCコンバータ112を1個だけ図示しているが、複数個のAC/DCコンバータ112を並設することが可能であり、複数個のAC/DCコンバータ112を設けるときには、負荷の大きさに応じて運転するAC/DCコンバータ112の台数を増減させるのが望ましい。
上述したAC/DCコンバータ112、協調制御部113、直流ブレーカ114、太陽電池161、二次電池162、燃料電池163には通信機能が設けられており、主電源および分散電源や電気機器102を含む負荷の状態に対処する連携動作を行うことを可能にしている。この通信に用いる通信信号は、電気機器102に用いる通信信号と同様に直流電圧に重畳する形式で伝送する。
上述の例では主幹ブレーカ111から出力された交流電力をAC/DCコンバータ112により直流電力に変換するために、AC/DCコンバータ112を分電盤110内に配置しているが、主幹ブレーカ111の出力側において分電盤110内に設けた分岐ブレーカ(図示せず)で交流供給線路を複数系統に分岐し、各系統の交流供給線路にAC/DCコンバータを設けて系統ごとに直流電力に変換する構成を採用してもよい。
この場合、家屋Hの各階や各部屋を単位として直流電力供給部101を設けることができるから、直流電力供給部101を系統別に管理することができ、しかも、直流電力を利用する電気機器102との間の直流供給線路Wdcの距離が小さくなるから、直流供給線路Wdcでの電圧降下による電力損失を低減させることができる。また、主幹ブレーカ111および分岐ブレーカを分電盤110に収納し、AC/DCコンバータ112と協調制御部113と直流ブレーカ114と宅内サーバ116とを分電盤110とは別の盤に収納してもよい。
次に、DC配電用の上記コンセント1とDC配電用のプラグ2とから成る直流接続装置の構成について、図1、図2に基づいて詳述する。
プラグ2は、直流駆動される上記電気機器102に使用される一対の接続端子3と、各接続端子3を支持するプラグ本体6を有するものである。またコンセント1は、コンセント本体7と、プラグ2から突設される一対の接続端子3がそれぞれ挿入するようにコンセント本体7に形成される一対の挿入口4と、各挿入口4を通じてコンセント本体7内に挿入される各接続端子3が電気接続されるように該コンセント本体7内に配置される一対の直流給電用の接続部5とを有するものである。
プラグ2の接続端子3は、箱型を成すプラグ本体6の一面側から平行に突設される平板状の栓刃から成るものであって、一対の接続端子3の一方と他方とで、プラグ本体6からの突出長さLを相違させている。なお、以下においては突出長さLが長い側の接続端子3を「接続端子3a」としてその突出長さLを「突出長さLa」とし、突出長さLが短い側の接続端子3を「接続端子3b」としてその突出長さLを「突出長さLb」とする。
コンセント1の挿入口4は、箱型を成すコンセント本体7の一面側に並設されるものであって、各挿入口4内に接続端子3が嵌入するような断面形状に設けている。各挿入口4は、コンセント本体7内に形成してある収納室8と挿通孔12を通じて連通接続させており、該収納室8内に接続部5を配置させている。この接続部5は、対向する一対のバネ片9の端部同士を連結片10でコ字状に連結させた刃受部材から成るもので、一対のバネ片9には、互いに接近する方向にく字状に屈曲させた弾接部分11を設けている。この接触部11が接触端子3と弾接して電気接続する部分である。
本例のコンセント1においては一対の挿通孔12の深さを一致させており、これによって、各挿入口4から対応する接続部5に至るまでの挿入深さDを一致させている。なお、ここでの挿入深さDとは、プラグ2の接続端子3がコンセント本体7の外面に開口する挿入口4から挿入された後に接続部5の接触部11と弾接して電気接続されるまでの深さである。
上記構成のコンセント1及びプラグ2から成る直流接続装置にあっては、通電中にコンセント1からプラグ2を引き抜く場合において、まず短い側の接続端子3bがコンセント1内の対応する接続部5の弾接部分11から開離する。このとき長い側の接続端子3aはコンセント1内の対応する接続部5の弾接部分11と電気接続を継続する。ここで、短い側の接続端子3bからは対応する接続部5との間でアークを生じるものの、長い側の接続端子3aが対応する接続部5の弾接部分11から開離する際には通電が遮断された状態となるため、長い側の接続端子3aからは対応する接続部5との間でアークが生じることがない。つまり、直流電流によるアークが一対の接続端子3a,3bの両方で生じるといった事態が防止される。
なお、長い側の接続端子3aの突出長さLaと短い側の接続端子3bの突出長さLbとの差Lc=La−Lbを、短い側の接続端子3bが開離してから長い側の接続端子3aが開離するまでの間に通電を遮断することのできる長さに設定することは勿論である。
次に、本発明の実施形態における他例の直流接続装置について図4に基づいて説明するが、上記した一例の直流接続装置と同様の構成については詳細な説明を省略し、一例とは相違する本例の特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例では、プラグ2に設けてある一対の接続端子3のプラグ本体6からの突出長さLを一致させるとともに、コンセント1に設けてある一対の挿通孔12の深さを相違させ、これにより各挿入口4から対応する接続部5に至るまでの挿入深さDを相違させている。なお、以下においては挿入深さDが深い側の挿入口4を「挿入口4a」としてその挿入深さを「挿入深さDa」とし、挿入深さDが浅い側の挿入口4を「挿入口4b」としてその挿入深さDを「挿入深さDb」とする。
上記構成のコンセント1及びプラグ2から成る直流接続装置にあっては、通電中にコンセント1からプラグ2を引き抜く場合において、まず深い側の挿入口4aに挿入される接続端子3がコンセント1内の対応する接続部5の弾接部分11から開離する。このとき浅い側の挿入口4bに挿入される接続端子3はコンセント1内の対応する接続部5の弾接部分11と電気接続を継続する。ここで、深い側の挿入口4a内に挿入される接続端子3からは対応する接続部5との間でアークを生じるものの、浅い側の挿入口4bに挿入される接続端子3が対応する接続部5の弾接部分11から開離する際には通電が遮断された状態となるため、この接続端子3aからは対応する接続部5との間でアークが生じることがない。つまり、直流電流によるアークが一対の接続端子3の両方で生じるといった事態が防止される。
なお、深い側の挿入口4aの挿入深さDaと浅い側の挿入口4bの挿入深さDbとの差Dc=Da−Dbを、深い側の挿入口4aに挿入される接続端子3が開離してから浅い側の挿入口4bに挿入される接続端子が開離するまでの間に通電を遮断することのできる深さに設定することは勿論である。
次に、本発明の実施形態における更に他例の直流接続装置について図5に基づいて説明するが、上記した一例の直流接続装置と同様の構成については詳細な説明を省略し、一例とは相違する本例の特徴的な構成についてのみ以下に詳述する。
本例では、プラグ2に設けてある一対の接続端子3a,3bのうち、短い側の接続端子3bの先端から更に絶縁体13を一直線状に延設している。絶縁体13は、接続端子3bと同様の断面形状を有する平板状のものであり、接続端子3bと一体に接続されている。絶縁体13の長さは、長い側の接続端子3aの突出長さLaと短い側の接続端子3bの突出長さLbとの差Lcに一致させている。つまり、この先端の絶縁体13をも含んだ接続端子3bの突出長さLb+Lcは、長い側の接続端子3aの突出長さLaと一致している。
上記構成のコンセント1及びプラグ2から成る直流接続装置にあっては、一例と同様の作用により、直流電流によるアークが一対の接続端子3a,3bの両方で生じるといった事態が防止される。加えて、先端の絶縁体13をも含んだ接続端子3bと接続端子3aとが同じ長さになっているので、絶縁体13を含む接続端子3bと接続端子3aとを、コンセント1の対応する挿入口4に対して同一タイミングで安定的に抜き差しすることが可能となっている。
1 コンセント
2 プラグ
3 接続端子
4 挿入口
5 接続部
13 絶縁体
102 電気機器
D 挿入深さ
L 突出長さ
2 プラグ
3 接続端子
4 挿入口
5 接続部
13 絶縁体
102 電気機器
D 挿入深さ
L 突出長さ
Claims (4)
- 直流駆動される電気機器に使用される一対の接続端子を有するDC配電用のプラグと、上記プラグの各接続端子を挿入する挿入口と該挿入口を通じて挿入される各接続端子が電気接続される一対の接続部とを有するDC配電用のコンセントと、から成る直流接続装置であって、上記プラグの一対の接続端子の一方と他方とで上記コンセントの接続部から開離するタイミングを相違させる開離タイミング相違手段を具備することを特徴とする直流接続装置。
- 上記開離タイミング相違手段として、一対の接続端子の一方と他方とで、プラグからの突出長さを相違させることを特徴とする請求項1に記載の直流接続装置。
- 上記プラグの突出長さが短い側の接続端子の先端から絶縁体を延設し、該絶縁体を含む接続端子の突出長さを、長い側の接続端子の突出長さと一致させることを特徴とする請求項2に記載の直流接続装置。
- 上記開離タイミング相違手段として、上記コンセントの一対の接続部の一方と他方とで、挿入口から接続部までの挿入深さを相違させることを特徴とする請求項1に記載の直流接続装置。
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